JP2986722B2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

Info

Publication number
JP2986722B2
JP2986722B2 JP7326213A JP32621395A JP2986722B2 JP 2986722 B2 JP2986722 B2 JP 2986722B2 JP 7326213 A JP7326213 A JP 7326213A JP 32621395 A JP32621395 A JP 32621395A JP 2986722 B2 JP2986722 B2 JP 2986722B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thermal transfer
transfer sheet
heat
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7326213A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09142046A (ja
Inventor
盛雄 松崎
正秀 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Seishi KK
Original Assignee
Nippon Seishi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Seishi KK filed Critical Nippon Seishi KK
Priority to JP7326213A priority Critical patent/JP2986722B2/ja
Publication of JPH09142046A publication Critical patent/JPH09142046A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2986722B2 publication Critical patent/JP2986722B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写シートに関
し、更に詳しくは記録画像の光沢度を自由に調整させる
ことが出来る熱転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像情報に応じて長尺の熱転
写シートをサーマルヘッド等により選択的に加熱し、熱
転写シートに保持されている熱転写層中の染料を昇華等
の熱拡散により被熱転写シートに移行させ被熱転写シー
トに画像を形成する昇華型熱転写記録方式或いは熱転写
シートの熱転写層を熱溶融により被熱転写シートに移行
させ被熱転写シートに画像を形成する溶融型熱転写記録
方式が広く知られている。被熱転写シートに画像を形成
する際には、所定の色の染料が長手方向に順次形成され
ている長尺の熱転写シートを画像を形成するための被熱
転写シートに対して長手方向に移動させながら、被熱転
写シート上に重ねる様にして熱転写シートの所定の色の
染料を順次被熱転写シートに転写させることによって画
像情報に応じた画像を被熱転写シートに形成するのであ
る。特に、昇華型熱転写記録方式は、階調再現性に優れ
たカラー写真に近いカラーハードコピーを提供するもの
として注目されている。
【0003】例えば、従来の昇華型熱転写記録材料に於
ける被熱転写シートとしては、ベース紙の両面にポリエ
ステル樹脂或いはポリプロピレン樹脂から成る発泡シー
トをドライラミネート方式により積層し、その片面に染
料受理層を形成させたものがある。
【0004】この積層タイプの被熱転写シートは、発泡
シートを中間層として用いることにより画像記録時のサ
ーマルヘッドの熱を中間層の空隙部に蓄積させ熱効率を
高めた状態で画像記録が行える様に設計されたものであ
り、画像濃度の高い記録画像を得ることが出来る。しか
しながら、サーマルヘッドの温度が300〜400℃前後であ
るため熱転写シートを介しても被熱転写シートは約100
℃以上の高温に曝され、前述の中間層であっても、その
熱に耐え切れず熱変形に伴う染料受理層表面の表面平滑
性が低下及び画像記録時の熱転写シートと被熱転写シー
トの染料受理層面との融着による表面性の低下により、
記録画像の画像光沢度が劣るものとなる。我々の研究結
果によれば、入射角60度に於ける画像光沢度は45%程度
であり、表面光沢度の高い印刷物(60〜90%)より可成
り劣る問題点があった。また、記録画像の自然光に対す
る耐光性(特に、イエロー色の退色性が大きい)及び記
