JP2007296718A - 感熱記録媒体、画像形成装置およびその方法 - Google Patents

感熱記録媒体、画像形成装置およびその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 メインテナンスが容易で、カートリッジ等の廃棄物を発生させず、しかも記録シートの管理を容易にすることができる記録シート等を提供する。
【解決手段】 低温発色層9と中温発色層13との間に熱バリア層11が配置されている。保護層19側の中温発色層13を中温中時間で加熱したときに、熱バリア層11によって低温発色層9に対する熱伝達が遅延および抑制され、中温発色層13のみを発色できる。低温発色後に加圧されて低温発色抑制層7内の低温発色カプセル23が破壊され、低温発色層9の発色機能が抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、感熱式の感熱記録媒体、並びに当該感熱記録媒体に画像を形成する画像形成装置およびその方法に関する。
現在実用化されているプリンタには、インクジェット方式や感熱転写方式、複写機を電子化したレーザ方式等がある。これらは、いずれもインクやインクリボン、トナーなどを紙(シート)に転写している。従って、プリントが終わると、インクやインクリボン、そしてそれらを内包した専用カートリッジ等が廃棄物となる。また、写真画質を実現するには、結局は専用紙を使う必要がある。
一方、専用の記録シートを必要とするが、インクやインクリボン、並びに専用カートリッジを廃棄しないプリンタとして、ファクシミリやバーコード印刷に用いられている感熱方式のプリンタがある。このような感熱方式で写真画質のカラー印刷を実現するためには多くの技術的困難があり、なかなか実用化されていない。
その最大の技術的障壁としては、3色3層の各発色層をサーマルヘッドの熱制御だけで独立に制御して発色させ、しかも発色する各色に濃淡を付けて濃度階調した制御が困難なためにカラー写真の画質の印刷が実現できなかった。このような中で、富士写真フィルム株式会社の特許文献1の技術的思想を基に、1996年に発売を開始した直接感熱記録方式(TA方式)が唯一の実用化例である。
このTA方式は、シアン、マゼンダ、イエローの順に感熱発色層を基板上に積層し、最上層には耐熱性保護層を配置している。イエローとマゼンタの発色層は、ジアゾニウム塩化合物とカプラーを発色素材とし、紫外線で画像の定着が可能である。また、シアン発色層は定着の必要がないので、染料前駆体と有機酸を発色素材としている。各層のマイクロカプセルは異なる熱感度と紫外線感度を持っており、異なる熱エネルギと異なる波長の紫外線を、5回のステップに分けて与えることによって発色と定着を繰り返しながら、フルカラーのプリントを作成する。
具体的には、TA方式は、(1)イエロー画像情報で、低熱エネルギでイエロー画像を形成し、(2)波長が419nnmの紫外線を全面照射し、(3)イエロー画像を定着し、(4)マゼンタ画像を中熱エネルギで形成する(このときイエロー発色層は加熱しても発色しないため、影響を受けない)、(4)波長が365nmの紫外線を全面照射し、マゼンタ画像を定着し、(5)シアン画像を高熱エネルギで形成する。
また、上記TA方式とは別に、3段階の圧力と3段階の温度とを組み合わせて、カプセル内のジアゾ化合物とカプセル外のカプラーとを化学反応させて発色させるシステムが特許文献2に提案されている。
特開昭61−40192号公報 特開平11−170692号公報
しかしながら、上記TA方式では、感熱発色層が紫外線で定着されるため、記録シートの保管が難しいという問題がある。
また、上述した特許文献2のシステムでは、3段階の圧力を記録シートに適切に加えて発色させる制御が困難であるという問題がある。
さらに、記録シートの薄型化、並びに画像形成工程の簡単化の要請がある。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するために、画像形成装置のメインテナンスが容易で、カートリッジ等の廃棄物を発生させずに簡単な制御で感熱記録媒体に画像を形成でき、しかも感熱記録媒体を容易に管理することを可能とする感熱記録媒体、画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、感熱記録媒体の薄型化、並びに画像形成工程の簡単化が可能な感熱記録媒体、画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するため、請求項1の発明の感熱記録媒体は、第1の発色温度で発色する第1の発色要素と、第1の中間層と、前記第1の温度より低い第2の温度で発色する第2の発色要素と、第2の中間層と、前記第2の温度より低い第3の温度で発色する第3の発色要素とを加熱側から順に配置し、予め決められた圧力を受けたことを条件に前記第3の発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素を有する。
請求項1の発明では、第1の発色要素が第1の発色温度で加熱された場合に、第1中間層の存在により、当該熱の第2の発色要素への伝達が遅延および抑制される。そのため、第2の発色要素を発色させずに、第1の発色要素を発色できる。
また、第2の発色要素が第2の発色温度で加熱された場合に、第2中間層の存在により、当該熱の第3の発色要素への伝達が遅延および抑制される。そのため、第3の発色要素を発色させずに、第2の発色要素を発色できる。
