JPH05246197A - 転写箔 - Google Patents

転写箔

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JPH05246197A
JPH05246197A JP4049475A JP4947592A JPH05246197A JP H05246197 A JPH05246197 A JP H05246197A JP 4049475 A JP4049475 A JP 4049475A JP 4947592 A JP4947592 A JP 4947592A JP H05246197 A JPH05246197 A JP H05246197A
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thermoplastic resin
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Jiro Watanabe
二郎 渡辺
Michio Shinozaki
己知夫 篠崎
Shigeru Fukai
茂 深井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】いわゆる昇華性染料で染色されたプラスチック
表面に転写することにより、染色画像の化学的及び機械
的損傷を防止でき、かつ光による変褪色を防止できると
ともに、改ざん防止可能な転写箔を提供する。 【構成】耐熱性ベースフィルム11上に、このベースフ
ィルムから剥離可能な剥離層12、および接着剤層14
を順次積層して成り、かつ、接着剤層上に細紋15を印
刷したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は転写箔に関する。
【0002】更に詳しくは、いわゆる昇華性染料で染色
されたプラスチック表面に転写することにより、染色画
像の化学的及び機械的損傷を防止でき、かつ光による変
褪色を防止できるとともに、改ざん防止可能な転写箔に
関する。
【0003】
【従来の技術】いわゆる昇華性染料を用いてプラスチッ
ク材料を染色する方法は周知である。
【0004】例えば、染料はバインダー樹脂と共にイン
キ化されて仮の支持体上に印刷され、この印刷物をプラ
スチック材料に重ねて加熱することによりインキ中の染
料のみがプラスチック材料中に浸透し、染着する(転写
染色法)。この際、インキは転写されず、仮の支持体と
共に剥離除去される。
【0005】あるいは染料を含むインキを直接プラスチ
ック材料上の印刷した後、加熱して染料をプラスチック
内部に浸透させ、染着させる(浸透印刷法)。インキ層
はそのまま残存させたり、あるいは剥離除去されるが、
いずれの場合も染料はプラスチック内部に浸透してお
り、画像は残存する。
【0006】染料は昇華性であると信じられており、固
体状態から直接気体状態に変化し、かかる気体状染料が
プラスチック材料中に浸透すると考えられている。この
ため、染料は一般に昇華性染料と呼ばれている。もっと
も、固体状態と気体状態の間に液体状態が存在しないこ
とは厳密には確認されていない。またプラスチック材料
への浸透が気体状態で生じるか、あるいは液体状態で生
じるかも明らかではない。このため、染料は気化性染料
もしくは熱溶融移行性染料と呼ばれることもある。
【0007】プラスチック材料内部へ染料を浸透させる
加熱手段には、加熱盤、加熱ロール、赤外線パネルヒー
ター等が使用される。近年に到って、熱応答性の優れた
染料が開発されたことやサーマルヘッドの改良により、
転写リボン上の染料をサーマルヘッドの発熱によりプラ
スチック材料中へ浸透させて画像を形成する方法が開発
された。プラスチック材料はプラスチックフィルムや、
身分証明カード等の塩ビカードである。
【0008】しかしながら、染料は一般に分散染料又は
油溶性染料である。かかる染料は極性が小さく、このた
め加熱により容易に気体に変化してプラスチック材料中
に浸透する反面、プラスチック材料との結合力も小さ
く、可塑剤や有機薬品等によって犯されたり、引っ掻き
等による機械的損傷を受けやすい。さらにまた、光、特
に紫外線によって染料が分解され、変色あるいは褪色す
る。
【0009】他方、偽造防止という観点で、定期券、切
符、商品券等の金券類の券面には、しばしば細紋が設け
られる。これは券面への記録、例えば日付、区間、金
額、姓名等のデーダが改ざんをされることを防ぐ為、及
び改ざんされた場合に、それを発見し易くする為であ
