JPH05124362A - 転写箔 - Google Patents

転写箔

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JPH05124362A
JPH05124362A JP3287734A JP28773491A JPH05124362A JP H05124362 A JPH05124362 A JP H05124362A JP 3287734 A JP3287734 A JP 3287734A JP 28773491 A JP28773491 A JP 28773491A JP H05124362 A JPH05124362 A JP H05124362A
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layer
transfer foil
dye
transfer
thermoplastic resin
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JP3287734A
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Jiro Watanabe
二郎 渡辺
Akimi Matsumoto
陽美 松本
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】昇華性染料で染色されたプラスチック表面に転
写することにより、染色画像の化学的及び機械的損傷を
防止でき、かつ光による変褪色を防止できる転写箔を提
供する。 【構成】耐熱性ベースフィルム11上に、このベースフ
ィルムから剥離容易な剥離層12、昇華性染料の拡散防
止層13、および紫外線吸収剤を含む接着剤層14を順
次積層して成る転写箔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は転写箔に関する。更に詳
しくは、いわゆる昇華性染料で染色したプラスチック材
料の表面に加熱転写して、染料の変褪色やブリードを防
止することのできる転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる昇華性染料を用いてプラスチッ
ク材料を染色する方法は周知である。例えば、染料はバ
インダー樹脂と共にインキ化されて仮の支持体上に印刷
され、この印刷物をプラスチック材料に重ねて加熱する
ことによりインキ中の染料のみがプラスチック材料中に
浸透し、染着する(転写染色法)。この際、インキは転
写されず、仮の支持体と共に剥離除去される。
【0003】あるいは染料を含むインキを直接プラスチ
ック材料上の印刷した後、加熱して染料をプラスチック
内部に浸透させ、染着させる(浸透印刷法)。インキ層
はそのまま残存させたり、あるいは剥離除去されるが、
いずれの場合も染料はプラスチック内部に浸透してお
り、画像は残存する。
【0004】染料は昇華性であると信じられており、固
体状態から直接気体状態に変化し、かかる気体状染料が
プラスチック材料中に浸透すると考えられている。この
ため、染料は一般に昇華性染料と呼ばれている。もっと
も、固体状態と気体状態の間に液体状態が存在しないこ
とは厳密には確認されていない。またプラスチック材料
への浸透が気体状態で生じるか、あるいは液体状態で生
じるかも明らかではない。このため、染料は気化性染料
もしくは熱溶融移行性染料と呼ばれることもある。
【0005】プラスチック材料内部へ染料を浸透させる
加熱手段には、加熱盤、加熱ロール、赤外線パネルヒー
ター等が使用される。近年に到って、熱応答性の優れた
染料が開発されたことやサーマルヘッドの改良により、
転写リボン上の染料をサーマルヘッドの発熱によりプラ
スチック材料中へ浸透させて画像を形成する方法が開発
された。プラスチック材料はプラスチックフィルムや、
身分証明カード等の塩ビカードである。
【0006】しかしながら、染料は一般に分散染料又は
油溶性染料である。かかる染料は極性が小さく、このた
め加熱により容易に気体に変化してプラスチック材料中
に浸透する反面、プラスチック材料との結合力も小さ
く、可塑剤や有機薬品等によって犯されたり、引っ掻き
等による機械的損傷を受けやすい。さらにまた、光、特
に紫外線によって染料が分解され、変色あるいは褪色す
る。
【0007】かかる問題点を防止するため、プラスチッ
ク材料表面にポリエステル樹脂を主成分とする受像層を
設けて染料を固定したり、あるいは染料を改良して堅牢
度を向上している。
【0008】しかし、いずれの方法によっても本質的に
外部からの化学的または機械的損傷を防止することがで
きず、紫外線などの光線を避けることもできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、か
かる昇華性染料で染色されたプラスチック表面に転写す
ることにより、染色画像の化学的及び機械的損傷を防止
でき、かつ光による変褪色を防止できる転写箔を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、耐熱性ベースフィルム上
に、このベースフィルムから剥離容易な剥離層、昇華性
染料の拡散防止層、および紫外線吸収剤を含む接着剤層
を順次積層して成る転写箔を提供する。
【0011】また、請求項2記載の発明は、剥離層が耐
摩擦剤と熱可塑性樹脂から成り、その熱可塑性樹脂がポ
