JPH07314899A - 感熱記録媒体 - Google Patents

感熱記録媒体

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JPH07314899A
JPH07314899A JP6116974A JP11697494A JPH07314899A JP H07314899 A JPH07314899 A JP H07314899A JP 6116974 A JP6116974 A JP 6116974A JP 11697494 A JP11697494 A JP 11697494A JP H07314899 A JPH07314899 A JP H07314899A
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JP
Japan
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heat
recording layer
layer
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thermosensitive recording
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JP6116974A
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Ryoichi Iino
良一 飯野
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速・高画質の記録が可能で、情報の変更・
修正が容易であると共に、改ざん・偽造防止特性が良好
な感熱記録媒体を提供する。 【構成】 この感熱記録媒体Aは、基材1と、この基材
1上に設けられたアルミニウム層2と、このアルミニウ
ム層2上に設けられた第一の感熱記録層3と、この第一
の感熱記録層3上に設けられた光熱変換層4と、この光
熱変換層4上に設けられ記録時の温度に依存して光学濃
度が変化し記録と消去が可逆的に行える第二の感熱記録
層5と、この第二の感熱記録層5上に設けられた保護層
6とでその主要部が構成されている。そして、第二の感
熱記録層に対してのみサーマルヘッドを用いた加熱手段
により情報の高速記録若しくは消去が行え、かつ、レー
ザ光を用いた加熱手段により第一の感熱記録層と第二の
感熱記録層に対し同時に情報の記録若しくは消去が行え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッド及びレ
ーザ光により記録可能な感熱記録媒体に係り、特に、高
速・高画質の記録が可能で、情報の変更・修正が容易で
あると共に、改ざん・偽造防止特性が良好な感熱記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、感熱記録方式は、ワードプロ
セッサ、パーソナルコンピュータ等の出力手段として、
また、ハイウェイカード、イオカード(JR発売)等各
種プリペードカードへの情報記録手段として広く利用さ
れている。これら感熱記録に使用される記録媒体として
は、記録のみ可能で一度記録すると消去不可能な不可逆
性のものが主流を占めている。
【0003】ところで、上記プリペードカード等の金券
においては感熱記録によって使用金額の合計や残額の表
示を行っている。そして、これらは使用状況に応じて変
化する数字であることから、記録されている情報を消去
して再度記録することができない感熱記録媒体では、利
用回数が増えるに伴い利用明細の書き込みスペースがな
くなってしまうため新たな情報の記録が困難となる欠点
があった。
【0004】そこで、近年、可逆性の感熱記録材料及び
これを基材上に積層した可逆性の感熱記録媒体に関し数
多くの提案がなされている。
【0005】上記可逆性の感熱記録媒体への情報の記録
は、多くの場合サーマルヘッドにより行われている。図
12は従来例に係るサーマルヘッド用の可逆性感熱記録
媒体の断面図を示しており、この感熱記録媒体Aは、紙
や樹脂等の基材100上にアルミニウム蒸着層101、
可逆性感熱記録層102、保護層103が順次積層され
た構成となっている。そして、サーマルヘッドSから発
生した熱は、保護層103を通過して可逆性感熱記録層
102に達し、その到達温度に応じて透明な消去状態と
白濁した記録状態のいずれかになりこの変化は可逆的で
ある。例えば、可逆性感熱記録層102が記録状態であ
れば、下地となるアルミニウム蒸着層101の銀色を背
景にして白色の記録情報を観察することができる。尚、
可逆性感熱記録層102の厚さについては、記録時の白
濁度を高めるため、通常、6.0μm以上にする必要が
あった。
【0006】ところで、このようなサーマルヘッドによ
る記録・消去方式においては、熱は上記保護層103の
上面側から伝わってくるので、この保護層103を厚く
すると可逆性感熱記録層102の記録・消去が困難にな
る場合があった。このため、上記保護層103の厚さは
2.0μm程度と薄く設定せざるを得なかった。しか
し、保護層103の厚さが薄いと、サーマルヘッド以外
の外部からの熱に対しても可逆性感熱記録層102は反
応してしまうので、外部から熱が加わることにより書き
込みデータが消失してしまったり、故意に加熱して記録
情報を改ざん・偽造することも容易にできてしまう。従
って、サーマルヘッド用の可逆性感熱記録媒体は記録情
報の熱的安定性に劣り、記録情報の改ざん・偽造がされ
易いため、プリペードカードのような金券ではその適用
範囲が限定されてしまうという問題点があった。
【0007】一方、熱源として上記サーマルヘッドに代
えレーザ光を利用する感熱記録方法も提案されている
(特開昭48−85153号公報、特開昭49−131
142号公報参照)。図13はこれら公報に記載された
