JP3625327B2 - 感熱可逆記録媒体、感熱可逆記録印刷物および情報記録方法 - Google Patents

感熱可逆記録媒体、感熱可逆記録印刷物および情報記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線吸収・反射性を利用した、肉眼では識別できないが、光学的に識別可能なコードパターン等としての情報を記録するための情報記録媒体であって、かかる情報を感熱可逆的に記録することのできる感熱可逆記録媒体に関する。さらに、この感熱可逆記録媒体に印刷層を有する感熱可逆記録印刷物、およびこれら媒体および印刷物を用いた情報記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コードパターンとしてのバーコードが、種々の商取引のために使用されている。これらのバーコードは、その目的によって秘密保持性や偽造防止特性を備えていることが要求される。
例えば、特開平6−282962号には、磁気バーコードの上に隠蔽層を設ける方法が開示されている。また、特開平6−286294号にはカーボンブラック赤外吸収バーコードの上に隠蔽層としてフォーマットブラック赤外線透過層を設ける方法が開示されている。
【0003】
しかしながら、磁気バーコードは隠蔽しても磁気特性までは隠すことができず、磁気粉を用いたマグネットビュウアーを使用することによって、情報を読み取ることも可能である。また、フォーマットブラック赤外線透過層を設ける方法は、バーコード部分全体を黒色で塗り潰すことになるため、その部分には印刷を施すことができなかった。逆に言えば、カードのように限られたスペースにおいて、通常の印刷を施す必要もある場合、バーコードを形成する面積が限られ、ひいては記録できる情報が限られてしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法は、いずれもバーコード自体は肉眼で読み取りできないが、その存在は認識できるものである。それに対して、透明バーコードとも呼ぶべき、肉眼では識別できない所謂、不可視バーコードを提供する試みもなされている。
例えば、特開平6−4027号には、蛍光材料を用いた不可視バーコードが開示されている。さらに、特開平6−111055号、特開平6−128519号特開平6−183778号、特開平7−53946号には、赤外線吸収材料を用いた不可視バーコードが開示されている。
【0005】
ところが、上記赤外線吸収材料を用いた不可視バーコードでは、光学的に判読可能なレベルの強度の赤外線吸収を有するバーコードとするためには、比較的高い吸収性を有する材料を用いたり、赤外線吸収材料の含有量を増す等の工夫が必要である。ところが、赤外線吸収材料の含有量を増すとバーコードに印刷する場合の印刷性が低下する等の問題があり、必ずしも良好な物性が得られなかった。
【0006】
また、これまでの不可視バーコードは、一度形成すると、これを書き換えることはできなかった。しかし、不可視バーコードを有する記録媒体の利用範囲の拡大から、必要に応じて記録情報の書き換えが可能な不可視バーコードに対する要請も、ここにきて新たに生じてきた。
【0007】
そこで、本発明の第1の目的は、肉眼では識別できない赤外線を利用した不可視コードパターンであって、赤外線吸収材料や赤外線吸収層の印刷条件による制限がなく、かつ書き換えが可能なコードパターンを有する情報記録媒体を提供することにある。
さらに本発明の第2の目的は、肉眼では識別できない赤外線を利用した不可視コードパターンであって、赤外線吸収材料や赤外線吸収層の印刷条件による制限がなく、かつ書き換えが可能なコードパターンを有し、さらには、自由な配色の印刷層をも有する情報記録印刷物を提供することにある。
さらに本発明の第3の目的は、肉眼では識別できず、赤外線を利用することにより識別可能で、書き換えが可能な不可視コードパターンとして情報を記録する方法を提供することにある。
加えて本発明の第4の目的は、肉眼では識別できず、赤外線を利用することにより識別可能で、書き換えが可能な不可視コードパターンとして情報を記録した情報記録物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、基材、赤外線吸収層および感熱可逆記録層から少なくとも構成されることを特徴とする感熱可逆記録媒体に関する。
本発明の第2の態様は、基材、赤外線吸収層、感熱可逆記録層および赤外線透過性の印刷層から少なくとも構成されることを特徴とする感熱可逆記録印刷物に関する。
本発明の第3の態様は、上記本発明の感熱可逆記録媒体または感熱可逆記録印刷物の感熱可逆記録層を加熱して情報パターンを形成することを特徴とする情報記録方法に関する。