リメチルメタアクリレート、または、エポキシ樹脂であ
ることを特徴とする上記転写箔を提供する。
【0012】また、請求項3記載の発明は、昇華性染料
の拡散防止層が、ニトロセルロースであることを特徴と
する上記転写箔を提供する。
【0013】さらにまた、請求項4記載の発明は、接着
層が紫外線吸収剤と、ガラス転移点が50℃以上の熱可
塑性樹脂から成ることを特徴とする上記転写箔を提供す
る。
【0014】本発明に係る転写箔(1)は、図1に示す
ように、ベースフィルム(11)、剥離層(12)、拡
散防止層(13)および接着層(14)から成る。
【0015】ベースフィルム(11)は、転写時の熱圧
で軟化変形しない耐熱性を必要とする。かかるベースフ
ィルム(11)は公知であり、例えば厚さ3〜30μm
の二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムを
使用できる。
【0016】また、剥離層(12)は熱転写時に容易に
ベースフィルム(11)から剥離する必要がある。ま
た、転写された後の保護膜の機能を果たす必要が有る。
保護膜の機能とは染料による画像の外部からの化学的及
び機械的損傷を防ぐことである。この両者の機能を満た
すためには耐摩擦剤と熱可塑性樹脂の混合物を使用すれ
ば良い。
【0017】熱可塑性樹脂は可塑剤や薬品の透過を防止
すると共に引っ掻きによる傷を減少させるものである。
かかる熱可塑性樹脂としてはポリメチルメタアクリレー
ト、またはエポキシ樹脂が使用できる。メチルメタアク
リレート及びエポキシ樹脂は既存の熱可塑性樹脂の中で
耐可塑剤性が優れると共にベースフィルム(11)と剥
離が容易である。これらの樹脂を剥離層(12)に用い
ることにより、転写後の画像上に軟質塩化ビニルシート
やプラスチック消しゴムなどを接触させた時にこれらに
含まれる可塑剤の移行を防止できる。また、酸、アルカ
リ、アルコール、灯油などの薬品の浸透を防ぎ、画像へ
の影響を防止することができる。
【0018】また、耐摩擦剤は耐磨耗性や耐性スクラッ
チ性の向上のために添加するものである。例えば、テフ
ロンパウダー、ポリエチレンパウダー、動物系ワック
ス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス
などの天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族
アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセラ
イト系ワックス、水素化ワックス、合成ケトン系ワック
ス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系
ワックス、合成動物ロウ系ワックス、アルファーオレフ
ィン系ワックスなどの合成ワックス、及びステアリン酸
亜鉛などの高級脂肪酸の金属塩などをあげることができ
る。
【0019】剥離層(12)は、熱可塑性樹脂と耐摩擦
剤の合計量100重量部に対して熱可塑性樹脂85〜9
5重量部、耐摩擦剤5〜15重量部で良い。また、塗布
量は1〜3g/m2 で良い。
【0020】剥離層(12)には上記成分の外、転写時
の切れを向上するために剥離改善剤を混合することもで
きる。例えば線状飽和ポリエステル樹脂である。ただし
上記熱可塑性樹脂と耐摩擦剤の合計量100重量部に対
し、0〜3重量部に限るべきである。
【0021】なお、剥離層(12)にはこの他の添加
物、例えば紫外線吸収剤等を添加しないことが望まし
い。添加により耐薬品性がおちたり、または、可塑剤の
浸入が容易になり、剥離層の機械的強度劣化の原因とな
るからである。
【0022】昇華性染料の拡散防止層(13)は塩ビ等
のプラスチック表面に昇華性染料で染色された画像の外
部への拡散を防ぐために設けたものである。昇華性染料
の拡散を防止するためには、セルロース等の天然高分子
が適用され、通常の熱可塑性樹脂との接着性、耐熱性、
耐水性を考慮するとニトロセルロースが最適である。仮
に、拡散防止層(13)がないと、長期放置時に接着層
(14)を介して、剥離層(12)まで染料が拡散し、
可塑剤等を含んでいる消しゴムや軟質塩ビ等にはさんで
おくと消しゴムや軟質塩ビ等へ拡散転写され、画像の褪
色の原因になる。
【0023】また、剥離層(12)のバインダーとして
耐可塑剤性のない樹脂を使用すると剥離層(12)まで
可塑剤が浸透し、画像のにじみや転写層(1a)の機械
的強度の劣化の原因になり、剥離層(12)、拡散防止
層(13)は各々の役割分担において耐可塑剤性が付与
されるものである。また、拡散転写層(13)は接着層
(14)の役目はない、何故なら、ニトロセルロースは
耐熱性があるため、基材へ感熱転写・接着しない。
【0024】拡散転写層(13)はニトロセルロース単
体であり、その塗布量は0.5〜1.5g/m2 で良
い。
【0025】接着層(14)はプラスチック材料表面に
接着すると共に紫外線を遮断して染料による画像の変褪
色を防止するもので、可塑剤の浸入の促進を防ぐため、
拡散防止層(13)とは別個に、しかも拡散防止層(1
3)よりプラスチック材料よりに設けられる。かかる理
由から紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂の混合物から成る。
【0026】紫外線吸収剤は光による染料の変褪色を防
止するものである。すなわち、粒径が0.001〜0.
