JP2007100287A - 紙力と剛度を改善した紙とその製造方法、及びプラスチックワイヤー摩耗性の改善方法 - Google Patents

紙力と剛度を改善した紙とその製造方法、及びプラスチックワイヤー摩耗性の改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】填料の高配合化や紙の嵩高化にもかかわらず、紙力や剛度の低下が少ない紙を提供することである。また、紙力や剛度の低下を効果的に抑制でき、しかも安定操業が可能な製造方法を提供することである。更に、重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムのプラスチックワイヤー摩耗性を改善できる方法を提供することである。
【解決手段】紙用填料あるいは塗工紙用顔料に使用される無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液を固形分重量比で、無機粒子/カチオン性化合物/澱粉=100/0.1/0.1〜100/100/100の範囲で混合して調製した混合スラリーを、紙料へ添加し、抄紙する。また、重質炭酸カルシウム及び/又はクラフトパルプの苛性化工程で生成する軽質炭酸カルシウムを粉砕した填料、カチオン化澱粉糊液及び未加工澱粉糊液を混合後、これを填料として紙料へ添加し、抄紙する。

Description

本発明は、填料を内添した紙、または填料と紙用嵩高剤を内添した紙において、紙力と剛度を改善した紙と、その製造方法、及びプラスチックワイヤー摩耗性の改善方法に関するものである。
近年、環境保護意識の高まりと紙の製造コスト削減の点から、パルプ使用量を削減するため填料の高配合化や嵩高化が進行しつつある。しかし、これら高配合紙や嵩高紙は従来の紙と比較してパルプ配合量が減少するため、紙の引張り強度や層間強度といった紙力や曲げこわさや腰といった剛度の低下を生じ、品質上問題となる場合がある。
製紙用薬品により紙の紙力や剛度を高める方法として、一般にポリアクリルアミドや澱粉などの紙力増強剤を内添する手法が用いられる。しかし、十分な紙力と剛度向上効果を得るためには、通常以上の添加量が必要となり、紙の地合の悪化を引き起こし易く、かえって紙力や剛度が低下する可能性がある。また、抄紙工程に凝集性、粘着性を有するこれら薬品を増添することは操業不安定化の恐れがあること、さらには薬品の増添はコストの点から困難であると考えられる。
炭酸カルシウムやシリカ、酸化チタン、クレーなどの無機粒子に薬品を添加混合してある効果を持たせる手法が知られている。例えば、炭酸カルシウムに脂肪酸を混合することで酸性抄紙でも溶解しない炭酸カルシウムを製造する方法(特許文献1参照)、炭酸カルシウムにシュウ酸やステアリン酸を混合することで酸性抄紙でも溶解しない炭酸カルシウムを製造する方法(特許文献2参照)、炭酸カルシウムにサイズ剤であるカチオン性重合体を混合することでサイズ度を向上する方法(特許文献3参照)、無機填料に0.1%〜1%のアニオン性物質及び0.1%〜10%のサイズ剤であるカチオン性重合体を混合することでサイズ度を向上する方法(特許文献4参照)、炭酸カルシウムに脂肪酸と澱粉を混合することでサイズ度を向上する方法(特許文献5参照)、炭酸カルシウムや酸化チタンに脂肪酸を混合することでサイズ度を向上する方法(特許文献6参照)、炭酸カルシウムやシリカ、カオリン等に長鎖脂肪族アミンを混合し顔料として用いることで摩擦係数を低下させる方法(特許文献7参照)、炭酸カルシウムにアクリロニトリルコポリマーを混合することでサイズ度を向上する方法(特許文献8参照)、炭酸カルシウムやベントナイトにポリビニルアミンを混合することで排水/保持助剤として用いる方法(特許文献9参照)が開示されている。しかし、これらの方法は炭酸カルシウムの酸性時安定化やサイズ性向上、摩擦係数を変化させる目的であり、紙力や剛度を向上する手法ではない。
一方、無機粒子に薬品を添加混合して紙力を向上する手法としては、炭酸カルシウムにカルボキシメチルセルロースやキサンタンガムなどを混合する方法(特許文献10参照)、無機粒子スラリーに澱粉の粉体を混合し加熱しゲル化して複合化する方法(非特許文献1参照)が開示されているが、コスト及び効果、実用性の点で未だ不十分であり、より効果的な紙力と剛度の向上手法が求められている。
印刷あるいは筆記用に使用される紙には、通常、白色度、不透明度、平滑性、筆記性、手触り、印刷適性等の改良を目的として填料が内添される。従来のpH4.5付近で紙を抄く、いわゆる酸性抄紙では填料にタルク、クレー、酸化チタン等が使用されている。この際、抄紙機のワイヤーは、その寿命の長さと扱いやすさからプラスチックワイヤーが使用される。
近年、輸入品で高価なタルク、クレーに代わって、国産の炭酸カルシウムを填料として使用することによりコストが低減され、紙力が向上し、白水のクローズド化がより進められる等の紙質、コスト、環境対策等の面でメリットの多いpH7.0〜8.5の中性〜弱アルカリ性域で紙を抄く、いわゆる中性抄紙への移行が進んできており、今後ともその普及が拡大する情勢である。
この中性抄紙で填料として用いられる炭酸カルシウムには、天然石灰石を乾式あるいは湿式で機械粉砕して得られる重質炭酸カルシウムと、生石灰もしくは消石灰にCO2を吹き込み、中和反応により製造される軽質炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)がある。更には最近、クラフトパルプ工程の苛性化工程を利用して自製する軽質炭酸カルシウム(以下、苛性化軽質炭酸カルシウムと呼ぶ)も使用されはじめている。
紙の中性抄紙化は欧州で盛んに実用化されているが、欧州では、ワイヤーの摩耗度が低くかつ白色度が高い有孔虫などの海産微生物を起源とする炭酸カルシウムの一種であるチョークが広く分布しているため、1970年代に入るとこれを填料として利用する中性抄紙への転換が始まり急速に進んだ。中性抄紙化はその後、北米や日本にも広がったが、これらの地域では欧州と異なりワイヤー摩耗性の低いチョークが分布していなかったため、石灰石を粉砕した重質炭酸カルシウムが使用されてきた。また、コストや環境対策等の点でメリットの大きいクラフトパルプの苛性化工程で生成する石灰マッドを粉砕して内添填料として利用される軽質炭酸カルシウムも、形態が不定で粒径の大きなものとなる傾向にあり、重質炭酸カルシウム同様、ワイヤー摩耗性を悪化させる。重質炭酸カルシウムと苛性化軽質炭酸カルシウムは、填料として内添した場合、紙のサイズ性および紙力の低下が少ないこと及びコストが安い点で優れている。しかしながら、前述のように、内添填料として重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムを使用して紙を抄造した場合、内添填料にタルクを使用した場合と比べて、プラスチックワイヤーの摩耗性が劣る問題がある。
ワイヤーの摩耗が激しい場合、ワイヤーを頻繁に取り替えなければならないが、その間、抄紙機の運転は停止するので、その分、生産性は低下し、抄紙効率を悪くする。特に近年進歩が目覚ましいツインワイヤー抄紙機にあっては、抄紙機の大型化と高速化によって、ワイヤー交換のための停機が生産性に及ぼす影響は一層大きくなる。さらに、プラスチックワイヤーは一般に高価なため、填料の摩耗性が大きい場合は、ブロンズワイヤーを使用するか、あるいは中性抄紙をあきらめ、酸性抄紙を継続するしかなかった。
