JP4508803B2 - サーマルカード - Google Patents

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Description

本発明は、ダイレクトサーマル印字を行って使用されるサーマルカードに関し、特にサーマル印字により発色した部分が、パール調(真珠の表面の色相、光沢に類似した)の輝きを有する意匠性の高いサーマルカードに関するものである。
現在、定期券は、首都圏を中心に都会では、徐々に非接触ICカード化が進んできている。首都圏や都会では乗降客が多いために、数多くの改札を設けなければ一定時間内に捌ききれず、その結果、多大な人件費を要することから、人件費を削減するために、新たにゲート機=非接触ICカードの読取機構と、従来の磁気定期券の読取機構を有する=を設置している。しかしながら、都会を離れれば乗降客は疎らで、混雑するといっても朝夕の一定時間だけで、非接触ICカードと新型ゲート機を導入しても、採算ベースに乗らないところが少なくない。
こういった非都会では、従来通りの目視で判読できるタイプや磁気定期券が使われていくものと推察される。この目視で判読できて、かつ磁気定期券であるものは、従来から様々なタイプが提案、採用されてきているが、昨今は発券機の機能向上が図られ、赤と黒2色のリボン印字がなされている。女性の場合に氏名欄を赤印字したり、通勤と通学の種別部分を赤印字にして目立たせたり、経由地を赤印字するなどの使われ方がある。これらは保存性や安定性の観点から、樹脂系リボンが使用されるようになっていた。
それは、従来のワックスリボンはその名の通り、成分が主としてワックスとして使用される低融点成分であるがゆえに保存性(特に高温下)が悪いからである。しかしながら、ここに来て、あらためてダイレクトサーマルと呼ばれるサーマル層を有する定期券が脚光を浴びつつある。ダイレクトサーマルはこれまで染料(ロイコ系がほとんど)を使用していることから、保管安定性が悪く、熱や湿度で消色したり退色したり、といった問題が避けられなかったが、保存安定性に優れる顕色剤の開発等、材料的な進歩もあり、一定の耐熱性や耐水性を有するものを提供することが可能になりつつあるからである。
そのダイレクトサーマルの場合、例えば感熱発色層の上の最表面にはOP剤を塗布することが可能であるために、感熱発色層までゲート機で削られるまでには相当の搬送回数を要するようになり、最長6ヶ月の定期券の使用有効期限であれば、目視不能な状態までにはなかなか至らない、ということから比較的ゲート機との相性は良い。ダイレクトサーマルカードで、感熱発色層の上にOP剤を塗布して形成するものが、例えば、特許文献1にあるように、OP剤として、例えばシリコーンやPEワックス、フッ素といった剥離性成分を少量含有させている。それは、サーマルヘッドは瞬間的に200℃前後の高温となるため、表面の滑り性が悪いと、結果的にサーマルヘッドとの接触時間が長くなり、高温下に晒される時間が長くなることでスティッキングと呼ばれる現象が発生し、印字ムラに至る場合があるからである。
感熱発色層は、前述したロイコ染料以外に顕色剤やバインダー成分(アクリル等の熱可塑性樹脂)が含まれているため、高温下に長時間晒されれば溶融してしまったり、分解してしまう。つまり、スティッキングを防止するためには、耐熱性の高いOP剤であることも必須(→ゆえに、UV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が選択される)であるが、さらに剥離性成分も必須と言える。
またダイレクトサーマルにおいて、定期券等の各種の用途で、2色印字する場合は、例えば、特許文献2にあるように、赤発色層と黒発色層を順次積層して構成する方法が知られている。赤印字の際は印字エネルギーを低くし、黒印字の際は印字エネルギーを高く設定する方法が一般的(赤発色した上で黒発色すれば黒に見える)である。
特許番号第2757905号公報 特開平10−147069号公報なくなってしまうのである。
上記のように、ダイレクトサーマル印字を利用したサーマルカードは、OP層を設けたり、多色の発色方式がとれるようにしたり、様々に改善されてきている。しかし、定期券等の1枚単位のサーマルカードのような高額の価値があるものを、偽造しようとすれば、不可能なものではなく、安全に使用されるという保障がなく、問題となっている。
したがって、上記のような課題を解決するために、本発明は、ダイレクトサーマル印字を行って使用されるサーマルカードにおいて、サーマルヘッドによる印字適性を有し、その他、実用上の問題がなく、また偽造防止性が高く、意匠性も高いサーマルカードを提供することを目的とする。
以上の状況を鑑み、鋭意研究開発を進め、ダイレクトサーマル印字方式を利用するサーマルカードにおいて、サーマルヘッドによる印字適性をはじめ、その他、実用上における問題がなく、また非常に偽造防止性が高く、意匠性も高いサーマルカードを見出したものである。すなわち、請求項1に記載の発明は、基材と、該基材の一方の面へ、前記基材面側から少なくとも第1感熱発色層、第1パールインキ層、第2感熱発色層、及び第2パールインキ層を有し、前記第1感熱発色層と前記第2感熱発色層の発色色相が異なり、前記第1パールインキ層及び前記第2パールインキ層は透明性を有し、サーマル印字により感熱発色した前記第1感熱発色層を前記第1パールインキ層及び前記第2パールインキ層を透して観察した色彩可変効果と、サーマル印字により感熱発色した前記第2感熱発色層が前記第2パールインキ層を透して観察した色彩可変効果とが異なり、前記第2パールインキ層側の面へ、さらに、剥離成分を有しない保護層を設け、該保護層の面へ、さらに、剥離成分を有する地紋印刷層を形成し、前記保護層及び前記地紋印刷層の面へ、サーマル印字及び熱溶融リボンによる感熱転写印字が両立できることを特徴とする。
