JP3194322B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP3194322B2
JP3194322B2 JP24324993A JP24324993A JP3194322B2 JP 3194322 B2 JP3194322 B2 JP 3194322B2 JP 24324993 A JP24324993 A JP 24324993A JP 24324993 A JP24324993 A JP 24324993A JP 3194322 B2 JP3194322 B2 JP 3194322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体に係り、
特に多くの情報の書き換えをすることができ、また偽造
を防止してセキュリティ性を高めることができ、しかも
容易に真偽の判定を行なえるようにした情報記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、我々の社会においては、例えばテ
レホンカード等の各種プリペイドやクレジットカード
が、情報記録媒体が多く用いられてきている。
【0003】この種の情報記録媒体としては、一般に、
磁気的に情報を記録するものや、光学的に情報を記録す
るもの等が用いられている。
【0004】一方、最近では、一時的な情報形成が行な
え、不要となった時にはその情報の消去が行なえるよう
にした可逆性感熱記録材料を用いて、情報を記録するも
のも提案されてきている。
【0005】この可逆性感熱記録材料の代表的なものと
しては、ガラス転移温度(Tg)が摂氏50〜60度か
ら摂氏80度未満である低ガラス転移温度の塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体のような樹脂母材中に、高級脂肪
酸のような有機低分子物質を分散した可逆性感熱記録材
料が知られている(例えば、“特開昭54−11937
7号”、“特開昭55−154198号”、“特開平4
−221678号”)。そして、このような可逆性感熱
記録材料を用いた情報記録媒体は、既に実用化されてき
ている。例えば、リライト機能を有するポイントカード
等が挙げられる。
【0006】ところで、これらのカード類に代表される
情報記録媒体は、表示以外に偽造防止が絶対条件であ
る。そして、カード類の偽造防止手段としては、磁気を
用いたものがほとんどであるが、社会経済の発展につれ
て偽造が巧妙になり、しかも増加しつつあり、必ずしも
磁気を用いたものによる偽造防止手段では、適合するも
のでなくなってきているのが実状である。
【0007】さらに言えば、前述のようなリライト機能
を有するカード等が、既に応用されてきている。しかし
ながら、かかるリライト機能を有するカードでは、情報
を書き換えることは可能であるが、反対に熱で偽造(変
造)が行なえてしまい、セキュリティ性の点で問題があ
る。
【0008】そこで、偽造を防止するための手段とし
て、最近では、蛍光を利用して固定情報を表示するカー
ド、ホログラムを設けたカード等が、提案されてきてい
る。
【0009】しかしながら、蛍光物質を有するカードで
は、不可視とすることでセキュリティ性は高いが、情報
を書き換えることが困難である。また、蛍光物質を設け
る分だけ情報の記録領域が少なくなってしまい、多くの
情報を記録することができないという問題がある。
【0010】一方、ホログラムを備えたカードでは、ホ
ログラムを設ける分だけ情報の記録領域が少なくなって
しまい、多くの情報を記録することができない。また、
ホログラムは、それ自体が偽造される恐れがあるばかり
でなく、カード上に単に載っているだけであり邪魔であ
る。
【0011】さらに、従来のカードでは、それ自体の真
偽の判定を行なえるようなものがない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
情報記録媒体においては、情報の書き換えを行なえな
い、偽造を防止し難くセキュリティ性が低い、多くの情
報を記録できない、容易に真偽の判定を行なえないとい
う問題があった。
【0013】本発明は、上記のような問題を解消するた
めに成されたもので、多くの情報の書き換えをすること