さらに本発明の第4の態様は、上記本発明の感熱可逆記録媒体または感熱可逆記録印刷物の感熱可逆記録層が、赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンを有し、前記パターンとして情報が記録されていることを特徴とする情報記録物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
感熱可逆記録媒体
本発明の感熱可逆記録媒体は、基材、赤外線吸収層および感熱可逆記録層から少なくとも構成される。より具体的には、例えば、図1に示すように、基材2上に赤外線吸収層3および感熱可逆記録層4をこの順に有する感熱可逆記録媒体1を挙げることができる。さらに、図2に示すように、基材2が赤外線透過性であり、この基材2の一方の側に赤外線吸収層3を有し、他方の側に感熱可逆記録層4を有する感熱可逆記録媒体1を挙げることもできる。さらに、図3に示すように、基材2が赤外線透過性であり、この基材2の上に感熱可逆記録層4および赤外線吸収層3をこの順に有する感熱可逆記録媒体1を挙げることもできる。
さらに、基材と各層との間および各層の間には、所望により中間層を設けたり、あるいは最上層となる赤外線吸収層や感熱可逆記録層の上に、保護層を設けることもできる。
【0010】
感熱可逆記録媒体において、基材は、例えば合成樹脂製シート、紙、合成紙、又はこれらを組み合わせたものであり得る。基材は、例えば、白色又は半透明色であることができる。但し、赤外線吸収層と感熱可逆記録層との間に基材がある態様においては、赤外線透過性の基材を用いる。赤外線透過性の基材としては、合成樹脂製シート等を挙げることができる。
赤外線吸収層は、例えば、赤外線領域に吸収域を有する赤外線吸収材料とこれを分散させるバインダー樹脂を含む層であることができる。赤外線吸収層は、例えば、透明、半透明又は白色であることができる。
【0011】
上記赤外線吸収層を形成するための赤外線吸収材料としては、例えば、下記のものが挙げられる:イッテルビウムと酸との塩、例えば、イッテルビウムと硫酸、硝酸、過塩素酸、炭酸等の無機酸及び酢酸、ニコチン酸等の有機酸との塩;YbPO粒子(但し、より高い赤外線吸収性を有するという観点から、結晶性が高く、粒径0.005〜0.5μmのYbPO粒子であることが適当である);並びに酸化イッテルビウム(Yb)粒子等。
【0012】
上記のイッテルビウムと酸との塩は、例えば下記の方法により製造され得る。酸化イッテルビウム(Yb)微粉末を酸水溶液に混合し、必要により加熱して酸化イッテルビウムを溶解し、酸塩の水溶液を作製する。そして、不溶解分があれば、濾過等により除去した後に、水溶液を冷却するか、あるいはアルコールを混合し、極性を下げたりして酸塩の溶解度を下げることにより、再結晶して酸塩の微粒子を得るか、若しくは溶媒成分を蒸発乾固することにより、目的物であるイッテルビウム酸塩を得ることができる。得られる塩は、常法により乾燥することができる。尚、冷却の速度や還流条件を制御することにより、粒子径を調整することができる。また、得られた塩の粒子は、粉砕等を施すことにより、粒子径を調整することもできる。粉砕としては、粉砕時に容器等を冷却する方法、不活性ガス中での粉砕やキシレントルエン等の有機溶剤中での粉砕等を挙げることができる。
YbPO粒子は、種々の方法で製造できるが、赤外線吸収性が高いという観点から、結晶性が高く、粒径0.5μm以下のYbPO粒子であることが適当である。
【0013】
YbPO粒子は、例えば、イッテルビウムアルコキシドとリン酸アルコキシドとを加水分解してYbPO粒子を生成させ、所望によりカップリング剤で表面処理することにより製造され得る。結晶性を高めるために、上記表面処理の前にYbPO粒子を加熱処理し、次いで湿式粉砕することもできる。また、公知のYbPO粒子やYbPO粒子を公知の再結晶法等により粒径1〜10μmの範囲としたYbPO粒子等を加熱処理し湿式粉砕したものも用いることができる。加熱処理の条件は、処理されたYbPO粒子の赤外線吸収性の改善の程度により適宜決定することができ、例えば、700℃〜1000℃の温度、好ましくは800〜900℃の温度で行うことが適当である。また熱処理時間は、赤外線吸収性の改善に十分な時間とすることができ、例えば、1〜6時間程度である。熱処理の雰囲気は、例えば空気中、常圧で行うことが適当である。また、湿式粉砕は、界面活性剤の存在下、有機溶剤中で行い、次いで粉砕した粒子をカップリング剤で表面処理することが好ましい。
【0014】
YbPO粒子の結晶性が高いとは、X線回折計を用いて測定される回折X線スペクトルにおいて、回折ピークがアモルファスのようにブロードにならず、スペクトルが読み取れる程度の結晶性の意味である。より具体的には、YbPOの回折X線スペクトルの主ピークである2θが約26のピークがバックグラウンドのノイズ幅の10倍以上の場合をいう。
