JP2012192625A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】給紙部排紙部がプリンター筐体の前面部に配置されたインクジェットプリンターで印刷しても曲げ割れが発生しないインクジェット記録媒体を提供することにある。
【解決手段】透気性の支持体上に少なくとも下層と上層を有し、下層が吸水性無機顔料、水分散性バインダー、ホウ酸またはその塩を含有する塗工組成物から形成され、かつ上層がサブミクロン顔料、ポリビニルアルコールを含有する塗工組成物から形成され、上層をキャスト処理して得られるインクジェット記録媒体において、下層および上層を設けた支持体面の反対面に、塩化カルシウム、バインダーおよび顔料を含有する塗工組成物から形成される裏面層を有し、インクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度が530秒/100mL以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体によって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた光沢を有するインクジェット記録媒体に関する。特に、一般家庭向けA4サイズやA3ノビサイズのインクジェットプリンターに用いられるインクジェット記録媒体に関する。さらには、給紙部排紙部がプリンター筐体の前面部に配置されているプリンターに好適なインクジェット記録媒体に関する。
インクジェットプリンターが一般家庭に進出し、自宅でデジタルカメラの撮影データやコンピューターで作成した画像を個人で印刷することが行われている。
インクジェットプリンターは、インクのより多色化およびインクのより淡色化によって多量のインクを記録媒体に吐出することで高画質化を図っている。さらに近年は、一般家庭のリビングに置かれることを想定したデザイン、操作性および利便性の改良が行われている。その中で、プリンターのコンパクト化や操作性の向上のために、インクジェット記録媒体の給紙部排紙部がプリンター筐体の前面部に配置されたインクジェットプリンターがある(例えば、特許文献1および2参照)。
このような給紙部排紙部がプリンター筐体の前面部に配置されたインクジェットプリンターを用いると、インクジェット記録媒体は、比較的小さな曲率半径を伴って曲げられてUターンすることとなる。この曲げによって、インクジェット記録媒体の支持体上に設けられたインク受理層あるいは光沢発現層に亀裂やクラックが発生する(以下、「曲げ割れ」という。)という問題がある。特に、銀塩写真に近い画質をうたうインクジェット記録媒体や優れた光沢を有するインクジェット記録媒体にとっては、曲げ割れの発生は商品価値の低下となる。
支持体上の片面に、少なくとも1層のインク受理層とキャスト処理によって塗設される光沢発現層が順次積層され、支持体裏面に顔料とバインダーを主成分とするバックコート層を有するインクジェット記録媒体が開示されている(例えば、特許文献3参照)。このようなインクジェット記録媒体では光沢や銀塩写真に近い画質という点で劣る部分がある。
透気性の支持体上にインク受理層とインク受理層最表層とを有し、最表層がキャスト処理され、王研式透気度60〜500秒/100mLであるインクジェット記録媒体が開示されている(例えば、特許文献4参照)。このようなインクジェット記録媒体では、キャスト処理適性に優れるが、光沢や銀塩写真に近い画質という点で未だ劣る部分がある。
優れたインク吸収性を有しつつ、より優れた光沢を有し、より銀塩写真に近い画質を形成することができるインクジェット記録媒体として、透気性の支持体上にインク受理層として吸水性無機顔料、ラテックスおよびホウ酸もしくはホウ酸塩を含有する下層を設け、光沢発現層としてサブミクロン顔料およびポリビニルアルコールを含有する上層をキャスト処理して設けるインクジェット記録媒体が開示されている(例えば、特許文献5および6参照)。
特開2009−262356号公報 特開2001−146340号公報 特開2000−198268号公報 特開2005−035277号公報 特開2010−099991号公報 特開2007−069452号公報
透気性の支持体上に下層および上層を有し、上層をキャスト処理して得られる特許文献5または6が如くのインクジェット記録媒体では、優れた光沢と銀塩写真に近い画質を得るために、上層に比較的粒子径の小さいサブミクロン顔料を用い、しかも上層に亀裂を有さない、顔料を高密度に塗布した塗工層を形成させている。しかしながら、このようなインクジェット記録媒体は、インクジェット記録媒体の給紙部排紙部がプリンター筐体の前面部に配置されたインクジェットプリンターに用いると、印刷後表面に曲げ割れが発生する場合がある。