重質炭酸カルシウムのプラスチクワイヤー摩耗性を低減させる技術としては次のようなものが挙げられる。炭酸カルシウムに例えばかんらん石族第1種以上の珪酸塩鉱物を混合し、ワイヤー摩耗性を改善すると同時に填料歩留まり及び紙の白色度を良好にする技術が開示されている(特許文献11参照)。重質炭酸カルシウムに、例えばベントナイト等の処理した特殊な粒状組成物を添加したものを填料として使用することにより、ワイヤー摩耗を極めて少なくし品質の優れた中性紙を得る技術が開示されている(特許文献12、13参照)。重質炭酸カルシウムに平均粒子径2〜50μmの珪砂粒子を添加する技術が開示されている(特許文献14参照)。重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムの填料と、特定平均粒子径のアルミナ及び/又はジルコニアを填料として併用する技術が開示されている(特許文献15参照)。しかし、これらの技術では炭酸カルシウム以外の他の鉱物を使用する技術であり、填料として安価な重質炭酸カルシウムや苛性化軽質炭酸カルシウムを使用するという利点が損なわれる問題がある。更に、重質炭酸カルシウムにアニオン性澱粉を吸着させたものを使用する技術が開示されている(特許文献16参照)。この技術により、填料自体のワイヤー摩耗性を改善できるものの、ワイヤー上でのワンパスリテンションが低下し、ワイヤーを通過した填料が白水中で循環するため、この分、ワイヤー摩耗性が増大するとう問題がある。また、苛性化軽質炭酸カルシウムのワイヤー摩耗性を改善する技術としては、特定の石灰乳または石灰泥に緑液を添加して苛性化反応を行わせ、白色度、不透明度に優れた紡錘状または米粒状の炭酸カルシウムを得る技術が開示されている(特許文献17参照)。しかし、この技術は苛性化工程の設備の改造を必要とし、しかも反応の制御が難しいという問題がある。
以上のように、重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムを填料として使用する場合のプラスチックワイヤー摩耗性を更に改善できる方法の確立が要望されていた。
米国特許第1839449号 特開昭59−228098号公報 米国特許第5147507号 特表平10−505883号公報 米国特許第5514212号 特表平08−507837号公報 特表平09−504057号公報 特表2002−520504号公報 特開平08−188983号公報 特表平09−506397号公報 Yulin Zhao et.al.,Tappi Journal,3,40(2),2005. 特開昭60-45700号公報 特開昭61-194298号公報 特開昭62-117899号公報 特開平08-144190号公報 特開平10-298894号公報 特開平01-45900号公報 特開平10-226517号公報
以上のように、填料の高配合化や紙の嵩高化にもかかわらず、紙力や剛度の低下が少ない紙、および紙力や剛度の低下を効果的に抑制でき、しかも安定操業が可能な製造方法、及びプラスチックワイヤー摩耗性の改善方法の開発が望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、第1に、填料の高配合化や紙の嵩高化にもかかわらず、紙力や剛度の低下が少ない紙を提供することにあり、第2に、紙力や剛度の低下を効果的に抑制でき、しかも安定操業が可能な製造方法を提供することにある。第3に、重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムのプラスチックワイヤー摩耗性を改善できる方法を提供することにあり、更には、これにより中性抄紙化を一段と進めようとするものである。
紙用填料あるいは塗工紙用顔料に使用される無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液を固形分重量比で、無機粒子/カチオン性化合物/澱粉=100/0.1/0.1〜100/100/100の範囲で混合して調製した混合スラリーを、紙料へ添加し、抄紙する。また、該無機粒子として、重質炭酸カルシウム及び/又はクラフトパルプの苛性化工程で生成する軽質炭酸カルシウムを粉砕した填料を使用し、これにカチオン化澱粉糊液及び未加工澱粉糊液を混合後、紙料へ添加し、抄紙する。
一般に、無機粒子とパルプ繊維との間には水素結合のような相互作用が働かず、しかもパルプ繊維間に介在する無機粒子はパルプ繊維間の水素結合を阻害する。このため、紙に内添される無機粒子の量が多いほど、紙力や剛度は低下する。しかし、本発明においては、無機粒子とカチオン性化合物および澱粉糊液から成る混合スラリーを紙料へ内添し抄紙することにより、次のような顕著な効果が得られる。
(1)無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液を混合することにより、これら無機粒子を核とし、その表面をカチオン性化合物と澱粉のコンプレックスが被覆した複合物が得られる。これを内添抄紙すると、紙中のカチオン性化合物や澱粉の量が増加する。更に、カチオン性化合物と澱粉のコンプレックスで被覆された無機粒子が、パルプ繊維と接着可能になることで、填料の高配合化や紙の嵩高化にもかかわらず、紙力や剛度の低下が少ない。本発明のカチオン性化合物と澱粉のコンプレックスで被覆された無機粒子を含有する紙は、パルプに無機粒子とカチオン性化合物と澱粉糊液を別々に添加して抄紙した紙よりも紙力や剛度が顕著に向上する。
(2)更に、無機粒子がカチオン性化合物と澱粉のコンプレックスで被覆されているので、紙料中で無機粒子とパルプ繊維との吸着力が強く、抄紙機ワイヤーで紙料を脱水しても無機粒子がパルプ繊維から脱落しにくいため、抄紙機ワイヤー上での紙中填料歩留りが大きく向上する。また、澱粉の歩留まりも高くなる。
また、該無機粒子として、重質炭酸カルシウム及び/又はクラフトパルプの苛性化工程で生成する軽質炭酸カルシウムを粉砕した填料を使用し、これにカチオン化澱粉糊液及び未加工澱粉糊液を混合し、粉砕した填料の表面にカチオン化澱粉及び未加工澱粉を吸着させることにより、填料自体のプラスチックワイヤー磨耗性が改善される。また、この表面処理澱粉を紙料へ添加し、抄紙すると填料の歩留まりが向上し、ワイヤーを通過する填料が少なくなり、これによってもプラスチックワイヤー摩耗性が改善される。
本発明では、無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液から成る混合スラリーを調製し、これを紙料へ内添、抄紙し、紙の紙力と剛度が改善された紙を抄造する。
本発明で使用する無機粒子は平均粒子径が0.1μm〜30μmのものであり、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、クラフトパルプの苛性化工程で生成する軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の、従来から紙用填料又は塗工紙用顔料として用いられるものであれば限定は無く、これらを単独でまたは2種類以上を併用して使用することができる。この中でも重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、クラフトパルプの苛性化工程で生成する軽質炭酸カルシウムが好適である。すなわち、抄紙法としては中性抄紙法が好適である。
