JP2009179892A - 中性コールドオフセット印刷用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炭酸カルシウムを配合した機械パルプや脱墨古紙パルプを主体としながら、白色度、強度、不透明度、樹脂成分歩留、耐オフセット印刷版摩耗性に優れた中性コールドオフセット用紙を提供すること。
【解決手段】 原紙のpHが6〜9、全パルプ成分中の80重量%以上が機械パルプ及び/または脱墨古紙パルプであり、炭酸カルシウムを主とする填料を紙重量当たりの灰分として7重量%以上25重量%未満含んでおり、坪量が30〜45g/mで、不透明度が87〜95%、白色度が50〜70%である中性コールドオフセット印刷用紙。
【選択図】なし

Description

本発明はコールドオフセット印刷用紙及びその製造方法に関し、特に電話帳用紙など浸透乾燥型インキを用いたコールドオフセット輪転機での印刷に適した中性コールドオフセット印刷用紙及びその製造方法に関するものである。
巻取の径が同じでも連量が増やせるために作業の効率化が図れること、1部当たりの重量を変えること無くページ数を増やせるので配達時の負担が増さないことから、電話帳用紙、新聞用紙に代表されるコールドオフセット印刷用紙の需要は軽量化の方向に進んでいる。しかし、軽量化の進展には、短時間で行われる印刷に支障を来たさないようにオフセット輪転印刷機への高い品質適性が要求され、作業性に関わる強度の維持と印刷品質に関わるインキの裏抜け防止が問題になっている。このように電話帳用紙、新聞用紙に代表されるコールドオフセット印刷用紙は、高速なオフセット印刷を行うこと、印刷部数が非常に多いこと、配達の必要性があることなどから、一般的な中質紙に要求される品質適性とは大きく異なっている。即ち一般的な中質紙と比較して、低坪量の用紙であるにもかかわらず、インキの裏抜け防止のための高不透明度、高速なオフセット印刷に耐えうる強度が要求される。
機械パルプを配合すると、化学パルプに比べて光学的性質では不透明度の向上効果は大きくなるが、原料の木材に由来する樹脂成分が製造工程内に大量に流入し、工程内の設備への付着や汚れ等の問題を惹き起こす原因となる。このような樹脂障害を抑制するために、コールドオフセット印刷用紙の製造では硫酸アルミニウム(硫酸バンド)を添加し、アルミニウムを介して樹脂成分を繊維に定着させるか、あるいは樹脂成分の凝集体を形成させることにより、樹脂成分を紙支持体に取り込むことによって製造工程での樹脂成分の付着を防ぐため、アルミニウムイオン種のカチオン性が最も活性なpH4〜6の範囲内で抄造するのが一般的である。
紙の不透明度を向上させるには、ホワイトカーボン、尿素樹脂系填料や焼成クレーなどの高価な填料が使用されている。従って、いずれの製造方法でも、製造コストの増加を余儀なくされている。比較的安価で光学的性質の高い炭酸カルシウムを酸性抄紙に使用した場合には填料の炭酸カルシウムは溶解してしまい、填料としての役割を果たさなくなってしまう。
また軽量化に伴ない紙力の低下の問題が生じるが、通常、紙力を増強させるには、化学パルプの増配、あるいは紙力増強剤の内添、外添する方法がとられている。しかし、これらの方法は高価な化学パルプや紙力増強剤を使用するのでコスト的には不利であり、化学パルプを増配した場合には不透明度が低下する。また、酸性抄紙から中性抄紙に転換することによっても紙力の向上は可能であるが、機械パルプを高配合する場合には、抄紙pHが酸性から中性に上昇するに従って、樹脂成分が繊維から遊離し、抄紙系内の樹脂成分濃度が上昇すると共に抄紙工程にて付着した樹脂成分の粘度が高くなり、抄紙機の汚れの問題が発生する。そのために、抄紙pHを上昇させるには適切な樹脂成分の処理方法を開発しなければならなかった。
また、炭酸カルシウムを填料として使用した場合には、カオリンやタルクなどの酸性コールドオフセット印刷用紙用填料に比べてその硬度が高いために、製紙用ワイヤーの摩耗が速いことが一般的に言われており、同様に印刷時のオフセット印刷用の版摩耗が懸念されている。従って、オフセット印刷において軽量でかつ印刷作業性や印刷品質に適したコールドオフセット印刷用紙を実現することは難しく、特許第2889159号公報(特許文献1)には、5〜15重量%の炭酸カルシウムを填料として含む坪量40〜48g/mの新聞用紙が記載されているが、電話帳用紙などではさらなる軽量化が求められている。
特許第2889159号公報 特開平9−78491
本発明は、光学的性質に優れ、比較的安価な填料である炭酸カルシウムを配合した機械パルプ及び/または脱墨古紙パルプを主体とするコールドオフセット印刷用紙であって、酸性コールドオフセット印刷用紙と同等以上の強度、不透明度、樹脂成分歩留、耐オフセット印刷版摩耗性を有する中性コールドオフセット用紙、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、原紙のpHが6〜9、全パルプ成分中の80重量%以上が機械パルプ及び/または脱墨古紙パルプであり、炭酸カルシウムを主とする填料を紙重量当たりの灰分として7重量%以上25重量%未満含んでおり、坪量が30〜45g/mで、不透明度が87〜95%、白色度が50〜70%であることを特徴とする中性コールドオフセット印刷用紙に関する。
