JP4614340B2 - サーマル記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイレクトサーマル印字を利用した2色以上のカラー印字可能なサーマル記録媒体に関するものである。
従来から個別情報を記録する手法の1つとして、ダイレクトサーマル印字方式が知られている。この方式は情報を目視で確認できるため、レシート、定期券、商品券、fax用紙などの用途で需要が広がっている。近年、黒発色以外に赤発色、緑発色などの他の色で発色するサーマル材料が、実用化されつつあり、2色以上のカラー印字可能なサーマル記録媒体が開発されている。2色印字する場合には、例えば特許文献1にあるように、支持体上、黒発色層と赤発色層を中間層を介して、順次積層して構成する方法が知られている(図5)。赤印字の際は印字エネルギーを低くし、黒印字の際は印字エネルギーを高く設定する方法が一般的である。(赤発色した上で黒発色すれば黒に見える)
上記の2色印字可能なサーマル記録媒体に記録するプリンタは、赤・黒の印字を1回の搬送で行うことができるような2色対応型プリンタの開発が進んでおり、実用化されている。上述した一般的な多色のサーマル印字方式では、色相が多くなるに従い、記録媒体、プリンタに以下の負荷が、大きくかかることになる。
a)各発色層と、発色層同士の間に中間層を設ける必要があり、多層で積層する必要があり、コスト高となる。
b)専用プリンタが必要であり、発色の色数や色相の変更に応じて、サーマルヘッド、装置のソフト変更、搬送機構の改良が必要となる場合があり、即座に対応することが困難である。
特開平10−147069号公報
上記のように、ダイレクトサーマル印字を利用した2色以上のカラー印字可能なサーマル記録媒体において、感熱発色層同士の間に中間層を設ける必要がなく、製造コストを抑えられ、専用プリンタを使用せずに汎用プリンタにより2色以上のカラー印字可能なサーマル記録媒体を提供することを目的とする。
以上の状況を鑑み、鋭意研究開発を進め、ダイレクトサーマル印字方式を利用するサーマル記録媒体において、その製造コストを抑えられ、専用プリンタを使用せずに、汎用プリンタで記録でき、また非常に偽造防止性が高く、意匠性も高いサーマル記録媒体を見出したものである。すなわち、請求項1に記載の発明は、基材上に、赤発色の1層の感熱発色層を設けたサーマル記録媒体において、基材と感熱発色層との間に緑色及び黄色の色相を有するカラー印刷層を設け、該カラー印刷層が緑色のマイクロ文字を少なくとも含み、該マイクロ文字がサーマルプリンタで再現できない程度の高い解像度を有したパターン印刷の絵柄であり、上記の赤発色の記録部分に、上記マイクロ文字が黒色で散らばって、観察可能となることを特徴とする。
本発明は、基材上に、赤発色の1層の感熱発色層を設けたサーマル記録媒体において、基材と感熱発色層との間に緑色及び黄色の色相を有するカラー印刷層を設け、該カラー印刷層が緑色のマイクロ文字を少なくとも含み、該マイクロ文字がサーマルプリンタで再現できない程度の高い解像度を有したパターン印刷の絵柄であり、上記の赤発色の記録部分に、上記マイクロ文字が黒色で散らばって、観察可能となる構成であり、このサーマル記録媒体を感熱発色の記録を行なうと、その発色記録部の色相と、さらにその発色部の下に位置するカラー印刷層がその発色層を透過して見え、そのカラー印刷層の色相は、元のカラー印刷層自体の色相と感熱発色層の発色の色相との混色が現れる。これにより、複数の感熱発色層を設けたり、感熱発色層同士の間に中間層を設ける必要がなく、汎用プリンタにより、2色以上のカラー印字が可能となるサーマル記録媒体が得られた。また、サーマル記録媒体のカラー印刷層を、サーマルプリンタで再現できない程度の高い解像度を有した、マイクロ文字のパターン印刷の絵柄で形成することにより、偽造防止性の高いものが得られる。
また赤発色の記録相当部分にマイクロ文字が散らばった状態で位置され、赤発色の記録部分の中で、マイクロ文字が黒色で観察され、このマイクロ文字は、サーマルプリンタで再現できない程度の高い解像度を有したものであり、偽造防止性の非常に高いものである。
また黄色のカラー印刷層の上で、感熱発色層が赤発色して、記録部がオレンジ色で観察でき、2色以上のカラー印字が可能となり、さらに、偽造防止性が高く、意匠性も高いものである。
図1は、本発明のサーマル記録媒体1の一つの実施形態を示す概略の断面図であり、基材2上に、カラー印刷層3、感熱発色性材料を含有し、加熱により赤色に発色する感熱発色層4を順次設けた構成である。図1には示していないが、感熱発色層3の上、すなわち最外層には保護層を設けて、サーマルヘッドによる適性向上やサーマル記録媒体の取扱い上の耐久性の向上等を図ることができる。