本発明で使用するカチオン性化合物とは、カチオン化澱粉、ポリアミンエピクロロヒドリン、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリビニルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドのホモポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド、架橋型カチオン化澱粉の群から選ばれる。これらは水溶液またはエマルションの形態で使用される。これらの1種または2種以上の混合液を使用することができる。カチオン化澱粉及び架橋型カチオン化澱粉の原料には限定は無く、トウモロコシ、ワキシーメイズ、タピオカ、甘藷、馬鈴薯、小麦、米等の原料澱粉を使用できる。カチオン基が第3級アミン基でも第4級アンモニウム基であっても良く、その置換度(D.S.)も限定は無い。
本発明で使用する澱粉糊液とは、酸化澱粉、尿素リン酸化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、両性化澱粉、アセチル化澱粉、未加工澱粉の群から選ばれ、これらの1種または2種以上の混合糊液を使用することができる。これらの澱粉の原料も限定は無く、トウモロコシ、ワキシーメイズ、タピオカ、甘藷、馬鈴薯、小麦、米等の澱粉を使用できる。また、これらのエーテル基、エステル基の置換度の限定も無い。
本発明では、撹拌下、平均粒子径が0.1μm〜30μmの無機粒子とカチオン性化合物および澱粉糊液を混合し、混合スラリーを調製する。混合時の無機粒子、カチオン性化合物、澱粉糊液の添加順序は特に規定は無く、例えば、以下のような種々の添加順序を採用することができる。
(1)1)無機粒子のスラリーに、2)カチオン性化合物の水溶液またはエマルション、3)澱粉糊液、の順序で添加する。
(2)1)無機粒子のスラリーに、2)澱粉糊液、3)カチオン性化合物、の順序で添加する。
(3)1)カチオン性化合物の水溶液またはエマルションに、2)無機粒子のスラリーまたは粉体、3)澱粉糊液、の順序で添加する。
(4)1)カチオン性化合物の水溶液またはエマルションに、2)澱粉糊液、3)無機粒子のスラリーまたは粉体、の順序で添加する。
(5)1)澱粉糊液に、2)無機粒子のスラリーまたは粉体、3)カチオン性化合物の水溶液またはエマルション、の順序で添加する。
(6)1)無機粒子のスラリーに、2)カチオン性化合物の水溶液またはエマルションと、澱粉糊液とを予め混合した混合液、の順序で添加する。
(7)1)カチオン性化合物の水溶液またはエマルションと、澱粉糊液とを予め混合した混合液に、2)無機粒子のスラリーまたは粉体、の順序で添加する。
無機粒子、カチオン性化合物、澱粉糊液の混合比率は固形分重量比で、無機粒子/カチオン性化合物/澱粉=100/0.1/0.1〜100/100/100の範囲であり、好ましくは100/0.1/0.1〜100/50/100、更に好ましくは100/0.1/1〜100/10/20である。カチオン性化合物及び/または澱粉の添加量が0.1重量%未満では、紙力向上、剛度向上の効果が得られず、100重量%を超えて添加しても効果は頭打ちとなるため、不経済である。
無機粒子とカチオン性化合物、澱粉糊液を混合する装置は、これらを十分に撹拌混合できる装置であれば良く、特に限定は無い。混合は、数分〜数十分間である。混合時のスラリーの固形分濃度は特に規定はないが、80固形分重量%以下が好ましく、70固形分重量%以下がより好ましい。混合時の温度は室温〜50℃が望ましい。
無機粒子とカチオン性化合物、澱粉糊液との混合スラリーは、一時蓄えた後、紙料へ添加しても良いし、混合後直ちに連続的に添加しても良い。添加場所は、填料が通常添加されている場所であれば良く、ミキサーからヘッドボックスの間で添加する。
抄紙機では節水と熱エネルギーの節減を目的として、ワイヤーパートで脱水した白水を回収して抄紙機で再使用することが進められており、白水中に腐敗しやすい澱粉などの物質が高濃度で存在すると、これを栄養源としてスライムが繁殖し、白水系壁面などに付着したスライム層が脱落し紙に抄き込まれ、異物などの紙面欠陥を生じたり、これが原因で抄紙時に断紙が起こるなどの問題を引き起こす可能性がある。無機粒子の処理に使用したカチオン性化合物と澱粉糊液のワイヤーパート上の歩留まりは良く、90%前後の高い歩留まりを得ることも可能である。しかし、本発明では無機粒子の処理に澱粉を多く使用することから、スライム繁殖の問題が発生することも考えられる。これを回避する目的で、無機粒子に強固に吸着していないカチオン性化合物や澱粉糊液をなるべく除去するが望ましく、無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液から成る調製した混合スラリーを濾過や遠心分離により固液分離し、分離した水は抄紙機系外へ排水し、得られた脱水ケーキを水に再分散した後、この分散スラリーを紙料へ添加することもできる。
カチオン性化合物と澱粉を混合した無機粒子の紙中含有率は、1〜50固形分重量%が好ましく、5〜50固形分重量%がより好ましく、10〜50固形分重量%が更に好ましい。1固形分重量未満では、パルプ繊維間の水素結合を阻害する無機粒子の量が少ないため、元々、紙力や剛度が高い紙となる。従って、本発明の無機粒子、カチオン性化合物、澱粉糊液からなる混合スラリーを填料として添加しても、本発明の紙力、剛度の向上効果が少ない。一方、50固形分重量%を超えると、本発明の紙力、剛度の向上効果は得られるが、抄紙自体が困難となる問題がある。
カチオン性化合物と澱粉糊液で処理した無機粒子は紙料へ添加され紙に抄き込まれ、紙が得られるが、紙中に存在する該無機粒子の組成比は、無機粒子/カチオン性化合物/澱粉=100/0.05/0.05〜100/90/90の範囲にあり、紙中の無機粒子の組成を分析することにより、容易にその存在を確認することができる。無機粒子/カチオン性化合物/澱粉の組成物の紙からの分離方法としては、例えば、カチオン性化合物と澱粉を溶解しない溶媒中で紙を離解後、遠心分離処理により、パルプと無機粒子を比重差に基づき分離する方法を挙げることができる。このような方法で紙から分離した無機粒子はカチオン性化合物と澱粉を吸着しており、この分離無機粒子中の無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉の量をそれぞれ定量することで、無機粒子/カチオン性化合物/澱粉の組成比を求めることができる。無機粒子またはカチオン性化合物または澱粉を定量する方法は、精度良く定量できる方法であれば良く、公知の定量法を採用することができる。