また、第3の発色要素を発色後に加圧することで、発色抑制要素が第3の発色要素の発色機能を抑制する。これにより、耐候性を向上できる。また、紫外線定着が不要であるため、画像形成工程が簡単になると共に、感熱記録媒体の管理も容易になる。さらには、第3の発色要素に対してのみ発色抑制するため、感熱記録媒体の構造を簡単化および薄型化できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の発色要素は、前記第1の発色温度以上の温度で第1の時間以上加熱されたことを条件に発色し、前記第2の発色要素は、前記第2の発色温度以上の温度で、前記第1の時間より長い第2の時間以上加熱されたことを条件に発色し、前記第3の発色要素は、前記第3の発色温度以上の温度で、前記第2の時間より長い第3の時間以上加熱されたことを条件に発色することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1の発明においいて、第1の発色層内に前記第1の発色要素を配置し、第2の発色層内に前記第2の発色要素を配置し、第3の発色層内に前記第3の発色要素を配置し、発色抑制層内に前記発色抑制要素を配置し、基板上に前記発色抑制層、前記第3の発色層、前記第2の中間層、前記第2の発色層、前記第1の中間層および前記第1の発色層を順に積層する。このように層構造にすることで、異なる発色要素間で反応が生じてしまうことを回避できることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、第1の発色層内に前記第1の発色要素を配置し、第2の発色層内に前記発色抑制要素および前記第2の発色要素を混在させて配置し、第3の発色層内に前記第3の発色要素を配置し、基板上に前記発色抑制層、前記第3の発色層、前記第2の中間層、前記第2の発色層、前記第1の中間層および前記第1の発色層を順に積層していることを特徴としている。
第2の発色層内に前記発色抑制要素および前記第2の発色要素を混在させて配置することで、発色抑制機能を効率的に発揮できる。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記発色要素は、当該発色要素が内包する材料が前記発色要素外に放出し、発色要素外の物質と反応して発色する要素、あるいは前記発色要素内に、当該発色要素外の材料が、当該発色要素内に流入して、当該発色要素内の物質と反応して発色する要素であることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記発色抑制要素は、前記発色要素の材料である電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色剤、塩基性物質または酸性物質のうち、一つ以上の材料の化学構造を変化させて発色反応を起こさないようにする機能、前記発色要素の材料である電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色剤、塩基性物質または酸性物質のうち、一つ以上の材料の化学構造を変化させて、化学反応しても色素が生成できずに発色しないようにする機能、あるいは前記発色要素の材料を内包したマイクロカプセルの壁の物質透過性を変化させて浸透性を低下させて発色反応を抑制する機能を有することを特徴としている。
請求項7の発明の画像形成装置は、感熱記録媒体に対して画像を熱記録するサーマルヘッドと、前記感熱記録媒体の低温発色機能を抑制するための圧力を加える加圧手段と、高温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記サーマルヘッドを制御する高温発色処理と、中温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記サーマルヘッドを制御する中温発色処理と、低温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記サーマルヘッドを制御する低温発色処理とを行い、前記低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理を行う制御手段とを有する。
請求項7の発明では、制御手段の制御に従って、サーマルヘッドが、高温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
また、前記サーマルヘッドが、中温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
また、前記サーマルヘッドが、低温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
これらの処理の順序は任意である。
そして、加圧手段が、前記低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加える。これにより、低温発色が抑制される。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記制御手段が、前記高温発色処理を第1の時間で行い、前記中温発色処理を前記第1の時間より長い第2の時間で行い、前記低温発色処理を前記第2の時間より長い第3の時間で行うことを特徴としている。
また、請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明において、前記サーマルヘッドが、前記感熱記録媒体の基材と反対側の保護層側から加熱を行うことを特徴としている。
請求項10の発明は、請求項7〜9の発明において、前記サーマルヘッドと前記加圧手段とが隣接して位置することを特徴としている。
また、請求項11の発明は、請求項7〜9の発明において、前記サーマルヘッドと前記加圧手段とを一体的に構成し、前記感熱記録媒体に接触する前記サーマルヘッドの加熱面によって前記圧力を加えることを特徴としている。
請求項12の発明の画像形成方法は、高温発色温度で感熱記録媒体に画像を形成する第1の工程と、中温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成する第2の工程と、低温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成する第3の工程と、前記第3の工程の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加える第4の工程とを有する。
請求項13の発明の感熱記録媒体は、高温で発色する第1の高温発色要素と、第1の中間層と、前記高温より低い低温で発色する低温発色要素と、第2の中間層と、前記低温より高い高温で発色する第2の高温発色要素とを基材上に順に配置し、予め決められた圧力を受けたことを条件に前記低温発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素を有する。
表面側から高温加熱して第1の高温発色要素を発色させた場合に、第1の中間層の存在により、低温発色要素は発色しない。