また、図2は、本発明のサーマル記録媒体1の一つの実施形態を示す概略の平面図である。数字の「012」に示す部分は感熱発色層による赤発色の記録部分であり、拡大で図示したように、その赤発色の記録部分には「DNP」というマイクロ文字が散らばった状態で位置している。そのマイクロ文字は、基材と感熱発色層との間に、緑色のカラー印刷層により形成されたものであり、感熱発色層の赤発色と、下に位置するカラー印刷層の緑色との混色により、上から見ると黒色として観察される。また、Wに示す部分に四角形のベタ状に黄色のカラー印刷層が基材と感熱発色層との間に形成されている。そのWに示す部分に「345」の感熱発色層による記録がなされ、感熱発色層の赤発色と、下に位置するカラー印刷層の黄色との混色により、「345」は上から見るとオレンジ色として観察される。
また、図2のXに示す部分に「DNP」の文字が中抜きされて、緑色のカラー印刷層が基材と感熱発色層との間に形成されている。そして、そのXに示す部分で、中抜きせずに全体をベタ状に感熱発色層による加熱記録がなされ、「DNP」の文字は感熱発色層の赤色の発色として観察される。また、「DNP」の周辺のXに示す部分は、感熱発色層の赤発色と、下に位置するカラー印刷層の緑色との混色により、上から見ると黒色として観察される。また、Yに示す部分に四角形のベタ状に緑色のカラー印刷層が基材と感熱発色層との間に形成されている。そのYに示す部分に「大日本印刷」の感熱発色層による記録がなされ、感熱発色層の赤発色と、下に位置するカラー印刷層の緑色との混色により、「大日本印刷」は上から見ると黒色として観察される。同様に、Zに示す部分に四角形のベタ状に緑色のカラー印刷層が基材と感熱発色層との間に形成されている。そのZに示す部分に「−」の感熱発色層による記録がなされ、感熱発色層の赤発色と、下に位置するカラー印刷層の緑色との混色により、「−」は上から見ると黒色として観察される。
図3は、本発明のサーマル記録媒体1の他の実施形態を示す概略断面図であり、基材2上に、緑色のカラー印刷層3を部分的に設け、さらにそのカラー印刷層3の上と、カラー印刷層3が設けられていない部分は基材2に直接、加熱により赤色に発色する感熱発色層4が設けられたものである。このサーマル記録媒体1に加熱記録して、記録部AとBを形成する。記録部Aは、感熱発色層4の発色の赤色が現れる。尚、記録部Aの下にはカラー印刷層3は位置せず、基材2が位置している。また記録部Bは、感熱発色層4の赤発色と、下に位置するカラー印刷層3の緑色との混色により黒色として観察される。さらに、図示したCの矢印で示した部分では、感熱発色層4の発色していない部分の乳白色を通して、下に位置する緑色のカラー印刷層3が、うっすらと薄緑色で見える。また、図示したCの矢印で示した部分で、カラー印刷層3が、うっすらと薄緑色を見えないようにするために、感熱発色層を熱で溶融して、隠蔽性を有する白から透明になる層として、設けることもできる。
図4は、本発明のサーマル記録媒体1の他の実施形態を示す概略断面図であり、基材2上に、黄色のカラー印刷層31と緑色のカラー印刷層32を部分的に設け、さらにそのカラー印刷層31及び32の上と、カラー印刷層31、32が設けられていない部分は基材2に直接、加熱により赤色に発色する感熱発色層4が設けられたものである。このサーマル記録媒体1に加熱記録して、記録部AとBとDを形成する。記録部Aは、感熱発色層4の発色の赤色が現れる。尚、記録部Aの下にはカラー印刷層31、32は位置せず、基材2が位置している。また記録部Bは、感熱発色層4の赤発色と、下に位置するカラー印刷層32の緑色との混色により黒色として観察される。また記録部Dは、感熱発色層4の赤発色と、下に位置するカラー印刷層31の黄色との混色によりオレンジ色として観察される。
(基材)
本発明のサーマル記録媒体における基材2は、シート状、フィルム状あるいは板状の材質からなり、材料としては特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、セルロースジアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどのプラスチック、銅、アルミニウムなどの金属、紙、含浸紙などを単独あるいは組み合わせて、積層したりして用いることができる。基材の厚さは、0.005〜5mm程度が適当である。
(感熱発色層)