本発明の目的は、給紙部排紙部がプリンター筐体の前面部に配置されたインクジェットプリンターで印刷しても曲げ割れが発生しない、透気性の支持体上に下層、上層および裏面層を有し、上層をキャスト処理して得られるインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者は、曲げ割れの発生が、インクジェット記録媒体中に含まれる水分の濃度差に起因することを発見した。すなわち、温湿度環境の影響等を受けてインクジェット記録媒体内部の微視的な領域で水分の希薄な部分が存在するような状態でインクジェット記録媒体を印刷すると曲げ割れが発生し易いことを突き止めた。また、水分の濃度差はインクジェット記録媒体の透気性が劣る場合により顕著であることを突き止めた。これらによって、裏面層に塩化カルシウムを含有させることでその吸湿性作用により、インクジェット記録媒体中に含まれる水分の濃度差を軽減することができ、曲げ割れの発生を抑えられることを見出した。
本発明の課題は、透気性の支持体上に少なくとも下層と上層を有し、下層が吸水性無機顔料、水分散性バインダー、ホウ酸またはその塩を含有する塗工組成物から形成され、かつ上層がサブミクロン顔料、ポリビニルアルコールを含有する塗工組成物から形成され、上層をキャスト処理して得られるインクジェット記録媒体において、下層および上層を設けた支持体面の反対面に、塩化カルシウム、バインダーおよび顔料を含有する塗工組成物から形成される裏面層を有し、インクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度が530秒/100mL以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体によって達成される。
本発明により、亀裂を有さない、優れた光沢を有し、かつ銀塩写真に近い画質を有し、インクジェット記録媒体の給紙部排紙部がプリンター筐体の前面部に配置されたインクジェットプリンターで印刷しても曲げ割れの発生のないインクジェット記録媒体を得ることができる。
支持体の透気性は、上層がキャスト処理される際に発生する蒸気を裏面に移動させ上層を乾燥させるために必要であり、鏡面ドラムからの上層の離型性を決める重要な要因である。本発明において、透気性の支持体として通常の原紙が用いられる。透気性を有しているものであれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、ポリウレタン等の合成樹脂を繊維化した後にシート状に形成したものでも良い。
透気性の支持体に原紙を用いる場合は、原紙表面に直接下層を設けても良いし、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレス、あるいはアンカーコート層を設けた後に下層を設けても良い。
本発明において、透気性の支持体に用いられる原紙は、原紙中における填料の含有量が5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。ここで、本発明の原紙中の填料の含有量とは、JIS−P8128で測定される灰分で代用でき、適量の試料を900℃±25℃、明らかに炭酸カルシウムを含む場合には575℃±25℃で灰化し、試料の絶乾質量に対する灰分の質量%で表す。含有量が5質量%より少ない場合、インク吸収性が悪くなったり、コックリングの抑制が不十分となり画質が悪くなることがある。また、含有量が30質量%より多い場合、紙力が低下したり紙粉発生量が増加するおそれがある。
本発明において、キャスト処理とは、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面に圧着し、鏡面形状を塗工層の表面に転写すると共に塗工層から水分を乾燥除去し記録媒体に光沢を付与する処理を言う。キャスト処理に使用する装置(キャスト装置)は通常、表面がクロムメッキされたシリンダーの表面に、弾性ロールを用いて連続的に塗工紙を圧着する構造の装置であるが、本発明には、同様の作用を有する他の構造の装置を用いても良い。本発明のインクジェット記録媒体を製造するにあたり用いるキャスト処理の方式としては、上層の塗工組成物を塗工後一旦乾燥させてから再度水分を付与して再湿潤させ、その後キャスト装置の鏡面に圧着するいわゆるリウェット法、上層の塗工組成物を塗工後一旦半乾燥させてから不足量の水を付与して再湿潤させ、その後キャスト装置の鏡面に圧着するいわゆる疑似リウェット法、上層の塗工組成物または上下両層の塗工組成物を塗工後、乾燥させずそのままキャスト装置の鏡面に圧着するいわゆる直接法、上層の塗工組成物を塗工後その塗工層が湿潤状態のうちに凝固処理によりゲル状態にして、その後キャスト装置の鏡面に圧着するいわゆる凝固法(ゲル化法)などの方式を例示することができるが、これらに限定されるものではない。好ましくは画質の点でリウェット法または凝固法である。
本発明において、インクジェット記録媒体の透気度とは、JIS−P8117(紙および板紙―透気度および透気抵抗度試験方法)で規定され、空気100mLが面積645mmの試験片を通過するのに要する時間で表される値である。通過に時間を要する記録媒体ほど透気性に劣る。
