JP2000001068A - カードおよびその製造方法 - Google Patents

カードおよびその製造方法

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JP2000001068A
JP2000001068A JP17001198A JP17001198A JP2000001068A JP 2000001068 A JP2000001068 A JP 2000001068A JP 17001198 A JP17001198 A JP 17001198A JP 17001198 A JP17001198 A JP 17001198A JP 2000001068 A JP2000001068 A JP 2000001068A
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card
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Tadaki Inamoto
忠喜 稲本
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録により個人情報が印刷さ
れたカード状媒体を容易に得ることができ、磁気パター
ンもインクジェット印刷により行うことができ、多種類
のブランクカードを必要としない、カードコストの低減
された、しかも偽造防止にも有効な優れたカード状媒体
類およびその作成方法を提供する。 【解決手段】 基材の少なくとも片面にインクジェット
用インク受容層が設けられたカード状媒体において、該
インク受容層に磁性微粒子を含むインクによりパターン
および文字等の情報が形成されてなることを特徴とする
カード状媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カード状媒体に磁
気層を設け、特にクレジットカード、バンクカード、プ
リペイドカード、クリニックカード、メンバースカード
等に好適に用いられるカード状媒体類およびその作成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、クレジットカード、バンクカ
ード、プリペイドカード、クリニックカード、メンバー
スカード等のカード類には種々の情報が埋設されてい
る。情報の記録方法の一つとして、情報をデジタル化
し、カード上に設けられた磁気層に記録する方法が一般
に用いられている。そして磁気層が設けられたカードは
磁気カードと呼ばれている。
【0003】この磁気カードの製造方法の一例を図1に
示す。すなわちスクリーン印刷や、オフセット印刷等の
印刷がなされたコアフィルム101にオーバーレイフィ
ルム103を重ね合わせると共に磁気テープ104を所
定の位置に配置(図1(a)参照)する。これを、加熱加圧
下で溶着し一体化(図1(b)参照)する。溶着により磁気
テープは埋め込まれカード表面は平面となる。これをカ
ードサイズに打ち抜き磁気カードが作製される。ここ
で、カード基材としては熱溶着性のよい塩化ビニール樹
脂やPET-G樹脂、ABS樹脂等が用いられている。
【0004】この磁気カードは、磁気情報だけではなく
他の情報手段も併せて採用されることもしばしばある。
例えば、カードを凹凸に変形させた凸部で文字や数字を
表したエンボス、あるいはバーコード等である。さら
に、レーザー光を用いて情報記録担体上の光記録層の一
部を揮散させるか、反射率の変化を生じさせるか、ある
いは変形を生じさせて、光学的な反射率は透過率の差に
よって情報の記録再生を行う、いわゆる光カード等にも
用いられている。また、近年ICチップを装着したチッ
プカード、メモリカード、マイコンカードあるいは電子
カードと呼ばれるICカードが使用され始めているが、
これにも磁気記録を併せて持つものもある。
【0005】しかし、情報をデジタル化して行う磁気記
録では、データを直接目で見ることはできない。そこ
で、カードに記録された情報が本当にカードの所有者の
ものであるかを確認することは容易でない。
【0006】一般的に、使用の際の注意事項や規約等、
ロゴや下地の模様、絵柄等の画一的な情報は前述したス
クリーン印刷やオフセット印刷等の印刷で行われてい
る。しかし、このような印刷では、印刷する色数分の印
刷版を作成する必要があり、短時間でも作成は困難であ
るし、また少量の製作では単価は非常に高くなってしま
う。
【0007】個別の情報で視認性のあるもの、例えばカ
ードの所有者の顔や氏名、カード内容の有効期間等をカ
ードに記録したりすることが、一部で実施されている。
それは、写真そのものをカードに貼り付ける方法や昇華
熱転写方式によるものである。
【0008】しかしながら、写真そのものをカードに貼
り付ける方法では短時間での作成は困難であり、コスト
のかかる方法でもある。また、昇華熱転写型の印刷方法
を用いる方法では、インクリボンの費用が高くランニン