本発明で使用する原料パルプは、通常使用されているパルプであれば良く、特に限定は無く、ケミカルパルプ(CP)、砕木パルプ(GP)、ケミグラウンドパルプ(CGP)、リファイナーグラウンドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、セミケミカルパルプ(SCP)等の各種製造方法のパルプ、また、これらの針葉樹、広葉樹パルプ、あるいは晒、未晒パルプ、更に脱墨パルプ(DIP)等を紙の種類に応じて適宜配合したパルプである。
本発明の紙は酸性抄紙法で抄造しても良いし、中性抄紙法で抄造しても良いが、中性抄紙法が好ましい。
酸性抄紙法で抄造する場合、紙の品種に応じて必要であれば、ロジンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、合成サイズ剤等の公知の酸性抄紙用内添サイズ剤を使用できる。
中性抄紙法で抄造する場合、紙の品種に応じて必要であれば、公知の内添中性サイズ剤である、アルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤を使用できる。
紙の抄造に際して、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。また、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が内添されてもよい。その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物を使用できる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。
近年、紙用嵩高剤を内添して紙の嵩高化(低密度化)を図る技術が開発されている。この嵩高剤は紙の紙力や剛度を低下させるものが殆どであり、このような嵩高剤を含有し、紙力や剛度が低下してしまう嵩高紙へ本発明を適用すると、紙力と剛度付与の効果が大きい。
紙用嵩高剤を含有する嵩高紙の紙について説明する。嵩高剤は紙料へ内添される。この嵩高剤を具体的に化合物で例示すると、油脂系非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン活性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、高級アルコールあるいは高級脂肪酸のポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン付加物、脂肪酸ポリアミドアミン、直鎖状脂肪酸モノアミド、不飽和脂肪酸ジアミドアミンなどが挙げられる。
この嵩高剤を特許文献で例示すると、次の通りである。特許第3128248号公報記載の紙用嵩高剤、特許第3453505号公報記載の紙用嵩高剤、特許第3482336号公報記載の紙用嵩高剤、特許第3537692号公報記載の紙用嵩高剤、特許第3482337号公報記載の紙用嵩高剤、特許第2971447号公報記載の紙用嵩高剤、特許第3283248号公報記載の抄紙用紙質向上剤、特許第3387033号公報記載の乾燥効率向上剤、特許第3387036号公報記載の平滑性及び透気性向上剤、特許第3517200号公報記載の抄紙用添加剤、特開2001-248100号公報記載の抄紙用紙質向上剤、特開2003-336196号公報記載の紙質向上剤、特開2004-52216号公報記載の抄紙用紙質向上剤、特開2004-107865号公報記載の紙質向上剤、特開2004-91950号公報記載の紙質向上剤、特開2005-60921号公報記載の粉末状抄紙組成物、特開2005-68633号公報記載の製紙用薬剤粒子、特開2000-273792号公報記載の紙用不透明化剤、特開2002-129497号公報記載の古紙再生用添加剤、特開2002-275786号公報記載の古紙再生用添加剤、特開2002-294586号公報記載の古紙再生用添加剤、特開2002-294594号公報記載の嵩高剤、特開2003-96692号公報記載の紙用嵩高剤、特開2003-96693号記載の嵩高剤、特開2003-96694号公報記載の古紙再生用添加剤、特開2003-96695号公報記載の古紙再生用添加剤、特開2003-171897号公報記載の紙厚向上剤、特開2003-247197号公報記載の紙用嵩高剤、特開2003-253588号公報記載の紙用嵩高剤、特開2003-253589号公報記載の紙用嵩高剤、特開2003-253590号公報の紙用嵩高剤、特開2003-328297号公報記載の紙用低密度化剤、特開2003-313799号公報記載の紙用低密度化剤、特開2004-11058号公報記載の抄紙用添加剤、特開2004-27401号公報記載の紙用低密度化剤、特開2004-115935号公報記載の紙用低密度化剤、特開2004-76244号公報記載の紙用嵩高剤、特開2004-176213号公報記載の紙用改質剤、特開2004-308095号公報記載の紙用添加剤、特開2005-42278号公報記載の嵩高剤、特開2005-42279号公報記載の嵩高剤、特開2005-60891号公報記載の製紙用嵩高剤、特許第3521422号公報記載の紙用柔軟化剤、特開2002-275792号公報記載の嵩高柔軟化剤、特開2002-275792号公報記載の製紙用嵩高サイズ剤、特開2003-286692号公報記載の紙用嵩高剤、特開2004-270074号公報記載の製紙用嵩高剤組成物、特開2004-285490号公報記載の製紙用嵩高剤、特開2004-339629号公報記載の紙用嵩高剤、特開2005-54330号公報記載の嵩高剤、特開2005-68592号公報記載の嵩高剤。
本発明でいう紙用嵩高剤とは、紙料に内添して抄紙した場合、紙の密度を低下させることができる、分子内に疎水基と親水性基の両方を有する化合物の総称である。その呼称は前記特許文献のように嵩高剤以外に、抄紙用紙質向上剤、乾燥効率向上剤、平滑性及び透気性向上剤、抄紙用添加剤、紙質向上剤、紙用不透明化剤、古紙再生用添加剤、紙厚向上剤、紙用低密度化剤、紙用改質剤、紙用柔軟化剤、嵩高柔軟化剤、製紙用嵩高サイズ剤など様々である。
嵩高剤は通常、原料パルプに対して0.2〜20固形分重量%の範囲で添加されている。0.2固形分重量%未満では低密度化の効果が小さく、20固形分重量%を超えて添加しても、嵩高効果が頭打ちとなるため、意味がなく、コスト的にも実用できないからである。
嵩高剤の添加場所は、原料ミキサー以降、本発明の無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液から成る混合スラリーや、他の填料を添加する以前が好ましい。
本発明の紙力と剛度を改善した紙の抄紙時、表面強度向上や耐水性付与、その他インク着肉性改良などを目的として、表面塗工を行っても良い。塗工装置については限定はない。表面処理剤の種類についても特に制限は無いが、一例を挙げると生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどを単独または併用できる。また、表面処理剤には前記の薬剤の他に、スチレンアクリル酸、スチレンマレイン酸、オレフィン系化合物、カチオン性サイズ剤などの表面サイズ剤を併用塗布することができる。
原紙を抄造する抄紙機の型式は特に限定は無く、長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキー抄紙機等で適宜抄紙できる。プレス線圧は通常の操業範囲内で用いられる。カレンダーはバイパスしても良いし、通常の操業範囲内で処理しても良い。
