JP2006142598A - スクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法 - Google Patents

スクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スクラッチ隠蔽層付印刷物において、その製造中に個別情報が視認されず、不正に読み取られる危険性がなくセキュリティ面での信頼性に優れるスクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法の提供にある。
【解決手段】基材シート30の表面の一部に、当落、等級等を表す可変の個別情報11を記録しうる、無色ないし極淡色透明な感熱発色層15がベタ状に印刷され、該感熱発色層15の個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチ隠蔽層34が透明な易剥離層32を介して施され、前記個別情報11がサーマルヘッドにより感熱発色層15に記録されているスクラッチ隠蔽層付印刷物1であり、この感熱発色層は、熱可逆性インキ(リライタブルインキ)を用いてベタ状に印刷されているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、インスタント籤券で代表されるスクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法に関するものであり、さらに詳細には、スクラッチ隠蔽層で隠蔽される当落等を表す個別情報が製造中に不正に読み取られることのない、セキュリティの面で信頼性に優れるスクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法に関する。
従来、例えば、インスタント籤券やゲーム用のカードなどにおいて、「当たり」、「外れ」あるいは等級、それらに該当する絵柄や記号などの個別情報を隠蔽するために、隠蔽性とスクラッチオフ性(引っ掻き落とし易さ性)を有するインキによりその個別情報を隠蔽し、購入した顧客あるいは販売所等がそのスクラッチ隠蔽層をコインや爪等でスクラッチオフしてこの個別情報を視認あるいは読み取るようにしてあるスクラッチ隠蔽層付印刷物が知られ、種々の分野で広く利用されている。
上記のスクラッチ隠蔽層付印刷物として、例えば図6(a)の積層断面図に示すように、用紙などでなる基材シート(30)の上に絵柄、文字、数字などの個別情報(11)が印刷されていて、その個別情報(11)を覆うように透明な剥離ニスなどによる易剥離層(32)が形成され(この易剥離層がない場合もある)、その易剥離層(32)の上にアルミニウム粉末等を含むスクラッチ隠蔽層(34)が施されているスクラッチ隠蔽層付印刷物(2)がある(例えば、特許文献1参照。)。
以下に、上記先行技術文献を示す。
特開平11−157266号公報 上記のスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)を購入した顧客あるいは販売した販売所等がコインや爪、あるいは専用のスクラッチ剥離装置等でスクラッチ隠蔽層(34)をスクラッチオフ(引っ掻き落とすこと)して、「当たり」、「外れ」など、あるいはそれに該当する絵柄、記号などの個別情報(11)を目視で、あるいは個別情報(11)がバーコードや暗証記号等視認では内容が判らないものの場合などでは専用のOCR(光学式文字記号読取り装置)による読取りで認識できるようになっている。
また、これらインスタント籤券等スクラッチ隠蔽層付印刷物(2)の製造は、例えば、図6(b)の平面図に示すように、用紙などでなる基材シート(30)の片面に当落等を表す絵柄、文字、数字などの個別情報(11)をインクジェット等で印刷し、それとほぼ同時にこの個別情報(11)と連動して管理する管理番号(12)を印刷し、その後この個別情報(11)を覆うようにして隠蔽するため、易剥離層(32)を介してあるいは直接スクラッチ隠蔽層(34)を施すものである。但し上記管理番号(12)は隠蔽されずに視認できるようになっている。
しかしながら、上記の従来技術におけるスクラッチ隠蔽層付印刷物(2)の製造中において、当落等を表す絵柄、文字、数字などの個別情報(11)の印刷後、少なくともスクラッチ隠蔽層(34)を施すまでの間に、例えば当落等を表す絵柄、文字、数字などの個別情報(11)を不正に読み取られ(視認され)、この個別情報(11)に連動している管理番号(12)が不正に記録されるといった不正使用の危険性、すなわち製造中におけるセキュリティの保持(製造管理)の面で信頼性に欠けるという問題点があった。
また、上記管理番号(12)がないスクラッチ隠蔽層付印刷物(2)においても、製造中に於ける所定の機器で読み取り可能な個別情報(11)を読み取って入力しておくなどで不正使用(悪用)される危険性のあるものであった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、基材シートの片面に、当落、等級等を表す可変の個別情報が施され、該個別情報を覆うようにスクラッチ隠蔽層が直接もしくは易剥離層を介して施されているスクラッチ隠蔽層付印刷物において、その製造中における個別情報を施した後の、少なくともこの上にスクラッチ隠蔽層を施してこの個別情報を隠蔽するまでの間に、この個別情報が視認されず、不正に読み取られる危険性がなくセキュリティ面での信頼性に優れるスクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、基材の片面の少なくとも一部に、当落、等級等を表す可変の個別情報を記録しうる、無色ないし極淡色透明な感熱発色層がベタ状に印刷され、該感熱発色層の少なくとも個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチ隠蔽層が直接もしくは透明な易剥離層を介して施され、前記個別情報がサーマルヘッドにより感熱発色層に記録されていることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物としたものである。