従来例に係るレーザ光感熱記録用の可逆性感熱記録媒体
の断面図を示している。すなわち、この感熱記録媒体A
は、基材100上にアルミニウム蒸着層101、光熱変
換層104、可逆性感熱記録層102、保護層103が
順次積層された構成となっている。また、レーザ光は半
導体レーザLから発せられ、集光光学系Fによって集光
され、保護層103、可逆性感熱記録層102を透過し
て光熱変換層104で吸収され熱に変換される。そし
て、上記光熱変換層104で発生した熱は可逆性感熱記
録層102に伝わり、サーマルヘッドを用いた場合と同
様に上記可逆性感熱記録層102はその到達温度により
透明な消去状態と白濁した記録状態のいずれかになる。
このようにレーザ光を利用する感熱記録媒体において
は、その熱源が感熱記録媒体の内部に存在することにな
るため上記保護層103の厚さについて任意な値を採る
ことが可能になる。従って、サーマルヘッドを用いた場
合に較べて保護層103の厚みを大きく設定できるた
め、外部からの熱の影響を受け難くなり記録情報の熱的
安定性が向上すると共に改ざん・偽造防止特性の改善も
図れる。
【0008】しかし、レーザ光源においては上記サーマ
ルヘッドの発熱体のように多数個をアレイ化することが
困難なため、可逆性の感熱記録媒体に与えられる単位時
間当りの熱量が少なくなり、その分、記録・消去速度の
著しい低下をもたらすという問題点があった。
【0009】また、レーザ光の強度はガウシアン分布を
有し、サーマルヘッドに較べるとエネルギー密度が非常
に高いので、6.0μm以上の厚さを有する可逆性感熱
記録層103を十分に白濁記録させようとすると光熱変
換層104付近の温度が200℃を越えてしまい、可逆
性感熱記録層102が高温にさらされてその一部が損傷
され易いという問題点があった。一方、可逆性感熱記録
層102を損傷させないようにするには多少の白濁度低
下を犠牲にしてもレーザ出力を低減させるしかないの
で、記録情報の画質やコントラストが低下する問題点も
あった。
【0010】更に、コンピュータ、ワードプロセッサ等
の出力やプリペードカード上に記録する情報は、セキュ
リティ性を重要視して消去不可能でなければならないも
のもあるため、消去可能な可逆性の感熱記録しか行うこ
とができないことは、その適用範囲に制約ができるとい
う根本的な問題もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来例に
係る感熱記録媒体では、どのような構成を採った場合で
も情報の変更・修正特性、改ざん・偽造防止特性、記録
の高速性、記録情報の画質・コントラストの内少なくと
も1つ以上の問題点を有していた。
【0012】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、高速・高画質の
記録が可能で、情報の変更・修正が容易であると共に、
改ざん・偽造防止特性が良好な感熱記録媒体を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、基材上に、第一の感熱記録層と、樹脂と該樹
脂中に分散された光吸収剤を主成分とし光を吸収して熱
を発生する光熱変換層と、樹脂と該樹脂中に分散された
有機低分子物質を主成分とし温度に依存してその透明度
が可逆的に変化する第二の感熱記録層とが順次形成され
ていることを特徴とするものである。
【0014】そして、この請求項1記載の発明に係る感
熱記録媒体においては上記光熱変換層を介して第一の感
熱記録層と第二の感熱記録層を備えているため、表面側
に位置する第二の感熱記録層に対しサーマルヘッドを用
いた加熱手段により情報の高速記録若しくは消去を行う
ことが可能となる。この場合、上記光熱変換層はその樹
脂成分の作用により断熱層として機能しサーマルヘッド
からの熱が基材側に位置する第一の感熱記録層へ伝わり
難いため、サーマルヘッドを用いた加熱手段による第二
の感熱記録層へ情報の記録若しくは消去がなされた際、
第一の感熱記録層への情報の記録若しくは消去がなされ
ることはない。
【0015】他方、レーザ光を用いた加熱手段により情
報の書き込み操作が行われた場合、上記光熱変換層から
発生した熱は第一の感熱記録層と第二の感熱記録層へほ
ぼ均等に伝わるため、両感熱記録層の感熱記録温度が大
幅に相違しない限り2層同時に情報の記録若しくは消去
を行うことが可能となる。そして、第一の感熱記録層に
記録された情報については、上記光熱変換層の作用によ
りサーマルヘッドによる情報の書き替え若しくは消去が
困難なため、感熱記録媒体における改ざん・偽造防止特
性(セキュリティ性)の改善を図ることが可能となる。
【0016】尚、上記第一の感熱記録層については、こ
れを不可逆性の感熱記録材料で構成してもよいし可逆性
の感熱記録材料で構成してもよく任意である。但し、不
可逆性の感熱記録材料で構成した場合、第一の感熱記録
層に消去不可能な情報を書き込むことができるためセキ
ュリティ性のより改善が図れる。請求項2に係る発明は
このような技術的理由によりなされている。
【0017】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る感熱記録媒体を前提とし、第一の感
熱記録層が、不可逆性の感熱記録材料で構成されている
ことを特徴とするものである。
【0018】尚、不可逆性の感熱記録材料としては、例
えば、クリスタルバイオレットラクトン等無色のロイコ
染料とビスフェノールA等の酸性物質を記録層内に含有
させたもの等が挙げられる。すなわち、この材料におい
ては、サーマルヘッド等の加熱手段により記録層を加熱
すると無色のロイコ染料若しくは酸性物質の一方又は両
方が溶融して化学的に反応し、ロイコ染料のラクトン環
が切れて加熱部位が青紫に発色するものである。
【0019】他方、第一の感熱記録層について第二の感
熱記録層と同様に可逆性の感熱記録材料で構成した場