本発明で製造される紙は、上質印刷用紙、中質印刷用紙、新聞印刷用紙、グラビア印刷用紙、PPC用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、板紙原紙などに使用することができる。また、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙、熱転写用紙等の各種の塗工原紙にも使用することができる。この中でも特に紙力と剛度向上が求められている新聞印刷用紙、PPC用紙、塗工原紙に好適に使用できる。
次に、本発明の重質炭酸カルシウムと苛性化軽質炭酸カルシウムのプラスチックワイヤー摩耗性の改善方法について説明する。本発明者らは中性抄紙用内添填料として、重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムを使用して抄紙の際に問題となるプラスチックワイヤー摩耗性に関して鋭意研究を重ねた結果、重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムをサンドミル等の湿式粉砕機で粉砕処理した後、得られた粉砕液にカチオン化澱粉糊液、未加工澱粉糊液を添加して澱粉を粒子の表面に付着させることで低ワイヤー摩耗性の填料に成りうることを見いだし、本発明を完成するにいたった。
重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムに水を加え、5〜75固形分重量%のスラリーを調製し、これをサンドミル等の粉砕機にかけ、平均粒子径を1.0〜4.0μmまで粉砕処理する。1.0μm付近まで粉砕するとプラスチックワイヤー摩耗性改善の効果は頭打ちとなる。一方、4.0μmを超える平均粒子径では、プラスチックワイヤー摩耗性の改善効果が小さい。この粉砕炭酸カルシウム100部に対してカチオン化澱粉の糊液を0.1部〜10部(固形分)添加し、スラリーを十分に攪拌する。さらにこれに1〜3%濃度(固形分)の未加工デンプンの糊液を固形分として炭酸カルシウム100部に対して1部〜30部添加することでプラスチックワイヤー摩耗低減の効果が大きい重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムが得られる。カチオン化澱粉や未加工澱粉の添加量が前記ぼ範囲外では、プラスチックワイヤー摩耗性の改善効果が小さくなる。
これまでの検討から、重質炭酸カルシウムや苛性化軽質炭酸カルシウムは、単に粉砕による小粒子径化では、プラスチックワイヤーの摩耗性改善効果はあまり大きくないことが分かった。これは粉砕により、小粒子径になり若干の摩耗性は改善されるが、一方で鋭利なエッジが増えるため、柔らかいプラスチックワイヤーを鋭く深く損傷させるのである。特に過度に小粒子径化した場合、この影響は著しく大きい。重質炭酸カルシウム及び/又は苛性化軽質炭酸カルシウムのプラスチックワイヤー摩耗性対策としてタルクの混合使用が考えられるが、エッジが多い重質炭酸カルシウムや苛性化軽質炭酸カルシウムの場合、タルクとの混合使用を行ってもプラスチックワイヤーを保護する効果は不十分であった。本発明者等は鋭意検討した結果、重質炭酸カルシウムや苛性化軽質炭酸カルシウム自体にある摩耗を促進させると考えられる鋭利なエッジを澱粉分子で被覆することで、あたかも澱粉分子がクッションの役割を果たしてワイヤー摩耗低減の効果が得られると考えられる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、例中の%は全て固形分重量%を示す。
以下の実施例及び比較例における物性、紙のクラーク剛度、純曲げこわさを以下の方法で測定した。
(1)平均粒子径:表面処理した炭酸カルシウムや未処理の炭酸カルシウムの平均粒子径を超音波分散機で5分間処理後、レーザー散乱式粒子径測定機マスターサイザー2000(MARVERN社製)を用いて測定した。
(2)ゼータ電位:表面処理した炭酸カルシウムや未処理の炭酸カルシウムのゼータ電位を、
ZETASIZER3000HAS(MALVERN社製)を用いて測定した。
(3)裂断長:JIS P 8113に準拠
(4)純曲げこわさ:純曲げこわさ測定装置(スガ試験機株式会社製)を用いて、手抄き紙の初期純曲げこわさを測定した。なお、純曲げこわさはJISに定められた剛度測定法ではないが、実際に手で紙を曲げたときの感触に近い測定値を示す。
(5)ISO白色度:JIS P8148に準拠
(6)ISO不透明度:JIS P8149に準拠
(7)填料歩留り:紙の坪量、灰分から紙中填料量を算出し、填料仕込量との比から算出した。
(8)澱粉歩留り:バイオセンサーBF-2(KSシステムズ社製)を用いて紙中澱粉量を測定し、澱粉仕込量との比から算出した。
(9)プラスチックワイヤー摩耗性:日本フィルコン式ワイヤー摩耗試験機を用いて下記の条件で測定し、下記の計算式からプラスチックワイヤー摩耗率を求めた。
[測定条件]填料スラリー濃度 0.5%、 流量0.65L/分、 ロール材質 セラミック、 ロール径 60mmφ、 ロール回転数 1500rpm、 接触角 111度、 分銅 1.25kg、 ワイヤー種類 COS60、 ワイヤー寸法 40×140mm、 試験時間 90分
摩耗率=100×(A−B)/ A
(ここで、Aは試験前プラスチックワイヤーの重量(g)、Bは試験後プラスチックワイヤーの重量(g)である)
[実施例1]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例2]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工ポテト澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例3]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の尿素リン酸化澱粉(商品名:スプレット#250、日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例4]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の両性化澱粉(商品名:CATO3210、日本NSC社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例5]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリアミンエピクロロヒドリン(商品名:AC7300、星光PMC社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例6]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリアミンエピクロロヒドリン(商品名:AC7300、星光PMC社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の両性化澱粉(商品名:CATO315、日本NSC社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例7]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のカチオン化澱粉(商品名:CATO304、日本NSC社製)糊液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例8]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のカチオン化澱粉(商品名:CATO302、日本NSC社製)糊液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の酸化澱粉(商品名:SK-20、日本コーンスターチ社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例9]