請求項2に記載の発明は、前記原紙上に、クリア塗工または顔料塗工したことを特徴とする請求項1記載の中性コールドオフセット印刷用紙に関する。
請求項3に記載の発明は、前記コールドオフセット印刷用紙が電話帳用紙であることを特徴とする請求項1または2記載の中性コールドオフセット印刷用紙に関する。
請求項4に記載の発明は、全パルプ成分中の80重量%以上が機械パルプ及び/または脱墨古紙パルプである原紙を中性またはアルカリ性で抄造する際、硫酸アルミニウムを添加して上記パルプ中に含有されている樹脂成分を繊維に定着させた後に、填料として炭酸カルシウムを抄紙工程における後段に添加し、硫酸アルミニウムのカチオン化度が低下しない間に樹脂成分を紙に抄き込み、灰分を1〜25重量%にすることを特徴とする中性コールドオフセット印刷用紙の製造方法に関する。
請求項5に記載の発明は、前記原紙上に、クリア塗工または顔料塗工することを特徴とする請求項4記載の中性コールドオフセット印刷用紙の製造方法に関する。
本発明によれば次の効果が奏される。
(1)コールドオフセット印刷用紙において、軽量でかつ脱墨古紙パルプや炭酸カルシウムの配合率を高くすることが可能である。
(2)軽量にもかかわらず、印刷時の不透明度および白色度が高く、また裏抜けや印刷時のパイリングが少なく、十分な強度を有するコールドオフセット印刷用紙が得られる。
(3)電話帳用紙などに好適な中性コールドオフセット印刷用紙が得られる。
電話帳用紙や新聞用紙に代表されるコールドオフセット印刷用紙(以下、「オフセット印刷用紙」と称する)は、配達や輸送の負担を軽減するために軽量化が望まれ、特に電話帳用紙の坪量は30〜45g/m程度が望ましい。しかし、このような坪量は一般的な中質紙と比べてかなり低く、一般的な中質紙のパルプ配合(JISの規定で化学パルプの配合が70%以上)では光学的性質及び強度が劣る。そこで、本発明では不透明度を高めるために全パルプ成分中の機械パルプ及び/または脱墨古紙パルプ(DIP)の配合率を80重量%以上、すなわち80〜100重量%にした。さらに、不透明度、白色度等の光学的性質を改善するために填料を内添する。しかし、填料によってパルプ繊維間の結合が阻害されるので、酸性抄紙のオフセット印刷用紙では5%以上の填料を内添すると高速のオフセット印刷に耐え得る強度が得られなかった。
そこで、炭酸カルシウムを填料として使用しpH6〜9で中性ないしアルカリ性で抄造することによって、光学的性質と強度が同時に改善されることを見出だした。つまり、炭酸カルシウムのバッファー効果により抄紙pHは6〜9になる。抄紙pHが中性あるいはアルカリ性では酸性に比べ、繊維1本1本が十分に伸びているので繊維相互が水素結合の形成する領域が増加する。従って、灰分が酸性のオフセット印刷用紙と同程度の場合には、中性のオフセット印刷用紙の紙力の方が高くなる。この結果、坪量は30〜45g/mの低坪量でも引張り強さが2.0〜3.0kN/mとなり、高速のオフセット印刷に耐え得る十分な強度を達成できる。また、紙力の上昇により、繊維間の水素結合を阻害するために紙力を損なう填料を25重量%まで内添することが可能となる。
さらに、酸性のオフセット印刷用紙に使用されているクレー等の填料よりも光学的性質に優れている炭酸カルシウムの使用及びその配合率の増加により、軽量にもかかわらず酸性印刷用紙よりも高い87〜95%の不透明度を達成でき、オフセット印刷時に問題となるブランケットへの紙粉堆積が少なく、かつインクの裏抜けを十分に防止できる。また、炭酸カルシウムは、クレーやタルク等よりも嵩比重が高く、酸性の電話帳用紙よりも嵩高な紙を抄造することが可能となり、オフセット印刷に適する良好なインキの受理を有する印刷適性に優れたオフセット印刷用紙を提供できる。さらに白色度も50〜70%となり、多色印刷にも適したオフセット印刷用紙を提供できる。
以下、本発明のオフセット印刷用紙について詳細に述べる。
[パルプ]
本発明で使用する機械パルプは、GP、CGP、PGW、SGP(ストーングランドパルプ)、PGP(加圧ストーングランドパルプ)、RGP(レファイナーグランドパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、等の機械パルプがある。また使用する脱墨古紙パルプは、雑誌古紙、新聞印刷古紙、中質印刷古紙などから脱墨されたDIPである。機械パルプと脱墨古紙パルプ以外には、化学パルプ(NBKP、LBKP等)を任意の割合で混合して使用することができる。
[填料]