【0015】
カップリング剤は、YbPO4 粒子及びインキビヒクルとなる樹脂と結合するものであれば特に限定はない。例えば、シラン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、金属キレート化合物などを挙げることができる。特に、化学的特性が安定(溶剤に対して強い耐性がある)であり、物理強度も強く、さらにインキビヒクルとの接着性の良い官能基が種々付加されており、選択の度合いが大きいという観点からは、シランカップリング剤であることが好ましい。シランカップリング剤としては以下のものを例示することができる。
【0016】
テトラメトキシシラン(TMOS)、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン。
【0017】
YbPO粒子に対するカップリング剤の量は、YbPO粒子の粒子径やカップリング剤の種類により適宜決定出来るが、例えば一般にはYbPO粒子100重量部に対してカップリング剤0.1〜10重量部の範囲であることが適当である。
上記の酸化イッテルビウム(Yb)粒子としては、平均粒子径が2μm以下のものが好ましく、1μmのものがさらに好ましい。
【0018】
赤外線吸収層のバインダー樹脂としては、例えば下記のものが挙げられる:蛋白質、ゴム、セルロース類、シエラック、コパル、でん粉、ロジン等などの天然樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂、レゾール型フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂。
【0019】
赤外線吸収層の厚さおよび赤外線吸収材料の濃度は、コードパターンの読み取りに十分な強度の赤外線吸収性を有するという観点から適宜決められる。また赤外線吸収材料の濃度は、赤外線吸収層を形成する際の塗布性等も考慮して決定される。通常は、赤外線吸収材料の濃度は、例えば、20〜80重量%の範囲であり、高い隠蔽性が得られるという観点から好ましくは40〜80重量%の範囲である。また、赤外線吸収層の厚さは、例えば0.5〜30μmの範囲、好ましくは2〜20μmの範囲である。
【0020】
本発明の感熱可逆記録媒体において、感熱可逆記録層とは、加熱すると、加熱部分が加熱温度に依存して可逆的に赤外線透過性又は赤外線反射性を示し、冷却後もその状態が維持される層である。即ち、感熱可逆記録層を特定範囲の温度(T1)に加熱すると赤外線を透過する状態となり、その後冷却してもその状態を維持し、さらに赤外線透過性となった感熱可逆記録層の一部または全部を、上記特定範囲とは異なる特定範囲の温度(T2)に加熱すると、加熱された部分は赤外線を反射する状態となり、その後冷却してもその状態を維持する。逆の場合も可能であり、感熱可逆記録層を特定範囲の温度(T2)に加熱すると赤外線を反射する状態となり、その後冷却してもその状態を維持し、さらに赤外線反射性となった感熱可逆記録層の一部または全部を、上記特定範囲とは異なる特定範囲の温度(T1)に加熱すると、加熱された部分は赤外線を透過する状態となり、その後冷却してもその状態を維持する。
【0021】
従って、温度(T1)に加熱することにより形成されたバーコード等のパターンを、温度(T2)に全面加熱することにより消去することができ、さらにこれを別のパターンで温度(T1)に加熱することにより、パターンの書換えを何度でも行うことができる。赤外線透過性となる温度(T1)及び赤外線反射性となる温度(T2)は、感熱可逆記録層を構成する材料等により異なる。
【0022】
感熱可逆記録層は、加熱温度に依存して透明又は白色を呈する物質として知られている有機低分子物質、例えば特開昭55−154198号に記載されている有機低分子物質を熱可塑性樹脂に分散し、これを赤外線吸収層上にコーティングすることにより形成することができる。
【0023】
