JP2007320040A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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陽徳 山本
Kaoru Hamada
薫 濱田
Masaya Tosaka
昌也 登坂
Junichi Hayakawa
潤一 早川
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Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

【課題】 インク受容層塗料中にシリカとカチオン性サイズ剤とカチオン性高分子インク定着剤を同時に配合する場合であっても、高い発色性を有し、印字濃度やインク吸収性が高く、印字した際に色ムラなどの画像欠陥の少ないインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 支持体上に、無機顔料と有機高分子結着剤とカチオン性サイズ剤とカチオン性インク定着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該カチオン性サイズ剤はスチレンアクリレート系サイズ剤であり、また該カチオン性インク定着剤はジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体を主成分とし数平均分子量が3万以上10万以下であり、かつカチオン化密度が3.5meq/g以上6.5meq/g以下である
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録に好適に用いられるインクジェット記録媒体に関する。
一般にインクジェット記録方式は、フルカラー化が容易なこと、印字騒音が少ないことや現像−定着といった処理が不要なことなどから急速に普及し、近年では製版による多色印刷やカラー写真方式による印画に遜色のない画像を得ることができるようになった。この方式はノズルから記録媒体に向けてインクの微小液滴を高速で飛翔、付着させて画像や文字などの記録を行うものであり、インク中には多量の溶媒を含む。従って、記録媒体としては速やかにインクを吸収する必要がある。
また、最近は高解像度のデジタルビデオ、デジタルカメラ、スキャナーおよびパーソナルコンピューターの普及により高精細の画像を取り扱う機会が多くなり、これらのハードコピーをインクジェットプリンターで出力する事が多くなっている。これに伴い記録媒体に対しても要求特性が多様化してきており、中でも銀塩写真に近い画像品質・光沢感などが求められるようになってきている。
このような背景からインクジェット記録媒体には、高い発色性、解像度及び色再現性が必要となり、これに対応するため記録媒体表面にインク受理層を設けて高い発色性・インク吸収性を持たせたインクジェット記録媒体が開発されている。発色性を向上させるためにこれまで様々な方法が提案されており、たとえばインク受容層中に非晶質シリカを含有する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、インクジェット記録媒体は印字した画像に高い発色性が求められるとともに、画像のムラ・境界での滲み・白点抜けなどと言った画像欠陥が無いことが要求されている。これを解決するためにインク定着剤やサイズ剤などの助剤を用いることが一般的であり、それぞれ組成や分子量などを限定して欠陥低減・品質向上するための方法が多く提案されている(特許文献2参照)。
また、これらの特性を満たした高画質のインクジェット記録用紙を、キャストコート法により製造する方法は既に提案されている(特許文献3,4参照)。
キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を基紙上に塗工してインク受容層となる塗工層を設け、湿潤して可塑状態の塗工層をキャストドラム(鏡面仕上げの面)に押し当て、光沢仕上げする方法である。この方法は、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に一般に分けることができる。
また、インク定着剤としてジアリルジメチルアンモニウムクロライドを主モノマーとし、適宜アクリルアミドを副モノマーとして加えて、いわゆる分散型(懸濁重合)で合成したカチオン性インク定着剤が、特許文献5、6に記載されている。
特開平8−310110号公報 特開平11−277877号公報 特開昭62−95285号公報 特開平5−59694号各公報 米国特許4929655号 米国特許5006590号
ところで、高い発色性と欠陥のない印字品質を得ようとして、カチオン性サイズ剤とカチオン性インク定着剤を同時にインク受容層塗料中に添加した場合、シリカ等無機顔料表面の水酸基とサイズ剤やインク定着剤中のカチオン性官能基との間で相互作用がはたらくことにより塗料が増粘し、塗料安定性が低下するという欠点があった。インク受容層塗料が増粘すると、得られたインク受容層中のバインダー分布が不均一となり、塗工層強度が低下する。また、顔料やインク定着剤が不均一に凝集し、インク吸収性にムラが生じ、画像欠陥が発生するなどの問題が発生する。
従って本発明は、インク受容層塗料中にシリカとカチオン性サイズ剤とカチオン性高分子インク定着剤を同時に配合する場合であっても、高い発色性を有し、印字濃度やインク吸収性が高く、印字した際に色ムラなどの画像欠陥の少ないインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