請求項2の発明は、上記第1パールインキ層及び/又は上記第2パールインキ層が絵柄、文字のパターンにより形成されている
請求項3の発明は、請求項1〜のいずれか一つに記載のサーマルカードが、定期券、乗車券、トランプ、入場券のいずれか一つであることを特徴とする。
本発明は、少なくとも一部に感熱発色層を備えたサーマルカードにおいて、該感熱発色層の上に透明性を有するパールインキ層が積層された構成をとったり、あるいは該感熱発色層が発色色相の異なる発色層として2層以上を有し、該発色層の間及び/又は該発色層のうち、基材からの最外層に位置する発色層の上に、透明性を有するパールインキ層を有する構成により、サーマル印字により感熱発色した時に、そのサーマルカードを観察する際に、発色した感熱発色層の外側(観察者側)にパールインキ層が位置しているので、発色部の色相に、さらにパール調の輝きをもつものとなり、意匠性が高く、また偽造防止性が高いサーマルカードが得られる。またサーマルカードのサーマルヘッドと接触する最外層には、剥離性成分を含有させることができ、サーマルヘッドによる印字適性に優れたものとなり、またその他、実用上の問題のないサーマルカードが得られる。
図1は、本発明のサーマルカード1の一つの実施形態を示す概略図であり、基材2上に感熱発色性材料を含有する感熱発色層3、透明性を有するパールインキ層4が順次設けられている。図1には示していないが、パールインキ層4の上、すなわち最外層には保護層を設けて、サーマルヘッドによる適性向上やサーマルカードの取扱い上の耐久性の向上等を図ることができる。また、図2は本発明のサーマルカード1の他の実施形態を示す概略図であり、基材2上に感熱発色性材料を含有する感熱発色層31、透明性を有するパールインキ層4、感熱発色層31の発色色相とは異なる発色を有する感熱発色層32が順次設けられている。図2には示していないが、感熱発色層31とパールインキ層4との間、あるいはパールインキ層4と感熱発色層32との間に中間層を設けることで、感熱発色層31と感熱発色層32との相互の影響による発色トラブルを防止することができる。
図3は、本発明のサーマルカード1の他の実施形態を示す概略図であり、基材2上に、感熱発色性材料を含有する感熱発色層31、中間層5、感熱発色層31の発色色相とは異なる発色を有する感熱発色層32、透明性を有するパールインキ層4、保護層6が順次設けられている。図4は、本発明のサーマルカード1の他の実施形態を示す概略図であり、基材2上に、感熱発色性材料を含有する感熱発色層31、中間層5、透明性を有するパールインキ層41、感熱発色層31の発色色相とは異なる発色を有する感熱発色層32、透明性を有するパールインキ層42、保護層6が順次設けられている。図4において、中間層5とパールインキ層41の2層を互いにその形成位置を交換して、基材2上に、感熱発色性材料を含有する感熱発色層31、透明性を有するパールインキ層41、中間層5、感熱発色層31の発色色相とは異なる発色を有する感熱発色層32、透明性を有するパールインキ層42、保護層6の順に形成してもよい。
また、図5は、本発明のサーマルカード1の他の実施形態を示す概略図であり、基材2上に、感熱発色性材料を含有する感熱発色層3、透明性を有するパールインキ層4、OP層7(剥離性成分を有していない部分)を順次設け、さらにそのOP層7の上に部分的に地紋印刷層8(剥離性成分を有する部分)が形成された構成である。上記の剥離性成分を有していない部分と剥離性成分を有する部分にも、リボンにより熱溶融して転写したインキの印字部分が定着し、また剥離性成分の有無に関係なく、任意の箇所でダイレクトサーマル印字が可能であり、ダイレクトサーマル印字とリボン印字を両立することができる形態である。以下、本発明のサーマルカードを構成する各層について、以下に詳細に説明する。
(基材)
本発明のサーマルカードにおける基材2は、シート状、フィルム状あるいは板状の材質からなり、材料としては特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、セルロースジアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどのプラスチック、銅、アルミニウムなどの金属、紙、含浸紙などを単独あるいは組み合わせて、積層したりして用いることができる。基材の厚さは、0.005〜5mm程度が適当である。
(感熱発色層)