そのような有機低分子物質の例としては、酸素、硫黄、窒素、ハロゲンのうち少なくとも一つの原子を含み、炭素数が10〜40、分子量が100〜700であり、且つ融点が50〜150℃の範囲である有機化合物が挙げられる。例えば、下記の有機化合物が挙げられる:アルカノール、アルカンジオール、ハロゲンアルカノール、ハロゲンアルカンジオール等の高級アルコール;高級脂肪族アミン;アルカン、アルケン、アルキン及びこれ等のハロゲン置換体;シクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルキン等の環状化合物;飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、ジカルボン酸又はこれらのエステル、アミドもしくはアンモニウム塩;飽和もしくは不飽和ハロゲン脂肪族又はこれ等のエステル、アミドもしくはアンモニウム塩;アクリルカルボン酸又はこれらのエステル、アミドもしくはアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸これらのエステル、アミドもしくはアンモニウム塩;チオアルコール又はこれらのエステル、アミドもしくはアンモニウム塩;チオカルボン酸これらのエステル、アミドもしくはアンモニウム塩;又はこれらの混合物。
【0024】
好ましくは、有機低分子物質は、炭素原子数16以上の高級脂肪酸、より好ましくは炭素原子数16〜24の高級脂肪酸であり得る。そのような高級脂肪酸の例としては下記のものが挙げられる:パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、2−ヘキサデセン酸、トランス−3−ヘキサデセン酸、2−ヘプタデセン酸、トランス−2−オクタデセン酸、シス−2−オクタデカン酸、トランス−4−オクタデセン酸、シス−6−オクタデセン酸、エライジン酸、バセニン酸、トランス−ゴンドイン酸、エルカ酸、プラシン酸、セラコレイン酸、トランス−セラコレイン酸、トランス−8,トランス−10−オクタデカンジエン酸、リノエライジン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プソイドエレオステアリン酸、12,20−ヘンエイコサジエンである。
【0025】
有機低分子物質としては2種以上の化合物を混合して用いることもできる。
例えば、主鎖の任意の位置にヒドロキシル基を2以上有する炭素原子数14以上のヒドロキシル基置換脂肪酸、例えばジヒドロキシベヘン酸、ジヒドロキシステアリン酸、トリヒドロキシステアリン酸、テトラヒドロキシステアリン酸と、脂肪族エステルとを使用すると、赤外線透過性となる温度の範囲が拡大する。
また、有機低分子物質としてジカルボン酸と脂肪族エステルを使用すると、赤外線透過性となる温度の範囲が高温側に拡大する。
【0026】
また、有機低分子物質として炭素原子数16以上の高級脂肪酸と脂肪族飽和ジカルボン酸を混合して使用することにより、赤外線透過性となる温度の範囲を高温側に拡大することができる。この場合、高級脂肪酸としては上記で例示したものを用いることができる。また、脂肪族飽和ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸を使用することができる。
【0027】
さらに、有機低分子物質として、融点の異なる2種の高級脂肪酸と、この高級脂肪酸よりも融点が高い脂肪族飽和ジカルボン酸を混合したものを使用すると、赤外線透過性となる温度の範囲が広く、しかも情報記録の書換えを繰り返し行った場合でも優れた耐久性を有する感熱可逆記録媒体を得ることができる。
感熱可逆記録層のバインダー樹脂としては、例えば下記のものを使用し得る:ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はアクリレート−メタクリレート共重合体;シリコーン樹脂;これらの混合物。
【0028】
感熱可逆記録層は、さらに高沸点溶剤、界面活性剤、その他の添加剤を含むことができる。
高沸点溶剤の例としては、下記のものが挙げられる:リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルベンジル、アジピン酸ジブチル、アジンピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル。
【0029】
界面活性剤、その他の添加剤の例としては、下記のものが挙げられる:多価アルコール高級脂肪酸エステル、多価アルコール高級アルキルエーテル、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加物、アセチレングリコール、高級アルキルベンゼンスルホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩、高級脂肪酸、芳香族カルボン酸、高級脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エステルのCa、Ba又はMg塩、低度硫酸化油、ポリ長鎖アルキルアクリレート、アクリル系オリゴマー、ポリ長鎖アルキルメタクリレート、長鎖アルキルメタクレイレート−アミン含有モノマー共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、オレフィン−無水マレイン酸共重合体。