録画像表面にキズが入り易く耐擦傷性に劣る問題点もあ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の記録
画像の画像光沢度の問題点を解消し、被熱転写シートの
改良を行なわず記録画像の画像光沢度を自由に調整可能
な熱転写シートを提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の問
題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、長尺のプラス
チックフィルム支持体の片面上に、染料または顔料とバ
インダーとを含有する各色の熱転写層と、離型層上に
ルロースアセテートプロピオネート樹脂と紫外線吸収剤
との混合物から成る光沢度調整層が形成されており更に
該光沢度調整層上に感熱接着層が形成されて成る積層物
とが長手方向に順次連続的に形成されている熱転写シー
トであって、光沢度調整層を鉛筆硬度がH〜3Hで、且
つ360nm波長に於ける吸光度が2.0以上の塗工層
とすることにより、上記課題を解決することが出来るこ
と究明し本発明に至った。更に、離型層を合成樹脂単体
若しくは合成樹脂と顔料との任意の混合比率から成る塗
工層とすることが、プラスチックフィルム支持体との接
着性と光沢度調整層との離型性及び希望する光沢度の記
録画像を良好に得られて好ましいこと究明した
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
に係る熱転写シートを更に詳細に説明する。図1は本発
明に係る熱転写シートの1実施例の構成を部分的に示す
断面説明図である。本発明に係る熱転写シート6は、長
尺のプラスチックフィルム支持体1の片面上に、染料ま
たは顔料とバインダーとを含有する各色(イエロー、レ
ッド、ブルー)の熱転写層4と、離型層2上に特定の樹
と紫外線吸収剤との混合物から成る光沢度調整層3が
形成されており更に該光沢度調整層3上に感熱接着層5
が形成されて成る積層物とが長手方向に順次連続的に形
成されているものである。
【0008】本発明に使用される長尺のプラスチックフ
ィルム支持体1としては、ポリエステルフィルム、ポリ
サルフォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、セルローストリアセテートフィルム等の
公知のプラスチックフィルムが適している。また、長尺
のプラスチックフィルム支持体1の選択に際しては、価
格、強度、耐熱性、寸法安定性及び表面平滑性等の観点
からポリエステルフィルムが好適である。その厚みは、
熱伝導性の点から判断すると薄いものが良く、3〜25μ
mが好ましい。尚、必要に応じて、プラスチックフィル
ム支持体1の片面に易接着処理若しくは易剥離処理を施
して使用することも可能であるが、予め、プラスチック
フィルム支持体1の片面に易接着処理若しくは易剥離処
理が施された処理シートを使用することが、作業性及び
コストの面から有効な手段である。
【0009】本発明に使用される離型層2は、プラスチ
ックフィルム支持体1との接着性と光沢度調整層3との
離型性及び希望する光沢度の記録画像を得るために、合
成樹脂単体若しくは合成樹脂と顔料とが任意の混合比率
により調整されて成る塗工層であることが好ましい。前
記合成樹脂としては、アクリルポリオール樹脂とポリイ
ソシアネート樹脂との熱架橋物若しくはアクリル/ステ
アリン酸共重合体と有機酸との熱架橋物等を挙げること
が出来る。また、光沢度調整を容易とすべく前記合成樹
脂に顔料を混合させることが好ましく、この顔料として
は、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等
の無機顔料やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリスチロール、ポリカーボネー
ト、エチルアクリレート、ビニリデンクロライド、シリ
コーンパウダー、フッソパウダー等の有機顔料等を挙げ
ることが出来る。この場合の合成樹脂と顔料との混合比
率は、プラスチックフィルム支持体1との接着性、塗工
性、塗膜強度、離型層2の表面形状を忠実に光沢度調整
層3へ剥離転写させるための光沢度調整層3との離型性
及び希望する記録画像の光沢度等の観点から適宜選択さ
れる。離型層2の形成厚みは、1〜10μm程度が好まし
い。
【0010】本発明に使用される光沢度調整層3は、離
型層2との離型性、感熱接着層5との接着性及び耐擦傷
性、筆記適性、紫外線吸収性等の優れた特徴を保持させ
るために形成された塗工層であり、鉛筆硬度がH〜3H
で且つ360nm波長に於ける吸光度が2.0以上と成
