JP2936870B2 - 熱転写材 - Google Patents

熱転写材

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JP2936870B2
JP2936870B2 JP4041230A JP4123092A JP2936870B2 JP 2936870 B2 JP2936870 B2 JP 2936870B2 JP 4041230 A JP4041230 A JP 4041230A JP 4123092 A JP4123092 A JP 4123092A JP 2936870 B2 JP2936870 B2 JP 2936870B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写材に関し、いわ
ゆる昇華性染料で染色したプラスチック材料の表面にサ
ーマルヘッドで加熱転写して、染料の変退色やブリード
を防止することができる熱転写材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる昇華性染料を用いてプラスチッ
ク材料を染色する方法は、周知である。例えば、染料は
バインダー樹脂と共にインキ化されて、仮の支持体上に
印刷され、この印刷物をプラスチック材料に重ねて加熱
することによりインキ中の染料のみがプラスチック材料
中に浸透し、染着する転写染色法がある。この際、イン
キは転写されず、仮の支持体と共に剥離除去される。
【0003】あるいは、染料を含むインキを直接プラス
チック材料上に印刷した後、加熱して染料をプラスチッ
ク内部に浸透させ、染着させる浸透印刷法がある。イン
キ層は、そのまま残存させたり、あるいは剥離除去され
るが、いずれの場合も染料はプラスチック内部に浸透し
ており、画像は残存する。
【0004】プラスチック材料内部へ染料を浸透させる
加熱手段には、加熱盤、加熱ロール、赤外線パネルヒー
ター等が使用される。近年に至って、熱応答性の優れた
染料が開発されたことやサーマルヘッドの改良により、
転写リボン上の染料をサーマルヘッドの発熱によりプラ
スチック材料中へ浸透させて画像を形成する方法が開発
された。プラスチック材料はプラスチックフィルムや身
分証明カード等の塩化ビニル製カードである。
【0005】しかしながら、染料は一般に分散染料また
は油溶性染料である。このような染料は極性が小さく、
可塑剤や有機薬品等によって犯されたり、引っかき等に
よる機械的損傷を受け易い。さらにまた、光特に、紫外
線によって染料が分解され、変色あるいは退色する。
【0006】このような問題を防止するため、プラスチ
ック材料表面にポリエステル樹脂を主成分とする受像層
を設けて、染料を固定したり、あるいは染料を改良して
堅牢度を向上している。
【0007】しかし、いずれの方法によっても本質的に
外部からの化学的または機械的損傷を防止することがで
きず、紫外線などの光線を避けることもできない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、請求項1記載の発明は、裏面にスティッキン
グ防止層を設けた耐熱性の支持体上に、剥離層、昇華染
料の拡散防止層、および紫外線吸収剤とキレ防止剤およ
びガラス転移点が45℃以上110℃以下の熱可塑性樹
脂から成る接着層を順次積層してなり、該剥離層は0.