グコストが嵩むという欠点がある。
【0009】特に、フルカラー印刷を行うときは、印字
密度によらずイエロー、マゼンタ、シアンの三色分のイ
ンクリボンが常に消費され不経済である。また、インク
リボンは薄いフィルム状のため、慣れないとプリンター
に装着するときに破損するという問題もあった。また、
印刷するカード表面の材質には、昇華熱転写方式の印刷
に適応するものを選ぶ必要があるという制約があった。
【0010】さらに、印刷ヘッドがインクリボンを介し
て印字面に当たる接触式のため、印刷表面の微妙な凹凸
によりきれいな印刷が得られなかったり、ごみ等の異物
がカード表面にあるときは、インクリボンが印刷面に充
分密着せず、印刷不良が生じることもある。特にICが
装着されたICカードでは、その製法に起因して表面に
凹凸が生じ易く上記のような問題が発生し易い。
【0011】また、カードの端部まで印刷することは、
印刷ヘッドがカードの端面に当たってしまう恐れがあ
り、印刷ヘッドの損傷を発生する可能性があるため、通
常行われておらず、カード端面に印刷の余白が設けられ
ている。
【0012】これらの問題を解決する方法として、カー
ド表面にインク受容層を設け、インクジェット記録法に
より印刷するという方法が検討されている。この方法に
よれば、印刷ヘッドが非接触式のため上記した問題が回
避される。
【0013】すでに、カード基材にインクジェットイン
ク受容層を積層し、インクジェット記録法により情報を
記録したカードが開示されている。例えば、特開昭64
-43826号(登録第2515557号 96/04/3
0登録)では、カード基材にインク受容層を積層し、イ
ンクジェット記録により情報を記録したカードを開示し
ている。また、特公平3-24906号には、カチオン
性水和アルミニウム酸化物を含有するインク受容層に関
する例が開示されている。さらに、特開平2-2766
70号では、アルミナ水和物を含有するインク受容層が
開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェットインク受容層は、通常5〜40μm程度の厚さ
があるため、前記した磁気カードの磁気記録層の設置と
インクジェット記録による印刷を同じ面に行おうとする
と、以下のような問題があった。
【0015】すなわち、前記した磁気カードの製造方法
により作製した磁気カードの磁気層の上にインク受容層
を設けた場合、磁気層の上にインクジェットインク受容
層が設置されるため、磁気ヘッドと磁気層の間に隙間が
生じ磁気記録密度特性や分解能が低下する。
【0016】また、インクジェットインク受容層を設け
た上に磁気テープを配置し、上記した方法と同様に加熱
加圧処理して溶着しようとしても、インクジェットイン
ク受容層には、カード基材と同じような溶着性があると
は限らないので、磁気テープがインクジェットインク受
容層に溶着しなかったり、平らな面が得られなかったり
した。上記のような従来技術には、いずれもこれらの問
題すら提起されておらず、したがって当然ながら解決法
も示されてはいない。
【0017】本発明は、上記に鑑みなされたものであっ
て、その目的は上記のような問題のない、カード状媒体
に磁気層を設け、インクジェット記録により個人の情報
が印刷されたカード状媒体を容易に得ることができ、磁
気パターンもインクジェット印刷により行うことがで
き、多種類のブランクカードを用意する必要がなく、カ
ードコストが低減され、しかも偽造防止にも有効なクレ
ジットカード、バンクカード、プリペイドカード、クリ
ニックカード、メンバースカード等に好適に用いられる
優れたカード状媒体類およびその作成方法を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題・目的は以下
に示す本発明によって解決・達成される。すなわち本発
明は、基材の少なくとも片面にインクジェット用インク
受容層が設けられたカード状媒体において、該インク受
容層に磁性微粒子を含むインクによりパターンおよび文
字等の情報が形成されてなることを特徴とする、カード
状媒体を開示するものである。
【0019】そして本発明のカード状媒体は、前記イン
ク受容層に磁性微粒子を含むインクによりパターンおよ
び文字等の情報が形成され、且つインクジェット記録法
により画像情報が印刷されてなることを特徴とするもの
である。
【0020】また本発明は、カード状媒体を製造する方
法において、基材の少なくとも片面にインクジェット用
インク受容層を設けた後、該インク受容層に磁性微粒子
を含むインクによりパターンおよび文字等の情報を形成
する印刷を行うことを特徴とする、カード状媒体の製造
方法を開示するものである。
【0021】そして本発明のカード状媒体の製造方法
は、前記磁性微粒子を含むインクでの印刷方法が、イン
クジェット記録方法であることを特徴とし、もしくは前
記磁性微粒子を含むインクによりパターンおよび文字等