合、両感熱記録層に対しレーザ光を用いた加熱手段によ
り同一の記録情報を記録できるため、各記録層の厚さを
従来の半分に設定しても白濁度において問題を生ずるこ
とがなく、かつ、厚さが半分になることから照射するレ
ーザ光の出力を低減させることも可能となる。請求項3
に係る発明はこのような技術的理由からなされている。
【0020】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1記載の感熱記録媒体を前提とし、第一の感熱記録層
が、樹脂と該樹脂中に分散された有機低分子物質を主成
分とし温度に依存してその透明度が可逆的に変化する可
逆性の感熱記録材料で構成されていることを特徴とする
ものである。
【0021】次に、請求項1〜3記載の発明に係る感熱
記録媒体においては第一の感熱記録層と第二の感熱記録
層の感熱記録温度が大幅に相違しない限りレーザ光を用
いた加熱手段により2層同時に情報の記録若しくは消去
がなされるが、光熱変換層と第二の感熱記録層との間
に、例えばポリエステル樹脂のような熱伝導率の低い樹
脂で構成された断熱層を介在させた場合、光熱変換層で
生じた熱は断熱層により第二の感熱記録層へ伝わり難く
なるため第一の感熱記録層のみに情報を記録若しくは消
去することが可能となる。請求項4に係る発明はこのよ
うな技術的理由によりなされている。
【0022】すなわち、請求項4に係る発明は、請求項
1、2又は3記載の感熱記録媒体を前提とし、光熱変換
層と第二の感熱記録層との間に断熱層が介在しているこ
とを特徴とするものである。
【0023】次に、請求項1〜4記載の発明に係る感熱
記録媒体においては第一の感熱記録層と第二の感熱記録
層が光熱変換層を間に介して設けられた構成になってい
るが、基材側から順に光熱変換層と不可逆性の第一の感
熱記録層及び可逆性の第二の感熱記録層を設けた構成に
しても請求項1〜4記載の発明に係る感熱記録媒体と同
様の機能を有する感熱記録媒体を得ることができる。但
し、レーザ光が照射された際、表面側に位置する第二の
感熱記録層に較べて光熱変換層に隣接する第一の感熱記
録層はより高温に加熱されるため、両感熱記録層の感熱
記録温度が略等しい場合、両感熱記録層の同時記録が困
難となる。他方、サーマルヘッドを用いた加熱手段によ
り第二の感熱記録層に情報の記録を行う際、第一の感熱
記録層と第二の感熱記録層との間に光熱変換層が介在し
ないため第一の感熱記録層にも情報の記録がなされる場
合が生ずる。請求項5に係る発明はこのような技術的理
由によりなされている。
【0024】すなわち、請求項5に係る発明は、基材上
に、樹脂と該樹脂中に分散された光吸収剤を主成分とし
光を吸収して熱を発生する光熱変換層と、不可逆性の第
一の感熱記録層と、樹脂と該樹脂中に分散された有機低
分子物質を主成分とし温度に依存してその透明度が可逆
的に変化する第二の感熱記録層とが順次形成されてお
り、かつ、上記第一の感熱記録層の感熱記録温度が第二
の感熱記録層の感熱記録温度より高温であることを特徴
とするものである。
【0025】そして、請求項5記載の発明に係る感熱記
録媒体においては第一の感熱記録層の感熱記録温度が第
二の感熱記録層の感熱記録温度より高いため、レーザ光
が照射され第一の感熱記録層の加熱温度が第二の感熱記
録層の加熱温度より高くなっても両感熱記録層の同時記
録が可能であり、かつ、サーマルヘッドを用いた加熱手
段により第二の感熱記録層に情報の記録若しくは消去を
行ってもその感熱記録温度が第二の感熱記録層より高い
第一の感熱記録層においてはその熱的影響を受けること
がない。
【0026】尚、請求項5記載の発明に係る感熱記録媒
体において第一の感熱記録層内に光吸収剤が添加された
場合、この第一の感熱記録層は光熱変換層を兼ねること
になる。請求項6に係る発明はこのような技術的理由か
らなされている。
【0027】すなわち、請求項6に係る発明は、基材上
に、光吸収剤が添加された不可逆性の第一の感熱記録層
と、樹脂と該樹脂中に分散された有機低分子物質を主成
分とし温度に依存してその透明度が可逆的に変化する第
二の感熱記録層とが順次形成されており、かつ、上記第
一の感熱記録層の感熱記録温度が第二の感熱記録層の感
熱記録温度より高温であることを特徴とするものであ
る。
【0028】また、請求項4に係る発明と同様に、第一
の感熱記録層と第二の感熱記録層との間にポリエステル
樹脂のような熱伝導率の低い樹脂で構成された断熱層を
介在させた場合にも、レーザ光を用いた加熱手段による
第一の感熱記録層のみの情報の記録を行うことが可能と
なる。請求項7に係る発明はこのような技術的理由から
なされている。
【0029】すなわち、請求項7に係る発明は、請求項
5又は6記載の発明に係る感熱記録媒体を前提とし、第
一の感熱記録層と第二の感熱記録層との間に断熱層が介
在していることを特徴とするものである。
【0030】このような技術的手段において可逆性の感
熱記録層の一部を構成する樹脂材料としては、以下に述
べる有機低分子物質とその屈折率が近似しかつ相溶性が
ないと共に、機械的強度に優れしかもフィルム形成能を
有する透明性良好な熱可塑性樹脂が挙げられ、その具体
例としては飽和共重合ポリエステル等のポリエステル樹
脂;ポリ塩化ビニル樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、
塩化ビニル−アクリレート共重合体等の塩化ビニル共重
合体;ポリ塩化ビニリデン樹脂;塩化ビニリデン−塩化
ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体等の塩化ビニリデン共重合体;ポリアミド樹脂;
シリコン樹脂;ポリアクリレート若しくはポリメタクリ
レート樹脂又はこれらの共重合体等がありこれら単独或
いは2種以上混合して適用することができる。また、こ
の樹脂材料中に分散される有機低分子物質としては、酸