本発明において、インクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は530秒/100mL以上である。透気度が530秒/100mL未満では、光沢や銀塩写真に近い画質の点で劣ることとなる。一方、透気度の上限は特に限定しないが、キャスト処理時の上層の焦げ付きあるいはインクジェット記録媒体のインク吸収性の点で1000秒/100mL以下が好ましい。さらに好ましくは、530秒/100mL以上800秒/100mL以下である。インクジェット記録媒体の透気度は、適切な透気度の支持体を選択すると共に、バインダーの増加、特に下層の水分散性バインダーの増加、粒子径の小さい顔料の採用、バインダーの架橋剤の添加、塗工量の増加などによって高められ、上下層および裏面層の組成や塗工量等を適宜調節することにより調整できる。また、キャスト処理をリウェット法や凝固法にすることで透気度は幾分高められる。
本発明において下層とは、記録媒体のより支持体に近い側に形成される塗工層を言い、下層の塗工組成物とは、乾燥して下層を形成させるための液状の組成物を言う。また本発明において上層とは、キャスト処理される記録媒体の最表面に位置する塗工層を言い、上層の塗工組成物とは、乾燥して上層を形成させるための液状の組成物を言う。これらの塗工組成物は通常、水中に各材料を溶解ないし分散した水性液の形で用いられる。本発明において、通常は下層と上層は隣接しているが、下層と上層の相互作用を強く阻害しない範囲で、下層と上層の間に1層または2層以上の中間層を設けても良く、また下層と支持体の間にも1層または2層以上の塗工層を設けても良い。
本発明において裏面層とは、支持体に上記の下層および上層を設けた側と反対面に設けられる塗工層を言い、裏面層の塗工組成物とは、乾燥して裏面層を形成させるための液状の組成物を言う。この塗工組成物は通常、水中に各材料を溶解ないし分散した水性液の形で用いられる。裏面層は1層でも2層以上でも構わないが、生産性の点から1層が好ましい。
本発明において、吸水性無機顔料とは、アマニ油の代わりに水を用い、JIS−K5101に定められた吸油量の試験方法に準じた試験を行ったとき、終点までにその100gにつき100mL以上の水が使用される無機顔料である。例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、湿式合成シリカ、乾式合成シリカ、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、ハロイサイト、活性白土、酸性白土、ハイドロタルサイト、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、ベントナイトクレー、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン、セッコウ、酸化チタン、硫酸バリウム等を挙げることができる。これらの顔料は、その1種を単独で用いてもよく、またはそれらの2種以上を組み合わせて用いても良い。
かかる吸水性無機顔料の中でも湿式合成シリカは、少ない塗工量でも良好なインク吸収性を有するインクジェット記録媒体が得られることから特に好ましく使用される。本発明において、湿式合成シリカとは、ケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩と硫酸などの酸を混和し、洗浄、熟成、粉砕などの工程を経て得られる多孔質の二酸化ケイ素をいい、その主要な製法としては沈降法およびゲル法が知られているが、本発明の下層の塗工組成物には、そのいずれをも好ましく用いることができる。
本発明において、下層が含有する湿式合成シリカの平均凝集粒子径は、インクジェット記録媒体の透気度を調整する点を考慮して、マルヴァン法測定値で2μm以上20μm以下の範囲が好ましい。この範囲より小さいとインクジェット記録媒体のインク吸収性が劣化することがあり、この範囲より大きいとキャスト処理後のインクジェット記録媒体の光沢が発現しにくくなることがある。
本発明において、下層におけるホウ酸またはその塩の含有量は、下層の吸水性無機顔料に対して、ホウ素原子を基準にHBOに換算して0.2質量%以上10質量%以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.4質量%以上5質量%以下の範囲である。塗工組成物のpHにも依存するが、上記の範囲にすることによって、上層は亀裂の発生がより抑えられ画質や光沢に一段と優れ、かつ吸水性無機顔料に依存する優れたインク吸収性を得ることができる。
本発明において、下層がコロイダルシリカを含有することにより、さらにインクジェット記録媒体のインク吸収性を向上させることができるために好ましい。本発明において、コロイダルシリカとは、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩水溶液に硫酸等の酸を作用させるか、陽イオン交換樹脂により金属イオンを除去した後に熟成等の工程を経る等の方法で製造されるケイ酸重合体の水性分散物であり、通常BET法による比表面積が15〜700m/gの球状のケイ酸粒子である。このようなコロイダルシリカは市販されており、本発明に用いることができる。