本発明のサーマル記録媒体は、感熱発色性材料を有する部分として、感熱発色層4を設ける。この感熱発色層は、感熱発色性材料を含有するもので、詳細には熱融解反応により発色する電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物が含まれ、さらに必要に応じて増感剤、退色防止剤、顔料や滑剤などの充填剤、分散剤、結着剤などが含まれる。但し、カラー印刷層の色相と感熱発色層の色相の混色が確実に行なわれて、見やすくするために、本発明で使用する感熱発色層は、感熱発色後に、透明性の高いものが好ましい。言い換えれば、この感熱発色層の発色後の視感透過率が50%以上が好ましい。よって、上記に挙げた感熱発色剤を構成する材料として、充填剤等は極力少なくするか、全く添加しない方が好ましい。
感熱発色層は、基材へのコーティング、印刷などにより層として形成する。感熱発色層の形成方法としては、グラビア、ロールコート、スプレーコート、ディッピング、その他がある。電子供与性染料前駆体としては、ロイコ染料としてこの種の感熱材料に適用されているもの、フルカラーの場合には、イエロー、シアン、マゼンタ系に発色するものが選ばれる。その電子供与性染料前駆体として、具体的にはトリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などが使用でき、発色する色相に応じて適宜選択する。
上記の電子受容性化合物としては、電子供与性染料前駆体と組み合わせられる顕色剤であり、ビスフェノールAなどのフェノール性物質、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エロキシテトラデカノイック酸などの有機酸、金属錯体化合物、チオジフェニル尿素、キノン類などがある。また増感剤としては、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、シュウ酸ジベンジル、トリルビフェニルエーテル、脂肪酸アマイド類がある。退色防止剤としては、水酸基をブロックした顕色剤の類似物、亜鉛塩などの有機金属塩、ヒンダードフェノール類などがある。
感熱発色層の形成には、上記材料からなる層を形成するためにインキまたは塗料を調製する。インキまたは塗料の結着剤としては、主に水溶性樹脂が主成分となり、ポリビニルアルコール、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、尿素樹脂、メラニン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂などがある。また、必要に応じて各種補助剤を添加できる。
本発明のサーマル記録媒体は、1枚の記録媒体の単位で、保有する感熱発色層を発色色相の異なる発色層の条件で、2層以上を基材上に設けることができる。例えば、2層の感熱発色層を形成する場合、上層と下層とが、それぞれ発色温度が異なるようにして形成する。好ましくは上層に(サーマルヘッドと接する側に近い)、相対的に発色温度が低い発色剤(赤発色する発色剤等)を、下層には(サーマルヘッドと接する側に遠い)、相対的に発色温度が高い発色剤(黒発色する発色剤等)を使用する。この発色温度の異なる発色剤は、前記発色性化合物および顕色剤の選択によって当業者が容易に決められる。2層及び単層でも感熱発色層の厚さは通常、各層で約3〜10μm程度、乾燥時の塗工量で約3〜10g/m2程度である。尚、本発明では、2層以上の感熱発色層を基材上に形成し、印字エネルギーを変化させて、感熱発色の2色以上を発現させることも可能であるが、プリンタ装置のソフト変更などが必要であり、基材上に感熱発色層を1層で設けることが好ましく、汎用プリンタを用いて、2色以上のカラー印字が可能となる。
(カラー印刷層)
本発明のサーマル記録媒体は、基材と感熱発色層との間に、カラー印刷層3が積層されている。この構成をとることで、サーマル印字により、感熱発色層が感熱発色した時に、その発色部の下に、赤色、黄色等の任意の色相で、着色されたカラー印刷層を位置させることにより、そのカラー印刷層自体の色相と、感熱発色層における発色の色相とが混合した色相が感熱発色層側から見て観察できる。
本発明のカラー印刷層は任意の形状で形成できるが、サーマルプリンタで再現できない程度の高い解像度を有した、マイクロ文字、地紋、彩紋等の非常に細かなパターン印刷の絵柄で形成することが好ましく行なわれる。それにより、サーマルプリンタで記録したり、一般的な方法では製造することができなく、偽造防止性の高いものが得られる。マイクロ文字と称せられる文字の大きさは、一般的に0.25mm角(1級)であるが、0.5mm角(2級)、0.75mm角(3級)、1.0mm角(4級)程度まで使用できる。このマイクロ文字に限らず、地紋、彩紋等のパターンの印刷絵柄は、200線以上の高密度の線数で印刷再現されることが好ましい。これにより、高解像度のカラー印刷層が印刷され、形成できる。また、カラー印刷層のマイクロ文字、地紋、彩紋等の細かなパターンの絵柄は、主として0.5mm以下の太さの線(直線、曲線)や点から設けることが好ましい。上記の線や点の太さが0.5mmを越えると、細かな絵柄ではなくなり、偽造防止性が低下してくる。