また、請求項2の発明では、前記感熱発色層は、ロイコ染料と、該ロイコ染料と熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分とする熱不可逆性インキを用いてベタ状に印刷されていることを特徴とする請求項1記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物としたものである。
また、請求項3の発明では、前記感熱発色層を直接覆うように設けられるスクラッチ隠蔽層もしくは易剥離層は水性インキもしくは無溶剤インキで形成されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物としたものである。
また、請求項4の発明では、前記感熱発色層は、熱可逆性インキを用いてベタ状に印刷されていることを特徴とする請求項1記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物としたものである。
また、請求項5の発明では、基材の片面の少なくとも一部に、当落、等級等を表す可変の個別情報を記録しうる、無色ないし極淡色透明な感熱発色層をベタ状に印刷し、該感熱発色層の少なくとも個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチ隠蔽層を直接もしくは透明な易剥離層を介して施し、前記個別情報をサーマルヘッドにより感熱発色層に発色せしめて記録することを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法としたものである。
また、請求項6の発明では、前記感熱発色層を、ロイコ染料と、該ロイコ染料と熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分とする熱不可逆性インキを用いてベタ状に印刷せしめることを特徴とする請求項5記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法としたものである。
また、請求項7の発明では、前記感熱発色層を直接覆うように設けられるスクラッチ隠蔽層もしくは易剥離層を水性インキもしくは無溶剤インキで形成せしめることを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1項記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法としたものである。
さらにまた、請求項8の発明では、前記感熱発色層を、熱可逆性インキを用いてベタ状に印刷せしめることを特徴とする請求項5記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法としたものである。
上記請求項に記載の「ベタ」とは、印刷面に濃淡の差や白く抜けた部分がなく、印刷インキで完全に覆われている部分をいう(印刷事典 日本印刷学会編)。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、基材の片面の少なくとも一部に、当落、等級等を表す可変の個別情報を記録しうる、無色ないし極淡色透明な感熱発色層がベタ状に印刷され、該感熱発色層の少なくとも個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチ隠蔽層が直接もしくは透明な易剥離層を介して施され、前記個別情報がサーマルヘッドにより感熱発色層に発色されて記録されているので、その製造中で、少なくともこの上にスクラッチ隠蔽層を施してこの感熱発色層にサーマルヘッドで印刷(印字)された個別情報を隠蔽するまでの間では、この個別情報が視認されず、不正に読み取られる危険性がなくセキュリティ面での信頼性に優れるスクラッチ隠蔽層付印刷物とすることができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、前記感熱発色層を、ロイコ染料と、該ロイコ染料と熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分とする熱不可逆性インキを用いてベタ状に印刷しているので、この感熱発色層にサーマルヘッドの加熱によって発色させて印刷(印字)することができる。
また、上記請求項3に係る発明によれば、前記感熱発色層を直接覆うように設けられるスクラッチ隠蔽層もしくは易剥離層が水性インキもしくは無溶剤インキで形成されているので、有機溶剤の接触でも発色する熱不可逆性インキによる感熱発色層はスクラッチ隠蔽層もしくは易剥離層の形成で発色することがなく、このスクラッチ隠蔽層上からサーマルヘッドの加熱によって発色させて個別情報を印刷(印字)しているので、購入者がスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフすると印字されている個別情報を視認することができ、その内容に応じた金額などと交換することができるスクラッチ隠蔽層付印刷物とすることができる。
また、上記請求項4に係る発明によれば、前記感熱発色層を、熱可逆性インキを用いてベタ印刷されているものとすることによって、このスクラッチ隠蔽層上からサーマルヘッドの加熱によって発色させて個別情報を印刷(印字)することができ、購入者がスクラッチオフしたものを回収し、あるいは売れ残ったスクラッチ隠蔽層付印刷物を回収して他の熱源で個別情報を消去し、再度サーマルヘッドで印字する、所謂リライタブル性(書換え可能な)のスクラッチ隠蔽層付印刷物とすることができる。