本発明において、下層におけるコロイダルシリカの含有量は、下層の吸水性無機顔料に対して10質量%以上100質量%以下の範囲が好ましい。上記の範囲であると、インク吸収性とキャスト処理後の光沢の両方をより良好に両立することができる。
本発明において、水分散性バインダーとは、実質的に非水溶性の熱可塑性樹脂化合物であり、水分散状態から一旦乾燥した後は熱水にも実質的に溶解しない点で水溶性バインダーと区別される。水分散性バインダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体またはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体あるいはメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂ラテックス、アルキド樹脂ラテックス、不飽和ポリエステル樹脂ラテックス、またはこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、あるいはメラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂、天然ゴムラテックス等が挙げられるが、これらに限定されない。水分散性バインダーは、その1種を単独で用いても良く、またそれらの2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明において、下層における水分散性バインダーの含有量は、水分散性バインダー/(吸水性無機顔料+コロイダルシリカ)の質量比で10/100以上60/100以下の範囲が好ましく、15/100以上40/100以下の範囲がより好ましい。この範囲より小さいと得られるインクジェット記録媒体の機械的強度が強固にならない場合があり、この範囲より大きいとインク吸収性が不十分となる場合、あるいはキャスト処理後の光沢が十分に得られない場合がある。
本発明において、下層には、本発明の効果を損なわない程度に水溶性バインダーを含有することができる。ただし、ポリビニルアルコールのように高い結晶性を有する水溶性高分子化合物は、キャスト処理後に得られるインクジェット記録媒体の光沢を著しく低下させることから、実質的に含まれないことが好ましい。
本発明において、サブミクロン顔料とは、その分散液を基板上に散布し、走査型電子顕微鏡で観察したときに、観察野において顔料の粒子が占める面積の80%以上を、長辺1μm以下の粒子が占める無機顔料を指す。上層が含有するサブミクロン顔料の種類は特に制限されないが、ゲル法シリカ、沈降法シリカ、コロイダルシリカ、気相法シリカ、気相法アルミナ、擬ベーマイト等を例示することができる。特に、該観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺400nm以下の粒子が占める無機顔料を用いることで、特に高い光沢が得られることから好ましい。さらに該観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺100nm以上の粒子が占める無機顔料を用いると、上層の塗工組成物を塗工後高速に乾燥しても塗工層の亀裂やクラックが発生し難くなり好ましい。
本発明において、上層が含有するサブミクロン顔料は、BET法による比表面積が60m/g以上600m/g以下の範囲である顔料が好ましく、150m/g以上400m/g以下の範囲である顔料がより好ましい。この範囲のサブミクロン顔料を用いることによってより高い印刷濃度を得ることができる。なお、このような比表面積を有する顔料は通常、直径数十nm以下の一次粒子が結合しその内部に空隙を有する高次構造を形成した粒子である。
本発明において、上層が含有するポリビニルアルコールとしては、70mol%から100mol%までの種々のけん化度のポリビニルアルコールを用いることができる。また、シリル基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等種々の官能基を導入したり、エチレン等他の単量体をランダム的、グラフト的、またはブロック的に導入した変性ポリビニルアルコールも用いることができる。
本発明において、上層のポリビニルアルコールの含有量は、上層のサブミクロン顔料に対して2質量%以上40質量%以下の範囲が好ましく、5質量%以上25質量%以下の範囲がより好ましい。この範囲よりも小さいと乾燥時に亀裂が生じたり、形成されるインクジェット記録媒体の表面強度が不足することがある。この範囲より大きいとインク吸収性が低下することがある。