また、基材側から高温加熱して第2の高温発色要素を発色させた場合に、第2の中間層の存在により、低温発色要素は発色しない。
また、低温発色要素を発色させた後に加圧することで発色抑制要素の発色抑制機能が働き、低温発色が抑制される。
請求項14の発明の画像形成装置は、感熱記録媒体の表面側から加熱して画像を熱記録する第1のサーマルヘッドと、前記感熱記録媒体の基材側から加熱して画像を熱記録する第2のサーマルヘッドと、前記感熱記録媒体の低温発色機能を抑制するための圧力を加える加圧手段と、高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第1のサーマルヘッドを制御する第1の高温発色処理と、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第1のサーマルヘッドを制御する低温発色処理と、高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第2のサーマルヘッドを制御する第2の高温発色処理と、前記低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理とを行う制御手段とを有する。
請求項14の発明では、制御手段の制御に従って、第1サーマルヘッドが、表面側から、高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
また、前記第1のサーマルヘッドが、表面側から、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
また、第2のサーマルヘッドが、基材側から、高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
そして、加圧手段が、低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加える。これにより、低温発色機能が抑制される。
請求項15の発明の感熱記録媒体は、低温で発色する第1の低温発色要素と、第1の中間層と、低温で発色する第2の低温発色要素と、第2の中間層と、前記低温より高い高温で発色する高温発色要素とを基材上に順に配置し、予め決められた圧力を受けたことを条件に前記第1の低温発色要素および前記第2の低温発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素を有する。
表面側から高温加熱して高温発色要素を発色させた場合に、第2の中間層の存在により、第2の低温発色要素は発色しない。
また、表面から低温加熱して第2の低温発色要素を発色させた場合に、第2の中間層の存在により、第1の低温発色要素は発色しない。
また、基材側から低温加熱して第1の低温発色要素を発色させた場合に、第2の中間層の存在により、第2の低温発色要素は発色しない。
また、第1および第2の低温発色要素を発色させた後に加圧することで発色抑制要素の発色抑制機能が働き、低温発色が抑制される。
請求項16の発明の画像形成装置は、感熱記録媒体の表面側から加熱して画像を熱記録する第1のサーマルヘッドと、前記感熱記録媒体の基材側から加熱して画像を熱記録する第2のサーマルヘッドと、前記感熱記録媒体の低温発色機能を抑制するための圧力を加える加圧手段と、高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第1のサーマルヘッドを制御する高温発色処理と、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第1のサーマルヘッドを制御する第1の低温発色処理と、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第2のサーマルヘッドを制御する第2の低温発色処理と、前記第1の低温発色処理および前記第2の低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理とを行う制御手段とを有する。
請求項16の発明では、制御手段の制御に従って、第1のサーマルヘッドが、表面から、高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
また、前記第1のサーマルヘッドが、表面から、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
また、第2のサーマルヘッドが、基材側から、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成する。
そして、加圧手段が、上記低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加える。これにより、低温発色抑制機能が働く。
本発明によれば、画像形成装置のメインテナンスが容易で、カートリッジ等の廃棄物を発生させずに簡単な制御で感熱記録媒体に画像を形成でき、しかも感熱記録媒体を容易に管理することを可能とする感熱記録媒体、画像形成装置および画像形成方法を提供することができる。
また、本発明によれば、感熱記録媒体の薄型化、並びに画像形成工程の簡単化が可能な感熱記録媒体、画像形成装置および画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係わる記録シート、並びに当該記録シートに画像を形成するプリンタについて説明する。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
[本発明の構成との対応関係]
先ず、本実施形態の構成要素と、本発明の構成要素との対応関係を説明する。
本実施形態は、請求項1〜12の発明の一例に係わる。
図1に示す高温発色カプセル27が請求項1の発明の第1の発色要素の一例であり、中温発色カプセル25が第2の発色要素の一例であり、低温発色カプセル23が第3の発色要素の一例である。また、低温発色抑制カプセル21が請求項1の発明の発色抑制要素の一例である。また、熱バリア層15が請求項1の発明の第1の中間層の一例であり、熱バリア層11が第2の中間層の一例である。