ができ、また偽造を防止してセキュリティ性を高めるこ
とができ、しかも容易に真偽の判定を行なうことが可能
な情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に対応する発明の情報記録媒体
は、基材上に、特定波長領域の光で励起される蛍光物質
を含有する蛍光層を設け、この蛍光層の上に、熱に依存
して透明度が可逆的に変化する可逆感熱記録層を設けて
成っている。
【0015】また、請求項2に対応する発明の情報記録
媒体は、基材上に、特定波長領域の光で励起される蛍光
物質を含有する蛍光層を設け、この蛍光層の上に、熱に
依存して透明度が可逆的に変化する可逆感熱記録層を設
け、この可逆感熱記録層の上に、耐熱性を有する保護層
を設けて成っている。
【0016】ここで、特に上記蛍光層に含有する蛍光物
質としては、紫外線、または赤外線で励起されるものを
用いる。
【0017】
【作用】従って、本発明の情報記録媒体においては、比
較的低温に加熱されることで蛍光透過率が増大し、比較
的高温に加熱されることで蛍光透過率が低下して、この
蛍光透過率の差で記録像を形成する可逆感熱記録層を備
えることにより、低エネルギーで蛍光記録像を形成する
ことができ、また特定波長領域の光で励起される蛍光物
質を含有する蛍光層を備えることにより、可視光照射で
蛍光を発しないが、特定波長領域の光照射で特定な色を
発光することができ、蛍光によるセキュリティ性(偽造
防止効果)を有しながら、情報の書き換えを自在に行な
うことができる。
【0018】また、仮に見かけ上同一のものを作成した
としても、肉眼、または読み取りヘッド(サーマルヘッ
ド等)を使用することにより、極めて容易に真偽の判定
が行なえる。
【0019】すなわち、記録像(記録媒体に書き込んだ
情報)は、可視光により肉眼では識別が困難であるた
め、記録像を読み取る場合には、特定波長領域の光(赤
外線、紫外線等)を照射することにより、特定な色を発
光するため、肉眼でも記録像を確認でき、または記録像
からの反射光線を読み取りヘッドの受光素子により感知
して機械で読み取ることができる(蛍光透過率の小さい
部位では、入射した光線を反射せず、蛍光透過率の大き
い部位では、反射する)ため、その反射率の差別によ
り、記録像の有無を識別することができる。
【0020】さらに、請求項2に対応する発明の情報記
録媒体においては、可逆感熱記録層の上に、耐熱性を有
する保護層を備えることにより、読み取りヘッドの発
熱、および使用中の磨耗等による可逆感熱記録層の変形
によって光沢が変化し、この光沢の変化によって記録し
た情報が識別不可能となることを、確実に防止すること
ができる。
【0021】
【実施例】本発明は、通常では確認できない蛍光の特性
を利用し、特定波長領域の光で励起される蛍光物質を含
有する蛍光層を可逆感熱記録層の下に設けるものであ
る。この場合、可逆感熱記録層は、樹脂母材と、この樹
脂母材中に分散された有機低分子物質とからなり、比較
的低温に加熱されると、可逆感熱記録層が透明状になる
ことによって、蛍光透過率が増加し、比較的高温に加熱
されると、可逆感熱記録層が白濁状になることによっ
て、蛍光透過率が低下し、この蛍光透過率の差によって
記録像を構成するものである。
【0022】すなわち、通常、蛍光物質を含有したイン
キでは、印刷した後にその情報が変換できないが、その
蛍光物質を可逆感熱記録層の下に設けて、可逆感熱記録
層が透明、白濁の可逆的に変化することにより、蛍光の
記録情報を変換することができる。そして、通常は、そ
の書き込んだ蛍光記録情報が見えない状態にあるが、特
定波長領域の光線(赤外線、紫外線等)を照射すること
により、それが確認できる状態になる。
【0023】よって、蛍光の特性と感熱記録材料の特性
とを組み合わせることにより、各種蛍光の情報を書き換
え(書き込んだり、消したり)することができ、また記
録した情報のセキュリティ性を高めることができる。
【0024】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の一実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明によるカード状の情報記録
媒体の構成例を示す断面図である。