ポリビニルアルコールは、その1種を単独で用いても良いし、けん化度、粘度、変性などが異なる2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明において、裏面層に用いられるバインダーは、従来公知の水分散性バインダーおよび/または水溶性バインダーである。水分散性バインダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体またはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体あるいはメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂ラテックス、アルキド樹脂ラテックス、不飽和ポリエステル樹脂ラテックス、またはこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、あるいはメラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。水溶性バインダーとしては、例えば、リン酸エステル化澱粉、エーテル化澱粉などの澱粉誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールまたはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、カゼイン、ゼラチンまたはそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミンなどの天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー、アルギン酸ソーダ、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸またはその共重合体などが挙げられるが、これらに限定されない。バインダーは、その1種を単独で用いても良く、またそれらの2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明において、裏面層に用いられる顔料は、従来公知の顔料である。このような顔料としては、例えば、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン−アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられる。顔料は、その1種を単独で用いても良く、またそれらの2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明において、裏面層は塩化カルシウムを含有する。裏面層の塩化カルシウムの含有量は、インクジェット記録媒体1mあたり0.01g以上0.1g以下であることが好ましい。この範囲にすることによって、曲げ割れをより抑制することができる。
インクジェット記録媒体の透気度が530秒/100mL以上では、特に上層に亀裂の無い場合において光沢や画質に優れているものの透気性が非常に劣り、水分の通り抜けが悪いことからインクジェット記録媒体中の水分の濃度差を生じ易く、インクジェット記録媒体中の水分の濃度差に起因すると考えられる曲げ割れの発生が顕著となる。裏面層に塩化カルシウムを含有することにより曲げ割れが抑制される理由は、塩化カルシウムの吸湿性作用によって、インクジェット記録媒体の裏面から水分が侵入し易くすることで濃度差が縮小され、結果として曲げ割れが抑えられるものと考えられる。
本発明の各塗工層には、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、色味調整剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など各種の添加剤を含有することができる。
本発明において、各塗工層の塗工組成物を塗工する方法に特に制限は無く、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、リバースロールコーター、コンマコーター、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等各種の塗工方式を用いることができる。これらのうち、カーテンコーターは、得られる塗工層の均一性が高く、さらに上層の塗工に際しては塗工組成物の下層への浸透が生じにくく非常に良好な面質を与えるので、特に上層の塗工組成物の塗工に好ましく使用される。
本発明の塗工組成物を支持体上に塗工する量に特に制限は無いが、インクジェット記録媒体の透気性およびインク吸収性並びに経済性を両立させるためには通常、固形分として下層または上層が各々5g/m以上20g/m以下、また両層の合計では10g/m以上30g/m以下を塗工することが好ましい。ただし、特に多量のインクを吸収することを求められる場合には、両層の合計で最大50g/m程度を塗工することが好ましいこともある。また裏面層の塗工量は、カールを抑制する点で固形分として1g/m以上25g/m以下が好ましい。
また、各層の塗工組成物を塗工・乾燥させた各々の段階で、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー装置により平滑度を高めることができる。キャスト処理は裏面層の塗工組成物を塗工・乾燥する前後のいずれでも構わない。