カラー印刷層は、オフセット印刷方式、グラビア印刷、活版(フレキソ)印刷のいずれかにより形成することができる。また、インキタイプとしては、紫外線硬化型や電子線硬化型のインキや、酸化重合型のインキ、または水性インキ、溶剤系インキが使用できる。カラー印刷層を形成するインキとして、代表的に使用される紫外線(UV)硬化型の場合で、以下に詳細に説明するが、電子線硬化型、熱硬化型のインキや、酸化重合型のインキでも使用できるので、以下のものに限定されるものではない。紫外線硬化型インキを構成するUV硬化型樹脂は、紫外線照射によって重合反応を起して硬化して樹脂となるモノマー、オリゴマー或いはプレポリマーであればその種類は特に限定されず、公知の種々のものが使用できる。またカラー印刷層は紫外線硬化性の樹脂成分に通常、光重合開始剤を含む。
プレポリマーの例としては、脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)ポリアクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート側鎖及び/又は末端にメタ(アクリロイルオキシ基)を有するビニル系又はジエン系低重合体等のプレポリマーが挙げられる。またモノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類、活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる2官能単量体N−ビニルピロリドンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有単量体、活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルよりなる多官能単量体等が挙げられる。光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、プレポリマー及びモノマーに対して0.5〜10質量%の割合で添加して使用される。
上記に挙げたようなUV硬化型樹脂、光重合開始剤、各種色相の顔料や染料の着色剤、必要に応じて、その他の添加剤を加えて、紫外線硬化型インキを調整する。このような紫外線硬化型インキや、電子線硬化型インキ、酸化重合型インキにより、カラー印刷層を形成する。そのカラー印刷層の厚さは約0.01μm以上、好ましくは0.01〜5μm程度である。単位面積当たりの質量では、乾燥時で約0.01〜5g/m2程度である。その厚さが少なすぎると、感熱発色層の発色との混色によるカラー印刷層の絵柄が目視において認識しづらくなる。またそのカラー印刷層の厚さが多すぎると、マイクロ文字、地紋、彩紋等の非常に細かなパターン印刷の絵柄が潰れてしまう。
(保護層)
本発明のサーマル記録媒体は、サーマルヘッドと接する最表面側に保護層を設けることができ、サーマルヘッドによる適性向上やサーマルカードの取扱い上の耐薬品性、耐水性、耐摩擦性等の耐久性の向上等を図ることができる。保護層を形成する材料としては、上述したカラー印刷層のバインダー樹脂に用いる材料などから表面保護層として所望の物性を有する樹脂組成を選定できる。特に、表面の耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性を要する場合は、紫外線や電子線硬化性樹脂がよく用いられる。また、保護層には、サーマルヘッドとの適性をもたせるため、滑り剤として各種の無機フィラー、有機フィラーを保護層の透明性に阻害しない範囲で添加したり、各種のワックス類、シリコーン系成分、フッ素系成分等の剥離性成分を添加することもできる。保護層の膜厚は、所望の物性等により選定するが、通常0.1〜10μmである。保護層も上記の感熱発色層と同様の方法で、形成できる。
本発明のサーマル記録媒体は、図1に示したような構成において、基材2の感熱発色層4が設けられている面と反対側に、あるいは基材2の感熱発色層3が設けられている面と同一面に、また両面において、従来から知られている磁気層や、ホログラム層、液晶層等を設けることができ、定期券、乗車券、トランプ、入場券等の各種の用途に使用することができる。