【0030】
本発明の感熱可逆記録媒体の製造において、各層は、層の構成成分を溶解した溶液又は分散液に、必要に応じてスペーサー粒子を分散せしめ、これを基材に塗布し、乾燥することにより形成し得る。また、層の構成成分を含むインキを用い、グラビア印刷等の印刷手段により層を形成することもできる。この場合、インキは、通常印刷インキに用いられる溶剤、添加剤等を用いて、この分野で周知の方法により製造される。
感熱可逆記録層の厚さは、例えば3〜30μm、好ましくは7〜20μm、特に好ましくは10〜15μmの範囲である。
【0031】
感熱可逆記録印刷物
本発明の感熱可逆記録印刷物は、基材、赤外線吸収層、感熱可逆記録層および赤外線透過性の印刷層から少なくとも構成されることを特徴とする感熱可逆記録印刷物である。より具体的には、例えば、図4に示すように、基材2上に赤外線吸収層3、感熱可逆記録層4および赤外線透過性の印刷層5をこの順に有する感熱可逆記録印刷物6を挙げることができる。また、図5に示すように、基材2が赤外線透過性であり、基材2の一方の側に赤外線吸収層3を有し、他方の側に感熱可逆記録層4を有し、感熱可逆記録層4の上に赤外線透過性の印刷層5を有する感熱可逆記録印刷物6を挙げることができる。さらに、図6に示すように、基材2が赤外線透過性であり、この基材2の一方の側に感熱可逆記録層4および赤外線吸収層3をこの順に有し、基材2の他方の側に赤外線透過性の印刷層5を有する感熱可逆記録印刷物6を挙げることもできる。
【0032】
本発明の感熱可逆記録印刷物において、基材、赤外線吸収層および感熱可逆記録層は、感熱可逆記録媒体において説明したものと同様のものを使用できる。
【0033】
赤外線透過性の印刷層とは、実質的に赤外線を吸収も反射もせず、下層に透過させる得る印刷層である。このような印刷層は、例えばプロセスインキを用い、但し、黒色はフォーマットブラックにより印刷することにより形成することができる。即ち、一般のプロセスインキは、黄インキ、マゼンタインキ、シアンインキ及び墨インキの4色からなり、4色を刷り重ねることによりすべての色を再現することが可能なインキであり、墨インキとしてはカーボンブラックが用いられているが、本発明の感熱可逆記録印刷物の印刷層は赤外線を透過する必要があるため、墨インキを用いず、黄、マゼンタ及びシアンを混合して黒色としたフォーマットブラックを用いる。また、印刷層は赤外線透過性のホログラムであっても良い。
【0034】
かかる印刷層を形成し、感熱可逆記録層のパターン上に文字、図柄等が記載されることにより、感熱可逆記録層のパターン、即ち記録された情報を実質的に隠蔽することができると同時に、パターン記録層の存在に係わらず自由な印刷を施した印刷物を提供することができる。
【0035】
なお、感熱可逆記録層の上に、印刷層を形成しない場合は、基材を白色又は半透明として赤外線吸収層を透明又は半透明とするか、赤外線吸収層を白色とするか、又は基材及び赤外線吸収層の両方を白色とすることにより、感熱可逆記録層に形成される情報を不可視とすることができる。これは、通常、感熱可逆記録層の赤外線透過部は透明を呈し、赤外線反射部は半透明色を呈するため、感熱可逆記録層の下層が濃色又は透明であり、感熱可逆記録層の上層に何も印刷されていない場合は、記録されたパターンが判読可能となる場合があるからである。
【0036】
情報記録方法
本発明の情報記録方法は、上記の本発明の感熱可逆記録媒体又は感熱可逆記録印刷物の感熱可逆記録層を加熱して情報パターンを形成することを特徴とする。より具体的には、上記情報パターンの形成を、赤外線反射性の感熱可逆記録層を加熱して、この感熱可逆記録層に赤外線透過パターンを形成することにより行うか、または、赤外線透明性の感熱可逆記録層を加熱して、この感熱可逆記録層に赤外線反射パターンを形成することにより行う。
【0037】
さらに本発明の情報記録方法では、赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンが既に形成されている感熱可逆記録層を有する感熱可逆記録媒体または印刷物の前記感熱可逆記録層を加熱して、前記赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンを消去し、次いで、再度情報パターンを新たに形成することもできる。即ち、赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンが形成された感熱可逆記録層を加熱して赤外線反射性とし、次いで赤外線透過パターンを形成するか、または赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンが形成された感熱可逆記録層を加熱して赤外線透過性とし、次いで赤外線反射パターンを形成することができる。