また、高温発色層17が請求項3の発明の第1の発色層の一例であり、中温発色層13が第2の発色層の一例であり、混色防止層9が第3の発色層の一例であり、低温発色抑制層7が発色抑制層の一例である。
また、図6に示すサーマルヘッド45が請求項7のサーマルヘッドの一例であり、加圧ローラ49a,49bが請求項7の加圧手段の一例である。
また、図6に示す制御部51が、請求項7の制御手段の一例である。
[記録シート10]
先ず、本実施形態で用いられる記録シート10を説明する。
図1は、本実施形態で用いる記録シート10の断面構成図である。
図1に示すように、記録シート10は、例えば、基材11上に低温発色抑制層7、低温発色層9、熱バリア層11、中温発色層13、熱バリア層15、高温発色層17および保護層19を順に積層して構成される。
このように、記録シート10は、中温発色層13と高温発色層17との間に熱バリア層15が配置されている。これにより、保護層19側の高温発色層17を高温短時間で加熱したときに、熱バリア層15によって中温発色層13に対する熱伝達が遅延および抑制され、高温発色層17のみを発色させることができる。
また、低温発色層9と中温発色層13との間に熱バリア層11が配置されている。これにより、保護層19側の中温発色層13を中温中時間で加熱したときに、熱バリア層11によって低温発色層9に対する熱伝達が遅延および抑制され、中温発色層13のみを発色できる。
記録シート10では、低温発色後に加圧されて低温発色抑制層7内の低温発色カプセル23が破壊され、低温発色層9の発色機能が抑制される(低温定着される)。これにより、低温色の耐候性を高めることができる。
なお、記録シート10は、3色発色できるため、カラー画像を形成できる。
基材11は、例えば、ポリエステルやポリエチレンテレフタレート(PET)等によって構成される。基材11は、白色あるいは透明である。
図2(A)に示すように、低温発色抑制カプセル21は破壊圧力P1で破壊されて発色抑制機能を発揮する。また、低温発色カプセル23、中温発色カプセル25および高温発色カプセル27は、図2(B)に示すように、それぞれ温度T1,T2,T3で発色する。
低温発色抑制層7は、低温発色抑制カプセル21を内包する。
低温発色抑制カプセル21は、図3(A)に示すように、通常圧力(非破壊圧力)状態で、低温発色層9の発色機能を抑制する低温発色抑制剤を内包する。
低温発色抑制カプセル21は、図3(B)に示すように、図2(A)に示す破壊圧力P1以上の圧力が加わると、カプセルが破壊状態(あるいは浸透状態)となり、低温発色抑制剤を低温発色抑制カプセル21外に流出させる。
低温発色抑制カプセル21等のマイクロカプセルの破壊(浸透)圧力は、マイクロカプセルの径と壁厚との関係、並びに壁の材質によって規定される。
低温発色抑制カプセル21が内包する低温発色抑制剤は、例えば、低温発色カプセル23内は発色剤、低温発色層9内の顕色剤、塩基性物質および酸性物質のうち、1つ以上の物質の化学構造を変化させて、化学反応を起こさないようにする機能、あるいは化学反応しても色素が生成されないようにする機能を有する。
また、低温発色抑制カプセル21は、低温発色カプセル23のカプセルの壁の物質透過性を変化させて浸透性を低下させて発色反応を抑制する機能を有していてもよい。
なお、本実施形態において、低温発色抑制カプセル21が内包する低温発色抑制剤がカプセル外部に流出する条件として、温度条件は特に不要である。変形例として、低温発色抑制カプセル21は、例えば、温度Ta(<T1)以上で破壊圧力P1以上の圧力を受けたことを条件に、低温発色抑制機能を発揮するようにしてもよい。
低温発色層9において電子供与性無色染料(発色剤:例えばロイコ染料)と電子受容性化合物(顕色剤:例えば酸性物質)との組み合わせで発色する場合には、低温発色抑制カプセル21として、例えば、リン酸エステル類、テトラヒドロフタル酸、脂肪酸エステル、2価アルコールエステル類、エポキシ系可塑剤あるいはトリメット酸系可塑剤等が用いられる。
低温発色層9は、低温発色カプセル23、顕色剤、並びに必要に応じて塩基性物質または酸性物質をバインダ材中に分散させて構成される。低温発色カプセル23は、発色剤を内包し、その壁のガラス転移点が図2(B)に示す温度T1(例えば、100℃)であり、中温発色カプセル25および高温発色カプセル27より低い。
低温発色層9は、例えば、温度T1以上の低温状態になると、低温発色カプセル23が内包する発色剤と低温発色層9内の顕色剤とが反応して発色する。
低温発色カプセル23は、いわゆるマイクロカプセルであり、その壁が90〜140℃のガラス転移点を持つポリウレアあるいはポリウレタンからなる。低温発色カプセル23は、ガラス転移点前後で物質浸透(透過)性が大きくなる特性を持つ。これにより、図4(A)に示すように、温度T1未満(非低温)においては、低温発色カプセル23内に顕色剤は浸透せず、低温発色カプセル23内の発色剤は発色しない。一方、図4(B)に示すように、温度T1以上(上記低温状態)になると、低温発色層9内の顕色剤が低温発色カプセル23内に浸透し、当該顕色剤と低温発色カプセル23内の発色剤とが反応して色素が形成されて発色する。
低温発色カプセル23等の本実施形態におけるマイクロカプセルの壁は、例えば、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂等の合成樹脂で形成される。具体的には、低温発色カプセル23等の壁として、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー、尿素−ホルムアルデヒドポリマー等が用いられる。
また、マイクロカプセルの平均粒径は、例えば約3〜4μmであり、そのガラス転移点は壁の材質によって規定される。マイクロカプセルは、反応する物質を多層構造の状態で隔離しておくだけでなく、マイクロカプセルの壁を隔ててミクロンに分散して共存させることにより、数μの薄い塗布膜の中で、常温では十分に隔離性を保ちながら、加熱時に瞬時に十分な物質浸透性を持たせる機能を持つ。
なお、低温発色カプセル23は、上記低温状態になると、その壁が溶けて、カプセル内の発色剤がカプセル外に流出して、カプセル外の顕色剤と反応して発色するように構成してもよい。