素、硫黄、窒素、ハロゲンのうち少なくとも一つの原子
を含み、炭素数が10〜40でその分子量が100〜7
00であり、かつ、融点が50〜150℃の範囲にある
有機化合物が挙げられ、その具体例としてはアルカノー
ル、カルカンジオール、ハロゲンアルカノール、ハロゲ
ンアルカンジオール等の高級アルコール;高級脂肪族ア
ミン;アルカン、アルケン、アルキン及びこれらのハロ
ゲン置換体;シクロアルカン、シクロアルケン、シクロ
アルキン等の環状化合物;飽和カルボン酸、不飽和モノ
カルボン酸、ジカルボン酸又はこれらのエステル、アミ
ド、アンモニウム塩;飽和若しくは不飽和ハロゲン脂肪
酸又はこれらのエステル、アミド、アンモニウム塩;ア
クリルカルボン酸又はこれらのエステル、アミド、アン
モニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸又はこれらのエ
ステル、アミド、アンモニウム塩;チオアルコール又は
これらのカルボン酸エステル;チオカルボン酸又はこれ
らのエステル、アミド、アンモニウム塩等があり、これ
ら単独或いは2種以上混合して適用することができる。
【0031】また、感熱記録層等を支持する基材として
は、例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリカーボネート等のシート、塩
化ビニル等のカード等が挙げられ、この基材上にアルミ
ニウム、錫、銀、マグネシウム、クロム、ニッケル等の
光反射性金属層を蒸着法等の適宜製膜手段により形成し
たり、カーボン等の適宜着色剤が配合された着色層を形
成して適用される。
【0032】
【作用】請求項1記載の発明に係る感熱記録媒体によれ
ば、光熱変換層を介して第一の感熱記録層と第二の感熱
記録層を備え、かつ、上記光熱変換層はその樹脂成分の
作用により断熱層として機能するため、表面側に位置す
る第二の感熱記録層に対してのみサーマルヘッドを用い
た加熱手段により情報の高速記録若しくは消去を行うこ
とが可能となる。
【0033】また、レーザ光を用いた加熱手段により情
報の書き込み操作が行われた場合、上記光熱変換層から
発生した熱は第一の感熱記録層と第二の感熱記録層へほ
ぼ均等に伝わるため、両感熱記録層の感熱記録温度が大
幅に相違しない限り2層同時に情報の記録若しくは消去
を行うことが可能となる。
【0034】更に、第一の感熱記録層に記録された情報
については、上記光熱変換層の作用によりサーマルヘッ
ドによる情報の書き替え若しくは消去が困難なため、感
熱記録媒体における改ざん・偽造防止特性の改善を図る
ことも可能となる。
【0035】次に、請求項2記載の発明に係る感熱記録
媒体によれば、上記第一の感熱記録層が不可逆性の感熱
記録材料で構成されており、この第一の感熱記録層に消
去不可能な情報を書き込むことができるため、上記改ざ
ん・偽造防止特性の改善を更に図ることが可能となる。
【0036】また、請求項3記載の発明に係る感熱記録
媒体によれば、上記第一の感熱記録層が樹脂と該樹脂中
に分散された有機低分子物質を主成分とし温度に依存し
てその透明度が可逆的に変化する可逆性の感熱記録材料
で構成され、第一の感熱記録層と第二の感熱記録層とが
共に可逆性の感熱記録材料で構成されていることから両
感熱記録層に対しレーザ光を用いた加熱手段により同一
の記録情報を記録できるため、各記録層の厚さを従来の
半分に設定しても白濁度において問題を生ずることがな
く、かつ、厚さが半分になることから、その分照射する
レーザ光の出力を低減させることも可能となる。
【0037】また、請求項4記載の発明に係る感熱記録
媒体によれば、光熱変換層と第二の感熱記録層との間に
断熱層が介在しており、上記光熱変換層で生じた熱は断
熱層により第二の感熱記録層へ伝わり難くなるため、レ
ーザ光を用いた加熱手段により第一の感熱記録層に対し
てのみ情報の記録若しくは消去を行うことが可能とな
る。
【0038】次に、請求項5記載の発明に係る感熱記録
媒体によれば、基材上に、樹脂と該樹脂中に分散された
光吸収剤を主成分とし光を吸収して熱を発生する光熱変
換層と、不可逆性の第一の感熱記録層と、樹脂と該樹脂
中に分散された有機低分子物質を主成分とし温度に依存
してその透明度が可逆的に変化する第二の感熱記録層と
が順次形成されており、かつ、上記第一の感熱記録層の
感熱記録温度が第二の感熱記録層の感熱記録温度より高
温であるため、レーザ光が照射され第一の感熱記録層の
加熱温度が第二の感熱記録層の加熱温度より高くなって
も両感熱記録層の同時記録が可能であり、かつ、サーマ
ルヘッドを用いた加熱手段により第二の感熱記録層に情
報の記録若しくは消去を行ってもその感熱記録温度が第
二の感熱記録層より高い第一の感熱記録層においてはそ
の熱的影響を受けることがない。
【0039】また、請求項6記載の発明に係る感熱記録
媒体によれば、基材上に、光吸収剤が添加された不可逆
性の第一の感熱記録層と、樹脂と該樹脂中に分散された
有機低分子物質を主成分とし温度に依存してその透明度
が可逆的に変化する第二の感熱記録層とが順次形成され
ており、第一の感熱記録層内に光吸収剤が添加されてい
てるため光熱変換層の形成を省略することが可能とな
る。
【0040】また、上記第一の感熱記録層の感熱記録温
度が第二の感熱記録層の感熱記録温度より高温であるた
め、請求項5に係る感熱記録媒体と同様に、レーザ光が
照射され第一の感熱記録層の加熱温度が第二の感熱記録
層の加熱温度より高くなっても両感熱記録層の同時記録
が可能であり、かつ、サーマルヘッドを用いた加熱手段
により第二の感熱記録層に情報の記録若しくは消去を行
ってもその感熱記録温度が第二の感熱記録層より高い第
一の感熱記録層においてはその熱的影響を受けることが
ない。
【0041】また、請求項7記載の発明に係る感熱記録
媒体によれば、第一の感熱記録層と第二の感熱記録層と
の間に断熱層が介在しており、上記第一の感熱記録層で