本発明のサーマルカードは、感熱発色性材料を有する部分として、感熱発色層3を設ける。この感熱発色層は、感熱発色性材料を含有するもので、詳細には熱融解反応により発色する電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物が含まれ、さらに必要に応じて増感剤、退色防止剤、顔料や滑剤などの充填剤、分散剤、結着剤などが含まれる。感熱発色層は、基材へのコーティング、印刷などにより層として形成する。感熱発色層の形成方法としては、グラビア、ロールコート、スプレーコート、ディッピング、その他がある。電子供与性染料前駆体としては、ロイコ染料としてこの種の感熱材料に適用されているもの、フルカラーの場合には、イエロー、シアン、マゼンタ系に発色するものが選ばれる。その電子供与性染料前駆体として、具体的にはトリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などが使用でき、発色する色相に応じて適宜選択する。
上記の電子受容性化合物としては、電子供与性染料前駆体と組み合わせられる顕色剤であり、ビスフェノールAなどのフェノール性物質、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エロキシテトラデカノイック酸などの有機酸、金属錯体化合物、チオジフェニル尿素、キノン類などがある。
また増感剤としては、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、シュウ酸ジベンジル、トリルビフェニルエーテル、脂肪酸アマイド類がある。退色防止剤としては、水酸基をブロックした顕色剤の類似物、亜鉛塩などの有機金属塩、ヒンダードフェノール類などがある。顔料を併用する場合、白色顔料であれば、可視光、近赤外光を周囲に散乱させる効果があり、光吸収剤への近赤外光吸収を促進および発熱効率を上昇させる。顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪酸塩、ゼオライト、シリカ、カオリンクレー、尿素ホルマリン樹脂などがある。
感熱発色層の形成には、上記材料からなる層を形成するためにインキまたは塗料を調製する。インキまたは塗料の結着剤としては、主に水溶性樹脂が主成分となり、ポリビニルアルコール、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、尿素樹脂、メラニン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂などがある。また、必要に応じて各種補助剤を添加できる。
本発明のサーマルカードは、1枚のカード単位で、保有する熱発色層を発色色相の異なる発色層である条件で、2層以上を有することができる。例えば、2層の感熱発色層を形成する場合、上層と下層とが、それぞれ発色温度が異なるようにして形成する。好ましくは上層に(サーマルヘッドと接する側に近い)、相対的に発色温度が低い発色剤(赤発色する発色剤等)を、下層には(サーマルヘッドと接する側に遠い)、相対的に発色温度が高い発色剤(黒発色する発色剤等)を使用する。この発色温度の異なる発色剤は、前記発色性化合物および顕色剤の選択によって当業者が容易に決められる。2層及び単層でも感熱発色層の厚さは通常、各層で約3〜10μm程度、乾燥時の塗工量で約3〜10g/m2程度である。
(パールインキ層)
本発明のサーマルカードは、感熱発色層の上に、すなわち感熱発色層の外側(観察者側)に、透明性を有するパールインキ層4が積層されている。この構成をとることで、サーマル印字により、感熱発色層が感熱発色した時に、その発色部の真上に、透明性を有するパールインキ層が位置しているので、特に発色部の色彩の可変効果が増大する。尚、発色部以外の発色していない部分は、透明性を有していたり、白色あるいは淡色の色相である場合が多く、発色部を除いた部分の上に位置するパールインキ層の部分では、色彩の可変効果を有してはいるが、発色部に比べれば、目立ちにくい。
パールインキ層4は、印刷して形成するインキ中に、パール顔料を分散させ、含有させたもので形成する。そのパール顔料は、微細なフレーク(薄片)の外側を、金属酸化物もしくは金属酸化物の混合物により被覆したものを使用する。その微細なフレークとしては、例えば雲母、タルク、カオリン、オキシ塩化ビスマス、あるいは、ガラスフレーク、SiO2フレーク、もしくは合成セラミックのフレーク等があり、これらの微細なフレークの外側を被覆する金属酸化物の例としては、TiO2、Fe23、SnO2、Cr23、ZnOがある。これらの組合わせの中でも、雲母、ガラスフレーク、もしくはSiO2フレークを、TiO2被覆および/またはFe23被覆されたものが好ましい。パール顔料の個々のフレークの大きさは、1〜100μmである。パールインキ用のパール顔料としては、上記のものを自製してもよいが、メルク社製の商品名「Iriodin」、または資生堂(株)製の商品名「インフィニットカラー」等の市販品を使用することができる。
パールインキ層は、オフセット印刷方式、活版印刷方式、グラビア印刷のいずれかにより形成することができる。また、インキタイプとしては、紫外線硬化型や電子線硬化型のインキや、酸化重合型のインキ、または水性インキ、溶剤系インキが使用できる。本発明では、特に紫外線硬化型インキにより、パールインキ層を形成し、紫外線照射により、パールインキ層を強制乾燥させることで、簡便に大量生産しやすく好ましく、行われる。また、グラビア印刷によりパールインキ層を形成する場合、感熱発色層を溶解させたり、影響を及ぼさないように、水性インキを用いることが好ましい。但し、図1に示した構成のサーマルカード1において、基材2上に設けた感熱発色層3とパールインキ層4との間に、後で説明する中間層を設けることにより、溶剤系インキでパールインキ層を形成しても、感熱発色層に影響することなく、問題なく製造することができる。
