JP3118895B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP3118895B2
JP3118895B2 JP03248877A JP24887791A JP3118895B2 JP 3118895 B2 JP3118895 B2 JP 3118895B2 JP 03248877 A JP03248877 A JP 03248877A JP 24887791 A JP24887791 A JP 24887791A JP 3118895 B2 JP3118895 B2 JP 3118895B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報記録媒体に関する。
さらに詳しくは、肉眼による識別が不可能で、赤外線を
利用することにより識別することのできる情報を書き込
んだり、消去したりすることのできる情報記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】基体上に積層された感熱記録層に赤外線
を反射する部分と反射しない部分を設けて情報を記録す
ると共に、この感熱記録層上に赤外線を透過するが可視
光線を実質的に遮断する可視光線遮断層を設けて構成さ
れる情報記録媒体は公知であり、かかる情報記録媒体は
熱を利用して情報の記録ができ、またこうして書き込ま
れた情報を赤外線を利用して読み取ることができる一
方、可視光線遮断層が可視光線を実質的に遮断する結
果、肉眼による情報の識別が不可能である。
【0003】このような情報記録媒体は、例えば特開昭
62−278083号等に記載されており、感熱記録層
として比較的融点の低い金属の薄膜等が利用されてい
る。また、このような情報記録媒体は特開昭62−27
8084号にも記載されており、感熱記録層としてロイ
コ染料やジアゾ染料を主成分とする染料組成物が利用さ
れている。
【0004】また、可視光線遮断層は、通常印刷に利用
さるいわゆるプロセスインキが利用されている。
【0005】これらの情報記録媒体は、例えばサーマル
ヘッドを表面に押し当て、サーマルヘッドの発熱素子を
発熱させて0.4mJ/dot〜1.5mJ/dotの
エネルギーを選択的に印加することにより、感熱記録層
の赤外線反射率を選択的に変化させて情報を記録する。
記録は不可逆的であり、一旦記録された情報を消去して
再度別の情報を記録するリライタブル性を持っていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな金属薄膜や染料組成物を利用した感熱記録層を利用
した場合には、リライタブル性を持たないという欠点の
他に、このような高エネルギーにより記録すると、エネ
ルギーの供与された部位の感熱記録層が変化するだけで
なく、可視光線遮断層表面がわずかに変色するという問
題があった。変色部位は記録像と完全に一致しているか
ら、かかる変色が生じた場合には記録像を隠蔽するとい
う可視光線遮断層本来の機能を果たさず、肉眼によりこ
の記録像が識別できることになる。
【0007】また、かかる可視光線遮断層に発熱したサ
ーマルヘッドが接触する結果、可視光線遮断層の表面が
平滑になって光沢を生じることがあった。光沢を生じる
部位は、サーマルヘッドの発熱素子が発熱した部位であ
り、記録像と完全に一致しているから、かかる場合にも
肉眼によりこの記録像が識別できることになる。
【0008】そこで、本発明は、リライタブル性を有す
ると共に、より低エネルギーで記録像を形成することが
できて可視光線遮断層の変色が生じることがなく、従っ
て肉眼による識別が不可能な赤外線読み取り可能な情報
記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、発熱したサーマルヘッド
の接触にも係わらず情報記録媒体表面の光沢状態が変化
することがなく、従って肉眼による識別が不可能な赤外
線読み取り可能な情報記録媒体を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1記載
の発明は、赤外線吸収性基体上に、樹脂母材とこの樹脂
母材中に分散された有機低分子物質とから成り、樹脂母
材中に分散された有機低分子物質の結晶界面が減少する
温度に加熱されることにより赤外線透過率が増大し、樹
脂母材中に分散された有機低分子物質が多結晶状態とな
る温度に加熱されることにより赤外線透過率が低下し