本発明においては、古紙パルプに含有されていたものと抄紙時に添加されるものとを合わせて、填料として炭酸カルシウムを含有する。炭酸カルシウムは、白色度、不透明度等を高くし、さらに印刷品質や印刷作業性の向上に効果的である。炭酸カルシウムを主とする填料は、紙中灰分として原紙重量当たり7重量%以上25重量%未満であり、少なすぎると十分な白色度、不透明度が得られず、高すぎると強度低下や剛度低下の問題がある。好ましくは10重量%以上、より好ましくは12重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上である。25重量%以上であると強度や剛度が低下し、印刷作業性や印刷走行性等の問題が懸念される。
炭酸カルシウムとしては、後述する針状またはロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムや、軽質炭酸カルシウムとシリカとの複合物を用いると、白色度、不透明度等の向上の他、原紙中での均一な填料分布が得られやすく好ましい。
炭酸カルシウム以外の填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の製紙用填料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・炭酸カルシウム
本発明で用いられる炭酸カルシウムとは、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムのいずれかであり、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方形状、ロゼッタ型(いがぐり状)のいずれでも良い。この中でも特に、針状もしくはロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、不透明度、裏抜け改善効果に優れるとともに、填料分布も均一になりやすい。
・軽質炭酸カルシウムとシリカとの複合物
また、本発明においては、軽質炭酸カルシウムとシリカとの複合物(以下、「軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物」ということがある)も使用することができる。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物とは、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物であり、新たに添加される填料の全量または一部に使用することが好ましい。この軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子を使用することにより、密度が低く、不透明度および裏抜けが良好なオフセット印刷用紙を得ることができる。このような軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、例えば特開2003−212539号公報、特開2005−219945号公報等に記載されている。
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を用いた場合は、インキセット性(印刷物のべたつき低減)に優れる。また、カレンダー処理を行った後でも、低密度を維持しながら高平滑度と相反する性質を発揮することができる。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、インキ着肉性とインキセット性のバランスがより良好になることから、軽質炭酸カルシウムとシリカとの固形分重量比が、軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70〜70/30であることが好ましい。軽質炭酸カルシウムの固形分重量比が小さすぎる場合、印刷時の表面強度が劣る傾向にあり、多すぎる場合、インキセット性の向上効果が小さくなるため、前記の割合であることが好ましい。
また、複合物に使用する軽質炭酸カルシウムについては、針状、柱状、紡錘状、球状、立方形状、ロゼッタ型のいずれでも良いが、この中でも特にロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に裏抜け、不透明度改善効果が向上する。
[添加剤]
その他必要に応じて、硫酸バント、内添サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤等を含有してもよい。また、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することにより、低密度化した原紙を用いることが好ましい。配合し得るパルプの結合阻害剤としては、製紙用で紙の嵩高化のために上市された低密度化剤(あるいは嵩高剤)が適しており、具体的には、高級アルコールのエチレンおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、多価アルコール型非イオン型界面活性剤、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のエチレンオキサイド付加物、あるいはポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物等である。単独あるいは2種以上を併用してもよい。