パールインキ層は、実用上、観察者から見て、下に位置する感熱発色層の発色して記録された部分を判読しやすくするために、透明性を有するものである。このパールインキ層における透明性を有することは、本発明では、基材上に、感熱発色層(黒発色)、パールインキ層の2層をこの順に形成し、但し、パールインキ層の厚さを5μm程度で形成したときに、そのパールインキ層の視感透過率が50%以上であることを指す。
パールインキ層を形成するインキとして、代表的に使用される紫外線(UV)硬化型の場合で、以下に詳細に説明するが、電子線硬化型、熱硬化型のインキや、酸化重合型のインキでも使用できるので、以下のものに限定されるものではない。紫外線硬化型インキを構成するUV硬化型樹脂は、紫外線照射によって重合反応を起して硬化して樹脂となるモノマー、オリゴマー或いはプレポリマーであればその種類は特に限定されず、公知の種々のものが使用できる。またパールインキ層は紫外線硬化性の樹脂成分に通常、光重合開始剤を含む。
プレポリマーの例としては、脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)ポリアクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート側鎖及び/又は末端にメタ(アクリロイルオキシ基)を有するビニル系又はジエン系低重合体等のプレポリマーが挙げられる。またモノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類、活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる2官能単量体N−ビニルピロリドンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有単量体、活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルよりなる多官能単量体等が挙げられる。光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、プレポリマー及びモノマーに対して0.5〜10質量%の割合で添加して使用される。
上記に挙げたようなUV硬化型樹脂、光重合開始剤、パール顔料、必要に応じて、その他の添加剤を加えて、紫外線硬化型インキを調整する。このような紫外線硬化型インキや、電子線硬化型インキ、酸化重合型インキにより、パールインキ層を形成する。そのパールインキ層の厚さは約0.1μm以上、好ましくは0.1〜20μmである。単位面積当たりの質量では、乾燥時で約0.1〜20g/m2程度である。その厚さが少なすぎると、パール調の充分な輝きが発生せず、また厚すぎるとサーマルカードの熱感度が低下したり、感熱発色層との密着性が低下したり、さらにコスト的にも不利である。このようなパールインキ層は、サーマルカードの発色記録される表面の全面に形成したり、また絵柄、文字のパターンにより、形成することができ、それにより、偽造防止性をより高めることができ、意匠性もより高いサーマルカードが得られる。
(中間層)
本発明のサーマルカードは、感熱発色層を発色色相の異なる発色層として2層以上を有する場合、また、パールインキ層を溶剤系インキで形成する場合、該感熱発色層の間に中間層5を設けることができ、これにより複数の感熱発色層同士が隣接することなく、層分離することで、酸性物質の他の発色層への移行を防止できる。また、層分離をすることで、感熱発色層の各色調が鮮明に発色し、また、二層間の厚みを制御することで、各層の発色感度を調整できる。また、溶剤系インキによるパールインキ層を形成する際に、感熱発色層が溶解したりして、影響が出ないようにすることができる。前記の感熱発色層で説明したように、基材上に、高温発色層、低温発色層の順に形成した際に、低温発色層のみを発色させた場合、保存条件により低温発色層中の電子受容性化合物が、高温発色層に悪影響し、高温発色層が発色することを、高温発色層と低温発色層との間に中間層を設けて、防止することができる。
中間層を構成する樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール類、無水マレイン酸共重合体、アクリル類、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記のような樹脂と、必要に応じて各種補助剤を添加して、インキを調整し、オフセット印刷、活版印刷や、グラビアコーティング等の既知の塗布方法で形成できる。中間層は、観察者から見て、その中間層よりも下に位置する感熱発色層の発色部を判別しやすくするために、透明性を損なわないように形成される。中間層の厚さは約0.1μm以上、好ましくは1〜10μmである。この場合も乾燥時の塗工量で約0.1〜10g/m2程度である。厚さが少なすぎると、中間層としての機能が不足し、また厚すぎるとサーマルカードの熱感度が低下したり、感熱発色層との密着性が低下し、さらにコスト的にも不利である。