て、この赤外線透過率の差で記録像を構成する感熱記録
層と、この感熱記録層上に積層され、赤外線を透過する
と共に、記録像の肉眼による識別を不可能とする可視光
線遮断層、を備えることを特徴とする情報記録媒体。
【0011】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明を前提とし、可視光線遮断層上に積層され、発熱
したサーマルヘッドの接触によって変形しない耐熱性の
赤外線透過性保護層を備える、ことを特徴とする。
【0012】また請求項3記載の発明は、請求項1また
は2記載の情報記録媒体を前提とし、赤外線吸収性基体
が、基材シートと、この基材シート上に設けられた磁気
記録層から構成される、ことを特徴とする。
【0013】かかる技術的手段において、「感熱記録
層」は樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された低分子物
質から構成される。かかる低分子物質は、樹脂母材中に
微粒子状態で存在して、加熱されることにより溶融し、
溶融した後冷却するとこの低分子物質は固化して結晶を
構成する。樹脂母材中に分散された有機低分子物質の結
晶界面が減少する温度に加熱した後冷却すると低分子物
質は粒径の大きい結晶を構成し、結晶界面の数が減少す
る結果反射散乱が少なく、従って赤外線透過率が増大す
る。これに対し、樹脂母材中に分散された有機低分子物
質が多結晶状態となる温度に加熱した後冷却すると粒径
の小さい多結晶状態になり、結晶軸方向が異なり従って
屈折率が異なる結晶界面で赤外線を何度も反射散乱する
ため、赤外線透過率が低下する。サーマルヘッドの発熱
素子で前記ある温度より高温に加熱する場合も、必要な
エネルギーは0.3mJ/dot程度の低エネルギーで
よい。このため、可視光線遮断層の変色を伴うことなく
赤外線透過率の大きい部分と小さい部分を形成して記録
像とすることができ、しかも一旦記録像を形成した後、
高温または低温に均一に加熱することにより記録像を消
去でき、消去した後の再書込みも可能となる。
【0014】このような低分子物質としては、融点30
〜200℃程度のものが好ましく、例えば、ラウリン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、バルミチン酸、マ
ルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン
酸、オレイン酸、エイコン酸、ヘンニイコン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸、ペンタイタコン酸、セロチン酸、
ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン
酸、2−ヘキサデカン酸、トランス−3−ヘキサデカン
酸、2−ヘプタデセン酸、トランス−2−オクタデセン
酸、シス−2−オクタデカン酸、トランス−4−オクタ
デセン酸、シス−6−オクタデセン酸、エライジン酸、
バセニン酸、トランス−コンドイン酸、ニルカ酸、ブラ
シン酸、セラコレイン酸、トランス−8,−トランス−
10−オクタデカジエン酸、リノエライジン酸、o−エ
レオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、ブソエレ
オステアリン酸、12,2−o−ヘンエイコサジエン等
の高級脂肪酸を使用することができる。また、ステアリ
ン酸メチル、ステアリン酸オクタデシル、ラウリン酸オ
クタデシル、パルミチン酸テトラデシル、ベヘン酸ドコ
シル等の高級脂肪酸であってもよい。
【0015】また、低分子物質としてマロン酸、マロン
酸−p−ニトロベンジルエステル、マロン酸−S−p−
ブロムベンジルチウロニウム塩、マロン酸ベンジルアン
モニウム塩、マロン酸ジアミド、マロン酸アニリド;コ
ハク酸、コハク酸p−ニトロベンジルエステル、コハク
酸フェナシルエステル、コハク酸S−p−クロルベンジ
ルチウロニウム塩、コハク酸ベンジルアンモニウム塩、
コハク酸モノアミド、コハク酸アニリド、コハク酸ジヒ
ドラジド;グルタル酸、グルタル酸フェナシルエステ
ル、グルタル酸−p−ブロムフェナシルエステル、グル
タル酸−S−p−ブロムベンジルチウロニウム塩、グル
タル酸アニリド;アジピン酸、アジピン酸−p−ニトロ
ベンジルエステル、アジピン酸フェナシルエステル、ア
ジピン酸モノアミド、アジピン酸アニリド;ピメリン