る。それ故に細紋は券面への記録が、物理的(例えば消
ゴム、ナイフ等)あるいは化学的(例えば各種の溶剤
等)な手段で損なわれた場合、記録よりも先に、または
同時に消える様に設けられているのが一般的である。
【0010】しかしながら、細紋をプラスチック材料面
に設ける場合、表面に細紋のインクが載った状態とな
る。その様なプラスチック材料面に昇華転写記録を行う
と、インクの部分およびその周辺で、プラスチック表面
と転写リボンの接触が不十分となり、記録に欠損が生じ
るので好ましくない。
【0011】また、場合により、その様なプラスチック
材料面にさらに昇華性染料を定着させる為の受像層が設
けられる場合もある。この場合、細紋による欠損はない
が、記録が受像層中に形成される為、細紋より上層にあ
ることになり、従って細紋に損傷を与えずに記録を改ざ
んすることが可能であり、細紋の目的を果たせない。
【0012】さらに、剥離層の上部に細紋を設けた場
合、通常のカード使用中に物理的な接触などによって細
紋が損なわれる可能性が大きい。細紋は、故意に改ざん
等が為された場合にのみ損傷を受けるよう設けなければ
ならず、通常の使用において損傷を受けては本来の機能
を果たせない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、か
かる昇華性染料で染色されたプラスチック表面に転写す
ることにより、染色画像の化学的及び機械的損傷を防止
でき、かつ光による変褪色を防止できるとともに、改ざ
ん防止可能な転写箔を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、耐熱性ベースフィルム上
に、このベースフィルムから剥離容易な剥離層、および
接着剤層を順次積層して成り、かつ、接着層上に細紋を
印刷したことを特徴とする転写箔を提供する。
【0015】また、請求項2記載の発明は、剥離層と接
着剤層の間に、さらに昇華性染料の拡散防止層を設けた
ことを特徴とする転写箔を提供する。
【0016】また、請求項3記載の発明は、細紋が染料
または顔料の着色剤と、ガラス転移点が50℃以上の熱
可塑性樹脂の高分子結着材から成ることを特徴とする転
写箔を提供する。
【0017】また、請求項4記載の発明は、剥離層が耐
摩擦剤と熱可塑性樹脂から成り、その熱可塑性樹脂がポ
リメチルメタアクリレート、または、エポキシ樹脂であ
ることを特徴とする上記転写箔を提供する。
【0018】また、請求項5記載の発明は、接着層が紫
外線吸収剤と、ガラス転移点が50℃以上の熱可塑性樹
脂から成ることを特徴とする上記転写箔を提供する。
【0019】さらにまた、請求項6記載の発明は、昇華
性染料の拡散防止層が、ニトロセルロースであることを
特徴とする上記転写箔を提供する。
【0020】
【作用】以上のように、本発明に係わる転写箔を、昇華
性染料で染色した画像を有するプラスチック材料上に転
写すれば画像の上に細紋が形成される。よって、細紋を
消失させることなしに、画像の改ざんは困難である。さ
らに耐可塑剤性と共に、耐スクラッチ性、耐磨耗性、耐
溶剤性などの各種化学的及び機械的損傷を防止し、ま
た、紫外線等の光による変褪色を防ぐことができる。
【0021】また、剥離層が耐摩擦剤と熱可塑性樹脂の
混合物であれば、熱転写時に容易にベースフィルムから
剥離し、染料による画像の外部からの化学的及び機械的
損傷を防ぐことができる。
【0022】また、これに加えて、接着層にガラス転移
点50℃以上の熱可塑性樹脂を使用すれば、熱による画
像変化を生じない。
【0023】さらにまた、拡散防止層が、ニトロセルロ
ースであれば、昇華性染料で染色された画像の外部への
拡散を防ぐことができる。
【0024】請求項1に係る転写箔(1)は、図1に示
すように、ベースフィルム(11)、剥離層(12)お
よび接着層(14)、細紋(15)から成る。請求項2
に係る転写箔(1)は、図2に示すように、ベースフィ
ルム(11)、剥離層(12)、拡散防止層(13)お
よび接着層(14)、細紋(15)から成る。
【0025】ベースフィルム(11)は、転写時の熱圧
で軟化変形しない耐熱性を必要とする。かかるベースフ
ィルム(11)は公知であり、例えば厚さ3〜30μm
の二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムを
使用できる。
【0026】また、剥離層(12)は熱転写時に容易に
ベースフィルム(11)から剥離する必要がある。ま