また、キャスト装置における鏡面からの剥離性を改善することを目的に、油性物質または油性物質の水性分散物等の離型剤を、本発明の上層の塗工組成物に添加、キャスト処理に先立ち塗工、キャスト処理としてリウェット法を用いる場合にはリウェット液に添加することで、長時間にわたり安定した製造が可能になることから好ましい。本発明において、離型剤として用いることができる物質の例としては、ジメチルオクチルアミン、ジメチルオクタデシルアミン等の高級アルキルアミンまたはそれらの塩、トリメチルオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリドなどの高級アルキル四級アンモニウム塩、オレイン酸、ステアリン酸、カプリル酸などの高級カルボン酸またはそれらの塩、オクチルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、シリコーン油などが挙げられる。
以下本発明の実施例を示す。なお、本実施例中で、特に明示しない限り「部」は質量部、「%」は質量%を示すものとする。塗工量の値は固形分量を表す。
[下層の塗工組成物1の調製]
水350部に四ホウ酸ナトリウム十水和物6部(HBO換算で0.97部)を溶解し、ここに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで固形分48%のスチレン−ブタジエンラテックス(JSR社製0623N)83.3部(固形分として40部)を添加・混合して下層の塗工組成物1を得た。なお、ここで用いた湿式合成シリカについて、アマニ油の代わりに水を用い、JIS−K5101に定められた吸油量の試験に準じた試験を行ったところ、終点までにその100gあたり300mLの水が使用された。
[下層の塗工組成物2の調製]
水350部に四ホウ酸ナトリウム十水和物6部(HBO換算で0.97部)を溶解し、ここに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで固形分48%のスチレン−ブタジエンラテックス(JSR社製0623N)52.1部(固形分として25部)を添加・混合して下層の塗工組成物2を得た。
[下層の塗工組成物3の調製]
水350部に四ホウ酸ナトリウム十水和物6部(HBO換算で0.97部)を溶解し、ここに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで固形分48%のスチレン−ブタジエンラテックス(JSR社製0623N)41.7部(固形分として20部)を添加・混合して下層の塗工組成物3を得た。
[アルミナ水和物ゾルの調製]
水299部に酢酸1部を混合し、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(サソール社製Disperal HP14)100部を添加し、そのまま2時間攪拌して解膠し、固形分濃度25%のアルミナ水和物ゾルを得た。この分散物を水で100倍に希釈し、ガラス基板上に散布して走査型電子顕微鏡で観察したところ、観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺100〜400nmの粒子が占めていた。
[上層の塗工組成物の調製]
上記のように調製されたアルミナ水和物ゾルの100部(固形分として25部)に、けん化度88mol%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA235)の10%水溶液20部(固形分として2部)を添加し、上層の塗工組成物を調製した。
[湿潤液の調製]
水92.18部に固形分20%のコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製スノーテックス20;平均一次粒子径20nm、アニオン性)5部(固形分として1部)を添加し、次に固形分10%に調製したけん化度98mol%のポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA−117)2.5部(固形分として0.25部)を添加し、さらに固形分70%の界面活性剤(花王株式会社製ペレックスOT−P)0.07部(固形分として0.049部)および固形分40%の離型剤(サンノプコ株式会社製ノプコートPEM−17)0.25部(固形分として0.1部)を添加し、混合して湿潤液を得た。
[裏面層の塗工組成物1の調製]
水150部に、バインダーとして固形分48%のスチレン−ブタジエンラテックス(JSR社製0623N)0.21部(固形分として0.1部)添加し、次いでカオリン(エンゲルハード社製ウルトラホワイト90)100部を添加した後、ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで澱粉を15部添加・混合して裏面層の塗工組成物1を得た。
[裏面層の塗工組成物2の調製]