厚さ188μの乳白色のポリエチレンテレフタレートを基材とし、該基材の一方の面に、γ−Fe23粉末が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とウレタン系樹脂とからなるバインダー溶液中に分散されてなる磁性コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して厚さ15μmの磁気層を形成した。この基材の他方の面に、図2に示すように、Xに示す部分に「DNP」の文字を中抜きした状態で、緑色のグラビアインキにより、グラビア印刷でカラー印刷層を形成した。また、YとZに示す部分に四角形のベタ状に緑色のグラビアインキにより、グラビア印刷でカラー印刷層を形成した。さらに、数字の「012」に示す感熱発色層による発色の記録部分に相当する箇所で、図2の拡大図に示すように、「DNP」というマイクロ文字を散らばせた状態で、緑色のグラビアインキにより、グラビア印刷により、サーマルプリンタで再現できない程度の高い解像度を有したパターンの絵柄として、カラー印刷層として形成した。さらに、Wに示す部分に四角形のベタ状に黄色のグラビアインキにより、グラビア印刷でカラー印刷層を形成した。
次に、上記の緑色と黄色のカラー印刷層の上と、そのカラー印刷層が設けられていない部分も含めて、基材上の全面に、下記組成の感熱発色層コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の感熱発色層を形成し、実施例1のサーマル記録媒体を作製した。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
(感熱発色層コーティング剤)
赤染料(3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン) 10部
顕色剤(3、3−ジクロロフェニチオ尿素) 85部
溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液) 5部
上記の得られた実施例1のサーマル記録媒体に対して、サーマルヘッドによりダイレクトサーマル印字により、図2に示すように、Xに示す部分で四角形の全面ベタ状に加熱記録したところ、黒色のベタの中に「DNP」の文字が赤色で観察された。また、図2のYに示す部分の中で、ダイレクトサーマル印字により、「大日本印刷」の文字で加熱記録したところ、周辺がうっすらと薄緑色に見える中で、「大日本印刷」の文字が黒色で観察された。また同様に、図2のZに示す部分の中で、ダイレクトサーマル印字により、「−」の文字で加熱記録したところ、周辺がうっすらと薄緑色に見える中で、「−」の文字が黒色で観察された。
また、図2の「012」に示す部分は、感熱発色層による赤発色の記録部分に相当する部分であり、拡大で図示したように、その赤発色の記録相当部分に「DNP」というマイクロ文字が散らばった状態で位置され、赤発色の記録部分の中で、「DNP」のマイクロ文字が黒色で観察された。このマイクロ文字は、サーマルプリンタで再現できない程度の高い解像度を有したものであり、偽造防止性の非常に高いものであった。また、図2のWに示す部分の中で、ダイレクトサーマル印字により、「345」の文字で加熱記録したところ、周辺がうっすらと薄黄色に見える中で、「345」の文字がオレンジ色で観察された。この実施例で記録されたサーマル記録媒体は、感熱発色層同士の間に中間層を設けたものではなく、製造コストが抑えられ、専用プリンタを使用せずに汎用プリンタにより、2色以上のカラー印字が可能となった。さらに、偽造防止性が高く、意匠性も高いものであった。
本発明のサーマル記録媒体の一つの実施形態を示す概略の断面図である。 本発明のサーマル記録媒体の一つの実施形態を示す概略の平面図である。 本発明のサーマル記録媒体の他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明のサーマル記録媒体の他の実施形態を示す概略断面図である。 2色のカラー発色の印字可能な従来のサーマル記録媒体を示す概略図である。
符号の説明
1 サーマル記録媒体
2 基材
3 カラー印刷層
4 感熱発色層
31、32 カラー印刷層

Claims (1)

  1. 基材上に、赤発色の1層の感熱発色層を設けたサーマル記録媒体において、基材と感熱発色層との間に緑色及び黄色の色相を有するカラー印刷層を設け、該カラー印刷層が緑色のマイクロ文字を少なくとも含み、該マイクロ文字がサーマルプリンタで再現できない程度の高い解像度を有したパターン印刷の絵柄であり、上記の赤発色の記録部分に、上記マイクロ文字が黒色で散らばって、観察可能となることを特徴とするサーマル記録媒体。
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