本実施形態において、発色剤と、それに反応する顕色剤との組み合わせには、例えば、ジアゾ化合物(発色剤)とカプラー(顕色剤)との組み合わせ、あるいは電子供与性無色染料(発色剤)と電子受容性化合物(顕色剤)との組み合わせ等がある。なお、ジアゾ化合物の化学構造とカプラーの化学構造との組み合わせ、あるいは電子供与性無色染料の化学構造と電子受容性化合物の化学構造との組み合わせによって任意の色相を発色できることは公知である。
なお、上記ジアゾ化合物は、例えば、リン酸トリクレジル等である。ジアゾ化合物は、電子供与性染色前駆体(染料前駆体)であり、塩基性雰囲気でカプラーと反応して発色する。カプラーは、例えば、レゾルシルやフロログルシンであり、塩基性雰囲気中でジアゾ化合物とカップリングして色素を形成する。塩基性雰囲気は、水難溶性か水不溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生する物質(例えば、有機アンモニウム塩)によって作られる。
また、上記電子供与性無色染料は例えばロイコ染料であり、電子受容性化合物は例えばフェノール系酸性物質である。この組み合わせでは、ロイコ染料が酸性物質である顕色剤に吸着して酸化されて発色する。
また、上記カプラーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3ナフトエ酸アニリド等が用いられる。
また、上記電子受容性化合物としては、例えば、フェノール化合物、有機酸またはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質が用いられる。
また、本実施形態では、発色剤をマイクロカプセル内に内包する場合を例示するが、例えば、発色剤と顕色剤とをバインダ内に分散して配置し、加熱によりバインダが溶融して発色剤と顕色剤とが反応するような構成にしてもよい。
熱バリア層11は、例えば、中温発色層13および高温発色層17が保護層19側から加熱されて発色する場合に、その熱が低温発色層9に伝達して低温発色層9が発色することを抑制する機能を有する。
熱バリア層11は、例えば、この層が熱溶媒を含む場合などに、加熱の際に相変化を受ける不活性材料を含む任意の材料によって構成される。熱バリア層11の代表的な材料としては、ポリ(ビニルアルコール)のようなポリマー材料が挙げられる。
中温発色層13は、中温発色カプセル25、顕色剤、並びに必要に応じて塩基性物質または酸性物質をバインダ材中に分散させて構成される。中温発色カプセル25は、発色剤を内包し、その壁のガラス転移点が例えば、150〜280℃の中温である。中温発色層13は、例えば、図2に示す温度T2(例えば、160℃)以上の中温状態となると、中温発色カプセル25が内包する発色剤と中温発色層13内の顕色とが反応して発色する。中温発色カプセル25の壁のガラス転移点を除いて、発色の原理は、低温発色カプセル23と同じである。
熱バリア層15は、例えば、高温発色層17が保護層19側から加熱されて発色される場合に、その熱が中温発色層13に伝達して中温発色層13が発色することを抑制する機能を有する。熱バリア層15の材料は、例えば、上述した熱バリア層11と同じである。
高温発色層17は、高温発色カプセル27、顕色剤、並びに必要に応じて塩基性物質あるいは酸性物質をバインダ材中に分散させて構成される。高温発色カプセル27は、発色剤を内包し、その壁のガラス転移点が例えば、300〜350℃の高温である。高温発色層17は、例えば、図2に示す温度T3(例えば、330℃)以上の高温状態となると、高温発色カプセル27が内包する発色剤と高温発色層17内の顕色剤とが反応して発色する。高温発色カプセル27の壁のガラス転移点を除いて、発色の原理は、中温発色カプセル25と同じである。
本実施形態において、中温発色カプセル25、低温発色抑制カプセル21および高温発色カプセル27が内包する発色剤と、その外部の顕色剤とが反応する条件として、圧力は不要である。
保護層19は、低温発色層9を保護するための層である。保護層19は、例えば、耐熱機能を有する。
本実施形態において、低温発色抑制層7、低温発色層9、中温発色層13および高温発色層17の各々の厚みは、例えば1〜4μmである。
また、熱バリア層11の厚みは例えば5〜25μmであり、熱バリア層15の厚みは例えば3〜10μmである。
また、各層への発色の割り当ては、例えば、図5に示すように、低温発色層9にイエロー、中温発色層13にマゼンダ、高温発色層17にシアンを割り当てる。但し、これは一例であり、割り当てパターンは任意である。
なお、本実施形態では、プリンタ40において、記録シート10の各層の発色時に保護層19側から加熱を行う。
[プリンタ40]
次に、図1に示す記録シート10に画像を形成するプリンタを説明する。
なお、本実施形態で以下に説明するプリンタは一例であり、後述する変形例等に記載するプリンタを用いて記録シート10に画像を形成してもよい。
図6は、図1に示す記録シート10に画像を記録(印刷)するプリンタ40の構成図である。
図6に示すように、プリンタ40は、例えば、シート収容ケース41、シート送りローラ43、サーマルヘッド45、プラテンローラ47、加圧ローラ49a,49bおよび制御部51を有する。
シート収容ケース41は、複数の記録シート10を収容する。シート収容ケース41に収容された記録シート10は、バネ53等の付勢手段によってシート送りローラ43に向けて押されている。
シート送りローラ43は、シート収容ケース41の最上段の記録シート10に接触して位置する。シート送りローラ43は、制御部51からの制御信号に基づいてモータ(図示せず)によって回転駆動される。シート送りローラ43が回転すると、バネ53の付勢力により記録シート10とシート送りローラ43との間に生じた摩擦力によって、シート送りローラ43の回転に連動してシート収容ケース41の最上段の記録シート10がサーマルヘッド45に向けて搬送される。なお、制御部51は、上記制御信号に基づいて、モータ(シート送りローラ43)の回転量を制御することで、記録シート10の位置や送り量を制御する。
記録シート10の搬送経路におけるシート送りローラ43の下流側には、サーマルヘッド45が設けられている。