(保護層)
本発明のサーマルカードは、サーマルヘッドと接する最表面側に保護層6を設けることができ、サーマルヘッドによる適性向上やサーマルカードの取扱い上の耐薬品性、耐水性、耐摩擦性等の耐久性の向上等を図ることができる。保護層を形成する材料としては、上述したパールインキ層のバインダー樹脂に用いる材料などから表面保護層として所望の物性を有する樹脂組成を選定できる。特に、表面の耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性を要する場合は、紫外線や電子線硬化性樹脂がよく用いられる。また、保護層には、サーマルヘッドとの適性をもたせるため、滑り剤として各種の無機フィラー、有機フィラーを保護層の透明性に阻害しない範囲で添加したり、後で説明する地紋印刷層の剥離性成分を添加することもできる。保護層の膜厚は、所望の物性等により選定するが、通常0.1〜10μmである。保護層も上記の中間層と同様の方法で、形成できる。
(OP層)
本発明では、サーマルカードにおいて、サーマルヘッドと接する最表面側には剥離性成分を有する部分と、剥離性成分を有していない部分とを備え、これらが別種のUV硬化型乃至EB硬化型のインキあるいはコーティング剤にて形成することができる。これにより、上記の剥離性成分を有していない部分と剥離性成分を有する部分にも、リボンにより熱溶融して転写したインキの印字部分が定着し、また剥離性成分の有無に関係なく、任意の箇所でダイレクトサーマル印字が可能であり、ダイレクトサーマル印字とリボン印字を両立することが可能となる。それは、サーマルカードを定期券として使用したりする時に、使用期限を過ぎた回収定期券を廃券処理する際に、回収定期券の表面にリボン印字を行うことができ、有効な手段となる。また、ダイレクトサーマル印字の際に、最表面側に剥離性成分を有する部分があるので、サーマルヘッドとの滑りが良好で、スティッキングがない。
本発明のサーマルカードは、サーマルヘッドと接する最表面側に剥離性成分を有していない部分として、OP(オーバープリント)層7を設けることができる。本発明のOP層は、UV硬化型乃至EB硬化型のインキあるいはコーティング剤を用いて形成することができ、サーマルカードの最外層となって下側の層を保護する。またOP層は、実用上、下に位置して保護されている感熱発色層の発色して記録された部分を判読しやすくするために、略無色透明なOP剤にて形成されていることが望ましい。そのOP層を構成する材料としては、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、耐汚染性などを兼ね備えた樹脂が適している。このような樹脂としては、UV硬化型乃至EB硬化型の樹脂が挙げられる。OP層の厚さは約1μm以上、好ましくは3〜20μmであり、乾燥時の塗工量では約1〜20g/m2程度である。厚さが少なすぎると、硬度、耐擦傷性、耐摩耗性などの耐久性が不十分である。また厚すぎるとサーマルカードの熱感度が低下したり、層の割れ(ひび割れ)の損傷が生じたり、感熱発色層との密着性が低下し、さらにコスト的にも不利である。
UV硬化型樹脂は、紫外線照射によって重合反応を起して硬化して樹脂となるモノマー、オリゴマー或いはプレポリマーであればその種類は特に限定されず、公知の種々のものが使用できる。またOP層は紫外線硬化性の樹脂成分に通常、光重合開始剤を含む。
プレポリマーの例としては、脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)ポリアクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート側鎖及び/又は末端にメタ(アクリロイルオキシ基)を有するビニル系又はジエン系低重合体等のプレポリマーが挙げられる。またモノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類、活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる2官能単量体N−ビニルピロリドンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有単量体、活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルよりなる多官能単量体等が挙げられる。光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、プレポリマー及びモノマーに対して0.5〜10質量%の割合で添加して使用される。
EB硬化型樹脂としては、特に種類は限定されないが、具体的には、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどが挙げられ、これらはそれぞれのプレポリマーに粘度、あるいは架橋密度を調整するために多官能または単官能のモノマーを添加して用いてもよく、また、必要に応じて公知の光重合開始剤や増感剤を添加して用いてもよい。このほか、ポリエン/チオール系のEB硬化型樹脂なども耐摩耗性に優れており、好ましく使用できる。上記のUV硬化型樹脂またはEB硬化型の樹脂の硬化には、従来公知の紫外線硬化方法や電子線硬化方法が用いられる。