る様に調整された塗工層である。光沢度調整層3に使用
する樹脂は、セルロースアセテートプロピオネート樹脂
ある。そして、この光沢度調整層3は、記録画像の自
然光による画像退色を防止して屋外使用可能なものとす
るために、前述の合成樹脂に紫外線吸収剤(例えば、ト
リアゾール系)が混合されている。光沢度調整層3の形
成厚みは、1〜10μmが好ましく、特に好ましくは2
〜5μmである。
【0011】光沢度調整層3の鉛筆硬度がHより軟らか
いと、ものと擦れ合った場合にスリ傷が入り易く、また
記録画像の表面がマット状態(低光沢度タイプ品)とな
るものについては塗膜が軟らかいため鉛筆等による筆記
適性の低下を招き易いため好ましくない。逆に鉛筆硬度
が3Hよりも硬いと、熱転写シート6と被熱転写シート
を密着し、サーマルヘッドの加熱で染料を熱拡散により
被熱転写シートに転写させる昇華型熱転写記録方式或い
はサーマルヘッドの加熱で染料または顔料を熱溶融によ
り被熱転写シートに転写させる溶融型熱転写記録方式に
より記録画像を得た後、感熱接着層5を介して光沢度調
整層3を転写接着させる際に光沢度調整層3の塗膜が硬
いため転写性が低下し易いこと及び熱転写シート6の製
造過程の巻取作業において、柔軟性低下によるヒビ割れ
現象が発生し易いため好ましくない。従って光沢度調整
層3は、鉛筆硬度がH〜3Hに調整されている。
【0012】また、光沢度調整層3の360nm波長に於け
る吸光度が2.0未満では、記録画像を表色看板等に用い
た場合に自然光による画像退色(耐光性が劣る)が発生
し、記録画像の視認性が低下し易いため好ましくない。
また、前記吸光度が極端に高い場合には感熱接着層5と
の接着性が低下し易い傾向にある。従って感熱接着層5
との接着性を考慮し、光沢度調整層3の360nm波長に於
ける吸光度は、2.0〜4.0程度とすることが好ましい。
尚、鉛筆硬度は、表面性試験機HEIDON−14(新東
科学(株)製)により測定した鉛筆硬度で表示した。ま
た、吸光度は、日立(株)製の自記分光光度計320型機種
を使用し、360nm波長に於ける測定値で表示した。
【0013】次に熱転写層4は、昇華型熱転写シートの
場合には、サーマルヘッドの加熱により熱拡散して被熱
転写シートに移行する昇華染料とバインダーとを含有し
ている。また、溶融型熱転写シートの場合には、サーマ
ルヘッドの加熱により溶融して被熱転写シートに移行す
る染料または顔料とバインダーとを含有している。画像
記録のメカニズムは、熱転写シート6の熱転写層4等を
形成されている表面に被熱転写シートを密着させ、熱転
写シート6の裏面からサーマルヘッドで加熱し、熱転写
層4から熱拡散された昇華染料或いは熱溶融された染料
または顔料が被熱転写シートに移行転写する作業が、被
熱転写シートに対して熱転写シート6を移動させながら
イエロー、レッド、ブルーの熱転写層4の順で重ねられ
る様に順次画像記録が行われ、最後にその記録画像上に
感熱接着層5を介して光沢度調整層3が転写接着される
様に設計されたものである。
【0014】昇華型熱転写シートの熱転写層4に用いる
熱昇華染料としては、熱昇華性の分散染料であることが
好ましく、分子量が250程度のものが良い。対象染料と
しては、商品名カヤセットイエローG(日本化薬(株)
製)、商品名カヤセットレッドB(日本化薬(株)製)、
商品名カヤセットブルー906(日本化薬(株)製)等が例
示される。また、バインダーとしては、ポリビニルブチ
ラール、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネート、メチルセルロース、ポリエ
ステル、アクリル樹脂等の合成樹脂を使用することが好
ましい。また、溶融型熱転写シートに使用する染料また
は顔料としては、サーマルヘッドからの加熱(100〜150
℃)で分解されないものであれば特に限定されるもので
はない。対象染料としては、商品名カヤロンポリエステ
ルライトイエロー5G−S(日本化薬(株)製)、商品名
カヤロンポリエステルピンクRCL−E(日本化薬(株)
製)、商品名カヤロンポリエステルブルーB−SFコン
ク(日本化薬(株)製)等が例示される。また、対象顔料
としては、商品名リオファーストイエローG222(東洋
インキ製造(株)製)、商品名リオファーストレッドB22
5(東洋インキ製造(株)製)、商品名リオファーストブ
ルーG227(東洋インキ製造(株)製)等が例示される。
また、バインダーとしては、ポリエステル、アクリル、
スチレンアクリル等の合成樹脂或いはポリエチレンワッ
クス、ポリプロピレンワックス、エステル系ワックス、
パラフィンワックス、マイクロリスタンワックス等のワ
ックス類の単体を使用することが可能である。また、前