カチオン性化合物として濃度2%のカチオン化澱粉(商品名:CATO304、日本NSC社製)糊液10gに、澱粉糊液として濃度2%の酸化澱粉(商品名:MS-3800、日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌した。この混合物を無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gに添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例10]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のカチオン化澱粉(商品名:CATO304、日本NSC社製)糊液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%のヒドロキシエチル化澱粉(商品名:ETHYLEX2025、ステーレー社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例11]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のカチオン化澱粉(商品名:CATO304、日本NSC社製)糊液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%のアセチル化澱粉(商品名:Z-300、日澱化学社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例12]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリアミドエピクロロヒドリン(商品名:WS4020、星光PMC社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例13]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド(表1中ではDADMACと記載)のホモポリマー(商品名:AC7304、星光PMC社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例14]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド(表1中ではDADMACと記載)とアクリルアミドとのコポリマー(商品名:N7527、OndeoNalco社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例15]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリエチレンイミン(商品名:カチオファストSF、星光PMC社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例16]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリ塩化アルミニウム(商品名:PAC、日本軽金属社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例17]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%の硫酸バンド水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例18]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、紙用嵩高剤(商品名:KB-110、花王社製)をパルプ重量当り1.0%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例19]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のカチオン化澱粉(商品名:CATO302、日本NSC社製)糊液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、紙用嵩高剤(商品名:KB-110、花王社製)をパルプ重量当り1.0%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例20]
無機粒子として重質炭酸カルシウム(商品名:スーパー#2000、丸尾カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例21]
無機粒子としてタルク(商品名:NTL、日本タルク株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液10gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液100gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例22]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液25gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液250gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例23]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液50gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液500gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[実施例24]
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)の固形分濃度20%のスラリー100gを室温で撹拌しつつ、カチオン性化合物として濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液100gを添加し、さらに澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液1000gを添加し室温で10分間撹拌して混合組成物を得た。LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として混合組成物を紙重量当り30重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[比較例1]
LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)を紙重量当り30重量%になるよう添加した。さらにポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)を填料重量当り1重量%になるよう添加し、未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液を填料重量当り10重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[比較例2]
LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)を紙重量当り30重量%になるよう添加した。さらに濃度2%のポリアミンエピクロロヒドリン(商品名:AC7300、星光PMC社製)水溶液10gを填料重量当り1重量%になるよう添加し、未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液を填料重量当り10重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[比較例3]
LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)を紙重量当り30重量%になるよう添加した。さらに濃度2%のカチオン化澱粉(商品名:CATO304、日本NSC社製)糊液10gを填料重量当り1重量%になるよう添加し、未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液を填料重量当り10重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[比較例4]
LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、紙用嵩高剤(商品名:KB-110、花王社製)をパルプ重量当り1.0%、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)を紙重量当り30重量%になるよう添加した。さらにポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)を填料重量当り1重量%になるよう添加し、未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液を填料重量当り10重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[比較例5]
LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、紙用嵩高剤(商品名:KB-110、花王社製)をパルプ重量当り1.0%、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石カルシウム株式会社製)を紙重量当り30重量%になるよう添加した。さらにカチオン化澱粉(商品名:CATO302、日本NSC社製)糊液を填料重量当り1重量%になるよう添加し、未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液を填料重量当り10重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[比較例6]
LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料として重質炭酸カルシウム(商品名:スーパー#2000、丸尾カルシウム株式会社製)を紙重量当り30重量%になるよう添加した。さらにポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)を填料重量当り1重量%になるよう添加し、未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液を填料重量当り10重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
[比較例7]
LBKP(濾水度CSF=400ml)のスラリーに硫酸バンドをパルプ重量当り0.8%、填料としてタルク(商品名:NTL、日本タルク株式会社製)を紙重量当り30重量%になるよう添加した。さらにポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)を填料重量当り1重量%になるよう添加し、未加工コーン澱粉(日本食品加工社製)糊液を填料重量当り10重量%になるよう添加した。このパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように計り取り、丸型TAPPI抄紙器にて150メッシュワイヤー(面積200cm)で抄紙した。次に、4.18kgf/cmで5分間さらに4.18kgf/cmで2分間プレス機にてプレス脱水し、110℃、2時間の条件で緊張乾燥して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。紙質の結果を表1に示す。
Figure 2007100287
軽質炭酸カルシウムにカチオン性化合物と澱粉糊液を加えて混合して調製した混合スラリーを用いた実施例1〜8、10〜17や予めカチオン性化合物と澱粉糊液を混合し、これを軽質炭酸カルシウムに加えて混合して調製した混合スラリーを用いた実施例9は、パルプに軽質炭酸カルシウムとカチオン性化合物、澱粉糊液を別々に添加した比較例1〜3よりも、紙力や剛度、填料歩留り、澱粉歩留りが大幅に向上した。また、調製した混合スラリーの平均粒子径は過度に大きくならないため、白色度や不透明度の低下はほとんど見られなかった。一方、紙用嵩高剤を配合した系においても同様で、軽質炭酸カルシウムにカチオン性化合物と澱粉糊液を加えて混合し調製した混合スラリーを用いた実施例18〜19は、パルプに軽質炭酸カルシウムとカチオン性化合物、澱粉糊液を添加した比較例4〜5よりも、紙力や剛度、填料歩留り、澱粉歩留りが大幅に向上した。無機填料である軽質炭酸カルシウムに添加するカチオン性化合物であるポリビニルアミンおよび澱粉糊液である未加工コーン澱粉の量を実施例1の2.5倍量にした実施例22、5倍量にした実施例23、10倍量にした実施例24では実施例1に比較して、紙力、填料歩留まりが更に向上していることが解る。さらに、無機填料にカチオン性化合物と澱粉糊液を加えて混合して調製した混合スラリーにおいて、無機填料として重質炭酸カルシウムを用いた実施例20やタルクを用いた実施例21は、それぞれパルプに無機填料とカチオン性化合物、澱粉糊液を別々に添加した比較例6、7よりも紙力や剛度、填料歩留り、澱粉歩留りが大幅に向上した。