上記に挙げたUV硬化型樹脂、あるいはEB硬化型樹脂と、必要に応じて光重合開始剤等の添加剤を加えたインキあるいはコーティング剤を準備する。ここにおける、インキあるいはコーティング剤という用語において、「インキ」はオフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等により、文字やパターン等の各種パターンを印刷形成するための印刷用材料を意味し、また「コーティング剤」はエアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法等の既知の塗布方法により、パターンではなく、被塗布体の全面乃至ストライプ状に塗布するための印刷用材料を意味する。
(地紋印刷層)
本発明のサーマルカードでは、サーマルヘッドと接する最表面側に、剥離性成分を有する部分としての地紋絵柄を再現する地紋印刷層8を設けることができる。この地紋印刷層は、前記のOP層とは別種である、つまり剥離性成分を含有するUV硬化型乃至EB硬化型のインキにて形成されている。地紋印刷層を構成するUV硬化型乃至EB硬化型の樹脂、光重合開始剤等については、前記のOP層と同様のものが使用できるが、地紋印刷層には剥離性成分が含有される。その剥離性成分としては、各種のワックス類、シリコーン系成分、フッ素系成分等が挙げられるが、特にシリコーン系成分の剥離性成分が好ましい。そのシリコーン系成分が地紋印刷層から他へ移行することを避けるためには、シリコーン樹脂等のシリコーン3次元架橋物やシリコーンアクリレート、反応性シリコーンオイルが適している。このようなシリコーン系成分は、地紋印刷層の樹脂中に、添加し、充分に分散した状態で印刷し、乾燥させる(場合により架橋させる)ことにより、充分な離型性が得られる。
上記のシリコーンアクリレートとしては分子量500〜10,000程度、官能基当量(分子量/官能基)が400〜8,000程度、官能基は紫外線又は電子線硬化を考慮した場合メタクリル基、アクリル基、メルカプト基が好ましい。シリコーン系成分の具体例として、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイル、アルキル、アミノ、エポキシ、フッ素、カルボキシル、アルコール、メルカプト等にって変性された変性シリコーンオイルや、分子鎖の片末端または両末端に重合性官能基を有したシリコーンマクロモノマー等を挙げることができる。好ましいオルガノポリシロキサン化合物として、アルコール変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、分子鎖の片末端重合性官能基が(メタ)アクリロイル基のシリコーンマクロモノマー等を挙げることができる。これ等の公知慣用のオルガノポリシロキサン化合物を単独或は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記シリコーン系成分等の剥離性成分は、地紋印刷層の全体に対して、0.1〜5質量%の割合で含有することが好ましい。剥離性成分が少なすぎると、ダイレクトサーマル印字の際に、サーマルヘッドとの剥離性が悪く、スティッキングが生じやすい。また、剥離性成分が上記範囲よりも多すぎると、リボン印字の適性が悪くなる。地紋印刷層は、上記のUV硬化型乃至EB硬化型の樹脂、光重合開始剤等の添加剤と、顔料や染料の着色剤と、溶剤等を必要に応じ加えたインキを用いて形成される。尚、地紋印刷層は、決まったパターンの地紋を再現させるために印刷されるので、UV硬化型乃至EB硬化型のコーティング剤ではなく、UV硬化型乃至EB硬化型のインキが使用され、オフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等により、文字やパターン等の各種の地紋パターンを形成する。
地紋印刷層は、様々な色相を再現させるために、着色剤を使用するが、1種類の着色剤だけでなく、色相の異なる複数の着色剤を混合させて使用することができる。これによって、有色の地紋絵柄を再現することができる。地紋印刷層によって得られる地紋絵柄は、主として0.1mm以下の太さの線や点から設けることが好ましく、その線や点の間隔が0.2mm以上あることが望ましい。上記の線や点の太さが0.1mmを越えると、剥離性成分を有する部分の占有部分が大きくなり、サーマルカードの廃券時のリボン印字が正常にできなくなってしまう。また、その線や点の間隔が0.2mm未満になると、同様に剥離性成分を有する部分の占有部分が大きくなり、サーマルカードの廃券時のリボン印字が正常にできなくなってしまう。このような地紋印刷層の厚さは約1μm以上、好ましくは3〜20μmである。厚さが少なすぎると、印刷層のかすれ等が生じ、地紋印刷として目視の判別がしにくくなり、またその厚さが多すぎると、リボン印字の密着性が低下してくる。
本発明のサーマルカードは、図1に示したような構成において、基材2の感熱発色層3が設けられている面と反対側に、あるいは基材2の感熱発色層3が設けられている面と同一面に、また両面において、従来から知られている磁気層や、ホログラム層、液晶層等を設けることができ、定期券、乗車券、トランプ、入場券等の各種の用途に使用することができる。