述の合成樹脂とワックスとを混合して使用することも可
能である。熱転写層4の形成厚みは、加熱により熱拡散
された昇華染料或いは熱溶融された染料または顔料が被
熱転写シートに移行し易くするために形成厚みが1〜5
μmが好ましい。
【0015】昇華型熱転写シートにおいて、熱転写層4
に前記した昇華染料及びバインダーの他に、画像記録時
の熱転写シート6と被熱転写シートとの融着を防止する
ためにポリエチレンワックス、フッソ樹脂、脂肪酸アマ
イド、パラフィンワックス等の成分を添加することも可
能である。尚、熱転写層4が形成されていないプラスチ
ックフィルム支持体1の裏面に耐熱処理層を形成させた
ものは、画像記録時のサーマルヘッドの加熱によるプラ
スチックフィルム支持体1の収縮歪みをより抑制するこ
とが出来るため有効な手段であり、本発明に係る熱転写
シート6への応用も可能である。
【0016】次に、感熱接着層5は、熱転写シート6と
被熱転写シートとを密着させて画像記録を行う際、イエ
ロー、レッド、ブルーの順に重ねられる様に順次画像記
録され、最後にその記録画像上にサーマルヘッドとバッ
クアップロールとのニップ圧力により熱転写シート6の
離型層2と光沢度調整層3との界面より離型し、転写接
着される樹脂層であり、感熱接着性が要求される。感熱
接着層5としては、ポリエステル、エチレンビニルアセ
テート、スチレンアクリレート樹脂等の樹脂が使用可能
である。感熱接着層5の形成厚みは、筆記適性を考慮し
0.5〜2μm程度が好ましい。
【0017】以上の様な構成を有する本発明の熱転写シ
ート6は、昇華型熱転写記録方式はもとより溶融型熱転
写記録方式用の熱転写シート6として被熱転写シートと
密着させて使用することが出来、前者の昇華型熱転写記
録方式の熱転写シート6として使用する場合の被熱転写
シートは、加熱により移行する熱転写層4の昇華染料を
受理する染料受理層がポリエステル、塩化ビニル/酢酸
ビニル、スチレンアクリレート、ポリウレタン、エポキ
シ、ビニリデンクロライド樹脂等の樹脂より形成されて
いることが昇華染料の染着性に優れており好ましく、ま
た溶融型熱転写記録方式の熱転写シート6として使用す
る場合の被熱転写シートは、従来のものをそのまま使用
可能である。また、昇華型熱転写記録方式による画像記
録時の熱転写シート6と被熱転写シートの染料受理層面
との融着を防止するために、シリコーンオイル、フッソ
樹脂、ワックス等を添加し、融着防止を図る方法が一般
に用いられている。
【0018】
【実施例】次に、実施例によって本発明に係る熱転写シ
ートを更に詳細に説明するが、具体例によって限定され
るものではない。尚、以下に示す実施例及び比較例中の
部は、固形分重量比率を示す。
【0019】実施例1 長尺のプラスチックフィルム支持体として、片面に耐熱
処理がまた他面に易接着処理がそれぞれ施された厚さ9
μmのポリエステルフィルムを使用し、このプラスチッ
クフィルム支持体の易接着処理面に、それぞれ下記の組
成から成る熱転写層及び離型層の塗料をグラビアコータ
ーにて長手方向に順次塗布乾燥させてイエロー、レッ
ド、ブルーの各色の熱転写層,離型層の順に形成した
後、この離型層上に下記の組成の光沢度調整層の塗料を
塗布乾燥させて光沢度調整層を形成し、更にこの光沢度
調整層上に感熱接着層の塗料を塗布乾燥させて感熱接着
層を形成して、光沢度調整層の鉛筆硬度が2Hで、360n
m波長に於ける吸光度が2.2と成る様に調整された昇華型
熱転写シートを作成した。 [各層の乾燥塗膜の形成厚み]熱転写層:1μm 離型
層:1μm 光沢度調整層:3μm 感熱接着層:1μm
【0020】 [熱転写層の塗料組成] 染料(日本化薬(株)製、商品名カヤセットイエローG) 3部 バインダー(積水化学(株)製、商品名エスレックBX−1) 3部 トルエン 47部 メチルエチルケトン 47部 *他2色の分散染料 商品名カヤセットレッドB及び商品名カヤセットブルー906(共に、日本化薬( 株)製)
【0021】 [離型層の塗料組成] 合成樹脂(日立化成ポリマー(株)製、商品名テスファイン322) 19部 硬化剤(関東化学(株)製、パラトルエンスルフォン酸) 1部 トルエン 30部 酢酸エチル 25部 メチルエチルケトン 25部
【0022】[光沢度調整層の塗料組成] 脂(イーストマンケミカル(株)製、セルロースアセテートプロピオネート 樹脂、 商品名CAP482−0.5) 15部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、商品名チヌビン109) 5部 トルエン 40部 酢酸エチル 40部
【0023】 [感熱接着層の塗料組成] 合成樹脂(東洋紡(株)製、商品名バイロナールMD1100) 15部 水 50部 IPA 35部