た、転写された後の保護膜の機能を果たす必要が有る。
保護膜の機能とは染料による画像の外部からの化学的及
び機械的損傷を防ぐことである。この両者の機能を満た
すためには耐摩擦剤と熱可塑性樹脂の混合物を使用すれ
ば良い。
【0027】熱可塑性樹脂は可塑剤や薬品の透過を防止
すると共に引っ掻きによる傷を減少させるものである。
かかる熱可塑性樹脂としてはポリメチルメタアクリレー
ト、またはエポキシ樹脂が使用できる。メチルメタアク
リレート及びエポキシ樹脂は既存の熱可塑性樹脂の中で
耐可塑剤性が優れると共にベースフィルム(11)と剥
離が容易である。これらの樹脂を剥離層(12)に用い
ることにより、転写後の画像上に軟質塩化ビニルシート
やプラスチック消しゴムなどを接触させた時にこれらに
含まれる可塑剤の移行を防止できる。また、酸、アルカ
リ、アルコール、灯油などの薬品の浸透を防ぎ、画像へ
の影響を防止することができる。
【0028】また、耐摩擦剤は耐摩耗性や耐性スクラッ
チ性の向上のために添加するものである。例えば、テフ
ロンパウダー、ポリエチレンパウダー、動物系ワック
ス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス
などの天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族
アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセラ
イト系ワックス、水素化ワックス、合成ケトン系ワック
ス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系
ワックス、合成動物ロウ系ワックス、アルファーオレフ
ィン系ワックスなどの合成ワックス、及びステアリン酸
亜鉛などの高級脂肪酸の金属塩などをあげることができ
る。
【0029】剥離層(12)は、熱可塑性樹脂と耐摩擦
剤の合計量100重量部に対して熱可塑性樹脂85〜9
5重量部、耐摩擦剤5〜15重量部で良い。また、塗布
量は1〜3g/m2 で良い。
【0030】剥離層(12)には上記成分の外、転写時
の切れを向上するために剥離改善剤を混合することもで
きる。例えば線状飽和ポリエステル樹脂である。ただし
上記熱可塑性樹脂と耐摩擦剤の合計量100重量部に対
し、0〜3重量部に限るべきである。
【0031】なお、剥離層(12)にはこの他の添加
物、例えば紫外線吸収剤等を添加しないことが望まし
い。添加により耐薬品性がおちたり、または、可塑剤の
浸入が容易になり、剥離層の機械的強度劣化の原因とな
るからである。
【0032】昇華性染料の拡散防止層(13)はポリ塩
化ビニル等のプラスチック表面に昇華性染料で染色され
た画像の外部への拡散を防ぐために必要に応じて設ける
ものである。昇華性染料の拡散を防止するためには、セ
ルロース等の天然高分子またはこれを変性して得られた
親水性の高分子が適用され、通常の熱可塑性樹脂との接
着性、耐熱性、耐水性を考慮するとニトロセルロースが
最適である。仮に、拡散防止層(13)がないと、長期
放置時に接着層(14)を介して、剥離層(12)まで
染料が拡散し、可塑剤等を含んでいる消しゴムや軟質塩
ビ等にはさんでおくと消しゴムや軟質塩ビ等へ拡散転写
され、画像の褪色の原因になる。
【0033】また、拡散転写層(13)は接着層(1
4)の役目はない、何故なら、ニトロセルロースは耐熱
性があるため、感熱転写の際、基材へ接着しない。
【0034】拡散転写層(13)はニトロセルロースな
どの親水性高分子単体であり、その塗布量は0.5〜
1.5g/m2 で良い。
【0035】接着層(14)はプラスチック材料表面に
接着すると共に紫外線を遮断して染料による画像の変褪
色を防止するもので、可塑剤の浸入の促進を防ぐため、
拡散防止層(13)とは別個に、しかも拡散防止層(1
3)よりプラスチック材料よりに設けられる。かかる理
由から紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂の混合物から成る。
【0036】紫外線吸収剤は光による染料の変褪色を防
止するものである。すなわち、波長250〜400nm
の紫外線を吸収してそのエネルギーを染料に無害な熱エ
ネルギーとして再輻射し、紫外線吸収剤自体は何ら変質
しない。この理由から最大吸収波長250〜400nm
の紫外線吸収剤を使用する。
【0037】例えばフェニルサリシレート、p−ter
t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニ
ルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
5−スルホベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外
線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル
−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−アミル
フェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シア
ノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアク
リレート系紫外線吸収剤である。
【0038】接着層(14)に使用する熱可塑性樹脂は
ガラス転移点(Tg)が50℃以上のものが使用でき
る。ガラス転移点の温度が50℃未満の樹脂を使用する
と、転写の後、この樹脂により染料のマイグレーション
が生じ、画像のにじみが発生する。また、ガラス転移点
110℃以下のものが好ましい。ガラス転移点が110
℃を越える樹脂を使用すると転写の際に高い温度を必要
とし、サーマルヘットに負荷がかかるだけでなく、ポリ
塩化ビニルカードなどのプラスチック材料が熱により変
形することがある。
【0039】接着層(14)に使用する熱可塑性樹脂と
しては、例えば、線状飽和ポリエステルなどのポリエス
テル、ポリ塩化ビニルや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸−2−メトキシエチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸−2−ナフチル、ポリアクリル酸イ
ソボルニル、ポリメタクリロメチル、ポリアクリロニト
リル、ポリメチルクロロアクリレート、ポリメタクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸
−tert−ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポ
リメタクリル酸フェニル、メタクリル酸メチルとメタク
リル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は2〜6)
の共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポ
リジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼン、スチレン−
ブタジエン共重合樹脂、スチレンとメタクリル酸アルキ
ル(ただしアルキル基の炭素数は1〜6)などのビニル
系樹脂などである。
【0040】接着層(14)は、その固形分総量100
重量部に対して熱可塑性樹脂50〜90重量部、紫外線
吸収剤10〜50重量部で良い。塗布量は1〜3g/m
2 が好ましい。
【0041】細紋(15)は、プラスチック表面に接着
するとともに、偽造防止を付与するものであり、染料ま
たは顔料の着色剤と熱可塑性樹脂の高分子結着材から成
る。
【0042】着色剤は公知の染料、または顔料が使用で
きる。好ましくは分散染料、または油溶性染料が良い。
何故ならば、故意的に溶剤により改ざんを施そうとした
時、昇華性染料画像と化学的に類似の着色剤を使用すれ
ば、細紋が先に、または昇華染料画像と同時に溶出する
利点があるからである。
【0043】細紋に使用する熱可塑性樹脂は、ガラス転
移点が50℃以上のものが使用できる。ガラス転移点の
温度が50℃未満に樹脂を使用すると、転写の後、この
樹脂により細紋に使用されている着色剤、例えば染料や
昇華染料画像による変色が発生する。
【0044】また、ガラス転移点110℃以下のものが
好ましい。ガラス転移点110℃以上を越える樹脂を使
用すると、転写の際、細紋が完全にプラスチック表面に
接着しない。
【0045】細紋に使用するガラス転移点50℃以上の
熱可塑性樹脂は、接着層(14)に使用した熱可塑性樹
脂から選ばれたものが使用できる。
【0046】転写箔(1)は、まず、剥離層組成物を適
当な溶剤により塗料化し、その塗料をベースフィルム
(11)上にグラビア塗布、ロールコーティング塗布、
またはバーコート塗布などの塗布方法で塗布乾燥し、次
いで拡散防止層及び接着剤組成物を各々塗料化して順次