水150部に、塩化カルシウム(和光純薬工業社製試薬特級塩化カルシウム)0.38部、バインダーとして固形分48%のスチレン−ブタジエンラテックス(JSR社製0623N)0.21部(固形分として0.1部)添加し、次いでカオリン(エンゲルハード社製ウルトラホワイト90)100部を添加した後、ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで澱粉を15部添加・混合して裏面層の塗工組成物2を得た。
[裏面層の塗工組成物3の調製]
裏面層の塗工液組成物2において、塩化カルシウムの配合部数を0.08部に変更する以外は裏面層の塗工組成物2と同様にして、裏面層の塗工組成物3を得た。
[裏面層の塗工組成物4の調製]
裏面層の塗工液組成物2において、塩化カルシウムの配合部数を0.77部に変更する以外は裏面層の塗工組成物2と同様にして、裏面層の塗工組成物4を得た。
[裏面層の塗工組成物5の調製]
裏面層の塗工液組成物2において、塩化カルシウムの配合部数を0.05部に変更する以外は裏面層の塗工組成物2と同様にして、裏面層の塗工組成物5を得た。
[裏面層の塗工組成物6の調製]
裏面層の塗工液組成物2において、塩化カルシウムの配合部数を1.16部に変更する以外は裏面層の塗工組成物2と同様にして、裏面層の塗工組成物6を得た。
[裏面層の塗工組成物7の調製]
水150部に、塩化カリウム(和光純薬工業社製試薬特級塩化カリウム)0.38部、バインダーとして固形分48%のスチレン−ブタジエンラテックス(JSR社製0623N)0.21部(固形分として0.1部)添加し、次いでカオリン(エンゲルハード社製ウルトラホワイト90)100部を添加した後、ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで澱粉を15部添加・混合して裏面層の塗工組成物7を得た。
[裏面層の塗工組成物8の調製]
水150部に、酢酸カルシウム(和光純薬工業社製試薬一級酢酸カルシウム一水和物)0.38部、バインダーとして固形分48%のスチレン−ブタジエンラテックス(JSR社製0623N)0.21部(固形分として0.1部)添加し、次いでカオリン(エンゲルハード社製ウルトラホワイト90)100部を添加した後、ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで澱粉を15部添加・混合して裏面層の塗工組成物8を得た。
(実施例1)
[インクジェット記録媒体の作製]
JIS−P8117で規定される透気度が50秒である坪量157g/mの原紙(三菱製紙社製ダイヤフォーム)上に、下層の塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が15g/mとなるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。次いで得られた塗工紙を、ソフトカレンダーを用いて処理した後、上層の塗工組成物を、乾燥後の質量が12g/mとなるようにカーテンコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。さらに得られた塗工紙を、ソフトカレンダーを用いて処理した。ソフトカレンダーを用いて処理した後、裏面層の塗工組成物2を、乾燥後の塗工量が15g/mとなるようにエアナイフコーターを用いて塗布し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。さらに得られた塗工紙を、ソフトカレンダーを用いて処理した。この塗工紙の下層および上層を設けた面を、湿潤液に5秒間接触させて再湿潤した後、温度105℃に加熱したキャスト装置の鏡面クロムメッキドラムに、線圧20kN/m、速度25m/minで圧着し、乾燥後にドラムより剥離することで実施例1のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、730秒/100mLであった。
(実施例2)
実施例1において、裏面層の塗工組成物2を裏面層の塗工組成物3に変更する以外は実施例1と同様に行い、実施例2のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、730秒/100mLであった。
(実施例3)
実施例1において、裏面層の塗工組成物2を裏面層の塗工組成物4に変更する以外は実施例1と同様に行い、実施例3のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、733秒/100mLであった。
(実施例4)
実施例1において、裏面層の塗工組成物2を裏面層の塗工組成物5に変更する以外は実施例1と同様に行い、実施例4のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、737秒/100mLであった。
(実施例5)
実施例1において、裏面層の塗工組成物2を裏面層の塗工組成物6に変更する以外は実施例1と同様に行い、実施例5のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、729秒/100mLであった。