001〜0.05μmの超微粒子の透明フィラーを含ん
でいることを特徴とする熱転写材を提供する。
【0009】また、請求項2記載の発明は、剥離層が耐
摩擦剤、透明フィラーの酸化亜鉛/酸化チタン/酸化ケ
イ素等の微粒子と熱可塑性樹脂から成り、その熱可塑性
樹脂が、ポリメチルメタアクリレートまたは、エポキシ
樹脂であることを特徴とする上記熱転写材を提供する。
【0010】また、請求項3記載の発明は、昇華染料の
拡散防止層が、ニトロセルロースであることを特徴とす
る上記熱転写材を提供する。
【0011】本発明を図面を用い、以下詳細に説明す
る。図1は、本発明における熱転写材(1)の断面図で
ある。図1において、本発明は、スティッキング防止層
(10)、支持体(11)、剥離層(12)、拡散防止
層(13)及び接着層(14)から成る。
【0012】支持体(11)は剥離層(12)、拡散防
止層(13)、及び接着層(14)を支持するものであ
る。転写時にサーマルヘッドの熱に耐えて変形しない耐
熱性、寸法安定性、及び表面平滑性を必要とする。
【0013】支持体(11)としては任意のプラスチッ
クフィルムが使用できるが、耐熱性、寸法安定性などの
点で、二軸延伸したポリエステルフィルムが好適であ
る。厚さは2〜10μmで良い。
【0014】支持体(11)背面にはサーマルヘッドが
当接し、また巻き取った状態では接着層(14)が当接
することから、サーマルヘッドに対するスティッキング
を防ぎ、巻き取った時のブロッキングを防止するため、
支持体(11)背面にはスティッキング防止層(10)
を設けることが望ましい。
【0015】スティッキング防止層(10)としては、
末端にアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)を有
するシリコーン中間縮合物を、アルキッド樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などと縮合さ
せたシリコーン変性樹脂が使用できる。例えば、信越化
学工業(株)製KR218などである。また、かかるシ
リコーン変性樹脂またはニトロッセルロース等の耐熱性
バインダーとシリコーンオイルの混合物でスティッキン
グ防止層(10)を形成しても良い。あるいはシリコー
ン変性樹脂とシリコーンオイルを別途塗布して二層構造
のスティッキング防止層(10)としても良い。
【0016】スティッキング防止層(10)はグラビア
コート、ロールコート、リバースコートなどの方法で
0.1〜5μmの厚さに塗布すれば良い。
【0017】次に、剥離層(12)は、熱転写時に容易
に支持体(11)から剥離する必要がある。また、転写
された後の画像の保護膜の機能を果たす必要がある。保
護膜の機能とは染料による画像の外部からの化学的およ
び機械的損傷を防ぐことである。この両者の機能を満た
すためには、耐摩擦剤と透明フィラーおよび熱可塑性樹
脂の混合物を使用すれば良い。
【0018】熱可塑性樹脂は可塑剤や薬品の透過を防止
すると共に、引っかきによる傷を減少させるものであ
る。このような熱可塑性樹脂としては、ポリメチルメタ
アクリレートやエポキシ樹脂が使用できる。ポリメチル
メタアクリレートやエポキシ樹脂は既存の熱可塑性樹脂
の中で耐可塑性が優れていると共に支持体(11)と剥
離が容易である。これらの樹脂を剥離層(12)に用い
ることにより、転写後の画像上に軟質塩化ビニルシート
やプラスチック消しゴムなどを接触させた時に、これら
に含まれる可塑剤の移行を防止できる。また、酸・アル
カリ・アルコール・灯油等の薬品の浸透を防ぎ、画像へ
の影響を防止することができる。
【0019】また、耐摩擦剤は耐摩耗性や耐スクラッチ
性の向上のために添加するものである。具体例をもって
示せば、例えば、テフロンパウダー、ポリエチレンパウ
ダー、動物系・植物系・鉱物系及び石油系などの天然ワ
ックス、合成炭化水素系・変性ワックス系・脂肪族アル
コールと酸系・脂肪酸エステルとグリセライト系・水素
化ワックス、合成ケトン系・アミン系・アマイド系・塩
素化炭化水素系・合成動物ロウ系・アルファーオレフィ
ン系ワックス等の合成ワックス、及びステアリン酸亜鉛
等の高級脂肪酸の金属塩等をあげることができる。
【0020】さらに透明フィラーは、熱転写時の剥離層
(12)の熱可塑性樹脂の引張り破断伸度を低下させ転
写精度を向上するために添加するものである。すなわ
ち、透明フィラーを混合しないと転写の際に加熱された
部分の熱転写記録層(1a)とその周囲の熱転写記録層
(1a)が互いに接着して、精細な転写ができないこと
になる。
【0021】透明フィラーとしては粒径が0.001〜
0.05μmの超微粒子の酸化亜鉛/酸化チタン/酸化
珪素等である。超微粒子にすることにより可視領域にお
いて透明性を付与し、昇華染料画像の色調を損なうこと
はない。図3に超微粒子酸化亜鉛の分光特性を示す図3
から明らかな様に可視域の吸収はほとんど見られず、良
好な透明性を有している。
【0022】剥離層(12)は熱可塑性樹脂と、耐摩擦
剤及び透明フィラーの合計量100重量部に対して熱可
塑性樹脂60〜80重量部、耐摩擦剤5〜10重量部、
透明フィラー5〜20重量部で良い。又、塗布量は1.