また、上記請求項5に係る発明によれば、基材の片面の少なくとも一部に、当落、等級等を表す可変の個別情報を記録しうる、無色ないし極淡色透明な感熱発色層を印刷し、該感熱発色層の少なくとも個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチ隠蔽層を直接もしくは透明な易剥離層を介して施し、前記個別情報をサーマルヘッドにより感熱発色層に発色せしめて記録する製造方法とすることによって、その製造中の、少なくともスクラッチ隠蔽層を施してこの感熱発色層にサーマルヘッドで印刷(印字)された個別情報を隠蔽するまでの間では、この個別情報が視認されず、不正に読み取られる危険性のない、セキュリティ面での信頼性に優れるスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることができる。
また、上記請求項6に係る発明によれば、前記感熱発色層を、ロイコ染料と、該ロイコ染料と熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分とする熱不可逆性インキを用いてベタ印刷しているので、この感熱発色層にサーマルヘッドの加熱によって発色せしめて印刷(印字)するスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることができる。
また、上記請求項7に係る発明によれば、前記感熱発色層を直接覆うように設けられるスクラッチ隠蔽層もしくは易剥離層を水性インキもしくは無溶剤インキで形成せしめるスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることによって、有機溶剤の接触でも発色する熱不可逆性インキによる感熱発色層をスクラッチ隠蔽層もしくは易剥離層の形成で発色しないようにし、かつ有機溶剤を使用していないので、消防法や有機溶剤中毒予防規則の遵守と、さらに揮発性有機溶剤の排出総量規制(VOC規制)の遵守など環境保全に係わる負荷を低減させるスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることができる。
さらにまた、上記請求項8に係る発明によれば、前記感熱発色層を、熱可逆性インキを用いてベタ状に印刷せしめるスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることによって、このスクラッチ隠蔽層上からサーマルヘッドの加熱によって発色させて個別情報の印刷(印字)とすることができ、購入者がスクラッチオフして使用したものを回収し、あるいは売れ残ったスクラッチ隠蔽層付印刷物を回収して他の熱源、例えば、ヒートローラー等で加熱し除冷して個別情報を消去し、再度サーマルヘッドで新規の個別情報を印字する、所謂リライタブル性(書換え可能な)のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることができる。
従って本発明は、インスタント籤券で代表されるスクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法において、スクラッチ隠蔽層で隠蔽される当落等を表す個別情報が製造中に不正に読み取られることのない、セキュリティの面で信頼性に優れるスクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法として、優れた実用上の効果を発揮する。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1、図2および図3は、本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一事例を示す説明図であり、図4は、本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法の一事例を示す説明図である。また、図5は、本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物を使用した際の一事例を示す説明図である。
上記請求項1に係る発明は、例えば、図1(a)の平面図およびそのB−B面を示す図1(b)の側断面図に示すように、基材シート(30)の表面の一部に、無色ないし極淡色透明な感熱発色層(15)がベタ状に印刷されていて、この感熱発色層(15)の全面を覆うようにスクラッチ隠蔽層(34)が透明な易剥離層(32)を介して施され、このスクラッチ隠蔽層(34)上からサーマルヘッド(図示せず)により当落等を表す個別情報(11)が感熱発色層(15)に記録されているスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)である。
また、上記請求項1に係る発明では、例えば、図2(a)の平面図およびそのB−B面を示す図2(b)の側断面図に示すように、基材シート(30)の表面にインキ受理層(16)が施され、その一部に、無色ないし極淡色透明な感熱発色層(15)がベタ状に印刷されていて、この感熱発色層(15)の全面を覆うようにスクラッチ隠蔽層(34)が透明な易剥離層(32)を介して施され、このスクラッチ隠蔽層(34)上からサーマルヘッド(図示せず)により当落等を表す個別情報(11)が感熱発色層(15)に記録されていて、さらにこの感熱発色層(15)のないインキ受理層(16)上にインクジェッ
ト方式による管理番号(12)が印刷されているスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることもできる。この管理番号(12)は、ほぼ同時に印字される個別情報(11)と連動して管理されているものである。