厚さ188μの乳白色のポリエチレンテレフタレートを基材とし、該基材の一方の面に、γ−Fe23粉末が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とウレタン系樹脂とからなるバインダー溶液中に分散されてなる磁性コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して厚さ15μmの磁気層を形成した。この基材の他方の面に、下記組成の感熱発色層コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の感熱発色層を形成した。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(感熱発色層コーティング剤)
黒染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン)
10部
顕色剤(ビスフェノールA) 85部
溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液) 5部
上記の感熱発色層の上に、下記組成のパールインキ層用インキを用いて、オフセット印刷により全面に印刷し、印刷直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ5g/m2のパールインキ層を形成し、実施例1のサーマルカードを作製した。
(パールインキ層用インキ)
パール顔料(メルク社製、TiO2で被覆された雲母、商品名;イリオジン(Iriodin)) 20部
オリゴエステルアクリレート 78部
芳香族系光重合開始剤 2部
厚さ188μの乳白色のポリエチレンテレフタレートを基材とし、該基材の一方の面に、実施例1と同様に磁性コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して厚さ15μmの磁気層を形成した。この基材の他方の面に、下記組成の感熱発色層コーティング剤Aを用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の感熱発色層Aを形成した。
(感熱発色層コーティング剤A)
黒染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン)
10部
顕色剤(ビスフェノールA) 85部
溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液) 5部
上記の感熱発色層Aの上に、実施例1で使用したパールインキ層用インキを用いて、オフセット印刷により全面に印刷し、印刷直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ5g/m2のパールインキ層を形成し、さらにそのパールインキ層の上に、下記組成の感熱発色層コーティング剤Bを用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の感熱発色層Bを形成し、実施例2のサーマルカードを作製した。尚、実施例2で作製したサーマルカードは、感熱発色層Aと感熱発色層Bを比較すると、感熱発色層Aの方が発色温度が高い発色剤(黒発色する発色剤)を使用し、感熱発色層Bは、相対的に発色温度が低い発色剤(赤発色する発色剤)を使用したものである。
(感熱発色層コーティング剤B)
赤染料(3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン) 10部
顕色剤(3、3−ジクロロフェニチオ尿素) 85部
溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液) 5部
厚さ188μの乳白色のポリエチレンテレフタレートを基材とし、該基材の一方の面に、実施例1と同様に磁性コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して厚さ15μmの磁気層を形成した。この基材の他方の面に、実施例2で使用した感熱発色層コーティング剤Aを用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の感熱発色層Aを形成した。その感熱発色層Aの上に、ポリビニルアルコール10%水溶液からなる中間層コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ3g/m2の中間層を形成した。
さらに、中間層の上に、実施例2で使用した感熱発色層コーティング剤Bを用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の感熱発色層Bを形成した。また、その感熱発色層Bの上に、実施例1で使用したパールインキ層用インキを用いて、オフセット印刷により全面に印刷し、印刷直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ5g/m2のパールインキ層を形成した。さらにそのパールインキ層の上に、紫外線硬化型樹脂としてウレタンアクリレート樹脂と光重合開始剤と、滑り剤として平均粒径1μmの炭酸カルシウムをインキ固形分に対して、10質量%の割合で添加してなる保護層コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、塗工直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ3g/m2の保護層を形成し、実施例3のサーマルカードを作製した。
上記の得られた実施例1〜3のサーマルカードに対して、サーマルヘッドによりダイレクトサーマル印字を行ったところ、実施例1では黒発色の印字で、また実施例2、3では、赤と黒の発色の混在した印字を行うことができ、かつ夫々の発色部の色相に、さらにパール調の輝きをもつものとなり、意匠性が高く、また偽造防止性が高いサーマルカードが得られた。また実施例3のサーマルカードは、サーマルヘッドと接触する最外層に、滑り剤を含有させることができ、サーマルヘッドによる印字適性に優れたものとなった。
厚さ188μの乳白色のポリエチレンテレフタレートを基材とし、該基材の一方の面に、実施例1と同様に磁性コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して厚さ15μmの磁気層を形成した。この基材の他方の面に、実施例1で使用した感熱発色層コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の感熱発色層を形成した。その感熱発色層の上に、実施例1で使用したパールインキ層用インキを用いて、オフセット印刷により全面に印刷し、印刷直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ5g/m2のパールインキ層を形成した。
さらに、そのパールインキ層の上に、大日本インキ化学工業(株)製のUV硬化型コーティング剤、商品名グランディックのOP層コーティング剤(略無色透明なOP剤)を用いて、バーコート法により全面に塗布し、塗布直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ5g/m2のOP層を形成した。次に、OP層の上に、下記組成の地紋印刷層用インキを用いて、オフセット印刷を行い、印刷直後に紫外線を照射して、ロゴマークのパターンの有色の地紋絵柄を、厚さ5μmで形成し、実施例4のサーマルカードを作製した。
(地紋印刷層用インキ)
UV硬化型インキ(大日本インキ化学工業(株)製、商品名ダイキュアRT−21、108赤) 100部
シリコーンアクリレート 2部
尚、上記のUV硬化型の地紋印刷層用インキは剥離性成分を含有するもので、地紋印刷層用インキにおけるシリコーン系成分の含有量は1.96質量%である。また、上記の印刷形成した地紋絵柄の線の太さは0.07mmであり、またその線の間隔は最短部で0.3mmであった。実施例4のサーマルカードは定期券として利用し、発券時のダイレクトサーマル印字でスティッキングがなく、鮮明な印字ができた。その印字は黒発色であるが、発色部の色相に、さらにパール調の輝きをもつものとなり、意匠性が高く、また偽造防止性が高いものであった。またその定期券を廃券処理として、定期券のサーマル印字された表面に、熱溶融転写方式のリボンを用いて、リボン印字を行ったところ、地紋絵柄の部分を含めて、OP層の上にリボン印字がなされていた。これにより、より偽造防止性が高いサーマルカードが得られた。
本発明のサーマルカードの一つの実施形態を示す概略図である。 本発明のサーマルカードの他の実施形態を示す概略図である。 本発明のサーマルカードの他の実施形態を示す概略図である。 本発明のサーマルカードの他の実施形態を示す概略図である。 本発明のサーマルカードの他の実施形態を示す概略図である。
符号の説明
1 サーマルカード
2 基材
3 感熱発色層
4 パールインキ層
5 中間層
6 保護層
7 OP層(剥離性成分を有していない部分)
8 地紋印刷層(剥離性成分を有する部分)
31 感熱発色層
32 感熱発色層
41 パールインキ層
42 パールインキ層

Claims (3)

  1. 基材と、該基材の一方の面へ、前記基材面側から少なくとも第1感熱発色層、第1パールインキ層、第2感熱発色層、及び第2パールインキ層を有し、前記第1感熱発色層と前記第2感熱発色層の発色色相が異なり、前記第1パールインキ層及び前記第2パールインキ層は透明性を有し、サーマル印字により感熱発色した前記第1感熱発色層を前記第1パールインキ層及び前記第2パールインキ層を透して観察した色彩可変効果と、サーマル印字により感熱発色した前記第2感熱発色層が前記第2パールインキ層を透して観察した色彩可変効果とが異なり、前記第2パールインキ層側の面へ、さらに、剥離成分を有しない保護層を設け、該保護層の面へ、さらに、剥離成分を有する地紋印刷層を形成し、前記保護層及び前記地紋印刷層の面へ、サーマル印字及び熱溶融リボンによる感熱転写印字が両立できることを特徴とするサーマルカード。
  2. 上記第1パールインキ層及び/又は上記第2パールインキ層が絵柄、文字のパターンにより形成されていることを特徴とする請求項1記載のサーマルカード。
  3. 請求項1〜のいずれか一つに記載のサーマルカードが、定期券、乗車券、トランプ、入場券のいずれか一つであることを特徴とするサーマルカード。
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