05μmの超微粒子の酸化亜鉛/酸化チタン/酸化珪素
から成る。超微粒子にすることにより可視領域において
透明性を付与し、昇華性染料画像の色調を損なわず、紫
外吸収能をもたせる効果がある。なお、酸化珪素(Si
X )は、Xが1.5±0.3程度であると紫外線吸収
効果が大きい。
【0027】図3に超微粒子酸化亜鉛の分光特性を示
す。図3から明らかなように、400nm以下の紫外部
の幅広い領域に渡って紫外線を吸収する特性を有してお
り、一方可視光の吸収はほとんど見られず、良好な透明
性を有している。
【0028】接着層(14)に使用する熱可塑性樹脂は
ガラス転移点(Tg)が50以上のものが使用できる。
ガラス転移点の温度が50℃未満の樹脂を使用すると、
転写の後、この樹脂により染料のマイグレーションが生
じ、画像のにじみが発生する。また、ガラス転移点11
0℃以下のものが好ましい。ガラス転移点が110℃を
越える樹脂を使用すると転写の際に高い温度を必要と
し、転写機に負荷がかかるだけでなく、ポリ塩化ビニル
カードなどのプラスチック材料が熱により変形すること
がある。
【0029】接着層(14)に使用する熱可塑性樹脂と
しては、例えば、線状飽和ポリエステルなどのポリエス
テル、ポリ塩化ビニルや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸−2−メトキシエチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸−2−ナフチル、ポリアクリル酸イ
ソボルニル、ポリメタクリロメチル、ポリアクリロニト
リル、ポリメチルクロロアクリレート、ポリメタクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸
−tert−ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポ
リメタクリル酸フェニル、メタクリル酸メチルとメタク
リル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は2〜6)
の共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポ
リジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼン、スチレン−
ブタジエン共重合樹脂、スチレンとメタクリル酸アルキ
ル(ただしアルキル基の炭素数は1〜6)などのビニル
系樹脂などである。
【0030】接着層(14)は、その固形分総量100
重量部に対して熱可塑性樹脂50〜90重量部、紫外線
吸収剤10〜50重量部で良い。塗布量は1〜3g/m
2 が好ましい。
【0031】転写箔(1)は、まず、剥離層組成物を適
当な溶剤により塗料化し、その塗料をベースフィルム
(11)上にグラビア塗布、ロールコーティング塗布、
またはバーコート塗布などの塗布方法で塗布乾燥し、次
いで拡散防止層及び接着剤組成物を各々塗料化して順次
塗布すれば良い。拡散防止層及び接着剤組成物の塗料化
及び塗布方法は剥離層組成物の塗料化及び塗布方法と同
様である。
【0032】こうして得られる転写箔(1)は、昇華性
染料で染色されたプラスチック材料に重ね、熱圧した
後、ベースフィルム(11)のみを剥離除去して、転写
することができる。転写は接着層(14)に含まれる熱
可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱して行なうことが
できる。通常150〜250℃である。時間は1〜10
秒程度で良い。
【0033】プラスチック材料として身分証明カードを
用いた場合の例を図2に示す。(2)はカード本体であ
り、部分的に昇華性染料で顔写真が染色されている(2
a)。かかる染色方法は特開昭63−22693号公
報、もしくは特開平3−79384号公報に記載されて
いる。
【0034】なお、カードに限らず、昇華性染料で染色
された任意のプラスチック材料に適用できることは明ら
かであろう。
【0035】
【実施例】
<実施例1> 剥離層塗料の組成 ポリメチルメタアクリレート(Tg:105℃) 10 重量部 (三菱レーヨン製 BR−80) テフロンパウダー 1 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 40 〃