また、上記請求項1に係る発明では、例えば、図2(c)の側断面図に示すように、基材シート(30)の表面にインキ受理層(16)が施され、その一部に、無色ないし極淡色透明な感熱発色層(15)がベタ状に印刷されていて、この感熱発色層(15)の全面を覆うようにスクラッチ隠蔽層(34)が直接施され、このスクラッチ隠蔽層(34)上からサーマルヘッド(図示せず)により当落等を表す個別情報(11)が感熱発色層(15)に記録されていて、さらにこの感熱発色層(15)のないインキ受理層(16)上にインクジェット方式による管理番号(12)が印刷されているスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることもできる。
さらにまた、上記請求項1に係る発明では、例えば、図3(a)の平面図およびそのB−B面を示す図3(b)の側断面図に示すように、基材シート(30)の表面の一部に無色ないし極淡色透明な感熱発色層(15)がベタ状に印刷されていて、この感熱発色層(15)の個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチ隠蔽層(34)が易剥離層(32)を介して施され、このスクラッチ隠蔽層(34)上からサーマルヘッド(図示せず)により当落等を表す個別情報(11)が感熱発色層(15)に記録されていて、さらにこのスクラッチ隠蔽層(34)のない感熱発色層(15)上からサーマルヘッド(図示せず)により管理番号(12)が印刷(印字)されているスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることもできる。
以上のように、無色ないし極淡色透明な感熱発色層(15)がベタ状に印刷されていて、その上に設けるスクラッチ隠蔽層(34)上からサーマルヘッドにより個別情報(11)が記録(印刷)されているので、少なくともその製造中では、この個別情報(11)が視認されず、よって機械によっても不正に読み取られる危険性がなくセキュリティ面での信頼性に優れるスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることができる。
また、上記請求項2に係る発明では、例えば、図1(b)に示す感熱発色層(15)は、ロイコ染料と、該ロイコ染料と熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分とする熱不可逆性インキを用いてベタ印刷されているスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)としたもので、このベタ状の感熱発色層(15)にサーマルヘッド(図示せず)の加熱によって発色させて個別情報(11)を記録(印刷)することができる。
また、上記請求項3に係る発明は、例えば、図2(c)に示すように、上記のロイコ染料とその顕色剤でなる熱不可逆性の感熱発色層(15)を直接覆うように設けられるスクラッチ隠蔽層(34)、もしくは図2(c)に示す感熱発色層(15)を覆うように設けられる透明な易剥離層(32)は水性インキもしくは無溶剤インキで形成されているスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)である。
このように、熱不可逆性の感熱発色層(15)を直接覆うように設けられるスクラッチ隠蔽層(34)もしくは易剥離層(32)が水性インキもしくは無溶剤インキで形成されているので、有機溶剤の接触でも発色する熱不可逆性インキによる感熱発色層(15)はスクラッチ隠蔽層(34)もしくは易剥離層(32)の形成で発色することがなく、このスクラッチ隠蔽層(34)上からのサーマルヘッド(図示せず)の加熱によって発色させて個別情報(11)としているので、例えば、図5(a)の平面図およびそのB−B面を表す図5(b)の断面図に示すように、購入した顧客がスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフすると感熱発色層(15)に記録されている個別情報(11)を透明な易剥離層(32)を透して視認することができ、その内容に応じた金額などと交換することができるスク
ラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることができる。
以下に請求項1および請求項2、3に係る発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)に用いられる材料等を説明する。
まず請求項2に係る発明の熱不可逆性の感熱発色層(15)を形成するインキは、無色もしくは極淡色のロイコ染料と、このロイコ染料と熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分とするもので、使用する上記ロイコ染料としては、クリスタルバイオレットラクトン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ビペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等があるが、これらに限定されるものではない。
また、上記ロイコ染料と反応して発色せしめる顕色剤としては、α−ナフトール、β−ナフトール、4−t−ブチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、4−フェニルフェノール、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−チオジフェノール、安息香酸、サルチル酸、没食子酸等の誘導体があるが、これらに限定されるものではない。
上記ロイコ染料と顕色剤を基材シート(30)等に結着させる結着剤(インキとする場合のバインダー)として、例えばポリビニルアルコール、カゼイン、酸化でんぷん、ゼラチン、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂、ジイソブチレン−無水マレイン酸樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の水溶性または水分散性高分子化合物が挙げられ、これら結着剤とともに上記ロイコ染料と顕色剤を水に分散させて水性の感熱発色インキとすることができる。