生じた熱は断熱層により第二の感熱記録層へ伝わり難く
なるため、請求項4に係る感熱記録媒体と同様に、レー
ザ光を用いた加熱手段により第一の感熱記録層に対して
のみ情報の記録を行うことが可能となる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0043】[実施例1]この実施例に係る感熱記録媒
体は、図1に示すように紙、ポリエチレンテレフタレー
トのシート、塩化ビニルのカード等から成る基材1と、
この基材1上に設けられたアルミニウム層2と、このア
ルミニウム層2上に設けられた第一の感熱記録層3と、
この第一の感熱記録層3上に設けられた光熱変換層4
と、この光熱変換層4上に設けられ記録時の温度に依存
して光学濃度が変化し記録と消去が可逆的に行える第二
の感熱記録層5と、この第二の感熱記録層5上に設けら
れた保護層6とでその主要部が構成されている。
【0044】以下、この感熱記録媒体Aの製造方法につ
いて説明する。
【0045】まず、上記基材1上に50〜100nmの
膜厚のアルミニウム層2を蒸着により形成する。
【0046】次に、第一の感熱記録層3は、加熱するこ
とにより発色する物質であれば可逆的に記録・消去がで
きる可逆性感熱記録層でも、不可逆的で記録のみ可能な
不可逆性感熱記録層でもよい。例えば、上記可逆性感熱
記録層としては、特開昭55−154198号公報に記
載されたポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂とこの樹脂に
分散された高級脂肪酸等の有機低分子物質を主成分とし
記録時の到達温度により生じる透明状態と白濁状態の差
から可視画像を形成するもの等が適用でき、この可逆性
記録材料の分散液をアルミニウム層2上にワイヤーバー
等の塗布手段で6.0〜10.0μmの厚さに塗布して
形成できる。一方、上記不可逆性感熱記録層としては、
例えば、フェノール系顕色剤とバインダーとしてスチレ
ンアクリルを水中に分散させて成る顕色剤分散液と、発
色剤としてロイコ染料を水中に分散させて成る発色剤分
散液とを7:3の割合(体積比)で混合し、これをワイ
ヤーバー等の塗布手段でアルミニウム層2上に3.0μ
mの厚さに塗布して形成できる。
【0047】また、上記第二の感熱記録層5は可逆性の
感熱記録材料で構成されており、例えば、特開昭55−
154198号公報に記載されたポリ塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂とこの樹脂に分散された高級脂肪酸等の有機
低分子物質を主成分とし記録時の到達温度により生じる
透明状態と白濁状態の差から可視画像を形成するもの等
が適用でき、この可逆性記録材料の分散液をアルミニウ
ム層2上にワイヤーバー等の塗布手段で6.0〜10.
0μmの厚さに塗布して形成できる。
【0048】更に、上記保護層6は、従来例に係る感熱
記録媒体と同様に、耐熱性や耐摩耗性の良好な樹脂(例
えば弗素系樹脂やシリコーン系樹脂等)を溶剤中に分散
させたものを第二の感熱記録層5上にワイヤーバー等の
塗布手段で塗布して形成できる。尚、保護層6の厚さ
は、第二の感熱記録層5をサーマルヘッドにより記録・
消去できるようにするため、約3.0〜5.0μmと薄
く設定されている。
【0049】このようにして製造された感熱記録媒体A
の情報記録・消去特性について以下説明する。
【0050】図2は、感熱記録媒体Aに情報を記録・消
去するための情報記録・消去装置のブロック構成図であ
る。感熱記録媒体Aは、Y方向に搬送可能な搬送機構7
上に載置されている。その上面に接するようにサーマル
ヘッド8が設けられている。サーマルヘッド8は、駆動
用電源9、コントロール・ユニット10に順次接続され
ている。一方、感熱記録媒体A上面に略向かい合ってX
方向に走査可能なガルバノミラー11が配置されてお
り、このガルバノミラー11と同一光軸上に集光光学系
12、レーザダイオード13が順次設置されている。レ
ーザダイオード13は、ドライバ14、コントロール・
ユニット10に順次接続されている。
【0051】感熱記録媒体Aは、搬送機構7によりY方
向に搬送される。サーマルヘッド8にはコントロール・
ユニット10の発する制御信号に応じた電力が駆動用電
源9から加えられる。サーマルヘッド8から発生した熱
は感熱記録媒体Aの保護層6を通して第二の感熱記録層
5に達する。保護層6の厚さは約3.0μmと薄いため
第二の感熱記録層5は記録・消去に十分な温度にまで熱
せられる。第二の感熱記録層5は可逆性感熱記録材料に
より構成されており、その記録特性は図3のグラフ図に
示すような到達温度と光学濃度との関係を有している。
ここで到達温度とは、記録・消去動作時に第二の感熱記
録層5が到達したピーク温度で、その温度T1 とT2 の
中間にあれば第二の感熱記録層5は室温に下がった後も
光学濃度の高い透明状態となる。逆に、到達温度がT2
以上の場合には、第二の感熱記録層5は光学濃度の低い
白濁状態となる。温度T1 とT2 は、60〜120℃の
範囲で自由に設定可能であり、記録・消去状態が最適に
なるように決めることができる。サーマルヘッドから発
生した熱は、光熱変換層4が熱伝導率の低い樹脂類を主
成分としているため、その断熱作用により第一の感熱記
録層3にはあまり伝わらず第一の感熱記録層3には記録
は行われない。従って、サーマルヘッドにより第二の感
熱記録層5のみに対して記録・消去を行うことができ
る。
【0052】一方、上記レーザダイオード13は、コン
トロール・ユニット10からの制御信号に応じてドライ
バ14から供給される電力により発光する。レーザ光
は、集光光学系12、ガルバノミラー11を通って感熱
記録媒体Aに達する。更に、レーザ光は、感熱記録媒体
Aの保護層6、第二の感熱記録層5を透過して光熱変換
層4内で集光し、光から熱に変換される。光熱変換層4