【0024】上記で得られた昇華型熱転写シートに就い
て、昇華型熱転写プリンターを用いてテストパターンを
プリントし、評価用の記録画像を得た。尚、熱転写型の
被熱転写シートは市販の日本ビクター(株)製の商品名B
C−P241SJを使用し、熱転写プリンターは市販の日
本ビクター(株)製の商品名TRUE PRINT2200
(解像度300DPI、記録速度7mm/秒)を使用した。
【0025】実施例2 離型層の料として、実施例1に於ける離型層の料に
粒子径が1.5μmのシリカ(水澤化学(株)製、商品名ミズ
カシールP527H)を20部添加したものを使用し離型層
の厚さを3μmに形成した以外は実施例1と同様にして
作成し、光沢度調整層の鉛筆硬度が2Hで、360nm波長
に於ける吸光度が2.2と成る様に調整された昇華型熱転
写シートを得た。
【0026】比較例1 光沢度調整層の塗料として、実施例1で使用した光沢度
調整層の塗料に於いて紫外線吸収剤を無添加としたもの
を使用した以外は実施例1と同様にして作成し、光沢度
調整層の鉛筆硬度が2Hで、360nm波長に於ける吸光度
が0.06と成る様に調整された昇華型熱転写シートを得
た。
【0027】比較例2 光沢度調整層の塗料として、実施例1で使用した光沢度
調整層の塗料に於いて合成樹脂をアクリルポリオール樹
脂(綜研化学(株)製、商品名サーモラックS2000)とポ
リイソシアネート樹脂(武田薬品工業(株)製、商品名タ
ケネートD110N)との混合比率が60/40と成る様に調
整した混合樹脂としたものを使用した以外は実施例1と
同様にして作成し、光沢度調整層の鉛筆硬度が4Hで、
360nm波長に於ける吸光度が2.2と成る様に調整された昇
華型熱転写シートを得た。
【0028】比較例3 光沢度調整層の塗料として、実施例1で使用した光沢度
調整層の塗料に於いて合成樹脂を塩化ビニリデン樹脂
(呉羽化学(株)製、商品名クレハロンSOA)としたも
のを使用した以外は実施例1と同様にして作成し、光沢
度調整層の鉛筆硬度がFで、360nm波長に於ける吸光度
が2.2と成る様に調整された昇華型熱転写シートを得
た。
【0029】また、本発明者等は、溶融型熱転写記録材
料への応用展開を図るために、下記に記載の溶融型熱転
写シートを作成し記録特性及び画像適性等の評価を行っ
た。
【0030】実施例3 長尺のプラスチックフィルム支持体として、片面に耐熱
処理がまた他面に易剥離処理が施された厚さ9μmのポ
リエステルフィルムを使用し、このプラスチックフィル
ム支持体の易剥離処理面に、下記の組成から成るイエロ
ー、レッド、ブルーの各色の熱転写層を乾燥塗膜の形成
厚みが1μmとなる様に形成した以外は実施例1と同様
にして作成し、光沢度調整層3の鉛筆硬度が2Hで、36
0nm波長に於ける吸光度が2.2と成る様に調整された溶融
型熱転写シートを得た。
【0031】 [熱転写層の塗料組成] 染料(日本化薬(株)製、商品名カヤロンポリエステルライトイエロー5G−S) 3部 バインター(互応化学(株)製、商品名プラスコートZ850) 3部 ワックス(東邦化学(株)製、商品名ハイテックE4A) 10部 水 44部 メタノール 40部 *他2色の分散染料 商品名カヤロンポリエステルピンクRCL−E及び商品名カヤロンポリエステ ルブルーB−SFコンク(共に、日本化薬(株)製)
【0032】実施例4 プラスチックフィルム支持体と熱転写層は実施例3と同
様で、離型層は実施例2と同様にして、それ以外の光沢
度調整層と感熱接着層は実施例1と同様のそれぞれの組
成の塗料を使用して、各層を実施例1と同様にして溶融
型熱転写シートを作成し、光沢度調整層の鉛筆硬度が2
Hで、360nm波長に於ける吸光度が2.2と成る様に調整さ
れた溶融型熱転写シートを得た。
【0033】上記で得られた溶融型熱転写シートに就い
て、溶融型熱転写プリンターを用いてテストパターンを
プリントし、評価用の記録画像を得た。尚、熱転写型被
熱転写シートは市販のFARGO(株)製の純正紙を使用
し、熱転写プリンターは市販のFARGO(株)製の商品
名PRIMERA78000(解像度203DPI、記録速度6
mm/秒)を使用した。
【0034】次いで、光沢度調整層の吸光度、鉛筆硬度
及び各熱転写シートを用い得られた記録画像に就いての
各性能を、下記の方法により測定し評価した。 (1)吸光度 光沢度調整層の吸光度は、日立(株)製の自記分光光度計
320型機を使用し、360nm波長に於ける測定値を表示し
た。 (2)耐擦傷性 光沢度調整層表面の耐擦傷性は、新東科学(株)製の商品
名HEIDON−14を使用し、荷重100g、移動速度100
(mm/min)の条件下で塗膜にキズが入る時の鉛筆硬度