の情報を印刷し、且つインクジェット記録方法により画
像情報を印刷することを特徴とし、もしくは前記インク
ジェット記録方法が、インクに熱エネルギーを作用させ
てインク滴を形成する方法であることを特徴とし、もし
くは前記磁性微粒子を含むインクでのインクジェット印
刷と画像情報を形成するためのインクジェット印刷を同
一工程で行うことを特徴とし、もしくは前記インクジェ
ット印刷での磁性微粒子が、画像情報を形成するための
インク中に含有され、且つ画像情報を形成するためのイ
ンクジェット印刷する際に、磁性微粒子を含むインクで
のインクジェット印刷を同時に行うことを特徴とするも
のである。また、画像情報を印刷するインク中に磁性微
粒子を含有するインクを用いることも本発明の特徴であ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を具体的
に説明する。本発明に用いるカード基材としては、使用
目的により種々のものを使用し得る。基材として使用し
得るものの例として、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の樹脂類、また紙、
金属等も用途によっては適用し得る。
【0023】これら基材の片面あるいは両面には、スク
リーン印刷やオフセット印刷等でロゴや使用上の注意事
項、規約等の画一的に決まった情報を予め印刷しておい
てもよい。インク受容層は、基材の片面のみ設け、片面
にインクジェット記録を行ってもよいし、両面にインク
受容層を設けてもよい。
【0024】インク受容層としては、インクジェットイ
ンク吸収性の材料、あるいは、無機や有機樹脂のフィラ
ー成分をバインダー樹脂で固めたものを用いてもよい。
インク吸収性の材料として、例えばポリビニルアルコー
ルまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチン
またはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビ
アゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等
のセルロース誘導体等を使用することができる。
【0025】無機や有機樹脂のフィラー成分をバインダ
ー樹脂で固めたものの成分として、無機フィラーの例と
して、シリカゲル、アルミナ、酸化チタン、珪酸カルシ
ウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛が利用できる。また、
有機樹脂のフィラーの例としては、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレ
ン、ポリエチレン等が使用できる。
【0026】バインダー樹脂の例としては、ポリビニル
アルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、
ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性
体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン
等が使用できる。
【0027】受容層中のフィラーの含有率は40〜98
%の範囲が好ましい。より好ましくは、70〜95%の
範囲である。インクはフィラーの隙間に吸収され印刷が
なされるので、これよりフィラーが少ないとインク吸収
性が悪くなり、きれいな印刷が得られない。また、上記
の範囲以上にフィラーを配合すると、バインダー樹脂が
フィラーの結合状態を保つことができなくなり、受容層
の機械的強度が低下する。すなわち受容層にひび割れが
生じたり、フィラーの離脱が生じる。
【0028】さらに必要ならば、顔料分散剤、増粘剤、
消泡剤、抑泡剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、防バイ剤等を適宜配合することもできる。これらの
材料を基材上に塗布する際には、適当な溶媒を用いてバ
インダー樹脂成分を溶解し、フィラーは細かく分散し塗
工液とする。最も好ましい方法として、これらの材料を
水を主体とする溶媒中に分散して使用する形態が挙げら
れる。
【0029】材料が分散液の場合、基材上にインク受容
層を塗布する方法としては、一般に行われるブレードコ
ーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテ
ンコーター、バーコーター、スプレーコーター等による
塗布方法が用いられる。
【0030】塗工量としては、乾燥固形分として3〜8
0g/m2、好ましくは、5〜40g/m2である。3g
/m2以下では、単色の画像においてもインクの吸収性
が充分でなく良好な画像が形成できない。5g/m2
下では、多色の画像においてインクの吸収性が充分でな
く良好な画像が形成できない。通常のインクジェット記
録においては、5〜40g/m2程度のインク受容層が
形成されていればインク吸収性において問題はないが、
特に高印刷濃度の画像を印刷したり、階調性を出すため
に薄い濃度のインクを多く付与するときには40〜80
g/m2程度のインク受容層が必要となることもある。
これ以上の塗布量はインクの受容目的には不要でありコ
スト的にも不利となる。
【0031】その後、例えば熱風乾燥炉、熱ドラム等を
用いて乾燥し、インク受容層が形成される。このとき基
材が塩化ビニール樹脂のような軟化点の低い材料の場合
は、乾燥温度としては50〜70℃が基材の変形の起き
ない限界温度である。
【0032】インク受容層が加熱により硬化するような
ものでは、この後に加熱硬化処理を行う。ここで、前記
したように基材が塩化ビニール樹脂のような軟化点の低
い材料の場合には、基材の変形が発生するため、加圧下
で拘束しながら加熱処理することが有効である。加圧す
る際、加圧するものの表面形状が基材やインク受容層に
転写されてしまうので、フェロ版等の表面の平らなもの
で加圧することが好ましい。
【0033】しかしながら、特に表面に梨地模様である
とか特定の表面形状を得たいのであれば、それに対応し
た形状のもので加圧すればよい。加える圧力は基材の材
質とインク受容層の材質により決められるが、0.1〜
10kg/cm2の範囲で行うのが好ましい。圧力はあ
まり弱いと基材との密着が十分でなく、強すぎると基材
が流れすぎたりするので好ましくない。また、カード基
材を何枚か熱溶着する場合も上記と同様に行う。
【0034】本発明では、この後に、磁性微粒子を含む
インクを印刷する。インクの成分としては、磁性微粒
子、分散剤その他の添加剤、溶剤等からなる。このイン
クの処方は、磁性体の分散性と印刷方法による印刷適性
により決定される。磁性微粒子の例としでは、バリウム
フェライト、酸化第二鉄、コバルト、ニッケル等が用い
られる。これを分散するため、水酸基、スルホン基、カ
ルボキシル基、カルボニル基、アミノ基等の各種極性基
を導入したポリマーや界面活性剤を使用する。
【0035】その他の添加剤の例としては、分散性を向
上させるためのシランカップリング剤、帯電防止のため
のカーボンブラック等が挙げられる。また、耐磨耗性を
向上させための酸化クロム、アルミナ微粒子、潤滑性を
付与するためのシリコーンオイル、フッ素化合物等を必
要に応じて加える。
【0036】これらは、溶剤と共に分散機で分散され
る。分散機としては、ニーダー、ボールミル、ロールミ
ル、サンドミル、ディスパースミル等を使用して行われ
る。分散後に、必要に応じ未分散の大粒径の粒子やゴミ
を濾過や遠心分離により除去する。ここで、磁性微粒子
の粒径としては、500nm以下にすることが好まし
く、より好ましくは200nm以下が好ましい。これ以
上の粒径では、安定的な分散状態を維持することが困難
となる。また、インクジェット記録方式のインクとして
用いるときには、ノズルの目詰まりや吐出性能に悪影響
を及ぼすことがあるので好ましくない。
【0037】このインクを先に作製したインクジェット
インク受容層を設けたカード上に印刷する。印刷方法と
しては、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷
等の印刷方式等が用いられる。インクジェットト記録方
式を用いることは特に有効である。インクジェット方式
では、印刷領域をデジタルデータで決められるので、印
刷版を作製する必要がない。また、後に述べるインクジ
ェット記録法による画像の印刷と同一工程で処理するこ
とも可能である。
【0038】本発明の記録媒体のより好ましい様態は、
前記したインク受容層の上に、熱可塑性樹脂粒子を含む
多孔質層からなる最表層を設け、印字後に加熱処理によ
り最表層を溶融させ、非孔質化するとともインク受容層
を外気より遮断することである。最表層に使用される熱
可塑性樹脂粒子としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリエ
チレン等の粒子が使用できる。また、これらに対応する
モノマーの共重合体の粒子も使用できる。
【0039】最表層に使用される熱可塑性樹脂粒子の平
均粒子径として好ましくは、0.1〜5μm、さらに好
ましくは0.2〜2μm、最も好ましくは0.2〜0.8
μmの範囲である。この熱可塑性樹脂の平均粒子径が
0.1μm以下であると、インク受容層の隙間に樹脂粒
子が入り込みインク受容層の隙間が埋まってしまい、イ
ンク吸収性や画質が低下する。また平均粒子径が5μm
を越えると、印字後非孔質化処理を行った場合、表面が
平滑化しにくくなり光度が低下する。
【0040】かかる熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層
は、熱可塑性樹脂粒子の固形分を10〜50重量%の範
囲に調整した塗工液を、先に設けたインク受容層の上に
最表層として塗工することにより形成される。熱可塑性
樹脂粒子の塗工量としては、印字後の処理のより表面光
沢性を付与し、干渉光の発現を抑え且つ保護層として充
分機能する程度の厚さが必要であり、通常2〜10μm
になるように塗工されるのが好ましい。図6は、このよ
うな最表層が設けられた状態のカードを示す。
【0041】次に本発明では、画像の印刷をインクジェ
ット記録法により行う。このとき先に述べたように、磁
性微粒子含有インクでの印刷を同時に行ってもよい。イ
ンクジェット記録を行う場合のインクとしては、公知の
ものがなんの問題もなく使用可能である。また、色剤と
しては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、
食用色素に代表される可溶性染料、さらには分散染料、
顔料が使用可能であり、特に制限なく使用できる。色材
の耐候性を重視するのであれば顔料分散体を用いるのが
好適である。これら色剤は、従来のインク中においては
一般に1〜20重量%の割合で使用されており、本発明
においてもこの割合と同様でよい。
【0042】本発明に用いるインクに使用する溶媒は、
水または水と水溶性有機溶剤との混合溶媒もしくは、非
水系の溶剤であっても問題なく使用できる。特に安全
性、コスト等を考えた場合、好適なものは、通常プリン
ターで使用されている水と水溶性有機溶剤との混合溶媒
からなるものである。
【0043】前記のカードに上記のインクを付与して記
録を行うためのインクジェット記録方法は、インクをノ
ズルより効果的に離脱させて射程体であるカードにイン
クを付与し得る方法であればいかなる方式でもよい。特
に、特開昭54-59936号公報に記載されている方
法で、熱エネルギーの作用を受けてインクが急激な体積
変化を生じ、この状態変化による作用力によって、イン
クをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に
使用することができる。図5に、このようにして印刷さ
れたカードを示す外観斜視図を示す。
【0044】熱可塑性樹脂粒子の最表層を有するインク
受容層の場合、印字後に加熱処理を行い、最表層を多孔
質層より非孔質化する。かかる処理を施すことにより、
耐水性、耐光性等の耐候性が良好となり、画像に光沢性
を付与することができ、印字物の長期保存を可能とす
る。このときの加熱温度としては、基材、インク受容層
およびインク等の材料への影響、非孔質化後の表面性を
考慮すると、時間との関係もあるが、90〜180℃の
範囲が好ましい。
【0045】ここで、前記したように基材が塩化ビニー
ル樹脂のような軟化点の低い材料の場合では、加熱温度
が60〜70℃を越えると基材の変形が始まる。そこ
で、このような基材のときは、媒体全体を加熱すること
をせず、熱源とは非接触で、表面のみを赤外線等の熱線
を表面に照射し、最表層のみ加熱するか、加熱ラミネー
ターのようなものを用い短時間のうちに加熱処理を行
う。図8に、このような処理を行ったカードの模式断面
図を示す。311は、非孔質化した最表層を示す。
【0046】
【実施例】以下、図面に基ずき実施例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって
なんら限定されるものではない。
【0047】[実施例1]まずインク受容層の塗工液を以
下にしたがい調整した。無機フィラーとしてアルミニウ
ムイソプロポキシドの加水分解・解膠法により、毛状束
(繊毛状)構造のアルミナ水和物(ゾル)を合成した。アル
ミナ水和物の固形分100重量部に対して10重量部の
ポリビニルアルコール(商品名PVA117:クラレ社
製)、0.5重量部のほう酸(H3BO3)を加え塗工液とし
た。
【0048】この塗工液を寸法500mm×500m
m、厚さ0.74mmの白色硬質塩化ビニル樹脂板に塗
布し、60℃で20分間乾燥した。乾燥時のインク受容
層の厚さは40μmであった。これを150℃に加熱し
た平面フェロ版に挟み、1KG/CM2の圧力を加えな
がら5分間処理した後、1時間かけて40℃まで徐冷し
た。磁性微粒子入りインクは以下の組成のものを用い
た。分散は、サンドミルにより行った。
【0049】 (*分子量約7000、酸価209) このインクを幅0.3mm長さ5mmのスリットを有す
るノズルを具備するインクタンクに入れノズル先端を、
先に作製したインクジェットインク受容層を設置した塩
化ビニル樹脂の上に置き、塩化ビニルを30mm/秒の
スピードで移動させた。磁性微粒子入りインクは、イン
クジェットインク受容層に吸収され幅5.2mmのスト
ライプ状に印刷された。その後、4角のRを3.0mm
とする80.6mm×54.0mmのカード寸法に打ち抜
いた。
【0050】次に、キヤノン製BJプリンター(インク
ジェットプリンター)BJC-700Jを使用してBJ印
刷を行った。インクカートリッジは、BC-60および
BC-62Photoを用いた。印刷はICカードの裏面を厚