から発生した熱は、第一の感熱記録層3と第二の感熱記
録層5にほぼ均一に伝わる。図4は、このとき第一の感
熱記録層3、光熱変換層4、第二の感熱記録層5の断面
内に生じる温度分布を示した断面図で、等温線Tを見れ
ば明らかなようにほぼ同一の温度分布が第一の感熱記録
層3と第二の感熱記録層5に形成される。従って、両感
熱記録層3、5が同じ温度で発色する場合(すなわち両
感熱記録層の感熱記録温度が略同一の場合)には2層同
時に記録を行うことができる。
【0053】このように、サーマルヘッド8によって第
二の感熱記録層5のみを記録・消去でき、レーザ光によ
って第一の感熱記録層3と第二の感熱記録層5の両方に
同時に記録することができる。従って、記録する情報の
特性に応じてすぐに消去してしまうような情報は第二の
感熱記録層5にのみサーマルヘッド8で記録する一方、
セキュリティに関わるような重要な情報についてはレー
ザ光によって第一の感熱記録層3と第二の感熱記録層5
に同時記録するようにすればよい。このような情報の特
性に応じた記録層の使い分けをすることにより効率的な
情報の記録・消去が可能である。
【0054】例えば、第二の感熱記録層5にのみ記録し
た情報は、サーマルヘッド8で簡単に消去できるので、
レーザ光のみでしか記録・消去ができなかった従来例に
係るレーザ光感熱記録用の可逆性感熱記録媒体と比較し
て、高速な情報の記録・消去が可能である。また、第一
の感熱記録層3と第二の感熱記録層5に同時記録した情
報は、サーマルヘッド8や外部からの熱では第二の感熱
記録層5しか消去されず第一の感熱記録層3の情報は残
される。従って、外部からの熱による情報の消失や改ざ
ん・偽造を防止することが可能である。特に、通常の使
用状態では、サーマルヘッド8あるいはレーザ光のどち
らによる記録でも常に第二の感熱記録層5には情報が記
録されるため、その下側に存在する第一の感熱記録層3
については気付かれ難い。更に、第一の感熱記録層3と
第二の感熱記録層5にレーザ光で同時記録した後、第二
の感熱記録層5の情報をサーマルヘッド8で一旦消去
し、残った第一の感熱記録層3の情報の上部にあたる第
二の感熱記録層5にサーマルヘッド8によりダミー情報
を記録すれば第一の感熱記録層3に記録された情報を隠
すことができる。尚、第一の感熱記録層3に記録された
情報を読み取るには、サーマルヘッドを用いた加熱手段
により第二の感熱記録層5を透明状態に設定することに
より可能となる。従って、従来例に係る各種の感熱記録
媒体と比較して遥かにセキュリティ性が高い利点を有す
る。
【0055】また、この実施例において第一の感熱記録
層3を不可逆性の感熱記録材料にて構成したばあい、こ
の第一の感熱記録層3に消去不可能な情報を書き込むこ
とができ、更にセキュリティ性を向上させることが可能
となる。
【0056】次に、この実施例の変形例として、上記第
一の感熱記録層3が第一の感熱記録層5と同様に可逆性
の感熱記録材料で構成されている感熱記録媒体について
説明する。すなわち、この感熱記録媒体においては、第
一の感熱記録層3と第二の感熱記録層5の厚さをそれぞ
れ3.0〜5.0μmと上記実施例に係る感熱記録媒体
の1/2にし、両感熱記録層3、5全体で6.0〜1
0.0μmの厚さに設定されており、かつ、レーザ光の
みでしか記録・消去ができないように上記保護層6の厚
さについては5.0μm以上に設定されている。
【0057】この変形例に係る感熱記録媒体のレーザ光
による記録・消去特性について、単一の感熱記録層しか
備えていない従来例に係る可逆性感熱記録媒体と比較し
て説明する。図5、図6は、それぞれ両感熱記録層3、
5を設けた変形例に係る感熱記録媒体と、単一の感熱記
録層102しか備えていない従来例に係る可逆性感熱記
録媒体に対して同じエネルギーのレーザ光を照射したと
きに生ずる温度分布を表した概略断面図である。図5及
び図6の等温線Tを見れば明らかなように、光熱変換層
4、104を中心にして略同様な温度分布が形成されて
いるが、光熱変換層4、104の位置が異なるために記
録可能な温度に達している斜線部分の面積が大きく異な
ることが確認できる。図6に示された従来例に係る感熱
記録媒体においては感熱記録層102の上表面まで完全
に記録可能な温度に達していないのに対し、図5に示さ
れた変形例に係る感熱記録媒体においては両感熱記録層
3、5の下表面から上表面まで完全に記録可能な温度に
達している。
【0058】そして、従来例に係る上記感熱記録媒体に
おいて完全な記録を行おうとするとレーザ光の強度を更
に高くすることが必要になり、そのとき光熱変換層10
4付近の感熱記録層102下部は200℃を越える高温
になるため感熱記録層の熱破壊が生じやすくなる。この
ことから、変形例に係る感熱記録媒体においては、従来
例に係る感熱記録媒体より画質が良好な情報あるいは画
像をより低エネルギーのレーザ光で記録可能であること
が理解できる。また、レーザダイオードは出力が大きく
なると価格が急上昇するため、記録エネルギーの低減は
経済的に大きな効果も生じさせる。
【0059】[実施例2]この実施例に係る感熱記録媒
体は、図7に示すように基材1と、この基材1上に設け
られたアルミニウム層2と、このアルミニウム層2上に
設けられた光熱変換層4と、この光熱変換層4上に設け
られかつ不可逆性の感熱記録材料から成る第一の感熱記
録層15と、この第一の感熱記録層15上に設けられ記
録時の温度に依存して光学濃度が変化し記録と消去が可
逆的に行える第二の感熱記録層5と、この第二の感熱記
録層5上に設けられた保護層6とでその主要部が構成さ
れている。
【0060】ここで、上記第一の感熱記録層15は、例
えば、フェノール系顕色剤とバインダーとしてスチレン
アクリルを水中に分散させて成る顕色剤分散液と、発色
剤としてロイコ染料を水中に分散させて成る発色剤分散
液とを7:3の割合で混合し、これをワイヤーバー等の