発明者等は上記課題を解決すべく検討を行った結果、下記の構成により課題を達成できることを見いだした。すなわち、本発明は、支持体上に、無機顔料と有機高分子結着剤とカチオン性サイズ剤とカチオン性インク定着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該カチオン性サイズ剤はスチレンアクリレート系サイズ剤であり、また該カチオン性インク定着剤はジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体を主成分とし数平均分子量が3万以上10万以下であり、かつカチオン化密度が3.5meq/g以上6.5meq/g以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体である。さらに、無機顔料が湿式法で製造された非晶質シリカであることが好ましい。また、有機高分子結着剤がケン化度90%以上のポリビニルアルコールであることが好ましく、インク受理層は、該無機顔料100重量部に対し、該カチオン性サイズ剤を3〜30重量部、該カチオン性インク定着剤を3〜30重量部含有していることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(支持体)
本発明に使用される支持体としては、紙、布、樹脂フィルム、樹脂被覆紙等のシート状のものを好ましく使用することができるが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる。前記紙の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、填料を含有させることが好ましく、填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
(インク受容層)
インク受容層は、無機顔料と、有機高分子結着剤と、カチオン性サイズ剤と、カチオン性高分子インク定着剤とを少なくとも含有する。
1.無機顔料
顔料は、染料インクや顔料インク色剤の吸着とインク溶媒の吸収性に寄与し、他の助剤の担体となる等の機能を有する。本発明で用いる無機微粒子としては、例えば、湿式法・気相法等で合成された合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、気相法シリカ、気相法アルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ホワイトカーボン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、クレー、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト等を用いることができる。又、カチオン化やシリル化等の変性をさせたり、形状を変化させた無機微粒子を用いることもできる。さらに、上記無機微粒子を1種または複数種、混合使用することができる。特に、透明性や強度および印字部の発色濃度が向上するという点から、合成非晶質シリカを用いるのが好ましい。
合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法シリカと気相法シリカに大別できる。湿
式法で製造された合成非晶質シリカ(以下、適宜「湿式法シリカ」という)は顔料の透明
性に関しては気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールと併用した場合の塗料安定性
に優れる。さらに、内部空隙の無い気相法シリカに比べ、湿式法シリカは液への分散性が
良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク受理層の顔料とし
て、湿式法シリカを用いると、インク受理層中の顔料比率を高くしてインク受理層の吸収
性を高くできるので、インク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上できる
と考えられる。
又、湿式法シリカとしては、ゲル法で製造した「ゲル法シリカ」と、沈降法で製造した「沈降法シリカ」とがある。インク受理層の顔料としては、ゲル法シリカと沈降法シリカ
のいずれを単独で用いてもよく、これらを併用してもよい。
2.有機高分子結着剤
水溶性結着剤は、インク受容層の塗膜としての特性を保持するためのものである。本発明で用いる水溶性結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下、適宜「PVA」と称する)、シリル変性ポリビニルアルコール、及びカチオン変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール並びにその変性物、酸化澱粉、アセチル化澱粉やエーテル化澱粉等の澱粉類及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、及び大豆蛋白等の蛋白質、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等の水溶性の高分子結着剤や、SBラテックス、NBラテックス、アクリルラテックス、酢酸ビニルラテックス、エチレン酢酸ビニルラテックス、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂等の高分子結着剤等が使用できる。特に、透明性や強度および印字部の発色濃度が向上するという点からポリビニルアルコールを用いるのが好ましく、とりわけ完全ケン化型のポリビニルアルコールを用いるのが好ましい。ケン化度が90%以下の場合には塗料の安定性が悪化する傾向にある。又、ポリビニルアルコールと上記高分子結着剤を1種以上混合して使用することもできる。
インク受容層中の上記有機高分子結着剤の配合量は、前記した無機顔料100重量部に対し、3〜40重量部であることが好ましい。上記有機高分子結着剤、の配合量が3重量部未満であると、インク受容層表面の強度が不十分となり、40重量部を超えるとインク吸収性を阻害する。
3.サイズ剤
サイズ剤は、インク受容層表面におけるインクの接触角を調整し、画像のにじみを防止する観点から必要である。一般的なサイズ剤としては、スチレンアクリレート系、高級脂肪酸系、スチレン・マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、石油系サイズ剤、シリコーン系サイズ剤等を挙げられる。中でも特にスチレンアクリレート系サイズ剤は、インク受容層塗料中に配合する他の薬品との相溶性やプリンタ印字物のにじみの面で好ましい。
本発明で使用できるスチレンアクリレート系サイズ剤としては、例えば、SE−2250(星光PMC社製)、ポリマロン1308(荒川化学工業株式会社製)、ハイコートB−120・ハーサイズCP−800(ハリマ化成株式会社製)を挙げることができる。
4.インク定着剤
インク定着剤とは、プリンタで画像を印字した際にインクと結合することによってインク受容層中にインクを保持するためのものであり、アニオン性のインクを保持しやすいようにカチオン性のインク定着剤が多く用いられている。カチオン性インク定着剤としては、例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジシアンジアミド・ホルムアルデヒド樹脂、ジシアンジアミド・アルキルアミンの重合物、ジエチレントリアミン・ジシアンジアミド・アンモニウムクロライド縮合物、(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド重合物、エチレンイミン重合物、ジアリルアミン重合物、アンモニア・エピクロロヒドリン・ジメチルアミン共重合物、ポリメタクリル酸系4級アンモニウム塩誘導体などが挙げられる。
中でも特にジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(以下、適宜「poly−DADMAC」と称する)は、他の薬品との相溶性やプリンタ印字物の発色性・耐水性の面で好ましい。このpoly−DADMACのカチオン化密度は3.5〜6.5meq/gであることが必要である。カチオン化密度が3.5meq/g未満では印字物の画像耐水性が不充分となり、6.5meq/g以上では他の薬品との相溶性が損なわれてしまう。またこのpoly−DADMACの分子量は30000〜100000であること好ましい。分子量が30000以下だと反応性が高いためにインクを変色させてしまい、分子量が100000以上だと薬品自体の粘性が高く取り扱いにくいといった問題が生じてしまう。本発明で使用できるpoly−DADMACとしては、例えば、T−DK129(星光PMC社製)、ハイマックスSC−100・SC−120・SL−100L・SC−600L・SC−607(いずれも株式会社ハイモ社製)、PAS−H−5L・PAS−H−10L・PAS−J−41・PAS−J−81(いずれも日東紡績社製)、HP−189A(株式会社センカ社製)を挙げることができる。
なお、上記インク定着剤の重量平均分子量(Mw)は、日立L−6000型高速液体クロマトグラフを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。溶離液流路ポンプは日立L−6000、検出器はショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器、カラムはアサヒパックの水系ゲル濾過タイプのGS−220HQ(排除限界分子量3,000)とGS−620HQ(排除限界分子量200万)とをダブルに接続したものを用いた。サンプルは溶離液で0.5g/100mlの濃度に調整し、20μlを用いた。溶離液には、0.4mol/lの塩化ナトリウム水溶液を使用した。カラム温度は30℃で、流速は1.0ml/分で実施した。標準サンプルとして分子量106、194、440、600、1470、4100、7100、10300、12600、23000などのポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に共重合体の重量平均分子量(Mw)を求めた。
また、上記インク定着剤カチオン化密度は、滴定薬として0.001mol/Lのポリビニル硫酸カリウム(PVSK)溶液を用い、粒子表面電荷測定装置(MUTEC TOLEDO DL−50)にて測定し、下記の計算式により得られた値である。
Figure 2007320040
5.その他の成分
インク受容層には上記各成分の他、本発明の効果を損なわない限り、公知の顔料や、公知の結着剤を併用することができる。また、その他添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を、適宜インク受容層に配合することもできる。
(製造方法)
支持体上にインク受容層用塗料を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ等の公知の塗工機を用いた塗工する方法の中から適宜選択したものが挙げられる。
(層の構成)
インク受容層は、層の機能分離のためにインク受容層塗料を2回以上に分けて塗工し、インク受容層を2層以上設けてもよい。また最表面に光沢を有した光沢層を設けたい場合、以下に記述するキャストコート法などを用いることで光沢層を設けることもできる。この光沢層を設ける際に、支持体上に設けてあるインク受容層のことを特にアンダー層と呼称する。アンダー層を設けることで高いインク吸収性を得ることができ、インクジェット媒体の品質向上のためには好ましい。またこのアンダー層表面に微小なひび割れや点状の塗布欠陥が存在する場合、光沢層を塗工した後にも画像欠陥として現れるため、アンダー層においても欠陥が無いことが好ましい。
(キャストコート法)
高い光沢を有するインクジェット記録媒体を得られるという点から、本発明においては、いわゆるキャストコート法によってインク受容層を設けることが好ましい。キャストコート法は、インク受容層を塗工する面にインク受容層用塗工液を塗布してなる塗工層の表面が湿潤し可塑状態状態にある間に、該塗工層を加熱した金属鏡面(キャストドラム等)に押し当て、光沢仕上げする方法である。
キャストコート法としては、直接法、凝固法、再湿潤法のうちいずれの方法を用いることもできるが、高い光沢を得られるという点からは凝固法が、生産性を向上するという点からは再湿潤法が好ましい。
凝固法キャストコート法によってインク受容層を設ける場合は、インク受容層用塗工液をアンダー層上または支持体上に塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に、塗工層中の結着剤を凝固(あるいは架橋)する作用を持つ処理液を塗工層上に塗布し、その後、加熱した鏡面に塗工層を圧着し、光沢を付与する。例えば、結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合にはポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ化合物を含有する水溶液であればいずれのものも使用することができる。特に、ホウ酸とホウ酸塩とを含有する処理液が好ましい。ホウ酸とホウ酸塩を混合して用いることにより、適度な固さの凝固状態を得ることが容易となり、良好な光沢感を有するインクジェット記録用のキャストコート紙を得ることができる。
再湿潤法キャストコート法によってインク受容層を設ける場合は、インク受容層用塗工液をアンダー層上または支持体上に塗工及び乾燥し、乾燥状態の塗工層に塗工層中の結着剤を可塑化するする作用を持つ処理液を塗布し、その後加熱した鏡面に塗工層を圧着し、光沢を付与する。再湿潤法キャストコート法の場合は、処理液を塗布する際にインク受容層が乾燥状態になっているため、鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、表面の微小な凹凸が多くなり光沢感は若干落ちる傾向にあるが、塗工速度を他の方法に比較して高くすることが可能になるため、生産性が向上する。
インク受容層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができ、通常片面当たり、固形分換算で5〜30g/m程度とすることができる。記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、インク受容層の塗工量のより好ましい範囲は、10〜20g/mである。
キャストコート法でインク受容層に光沢を持たせた光沢層とする場合、アンダー層の塗工量は、原紙の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができ、通常片面当たり、固形分換算で5〜30g/m程度とすることができる。光沢層の塗工量は、アンダー層の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができ、通常片面当たり、固形分換算で5〜30g/m程度とすることができる。記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、インク受容層の塗工量のより好ましい範囲は3〜15g/mである。インク受容層の塗工量が30g/mを超えると、鏡面ドラムからのインク受容層の剥離性が低下し、アンダー層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる場合がある。
本発明においては、必要に応じてインク受容層を設ける面とは反対側の支持体の表面に筆記性、帯電防止性、防汚性、滑り性等を付与するためのバックコート層を設けることも可能である。
また、インク受容層を形成する塗工液、及びインク受容層をキャストコート形成する際の処理液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
<実施例1>
(支持体の製造)
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加し、抄紙機で抄紙した。抄紙の際、デンプンを片面当り固形分で2.5g/mとなるように両面に塗布して、坪量170g/mの支持体を得た。
(インク受容層)
この支持体の片面に、ブレードコーターで塗工量が15g/mとなるように塗工液Aを塗工し、140℃で送風乾燥し、インク受容層を形成した。
塗工液A:顔料として、湿式法シリカ(ファインシールX−12:株式会社トクヤマ社製)50部と湿式法シリカ(ミズカシルP−50:水沢化学社製)50部とを配合し、結着剤として完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)5部とエチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3150:昭和高分子製、「EVA」と略記する)25部とを配合し、サイズ剤としてスチレンアクリレート系サイズ剤(SE−2250、分子量100000、株式会社星光PMC製)5部を配合し、インク定着剤としてジアリルジメチルアンモニウムクロライドを主モノマーとし、適宜アクリルアミドを副モノマーとして加えて、上記特許文献5(米国特許4929655号)に記載されるような、いわゆる分散型(懸濁重合)で合成したカチオン性インク定着剤B(分子量100000、カチオン化密度6.3meq/g)5部を混合し、固形分28%の塗工液を調製した。
<実施例2>
インク受容層用の塗工液Aのインク定着剤として、アクリルアミドの配合比率を上げることでカチオン化密度を下げたカチオン性インク定着剤C(分子量100000、カチオン化密度5.5meq/g)5部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例3>
インク受容層用の塗工液Aのインク定着剤として、アクリルアミドの配合比率を上げることでカチオン化密度を下げたカチオン性インク定着剤D(分子量100000、カチオン化密度4.5meq/g)5部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例4>
インク受容層用の塗工液Aのインク定着剤として、重合反応を適宜調整して分子量を下げたカチオン性インク定着剤E(分子量60000、カチオン化密度6.3meq/g)5部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例5>
インク受容層用の塗工液Aのインク定着剤として、重合反応を適宜調整して分子量を下げたカチオン性インク定着剤F(分子量30000、カチオン化密度6.3meq/g)5部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例1>
インク受容層用の塗工液Aのサイズ剤として、スチレン系サイズ剤(SS−2700、株式会社星光PMC製)5部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例2>
インク受容層用の塗工液Aのサイズ剤として、オレフィン系サイズ剤(SS−2550、株式会社星光PMC製)5部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例3>
インク受容層用の塗工液Aのインク定着剤としてアクリルアミドの配合比率を下げることでカチオン化密度を上げたカチオン性インク定着剤G(分子量100000、カチオン化密度7.0meq/g)5部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例4>
インク受容層用の塗工液Aのインク定着剤として、アクリルアミドの配合比率を上げることでカチオン化密度を下げたカチオン性インク定着剤H(分子量100000、カチオン化密度3.0meq/g)5部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
各実施例及び比較例のインクジェット記録媒体の評価を以下の方法で行った。
(1)塗料安定性
インク受容層塗工液Aの塗料安定性を下記の基準で評価した。評価が△、○であれば実用上問題ない。
○:調整後に一晩静置し、再撹拌した時のB型粘度上昇が1000cps以下のもの
△:調整後に一晩静置し、再撹拌した時のB型粘度上昇が1000cps以上のもの
×:調整後に一晩静置し、再撹拌しても凝集物が残るもの
B型粘度の測定は、JIS Z8803に準じて、B型粘度計(BM型VISCOMETER:TOKIMEC INC.製)を用いて行った。
(2)塗工層強度
インク受容層塗工液Aを用いて作製した塗工層の強度を下記の基準で評価した。評価が△、○であれば実用上問題ない。
○:測定荷重が700gf/18mm以上
△:測定荷重が400〜700gf/18mm
×:測定荷重が400gf/18mm未満で塗工層の脱落が見られるもの
塗工層強度はIS−K6854に規定する方法に従い、インク受理層表面に粘着テープである粘着テープ(ニチバン製の幅18mm)を端部を残して貼り、テープ表面に自重5kgのローラを往復5回転転がしてテープを貼着させた後、貼着されていないテープ端部を側面視U字型となるように180度回頭させた。一方でインクジェット記録用紙の裏面に把持板を接着した。そして、上記テープ端部を定速引張試験機(ORIENTEC社製、TENSILON RTC−1210A)の移動ヘッドに取付け、上記把持板を固定ヘッドに取付け、移動ヘッドを100mm/分の速度でインク受理層表面と平行に移動させることにより、テープをインク受理層表面から剥離させ、その時の荷重を測定した。
(3)ベタ部印字評価
塗工後のインク受容層の表面欠陥状態をインクジェットプリンター(PM―950C:エプソン株式会社製の商品名)を用いて、インクジェット記録媒体上に所定のパターンを印字記録し、シアンインクを用いたベタ印字部を下記の基準によって目視評価した。評価が△、○であれば実用上問題ない。
○:鮮やか
△:若干ムラがあり鮮やかさが劣る
×:点状のシロ抜けやムラが目立ち、鮮やかに見えない
得られた結果を表1に示す。
Figure 2007320040
表1から明らかなように、各実施例のインクジェット記録媒体の場合、塗料安定性、塗工層強度、ベタ部印字評価の全てにおいて問題が無く、高い評価が得られた。
一方、インク受容層用の塗工液Aのサイズ剤を変更した比較例1、2の場合、ベタ部の印字で色ムラをを生じたために良好なインクジェット記録媒体が得られなかった。塗工液中において他の薬品との相溶性が悪かったために塗料が安定性を欠き、顔料やインク定着剤が不均一に凝集することで塗工層強度も低下し、また印字した際にインク吸収性にムラが生じて画像欠陥となった。
また、比較例3の場合も塗料安定性が悪かったが、これはカチオン化密度が高すぎたために他の薬品との相溶性を損ねたものと考えられる。
また、比較例4の場合、ベタ部の印字で色ムラを生じたために良好なインクジェット記録媒体が得られなかった。これはカチオン化密度が低すぎたために、記録媒体表面において均一にインクを保持することができなかったためと考えられる。

Claims (4)

  1. 支持体上に、無機顔料と有機高分子結着剤とカチオン性サイズ剤とカチオン性インク定着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該カチオン性サイズ剤はスチレンアクリレート系サイズ剤であり、また該カチオン性インク定着剤はジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体を主成分とし数平均分子量が3万以上10万以下であり、かつカチオン化密度が3.5meq/g以上6.5meq/g以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 該無機顔料が湿式法で製造された非晶質シリカであることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体。
  3. 該有機高分子結着剤がケン化度90%以上のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 該インク受理層は、該無機顔料100重量部に対し、該カチオン性サイズ剤を3〜30重量部、該カチオン性インク定着剤を3〜30重量部含有していることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のインクジェット記録媒体。


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