【0026】すなわち、本実施例の情報記録媒体は、図
1に示すように、基材シート1と、特定波長領域の光
(赤外線、または紫外線)で励起される蛍光物質を含有
する蛍光材料塗布層2と、熱に依存して透明度が可逆的
に変化する可逆感熱記録層3と、耐熱性を有する保護層
4とを、順次積層して構成している。
【0027】ここで、基材シート1としては、例えばI
Dカードやクレジットカードに用いられているカード用
ポリ塩ビニルシート、あるいはプリペイドカードに用い
られているカード用ポリエステルシート等の合成樹脂シ
ート、もしくは紙等を使用することがができる。
【0028】また、最も特徴的な部分である蛍光材料塗
布層2としては、例えば紫外線発光蛍光体、または赤外
線発光蛍光体を使用することができる。
【0029】この場合、紫外線発光蛍光体としては、紫
外線により励起され、これよりも低いエネルギー準位に
戻る時に発する蛍光スペクトルのピークが、青、緑、赤
等の波長域にあるものである。そして、このような紫外
線発光蛍光体としては、例えばCa2 5 9 Cl:E
2+,CaWO4 ,ZnO:Zn,Zn2 SiO4 :M
n、Y2 2 S:Eu,ZnS:Ag,YVO4 :E
u、Y2 3 :Eu,Gd2 2 S:Tb,La2 2
S:Tb,Y3 Al5 12:Ce等があり、これらを単
体として使用するか、またはこれらを数種、適当な割合
で混合して使用する。
【0030】これらは、蛍光スペクトルのピークを、
青、赤、緑の波長領域以外に有するものである。また、
インキ中の紫外線蛍光発光体の重量率は、読み取りヘッ
ドの受光素子による蛍光の検知が可能であればよい。
【0031】一方、赤外線発光蛍光体としては、波長λ
1の励起光を受けて、波長λ2の可視光を発光する特性
を有し、λ1=λ2かつλ1>λ2なる性質を有するも
のがある。そして、このような赤外線発光蛍光体として
は、例えば組成が YF3 :Yb,Er,ZnS:Cu
CO等がある。
【0032】また、波長λ1の励起光を受けて、波長λ
2の赤外線を発光する特性を有し、λ1≠λ2かつλ1
<λ2なる性質を有するものがある。そして、このよう
な赤外線蛍光体としては、例えば組成が LiNd0.9
Yb0.1 4 12, LiBi0.2 Nd0.7 Yb0.1
4 12, Nd0.9 Yb0.1 Nd5 (MoO4 4
NaYd0.9 Yb0.1 4 12, Nd0.8 Yb
0.2 Na5 (WO4 4,Nd0.8 Yb0.2 Na5 (M
0.5 0.5 4 4 , Ce0.05Gd0. 05Nd
0.75Yb0.15Na5 (W0.7 Mo0.3 4 4
Nd0.9 Yb0. 1 Al3 (BO3 4 , Nd
0.9 Yb0.1 Al2.7 Cr0.3 (BO3 4,Nd0.6
Yb0.4 5 14, Nd0.8 Yb0.2 3 (PO4
2 等がある。
【0033】これらは、いずれも励起光(λ1)800
nmの赤外線を受けて、980nm〜1020nmに発
光スペクトルの顕著のピークを有する赤外線(λ2)を
発光するものである。また、インキ中の赤外線発光蛍光
体の重量率は、読み取りヘッドの受光素子による蛍光の
検知が可能であればよい。
【0034】一方、可逆感熱記録層3は、樹脂母材と、
この樹脂母材中に分散された低分子物質とから構成され
る。この可逆感熱記録層3の光吸収特性(光散乱性)
が、温度依存して可逆的に変化する性質を利用して構成
されているものである。
【0035】すなわち、この可逆感熱記録層3は、室温
近傍の特定温度T0 よりも高い温度に、2つの状態移転
温度T1 ,T2 (T1 <T2 )を有しており、可逆感熱
記録層3をT2 以上に加熱し、かつ保持した後にT0
下に冷却すると、白濁し、その光散乱性が増大して最大
遮光状態となり、またこの白濁状態にある可逆感熱記録
層3をT1 以上T2 未満に加熱し、かつ保持した後にT
0 以下に冷却すると、その光散乱性が減少して透明状態
になるものである。しかも、T0 以下の温度条件下にお
いて、可逆感熱記録層3の最大遮光状態および透明状態
を安定に保持でき、かつこれらの状態を可逆的に変化さ
せることが可能なため、いずれか一方の状態に設定する
ことにより、他方の状態と差別化が図れ、情報の書き換
えが可能な記録媒体として利用できるものである。
【0036】一方、この可逆感熱記録層3に分散される
低分子物質としては、融点が摂氏30〜200度程度の
ものが好ましく、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、ペ
ンタデカン酸、バルミチン酸、マルガリン酸、ステアリ
ン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、オレイン酸、エイコ
ン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタイタコン酸、
セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン
酸、メリシン酸、2−ヘキサデカン酸、トランス−3−
ヘキサデカン酸、2−ヘプタデセン酸、トランス−2−
オークタデセン酸、シス−2−オクタデカン酸、トラン
ス−4−オクタデセン酸、シス−6−オクタデセン酸、
エライジン酸、バセニン酸、トランス−コンドイン酸、
ニルカ酸、ブラシン酸、セラコレイン酸、トランス−8
−,−トランス−10−オクタデカジエン酸、リノエラ
イジン酸、o−エレオステアリン酸、β−エレオステア
リン酸、ブソエレオステアリン酸、12,2−o−ヘン
エンコサジエン等の高級脂肪酸を使用することができ
る。
【0037】また、ステアリン酸メチル、ステアリン酸
オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン酸
テトラデシル、ベヘン酸ドコシル等の高級脂肪酸も使用
することができる。
【0038】さらに、低分子物質としては、例えばマロ
ン酸、マロン酸−p−ニトロベンジルエステル、マロン
酸−S−p−ブロムベンジルチウロニウム塩、マロン酸
ベンジルアンモニウム塩、マロン酸ジアミド、マロン酸
アニリド;コハク酸、コハク酸p−ニトロベンジルエス
テル、コハク酸フェナシルエステル、コハク酸S−p−
クロルベンジルチウロニウム塩、コハク酸ベンジルアン
モニウム塩、コハク酸モノアミド、コハク酸アニリド、
コハク酸ジヒドラジド;グルタル酸、グルタル酸フェナ
シルエステル、グルタル酸−p−ブロムフェナシルエス
テル、グルタル酸−S−p−ブロムベンジルチウロニウ
ム塩、グルタル酸アニリド;アジピン酸、アジピン酸−
p−ニトロベンジルエステル、アジピン酸フェナシルエ
ステル、アジピン酸モノアミド、アジピン酸アニリド;
ピメリン酸、ピメリン酸−p−ブロムフェナシルエステ
ル、ピメリン酸アニリド、ピメリン酸ジアニリド、ピメ
リン酸ジベンザルヒドラジド;スベリン酸、スベリン酸
−p−ニトロベンジルエステル、スベリン酸フェナシル
エステル、スベリン酸モノアミド、スベリン酸アニリ
ド;アザライン酸、アゼライン酸、アゼライン酸−p−
ブロムフェナシルエステル、アゼライン酸−p−フェニ
ルフェナシルエステル、アゼライン酸モノアミド;セバ
シン酸、セバシン酸フェナシルエステル、セバシン酸−
p−フェニルフェナシルエステル、セバシン酸ベンジル
アンモニウム塩等のジカルボン酸またはその誘導体も使
用することができる。
【0039】一方、樹脂母材としては、透明な合成樹脂
を使用することができる。すなわち、例えばポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル
−アクリル酸エステル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;
ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重
合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体等の塩化
ビニリデン共重合体;ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タクリル酸エステル、アクリル酸エステル−メタクリル
酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリエステ
ル;ポリアミド;シリコーン樹脂等を使用することがで
きる。
【0040】そして、この可逆感熱記録層3は、これら
の低分子物質と樹脂母材とを、適当な溶剤に溶解または
分散して溶液または分散液とし、蛍光材料塗布層2の上
に、グラビアコーティングやリバースロールコーティン
グ、ナイフコーティング、ブレードコーティング等の各
種コーティング法、グラビア印刷、スクリーン印刷等の
印刷方法で、塗布乾燥することによって形成できる。
【0041】これにより、低分子物質が溶剤に溶解して
いる場合にも、樹脂母材と低分子物質の溶解度の相違に
基づいて、溶剤の乾燥に伴なって低分子物質が樹脂母材
中に析出し、微細な結晶を構成する。
【0042】なお、この可逆感熱記録層3は、樹脂母材
100重量部に対して、低分子物質10〜200重量部
の混合物からなることが望ましい。また、その膜厚とし
ては、5〜10μm程度に設けることが望ましい。
【0043】一方、耐熱性を有する保護層4とは、読み
取りヘッドの0.3mJ/dot程度のエネルギーで変
形せず、光沢の変化が生じないものをいう。
【0044】この保護層4の素材としては、例えばニト
ロセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシメチ
ルロース、ポリビニルアルコール、スチレン−マレイン
酸共重合体、ポリエステル樹脂、ABS樹脂等を使用す
ることができる。
【0045】そして、この保護層4は、これらの素材を
溶剤に溶解または分散して塗布乾燥して成形することが
できる。
【0046】また、この保護層4の素材としては、例え
ば熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂
等の硬化型樹脂を使用することもできる。
【0047】なお、その厚さとしては、1〜5μm程度
が適当である。また、読み取りヘッドとこの保護層4と
の間の滑り性を向上して、読み取りヘッドの円滑な走行
を確保するするため、保護層4はワックス等の滑材を含
むものであってもよい。
【0048】次に、以上のように構成した本実施例の情
報記録媒体においては、読み取りヘッドを走行させなが
ら、その発熱素子を選択的に発熱させて、可逆感熱記録
層3に記録像を形成することにより、情報を記録する。
可逆感熱記録層3が、蛍光透過率が小さい状態にある時
には、読み取りヘッドにより比較的低温(T1 )に加熱
して、室温近い温度(T0 )に冷却することにより、加
熱された部位の蛍光透過率が大きくなり、この蛍光透過
率が大きい部位が記録像を構成する。
【0049】このようにして記録像を形成した後、熱ロ
ール等により全面を均一に、あるいは読み取りヘッドを
用いて記録像の部位を、比較的高温(T2 )に加熱して
(T0 )冷却することにより、再び可逆感熱記録層3
の蛍光透過率が小さくなり、記録像が消去される。ま
た、このようにして記録像が消去された後、再度比較的
低温(T1 )に加熱して冷却することにより、別の記録
像を形成することができる。
【0050】一方、本実施例の情報記録媒体において
は、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された有機低分子
物質とからなり、比較的低温に加熱されることで蛍光透
過率が増大し、比較的高温に加熱されることで蛍光透過
率が低下して、この蛍光透過率の差で記録像を形成する
可逆感熱記録層を備えていることにより、0.3mJ/
dot程度の低エネルギーで蛍光記録像を形成すること
ができ、また特定波長領域の光で励起される蛍光物質を
含有する蛍光材料塗布層2を備えていることにより、可
視光照射で蛍光を発しないが、特定波長領域の光(ブラ
ックライト)照射で特定な色を発光することができ、蛍
光によるセキュリティ性(偽造防止効果)を有しなが
ら、情報の書き換え(消去・再書き込み)を自在に行な
うことができる。
【0051】このような、可逆感熱記録層3と蛍光材料
塗布層2とを組み合わせた層構成により、セキュリティ
性がアップした情報記録媒体として、各種カード類の偽
造防止に効果が得られる。
【0052】また、仮に見かけ上同一のものを作成した
としても、肉眼、または読み取りヘッド(サーマルヘッ
ド等)を使用することにより、極めて容易に真偽の判定
が行なえる。
【0053】すなわち、記録像(記録媒体に書き込んだ
情報)は、可視光により肉眼では識別が困難であるた