酸、ピメリン酸−p−ブロムフェナシルエステル、ピメ
リン酸アニリド、ピメリン酸ジアニリド、ピメリン酸ジ
ベンザルヒドラジド;スベリン酸、スベリン酸−p−ニ
トロベンジルエステル、スベリン酸フェナシルエステ
ル、スベリン酸モノアミド、スベリン酸アニリド;アゼ
ライン酸、アゼライン酸−p−ブロムフェナシルエステ
ル、アゼライン酸−p−フェニルフェナシルエステル、
アゼライン酸モノアミド;セバシン酸、セバシン酸フェ
ナシルエステル、セバシン酸−p−フェニルフェナシル
エステル、セバシン酸ベンジルアンモニウム塩等のジカ
ルボン酸またはその誘導体も使用できる。
【0016】また、樹脂母材としては、透明な合成樹脂
が使用でき、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール三元共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイ
ン酸三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共
重合体等の塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン、塩
化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−アク
リロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系樹脂;ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アク
リル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等のア
クリル系樹脂;ポリエステル;ポリアミド;シリコーン
樹脂等が使用できる。
【0017】感熱記録層は、これらの低分子物質と樹脂
母材を適当な溶剤に溶解または分散して溶液または分散
液とし、赤外線吸収性基体上に、スクリーン印刷法、グ
ラビア印刷法等の方法で塗布乾燥することにより形成で
きる。低分子物質が溶剤に溶解している場合にも、樹脂
母材と低分子物質の溶解度の相違に基づいて、溶剤の乾
燥に伴って低分子物質が母材中に析出し、微細な結晶を
構成する。感熱記録層は樹脂母材100重量部に対して
低分子物質10〜1600重量部の混合物から成ること
が望ましい。
【0018】また、「可視光線遮断層」とは、赤外線セ
ンサーで読み取り可能な程度の赤外線を透過すると共
に、肉眼で記録像の識別が不可能な程度に可視光線を遮
断するものをいい、赤外線の透過率が可視光線の透過率
より大きいものはもちろん、赤外線センサーの感度が優
れていること等から、赤外線の透過率が可視光線の透過
率より小さいものであっても、肉眼で記録像が識別でき
ず、赤外線センサーで識別できるものであればよい。こ
のような可視光線遮断層としては、ゼラチン膜、オラゾ
ールブラックB−Vやオラゾール2RG等の赤外線透過
性の染料を含む塗料、通常の紫外線硬化型プロセスイン
キ等が使用できる。紫外線硬化型プロセスインキとして
は、東洋インキ製造株式会社製FDOLイエロー、FD
OLマゼンタ、FDOLシアン等が使用できる。プロセ
スインキを使用する場合には、可視領域の全ての波長の
光が充分に遮断されるように、イエロー、マゼンタ、シ
アンの三色を混合したグレーまたは黒色のインキを使用
することが望ましい。かかる可視光線遮断層は、例えば
スクリーン印刷法またはオフセット印刷法により紫外線
硬化型プロセスインキを印刷後、直ちに紫外線を照射し
て硬化させて形成することができる。厚さは1μm以上
あればよい。
【0019】また、本発明の情報記録カードにおいて
は、サーマルヘッドの発熱による可視光線遮断層の変形
により光沢が変化し、この光沢の変化により肉眼で記録
像が識別可能となることを防止するため、可視光線遮断
層の上に、更に赤外線透過性で、耐熱性の保護層を設け
ても良い。請求項3記載の発明はかかる技術的理由によ
りなされたもので、可視光線遮断層上に積層され、赤外
線透過性の耐熱性保護層を備えることを特徴とする。か
かる「耐熱性保護層」とは、赤外線センサーにより読み
取り可能な程度の赤外線を透過し、しかもサーマルヘッ
ドの0.3mJ/dot程度のエネルギーで変形せず、
光沢の変化が生じないものをいう。かかる耐熱性保護層