を表示した。鉛筆硬度が高いもの程耐擦傷性に優れ、低
いもの程耐擦傷性に劣るものである。
【0035】(3)光沢度 記録画像の光沢度は、(株)堀場製作所製の商品名グロス
チェッカIG−310を使用し、照射角度60度に於けるレ
ッド色の画像光沢度を測定した。 (4)平滑度 記録画像の平滑性は、レッド色に就いて王研式高平滑度
計を使用し、測定した。 (5)画像濃度 マクベス(株)製の商品名マクベスRD−918型反射濃度
計を使用し、レッド色の反射濃度を測定した。 (6)階調再現性 記録画像のレッド色に就いて、目視で確認し転写抜け発
生の無い部分をDOT%で表記した。目標値は10%DO
T再現である。
【0036】(7)光沢度調整層の転写性 記録画像上に転写される光沢度調整層の転写状態は、目
視による気泡の混入の有無により評価した。気泡の発生
の無いものを○(良好)とし、気泡の発生があるものを
×(悪い)とした。 (8)光沢度調整層の筆記適性 光沢度調整層の筆記適性は、新東科学(株)製の商品名H
EIDON−14を使用し、荷重100g、移動速度100(mm
/min)の条件下でHB鉛筆による筆記状態を観察し評
価した。画線濃度が高く、画線カスレのないものを○
(良好)とし、画線濃度が低いもの或いは画線カスレが
発生したものは×(悪い)とした。 (9)耐光性 記録画像の保存性は、イエロー色に就いて、スガ試験機
(株)製の紫外線ロングライフフェードメーター、商品名
FAL−3を使用し、24時間照射を行った。照射前後で
のイエロー色の画像退色率を表記した。目標値は20%以
下である。 画像濃度測定:商品名マクベスRD918型反射濃度計 (10)熱転写シートの巻取適性 熱転写シートを巻取る際に、光沢度調整層にヒビ割れが
発生しないものを○(良好)とし、ヒビ割れが発生した
ものを×(悪い)とした。各熱転写シートに就いての作
成条件を表1に及び性能評価結果を表2にそれぞれ示
す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1及び表2から明らかな様に、画像記録
を行った記録画像上に感熱接着層を介して光沢度調整層
を転写接着させた記録画像は、離型層の合成樹脂と顔料
との混合比率の変化により光沢度調整が容易に出来た。
特に、離型層の顔料を無添加としたものは、画像光沢度
が高く印刷物なみの記録画像を得ることが出来た。更
に、光沢度調整層に紫外線吸収剤が混合されたものの記
録画像は、画像退色が少なく耐光性に優れたものであっ
た。また、比較例のものは、記録画像の耐擦傷性、光沢
度調整層の転写性,光沢度調整層の筆記特性,耐光性及
び熱転写シートの巻取適性が、1または複数の性能項目
に於いて本発明の目標範囲外であり良好なものを得るこ
とが出来なかった。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る熱転写シートは、被熱転写
シートに各色の画像記録を行った後、その記録画像上に
光沢度調整層が更に転写接着されるが、光沢度調整層に
使用する樹脂をセルロースアセテートプロピオネート樹
脂と特定し、且つ形成塗膜の光沢度調整層の鉛筆硬度を
H〜3Hとすることで、熱転写により得られた記録画像
が鉛筆等による筆記適性が良好であり、ものと擦れ合っ
た場合においてもスリ傷などが入りにくいという特徴を
有しているばかりか、記録画像を得た後に感熱接着層を
介して光沢度調整層を転写接着させる際に光沢度調整層
の転写性良好であり、熱転写シート製造過程の巻取作
業において、柔軟性低下によるヒビ割れ現象も発生しな
という特徴を有している。そして、光沢度調整度合い
の異なる光沢度調整層が形成されている熱転写シートを
用いることにより記録画像の光沢度を自由に調整するこ
とが可能となり、また記録画像の耐光性に優れた特徴を
有する記録画像を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写シートの1実施例の構成を
示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム支持体 2 離型層 3 光沢度調整層 4 熱転写層 5 感熱接着層 6 熱転写シート
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 B41M 5/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺のプラスチックフィルム支持体
    (1)の片面上に、染料または顔料とバインダーとを含
    有する各色の熱転写層(4)と、離型層(2)上にセル
    ロースアセテートプロピオネート樹脂と紫外線吸収剤と
    の混合物から成る光沢度調整層(3)が形成されており