め、情報のセキュリティ性が高められており、記録像を
読み取る場合には、特定波長領域の光(赤外線、または
紫外線)を照射することにより、特定な色を発光するた
め、肉眼でも記録像を確認でき、または記録像からの反
射光線を読み取りヘッドの受光素子により感知して機械
で読み取ることができる(蛍光透過率の小さい部位で
は、入射した光線を反射せず、蛍光透過率の大きい部位
では、反射する)ため、その反射率の差別により、記録
像の有無を識別することができる。
【0054】さらに、本実施例の情報記録媒体において
は、可逆感熱記録層3の上に、耐熱性を有する保護層4
を備えることにより、読み取りヘッドの発熱、および使
用中の磨耗等による可逆感熱記録層3の変形によって光
沢が変化し、この光沢の変化によって記録した情報が識
別不可能となることを、確実に防止することができる。
【0055】次に、本実施例によるカード状の情報記録
媒体のより具体的な例について説明する。
【0056】本具体例のカード状の情報記録媒体では、
まず、基材シート1として、厚さ188μmのプリペイ
ドカード用白色ポリエステルシートを使用し、この基材
シート1の上に、蛍光材料塗布層2を設けた。
【0057】この蛍光材料塗布層2は、蛍光染料と樹脂
とからなり、樹脂は蛍光染料を染着しかつ透明な接着性
のよい樹脂が望ましい。
【0058】本具体例で用いられる蛍光層用塗料の組成
は、下記のようである。
【0059】 FZ−2000(シンロイコ社製) 2重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂 (積水化学株式会社製エスレックA) 10重量部 飽和ポリエステル樹脂 (東洋紡績株式会社製バイロン103) 5重量部 トルエン 20重量部 メチルエチルケトン 60重量部 次に、この蛍光材料塗布層2の上に、下記の組成の可逆
感熱記録材料を塗布し、加熱乾燥して、約5〜10μm
厚の可逆感熱記録層3を設けた。
【0060】 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (積水化学株式会社製エスレックC) 3重量部 ベヘン酸(関東化学株式会社製) 1重量部 THF(テクラヒドロフラン) 15重量部 最後に、この可逆感熱記録層3の上に、東洋インキ製造
株式会社製FDTCOPニスNロ(エポキシ/ポリエス
テル系樹脂)を、乾燥厚さが約3μmとなるように塗布
し、紫外線を照射して硬化して、耐熱性を有する保護層
4を形成した。
【0061】以上のようにして製造された情報記録媒体
では、可逆性感熱記録層3において、透明状態と白濁状
態が熱により可逆的に変化する。透明状態の場合には、
一方側から入射した光が散乱されることなく、反対側に
透過するため、透明に見えるので、蛍光が透過すること
ができる。また、白濁状態の場合には、一方側から入射
した光が散乱されるため、白濁して見えるので、この状
態で蛍光材料塗布層2が遮断されて、蛍光が見えなくな
った。
【0062】そして、このような透明状態と白濁状態と
で構成された蛍光記録像は、可視光で蛍光を発せず、8
00nmの赤外線を照射して、蛍光を発した。
【0063】上述したように、本実施例の情報記録媒体
は、基材シート1の上に、特定波長領域の光(赤外線、
または紫外線)で励起される蛍光物質を含有する蛍光材
料塗布層2を設け、この蛍光材料塗布層2の上に、熱に
依存して透明度が可逆的に変化する可逆感熱記録層3を
設け、この可逆感熱記録層3の上に、耐熱性を有する保
護層4を設けて構成したものである。
【0064】従って、可逆感熱記録像として、特定波長
領域の光線(赤外線、または紫外線)の照射によって、
記録像が特定色の蛍光を発光するため、可逆性感熱記録
材料が新しい構成になり、使用上、塩ビカード、プリペ
イドカードの偽造が困難になる。
【0065】また、可逆感熱記録像として、特定波長領
域の光線(赤外線、または紫外線)の照射によって、記
録像が特定色の蛍光を発光するため、仮に見かけ上同一
のものを作成したとしても、肉眼、または読み取りヘッ
ドを使用して、蛍光の有無を確認するか、蛍光透過率の
差で情報を読み取ることにより、極めて容易に真偽を判
定することが可能となる。
【0066】さらに、比較的低温に加熱されることで蛍
光透過率が増大し、比較的高温に加熱されることで蛍光