0〜2.0g/m2 が好ましい。
【0023】昇華性染料の拡散防止層(13)は塩ビ等
のプラスチック表面に昇華性染料で染色された画像の外
部への拡散を防ぐために設けたものである。昇華性染料
の拡散を防止するためには、セルロース等の天然高分子
が適用され、通常の熱可塑性樹脂との接着性、耐熱性、
耐水性を考慮するとニトロセルロースが最適である。仮
に、拡散防止層(13)がないと、長期放置時に接着層
(14)を介して、剥離層(12)まで染料が拡散し、
可塑剤等を含んでいる消しゴムや軟質塩化ビニル等には
さんで置くと消しゴムや軟質塩化ビニルなどへ拡散転写
され、画像の退色の原因になる。
【0024】拡散防止層(13)はニトロセルロース単
体であり、その塗布量は0.5〜1.5g/m2 で良
い。塗布量が1.5g/m2 こえると転写性に影響して
くるので好ましくない。
【0025】接着層(14)はプラスチック材料表面に
接着すると共に紫外線を遮断して染料による画像の変退
色を防止するもので、可塑剤の浸入の促進を防ぐため、
拡散防止層(13)とは別個に、しかも拡散防止層(1
3)よりプラスチック材料よりに設けられる。このよう
な理由から紫外線吸収剤とキレ防止剤および熱可塑性樹
脂の混合物から成る。
【0026】紫外線吸収剤は光による染料の変退色を防
止するものである。すなわち、波長250〜400nm
の紫外線を吸収してそのエネルギーを染料に無害な熱エ
ネルギーとして再輻射し、紫外線吸収剤自体は何ら変質
しない。この理由から最大吸収波長250〜400nm
の紫外線吸収剤を使用する。
【0027】例えばフェニルサリシレート、p−ter
t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニ
ルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
5−スルホベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外
線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル
−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−アミル
フェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シア
ノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアク
リレート系紫外線吸収剤である。
【0028】接着層(14)に使用する熱可塑性樹脂は
ガラス転移点(Tg)が45℃以上のものが使用でき
る。ガラス転移点の温度が45℃未満の樹脂を使用する
と、転写後、この樹脂により染料のマイグレーションが
生じ、画像のにじみが発生する。更に、サーマルヘッド
に対する適性を考慮するとガラス転移点110℃以下の
ものが好ましい。
【0029】サーマルヘッドに対する適性とは、サーマ
ルヘッドの熱パターンに対応して転写させることであ
る。転写画像品質を向上させるためには、熱転写記録層
に使用している樹脂バインダー(熱可塑性樹脂)は、ゴ
ム状流動状態まで加熱する必要がある。
【0030】サーマルヘッドを使用して熱転写する場合
の熱条件は、通常300〜400℃で数ミリ秒であり、
これを静的な条件に換算すると130℃で5秒間とな
る。
【0031】従って、サーマルヘッドから供給される熱
量と、樹脂バインダーをゴム状流動状態とすることを考
慮すると、ガラス転移点の上限は110℃となる。この
上限を越える樹脂を使用すると転写時により多くのエネ
ルギーを必要とし、サーマルヘッドの寿命が極端に短く
なる。
【0032】接着層(14)に使用する熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ポリエステル系樹脂として線状飽和ポ
リエステル等、塩ビ系樹脂としてポリ塩化ビニルや塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等、アクリル系樹脂とし
てポリアクリル酸、ポリアクリル酸−2−メトキシエチ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸−2−ナフ
チル、ポリアクリル酸イソボルニル、ポリメタクリロメ
チル、ポリアクリロニトリル、ポリメチルクロロアクリ
レート、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エ
チル、ポリメタクリル酸−tert−ブチル、ポリメタ
クリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸フェニル、メタ
クリル酸メチルとメタクリル酸アルキル(ただし、アル
キル基の炭素数は2〜6)の共重合樹脂等、ビニル系樹
脂としてポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、スチレ
ン−ブタジエン共重合樹脂、スチレンとメタクリル酸ア
ルキル(ただし、アルキル基の炭素数は1〜6)等が上
げられる。
【0033】キレ防止剤は熱転写時の接着層の熱可塑性
樹脂の引張り、破断伸度を低下させ転写精度を向上する
ために添加するものである。
【0034】キレ防止剤としては例えば、ポリエチレン
ワックス、変性ポリプロピレンワックス、ポリテトラフ
ロロエチレン等の有機フィラー、粒径が0.001〜
0.05μmの超微粒子の酸化亜鉛/酸化チタン/酸化
珪素等の透明無機フィラー等をあげることができる。
【0035】接着層(14)は、その固形分総量100
重量部に対して熱可塑性樹脂50〜90重量部、紫外線
吸収剤10〜50重量部、キレ防止剤5〜25重量部で
良い。
【0036】熱転写材(1)は、まず、剥離層組成物を
適当な溶剤により塗料化し、その塗料を支持体(11)
上にグラビア塗布、ロールコーティング塗布、またはバ
ーコート塗布などの塗布方法で塗布乾燥し、次いで拡散
防止層及び接着剤組成物を各々塗料化して順次塗布すれ
ば良い。拡散防止層及び接着剤組成物の塗料化及び塗布
方法は剥離層組成物の塗料化及び塗布方法と同様であ
る。ただし、支持体の裏面には、サーマルヘッドへのス
ティッキングを防止する層を設けておく。
【0037】こうして得られた熱転写材(1)は、サー
マルヘッドの熱を利用して昇華染料で染色されたプラス
チック表面に転写することができる。例えば、塩ビ系樹
脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、
アクリル系樹脂、ABS樹脂等である。あるいはコート
紙、ガラス転移点50〜110℃の熱可塑性樹脂を表面
に塗布したプラスチック材料表面である。昇華染料で染
色された被転写体は、巻取り状、枚葉状のシートの他、
カード状であっても良い。
【0038】転写は、昇華染料(21)で染色されたプ
ラスチック材料(2)面に熱転写材(1)の接着層(1
4)面を当接し、熱転写材の背面にサーマルヘッドを当
て、サーマルヘッドの加熱素子を選択的に加熱すること
によって可能である。
【0039】図2はサーマルヘッドを用いてプラスチッ
クカード上に転写した場合の例を示す、(2)はプラス
チック材料であり、(21)は昇華染料、(1a)はサ
ーマルヘットにより転写された熱転写記録層である。
【0040】
【実施例】
<実施例1>
【0041】 剥離層塗料の組成 ポリメチルメタアクリレート(Tg:105℃) 10 重量部 (三菱レーヨン製 BR−80) テフロンパウダー 1 〃 超微粒子酸化亜鉛(住友セメント社製 酸化亜鉛) 3 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 40 〃
【0042】 拡散防止層塗料の組成 ニトロセルロース 15 重量部 (ダイセル化学工業製 セルラインFM200) トルエン/2−ブタノン(1/2) 85 〃
【0043】 接着層塗料の組成 線状飽和ポリエステル樹脂(Tg:65℃) 10 重量部 (ユニチカ社製UE−3200) 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル) −ベンゾトリアゾール 2.5 〃 ポリエチレンワックス 1 〃 トルエン/2−ブタノン(2/1) 30 〃
【0044】あらかじめ裏面にステッキング防止層を設
けて成る厚さ3.5μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、グラビアコーターを用いて、上記剥離層
塗料を乾燥重量1.5g/m2 になるように塗布乾燥し
て、剥離層(12)を形成した。その層上に上記拡散防
止層塗料をグラビアコーターで乾燥重量が0.8g/m
2 になるように塗布乾燥して拡散防止層(13)を形成