紙に貼り付け、手差しモードで行った。
【0051】エンコーダ処理を行い磁気データを書き込
むことができ、また読みとりも問題なく行えた。また、
得られた画像は鮮明で擦りに対しても色材が落ちること
はなかった。また、水道水中に100時間浸漬した後
も、インク受容層が剥がれることはなく、画像の乱れや
濃度の低下も見られなかった。また、40℃相対湿度9
0%の雰囲気中に50時間放置しても外観の変化は認め
られなかった。
【0052】[実施例2]磁性微粒子入りインクでの印刷
まで実施例1と同様に行った。この上に、最表層として
熱可塑性樹脂粒子の塩化ビニル粒子(製品名G-351、
日本ゼオン株式会社製:塩化ビニルラテックス、皮膜形
成温度100〜110℃)を乾燥時の厚さが約3μmに
なるようにワイヤーバーを用いて塗布し、50℃で15
分間乾燥した。その後、4角のRを3.0mmとする8
0.6mm×54.0mmの寸法に打ち抜いた。このカー
ドに実施例1と同様にBJ印刷を行った。
【0053】印刷後のカードはラミネーターを用い、加
熱したゴムローラー間を通し最表層を非孔質化した。ロ
ール温度は150℃、送りスピードは60mm/sec
で処理した。カード状媒体の変形はほとんど認められ
ず、最表層のラテックス層を非孔質化することができ
た。実施例1と同様、磁気特性、画像共に問題ないもの
が得られた。
【0054】[実施例3]カード基材として、寸法200
mm×300mm、厚さ0.10mmの白色PET-Gを
用い実施例2と同じインク受容層塗工液を用い同様にイ
ンク受容層を塗布した。これと厚さがそれぞれ、0.1
0,0.30,0.30mmで白色のPET-Gを重ね合わ
せ130℃に加熱した平面フェロ版に挟み0.5KG/
CM2の圧力を掛けながら5分間処理した後、1時間か
けて40℃まで徐冷した。次いで実施例2と同様に最表
層を塗布し処理した後、カード寸法に打ち抜いた。
【0055】次に、キヤノン製BJプリンター(インク
ジェットプリンター)BJC-620Jを使用してBJ印
刷を行った。このとき、黒のインクタンクの代わりに実
施例1で作製した磁性微粒子入りインクを充填したもの
用いた。これを用いて磁気ストライプおよびバーコード
印刷を磁性微粒子入りインクで印刷すると同時にカラー
の画像情報を印刷した。さらに、実施例2と同様に最表
層の非孔質化を行い印刷したカード状媒体を作製した。
その結果、実施例2と同様のカード状媒体が得られた。
【0056】[実施例4]カード基材として、厚さ0.7
0mmの白色ABS樹脂板を用いた以外は実施例2と同
様に行った。さらに、インクジェット印刷、最表層の非
孔質化を行い印刷したカード状媒体を作製した。その結
果、実施例2と同様のカード状媒体が得られた。
【0057】[実施例5]受容層に用いる無機フィラーと
して、コロイダルシリカ(製品名スノーテックスST-
N:日産化学工業社製)を用いた以外は実施例1と同様に
行なった。その結果、実施例1と同様のカード状媒体が
得られた。
【0058】[実施例6]インクとして、顔料インクを用
いた以外は実施例2と同様に行いカード状媒体を得た。
その結果、実施例2と同様のカード状媒体が得られた。
【0059】[実施例7]実施例3と同様に、打ち抜きま
で行った。次に、キヤノン製BJプリンター(インクジ
エトプリンター)BJC-620Jを使用してBJ印刷を
行った。このとき、黒のインクタンクには、実施例1で
作製した磁性微粒子入りインクと黒インクを等量ずつ混
合したインクを充填したもの用いた。これを用いてカラ
ーの画像情報を印刷した。さらに、実施例2と同様に最
表層の非孔質化を行い印刷したカード状媒体を作製し
た。このカードは一見したところ普通のインクジェット
印刷物と変わらない。しかし、黒インクの情報のところ
には磁性微粒子が印刷されているため磁気リーダを通す
ことにより通常のインクを用いてインクジェット印刷を
行ったものと区別することができる。したがって、偽造
防止に効果が発揮される。
【0060】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、カード状
媒体に磁気層を設け、インクジェット記録により個人の
情報がきれいに印刷されたカード状媒体を容易に得るこ
とができ、また磁気パターンもインクジェット印刷によ
り行うことができるので、多種類のブランクカードを用
意する必要がなく、そのため、カードコストを低減する
ことができ、さらには偽造防止にも有効なクレジットカ
ード、バンクカード、プリペイドカード、クリニックカ
ード、メンバースカード等に好適に用いられる優れたカ
ード状媒体類およびその作成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の磁気カードの製造方法を示す模式説明図
(但し、(a)は加熱加圧溶着による一体化処理前の状態
を、また(b)は同処理後の状態を示す)。
【図2】インク受容層が設置されたカード基材の一部断