【0038】
この状態を図9でさらに説明する。図中、10は赤外線透過パターン11が既に形成されている感熱可逆記録層4を有する感熱可逆記録媒体である。この感熱可逆記録媒体10の感熱可逆記録層4の全面を赤外線反射性となる温度T2で加熱して赤外線透過パターン11を消去して、赤外線反射性の感熱可逆記録層12とする(ステップA)。次いで、赤外線反射性の感熱可逆記録層12をパターンを形成するように赤外線透過性となる温度T1で加熱して、赤外線反射性の層の中に赤外線透過パターン13を形成する(ステップB)。このようにして、パターン情報の消去および記録を繰り返し行うことができる。
【0039】
尚、感熱可逆記録層は、感熱可逆記録層に含まれる有機低分子物質の種類に応じた特定範囲の温度(T2)に加熱することで赤外線反射性とすることができる。また、感熱可逆記録層は、感熱可逆記録層に含まれる有機低分子物質の種類に応じた特定範囲の温度(T1)に加熱することで赤外線透過性とすることができる。
【0040】
上記感熱可逆記録層の加熱は、レーザー光線による加熱、熱転写プリンタのサーマルヘッド等の接触による加熱等、所望の手段により行うことができる。サーマルヘッドを用いる場合は、感熱可逆記録層を赤外線透過性とする温度範囲に加熱されるサーマルヘッドと、感熱可逆記録層を赤外線反射性とする温度範囲に加熱されるサーマルヘッドとを併用することにより、既に記録されたパターンを消しながら、新たなパターンを記録することができ、これにより、情報記録の書き換えを行うことが可能になる。また、一つのサーマルヘッドを両方の温度範囲への加熱が可能となるように制御し、まず一方の範囲の温度で全面を加熱することによりパターンを消去し、その後他方の範囲の温度で新たなパターンを形成することにより、情報を書き換えても良い。なお、記録された情報は、感熱可逆記録層の赤外線透過部又は赤外線反射部により形成されたパターンを赤外線を用いた情報再生装置で認識することにより、読み取ることができる。
【0041】
情報記録物
本発明の情報記録物は、本発明の感熱可逆記録媒体または印刷物の感熱可逆記録層が、赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンを有し、前記パターンとして情報が記録されていることを特徴とする。例えば、図7に示すように、情報記録物7は、基材2上に、赤外線吸収層3および感熱可逆記録層4を有し、かつ感熱可逆記録層4が、パターンを形成する赤外線透過部8と背景を構成する赤外線反射部9とに分かれている。尚、赤外線透過部8が背景を構成し、赤外線反射部9がパターンを形成しても良い。さらに、図8に示すように、情報記録物7は、基材2上に、赤外線吸収層3、感熱可逆記録層4および印刷層5を有し、感熱可逆記録層4が、パターンを形成する赤外線透過部8と背景を構成する赤外線反射部9とに分かれている。
【0042】
このような情報記録物に赤外線を照射すると、赤外線透過部8においては赤外線が透過して下層の赤外線吸収層3に吸収され、赤外線反射部9においては赤外線は反射される。この反射と吸収のコントラストから赤外線反射部又は赤外線吸収部のパターンを認識することができる。
【0043】
本発明において、感熱可逆記録層に記録されるパターンは、バーコードの他、文字、図形等、いかなる情報であっても良い。また、本発明において、パターンは基材の一部に形成されても、全面に形成されても良い。また、基材の両側に感熱可逆記録層を形成してにそれぞれ異なる情報パターンを形成することも可能である。
【0044】
本発明の感熱可逆記録印刷物及び情報記録物としては、例えばキャッシュカード、プリペードカード、クレジットカード、会員カード、診察カード、定期券等のカード類、株券、証券類等の有価証券類等を挙げることができる。但し、これらに制限されるものではない。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明する。
実施例1
信越化学製のリン酸イッテルビウム結晶100重量部を800℃の電気炉中(雰囲気:空気、常圧)中で2時間加熱焼成し、結晶子サイズを約45nmに調整した。得られた粗粒子にイソプロピルアルコール100重量部を添加してスラリーとし、これを遊星ボールミルにより1000rpmで100分間湿式粉砕した後、80℃で3時間乾燥させて溶媒を蒸発させた。次にこのミルに100重量部のトルエン及び5重量部の界面活性剤(ホモゲノールL−18、花王株式会社製)を添加し、上記と同条件で粉砕した。さらに、これをシランカップリング剤(KBM503:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学製)0.2重量部で表面処理し、遠心分離(3500rpm/30分間)にかけ、ウェットケーキ(固形分:60%)を得た。