    更に該光沢度調整層(3)上に感熱接着層(5)が形成
    されて成る積層物とが長手方向に順次連続的に形成され
    ている熱転写シート(6)であって、光沢度調整層
    (3)の鉛筆硬度がH〜3Hで、且つ360nm波長に
    於ける吸光度が2.0以上の塗工層であることを特徴と
    する熱転写シート(6)。
  2. 【請求項2】 熱転写シートの離型層(2)が、合成樹
    脂単体若しくは合成樹脂と顔料との任意の混合比率から
    成る塗工層であることを特徴とする請求項1に記載の熱
    転写シート(6)。
  3. 【請求項3】 熱転写シート(6)が、昇華型熱転写記
    録方式或いは溶融型熱転写記録方式に使用可能であるこ
    とを特徴とする請求項1及び2に記載の熱転写シート
    (6)。
JP7326213A 1995-11-22 1995-11-22 熱転写シート Expired - Fee Related JP2986722B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7326213A JP2986722B2 (ja) 1995-11-22 1995-11-22 熱転写シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7326213A JP2986722B2 (ja) 1995-11-22 1995-11-22 熱転写シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09142046A JPH09142046A (ja) 1997-06-03
JP2986722B2 true JP2986722B2 (ja) 1999-12-06

Family

ID=18185263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7326213A Expired - Fee Related JP2986722B2 (ja) 1995-11-22 1995-11-22 熱転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2986722B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100844385B1 (ko) * 2007-02-07 2008-07-08 애경피앤티(주) 열전사형 복합 필름 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09142046A (ja) 1997-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3923793B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成物
JPH0516539A (ja) 染料熱転写受像シート
JP3776704B2 (ja) 昇華転写用染料層インキ及び熱転写シート
JP2942782B2 (ja) 被熱転写シート
JP2986722B2 (ja) 熱転写シート
JPH06328862A (ja) 熱染料転写画像形成に使用する質量転写可能なドナーリボン
JP2686657B2 (ja) 熱転写カバーフイルム
JP2673498B2 (ja) 熱転写型被記録材料の製造方法
JP3147417B2 (ja) 熱転写記録媒体
JP2994244B2 (ja) 熱転写型被記録材料
JP2807190B2 (ja) 熱転写型被記録材料の製造方法
JP2825778B2 (ja) 熱転写記録用受像シート
JP3231146B2 (ja) 熱転写フイルム及びカード作製方法
JP4489332B2 (ja) 熱転写シート
JPH07172074A (ja) 被転写体及び熱転写記録方法
JP3271033B2 (ja) 熱転写受像シート
JP2003165278A (ja) 熱転写フィルム及び熱転写記録媒体
JP3009101B2 (ja) カード
JP3124316B2 (ja) 熱転写記録媒体
JP2936870B2 (ja) 熱転写材
JP2991936B2 (ja) 熱転写型被記録材料
JPS6094386A (ja) 感熱転写記録媒体
JPH0999653A (ja) 熱転写記録用受像シート及びその製造方法
JP2003094835A (ja) 熱転写フィルム及び熱転写記録媒体
JPH06115272A (ja) 熱転写受像シート

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees