JP5915833B2 - 色彩可変印刷物 - Google Patents

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本発明は、色彩可変印刷物に関し、更に詳しくは、基材上に、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層Aと、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層Bを設けた色彩可変印刷物に関するものである。
有価証券は財産権を表象する証券であり、それによって表象される権利の移転または行使が、該証券の授受によってなされる手形、小切手、株券、社債券、各種証券と定義されている。有価証券は、商法などに規定される上記の他に、商品券、図書券、交通機関の乗車券、有料施設やイベントの入場券、宝くじ、公営競技の投票券の当たり券などがこれに含まれる。上記有価証券に限らず、パスポート、身分証明書、各種商業印刷物等の偽造を防止する必要がある印刷物が多用されている状況である。
近年はプリンタやスキャナといった電子機器の普及に伴い、有価証券等の無許可複製が横行しているが、これはたとえ公の場で使用しない場合であっても、違法行為と見なされ、悪質な場合は刑事処罰の対象となる。上記の無許可複製による偽造の被害が、社会問題化しており、偽造技術は巧妙を極める一方であることから、高度な偽造防止の技術の開発が急務となっている。
例えば、特許文献1にあるように、高度な偽造防止技術として、ホログラムを使用した印刷物があるが、製造コストが高く、単価の低い印刷物への使用には不向きである。また、特許文献2にあるように、可視光では目視不可能で、可視光以外の一定波長の光で蛍光を発する蛍光インキの印刷がされたものが提案されている。また、偽造防止技術の一つとして感温変色インキを用いて印刷することが行なわれている。感温変色インキの特徴として温度により色彩が変化する特徴を有しており、その見た目のわかり易さから商品券やギフト券等の金券に利用されている。(特許文献3参照)
しかし、上記の蛍光インキの印刷の場合及び感温変色インキの印刷の場合、偽造技術が進み、また技術の陳腐化により広く周知されたものであり、偽造防止効果が薄いことが問題となっている。
特開平6−278396号公報 特開平6−297888号公報 特開2008−308555号公報
そこで、本発明は、従来にない偽造防止技術を有し、また製造上で支障が無い偽造防止印刷物としての色彩可変印刷物を提供することを目的とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の第1は、基材の一方の面に、少なくとも、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層Aと、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層B個別の領域を有するように設け、該色彩可変層Aと色彩可変層Bとが同等の色彩を同時にもつことが可能であり、その際に、特定の数字、文字が認識できることを特徴とする色彩可変印刷物を構成とする。
これにより、上記色彩可変印刷物は、色彩可変層Aと色彩可変層Bとが、同等の色彩を同時に有する際、色彩可変層Aと色彩可変層Bとの組み合わされた情報を一体として認識するが、特定波長の光照射により、色彩可変層Aが変色して、色彩可変層Bと区別された情報として認識される。
また、同等の色彩を同時に有する色彩可変層Aと色彩可変層Bとの組み合わされた一体の情報を、熱により色彩可変層Bが変色して、色彩可変層Aと区別された情報として認識される。これにより、認識できる情報が、特定波長の光照射により、あるいは熱により、変化するものとなり、第三者はその情報の変化を予期できないものであり、従来にはない偽造防止性の非常に高いものである。
また、本発明の第2は、基材の一方の面に、少なくとも、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層Aと、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層Bと、前記特定波長の光照射及び熱により色彩が変化しない絵柄層とを個別の領域を有するように設け、該絵柄層と、少なくとも一つの色彩可変層とが同等の色彩を同時にもつことが可能であり、その際に、特定の数字、文字が認識できることを特徴とする色彩可変印刷物を構成とする。
絵柄層が色彩可変層A、色彩可変層Bの設けられた基材の面に、あるいは該基材の他方の面に、または基材の両面に設けることができ、該絵柄層は色彩可変層A、Bのように、特定波長の光照射及び熱により、色彩が変化するものではないので、色彩可変印刷物で認識できる情報が、特定波長の光照射により、あるいは熱により、変化する部分と、変化しない部分とが混在して、より偽造防止性が高まる。
またこれにより、上記色彩可変印刷物は、色彩可変層A、色彩可変層Bと、絵柄層とが、同等の色彩を同時に有する際、色彩可変層A、色彩可変層Bと絵柄層の組み合わされた情報を一体として認識するが、特定波長の光照射により、色彩可変層Aが変色し、あるいは熱により色彩可変層Bが変色し、前記の一体となった情報とは異なる情報が認識される。
上記第1の場合よりも絵柄層が含まれているので、異なる情報として変化させる形態をより多くもつことができるので、より偽造防止性が高まる。
また、本発明は前記の色彩可変層Aに対し、波長365nm又は405nmの光照射により、色彩が無色から変化し、該色彩が変化した色彩可変層Aに波長532nmの光照射により、該色彩が無色に戻ることを特徴とする色彩可変印刷物の構成とすることができる。
色彩可変印刷物を室内放置で観察すると、色彩可変層Aは無色であるが、特定波長光として、365nm又は405nmの波長光を照射すると、その色彩可変層Aが無色から変色する。また、その変色した状態の色彩可変層Aに特定波長光として、532nmの波長光を照射すると、変色した色彩可変層Aが元の無色に変化する。このような特定波長光を選択して照射することにより、無色から変色に、変色から無色に、さらに無色から変色に、変色から無色へと、色彩変化を可逆的に、さらに1サイクルに限らず、繰り返し、その可逆の色彩変化をさせることができ、実用性が高いものである。
また、前記の色彩可変層Aは、バリウムマグネシウムケイ酸塩をフォトクロミック材料として含有することを特徴とする色彩可変印刷物の構成とすることができる。これにより、特定波長光として、365nm又は405nmの波長光を照射すると、その色彩可変層Aが無色からピンク色に変わる。また、その変色した状態の色彩可変層Aに特定波長光として、532nmの波長光を照射すると、変色した色彩可変層Aが元の無色に変化し、変色する変化が目立ち、実用性が非常に高く好ましい。
また、本発明は前記絵柄層が色彩可変層A、色彩可変層Bの少なくとも1層と部分的に重なった領域に形成されている色彩可変印刷物の構成とすることができる。
本発明の偽造防止印刷物は、上記構成をとることにより、従来には無い、偽造防止技術を有するものである。すなわち、摩擦熱等を加えることによる温度変化により、色彩可変層Bが色彩変化することで、1次認証がなされ、特定波長を照射することにより、色彩可変層Aが色彩変化することで、2次認証が可能となるため、高度にセキュリティ性の高い偽造防止印刷物としての色彩可変印刷物となる。また、本発明の色彩可変印刷物は、ホログラム等の特殊な製造方法をとることなく作製できるので、製造上で支障が無いものである。
本発明の色彩可変印刷物である一つの実施形態を示す断面図である。 本発明の色彩可変印刷物である他の実施形態を示す断面図である。 本発明の色彩可変印刷物である他の実施形態を示す断面図である。 本発明の色彩可変印刷物の色彩可変層A、色彩可変印刷物B、絵柄層などを組み合わせて表示される情報の実施形態を示す概略図である。
次に、本発明の実施の形態について、詳述する。
図1に、本発明の色彩可変印刷物1である一つの実施形態を示す。基材2の一方の面に、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層A(3)と、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層B(4)を設けた構成の色彩可変印刷物1である。この色彩可変層A(3)と色彩可変層B(4)とが同等の色彩を同時にもつことができ、例えば、室内放置の条件化で、色彩可変層A(3)と色彩可変層B(4)が、両方とも無色(あるいは白色)で、同等の色彩をもち、色彩可変層Aに365nm又は405nmの波長光を照射すると、無色からピンク色に変わる。また上記のピンク色から、532nmの波長光を照射すると、無色に戻り(可逆的な変化である)、また上記の波長光を照射すると、ピンク色に変わり、上記の変化が繰り返し行なえる。また、色彩可変層Bを33℃の室温から、24℃の環境下に放置すると、無色からオレンジ色に変化する。
また、図2は本発明の色彩可変印刷物1である他の実施形態を示す断面図であり、基材2の一方の面に、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層A(3)と、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層B(4)と、絵柄層5を設けた構成の色彩可変印刷物1である。図示したものは、色彩可変層A、色彩可変層B、絵柄層が全て、互いに重なることなく、色彩可変印刷物の基材2の一方の面に、個別の領域に形成されている。しかし、これに限定されることなく、例えば、絵柄層が色彩可変層A、色彩可変層Bの少なくとも1層と部分的に重なった領域に形成されていてもよい。また、絵柄層5は色彩可変層A、色彩可変層Bで使用される特殊な材料を使用せず、一般的な印刷インキで形成するので、特定波長の光照射及び熱により、その色彩は変化しない。
図2において、例えば絵柄層の色彩をピンク色にすれば、色彩可変印刷物に365nm又は405nmの波長光を照射すると、色彩可変層Aが無色からピンク色に変わり、絵柄層と色彩可変層Aとが、同等の色彩を同時にもつことになる。
また、図3は本発明の色彩可変印刷物1である他の実施形態を示す断面図であり、基材2の一方の面に、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層A(3)と、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層B(4)と、絵柄層5を設け、基材2の他方の面に、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層A(3´)と、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層B(4´)と、絵柄層5´を設けた構成の色彩可変印刷物1である。図示した色彩可変印刷物1は、基材2の両面に、色彩可変層A、Bと絵柄層を有するものであるが、基材の片側で、色彩可変層A、Bと絵柄層のいずれか1層、あるいは2層を設けることも可能である。
また、図示した色彩可変印刷物1で、色彩可変層Aと、色彩可変層A´とが、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する同等の材料で形成する、あるいは特定波長の光照射により、互いに可逆的に色彩が異なる条件で変化するように、異なる材料で形成することもできる。このことは、色彩可変層Bと、色彩可変層B´の場合でも同様であり、熱により可逆的に色彩が変化する同等の材料で形成する、あるいは熱により、互いに可逆的に色彩が異なる条件で変化するように、異なる材料で形成することもできる。さらに、絵柄層5と絵柄層5´とは同等の色彩で形成したり、全く異なる色彩で形成することもできる。
図には、示さなかったが、例えば、基材2の色彩可変層、色彩可変層Bの設けている面と反対面に、粘着剤層を設けて、シールとして貼り付けて使用することができる。
以下に、本発明の色彩可変印刷物を構成する要素について、詳しく説明する。
(基材)
色彩可変印刷物の基材2として、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等の紙類、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート等の各種合成樹脂のプラスチックシート、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、あるいは基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(いわゆる合成紙)を使用することができる。
但し、色彩可変印刷物の表面に位置する、色彩可変層Bにおける熱変色材料の含有層を擦って、応力と摩擦による熱を一度に加えて、使用されることが好ましく、その際、熱変色材料の含有層が無色(透明色)と変色を可逆的に変化し、色彩可変層Bの色彩変化が認められ易いように、基材は不透明のものが好ましい。基材の厚みは、通常3〜300μm程度であり、本発明においては、取扱い適性等を考慮し、20〜175μm程度のものを用いるのが好ましい。
(色彩可変層A)
色彩可変層A(3)は、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する層であり、フォトクロミック材料がバインダー樹脂により保持された層として構成することができる。フォトクロミック材料とは、光の作用により状態の異なる2つの異性体を可逆的に生成する分子又は分子集合体を含む材料を言う。このフォトクロミック材料は、光照射により、色のみならず屈折率、誘電率、酸化/還元電位など様々な物性が可逆的に変化する。尚、上記の異性体とは分子式は同一だが構造が異なる分子、またはそのような分子からなる化合物のことである。
このようなフォトクロミック材料としては、ジアリールエテン系化合物、スピロピラン系化合物等の公知の材料が使用できる。本発明では、特にフォトクロミック材料として、金属酸化物が耐久性に優れる点で好ましく用いられ、特にバリウムマグネシウムケイ酸塩(BaMgSiO4)が好ましく用いられる。このフォトクロミック材料は、詳しくは水素を約5%程度含有したアルゴン雰囲気中(還元雰囲気中)で調整したバリウムマグネシウムケイ酸塩であり、さらに、該調整したバリウムマグネシウムケイ酸塩に鉄(Fe)の元素を添加して、色彩の変化を大きくすることができる。
上記の還元雰囲気中で調整したバリウムマグネシウムケイ酸塩は、365nm又は405nmの波長光を照射すると、無色からピンク色に変化する。但し、405nmの波長光を照射すると、薄いピンク色になり、365nmの波長光を照射すると、濃いピンク色に変わるので、照射する光の波長で色の濃度を制御することができる。また、上記のピンク色の状態から、532nmの波長光を照射すると、無色に戻り、可逆的な変化となり、さらに、また無色の状態から、上記の波長光を照射すると、ピンク色に変わり、上記の変化が繰り返し行なえる。
色彩可変層Aは、上記のフォトクロミック材料を、各種の印刷方式に応じたバインダー樹脂(ビヒクル)に分散させ、必要に応じて各種の添加剤、溶剤を加えて、印刷用インキを調整し、その印刷用インキを用いて印刷形成することができる。印刷方式としては、平板印刷、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。また、色彩可変層Aの印刷用インキとして、電子線または紫外線(UV)硬化型インキを用いることができ、無機フォトクロミック材料、(UV)反応性モノマー、(UV)反応性オリゴマー、光重合開始剤等を配合することにより調製することができる。また、色彩可変層Aは酸化重合型インキも使用することができる。
上記の反応性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの単官能モノマー、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートなどの二官能モノマーが挙げられる。また、反応性オリゴマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートポリエーテルアクリレートなどが挙げられる。光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ラジカル系重合開始剤を挙げられる。ラジカル系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのアルキルフェノン系光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤などが挙げられる。通常はこれらのラジカル系光重合開始剤を混合して用いることが通常である。例えば市販品としてBASFジャパンのIirgacure等が使用できる。
色彩可変層Aの厚さは、特に限定されるものではないが、乾燥時で1μm以上であり、5μm以上20μm以下が好ましい。その厚さが1μm未満の場合、色彩可変層Aとして、色彩の変化が十分に確認できない傾向になり好ましくない。また一方で、厚さが20μmを越えると、色彩変化は十分であるが、無色の状態の印刷部が認識されやすく、偽造防止性に劣り、また無駄なインキを使用することにコスト高となる。
(色彩可変層B)
色彩可変層B(4)は、熱により可逆的に色彩が変化する層であり、(1)電子供与性呈色性有機化合物と、(2)前記電子供与性呈色性有機化合物を呈色させる、電子受容性化合物である顕色剤と、(3)前記両者の呈色反応の生起温度をコントロールする極性基をもつ媒体化合物の3成分からなる熱により変色する材料を、含有する層である。上記熱変色材料からなる均質相溶体を、マイクロカプセルに内包して、カプセル化して、カプセル顔料とし、インキのビヒクル中に、そのカプセル顔料を分散させて、インキを調整することが好ましい。
上記の電子供与性呈色性有機化合物は、色を決定する役割を有したもので、例えば、3,6−ジメトキシフルオラン(黄)、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン(橙)、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン(朱)、3−ジエチルアミノベンズフルオラン(桃)、ローダミンBラクタム(赤)、クリスタルバイオレットラクトン(青)、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン(緑)、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(黒)などが挙げられる。
本発明では、色彩可変層Aと色彩可変層Bとが同等の色彩を同時にもつ条件が必要であり、例えば、30℃の室内放置で、色彩可変層Bが透明(無色)の状態で、同じく30℃の室内放置で、色彩可変層Aが無色の状態であることが、上記の同等の色彩を同時にもつ条件である。また、例えば、15℃の室内放置で、色彩可変層Bがピンク色の状態で、同じく15℃で、但し、365nm又は405nmの波長光を照射後で、色彩可変層Aがピンク色の状態であることが、上記の同等の色彩を同時にもつ条件である。
また、上記の電子供与性呈色性有機化合物を呈色せしめる顕色剤は、フェノール性水酸基を有する化合物として、一価フェノール、二価フェノール及び多価フェノールがあり、さらにベンゼン環の置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等がある。
また、電子供与性呈色性有機化合物と前記化合物を呈色させる電子受容性化合物の両者の呈色反応の生起温度をコントロールする極性基をもつ媒体化合物としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、またはカルボン酸類のいずれかより選んだ化合物が挙げられる。
上記のカプセル化の方法は、界面重合法、界面重縮合法、インサイチュー法、コアセルベート法等、公知のカプセル化方法が適用でき、そのカプセルの大きさは、平均粒径で、0.5μmから10μm程度のものが用いられ、オフセット印刷用のインキの場合、インキのブランケット胴からの転写性等により、より微小化されたカプセルが使用され、粒子径は、1〜数μmの範囲に設定することが望ましい。
上記の熱変色材料を含有したインキとして、例えば、久保井インキ(株)製)の商品名STカラー等を入手して使用することができる。
色彩可変層Bの熱変色材料は、電子供与性呈色性有機化合物と、顕色剤と、極性基をもつ媒体化合物の3成分の種類と含有比率により、変色する変化温度を調整することができ、例えば室温(20℃)から温度を上げて、27〜40℃程度になって、赤色、青色などの着色された不透明状態から、透明状態に変化することが好ましい。また、上記の透明状態から、偽造防止印刷物を冷却して、−6〜15℃程度になって、着色された不透明状態にすることができる。上記の不透明状態−透明状態の変化は、可逆的に、繰り返し変化させることができる。尚、上記の温度変化における温度数値は、使用する熱変色材料の種類などにより変化するものである。
熱変色材料の含有する層は、上記の電子供与性呈色性有機化合物と、電子受容性化合物である顕色剤と、その両者の呈色反応の生起温度をコントロールする極性基をもつ媒体化合物の3成分からなる熱により変色する材料を、マイクロカプセル化して、インキのビヒクル中に、分散させて、インキを調整する。但し、そのインキは適用する印刷方式に応じて、ビヒクル、添加剤、溶媒などを選択して作製する。熱変色材料の含有する層を形成するための印刷は、一般に公知の凹版、凸版、オフセット、スクリーン、グラビア、フレキソによる印刷若しくはインキジェット印刷、スプレー印刷又はコーティング等の方式が採用できる。尚、色彩可変層Bを形成するための印刷用インキは、上記の色彩可変層Aで説明したような各種の印刷方式に応じたインキ、また電子線または紫外線(UV)硬化型インキ、酸化重合型インキも使用することができる。
(絵柄層)
基材上に設ける絵柄層5は、一般的に使用されている着色顔料や、蛍光物質を用いた印刷インキにより、凹版、凸版、オフセット、スクリーン、グラビア、フレキソによる印刷若しくはインキジェット印刷、スプレー印刷等により形成することができる。上記の蛍光物質は、紫外線発光型、赤外線発光型のいずれでも使用できる。
色彩可変層A、色彩可変層B及び絵柄層の各色彩において、絵柄層と、少なくとも一つの色彩可変層とが、同等の色彩を同時にもつことが好ましい。例えば、色彩可変層Aで還元雰囲気中で調整したバリウムマグネシウムケイ酸塩を用いれば、365nm又は405nmの波長光を照射すると、無色からピンク色に変化しており、その際の色彩可変印刷物における絵柄層として、ピンク色の着色顔料を用いたピンク色の絵柄層を形成することができる。また、上記の365nm又は405nmの波長光を照射した場合、色彩可変層Bは、15℃程度で、同じくピンク色となるように熱変色材料を用いることが好ましい。この場合は、色彩可変層A、色彩可変層B、絵柄層の全てについて、同等の色彩を同時にもつことになり、非常に偽造防止性が高くなる。
(実施例1)
基材2として、大昭和製紙(株)製の上質紙(DSK135kg/46)を準備し、その片面に、下記の色彩可変層A用インキにより、凸版印刷で、色彩可変層A(3)を厚さ8μmで、図4(1)のように、形成した。以下のインキ配合などにおける部は、全て質量基準である。
フォトクロミック材料として、水素を約5%程度含有したアルゴン雰囲気中(還元雰囲気中)で調整したバリウムマグネシウムケイ酸塩を5部、ロジン変性フェノール樹脂30部、アマニ油25部、高沸点芳香族ナフタ15部を混合混練して、色彩可変層A用インキを製造した。このフォトクロミック材料は、365nm又は405nmの波長光を照射すると、無色からピンク色に変化し、上記のピンク色の状態から、532nmの波長光を照射すると、無色に戻り、この可逆的な変化を繰り返し行なえる。
また、上記の基材2の上で、色彩可変層Aとは重ならないように、図4(1)のように、厚さ8μmになるように、下記の色彩可変層B用インキにより、オフセット印刷により、色彩可変層B(4)を形成して、実施例1の色彩可変印刷物を作製した。
久保井インキ(株)製の示温インキで温度タイプ27の紙用酸化重合型インキ(24℃でピンク色に発色し、33℃で消色する)を用いた。
上記の得られた実施例1の色彩可変印刷物は、作製して室温(24℃)の放置状態では、色彩可変層Bがピンク色の状態であり、同じく24℃で、但し、365nm又は405nmの波長光を照射後で、色彩可変層Aがピンク色の状態となり、「8」の数字を認識できた。そして、33℃の環境温度に色彩可変印刷物を放置すると、色彩可変層Bがピンク色から消色として無色となり、「8」から「0」の数字に変化して認識された。さらに、色彩可変印刷物に、532nmの波長光を照射すると、色彩可変層Aがピンク色から無色に変化して、上記の数字は消えてしまった。第三者はこの数字情報の変化を予期できないものであり、従来にはない偽造防止性の非常に高いものであった。
(実施例2)
基材2として、大昭和製紙(株)製の上質紙(DSK135kg/46)を準備し、その片面に、実施例1で使用した色彩可変層A用インキにより、凸版印刷で、色彩可変層A(3)を厚さ8μmで、図4(2)のように、形成した。また、上記の基材2の上で、色彩可変層Aとは重ならないように、図4(2)のように、厚さ8μmになるように、実施例1で使用した色彩可変層B用インキにより、オフセット印刷により、色彩可変層B(4)を形成した。さらに、上記の基材2の上で、色彩可変層A、Bとは重ならないように、図4(2)のように、厚さ5μmで、ピンク色の着色顔料を含有したオフセット印刷用インキで、オフセット印刷により、絵柄層5を形成して、実施例2の色彩可変印刷物を作製した。
上記の得られた実施例2の色彩可変印刷物は、作製して室温(24℃)の放置状態では、色彩可変層Bがピンク色の状態であり、同じく24℃で、但し、365nm又は405nmの波長光を照射後で、色彩可変層Aがピンク色の状態となり、「8」の数字を認識できた。そして、33℃の環境温度に色彩可変印刷物を放置すると、色彩可変層Bがピンク色から消色として無色となり、「8」から「0」の数字に変化して認識された。上記のピンク色で「8」の数字を認識できる状態から色彩可変印刷物に、532nmの波長光を照射すると、色彩可変層Aがピンク色から無色に変化し、「6」の数字を認識することができた。この場合は、実施例1と比べ、色彩可変層A、Bに絵柄層が追加された色彩可変印刷物であり、異なる数字情報として変化させる形態をより多くもつことができるので、より偽造防止性が高まった。尚、実施例1、2では、色彩の変化を数字の情報として変化させたが、漢字の「へん」と「つくり」の単位で変化させて、例えば、「体」が「本」に変化するなど、変化させる形態は適宜選択できるものであった。
1 色彩可変印刷物
2 基材
3 色彩可変層A
4 色彩可変層B
5 絵柄層

Claims (5)

  1. 基材の一方の面に、少なくとも、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層Aと、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層B個別の領域を有するように設け、該色彩可変層Aと色彩可変層Bとが同等の色彩を同時にもつことが可能であり、その際に、特定の数字、文字が認識できることを特徴とする色彩可変印刷物。
  2. 基材の一方の面に、少なくとも、特定波長の光照射により、可逆的に色彩が変化する色彩可変層Aと、熱により可逆的に色彩が変化する色彩可変層Bと、前記特定波長の光照射及び熱により色彩が変化しない絵柄層とを個別の領域を有するように設け、該絵柄層と、少なくとも一つの色彩可変層とが同等の色彩を同時にもつことが可能であり、その際に、特定の数字、文字が認識できることを特徴とする色彩可変印刷物。
  3. 前記の色彩可変層Aに対し、波長365nm又は405nmの光照射により、色彩が無色から変化し、該色彩が変化した色彩可変層Aに波長532nmの光照射により、該色彩が無色に戻ることを特徴とする請求項1または2に記載する色彩可変印刷物。
  4. 前記の色彩可変層Aは、バリウムマグネシウムケイ酸塩をフォトクロミック材料として含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載する色彩可変印刷物。
  5. 前記絵柄層が色彩可変層A、色彩可変層Bの少なくとも1層と部分的に重なった領域に形成されていることを特徴とする請求項2記載の色彩可変印刷物。
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