JP2000238404A - カード状記録媒体の加熱処理方法 - Google Patents

カード状記録媒体の加熱処理方法

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JP2000238404A
JP2000238404A JP4303999A JP4303999A JP2000238404A JP 2000238404 A JP2000238404 A JP 2000238404A JP 4303999 A JP4303999 A JP 4303999A JP 4303999 A JP4303999 A JP 4303999A JP 2000238404 A JP2000238404 A JP 2000238404A
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heat treatment
heating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カード状記録媒体、特にクレジットカード、
バンクカード、プリペイドカード、クリニックカード、
メンバーズカード等に好適に用いられるカード状記録媒
体を得るためのカード状記録媒体の加熱処理方法の提
供。 【解決手段】 基材が熱可塑性樹脂よりなり、該基材上
の少なくとも一部にインクジェットインク受容層を設
け、さらに該インク受容層表面にインクジェットインク
透過性であり、且つ基材のガラス転移温度より高い温度
で加熱処理することによりインクジェットインク不透過
性となる最表層を有するカード状記録媒体を加熱処理方
法において、カード状記録媒体基材の中央部を、ガラス
転移温度以下で処理することを特徴とするカード状記録
媒体の加熱処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカード状記録媒体、
特にクレジットカード、バンクカード、プリペイドカー
ド、クリニックカード、メンバーズカード等に好適に用
いられるカード状記録媒体の加熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりカード状記録媒体は、クレジッ
トカード、バンクカード、プリベイドカード、クリニッ
クカード、メンバースカード等種々の目的に利用されて
いる。これらのカード状記録媒体には、その用途に応じ
た種々の情報がいろいろな方法により埋設されている。
【0003】情報の記録方法の一つとして、情報をデジ
タル化し、カード上に設けられた磁気層に記録する方
法。あるいはバーコードを表面に印刷する方法。さらに
レーザー光を用いて情報記録担体上の光記録層の一部を
揮散させるか、反射率の変化を生じさせるか、あるいは
変形を生じさせて、光学的な反射率か透過率の差によっ
て情報の記録生成を行ういわゆる光カード等も用いられ
ている。また、近年ICチップを装着したチップカー
ド、メモリカード、マイコンカードあるいは、電子カー
ドと呼ばれるICカードが使用され始めている。また、
カードを凹凸に変形させた凸部で文字や数字を表したエ
ンボスも情報記録の一つである。また、上記した情報記
録方法は、しばしば、複数の方法が一枚のカード状記録
媒体に用いられることがある。
【0004】しかし、情報をデジタル化して行う記録方
法では、データを直接目で見ることができない。そこ
で、カードに記録された情報が本当にカードの所有者の
ものであるかを確認すること、すなわち本人認証を行う
ことは容易でない。
【0005】一般的に、使用の際の注意事項や規約等、
ロゴや下地の模様、絵柄等の画一的な情報は、スクリー
ン印刷やオフセット印刷等の印刷で行われている。しか
し、このような印刷では、印刷する色数分、印刷版を作
成する必要があり短時間での作成は困難であるし、また
少量製作での単価は非常に高くなってしまう。
【0006】個別の情報で視認性のあるもの、例えば、
カードの所有者の顔や氏名、カード内容の有効期間等を
カードに記録したりすることが、一部で実施されてい
る。それは、写真そのものをカードに貼り付ける方法や
昇華熱転写方式によるものである。しかし、写真そのも
のをカードに貼り付ける方法では短時間での作成は困難
であり、コストのかかる方法でもある。
【0007】また、昇華熱転写型の印刷方法を用いる方
法では、インクリボンのコストが高くランニングコスト
が高いという欠点がある。特に、フルカラー印刷を行う
ときは、印字密度によらず少なくともイエロー、マゼン
タ、シアンの三色分のインクリボンが常に消費され不経
済である。また、インクリボンは薄いフィルム状のた
め、慣れないとプリンターに装着するときに破損すると
いうこともあった。また印刷するカード表面の材質は、
昇華熱転写方式の印刷に適したものを選ぶという制約が
あった。
【0008】さらに、印刷ヘッドがインクリボンを介し
て印字面に当たる接触式のため、印刷表面の微妙な凹凸
により奇麗な印刷が得られなかったり、ゴミ等の異物が
カード表面にあるときは、インクリボンが印刷面に充分
密着せず、印刷不良が生じることもある。また、カード
の端部まで印刷することは、印刷ヘッドがカードの端面
に当たってしまう恐れがあり、印刷ヘッドの損傷を発生
する可能性があるため、通常行われておらず、カード端
面に印刷の余白が設けられている。
【0009】これらの問題を解決する方法として、カー
ド表面にインク受容層を設け、インクジェット記録法に
より印刷するという方法が検討されている。この方法に
よれば、印刷ヘッドが非接触式のため上記した問題が回
避される。また、画像情報のあるところだけインクを飛
翔させ着弾させるいわゆるオンデマンド式のインクジェ
ット記録方式であれば、ランニングコストを低く抑える
ことができる。
【0010】従来、カード基材にインクジェットインク
受容層を積層し、インクジェット記録により情報を記録
したカードが開示されている。例えば、特開昭64-4
3826号(登録第2,515,557 '96/04/30登録)で
は、カード基材にインク受容層を積層し、インクジェッ
ト記録により情報を記録したカードを開示している。ま
た、特公平3-24906号では、インク受容層にカチ
オン性水和アルミニウム酸化物を含有するものが開示さ
れている。
【0011】特開平2-276670号では、アルミナ
水和物を含有するインク受容層が開示されている。ま
た、特開平8-2090号には、カード状記録媒体にア
ルミナ水和物多孔質層を設け、該層上に加熱処理を施し
て緻密化したインクジェット記録型カードが記載されて
いる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクジェッ
トインク受容層を設けただけのカード状記録媒体では、
カードの使用状況を考えた場合、長期の使用により汚れ
てしまうということが考えられる。また、屋外で長期に
暴露された場合、退色するおそれがある。また、インク
ジェット記録適性は残されているので、さらにインクジ
ェット記録を行うことでデータを改竄することも可能で
ある。
【0013】特開平8-2090号には、インクジェッ
トインク受容層上に加熱処理によって緻密化する最上層
を設け、インクジェット記録後に加熱処理を行い上記す
る問題を回避する方法が記載されている。しかしなが
ら、クレジットカード、バンクカード、プリペイドカー
ド、クリニックカード、メンバースカード等で通常使用
されている、塩化ビニル樹脂等のガラス転移温度の低い
熱可塑性樹脂を基材とするカード状記録媒体では、通
常、最表層の熱処理の温度が基材のガラス転移温度より
高いため、最表層の加熱処理の際、基材の寸法変化やソ
リが生じてしまうという問題が起こる。上記公知例で
は、これらの問題は提起されておらず、何ら解決策も示
されていない。
【0014】本発明は、上記に鑑みなされたものであっ
て、上記のような問題のないカード状記録媒体、特にク
レジットカード、バンクカード、プリペイドカード、ク
リニックカード、メンバーズカード等に好適に用いられ
るカード状記録媒体を得るためのカード状記録媒体の加
熱処理方法の提供をその目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題・目的は、以
下に示す本発明によって解決・達成される。すなわち、
基材が熱可塑性樹脂よりなり、該基材上の少なくとも一
部にインクジェットインク受容層を設け、さらに該イン
ク受容層表面にインクジェットインク透過性であり、且
つ基材のガラス転移温度より高い温度で加熱処理するこ
とによりインクジェットインク不透過性となる最表層を
有するカード状記録媒体を加熱処理方法において、カー
ド状記録媒体基材のほぼ中央部を、ガラス転移温度以下
で処理することを特徴とする加熱処理方法である。
【0016】また、インクジェット記録を行ったカード
状記録媒体の一部に、最表層の熱処理温度より高い表面
温度を有する加熱媒体を接触させ、該加熱媒体を連続的
に走査することによりカード状記録媒体の表面全体を加
熱処理することも本発明の特徴である。また、加熱媒体
が、ロール形状であって、相対するロールと共に加圧し
且つ等しい線速度でカード状記録媒体を送りながら加熱
処理することも本発明の特徴である。
【0017】また、加熱媒体が、フィルムもしくはシー
トであって、線状の発熱部を有する発熱体と、前記フィ
ルムもしくはシートの一方の面が該発熱体と摺動し、他
方の面がカード状記録媒体と接して共に移動する加熱処
理方法であることも本発明の特徴である。
【0018】また、加熱媒体の表面が弾性体であること
も本発明の特徴である。また、インクジェット記録方法
が、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を形成
する方式であることも本発明の特徴である。また、イン
クジェット記録方法が、圧電素子の変形によりインク滴
を形成する方式であることも本発明の特徴である。
【0019】さらに、カード状記録媒体の基材材質が、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリ
ル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、グリコー
ル変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(下記式(I)の
構造式を有するPETG:イーストマンケミカル社商標)
【0020】
【化1】 あるいは、これらのポリマーブレンド、または、これら
に相当するモノマーの共重合体であることも本発明の特
徴である。さらに、カード状記録媒体の最表層の材質が
熱可塑性樹脂の微粒子であることも本発明の特徴であ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を具体的
に詳細説明する。本発明に用いるカード基材としては、
熱可塑性樹脂であれば特に制約はないが、使用目的によ
り種々のものが使用し得る。基材として使用し得るもの
の例として、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢
酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹
脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、
あるいは、これらのポリマーブレンド、または、これら
に相当するモノマーの共重合体を挙げることができる。
【0022】これら基材の片面あるいは両面には、スク
リーン印刷やオフセット印刷等でロゴや使用上の注意事
項、規約等の画一的に決まった情報をあらかじめ印刷し
ておいてもよい。
【0023】インク受容層は、基材の片面のみ設け、片
面にインクジェット記録を行ってもよいし、両面にイン
ク受容層を設けてもよい。インク受容層としては、イン
クジェットインク吸収性の材料、あるいは、無機や有機
樹脂のフィラー成分をバインダー樹脂で固めたものを用
いてもよい。インク吸収性の材料としては、例えば、ポ
リビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその
変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはそ
の変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等のセルロース誘導体等を使用するこ
とができる。
【0024】無機や有機樹脂のフィラー成分をバインダ
ー樹脂で固めたものの成分として、無機フィラーの例と
しては、シリカゲル、アルミナ、酸化チタン、珪酸カル
シウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛等が利用できる。ま
た、有機樹脂のフィラーの例としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン等を使用できる。バ
インダー樹脂の例としては、ポリビニルアルコールまた
はその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたは
その変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴ
ム、カルボキシメチルセルロ-ス、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等が使用でき
る。
【0025】受容層中のフィラーの含有率は、40〜9
8%の範囲が好ましい。より好ましくは、70〜95%の
範囲である。インクはフィラーの隙間に吸収され印刷が
なされるので、これよりフィラーが少ないとインク吸収
性が悪くなり奇麗な印刷が得られない。また、上記の範
囲以上にフィラーを配合すると、バインダー樹脂がフィ
ラーの結合状態を保つことができなくなり、受容層の機
械的強度が低下する。すなわち受容層にひび割れが生じ
たり、フィラーの離脱が生じる。
【0026】さらに必要ならば、顔料分散剤、増粘剤、
消泡剤、抑泡剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、防バイ剤等を適宜配合することもできる。
【0027】これらの材料を、基材上に塗布する際に
は、適当な溶媒を用いて、バインダー樹脂成分を溶解
し、フィラーは細かく分散し塗工液とする。最も好まし
い方法として、これらの材料を水を主体とする溶媒中に
分散して使用する形態が挙げられる。
【0028】材料が分散液の場合、基材上にインク受容
層を塗布する方法としては、一般に行われるブレードコ
ーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテ
ンコーター、バーコーター、スプレーコーター等の塗布
方法が用いられる。
【0029】塗工量としては、乾燥固形分として3〜8
0g/m2、好ましくは5〜40g/m2である。3g/m2以下で
は、単色の画像においてもインクの吸収性が充分でなく
良好な画像が形成できない。また、5g/m2以下では、多
色の画像においてインクの吸収性が充分でなく良好な画
像が形成できない。
【0030】通常のインクジェット記録においては、5
〜40g/m2程度のインク受容層が形成されていれば、イ
ンク吸収性において問題はないが特に高印刷濃度の画像
を印刷したり、階調性を出すために薄い濃度のインクを
多く付与するときには、40〜80g/m2程度のインク受
容層が必要となるときもある。これ以上の塗布量は、イ
ンクの受容目的は不要でありコスト的にも不利となる。
【0031】その後、例えば熱風乾燥炉、赤外線乾燥炉
等を用いて乾燥し、インク受容層が形成される。このと
き基材が塩化ビニール樹脂のような軟化点の低い材料の
場合は、乾燥温度としては50〜70℃が基材の変形の
起きない限界温度である。
【0032】インク受容層が加熱により硬化するような
ものでは、この後に加熱硬化処理を行う。ここで、前記
したように基材が塩化ビニール樹脂のような軟化点の低
い材料の場合では、基材の変形が発生するため、加圧下
で拘束しながら加熱処理することが有効である。加圧す
る際、加圧するものの表面形状が基材やインク受容層に
転写されてしまうので、表面の平らなもので加圧するこ
とが好ましい。
【0033】しかし、特に表面に梨地模様であるとか特
定の表面形状を得たいのであればそれに対応した形状の
もので加圧すればよい。加える圧力は基材の材質とイン
ク受容層の材質により決められるが、1〜15kg/cm2
範囲で行うのが好ましい。圧力があまり弱いと基材との
密着が充分でなく、強すぎると基材が流れすぎたりする
ので好ましくない。また、カード基材で何枚か熱溶着す
る場合も上記と同様に行う。
【0034】本発明では最表層として、前記したインク
受容層の上に、熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層からな
る最表層を設け、印字後に加熱処理により最表層を溶融
させて、非孔質化すると共にインク受容層を外気より遮
断する。最表層に使用される熱可塑性樹脂粒子として
は、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸
エステル、ポリスチレン、ポリエチレン等の粒子が使用
できる。また、これらに対応するモノマーの共重合体の
粒子も使用できる。
【0035】最表層に使用される熱可塑性樹脂粒子の平
均粒子径としては、0.1〜3μm、さらに好ましくは
0.2〜2μm、最も好ましくは0.2〜0.8μmの範
囲である。この熱可塑性樹脂の平均粒子径が0.1μm
以下であると、インク受容層の隙間に樹脂粒子が入り込
みインク受容層の隙間が埋まってしまい、インク吸収
性、画質が低下する。また平均粒子径が5μmを越える
と、印字後、非孔質化処理を行った場合、表面が平滑化
し難くなり光度が低下する。
【0036】かかる熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層
は、熱可塑性樹脂粒子の固形分を10〜50重量%の範
囲に調整した塗工液を、先に設けたインク受容層の上に
最表層として塗工することにより形成される。熱可塑性
樹脂粒子の塗工量としては、印字後の処理により表面光
沢性を付与し、干渉光の発現を抑え、且つ保護層として
充分機能する程度の厚さが必要であり、通常1〜10μ
mになるように塗工されるのが好ましい。図1に、イン
ク受容層および最表層を片面に設けたカード状記録媒体
を示す。また図2には両側に設けたカード状記録媒体を
示す。
【0037】本発明では、画像の印刷をインクジェット
記録法により行う。このとき先に述べたように、インク
ジェット記録を行う場合のインクは、公知のものが何ら
問題なく使用可能である。また、色剤としては直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、さらには分散
染料、顔料が使用可能であり、特に制限なく使用でき
る。色剤の耐候性を重視するのであれば、顔料分散体を
用いるのが好適である。これら色剤は、従来のインク中
においては一般に0.1〜20重量%の割合で使用されて
おり、本発明においてもこの割合と同様でよい。
【0038】本発明に用いるインクに使用する溶媒は、
水または水と水溶性有機溶剤との混合溶媒もしくは、非
水系の溶剤であっても問題なく使用できる。特に安全
性、コスト等を考えた場合、好適なものは、通常プリン
ターで使用されている水と水溶性有機溶剤との混合溶媒
からなるものである。
【0039】前記のカードに上記のインクを付与して記
録を行うためのインクジェット記録方法は、インクノズ
ルより効果的に離脱させて射程体であるカードにインク
を付与し得る方法であればいかなる方式でもよい。特
に、特開昭54-59936号に記載されている方法
で、熱エネルギーの作用を受けてインクが急激な体積変
化を生じ、この状態変化による作用力によって、インク
をノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に使
用することができる。このインクジェット記録の際、イ
ンクジェットインクは最表層の熱可塑性樹脂粒子の層は
素通りし、下部のインク受容層に吸収されインクジェッ
ト記録が行われる。
【0040】次いで、加熱処理を行い最表層を多孔質層
より非孔質化する。かかる処理を施すことで、耐水性、
耐光性等の耐候性が良好となり、画像に光沢性を付与す
ることができ、印字物の長期保存を可能とする。ここ
で、本発明では、カード状記録媒体の一部に、最表層の
熱処理温度より高い表面温度を有する加熱媒体を接触さ
せ、この加熱媒体を連続的に走査することでカード状記
録媒体の表面全体を加熱処理する。
【0041】この方法によれば、カード状記録媒体の表
面は多孔質層を非孔質化する温度以上に加熱することが
でき、且つカード状記録媒体の内部においては基材の分
子がミクロブラウン運動を開始する温度すなわちガラス
転移温度より低い温度に抑えることができる。そのた
め、基材に問題となる大きなソリが生じることなく、最
表層の非孔質化が行われる。また、加熱媒体が、カード
状記録媒体の表面全体を一度に加熱するのではないた
め、加熱媒体を小さいものとすることができ、装置もコ
ンパクトになり、装置コストを抑えることができる。
【0042】本発明をより詳しく説明するため、カード
表面および内部の温度を測定するための熱電対を表面お
よび内部に埋め込んだカード状記録媒体を作成し、上記
した加熱処理を施したときの温度変化をみた。図4およ
び5はカード状記録媒体を本発明の方法で加熱したとき
の温度を示す。
【0043】図4は、カード状記録媒体の両面を処理し
た場合で、図4(a)は加熱を行う前のカード状記録媒体
の表面および内部(ほぼ中央)の温度を示している。この
場合、いずれも室温を示している。ここで、Taは最表層
を非孔質化するための最低温度、Tgはカード状記録媒体
の基材のガラス転移温度、R.T.は室温を表す。Dはカ
ード状記録媒体の厚さで、D1/2はカード状記録媒体の
ほぼ中央を表す。
【0044】図4(b)は、カード状の表面が最高温度に
達したとき、すなわち、加熱媒体が離れる直前の温度状
態を示す。表面温度は、最表層の非孔質化処理温度を超
えているがカード状記録媒体の中央部ではTgを超えてい
ない。
【0045】図4(c)は加熱媒体が離れた後、カード状
媒体の内部温度が最高になったときの状態である。これ
以降は表面においても内部においても温度は低下し室温
に戻る。本発明では、カード状記録媒体の内部温度が最
高になる図4(c)の状態でもカード基材のガラス転移温
度以下であることを特徴とする。
【0046】図5は、カード状記録媒体を最表層のある
片面のみ加熱した場合の表面および内部(ほぼ中央)の温
度を示している。図5(a)は加熱を行う前のカード状記
録媒体の表面および内部の温度を示している。この場
合、いずれも室温を示している。
【0047】次に図5(b)は、片側(図中の厚さ方向で
0の側)のみを加熱し、表面温度が最高に達したとき、
すなわち加熱媒体が離れる直前の温度を示す。処理を行
う側の表面の温度は最表層の非孔質化処理温度を超えて
いるが、カード状記録媒体の中央部ではTgを超えていな
い。
【0048】図5(c)は加熱媒体が離れた後、カード状
記録媒体の内部温度が最高になったときの状態である。
これ以降は表面においても内部においても温度は低下し
室温に戻る。本発明では、カード状記録媒体の内部温度
が最高になる図5(c)の状態でもカード基材のガラス転
移温度以下であることを特徴とする。
【0049】このような処理方法の具体的な例として
は、加熱したゴムローラの間を通したり、また、特開昭
63-313182号に記載されているようなフィルム
加熱方式、すなわち、加熱媒体がフィルムもしくはシー
トであって、線状の発熱部を有した発熱体と、上記フィ
ルムもしくはシートの一方の面がこの発熱体と摺動し、
他方の面がカード状記録媒体と接して共に移動する方式
が挙げられる。
【0050】これを、図3に基づいて詳しく説明する
と、305は、エンドレスベルト状のフィルムである。
本発明では、このフィルムが直接カード状記録媒体に接
触するので加熱媒体に相当する。306は駆動ローラで
あり、307は従動ローラである。フィルムは、この駆
動ローラ306と従動ローラ307および下方に配置し
た加熱体としての低熱容量線状加熱体301の3部材、
すなわち306,307,301間に懸回張設してある。
【0051】従動ローラ307は、エンドレスベルト状
のフィルムのテンションローラを兼ねさせている。フィ
ルムは駆動ローラ306の時計方向回転駆動に伴い時計
方向に所定の周速度で回動駆動される。駆動ローラ30
6はフィルムに対して摩擦係数の高い耐熱材料、例えば
シリコンゴム等をコートした金属ローラであり、従動ロ
ーラ307は駆動ローラ306に比べて摩擦係数の低
い、例えばムクの金属ローラ等である。
【0052】309は、加圧部材としての、シリコンゴ
ム等の離型性のよいゴム弾性を有する加圧ローラであ
り、前記のエンドレス状フィルムの下行側フィルム部分
を挟ませて前記加熱体の下面に対して不図示の付勢手段
により、例えば総圧5〜10kgの当圧接をもって対抗圧
接させてあり、カード状記録媒体300の搬送方向に順
方向の反時計方向に回転する。加熱体301は、ヒータ
基板302、通電発熱抵抗体(発熱体)303、検温素子
304等よりなり、ヒータ支持体308に取り付け保持
させて固定支持させてある。
【0053】ヒータ支持体308は加熱体301を断熱
支持する断熱性・高耐熱性・剛性を有するもので、例えば
PPS(ポリフェニレンサルファイト)、PAI(ポリア
ミドイミド)・PI(ポリイミド)・PEEK(ポリエーテル
エーテルケトン)・液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、こ
れらの樹脂とセラミックス・金属・ガラス等との複合材料
等で構成できる。ヒータ基板302は耐熱性・絶縁性・低
熱容量・光熱伝導性の部材であり、一例として厚み1mm・
幅10mm・長さ80mmのアルミナ基板である。
【0054】発熱体303は、ヒータ基板302の下面
(フィルムとの対向面側)にほぼ中央に長手に沿って、例
えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、Ta2N等の電気抵抗材
料を厚み約10μm・幅1〜3mmにスクリーン印刷等に
より塗工し、その上に表面保護層として、耐熱ガラス3
02aを約10μmコートしたものである。基板の上面
(発熱体を設けた面とは反対側)のほぼ中央部には、検温
素子としての低熱容量のサーミスタ304を熱伝導性の
よいシリコーン系接着剤により接着配置している。
【0055】本例の加熱体301の場合は、線状または
帯状をなす発熱体303に対し、その長手方向両端部よ
り通電し、発熱体303をほぼ全長にわたって発熱させ
る。給電機構についてはここでは省略する。加熱媒体3
01とカード状記録媒体300との接触部分については
ゴムのような弾性体がより好ましい。これは、カード状
記録媒体表面に凹凸があっても弾性体がこの凹凸をある
程度吸収し密着がよくなるからである。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。また、ガラス転移温度(Tg)の測定には、動的粘
弾性測定装置((株)東洋精機製作所製レオグラフソリッ
ド:装置名)を用いた。
【0057】[実施例1]まず、インク受容層の塗工液を
下記のようにして調整した。無機フィラーとしてアルミ
ニウムイソプロポキシド加水分解・解膠法により、毛状
束(繊毛状)構造のアルミナ水和物(ゾル)を合成した。ア
ルミナ水和物の固形分100重量部に対して10重量部
のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117:商品名)、
0.5重量部のほう酸(H2BO3)を加え塗工液とした。
【0058】この塗工液を、寸法500mm×500mm、
厚さ0.1mmの透明硬質塩化ビニル樹脂シート(東亜化成
株式会社製GenothermZE84:製品名,Tg:74℃)に塗布
し、60℃で20分間乾燥した。乾燥時のインク受容層
の厚さは33μmであった。
【0059】次に、厚さ0.28mmの白色硬質塩化ビニ
ル樹脂シート(東亜化成株式会社製GenothermFZ88:製品
名,Tg:78℃)を2枚重ね、この上に上記したインク受
容層を塗工した塩化ビニルシートをインク受容層が外側
になるように重ね、下部にはインク受容層の塗布してい
ない上記した厚さ0.1mmの透明硬質塩化ビニル樹脂シ
ートを重ねた。これを以下のように熱溶着処理し1枚の
シートにした。
【0060】すなわち、150℃に加熱した表面が平滑
なステンレス版に挟み、5kg/cm2の圧力をかけながら5
分間加熱した後、1時間かけて40℃まで徐冷して取り
出した。この上に、最表層として熱可塑性樹脂粒子の塩
化ビニル粒子(日本ゼオン株式会社製塩化ビニルラテッ
クスG-351:製品名、被膜形成温度100〜110℃)を
乾燥時の厚さが約3μmになるようにワイヤーバーを用
いて塗布し、50℃で15分間乾燥した。その後、8
0.6mm×54.0mm、4角のRは3.0mmの寸法に打ち
抜きカード状記録媒体(図1参照)とした。
【0061】次に、キャノン製BJプリンター(インク
ジェットプリンター:BJC-700J)を使用してBJ印刷を行
った。インクカートリッジは、BC-60およびBCI-
62Photoを用いた。印刷はカード状記録媒体の裏面を
厚紙に貼り付け、手差しモードで行った。
【0062】これを、加熱したゴムロールの間を通すこ
とで加熱処理を行った。ゴムロールの径は60mmで、送
り方向のカード状記録媒体との接触長さは10mmであっ
た。加熱および送り速度を変えた結果を表1に示す。
【0063】
【表1】 表1で、カードの内部到達温度は上記したカード状記録
媒体作成の熱溶着の際に、2枚の白色硬質塩化ビニル樹
脂シートの間に熱電対センサーを埋め込んだサンプルを
別途作成し、同条件で加熱処理したときの最高内部到達
温度を測定して示してある。
【0064】最表層の非孔質化処理が行われたどうか
は、ブラックインク印字率100%の部分の反射濃度
(O.D.)を測定し、その値が1.5以上のものを非孔質
処理が行われたものと判定した。未処理のものや非孔質
化処理が不完全なものは、最表層の熱可塑性樹脂粒子が
完全に潰れておらず、空隙があるため白くくすんで見え
るため、光学的反射能が低い値となる。また、反射濃度
が1.5以上のものはインクジェットインクを吸収する
ことがなく、このことから非孔質化処理が行われている
ことがわかる。
【0065】ソリ量の測定は、カード状記録媒体を平ら
な台の上に置き四隅の台から浮き量を測定し平均値を示
した。インク受容層を上にして、四隅が浮くものは正の
値とし、インク受容層を下にして、四隅が浮くものは負
の値として示した。ソリの判定は、0.5mm以下であれ
ばソリとしてほとんど感じないため問題なし(○)とし
た。最表層の非孔質化がなされ、且つソリが問題となら
ない条件は、カード内部到達温度を基材のガラス転移温
度以下(この基材の場合78℃以下)に保つことにより達
成できることがわかる。
【0066】また、得られた画像は鮮明で擦りに対して
も色材が落ちることはなかった。また、水道水中に10
0時間浸した後も、インク受容層が剥がれることはな
く、画像の乱れや濃度の低下も見られなかった。また、
40℃相対湿度90%の雰囲気中に50時間放置しても
外観の変化は認められなかった。
【0067】[実施例2]実施例1と同じインク受容層
を、塗工液を寸法330mm×300mm、厚さ0.1mmの
透明PETG(三菱樹脂(株)製ディアフィクスPG-C:商品
名,Tg:84℃)に塗布し、60℃で20分間乾燥した。
乾燥時のインク受容層の厚さは30μmであった。
【0068】次に、上記と同寸法で厚さ0.28mmの白
色PETG(三菱樹脂(株)製ディアフィクスPG-W:商品
名,Tg:83℃)を2枚を重ね、この外側に上記したイン
ク受容層を塗工したPETGシートをインク受容層が外
側になるように重ねた。
【0069】これを以下のように熱溶着処理し1枚のシ
ートにした。すなわち、130℃に加熱した表面が平滑
なステンレス版に挟み、5kg/cm2の圧力をかけながら5
分間加熱した後、1時間かけて40℃まで徐冷し取り出
した。以下、実施例1と同様に最表層を設け、カード状
に打ち抜きカード状記録媒体を作成(図2参照)した。
【0070】次に、実施例1と同様にインクジェット記
録を行った。印刷後のカードは実施例1と同様にラミネ
ーターを用い、加熱したゴムローラー間を通し最表層を
非孔質化した。ここでも、熱伝対センサーを埋め込んだ
サンプルを別途作成し、実施例1と同様にカード内部到
達温度を測定した。結果を表2に示す。
【0071】
【表2】 ここでも、基材の内部到達温度を基材のガラス転移温度
80℃以下に保つことで、カード状記録媒体の変形を問
題のない程度に抑え、且つ最表層の熱処理を行うことが
できる。また、得られた画像は鮮明で擦りに対しても色
材が落ちることはなかった。また、水道水中に100時
間浸した後も、インク受容層が剥がれることはなく、画
像の乱れや濃度の低下も見られなかった。また、40℃
相対湿度90%の雰囲気中に50時間放置しても外観の
変化は認められなかった。
【0072】[実施例3]溶着の際、中のPETGを厚さ
0.28mmの白色シート(筒中プラスチック工業株式会社
製耐熱グレードサンロイドピップPET:製品名,Tg:106
℃)に変え、溶着温度を160℃に変えた以外は実施例
2と同様に行った。結果を表3に示す。
【0073】
【表3】 ここでも、基材の内部到達温度を基材のガラス転移温度
106℃以下に保つことで、カード状記録媒体の変形を
問題のない程度に抑え、且つ最表層の熱処理を行うこと
ができる。
【0074】また、得られた画像は鮮明で擦りに対して
も色材が落ちることはなかった。また、水道水中に10
0時間浸した後も、インク受容層が剥がれることはな
く、画像の乱れや濃度の低下も見られなかった。また、
40℃相対湿度90%の雰囲気中に50時間放置しても
外観の変化は認められなかった。
【0075】[実施例4]図3に示す、いわゆるフィルム
加熱方式の加熱装置を用い実施例1で作成した塩化ビニ
ル製のカード状記録媒体を加熱処理した。耐熱性フィル
ムのカード状記録媒体との接触部の温度は140℃、送
り方向の接触長さは10mm、送り速度は20、30およ
び40mm/secで加熱処理した。いずれも、最表層は非孔
質化処理され、且つソリはほとんど見立たない程度であ
った。
【0076】[比較例1]実施例1で作成したカード状記
録媒体にインクジェット印字したものを用い、発熱部1
0mm幅×200mm長のヒーターを用い、媒体とヒーター
の間にギャップを設けながら発熱体の幅方向に送ること
で最表層の加熱処理を行った。発熱体の表面温度が22
0℃、ギャップ2mm、送りスピード2mm/secの場合に、
カードの変形は0.3mmで、且つ最表層の非孔質化を行
うことができたが、これより遅いスピードでは加熱処理
中にソリが大きくなり処理不能であった。
【0077】またこれより遅いスピードでは、最表層の
非孔質化処理が行われなかった。またギャップをこれ以
上広げた場合、送りスピードが遅く実用性を失い、狭め
た場合は、処理中にソリが発生し処理不能であった。こ
の方法では、実施例と比較しても処理スピードが上がら
ないこと、処理条件のマージンが狭いことがわかる。
【0078】[比較例2]実施例1で作成したカード状記
録媒体に、インクジェット印字したものを用いた。加熱
媒体として寸法150mm×150mmのアルミ板にヒータ
ー組み込み、表面にシリコンゴムを有するものをカード
全面が覆われるように接触させ加熱処理した。加熱媒体
の表面温度を110〜160℃、接触時間を0.2〜1.