の素材としては、ニトロセルロース、ヒドロキシセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリエステル樹
脂、ABS樹脂等が使用でき、溶剤に溶解または分散し
て塗布乾燥して耐熱性保護層を形成することができる。
また熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹
脂などの硬化型樹脂を使用してもよい。サーマルヘッド
とこの耐熱性保護層の間の滑り性を向上してサーマルヘ
ッドのスムーズな走行を確保するため、耐熱性保護層は
ワックス等の滑剤を含むものであってもよい。
【0020】また本発明において「赤外線吸収性基体」
とは、入射した赤外線を吸収して、上記感熱記録層の赤
外線の透過率が大きい部位を透過した赤外線が実質的に
反射せず、反射したとしてもその反射光が感熱記録層の
赤外線透過率の小さい部位からの反射光と充分区別でき
る程度の僅かな反射光を生じるに過ぎず、従って赤外線
センサーを利用して記録像の読み取りができる材料をい
う。かかる赤外線吸収性基体としては、カーボンブラッ
ク等の赤外線吸収材が混合された合成樹脂シートが使用
できる。また、赤外線吸収性基体は、任意の基材シート
と、この基材シート上に設けられた赤外線吸収層から構
成されていてもよい。フェライト等の磁気粉末を含む磁
気記録層は赤外線吸収能力を有することから、この磁気
記録層を赤外線吸収層として利用することができる。請
求項3記載の発明はこのような技術的理由からなされた
もので、赤外線吸収性基体が、基材シートと、この基材
シート上に積層された磁気記録層とから成ることを特徴
とし、磁気記録層に磁気的に情報を記録すると共に、そ
の内容を感熱記録層に記録することができる。磁気記録
層と感熱記録層は共にリライタブル性を有することか
ら、そのいずれかが劣化するまで、繰り返して何度でも
記録することが可能であり、例えばカードのように記入
領域の狭い情報記録媒体であっても、長期間にわたって
秘密情報の記録媒体とて利用できる。磁気記録層は周知
の磁気粉末を含む磁性塗料から構成することができる。
磁気粉末としてはFe、Co等の磁性金属;Fe−C
r、Co−Fe、Mn−Al等の磁性合金;γ−Fe2
3 、Fe3 4 、Baフェライト、Srフェライトな
どのフェライト;CrO2 等が使用でき、塩化ビニル−
酢酸ヒニル共重合樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン等の適当なバインダーやビヒクルと混合してグラ
ビアコート法、ロールコート法、バーコート法、スクリ
ーンコート法等の塗布方法で塗布乾燥して磁気記録層を
形成すればよい。また基材シートとしては、IDカード
やクレジックカードに用いられているカード用ポリ塩化
ビニルシート、あるいはプリペイドカードに用いられて
いるカード用ポリエステルシート等の合成樹脂シート、
もしくは紙等が使用できる。
【0021】本発明に係る情報記録媒体は、上述のよう
に、サーマルヘッドを走行させながら、その発熱素子を
選択的に発熱させて、感熱記録層に記録像を形成するこ
とにより、情報を記録する。感熱記録層が赤外線透過率
が小さい状態にある時には、サーマルヘッドにより樹脂
母材中に分散された有機低分子物質の結晶界面が減少す
る温度に加熱して冷却することにより、加熱された部位
の赤外線透過率が大きくなり、この赤外線透過率が大き
い部位が記録像を構成する。こうして記録像を形成した
後、熱ロール等により全面を均一に、あるいはサーマル
ヘッドを用いて記録像の部位を樹脂母材中に分散された
有機低分子物質が多結晶状態となる温度に加熱して冷却
することにより再び赤外線透過率が小さくなり、記録像
が消去される。記録像が消去された後、再度樹脂母材中
に分散された有機低分子物質の結晶界面が減少する温度
に加熱して冷却すれば別の記録像を形成することができ
る。なお、記録像が形成された情報記録媒体を、記録像
を消去することなく、そのまま別の記録像をオーバーラ
イトすることも可能である。
【0022】また、感熱記録層が赤外線透過率が大きい
状態にある時には、サーマルヘッドにより樹脂母材中に
分散された有機低分子物質が多結晶状態となる温度に加
熱して冷却することにより、加熱された部位の赤外線透
過率が小さくなり、この赤外線透過率が小さい部位が記
録像を構成する。記録像の消去と再書込みやオーバーラ
イトが可能なことは勿論である。記録像は可視光線遮断
層により被覆されているから、肉眼では識別できず、情
報の秘密性が維持されている。記録像を読む際には、波
長700nm以上の赤外線レーザーを照射し、記録像か
らの反射光線を赤外線センサーにより感知すればよい。
赤外線透過率の小さい部位では入射した赤外線を反射散
乱するが、赤外線透過率の大きい部位では赤外線吸収性
基体に入射光線が吸収されて反射が生じないから、記録
像の有無を識別すえることができる。
【0023】
【作用】請求項1記載の発明によれば、樹脂母材とこの
樹脂母材中に分散された有機低分子物質とから成り、樹
脂母材中に分散された有機低分子物質の結晶界面が減少
する温度に加熱されることにより赤外線透過率が増大
し、樹脂母材中に分散された有機低分子物質が多結晶状
態となる温度に加熱されることにより赤外線透過率が低
下して、この赤外線透過率の差で記録像を構成する感熱
記録層を備えるから、0.3mJ/dot程度の低エネ
ルギーで記録像を形成することができ、したがって可視
光線遮断層の変色を生じることがなく、また、消去・再
書込みが自在である。
【0024】また、請求項2記載の発明によれば、樹脂
母材とこの樹脂母材中に分散された有機低分子物質とか
ら成り、樹脂母材中に分散された有機低分子物質の結晶
界面が減少する温度に加熱されることにより赤外線透過
率が増大し、樹脂母材中に分散された有機低分子物質が
多結晶状態となる温度に加熱されることにより赤外線透
過率が低下して、この赤外線透過率の差で記録像を構成
する感熱記録層を備えるから、0.3mJ/dot程度
の低エネルギーで記録像を形成することができ、しか
も、可視光線遮断層の上に赤外線透過性の耐熱性保護層
を備えるから、発熱したサーマルヘッドの接触によって
光沢の変化が生じることがない。
【0025】さらに、請求項3記載の発明によれば、赤
外線吸収性基体が磁気記録層を備えるから、磁気記録層
と感熱記録層に情報を記録することができ、しかもその
いずれかが劣化するまで、繰り返して何度でも記録する
ことが可能である。
【0026】
【実施例】以下図面を参照して実施例を説明する。図面
は本発明に係る情報記録媒体の断面図である。基材シー
トとして、厚さ188μmのプリペイドカード用白色ポ
リエステルシート11を使用し、この片面に、下記組成
(A)の磁性塗料を乾燥膜厚15μmとなるように配向
機を有するロールコーターにより塗布して磁気記録層1
2を形成した。なお、磁気記録層12は、組成(A)の
うち、イソシアネート硬化剤を除く材料をサンドミルで
2時間均一に分散し、次いでイソシアネート硬化剤を添
加混合した後、直ちに塗布して硬化したものである。
【0027】 磁性塗料組成(A) BaO−6Fe2 3 40重量部 カーボンブラック 2重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂 10重量部 (積水化学株式会社製エスレックA) 飽和ポリエステル樹脂 5重量部 (東洋紡績株式会社製バイロン103) ポリウレタンエラストマー 7重量部 (日本ポリウレタン株式会社製N−2304) オレイン酸 5重量部 トルエン 30重量部 トリエチレンジアミン 0.5重量部 イソシアネート硬化剤 3重量部 (日本ポリウレタン株式会社製コロネートHL)
【0028】次いで、この磁気記録層12上に、下記組
成(B)の感熱記録層用塗液を乾燥厚さ10μmとなる
ように塗布乾燥して、感熱記録層2を形成した。
【0029】 感熱記録層用塗液組成(B) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 3重量部 (積水化学株式会社製エスレックC) ベヘン酸(関東化学株式会社製) 1重量部 THF(テクラヒドロフラン) 15重量部
【0030】さらにこの感熱記録層2上に、下記組成
(C)のグレー系プロセスインキを、乾燥厚さ2μmと
なるようにオフセット印刷し、紫外線を照射して硬化し
て、可視光線遮断層3を形成した。
【0031】 可視光線遮断層用インキ組成(C) 東洋インキ製造株式会社製FDOLイエロー 4重量部 東洋インキ製造株式会社製FDOLマゼンタ 3重量部 東洋インキ製造株式会社製FDOLシアン 3重量部
【0032】最後に、この可視光線遮断層3上に東洋イ
ンキ製造株式会社製FDTC OPニスNロ(エポキシ
/ポリエステル系樹脂)を乾燥厚さ3μmとなるように
塗布し、紫外線を照射して硬化して、耐熱性保護層4を
形成した。
【0033】得られた情報記録媒体を一旦低温(75
℃)に加熱して、赤外線透過率を増大させた後、サーマ
ルヘッドにより高温(85℃)文字を記録した。記録条
件は、印加電圧0.15W/dot、エネルギー0.3
75J/dot、パルス幅2.5msである。記録像は
肉眼で識別することができず、変色及び光沢の変化も確
認できなかった。波長780nmの赤外線レーザーを照
射して、その反射光を池上通信機株式会社製IRスコー
プで確認したところ、記録通りの文字が存在することが
わかった。
【0034】次いで、磁気ヘッドとサーマルヘッドを連
続的に通過させ、磁気記録のオーバーライトと感熱記録
層のオーバーライトを行った。このオーバーライトを約
300回繰り返した後、磁気記録と感熱記録層の記録を
確認したところ、いずれも最後に記録した情報が記録さ
れており、変色や光沢の変化は見当たらなかった。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、可視光線
遮断層の変色を生じない低エネルギーで記録できるの
で、秘密状態を良好に維持したまま、消去・再書込みが
自在に情報を記録することができるという効果を奏す
る。
【0036】請求項2記載の発明によれば、発熱したサ
ーマルヘッドの接触によって光沢の変化が生じることが
ないから、秘密状態を維持したまま消去・再書込みが自
在に情報を記録することができるという効果を奏する。
【0037】請求項3記載の発明によれば、磁気記録層
と感熱記録層に情報を記録することができ、しかもその
いずれかが劣化するまで、繰り返して何度でも記録する
ことが可能能となるから、カード等の記入領域の狭い情
報記録媒体を使用してしかも長期間秘密情報の記録材料
として使用できるという効果を奏する。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体の断面図。
【符号の説明】
1 赤外線吸収製基体 11 基材シート 12 磁気記録層 2 感熱記録層 3 可視光線遮断層 4 耐熱性保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−173890(JP,A) 特開 平2−194991(JP,A) 特開 昭62−278084(JP,A) 特開 平4−129794(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36 B42D 15/10 551 B41M 5/28 - 5/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤外線吸収性基体上に、樹脂母材とこの樹
    脂母材中に分散された有機低分子物質とから成り、樹脂
    母材中に分散された有機低分子物質の結晶界面が減少す
    る温度に加熱されることにより赤外線透過率が増大し、
    樹脂母材中に分散された有機低分子物質が多結晶状態と
    なる温度に加熱されることにより赤外線透過率が低下し
    て、この赤外線透過率の差で記録像を構成する感熱記録
    層と、この感熱記録層上に積層され、赤外線を透過する
    と共に、記録像の肉眼による識別を不可能とする可視光
    線遮断層、を備えることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の情報記録媒体において、可
    視光線遮断層上に積層され、発熱したサーマルヘッドの
    接触によって変形しない耐熱性の赤外線透過性保護層を
    備える、ことを特徴とする情報記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1または記載の情報記録媒体にお
    いて、赤外線吸収性基体が、基材シートと、この基材シ
    ート上に設けられた磁気記録層から構成される、ことを
    特徴とする情報記録媒体。
JP03248877A 1991-09-27 1991-09-27 情報記録媒体 Expired - Fee Related JP3118895B2 (ja)

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JP2013001077A (ja) * 2011-06-21 2013-01-07 Kobayashi Create Co Ltd 光学読取帳票

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