した。さらに、その層上に、上記接着層塗料をグラビア
コーターで乾燥重量が1.2g/m2 になるように塗布
乾燥して、接着層(14)を形成し、熱転写材を製造し
た。
【0045】塩ビカード上にサーマルプリンターを用い
て昇華転写リボンによりイエロー、マゼンタ、シアンの
各色を転写染色した。この染色面に上記熱転写材をサー
マルヘッドにより転写し、保護層を設けた。なお、昇華
転写リボンは厚さ6μmのポリエステルフィルム上に染
料とポリビニルブチラールから成る三色の昇華性インキ
を塗布したもので、イエローの染料はKacet Yellow AG
(日本化薬製)、マゼンタの染料はKayacet Red 026
(日本化薬製)、シアンの染料はHSB9(三菱化成製)で
ある。
【0046】<実施例2>
【0047】 剥離層塗料の組成 エポキシ樹脂(軟化点169℃) 10 重量部 (シェル化学社製エピコート E−1010) ポリエチレンパウダー 0.5 〃 超微粒酸化チタン(出光興産社製出光チタニア) 2.0 〃 トルエン/2−ブタノン(1/2) 40 〃
【0048】 拡散防止層塗料の組成 ニトロセルロース 15 重量部 (ダイセル化学工業製 セルラインFM200) トルエン/2−ブタノン(1/2) 85 〃
【0049】 接着層塗料の組成 メタアクリル酸エステル(Tg:55℃) 10 重量部 (三菱レーヨン製 BR−64) 塩酢ビコポリマー(Tg:68℃) 3 〃 (UCC製 VAGH) 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 5 〃 テトラフロロエチレン 3 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 50 〃
【0050】あらかじめ裏面にステッキング防止層を設
けて成る長さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、上記各塗料を実施例1と同様に塗布して
熱転写材を製造した。
【0051】カード及び転写方法は実施例1と同様であ
る。
【0052】<実施例3> Tg:65℃の飽和ポリエステル樹脂の代わりにTg:
47℃の飽和ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン30
0)を使用した以外は実施例1と同様に熱転写材を製造
した。カード及び転写方法は実施例1と同様である。
【0053】<比較例1>熱転写材を使用せず、染色し
たカード自体を比較例1とした。
【0054】<比較例2>
【0055】 剥離層塗料の組成 ニトロセルロース 4 重量部 (ダイセル化学工業製 セルラインFM200) ポリメチメタアクリレート(Tg:105℃) 6 〃 (三菱レーヨン製 BR−80) テフロンパウダー 1 〃 トルエン/2−ブタノン(1/1) 40 〃
【0056】 接着層塗料の組成 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg:65℃) 10 重量部 (積水化学社製 エスレックA) 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル) −ベンゾトリアゾール 2.5 〃 トルエン/2−ブタノン(2/1) 40 〃
【0057】厚さ12μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上にグラビアコーターを用いて、上記剥離層
塗料を乾燥重量3.0g/m2 に成るように塗布乾燥し
て、剥離層を形成した。その層上に上記接着層塗料をグ
ラビアコーターで乾燥重量が1.8g/m2 になるよう
に塗布乾燥し、接着層を形成して熱転写材を製造した。
カード及び転写方法は実施例1と同様である。
【0058】実施例1〜3及び比較例1〜2のサーマル
適性、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐溶剤性、耐熱性、
耐光性を表1に示す。なお、各データは以下の方法によ
り試験したものである。
【0059】
【表1】
【0060】サーマル適性・・・加熱された部分のみ転
写されているものを〇、加熱された部分以外も転写され
たものを×。
【0061】耐スクラッチ性・・・Hの鉛筆により鉛筆
試験機を用いて表面を引っかき、強度を測定した。傷が
つかないものを○、傷がついたものを×とした。
【0062】耐摩耗性・・・学振式堅牢度試験機(摩擦