塗布手段で光熱変換層4上に3.0μmの厚さに塗布し
て形されておりその発色温度は150℃以上である。こ
れに対し、実施例1と同一の材料で構成されている第二
の感熱記録層5の白濁記録温度は100℃以上であり、
第一の感熱記録層15の発色温度に較べて低い値を有し
ている。尚、第一の感熱記録層15以外の構成材料は実
施例1と同一のため説明を省略する。
【0061】そして、この実施例に係る感熱記録媒体に
対しレーザ光を照射すると、このレーザ光は光熱変換層
4で熱に変換され第一の感熱記録層15、第二の感熱記
録層5に順次伝わっていく。温度分布は光熱変換層4に
近い第一の感熱記録層15の方が当然高温になるが、第
一の感熱記録層15はロイコ染料等を主成分とした不可
逆性の感熱記録材料により構成されているためその発色
温度は上述したように150℃以上と高い。これに対
し、第二の感熱記録層5は可逆性の感熱記録材料で構成
されその白濁記録温度は100℃以上と低いため、両感
熱記録層5、15の同時記録が可能である。
【0062】一方、サーマルヘッドによる記録の際、第
二の感熱記録層5の下面は100℃以上になれば記録が
できるので、そのとき第一の感熱記録層15が発色温度
に達して同時に記録されてしまうことはない。
【0063】従って、実施例1に係る感熱記録媒体と同
様に、サーマルヘッドによる第二の感熱記録層5のみへ
の記録・消去と、レーザ光による第一の感熱記録層15
と第二の感熱記録層5の同時記録が可能である。
【0064】[実施例3]この実施例に係る感熱記録媒
体は、図8に示すように基材1と、この基材1上に設け
られたアルミニウム層2と、このアルミニウム層2上に
設けられかつ光吸収剤が添加された不可逆性の感熱記録
材料から成る第一の感熱記録層16と、この第一の感熱
記録層16上に設けられ記録時の温度に依存して光学濃
度が変化し記録と消去が可逆的に行える第二の感熱記録
層5と、この第二の感熱記録層5上に設けられた保護層
6とでその主要部が構成されている。尚、第一の感熱記
録層16中に添加されている光吸収剤は、使用するレー
ザ光の波長に合致した吸収特性を有するものを選択すれ
ばよい。例えば、赤外の半導体レーザでは、フタロシア
ニンのような近赤外吸収剤を使用する。
【0065】そして、この実施例に係る感熱記録媒体に
おいては、光吸収剤が添加された第一の感熱記録層16
に不可逆性の感熱記録機能並びにレーザ光の吸収と熱へ
の変換機能を兼備させているため、光熱変換層を備えて
いないにも拘らず実施例2に係る感熱記録媒体と同様
に、サーマルヘッドによる第二の感熱記録層5のみへの
記録・消去と、レーザ光による第一の感熱記録層16と
第二の感熱記録層5の同時記録が可能となる。また、こ
の感熱記録媒体においては、実施例1及び2に係る感熱
記録媒体と較べて光熱変換層4を要しないため、その
分、製造時における塗布層数が少なくなり生産工程の低
減が図れる利点を有している。
【0066】上述した実施例1〜3においてレーザ光に
よる記録は、必ず第一の感熱記録層と第二の感熱記録層
とが同時に行われる構成になっているが、用途によって
は同時記録が行われない方が望ましい場合がある。この
ような場合、第一の感熱記録層と第二の感熱記録層とを
熱的に隔離する断熱層を設けることにより対処すること
が可能である。
【0067】すなわち、実施例1に係る感熱記録媒体に
おいてはその光熱変換層4と第二の感熱記録層5との間
に断熱層17を介在させる構成とし(図9参照)、実施
例2に係る感熱記録媒体においては第一の感熱記録層1
5と第二の感熱記録層5との間に断熱層17を介在させ
る構成とし(図10参照)、また、実施例3に係る感熱
記録媒体においては第一の感熱記録層16と第二の感熱
記録層5との間に断熱層17を介在させる構成(図10
参照)にすることにより対処することが可能である。
尚、上記断熱層17としては、例えば、ポリエステル樹
脂のような熱伝導率の低い樹脂を適用することができ
る。
【0068】そして、このような構成にすると、感熱記
録媒体に対してレーザ光を照射したとき、光熱変換層4
あるいは第一の感熱記録層16から発生する熱は第一の
感熱記録層3、15、16には伝わるが、第二の感熱記
録層5へは上記断熱層17が作用してあまり伝わらなく
なる。従って、レーザ光の照射時には第一の感熱記録層
3、15、16にのみ記録が行われることになる。すな
わち、第一の感熱記録層3、15、16はレーザ光によ
る感熱記録専用となり、第二の感熱記録層5はサーマル
ヘッドによる感熱記録専用とすることができる。
【0069】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、表面側に
位置する第二の感熱記録層に対してのみサーマルヘッド
を用いた加熱手段により情報の高速記録若しくは消去が
行え、かつ、レーザ光を用いた加熱手段により第一の感
熱記録層と第二の感熱記録層に対し同時に情報の記録若
しくは消去が行えると共に、第一の感熱記録層に記録さ
れた情報については光熱変換層の一部を構成する樹脂材
料の断熱作用によりサーマルヘッドによる情報の書き替
え若しくは消去が困難となる。
【0070】従って、サーマルヘッドによる記録・消去
の高速性を保ちながら必要に応じてレーザ光による両感
熱記録層への同時記録のような極めてセキュリティ性の
高い記録を実現できるため、記録・消去が高速かつ容易
でありしかも改ざん・偽造防止性に優れた情報の記録・
消去を行える効果を有する。
【0071】次に、請求項2に係る発明によれば、第一
の感熱記録層が不可逆性の感熱記録材料で構成されこの
第一の感熱記録層に消去不可能な情報を書き込むことが
できるため、改ざん・偽造防止特性の改善を更に図れる
効果を有する。
【0072】また、請求項3に係る発明によれば、第一
の感熱記録層と第二の感熱記録層とが共に可逆性の感熱
記録材料で構成されていることから両感熱記録層に対し