上記で得られたウェットケーキ60重量部をアクリル樹脂14重量部、トルエン27重量部及び沈降防止剤3重量部と攪拌してグラビアインキの形態の赤外線吸収層材料を得た。
【0046】
白色PET(188μm)基材に、上記赤外線吸収層材料を厚さ8μmでグラビア印刷することにより赤外線吸収層を形成した。これに、ベヘン酸とエイコサン二酸とを7:3の比率で混合してなる有機低分子物質45%と、塩化酢酸ビニル系樹脂55%を、溶剤としてテトラヒドロフラン及びエチルセロソルブ中に分散させてなる感熱可逆記録層材料を厚さ13μmで重ね塗りグラビア印刷することにより感熱可逆記録層を形成し、本発明の感熱可逆記録媒体を得た。
【0047】
この感熱可逆記録媒体を140℃で2分間加熱乾燥し、感熱可逆記録層全面を赤外線反射性とした。次に、100℃に加熱されるサーマルヘッドを有するバーコードプリンター(オートニクス製:BC−12W)を用いて感熱プリントを行った。サーマルヘッドにより加熱された部分は赤外線透過性となり、その結果、赤外線透過部によりバーコードパターンが記録された情報記録物が得られた。
このようにして得られた情報記録物の赤外線透過部と赤外線反射部の分光光度測定の結果を図10に示す。図10において、Aは赤外線反射部の反射スペクトルであり、Bは赤外線透過部の反射スペクトルを示す。図10より明らかなように、感熱可逆記録層の赤外線透過部と赤外線反射部では、赤外領域(約950nm)において、反射率が有意に異なっていた。なお、形成されたバーコードパターンは肉眼では認識できなかった。
【0048】
上記で形成されたバーコードパターンを、光源として赤外発光ダイオード(SHARP GL480Q:ピーク発光波長950nm)を用い、受光部としてフォトダイオード(SHARP PD413PI:ピーク感度波長960nm)を用いて、読み取り試験を行った。その結果、バーコード情報を読み取ることができた。
【0049】
参考例
イッテルビウム酸化物顔料(信越化学製:RUサブミクロンタイプ)30重量部、塩化酢酸ビニル系樹脂10重量部、アノン20重量部、イソホロン20重量部、スクゾール1000 10重量部を三本ロール分散することによりシルクインキを作製した。これを、ミラーコート紙(200μm)に厚さ10μmでシルク印刷することにより赤外線吸収層を形成した。これに、有機低分子化合物としてのベヘン酸/エイコサン二酸(7/3)をステアリン酸・/エイコサン二酸(7/3)に変えること以外は実施例1と同様に製造された感熱可逆記録層材料を厚さ12μmでグラビア印刷することにより感熱可逆記録層を形成し、本発明の感熱可逆記録媒体を得た。
【0050】
この感熱可逆記録媒体を130〜150℃で2分間加熱乾燥し、感熱可逆記録層全面を赤外線反射性とした。次に、80〜100℃に加熱されるサーマルヘッドを有するバーコードプリンター(オートニクス製:BC−12W)を用いて感熱プリントを行った。サーマルヘッドにより加熱された部分は赤外線透過性となり、その結果、赤外線透過部によりバーコードパターンが記録された情報記録物が得られた。このようにして得られた情報記録物の赤外線透過部と赤外線反射部の分光光度測定の結果を図11に示す。図11において、Aは赤外線反射部の反射スペクトルであり、Bは赤外線透過部の反射スペクトルを示す。図11より明らかなように、感熱可逆記録層の赤外線透過部と赤外線反射部では、赤外領域(約950nm)において、反射率が有意に異なっていた。なお、形成されたバーコードパターンは肉眼では認識できなかった。
【0051】
上記で形成されたバーコードパターンを、光源として赤外発光ダイオード(SHARP GL480Q:ピーク発光波長950nm)を用い、受光部としてフォトダイオード(SHARP PD413PI:ピーク感度波長960nm)を用いて、読み取り試験を行った。その結果、バーコード情報を読み取ることができた。
【0052】
【発明の効果】
本発明の感熱可逆記録媒体および印刷物を用いると、肉眼では判読困難なパターンを赤外線透過部又は赤外線反射部により形成して、これを赤外線の照射により認識することができるためため、記録された情報の秘密保持性及び偽造防止性が向上する。また、情報の書換えを何回でも簡便な方法で行うことができるため、赤外線吸収を用いた情報記録媒体の用途が拡大する。また、本発明においては、バーコード等の情報記録部の上に印刷を行うことも可能であるため、情報記録媒体の情報記録量が実質的に増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱可逆記録媒体の断面説明図。