透過率が低下して、この蛍光透過率の差で記録像を形成
する可逆感熱記録層3を設けているため、熱に依存して
記録像を形成/消去して、情報の書き換えを自在に行な
うことが可能となる。
【0067】さらにまた、可逆感熱記録層3の上に、耐
熱性を有する保護層4を設けているため、読み取りヘッ
ドの発熱、および使用中の磨耗等による可逆感熱記録層
3の変形によって光沢が変化し、この光沢の変化によっ
て記録した情報が識別不可能となることを、確実に防止
することが可能となる。
【0068】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、次のようにしても同様に実施できるものであ
る。
【0069】(a)上記実施例では、可逆感熱記録層3
の上に保護層4を設ける場合について説明したが、この
保護層4は本発明に必要不可欠な要素ではなく、必要に
応じて設ければよいものである。
【0070】(b)上記実施例では、蛍光材料塗布層2
に含有する蛍光物質としては、紫外線、または赤外線で
励起されるものである場合について説明したが、これに
限らず、可視光線を除く、特定波長領域の光で励起され
る蛍光物質を含有するものであればよい。
【0071】(c)上記実施例では、本発明をカード状
の情報記録媒体に適用した場合について説明したが、こ
れに限らず、その他の形状の情報記録媒体についても、
本発明を同様に適用して前述と同様の効果が得られるも
のである。
【0072】その他、本発明はその要旨を変更しない範
囲で、種々に変形して実施できるものである。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
材上に、特定波長領域の光で励起される蛍光物質を含有
する蛍光層を設け、この蛍光層の上に、熱に依存して透
明度が可逆的に変化する可逆感熱記録層を設け、さらに
必要に応じて、この可逆感熱記録層の上に、耐熱性を有
する保護層を設けて構成したので、多くの情報の書き換
えをすることができ、また偽造を防止してセキュリティ
性を高めることができ、しかも容易に真偽の判定を行な
うことが可能な情報記録媒体が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカード状の情報記録媒体の一実施
例を示す断面図。
【符号の説明】
1…基材シート、2…蛍光材料塗布層、3…可逆感熱記
録層、4…保護層。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−253388(JP,A) 特開 平4−193584(JP,A) 特開 平5−104860(JP,A) 特開 平4−191096(JP,A) 特開 平3−159796(JP,A) 実開 平4−63281(JP,U) 実開 昭63−189672(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36 B41M 5/28 - 5/34 B42D 15/10 501

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、特定波長領域の光で励起され
    る蛍光物質を含有する蛍光層を設け、この蛍光層の上
    に、熱に依存して透明度が可逆的に変化する可逆感熱記
    録層を設けて成ることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 基材上に、特定波長領域の光で励起され
    る蛍光物質を含有する蛍光層を設け、この蛍光層の上
    に、熱に依存して透明度が可逆的に変化する可逆感熱記
    録層を設け、この可逆感熱記録層の上に、耐熱性を有す
    る保護層を設けて成ることを特徴とする情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記蛍光層に含有する蛍光物質として
    は、紫外線、または赤外線で励起されるものであること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報記録
    媒体。
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