塗布すれば良い。拡散防止層及び接着剤組成物の塗料化
及び塗布方法は剥離層組成物の塗料化及び塗布方法と同
様である。なお、細紋は、剥離層形成後に設ける。
【0047】細紋を設ける方法は、オフセット印刷、グ
ラビア印刷等の印刷により容易に設けることができる。
但し、細紋の色については、細紋の下層にある文字、顔
写真等の画像を視認する障害となってはならないので、
目立ち難い淡色のものが望ましい。また、細紋の形状と
しては、精密で規則的な線図形の繰り返しパターン、ま
たはそのパターンにカード発行者を示すロゴ、商標等を
組み合わせたパターンなどが一般的である。さらに改ざ
ん防止効果を上げる為に細紋の印刷に特殊なインク、例
えば蛍光インク、磁気インク等を用いても良い。
【0048】こうして得られる転写箔(1)は、昇華性
染料で染色されたプラスチック材料に重ね、熱圧した
後、ベースフィルム(11)のみを剥離除去して、転写
することができる。転写は接着層(14)に含まれる熱
可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱して行なうことが
できる。通常150〜250℃である。時間は1〜10
秒程度で良い。
【0049】図2に示す転写箔をプラスチック材料から
なる身分証明カードに転写した場合の例を図3に示す。
(2)はカード本体であり、部分的に昇華性染料で顔写
真が染色されている(2a)。かかる染色方法は特開昭
63−22693号公報、もしくは特開平3−7938
4号公報に記載されている。
【0050】なお、本発明に係わる転写箔はカードに限
らず、昇華性染料で染色された任意のプラスチック材料
に適用できることは明らかであろう。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0052】(実施例1) 剥離層塗料の組成 ポリメチルメタアクリレート(Tg:105℃) 10重量部 (三菱レーヨン(株)製 BR−80) テフロンパウダー 1 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 40 〃
【0053】 接着層塗料の組成 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg:65℃)10重量部 (積水化学工業(株)製 エスレックA) 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール 2.5 〃 トルエン/2−ブタノン(2/1) 40 〃
【0054】 細紋インキの組成 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg:65℃)20重量部 (積水化学工業(株)製 エスレックA) 着色剤(青色の顔料) (東洋インキ製造(株)製 VCH.79草) 5 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 80 〃
【0055】厚さ12μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、グラビアコーターを用いて、上記剥離
層塗料を乾燥重量2.0g/m2 になるように塗布乾燥
して剥離層(12)を形成した。その層上に上記接着層
塗料をグラビアコーターで乾燥重量が1.5g/m2
なるように塗布乾燥して接着層(14)を形成した。さ
らにその層上に上記細紋インキをグラビア印刷法により
細紋を印刷し、転写箔を製造した。
【0056】ポリ塩化ビニルカード上にカラーサーマル
プリンターを用いて昇華転写リボンによりイエロー、マ
ゼンタ、シアンの各色を転写染色した。この染色面に上
記転写箔をラミネーター((株)明光商会製MSパウチ
H−140)により150℃、2秒の条件でラミネート
し、ベースフィルムを除去した。なお、昇華転写リボン
は厚さ6μmのポリエステルフィルム上に染料とポリビ
ニルブチラールから成る三色の昇華性インキを塗布した
もので、イエローの染料はKacet Yellow
AG(日本化薬(株)製)、マゼンタの染料はKaya
cet Red(日本化薬(株)製)、シアンの染料は
HSB9(三菱化成(株)製)である。
【0057】(実施例2) 剥離層塗料の組成 ポリメチルメタアクリレート(Tg:105℃) 10重量部 (三菱レーヨン(株)製 BR−80) テフロンパウダー 1 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 40 〃