【0036】 拡散防止層塗料の組成 ニトロセルロース 15 重量部 (ダイセル化学工業製 セルラインFM200) トルエン/2−ブタノン(1/2) 85 〃
【0037】 接着層塗料の組成 塩化ビニル−酢酸−ビニル共重合体(Tg:65℃) 10 重量部 (積水化学製 エストックA) 超微粒子酸化亜鉛(住友セメント社製 酸化亜鉛 2.5 〃 トルエン/2−ブタノン(2/1) 40 〃
【0038】厚さ12μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、グラビアコーターを用いて、上記剥離
層塗料を乾燥重量2.5g/m2 になるように塗布乾燥
して剥離層(12)を形成した。その層上に上記拡散防
止層塗料をグラビアコーターで乾燥重量が0.8g/m
2 になるように塗布乾燥して拡散防止層(13)を形成
した。さらにその層上に、上記接着層塗料をグラビアコ
ーターで乾燥重量が1.8g/m2 になるように塗布乾
燥して接着層(14)を形成して転写箔を製造した。
【0039】ポリ塩化ビニルカード上にカラーサーマル
プリンターを用いて昇華転写リボンによりイエロー、マ
ゼンタ、シアンの各色を転写染色した。この染色面に上
記転写箔をラミネーター(明光商会製MSパウチH−1
40)により150℃、2秒の条件でラミネートし、ベ
ースフィルムを除去した。なお、昇華転写リボンは厚さ
6μmのポリエステルフィルム上に染料とポリビニルブ
チラールから成る三色の昇華性インキを塗布したもの
で、イエローの染料はKacet YellowAG
(日本化薬製)、マゼンタの染料はKayacet R
ed 026(日本化薬製)、シアンの染料はHSB9
(三菱化成製)である。
【0040】<実施例2> 剥離層塗料の組成 エポキシ樹脂(軟化点169℃) 10 重量部 (シェル化学社製エピエート E−1010) ポリエチレンパウダー 0.5 〃 トルエン/2−ブタノン(1/2) 40 〃
【0041】 拡散防止層塗料の組成 ニトロセルロース 15 重量部 (ダイセル化学工業製 セルラインFM200) トルエン/2−ブタノン(1/2) 85 〃
【0042】 接着層塗料の組成 線状飽和ポリエステル樹脂(Tg:65℃) 10 重量部 (ユニチカ製 UE−3200) 超微粒子 酸化チタン(出光興産社製出光チタニア) 6 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 40 〃
【0043】厚さ16μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、上記各塗料を実施例1と同様に塗布し
て転写箔を製造した。カード及び転写は実施例1と同様
である。
【0044】<実施例3>Tg:65℃の飽和ポリエス
テル樹脂の代わりにTg:47℃の飽和ポリエステル樹
脂(東洋紡製バイロン300)を使用した以外は実施例
2と同様に転写箔を製造した。カード及び転写は実施例
1と同様である。
【0045】<実施例4>熱可塑性樹脂と耐摩擦剤の合
計量100重量部に対し、剥離改善剤として線状飽和ポ
リエステル樹脂(東洋紡製バイロン300)を2重量部
添加した剥離層を使用した外は実施例1と同様に転写箔
を製造した。カード及び転写は実施例1と同様である。
【0046】<比較例1>転写箔を使用せず、染色した
カード自体を比較例1とした。
【0047】<比較例2>紫外線吸収剤である2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾールを除いた他は実施例1と同様に転写箔を製造
した。カード及び転写は実施例1と同様である。
【0048】<比較例3> 剥離層塗料の組成 ニトロセルロース 4 重量部 (ダイセル化学工業製 セルラインFM200) ポリメチルメタアクリレート(Tg:105℃) 6 〃 (三菱レーヨン製 BR−80) テフロンパウダー 1 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 40 〃
【0049】 接着層塗料の組成 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg:65℃) 10 重量部 (積水化学製 エスレックA) 超微粒子酸化亜鉛 2.5 〃 (住友セメント社製 酸化亜鉛) トルエン/2−ブタノン(2/1) 40 〃
【0050】厚さ12μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上にグラビアコーターを用いて、上記剥離層