材として金属を使用)にてカード表面を2000回こす
り、表面の変化を観察した。変化のないものを○、変化
のあるものを×とした。
【0063】耐可塑剤性・・・軟質ポリ塩化ビニルシー
トをカード表面に接触させて、荷重200g/cm2
かけ、40℃、90%R.Hの環境下に、24時間、4
8時間及び100時間各々保存し、画像の色の変化およ
び退色を観察した。変化しないものを○、変退色やにじ
みのあるものを×とした。
【0064】耐溶剤性・・・フレオン、エタノール、ガ
ソリンを綿棒にしみこませ、カード表面をこすり、変化
を観察した。全く変化のないものを○、1度でも変化し
たものを×とした。
【0065】耐熱性・・・50度、90%R.Hの環境
下に、48時間保存し、画像の変退色を観察した。変化
のないものを○、変化のあるものを×とした。
【0066】耐光性・・・フェードメーターにて紫外線
を40時間照射後、画像の反射濃度の減少率を測定し
た。
【0067】この表から明らかなように、実施例1〜3
では、画像の光による変退色を防止すると共に、可塑剤
を含んだプラスチック等の外部への画像の拡散移行を防
ぐことができ、優れた耐可塑剤性を付与し、さらに耐ス
クラッチ性、耐摩耗性、耐溶剤性等の各種化学的及び機
械的損傷を防止することができる。また、実施例1及び
2では、これに加えて熱によるブリードの生じないプラ
スチック染色物を製造することができる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、昇華性
染料で染色したプラスチック材料上に転写して耐可塑剤
性と共に、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐溶剤性等の各
種化学的及び機械的損傷を防止し、また、紫外線などの
光による変退色を防ぐ熱転写材が得られる。
【0069】また、これに加えて、接着層にガラス移転
点45℃以上の熱可塑性樹脂を使用すれば、熱による画
像変化を生じないという効果を奏でることができる。さ
らにまた、サーマル適性の良好な熱転写材を提供するこ
とができる。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における熱転写材の断面図である。
【図2】サーマルヘッドを用いてプラスチックカード上
に転写した場合の例を示す説明図である。
【図3】超微粒子酸化亜鉛の分光特性を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 熱転写材 1a 熱転写記録層 2 プラスチック材料 10 スティッキング防止層 11 支持体 12 剥離層 13 拡散防止層 14 接着層 21 昇華染料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−45390(JP,A) 特開 平4−35988(JP,A) 特開 昭63−17089(JP,A) 特開 平1−208193(JP,A) 特開 昭63−87284(JP,A) 特開 昭61−175090(JP,A) 特開 昭60−64899(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】裏面にスティッキング防止層を設けた耐熱
    性の支持体上に、剥離層、昇華染料の拡散防止層、およ
    び紫外線吸収剤とキレ防止剤およびガラス転移点が45
    ℃以上110℃以下の熱可塑性樹脂から成る接着層を順
    次積層してなり、該剥離層は0.001〜0.05μm
    の超微粒子の透明フィラーを含んでいることを特徴とす
    熱転写材。
  2. 【請求項2】剥離層が耐摩擦剤、0.001〜0.05
    μmの超微粒子の酸化亜鉛/酸化チタン/酸化ケイ素等
    の透明フィラーと熱可塑性樹脂から成り、その熱可塑性
    樹脂が、ポリメチルメタアクリレートまたはエポキシ樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載の熱転写材。
  3. 【請求項3】昇華染料の拡散防止層がニトロセルロース
    であることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写
    材。
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