【0058】 拡散防止層塗料の組成 ニトロセルロース 15重量部 (ダイセル化学工業(株)製 セルラインFM200) トルエン/2−ブタノン(1/2) 85 〃
【0059】 接着層塗料の組成 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg;65℃)10重量部 (積水化学製(株) エストックA) 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール 2.5 〃 トルエン/2−ブタノン(2/1) 40 〃
【0060】 細紋インキの組成 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg:65℃)20重量部 (積水化学工業(株)製 エスレックA) 着色剤(青色の顔料) (東洋インキ製造(株)製 (GNC−ST39藍)3 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 80 〃
【0061】厚さ12μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、グラビアコーターを用いて、上記剥離
層塗料を乾燥重量2.0g/m2 になるように塗布乾燥
して剥離層(12)を形成し、その層上に上記拡散防止
層塗料をグラビアコーターで乾燥重量が1.5g/m2
になるように塗布乾燥して拡散防止層(13)を形成し
た。さらにその層上に上記接着層塗料をグラビアコータ
ーで乾燥重量が1.8g/m2 になるように塗布乾燥し
て接着層(14)を形成した。さらにその層上に上記細
紋インキをグラビア印刷法により印刷し、細紋を形成し
て転写箔を製造した。
【0062】前記により得られた転写箔を、実施例1と
同様な条件でラミネートし、ベースフィルムを除去し
た。
【0063】(実施例3) 剥離層塗料の組成 エポキシ樹脂(軟化点148℃) 10重量部 (油化シエル(株)製エピエート1009) ポリエチレンパウダー 0.5 〃 トルエン/2−ブタノン(1/2) 40 〃
【0064】 拡散防止層塗料の組成 ニトロセルロース 15重量部 (ダイセル化学工業(株)製 セルラインFM200) トルエン/2−ブタノン(1/2) 85 〃
【0065】 接着層塗料の組成 線状飽和ポリエステル樹脂(Tg;65℃) 10重量部 (ユニチカ(株)製 UE−3200) 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 6 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 40 〃
【0066】 細紋インキの組成 線状飽和ポリエステル樹脂(Tg;65℃) 20重量部 (ユニチカ(株)製 UE−3200) 着色剤(青色の顔料) (保土谷(株)製 スピロブル−2BNH) 1 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 80 〃
【0067】厚さ12μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、グラビアコーターを用いて、上記剥離
層塗料を乾燥重量2.0g/m2 になるように塗布乾燥
して剥離層(12)を形成した。その層上に上記拡散防
止層塗料をグラビアコーターで乾燥重量が0.6g/m
2 になるように塗布乾燥して拡散防止層(13)を形成
し、その層上に上記接着層塗料をグラビアコーターで乾
燥重量が1.5g/m 2 になるように塗布乾燥して接着
層(14)を形成した。さらにその層上に上記細紋イン
キをグラビア印刷法で印刷して細紋を形成し、転写箔を
製造した。
【0068】前記により得られた転写箔を、実施例1と
同様な条件でラミネートし、ベースフィルムを除去し
た。
【0069】(実施例4、5)熱可塑性樹脂と耐摩擦剤
の合計量100重量部に対し、剥離改善剤として線状飽
和ポリエステル樹脂(東洋紡(株)製バイロン300)
を2重量部添加した剥離層を使用した外は実施例1、2
と同様に転写箔を製造した。カード及び転写は実施例1
と同様である。
【0070】(実施例6)接着層及び細紋に使用されて
いるTg:65℃の飽和ポリエステル樹脂の代わりにT
g:47℃の飽和ポリエステル樹脂(東洋紡(株)製バ
イロン300)を使用した以外は実施例3と同様に転写
箔を製造した。
【0071】カード及び転写は実施例1と同様である。