0秒まで変化させカード状記録媒体の加熱処理を行っ
た。両面加熱、片面加熱の両方を検討したが、最表層が
非孔質化処理されたものは全てカードの変形、すなわち
ソリが発生し、カード内部到達温度がガラス転移温度
(78℃)を超えており、満足に処理されたものはなかっ
た。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクジェット記録により個人の情報が奇麗に印刷され
たカード状記録媒体を容易に得ることができる。また、
最表層の加熱処理条件のマージンが広くとれるため装置
設計が行いやすい。また、装置をコンパクトに設計する
ことが可能である等々の顕著な効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】片面一面にインクジェットインク受容層および
最表層を設けたカード状記録媒体を示す模式断面図。
【図2】両面にインクジェットインク受容層および最表
層を設けたカード状記録媒体を示す模式断面図。
【図3】本発明のフィルム加熱方式を示す模式説明図。
【図4】カード状記録媒体を本発明の方法で加熱(両面
を処理した場合)したときの温度分布を示すグラフ図。
【図5】カード状記録媒体を本発明の方法で加熱(片面
のみを処理した場合)したときの温度分布を示すグラフ
図。
【符号の説明】
101,201 コアフィルム(溶着跡は不図示) 102,202 インクジェットインク受容層 103,203 最表層 300 カード状記録媒体 301 加熱体 302 ヒーター基板 302a (耐熱ガラス)表面保護層 303 発熱体 304 (サーミスタ)検温素子 305 フィルム 306 駆動ローラ 307 従動ローラ 308 ヒーター支持体 309 加圧ローラ 310 取り出しガイド 311 挿入ガイド 312 トレー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材が熱可塑性樹脂よりなり、該基材上
    の少なくとも一部にインクジェットインク受容層を設
    け、さらに該インク受容層表面にインクジェットインク
    透過性であり、且つ基材のガラス転移温度より高い温度
    で加熱処理することによりインクジェットインク不透過
    性となる最表層を有するカード状記録媒体の加熱処理方
    法において、カード状記録媒体基材の中央部を、ガラス
    転移温度以下で処理することを特徴とするカード状記録
    媒体の加熱処理方法。
  2. 【請求項2】 前記カード状記録媒体の一部に、最表層
    の熱処理温度より高い表面温度を有する加熱媒体を接触
    させ、該加熱媒体をカード状記録媒体に対して、連続的
    に走査することによりカード状記録媒体の表面全体を加
    熱処理することを特徴とする、請求項1記載の加熱処理
    方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱媒体が、ロール形状であって、
    相対するロールと共に加圧し且つ等しい線速度でカード
    状記録媒体を送りながら加熱処理することを特徴とす
    る、請求項1または2記載の加熱処理方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱媒体が、フィルムもしくはシー
    トであって、線状の発熱部を有する発熱体と、前記フィ
    ルムもしくはシートの一方の面が該発熱体と摺動し、他
    方の面がカード状記録媒体と接して共に移動することを
    特徴とする、請求項1または2記載の加熱処理方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱媒体の表面が、弾性体であるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の
    加熱処理方法。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット記録方法が、インク
    に熱エネルギーを作用させてインク滴を形成する方式で
    あることを特徴とする、請求項1記載の加熱処理方法。
  7. 【請求項7】 前記インクジェット記録方法が、圧電素
    子の変形によりインク滴を形成する方式であることを特
    徴とする、請求項1記載の加熱処理方法。
  8. 【請求項8】 前記基材材質が、塩化ビニル樹脂、塩化
    ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、
    ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、ポ
    リカーボネート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレ
    フタレート樹脂、あるいは、これらのポリマーブレン
    ド、または、これらに相当するモノマーの共重合体であ
    ることを特徴とする、請求項1記載の加熱処理方法。
  9. 【請求項9】 前記最表層の材質が、熱可塑性樹脂の微
    粒子であることを特徴とする、請求項1記載の加熱処理
    方法。
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