上記水性の感熱発色インキを用い、グラビア印刷法、スクリーン印刷法あるいはアニロックスロールを介してインキを転移するフレキソ印刷法等でベタ状の感熱発色層(15)を部分コートで得ることができる。
また、上記請求項3に係る発明のスクラッチ隠蔽層(34)を形成する水性インキとしては、金属ペースト、合成樹脂、助剤とを水と少々の低級アルコールに分散せしめたエマルジョンインキで形成されるもので、その金属ペーストの金属としては、銅と亜鉛の合金であるブロンズパウダーを用いる場合もあるが、コスト等からアルミニウムパウダーが一般的であり、このアルミニウムを微粉末化して、脂肪酸等で表面を処理したものを沸点の高い炭化水素溶剤(ミネラルスピリットなど)でペースト状にしたアルミニウムペーストが用いられ、これに一般の印刷インキに使用する黄、マゼンタ、シアンまたは墨用の着色顔料、チタン白等体質顔料を含めてインキ全体の20〜45重量%とする。
また、このインキのバインダーとなる合成樹脂としては、例えばポリイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるポリウレタン系樹脂や、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂などが挙げられ、これら樹脂のエマルジョンをインキ全体の25〜50重量%でなるバインダーとして上記のアルミニウムペースト、着色顔料などに、10〜35重量%の水と5重量%未満のイソプロピルアルコールを加えて攪拌して水性のエマルジョンインキとして印刷されるものである。これに消泡剤や界面活性剤、防腐剤等
助剤を数%添加するのが一般的である。
上記スクラッチ隠蔽層(34)の形成は、上記の水性エマルジョンインキを用いて、グラビア印刷法、スクリーン印刷法あるいはアニロックスローラーを介して印刷するフレキソ印刷法などが部分(パート)印刷に好適な方法として適用され、厚さ5〜10μm程度のスクラッチ隠蔽層(34)とすることができる。なおここで用いられる着色顔料は、銀色のアルミニウム粉に好みの色で着色されたスクラッチ隠蔽層(34)として商品価値の高いスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることもできる。
また、上記請求項3に係る発明の透明な易剥離層(32)を形成する水性のインキとしては、例えば、ポリエレタン系樹脂や、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂をバインダーとし、これら樹脂のエマルジョンに5重量%程度のシリコンやワックス(例えばポリエチレンワックス)を滑剤として、さらにチタン白、タルク等体質顔料を分散させた塗布液(インキ)が挙げられ、この水性エマルジョンインキ(塗布液)を用いて、グラビア印刷法、スクリーン印刷法あるいはアニロックスローラーを介して印刷するフレキソ印刷法などが部分(パート)印刷に好適な方法として適用され、厚さ2〜5μm程度の易剥離層(32)とすることができる。
また、上記透明な易剥離層(32)を形成する無溶剤型のインキとしては、通常のオフセット用インキのビヒクル(完全な無溶剤ではないが)に5重量%程度のシリコンやワックス(例えばポリエチレンワックス)を滑剤として混練したオフセット用剥離ニスを用いることもできる。
さらにまた、上記透明な易剥離層(32)を形成する無溶剤型のインキとしては、光重合性素材としてのポリオール、ポリエステル、ウレタン、エポキシの各アクリル酸エステルに、解質用樹脂としてのケトン樹脂、アルキッド樹脂等でなる紫外線硬化型オフセットインキのビヒクルに上記のシリコンやワックス(例えばポリエチレンワックス)を滑剤として添加し、さらにベンゾフェノン、ベンジル、ジメチルアミンベンゾフェノン等でなる光重合開始剤などが混練されている紫外線硬化型オフセット用剥離ニスが挙げられ、オフセット印刷方式で透明な易剥離層(32)を形成するすることもできる。
また、例えば、図2(b)に示すように、管理番号(12)をインクジェット方式で印字(印刷)する場合、基材シート(30)上にインキ受理層(16)を設けた方が、管理番号(12)の結着性とシャープ性(滲まないため)の点から好ましく、そのインキ受理層(16)としては、例えば多孔質の体質顔料が分散しているインキで形成することができ、その体質顔料としては、例えば、アルミナ白、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウムなどの白色顔料が挙げられ、これら体質顔料10〜20重量%、好ましくは10重量%程度の少量を、例えばオフセット用メジウム(ロジン変性フェノール樹脂、大豆油、亜麻仁油、鉱物油等ビヒクルにドライヤーや酸化抑制剤等の添加剤でなる)に分散させたオフセットインキとして印刷し、厚さ1〜2μm程度のインキ受理層(16)とすることができる。上記オフセット用メジウムに代え、グラビア用メジウム、あるいはスクリーン印刷用、ロールコート用等のメジウムとし、それぞれの方式で印刷または塗工して得ることもできる。
なお、図1(b)および図2(b)、(c)に示すように、スクラッチ隠蔽層(34)にサーマルヘッド(図示せず)等の物理的な擦れから保護するための透明保護層(17)を設けた方が好ましく、膜厚0.2〜5μm程度の透明保護層(17)に使用される樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂等の公知の熱可塑性樹脂、紫外線又は電子線硬化樹脂を単独或いは、
混合して用いられる。更に、サーマルヘッド(図示せず)等に対する耐性の向上、スティッキング防止のために、樹脂を架橋する硬化剤、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、シリコンワックス等のワックス類、あるいは炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、シリカ、アルミナ、タルク等の体質顔料、シリコーン油脂等の油脂類を透明性を損なわない範囲で添加することができる。また、サーマルヘッドで印字(消去も含め)した際、熱の伝導性を制御するため、中空フィラー、ビーズ等を透明性を損なわない範囲で添加することができる。
また、上記請求項4に係る発明は、例えば図1(a)および図1(b)に示すように、感熱発色層(15)は、熱可逆性インキを用いてベタ状に印刷されていて、感熱発色層(15)にスクラッチ隠蔽層(34)上からサーマルヘッドにより記録して個別情報(11)とするスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)であり、この個別情報(11)は、スクラッチ隠蔽層(34)が剥離されるまでは、視認することができず、よって製造中に個別情報を不正に読み取って悪用されることのないスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることができる。
上記のように、感熱発色層(15)を熱可逆性インキを用いてベタ状に印刷されていてリライタブル性(書換え可能な)を有するので、例えば、図5(a)の平面図およびそのB−B面を表す図5(b)の断面図に示すように、購入した顧客がスクラッチ隠蔽層(34)をスクラッチオフして、個別情報(11)を視認し、それ相当の金額等と交換した後のものを、回収し、例えば専用の加熱・徐冷機能を有する装置でその個別情報(11)を消去し、再度無色もしくは極淡色透明の感熱発色層(15)上にスクラッチ隠蔽層(34)を施し、透明保護層(17)を施して、この上からサーマルヘッドで新たな個別情報(11)を印字して(リサイクルされた新たな)スクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることができる。
あるいは、売れ残ったスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)を、例えば専用の加熱・徐冷機能を有する装置でその個別情報(11)を消去し、サーマルヘッドで新たな個別情報(1)を印字して(リサイクルされた新たな)スクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とするこができる。
上記請求項4に係る発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)の場合、易剥離層(32)およびスクラッチ隠蔽層(34)は、上記の水性インキでもよく、さらに有機溶剤を溶媒としたインキを用いたものでも構わない。
上記有機溶剤を溶媒としている易剥離層(32)のインキとしては、炭化水素系(脂肪族、芳香族)、アルコール系、エステル系、ケトン系などの乾燥性や樹脂溶解力に対応した有機溶剤を溶媒とし、これに硝化綿撓のセルロース誘導体、ポリアマイド樹脂、ロジン誘導体、アクリル樹脂、塩化ゴム、ポリエステル等と補助剤とを溶解したビヒクルに、上記のシリコンやワックス(例えばポリエチレンワックス)を滑剤として添加した剥離ニスが挙げられ、この剥離ニスを用いてグラビア印刷やスクリーン印刷で易剥離層(32)を形成することができる。
また、上記有機溶剤を溶媒としているスクラッチ隠蔽層(34)のインキとしては、例えば隠蔽性を付与するアルミニウム粉15〜25重量部、アルミナ白等体質顔料を含めた着色顔料15〜25重量部、凝集破壊(団塊)性のあるSBR、NBR等合成ゴム系樹脂15〜25重量部、これらにトルエンやキシレン、メチルイソブチルケトン等芳香族炭化水素系溶剤35〜45重量部と消泡剤等助剤5〜15重量部を加えてスクリーン印刷用インキやグラビア印刷用インキあるいはアニロックスロールを介してインキを転移するフレキソ印刷用インキとしたもので、このスクラッチインキを用いてスクリーン印刷法やグラ
ビア印刷法あるいはアニロックスロールを介して印刷するフレキソ印刷法で厚さ5〜10μmに形成されるものである。
また、上記無色ないし極淡色透明な熱可逆性インキ(リライタブルインキ)には、ロイコ色素系、高分子/有機低分子分散系、液晶系の3タイプがあり、これらいずれかを用いることができる。
上記ロイコ色素系の場合、発色/消色は、ロイコ色素(染料)と酸性化合物の組合せによるもので、これら化合物を樹脂バインダーに混合した組成物により熱可逆性(リライタブル)の感熱発色層(15)を形成する。これらには両性化合物を用いる競争反応系と、長鎖アルキル酸性化合物を用いる相分離系がある。
上記競争反応系は、両性化合物としてフェノールアミン塩を用い、発色反応がフェノール基によって、消色反応がアミノ基によって進むことを利用するものである。ここでこのロイコ染料としては、トリアリールメタン系化合物(クリスタルバイオレットラクトンがよく知られた代表的なものである。)、ジフェニールメタン系化合物、スピロ系化合物、またはフルオラン系化合物などが用いられる。このとき、発色反応の速度の方が消色反応の速度より速いので、加熱して急冷すると発色状態のまま固定され、加熱して徐冷すると消色状態で固定されるものである。
また、上記相分離系は、ロイコ色素と長鎖アルキル酸性化合物との相溶状態と非相溶状態とを冷却速度の差によって制御するもので、加熱して相溶状態のまま急冷すると相溶したまま固定されて発色状態となり、加熱して相溶状態のまま徐冷すると相分離を起こして非相溶状態となり消色するものである。ここで、この長鎖アルキル酸性化合物としては、長鎖アルキル基を持つフェノール化合物、または長鎖アルキル基を持つホスホン酸化合物が用いられる。この長鎖アルキル基としては、前者の場合で炭素数11以上が、後者の場合で炭素数14以上が好ましい。
上記急冷および徐冷は、実際の使用において、例えばサーマルヘッドで1/1000秒のオーダーの時間で瞬間的に昇温して加熱した後、常温で冷却することで急冷が実現でき、発色させることができ、また、ヒートローラー、ホットプレートなどの熱容量の大きい加熱装置で加熱した後、常温で冷却することで徐冷が実現でき、消色させることができるものである。
また、上記高分子/有機低分子分散系では、樹脂母材のマトリックス中に分散された有機低分子物質の結晶状態の変化によって白濁・透明が可逆的に変化するもので、印刷法、コーティング法等により膜厚4μm〜20μm程度に設けることができる。感熱発色層(15)中に分散される有機低分子物質としては脂肪酸若しくは脂肪酸誘導体または脂環式有機酸が挙げられ、更に詳しくは、飽和若しくは不飽和のもの或いはジカルボン酸、または、これ等のエステル、アミド等を含むものが用いられるが、特に制限されるものではない。
上記飽和脂肪酸の具体例としては、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチル酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられ、また、不飽和脂肪酸の具体例としては、オレイン酸、エライジン酸、リノ−ル酸、ソルビン酸、ステアロ−ル酸等が挙げられる。尚、脂肪酸若しくは脂肪酸誘導体又は脂環式有機酸はこれ等のものに限定される物ではなく、かつ、これ等の内の一種類または二種類以上を混合させて適用することも可能である。
また、上記高分子/有機低分子分散系の熱可逆性インキに用いられる樹脂母材としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロ−スアセテ−ト系樹脂、ニトロセルロ−ス系樹脂、塩ビ系樹脂、酢ビ系樹脂の単独、混合或いは共重合物が用いられる。
一方、熱可逆性インキによる感熱発色層(15)の透明化温度範囲を制御するため、樹脂の可塑剤、高沸点溶剤等を樹脂母材に対し、0.1%から20%重量部添加することができる。さらに、この感熱発色層(15)の繰り返し印字消去耐性を向上するため、樹脂母材に対応した三次元架橋する硬化剤、架橋剤等を樹脂母材に対し、0.5%から10%重量部添加することができる。
以上のようなスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)を構成する基材シート(30)としては、例えばインスタント抽選券やゲームカードなどでは、アート紙、コート紙あるいは上質紙等洋紙やコートボール、コートマニラ、両面カードなどの板紙、あるいは特殊証券用紙などが挙げられ、また有価証券としてのスクラッチカードなどでは、白色PET(ポリエチレンテレフタレート)、白色塩ビ(ポリ塩化ビニル)シートなどが挙げられ、適宜用途等に応じて選定される。
また、上記請求項5、6および7に係る発明は、スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法であって、例えば、図4(a)に示すように、まず、基材シート(30)の表面の一部にロイコ染料とその顕色剤でなる熱不可逆性インキを用いて感熱発色層(15)をグラビア印刷法などでベタ状に印刷する。
続いて、図4(b)に示すように、この感熱発色層(15)上の個別情報が記録される部分を覆うように水性のスクラッチインキを用いてスクラッチ隠蔽層(34)を水性の透明剥離ニスによる易剥離層(32)を介してグラビア印刷法などで部分印刷で設ける。続いて、表面全面に透明保護層(図示せず)を塗布する。
上記水性のスクラッチインキに代え、有機溶剤を溶媒としたスクラッチインキとしてもよいが、消防法や有規則の遵守、あるいは環境問題の軽減に配慮されている面からは水性のスクラッチインキが好ましく使用される。
続いて、図4(c)に示すように、サーマルプリンターのサーマルヘッドにより、スクラッチ隠蔽層(34)上から当落等を表す個別情報(11)を印字する。これとほぼ同時にスクラッチ隠蔽層(34)のない部分の感熱発色層(15)にサーマルヘッドによる管理番号(12)を印字するスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)の製造方法である。
このように、スクラッチ隠蔽層(34)が施されてから個別情報(11)が印字されるので、少なくとも製造中に視認されることがなく、セキュリテイの面で信頼性に優れ、さらに有機溶剤を使用していないので環境保全などの負荷を低減せしめるスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法である。
さらにまた、上記請求項5、および8に係る発明は、スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法であって、例えば、図4(a)に示すように、まず、基材シート(30)の表面の一部に高分子/有機低分子分散系の熱可逆性インキ(リライタブルインキ)を用いて感熱発色層(15)をグラビア印刷法などでベタ状に印刷する。
続いて、図4(b)に示すように、この感熱発色層(15)上の個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチインキを用いてスクラッチ隠蔽層(34)を透明剥離ニスによる易剥離層(32)を介してグラビア印刷法などで部分印刷で設け、続いて、表面全面
に透明保護層(図示せず)を塗布する。
続いて、図4(c)に示すように、サーマルプリンターのサーマルヘッドにより、スクラッチ隠蔽層(34)上から当落等を表す個別情報(11)を印字する。これとほぼ同時にスクラッチ隠蔽層(34)のない部分の感熱発色層(15)にサーマルヘッドによる管理番号(12)を印字するスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)の製造方法である。
このようにして得られたスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)を購入した顧客が、スクラッチ隠蔽層(34)を剥離した使用済のものを回収し、サーマルプリンターに内蔵されているホットロールで加熱・徐冷して個別情報(11)を消去し、再度スクラッチ隠蔽層(34)と透明保護層を施し、新たな個別情報(11)を施すことのできるリサイクルが可能なスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)の製造方法である。
本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一実施の形態を示すもので、(a)は、その平面図であり、(b)は、(a)のB−B断面図の一事例であり、 本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の他の一実施の形態を示すもので、(a)は、その平面図であり、(b)は、(a)のB−B断面図の一事例である。(c)は、(a)のB−B断面図の他の一事例である。 本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物のさらに他の一実施の形態を示すもので、(a)は、その平面図であり、(b)は、(a)のB−B断面図の一事例である。 本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法の一実施の形態を示すもので、(a)は、感熱発色層を形成する平面図であり、(b)は、スクラッチ隠蔽層を形成する平面図であり、(c)は、個別情報等を記録せしめる平面図である。 本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物を使用した際の説明図で、(a)は、その平面図であり、(b)は、(a)のB−B断面図である。 従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一事例を示すもので、(a)は、その断面図であり、(b)は、その平面図である。
符号の説明
1‥‥スクラッチ隠蔽層付印刷物
2‥‥従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物
11‥‥個別情報
12‥‥管理番号
15‥‥感熱発色層
16‥‥インキ受理層
17‥‥透明保護層
30‥‥基材シート
32‥‥易剥離層
34‥‥スクラッチ隠蔽層

Claims (8)

  1. 基材の片面の少なくとも一部に、当落、等級等を表す可変の個別情報を記録しうる、無色ないし極淡色透明な感熱発色層がベタ状に印刷され、該感熱発色層の少なくとも個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチ隠蔽層が直接もしくは透明な易剥離層を介して施され、前記個別情報がサーマルヘッドにより感熱発色層に記録されていることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物。
  2. 前記感熱発色層は、ロイコ染料と、該ロイコ染料と熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分とする熱不可逆性インキを用いてベタ状に印刷されていることを特徴とする請求項1記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物。
  3. 前記感熱発色層を直接覆うように設けられるスクラッチ隠蔽層もしくは易剥離層は水性インキもしくは無溶剤インキで形成されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物。
  4. 前記感熱発色層は、熱可逆性インキを用いてベタ状に印刷されていることを特徴とする請求項1記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物。
  5. 基材の片面の少なくとも一部に、当落、等級等を表す可変の個別情報を記録しうる、無色ないし極淡色透明な感熱発色層をベタ状に印刷し、該感熱発色層の少なくとも個別情報が記録される部分を覆うようにスクラッチ隠蔽層を直接もしくは透明な易剥離層を介して施し、前記個別情報をサーマルヘッドにより感熱発色層に発色せしめて記録することを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法。
  6. 前記感熱発色層を、ロイコ染料と、該ロイコ染料と熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分とする熱不可逆性インキを用いてベタ状に印刷せしめることを特徴とする請求項5記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法。
  7. 前記感熱発色層を直接覆うように設けられるスクラッチ隠蔽層もしくは易剥離層を水性インキもしくは無溶剤インキで形成せしめることを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1項記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法。
  8. 前記感熱発色層を、熱可逆性インキを用いてベタ状に印刷せしめることを特徴とする請求項5記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法。
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