塗料を乾燥重量3.0g/m2 になるように塗布乾燥し
て剥離層を形成した。その層上に上記接着層塗料をグラ
ビアコータで乾燥重量が1.8g/m2 になるように塗
布乾燥して接着層を形成して転写箔を製造した。カード
及び転写は実施例1と同様である。
【0051】実施例1〜3及び比較例1〜2の耐スクラ
ッチ性、耐磨耗性、耐溶剤性、耐熱性、耐光性を表1に
示す。なお、各データは以下の方法により試験したもの
である。
【0052】
【表1】
【0053】耐スクラッチ性…Hの鉛筆により鉛筆試験
機を用いて表面をひっかき、強度を測定。傷が付かない
ものを○、傷が付いたものを×。
【0054】耐磨耗性…学振式堅牢度試験機(摩擦材と
して金属を使用)にてカード表面を2000回こすり、
表面の変化を観察。変化のないものを○、変化のあるも
のを×。
【0055】耐可塑剤性…軟質ポリ塩化ビニルシートを
カード表面に接触させて、荷重200g/cm2 をか
け、40℃、90%R.H.の環境下に24時間、48
時間及び100時間各々保存し、画像の色の変化色及び
褪色、にじみ等を観察。変化しないものを○、変褪色や
にじみのあるものを×。
【0056】耐溶剤性…フレオン、エタノール、ガソリ
ンを綿棒にしみこませ、カード表面をこすり、変化を観
察。全く変化の無いものを○、一度でも変化したものを
×。
【0057】耐熱性…50℃、90%R.H.の環境下
に48時間保存し、画像の変褪色を観察。変化無いもの
を○、変褪色のあるものを×。
【0058】耐光性…フェードメーターにて紫外線を4
0時間照射後、画像の反射濃度の減少率を測定。
【0059】この表から明らかなように、実施例1〜4
では、画像の光による変褪色を防止すると共に、可塑剤
を含んだプラスチック等の外部への画像の拡散移行を防
ぐことができ優れた耐可塑剤性を付与し、さらに耐スク
ラッチ性、耐磨耗性、耐溶剤性等の各種化学的および機
械的損傷を防止することができる。また、実施例1、2
および4では、これに加えて熱によるブリードの生じな
いプラスチック染色物を製造することができる。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、昇華性
染料で染色したプラスチック材料上に転写して耐可塑剤
性と共に、耐スクラッチ性、耐磨耗性、耐溶剤性などの
各種化学的及び機械的損傷を防止し、また、紫外線等の
光による変褪色を防ぐ転写箔が得られる。
【0061】また、これに加えて、接着層にガラス転移
点50℃以上の熱可塑性樹脂を使用すれば、熱による画
像変化を生じないという効果を奏することができる。
【0062】このため、プリペイドカードや身分証明カ
ード等の情報記録カード等の昇華性染料の画像の保護膜
転写箔として利用することができる。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】転写箔の断面図である。
【図2】転写後の断面図である。
【図3】超微粒子酸化亜鉛の分光特性を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 転写箔 1a 転写層 2 カード本体 2a 部分的な昇華性染料による顔写真 11 ベースフィルム 12 剥離層 13 拡散防止層 14 接着層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性ベースフィルム上に、このベースフ
    ィルムから剥離容易な剥離層、昇華性染料の拡散防止
    層、および紫外線吸収剤を含む接着剤層を順次積層して
    成る転写箔。
  2. 【請求項2】剥離層が耐摩擦剤と熱可塑性樹脂から成
    り、その熱可塑性樹脂がポリメチルメタアクリレート、
    またはエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記
    載の転写箔。
  3. 【請求項3】昇華性染料の拡散防止層がニトロセルロー
    スであることを特徴とする請求項1または2記載の転写
    箔。
  4. 【請求項4】接着層が0.001〜0.05μmの超微
    粒子の酸化亜鉛/酸化チタン/酸化珪素等の紫外線吸収
    剤と、ガラス転移点が50℃以上の熱可塑性樹脂から成
    ることを特徴とする請求項1または2または3記載の転
    写箔。
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