(実施例6)
実施例1において、インクジェット記録媒体の作製における下層の塗工組成物1を下層の塗工組成物2に変更する以外は実施例1と同様に行い、実施例6のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、551秒/100mLであった。
(実施例7)
実施例2において、インクジェット記録媒体の作製における下層の塗工組成物1を下層の塗工組成物2に変更する以外は実施例2と同様に行い、実施例7のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、549秒/100mLであった。
(実施例8)
実施例3において、インクジェット記録媒体の作製における下層の塗工組成物1を下層の塗工組成物2に変更する以外は実施例3と同様に行い、実施例8のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、555秒/100mLであった。
(比較例1)
実施例1において、裏面層の塗工組成物2を裏面層の塗工組成物1に変更する以外は実施例1と同様に行い、比較例1のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、729秒/100mLであった。
(比較例2)
実施例1において、裏面層の塗工組成物2を裏面層の塗工組成物7に変更する以外は実施例1と同様に行い、実施例2のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、732秒/100mLであった。
(比較例3)
実施例1において、裏面層の塗工組成物2を裏面層の塗工組成物8に変更する以外は実施例1と同様に行い、比較例3のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、740秒/100mLであった。
(比較例4)
比較例1において、インクジェット記録媒体の作製における下層の塗工組成物1を下層の塗工組成物3に変更する以外は比較例1と同様に行い、比較例4のインクジェット記録媒体を得た。得られたインクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度は、510秒/100mLであった。
得られたインクジェット記録媒体に対して、下記の方法により曲げ割れの評価を実施した。評価結果を表1に示した。なお、比較例4は、透気度が530秒/100mL未満であり曲げ割れの発生が小さいものの、光沢や銀塩写真に近い画質という点で劣るインクジェット記録媒体であった。
Figure 2012192625
[曲げ割れの評価]
市販の給紙部排紙部がプリンター筐体の前面部に配置されているプリンターとして、Photosmart Premium C310c(ヒューレット・パッカード社製)およびColorio EP−801A(セイコーエプソン社製)を用い、得られたインクジェット記録媒体をA4サイズとし、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン、ブルーの各色で各々180mm×270mm画の100%濃度印刷と50%濃度印刷を行い、以下の項目に従い目視で判断した。印刷環境は、温度18℃/湿度45%RHであった。実用上に問題のない評価は△以上である。
○:各濃度印刷共に亀裂やクラックが視認できない。
△:50%濃度印刷では視認できないが、100%濃度印刷では若干視認される。
×:各濃度印刷共に亀裂やクラックが若干あるいはそれ以上視認される。
表1から明らかなように、裏面層に塩化カルシウムを含有する本願発明のインクジェット記録媒体は曲げ割れの発生が抑制されることが分かる。特に、実施例1〜3と実施例4、5の対比から、裏面層中の塩化カルシウムの含有量が0.01g/m以上0.1g/m以下の範囲が好ましいことが分かる。また比較例2、3から、試薬グレードの吸湿性を有さない塩化カリウムや酢酸カルシウムでは本発明の効果は得られないことが分かる。また、比較例4は、透気度が530秒/100mL未満であり、光沢や銀塩写真に近い画質という点では劣るものであった。

Claims (1)

  1. 透気性の支持体上に少なくとも下層と上層を有し、下層が吸水性無機顔料、水分散性バインダー、ホウ酸またはその塩を含有する塗工組成物から形成され、かつ上層がサブミクロン顔料、ポリビニルアルコールを含有する塗工組成物から形成され、上層をキャスト処理して得られるインクジェット記録媒体において、下層および上層を設けた支持体面の反対面に、塩化カルシウム、バインダーおよび顔料を含有する塗工組成物から形成される裏面層を有し、インクジェット記録媒体のJIS−P8117で規定される透気度が530秒/100mL以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
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