【図2】本発明の感熱可逆記録媒体の断面説明図。
【図3】本発明の感熱可逆記録媒体の断面説明図。
【図4】本発明の感熱可逆記録印刷物の断面説明図。
【図5】本発明の感熱可逆記録印刷物の断面説明図。
【図6】本発明の感熱可逆記録印刷物の断面説明図。
【図7】本発明の情報記録物の断面説明図。
【図8】本発明の情報記録物の断面説明図。
【図9】本発明の情報記録方法の説明図。
【図10】実施例1の情報記録物の赤外線透過部と赤外線反射部の分光光度測定の結果を示すチャート。
【図11】参考例の情報記録物の赤外線透過部と赤外線反射部の分光光度測定の結果を示すチャート。

Claims (14)

  1. 基材、赤外線吸収層および感熱可逆記録層から少なくとも構成され、前記赤外線吸収層は、赤外線吸収材料として、回折X線スペクトルの主ピークである2θが約26のピークがバックグラウンドのノイズ幅の10倍以上である結晶性を示し、粒径0.5μm以下のYbPO 4 粒子を含有することを特徴とする感熱可逆記録媒体。
  2. 基材上に赤外線吸収層および感熱可逆記録層をこの順に有する請求項1記載の感熱可逆記録媒体。
  3. 基材が赤外線透過性であり、この基材の一方の側に赤外線吸収層を有し、他方の側に感熱可逆記録層を有する請求項1記載の感熱可逆記録媒体。
  4. 基材が赤外線透過性であり、この基材上に感熱可逆記録層および赤外線吸収層をこの順に有する請求項1記載の感熱可逆記録媒体。
  5. 基材、赤外線吸収層、感熱可逆記録層および赤外線透過性の印刷層から少なくとも構成され、前記赤外線吸収層は、赤外線吸収材料として、回折X線スペクトルの主ピークである2θが約26のピークがバックグラウンドのノイズ幅の10倍以上である結晶性を示し、粒径0.5μm以下のYbPO 4 粒子を含有することを特徴とすることを特徴とする感熱可逆記録印刷物。
  6. 基材上に赤外線吸収層、感熱可逆記録層および赤外線透過性の印刷層をこの順に有する請求項5記載の感熱可逆記録印刷物。
  7. 基材が赤外線透過性であり、この基材の一方の側に赤外線吸収層を有し、他方の側に感熱可逆記録層を有し、前記感熱可逆記録層の上に赤外線透過性の印刷層を有する請求項5記載の感熱可逆記録印刷物。
  8. 基材が赤外線透過性であり、この基材の一方の側に感熱可逆記録層および赤外線吸収層をこの順に有し、他方の側に赤外線透過性の印刷層を有する請求項5記載の感熱可逆記録印刷物。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱可逆記録媒体または請求項5〜8のいずれか1項に記載の印刷物の感熱可逆記録層を加熱して情報パターンを形成することを特徴とする情報記録方法。
  10. 情報パターンの形成を、赤外線反射性の感熱可逆記録層を加熱して、この感熱可逆記録層に赤外線透過パターンを形成することにより行うか、または、赤外線透明性の感熱可逆記録層を加熱して、この感熱可逆記録層に赤外線反射パターンを形成することにより行う、請求項9記載の情報記録方法。
  11. 赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンが形成された感熱可逆記録層を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱可逆記録媒体または請求項5〜8のいずれか1項に記載の印刷物の前記感熱可逆記録層を加熱して、前記赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンを消去し、次いで、情報パターンを新たに形成する、請求項9記載の情報記録方法。
  12. 赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンが形成された感熱可逆記録層を加熱して赤外線反射性とし、次いで赤外線透過パターンを形成する請求項11記載の情報記録方法。
  13. 赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンが形成された感熱可逆記録層を加熱して赤外線透過性とし、次いで赤外線反射パターンを形成する請求項11記載の情報記録方法。
  14. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱可逆記録媒体または請求項5〜8のいずれか1項に記載の印刷物の感熱可逆記録層が、赤外線透過パターンまたは赤外線反射パターンを有し、前記パターンとして情報が記録されていることを特徴とする情報記録物。
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