[原紙の製造]
本発明のオフセット印刷用紙は、前記パルプを配合して、抄紙機においてパルプスラリーに硫酸アルミニウムを添加した後に、紙の灰分が7〜25重量%になるように炭酸カルシウムを添加し、中性オフセット印刷用紙として製造される。具体的には、硫酸アルミニウムをパルプスラリーに添加し、抄紙工程の付着物の原因となる樹脂成分を繊維に定着させる。続いて、インレット直前のファンポンプ前に、炭酸カルシウムが添加される。炭酸カルシウムをパルプスラリーに添加すると、パルプスラリーのpHは炭酸カルシウムのバッファー効果によりpHが6〜9に変化する。一方、硫酸アルミニウムが添加された機械パルプスラリーはpHが4〜6であるが、炭酸カルシウムの添加によってpHは7〜9に上昇する。酸性から中性に急激にpHを変化させた場合、1時間程度はカチオン性を維持するため、機械パルプに由来する樹脂成分が硫酸アルミニウムを介して繊維に定着させるためには、炭酸カルシウムを抄紙工程の出来るだけ後段に添加し、硫酸アルミニウムの添加されたパルプスラリーのpHを中性に上昇させてからワイヤーパートに至るまでの時間を最小にすることにより、酸性抄紙と同等の樹脂成分を紙に歩留らせることができる。そこで、硫酸アルミニウムを機械パルプを含むパルプスラリーに添加し樹脂成分をパルプ繊維に定着させた後に炭酸カルシウムを添加し、その直後に抄紙することにより、樹脂成分を繊維に酸性抄紙と同等か、それ以上の量を定着させることができる。さらに、カオリンやタルクが中性領域での界面電荷が負であるのに対し、炭酸カルシウムの中性領域での界面電荷は正であるので、機械パルプに由来する樹脂成分を中性領域においても填料表面に吸着させることができる。
抄紙機については特に限定されるものではなく、例えば、長綱式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円綱式抄紙機、短綱式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。
[塗工]
本発明においては、上記原紙表面上に無機顔料を含有しないクリア塗工あるいは無機顔料を含有する顔料塗工を施してもよい。
填料として炭酸カルシウムを使用した場合、炭酸カルシウムの硬度が高いためオフセット印刷時に、版摩耗が生じやすい。そこで、原紙上にクリア塗工することが好ましい。このクリア塗工はデンプン、酸化デンプン、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール等の変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等から選ばれ、接着剤を含む水溶液、または水性ラテックスの状態で塗布される。この他、クリア塗工の塗工液には分散剤、流動変性剤、消泡剤、染料、滑剤、耐水化剤、架橋剤、サイズ剤などの各種助剤を必要に応じて配合することも可能である。
塗工方法は特に制限されるものではなく、サイズプレス、ビルブレード、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス等を使用して行う。塗布量は少なくとも片面(オフセット印刷面)に0.1〜2g/mになるように塗工することが好ましい。
また、印刷品質を向上するするために、無機顔料を含有する塗工層を設けることも好ましい。顔料としては、塗工用顔料として知られているカオリン、クレー、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、これらの顔料は必要に応じて単独または2種類以上併用する事も可能である。中でも炭酸カルシウムが最も好ましい。炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウムを顔料100重量部当たり50重量部以上、さらに好ましくは70重量部以上配合することにより、白色度やインキセット性等が向上する。
また、それら顔料成分の接着剤成分として、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体(ラテックス)、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、酵素編成澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤1種以上を適宜選択して使用される。特に、スチレン・ブタジエン系ラテックスもしくはポリビニルアルコールを含有することにより、オフセット印刷時におけるブランケットへの紙粉の堆積、いわゆるブランケットパイリングが低減され、コストなどの点においては、澱粉を用いることが好ましい。
本発明においては、インキ着肉性、インキセット性、紙粉等の点から、これらの接着剤は顔料100重量部に対して20〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは30〜80重量部である。接着剤が少なすぎると、表面強度が低下しやすく紙粉が発生しやすい。また、多すぎるとインキ着肉性の低下やインキセット性も悪くなり、印刷後の刷版の洗浄性も悪化する。
その他必要に応じて、消泡剤類、スライムコントロール剤類、染料類、分散剤類、増念剤類、保水剤類、耐水化剤などを適宜配合しても差し支えない。また、本発明の塗工層には、表面サイズ剤を使用してもよい。表面サイズ剤としては、アルケニル無水コハク酸やアルキルケテンダイマー、オレフィン系不飽和モノマーを共重合の構成要素のひとつとするサイズ剤、またはスチレン系もしくはアクリルエステル系不飽和モノマーを共重合体の構成要素のひとつとするサイズ剤が挙げられる。勿論、これらを組み合わせて使用することも何ら差し支えない。
上記の顔料、接着剤等を含有し調整された塗工液を塗工する方法としては、特に限定されるものではないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面ずつもしくは両面同時に両面塗工する。中でも、ゲートロールコーターなどのフィルム転写型ロールコーターを使用することにより、インキ着肉性が向上する。塗布量は少なくとも片面(オフセット印刷面)に0.1〜2g/mになるように塗工することが好ましい。
塗工後の湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気加熱シリンダー、加熱熱風エアドライヤー、ガスヒータードライヤー、電気ヒータードライヤー、赤外線ヒータードライヤー、高周波ヒータードライヤー等の各種方式が単独または併用して用いられる。
[カレンダー処理、他]
以上のように、塗工しないで、あるいは塗工乾燥された後は、マシンカレンダー、またはスーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑化処理を行ってもよい。特に、線圧100KN/m以下の軽度のカレンダー条件であることが好ましい。ただし、所望の品質のオフセット印刷用紙が得られれば、いずれのカレンダー処理、あるいは未カレンダー処理でもよい。また、カレンダー処理後の調湿、加湿のための水塗り装置、静電気加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組み合わせて使用することも可能である。本発明のオフセット印刷用紙の水分としては、インキ着肉性等の印刷品質の点から、1.0%以上9.0%以下が好ましい。
本発明におけるオフセット印刷用紙は、浸透乾燥型インキを使用しアフタードライヤーを持たないコールドオフセット型の高速輪転機で印刷されるものであり、一般の電話帳用紙並みの引張強度、引裂強度、剛度、伸び等の物理的強度を有するように製造される。坪量は30〜45g/m程度である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。尚、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。また、得られた原紙およびオフセット印刷用紙について、以下に示すような評価法に基づいて試験を行い、結果を表1に示した。
<評価方法>
(1)白色度:JIS P8148に準拠した。
(2)不透明度:JIS P8138に準拠した。
(3)クラーク剛度(曲げこわさ):JIS P8143に準拠した。
(4)引張強さ:JIS P8113に準拠した。
(5)灰分:JIS P8251に準拠した(温度525℃で3時間を適用した)。
[実施例1]
パルプとして晒しクラフトパルプ5%、メカニカルパルプ20%、脱墨古紙パルプ75%の割合で混合して離解し、カナダ標準型フリーネス(CSF)200ccに調整したパルプスラリーに、1.0%の硫酸バンド、0.1%のポリアクリルアミドと、0.15%の歩留まり向上剤を添加して、坪量40g/m、灰分を10%となるようにギャップフォーマー型抄紙機で中性抄造し電話帳原紙を得て、その原紙表面上にポリアクリルアミド(PAM)を片面当たり0.2g/mとなるように1200m/minの塗工速度でゲートロールコーターにより両面塗工を行い乾燥し、ソフトニップカレンダー(線圧15kN/m、温度100℃)により平滑化処理を行い、水分が8%のオフセット印刷用紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、灰分を15%に調整した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[実施例3]
実施例1において得た原紙表面上に、ヒドロキシエチル化澱粉(HES)を片面当たり0.4g/mとなるように両面塗工した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[実施例4]
実施例2において得た原紙表面上に、ヒドロキシエチル化澱粉(HES)を片面当たり0.4g/mとなるように両面塗工した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[実施例5]
実施例1において、坪量を35g/mになるように調整して得た原紙表面上に、ヒドロキシエチル化澱粉(HES)を片面当たり0.4g/mとなるように両面塗工した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[実施例6]
実施例1において、坪量を35g/m、灰分を18%になるように調整して得た原紙表面上に、ヒドロキシエチル化澱粉(HES)を片面当たり0.4g/mとなるように両面塗工した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、坪量を40g/m、灰分を5%になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、坪量を40g/m、灰分を5%になるように調整して得た原紙表面上に、ヒドロキシエチル化澱粉(HES)を片面当たり0.4g/mとなるように両面塗工した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、坪量を35g/m、灰分を5%になるように調整して得た原紙表面上に、ヒドロキシエチル化澱粉(HES)を片面当たり0.4g/mとなるように両面塗工した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、坪量を46g/m、灰分を5%になるように調整して得た原紙表面上に、ヒドロキシエチル化澱粉(HES)を片面当たり0.4g/mとなるように両面塗工した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[比較例5]
実施例1において、パルプスラリーに3.0%の硫酸バンドを添加し、坪量を40g/m、灰分を5%になるように調整し、酸性抄造にて電話帳原紙を得た以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
[比較例6]
実施例1において、パルプスラリーに3.0%の硫酸バンドを添加し、坪量を40g/m、灰分を5%になるように調整して得た原紙表面上に、酸化澱粉を片面当たり0.4g/mとなるように両面塗工し、酸性抄造にて電話帳原紙を得た以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用紙を得た。
Figure 2009179892
Figure 2009179892
表1から、本発明の実施例1〜6では、非常に軽量であるにもかかわらず、白色度および不透明度が高く、剛度、引張強さなど十分な強度を有するオフセット印刷用紙が得られていることがわかる。これに対し、中性低灰分処方の比較例1〜4や酸性抄造である比較例5、6では、十分な品質が得られない。

Claims (5)

  1. 原紙のpHが6〜9、全パルプ成分中の80重量%以上が機械パルプ及び/または脱墨古紙パルプであり、炭酸カルシウムを主とする填料を紙重量当たりの灰分として7重量%以上25重量%未満含んでおり、坪量が30〜45g/mで、不透明度が87〜95%、白色度が50〜70%であることを特徴とする中性コールドオフセット印刷用紙。
  2. 前記原紙上に、クリア塗工または顔料塗工したことを特徴とする請求項1記載の中性コールドオフセット印刷用紙。
  3. 前記コールドオフセット印刷用紙が電話帳用紙であることを特徴とする請求項1または2記載の中性コールドオフセット印刷用紙。
  4. 全パルプ成分中の80重量%以上が機械パルプ及び/または脱墨古紙パルプである原紙を中性またはアルカリ性で抄造する際、硫酸アルミニウムを添加して上記パルプ中に含有されている樹脂成分を繊維に定着させた後に、填料として炭酸カルシウムを抄紙工程における後段に添加し、硫酸アルミニウムのカチオン化度が低下しない間に樹脂成分を紙に抄き込み、灰分を7〜25重量%にすることを特徴とする中性コールドオフセット印刷用紙の製造方法。
  5. 前記原紙上に、クリア塗工または顔料塗工することを特徴とする請求項4記載の中性コールドオフセット印刷用紙の製造方法。
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