面を示す模式説明図。
【図3】磁性微粒子入りインクで印刷されたカードの一
部断面を示す模式説明図。
【図4】磁性微粒子入りインクで印刷され、さらにイン
クジェット印刷されたカードの一部断面を示す模式説明
図。
【図5】表面に印刷されたカード状媒体を示す模式的斜
視図。
【図6】インク受容層の上に最表層を設けた他の具体例
のカードを示す模式断面図。
【図7】磁性微粒子入りインクおよびインクジェットで
印刷された最表層を設けたカードを示す模式断面図。
【図8】図7の最表層を設けた後に最表層を透明化した
カード状媒体の一部断面を示す模式断面図。
【符号の説明】
101 コアフィルム 102 印刷インク 103 オーバーレイフィルム 104 磁気テープ 201,301 カード基材 202,302 インク受容層 203,303 磁性微粒子入りインク 204,304 インクジェットインク 205 磁性微粒子入りインクで印刷された磁気スト
ライプ 206 磁性微粒子入りインクで印刷されたバーコー
ド 207,208,209 インクジェットインクによっ
て形成された画像 310 粒子状の最表層 311 非孔質化した最表層 312 最表層
フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA01 HA19 HB01 HB04 HB08 HB09 JA02 JA09 JB22 JB23 KA03 KA07 KA14 KA15 KA40 KA61 KA70 LA01 LA12 LA16 LA18 LA27 5B035 AA04 AA15 BA05 BB00 BB02 BC01 5D006 BA09 BA19 DA01 FA00 5D112 AA05 AA28 BB10 CC01 GB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面にインクジェット
    用インク受容層が設けられたカード状媒体において、該
    インク受容層に磁性微粒子を含むインクによりパターン
    および文字等の情報が形成されてなることを特徴とす
    る、カード状媒体。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層に磁性微粒子を含むイ
    ンクによりパターンおよび文字等の情報が形成され、且
    つインクジェット記録法により画像情報が印刷されてな
    ることを特徴とする、請求項1記載のカード状媒体。
  3. 【請求項3】 カード状媒体を製造する方法において、
    基材の少なくとも片面にインクジェット用インク受容層
    を設けた後、該インク受容層に磁性微粒子を含むインク
    によりパターンおよび文字等の情報を形成する印刷を行
    うことを特徴とするカード状媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記磁性微粒子を含むインクでの印刷方
    法が、インクジェット記録方法であることを特徴とす
    る、請求第3記載のカード状媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記磁性微粒子を含むインクによりパタ
    ーンおよび文字等の情報を印刷し、且つインクジェット
    記録方法により画像情報を印刷することを特徴とする、
    請求項3または4記載のカード状媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット記録方法が、インク
    に熱エネルギーを作用させてインク滴を形成する方法で
    あることを特徴とする、請求項4または5記載のカード
    状媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記磁性微粒子を含むインクでのインク
    ジェット印刷と画像情報を形成するためのインクジェッ
    ト印刷を同一工程で行うことを特徴とする、請求項5ま
    たは6記載のカード状媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記インクジェット印刷での磁性微粒子
    が、画像情報を形成するためのインク中に含有され、且
    つ画像情報を形成するためのインクジェット印刷する際
    に、磁性微粒子を含むインクでのインクジェット印刷を
    同時に行うことを特徴とする、請求項5または6記載の
    カード状媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009143192A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Dainippon Printing Co Ltd 記録媒体

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