[実施例25]
苛性化軽質炭酸カルシウムを固形分重量で35%濃度になるようにタービン翼型攪拌機を用いて水中に分散させ、分散液を調整した。この分散液をサンドグラインダー(井上製作所株式会社製、SGI-2型、2L容)を使用し、ガラスビーズ充填量1.7kg、ディスク回転数1440rpm、分散液量1.2kgで処理し、平均粒子径を2.2μmに粉砕した。これをタービン翼型攪拌機で水中に分散させたまま、3%濃度で蒸煮したカチオン化澱粉(CATO304:日本エヌエスシー株式会社製)を固形分として炭酸カルシウム100部に対して0.5部添加し、次いで1%濃度で蒸煮した未加工澱粉を固形分として炭酸カルシウム100部に対して10部添加して混合した。これをワイヤー摩耗試験に供した。結果を表2に示す。
[実施例26]
カチオン化澱粉の添加量を1.0部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例27]
カチオン化澱粉の添加量を10部、未加工澱粉の添加量を1.0部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例28]
苛性化軽質炭酸カルシウムの代わりに、重質炭酸カルシウムをサンドグラインダーで平均粒子径2.0μmまで粉砕したものを用いた以外は実施例1と同様に行った。
[実施例29]
苛性化軽質炭酸カルシウムの代わりに、重質炭酸カルシウムをサンドグラインダーで平均粒子径2.0μmまで粉砕したものを用いた以外は実施例2と同様に行った。
[実施例30]
苛性化軽質炭酸カルシウムの代わりに、重質炭酸カルシウムをサンドグラインダーで平均粒子径2.0μmまで粉砕したものを用いた以外は実施例3と同様に行った。
[比較例8]
カチオン化澱粉と未加工澱粉を添加しない以外は実施例25と同様に行った。
[比較例9]
カチオン化澱粉を添加しない以外は実施例25と同様に行った。
[比較例10]
カチオン化澱粉の添加量を1.0部とし、未加工澱粉を添加しない以外は実施例25と同様に行った。
[比較例11]
カチオン化澱粉の添加量を10部とし、未加工澱粉を添加しない以外は実施例25と同様に行った。
[比較例12]
カチオン化澱粉と未加工澱粉に代えて、酸化澱粉のみを10部添加した以外は、実施例25と同様に行った。
[比較例13]
カチオン化澱粉と未加工澱粉を添加しない以外は実施例28と同様に行った。
[比較例14]
カチオン化澱粉を添加しない以外は実施例28と同様に行った。
[比較例15]
カチオン化澱粉の添加量を1.0部とし、未加工澱粉を添加しない以外は実施例28と同様に行った。
[比較例16]
カチオン化澱粉の添加量を10部とし、未加工澱粉を添加しない以外は実施例28と同様に行った。
[比較例17]
カチオン化澱粉と未加工澱粉に代えて、酸化澱粉のみを10部添加した以外は、実施例28と同様に行った。
Figure 2007100287
表2の結果から次のことが解る。苛性化軽質炭酸カルシウムの粉砕品である比較例8のワイヤー摩耗率は高いが、カチオン化澱粉と未加工澱粉で処理した実施例25〜27はワイヤー摩耗率が大幅に低下しており、ワイヤー摩耗性が著しく改善されている。そしてその効果は、比較例9の未加工澱粉のみの処理、比較例10、11のカチオン化澱粉のみの処理よりも優れている。また、酸化澱粉のみで処理した比較例12よりもはるかにワイヤー摩耗率が低減されている。重質炭酸カルシウムの粉砕品である比較例13のワイヤー摩耗率は高いが、カチオン化澱粉と未加工澱粉で処理した実施例28〜30はワイヤー摩耗率が大幅に低下しており、ワイヤー摩耗性が著しく改善されている。そしてその効果は、比較例14の未加工澱粉のみの処理、比較例15、16のカチオン化澱粉のみの処理よりも優れている。また、酸化澱粉のみで処理した比較例17よりもはるかにワイヤー摩耗率が低減されている。

Claims (10)

  1. 平均粒子径0.1〜30μmの無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液から成る混合スラリーを紙料へ添加し、これを抄紙して含有することを特徴とする紙。
  2. 前記カチオン性化合物が、カチオン化澱粉、ポリアミンエピクロロヒドリン、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリビニルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドのホモポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド、架橋型カチオン化澱粉の群から選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1に記載の紙。
  3. 無機粒子と混合する前記の澱粉糊液が、酸化澱粉、尿素リン酸化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、両性化澱粉、アセチル化澱粉、未加工澱粉の群から選ばれる少なくとも1種類の糊液であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙。
  4. 前記無機粒子が、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、クラフトパルプの苛性化工程で生成する軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛の群から選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙。
  5. 無機粒子とカチオン性化合物、澱粉糊液の混合比率が、固形分重量比で無機粒子/カチオン性化合物/澱粉=100/0.1/0.1〜100/100/100であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙。
  6. 固形分重量で無機粒子/カチオン性化合物/澱粉=100/0.05/0.05〜100/90/90の組成比である無機粒子組成物が、紙中に存在することを特徴とする請求項1〜5項のいずれか1項に記載の紙。
  7. 紙用嵩高剤を紙料へ内添し、紙中に含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の紙。
  8. 平均粒子径0.1〜30μmの無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液から成る混合液を紙料へ添加し、これを抄紙することを特徴とする紙の製造方法。
  9. 重質炭酸カルシウム及び/又はクラフトパルプの苛性化工程で生成する軽質炭酸カルシウムを粉砕した填料、カチオン化澱粉糊液及び未加工澱粉糊液を混合後、これを填料として紙料へ添加することを特徴とするプラスチックワイヤー摩耗性の改善方法。
  10. 粉砕後の平均粒子径が1.0〜4.0μmであることを特徴とする請求項9記載のプラスチックワイヤー摩耗性の改善方法。
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