レーザ光を用いた加熱手段により同一の記録情報を記録
できるため、各記録層の厚さを従来の半分に設定しても
白濁度において問題を生ずることがなく、かつ、厚さが
半分になることから、その分照射するレーザ光の出力を
低減できる効果を有する。
【0073】また、請求項4に係る発明によれば、光熱
変換層と第二の感熱記録層との間に断熱層が介在し上記
光熱変換層で生じた熱がこの断熱層により第二の感熱記
録層へ伝わり難くなるため、レーザ光を用いた加熱手段
により第一の感熱記録層に対してのみ情報の記録若しく
は消去を行える効果を有する。
【0074】次に、請求項5に係る発明によれば、第一
の感熱記録層の感熱記録温度が第二の感熱記録層の感熱
記録温度より高温であるため、レーザ光が照射され第一
の感熱記録層の加熱温度が第二の感熱記録層の加熱温度
より高くなっても両感熱記録層の同時記録が可能であ
り、かつ、サーマルヘッドを用いた加熱手段により第二
の感熱記録層に情報の記録若しくは消去を行ってもその
感熱記録温度が第二の感熱記録層より高い第一の感熱記
録層においてはその熱的影響を受けることがない。
【0075】従って、請求項1〜4に係る感熱記録媒体
と同様に、記録・消去が高速かつ容易でありしかも改ざ
ん・偽造防止性に優れた情報の記録・消去を行える効果
を有する。
【0076】また、請求項6に係る発明によれば、第一
の感熱記録層内に光吸収剤が添加されていてるため光熱
変換層の形成を省略できると共に、記録・消去が高速か
つ容易でありしかも改ざん・偽造防止性に優れた情報の
記録・消去を行える効果を有する。
【0077】また、請求項7に係る発明によれば、第一
の感熱記録層と第二の感熱記録層との間に断熱層が介在
し上記第一の感熱記録層で生じた熱は断熱層により第二
の感熱記録層へ伝わり難くなるため、請求項4に係る感
熱記録媒体と同様に、レーザ光を用いた加熱手段により
第一の感熱記録層に対してのみ情報の記録を行える効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る感熱記録媒体の構成を示す断面
図。
【図2】実施例で使用された記録・消去装置のブロック
構成図。
【図3】可逆性感熱記録材料の到達温度と光学濃度との
関係を示すグラフ図。
【図4】実施例1に係る感熱記録媒体の記録時における
温度分布を示す断面図。
【図5】変形例に係る感熱記録媒体の記録時における温
度分布を示す断面図。
【図6】従来例に係る感熱記録媒体の記録時における温
度分布を示す断面図。
【図7】実施例2に係る感熱記録媒体の構成を示す断面
図。
【図8】実施例3に係る感熱記録媒体の構成を示す断面
図。
【図9】実施例1の変形例に係る感熱記録媒体の構成を
示す断面図。
【図10】実施例2の変形例に係る感熱記録媒体の構成
を示す断面図。
【図11】実施例3の変形例に係る感熱記録媒体の構成
を示す断面図。
【図12】従来例に係る感熱記録媒体の構成を示す断面
図。
【図13】他の従来例に係る感熱記録媒体の構成を示す
断面図。
【符号の説明】
A 感熱記録媒体 1 基材 2 アルミニウム層 3 第一の感熱記録層 4 光熱変換層 5 第二の感熱記録層 6 保護層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、第一の感熱記録層と、樹脂と該
    樹脂中に分散された光吸収剤を主成分とし光を吸収して
    熱を発生する光熱変換層と、樹脂と該樹脂中に分散され
    た有機低分子物質を主成分とし温度に依存してその透明
    度が可逆的に変化する第二の感熱記録層とが順次形成さ
    れていることを特徴とする感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】上記第一の感熱記録層が、不可逆性の感熱
    記録材料で構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】上記第一の感熱記録層が、樹脂と該樹脂中
    に分散された有機低分子物質を主成分とし温度に依存し
    てその透明度が可逆的に変化する可逆性の感熱記録材料
    で構成されていることを特徴とする請求項1記載の感熱
    記録媒体。
  4. 【請求項4】上記光熱変換層と第二の感熱記録層との間
    に断熱層が介在していることを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】基材上に、樹脂と該樹脂中に分散された光
    吸収剤を主成分とし光を吸収して熱を発生する光熱変換
    層と、不可逆性の第一の感熱記録層と、樹脂と該樹脂中
    に分散された有機低分子物質を主成分とし温度に依存し
    てその透明度が可逆的に変化する第二の感熱記録層とが
    順次形成されており、かつ、上記第一の感熱記録層の感
    熱記録温度が第二の感熱記録層の感熱記録温度より高温
    であることを特徴とする感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】基材上に、光吸収剤が添加された不可逆性
    の第一の感熱記録層と、樹脂と該樹脂中に分散された有
    機低分子物質を主成分とし温度に依存してその透明度が
    可逆的に変化する第二の感熱記録層とが順次形成されて
    おり、かつ、上記第一の感熱記録層の感熱記録温度が第
    二の感熱記録層の感熱記録温度より高温であることを特
    徴とする感熱記録媒体。
  7. 【請求項7】上記第一の感熱記録層と第二の感熱記録層
    との間に断熱層が介在していることを特徴とする請求項
    5又は6記載の感熱記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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