【0072】実施例1〜6の耐スクラッチ性、耐摩耗
性、耐溶剤性、耐熱性、改ざん防止性、耐光性を表1に
示す。
【0073】
【表1】
【0074】なお、各データは以下の方法により試験し
たものである。
【0075】耐スクラッチ性…Hの鉛筆により鉛筆試験
機を用いて表面をひっかき、強度を測定。傷が付かない
ものを○、傷が付いたものを×。
【0076】耐摩耗性…学振式堅牢度試験機(摩擦材と
して金属を使用)にてカード表面を2000回こすり、
表面(細紋)の変化を観察。変化のないものを○、変化
のあるものを×。
【0077】耐可塑剤性…軟質ポリ塩化ビニルシートを
カード表面に接触させて、荷重200g/cm2 をか
け、40℃、90%R.H.の環境下に24時間、48
時間及び100時間各々保存し、画像の色の変化色及び
褪色、にじみ等を観察。変化しないものを○、多少の変
褪色やにじみのあるものを△、変褪色やにじみのあるも
のを×。
【0078】耐溶剤性…フレオン、エタノール、ガソリ
ンを綿棒にしみこませ、カード表面をこすり、変化を観
察。全く変化の無いものを○、一度でも変化したものを
×。
【0079】耐熱性…50℃、90%R.H.の環境下
に48時間保存し、画像の変褪色を観察。変化無いもの
を○、変褪色のあるものを×。
【0080】改ざん防止性…シンナー中に浸漬した時、
細紋と同時に昇華染料画像が溶出するものを○、細紋が
残っているものを×、細紋は残っているが変褪色してい
るものを△。
【0081】耐光性…フェードメーターにて紫外線を4
0時間照射後、画像の反射濃度の減少率を測定。
【0082】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、昇華性
染料で染色されたプラスチック表面に転写することによ
り、染色画像の化学的及び機械的損傷を防止でき、かつ
光による変褪色を防止できるとともに、改ざん防止可能
な転写箔が提供できる。
【0083】また、剥離層が耐摩擦剤と熱可塑性樹脂の
混合物であれば、熱転写時に容易にベースフィルムから
剥離し、染料による画像の外部からの化学的及び機械的
損傷を防ぐことができる。
【0084】また、これに加えて、接着層にガラス転移
点50℃以上の熱可塑性樹脂を使用すれば、熱による画
像変化を生じないという効果を奏することができる。
【0085】さらにまた、拡散防止層が、ニトロセルロ
ースであれば、昇華性染料で染色された画像の外部への
拡散を防ぐことができる。
【0086】このため、プリペイドカードや身分証明カ
ード等の情報記録カード等の昇華性染料の画像の膜転写
箔として利用することができる。
【0087】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係わる断面図である。
【図3】図2の転写箔をカード本体に転写した後の断面
図である。
【符号の説明】
1 転写箔 1a 転写層 2 カード本体 2a 部分的な昇華性染料による顔写真 11 ベースフィルム 12 剥離層 13 拡散防止層 14 接着層 15 細紋

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性ベースフィルム上に、このベースフ
    ィルムから剥離容易な剥離層、および接着剤層を順次積
    層して成り、かつ、接着層上に偽造防止を付与した細紋
    を印刷したことを特徴とする転写箔。
  2. 【請求項2】剥離層と接着剤層の間に、さらに昇華性染
    料の拡散防止層を設けたことを特徴とする請求項1記載
    の転写箔。
  3. 【請求項3】細紋が染料または顔料の着色剤とガラス転
    移点が50℃以上の熱可塑性樹脂の高分子結着材から成
    ることを特徴とする請求項1または2記載の転写箔。
  4. 【請求項4】剥離層が耐摩擦剤と熱可塑性樹脂から成
    り、その熱可塑性樹脂がポリメチルメタアクリレート、
    またはエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の転写箔。
  5. 【請求項5】接着層が紫外線吸収剤と、ガラス転移点が
    50℃以上の熱可塑性樹脂から成ることを特徴とする請
    求項1または2に記載の転写箔。
  6. 【請求項6】昇華性染料の拡散防止層がニトロセルロー
    スであることを特徴とする請求項2記載の転写箔。
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