サーマルヘッド45は、複数の発熱素子を主走査方向にライン状に並べた発熱素子アレイを備えている。サーマルヘッド45は、発熱素子アレイを記録シート10に接触した状で、形成する画像に応じたパターンで各発熱素子を発熱させる。本実施形態では、各発熱素子は、少なくとも、非発熱状態、低温発熱状態、中温発色状態および高温発熱状態の4状態を有し、これら4状態のうち一つが制御部51によって選択される。
各発熱素子の発熱温度は、その発熱素子に接続された抵抗に電流を流す時間によって制御される。制御部51は、加熱時間に応じて、サーマルヘッド45の各発熱素子に電流を流す時間を規定するストローブ信号のパルス幅を制御する。
また、その他の温度制御方法として、制御部51は、例えば、発熱温度に応じては発熱素子間に生じる電圧を制御(発熱温度が高くなるに従って上記電圧が大きくなるように制御)してもよい。
また、各発熱素子が制御信号のレベルに応じた電圧によって発熱する場合に、制御部51は、制御信号のパルス電位、パルス幅およびパルス回数を制御することで、各色の濃度を制御できる。
なお、サーマルヘッド45は、低温発色状態、中温発色状態および高温発色状態の各々において、画像データの諧調に応じた複数の発熱温度を調整可能にしてもよい。
プラテンローラ47は、記録シート10の搬送経路を挟んで反対側には、サーマルヘッド45が設けられている。プラテンローラ47は、記録シート10の搬送に応じて回転し、記録シート10とサーマルヘッド45の発熱素子との接触状態を安定にする。
記録シート10の搬送経路におけるサーマルヘッド45の下流側には、1対の加圧ローラ49a,49bが設けられている。
加圧ローラ49a,49bは、サーマルヘッド45で加熱して発色した記録シート10を挟み込んで加圧し、図1に示す記録シート10の低温発色抑制層7内の低温発色抑制カプセル21に圧力を加えて、低温発色抑制カプセル21内の低温発色抑制剤を低温発色抑制カプセル21外に流出させる。
加圧ローラ49a,49bは、加圧後の記録シート10を、搬出口に向けて送り出すシート送りローラとしての機能も併せ持つ。
制御部51は、例えば、マイクロコンピュータ等の電子回路であり、プリンタ40の動作を統括的に制御する。
以下、図6〜図8を参照して、プリンタ40の動作例を説明する。
図8は、図1に示す記録シート10に画像を形成するプリンタの動作例を説明ためのフローチャートである。
ステップST0:
図6に示すプリンタのシート収容ケース41に、複数枚の記録シート10を収容する。シート収容ケース41に収容された記録シート10は、バネ53の付勢力によって紙送りローラ43に向けて押され、最上段の記録シート10と紙送りローラ43との間に摩擦力が生じている。
ステップST1:
制御部51からの制御に基づいてシート送りローラ43が回転し、シート収容ケース41の最上段に収容された記録シート10がサーマルヘッド45に向けて搬送される。
ステップST2:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート10に形成する画像の高温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を高温且つ短時間で発熱させる。これにより、記録シート10の高温発色層17が、画像情報に対応した高温発色成分の画素パターンで、図2(B)に示す温度T3の高温で短時間加熱され、高温加熱された位置の高温発色カプセル27内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(高温発色)する。
このとき、高温発色層17と中温発色層13との間には熱バリア層15が介在する。また、高温加熱時間は短時間である。そのため、熱バリア層15による熱伝達時間(遅延時間)により、中温発色層13を発色させずに高温発色層17を発色できる。
ステップST3:
ステップST2に続いて、制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート10に形成する画像の中温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を中温且つ中時間で発熱させる。これにより、記録シート10の中温発色層13が、画像情報に対応した中温発色成分の画素パターンで、図2(B)に示す温度T2の中温で中時間加熱され、中温加熱された位置の中温発色カプセル25内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(中温発色)する。
このとき、中温発色層13と低温発色層9との間には熱バリア層11が介在する。また、中温加熱時間は中時間である。そのため、熱バリア層11による熱伝達時間(遅延時間)により、低温発色層9を発色させずに中温発色層13を発色できる。
ステップST4:
ステップST3に続いて、制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート10に形成する画像の低温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を低温且つ長時間で発熱させる。これにより、記録シート10の低温発色層9が、画像情報に対応した低温発色成分の画素パターンで、図2(B)に示す温度T1の低温で長時間加熱され、低温加熱された位置の低温発色カプセル23内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(低温発色)する。
本実施形態において、ステップST2〜ST4の発色処理は、記録シート10上でサーマルヘッド45が接触した領域に対して順に行われる。当該接触領域についてステップST2〜ST4の発色処理が終了すると、プラテンローラ47が回転して次の接触領域についてステップST2〜ST4の処理が行われる。
ステップST5:
ステップST4に続いて、図7に示すように、制御部51からの制御に基づいてプラテンローラ47が記録シート10を加圧ローラ49a,49bに向けて搬送する。記録シート10は、図2に示すように、温度Taで、加圧ローラ49a,49bによって破壊圧力P1で加圧される。これにより、図1に示す低温発色抑制層7内の低温発色抑制カプセル21が破壊され、低温発色抑制カプセル21内の低温発色抑制剤がカプセル外部に流出し、低温発色層223における低温発色剤と顕色剤との反応が抑制される。すなわち、低温発色について定着が行われる。これにより、低温色の発色を抑制して耐候性を高めることができる。
ステップST6:
制御部51からの制御に基づいて加圧ローラ49a,49bが回転し、図7に示すように、記録シート10が図7中右側の搬出口に向けて搬送される。
以上説明したように、記録シート10によれば、低温発色層9の発色抑制(定着)を行うため、画像形成後の変色を抑制でき、耐候性を向上できる。
また、記録シート10によれば、低温発色層9と中温発色層13との間に熱バリア層11を設け、中温発色層13と高温発色層17との間に熱バリア層15とを設けている。また、低温発色層9、中温発色層13および高温発色層17の順に発色温度を低くし、発色加熱時間を長く規定している。
そのため、低温側の発色層を定着しなくても、高温側の発色層の発色処理を行うことができる。これにより、画像形成工程を簡単化および短時間化できる。
また、本実施形態のプリンタ40によれば、図7に示すように、高温発色、中温発色および低温発色を順に行った後に低温発色抑制処理(定着処理)を行うため、高温発色、中温発色および低温発色を、図5に示すプリンタのサーマルヘッド45によって1ヘッドで温度と時間を制御して連続して実現できる。
プリンタ40によれば、低温発色定着のために加圧ローラ49a,49bが加圧する際に、温度制御が不要であるため、構成および制御を簡単にできる。
また、記録シート10では、高温発色層17を保護層19側に配置し、低温発色層9を基材5側に配置する。そのため、プリンタ40による加熱時のエネルギを小さくできると共に、加熱時間を短縮できる。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では図1に示すように、基材5上に低温発色抑制層7および低温発色層9を順に積層したが、本実施形態では、図9に示すように、基材5の上に低温発色層9および低温発色抑制層7を順に積層する。
本実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第3実施形態>
上述した第1実施形態では図1に示すように、基材5上に低温発色抑制層7および低温発色層9を順に積層したが、本実施形態では、図10に示すように、基材5の上に低温発色層109を形成し、低温発色層109内に低温発色抑制カプセル21と低温発色カプセル23とを混在させる。
本実施形態によれば、低温発色抑制層を設けないため、記録シートを薄型化できる。また、低温発色抑制カプセル21と低温発色カプセル23とが混在しているため、低温発色抑制カプセル21の発色抑制機能を効果的に発揮できる。
<第4実施形態>
上述した第1実施形態では、図1に示すように、低温発色層9、中温発色層13および高温発色層17を各々1層配置した場合を例示したが、図11に示すように、本実施形態の記録シート410では、1層の低温発色層409と、2層の高温発色層417,418を配置する。
当該実施形態は、請求項13,14の一例に係わる。
高温発色層418の高温発色カプセル27が請求項13の第1の高温発色要素の一例であり、低温発色層409の低温発色カプセル23が低温発色要素の一例であり、高温発色層417の高温発色カプセル27が第2の高温発色要素の一例である。また、低温発色抑制層407の低温発色抑制カプセル21が請求項13の発色抑制要素の一例である。
図11に示すように、記録シート410は、基材5上に高温発色層418、熱バリア層11、低温発色抑制層407、低温発色層409、熱バリア層15、高温発色層417および保護層19を順に積層して構成される。
本実施形態において、図11に示す基材5、熱バリア層11、熱バリア層15および保護層19は、第1実施形態で説明したものと同じである。
また、高温発色層418は、シアンを発色し、第1実施形態の高温発色層17と同じである。
また、低温発色抑制層407は、第1実施形態の低温発色抑制層7と同じである。
低温発色抑制層407の位置は、低温発色層409と熱バリア層15との間でもよい。
また、低温発色層409は、マゼンダを発色する点を除いて、第1実施形態の低温発色層9と同じである。
また、高温発色層417は、イエローを発色する点を除いて、第1実施形態の高温発色層17と同じである。
図12は、図11に示す記録シート410に画像を形成するプリンタ440の構成図である。
図12において、図6と同じ符号を付した構成要素は、第1実施形態で説明したものと同じである。
図12に示すように、プリンタ440は、図6に示すプリンタ40において、サーマルヘッド45およびプラテンローラ47と、加圧ローラ49a,49bとの間に、サーマルヘッド445およびプラテンローラ447を追加した構成を有している。
サーマルヘッド445およびプラテンローラ447は、それぞれサーマルヘッド45およびプラテンローラ47と同じ構成を有しているが、サーマルヘッド45およびプラテンローラ47とは配置が逆になっている。すなわち、サーマルヘッド45は記録シート410の保護層19側を加熱するように配置され、サーマルヘッド445は記録シート410の基材5側を加熱するように配置されている。
なお、図12において、サーマルヘッド45およびプラテンローラ47を下流側(加圧ローラ49a,49b側)に配置し、サーマルヘッド445およびプラテンローラ447を上流側(シート送りローラ43側)に配置してもよい。
以下、図13を参照して、プリンタ440の動作例を説明する。
図13は、図11に示す記録シート410に画像を形成するプリンタ440の動作例を説明ためのフローチャートである。
ステップST10:
図12に示すプリンタ440のシート収容ケース41に、複数枚の記録シート410を収容する。シート収容ケース41に収容された記録シート410は、バネ53の付勢力によって紙送りローラ43に向けて押され、最上段の記録シート410と紙送りローラ43との間に摩擦力が生じている。
ステップST11:
制御部451からの制御に基づいてシート送りローラ43が回転し、シート収容ケース41の最上段に収容された記録シート10がサーマルヘッド45に向けて搬送される。
ステップST12:
制御部451からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート410に形成する画像の高温発色成分(イエロー)に応じた画素パターンで各発熱素子を高温且つ短時間で発熱させる。これにより、記録シート410の高温発色層417が、画像情報に対応した高温発色成分(イエロー)の画素パターンで、図2(B)に示す温度T3の高温で保護層19側から加熱され、高温加熱された位置の高温発色カプセル27内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(高温発色)する。
このとき、高温発色層417と低温発色層409との間には熱バリア層15が介在する。また、高温加熱時間は短時間である。そのため、熱バリア層15による熱伝達時間(遅延時間)により、低温発色層409を発色させずに高温発色層417を発色できる。
ステップST13:
ステップST12に続いて、制御部451からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート410に形成する画像の低温発色成分(マゼンダ)に応じた画素パターンで各発熱素子を低温且つ長時間で発熱させる。これにより、記録シート410の低温発色層409が、画像情報に対応した低温発色成分(マゼンダ)の画素パターンで、図2(B)に示す温度T1の低温で長時間加熱され、低温加熱された位置の低温発色カプセル23の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(低温発色)する。
本実施形態において、ステップST12,ST13の発色処理は、記録シート410上でサーマルヘッド45が接触した領域に対して順に行われる。当該接触領域についてステップST12,ST13の発色処理が終了すると、プラテンローラ47が回転して次の接触領域についてステップST12,ST13の処理が行われる。
ステップST14:
制御部451の制御に基づいてプラテンローラ47が回転し、記録シート410がサーマルヘッド445に向けて搬送される。
ステップST15:
制御部451からの制御に基づいてサーマルヘッド445が、記録シート410に形成する画像の高温発色成分(シアン)に応じた画素パターンで各発熱素子を高温且つ短時間で発熱させる。これにより、記録シート410の高温発色層417が、画像情報に対応した高温発色成分(シアン)の画素パターンで、図2(B)に示す温度T3の高温で基材5側から加熱され、高温加熱された位置の高温発色カプセル27内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(高温発色)する。
このとき、高温発色層418と低温発色層409との間には熱バリア層11が介在する。また、高温加熱時間は短時間である。そのため、熱バリア層11による熱伝達時間(遅延時間)により、低温発色層409を発色させずに高温発色層418を発色できる。
ステップST16:
制御部451からの制御に基づいてプラテンローラ447が記録シート410を加圧ローラ49a,49bに向けて搬送する。記録シート410は、図2に示すように、加圧ローラ49a,49bによって破壊圧力P1で加圧される。これにより、図11に示す低温発色抑制層407内の低温発色抑制カプセル21が破壊され、低温発色抑制カプセル21内の低温発色抑制剤がカプセル外部に流出し、低温発色層409における低温発色剤と顕色剤との反応が抑制される。すなわち、低温発色について定着が行われる。これにより、低温色の発色を抑制して耐候性を高めることができる。
ステップST17:
制御部451からの制御に基づいて加圧ローラ49a,49bが回転し、記録シート410が図12中右側の搬出口に向けて搬送される。
以上説明したように、記録シート410によれば、熱バリア層15および熱バリア層11を設けることで、低温発色層9側および基材5側からそれぞれ高温加熱しても、中間位置の低温発色層409を発色させないようにできる。
また、記録シート410によれば、第1実施形態と同様に、低温発色層409の発色抑制(定着)を行うため、画像形成後の変色を抑制でき、耐候性を向上できる。また、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第5実施形態>
上述した第1実施形態では、図1に示すように、低温発色層9、中温発色層13および高温発色層17を各々1層配置した場合を例示したが、図14に示すように、本実施形態の記録シート510では、1層の高温発色層517と、2層の低温発色層508,509を配置する。
当該実施形態は、請求項15,16の一例に係わる。
低温発色層508の低温発色カプセル23が請求項15の第1の低温発色要素の一例であり、低温発色層509の低温発色カプセル23が第2の低温発色要素の一例であり、高温発色層517の高温発色カプセル27が高温発色要素の一例である。また、低温発色抑制層506,507の低温発色抑制カプセル21が請求項15の発色抑制要素の一例である。
図14に示すように、記録シート510は、基材5上に低温発色抑制層506、低温発色層508、熱バリア層11、低温発色抑制層507、低温発色層509、熱バリア層15、高温発色層517および保護層19を順に積層して構成される。
本実施形態において、図11に示す基材5、熱バリア層11、熱バリア層15および保護層19は、第1実施形態で説明したものと同じである。
低温発色抑制層506は、破壊圧力が加わると低温発色層508の発色機能を抑制する。低温発色抑制層506は、第1実施形態の低温発色抑制層7と同じである。
低温発色層508は、イエローを発色し、第1実施形態の低温発色層9と同じである。
低温発色抑制層507は、破壊圧力が加わると低温発色層509の発色機能を抑制する。低温発色抑制層507は、第1実施形態の低温発色抑制層7と同じである。
低温発色層509は、マゼンダを発色する点を除いて、第1実施形態の混色防止層9と同じである。
高温発色層517は、第1実施形態の高温発色層17と同じである。
本実施形態において、図14に示す記録シート510に画像を形成するプリンタ540は、例えば、図12に示すプリンタ440と同じ構成を有している。
以下、本実施形態のプリンタ540の動作例を説明する。
図15は、図14に示す記録シート510に画像を形成するプリンタ540の動作例を説明ためのフローチャートである。
ステップST20:
図12に示すシート収容ケース41に、複数枚の記録シート510を収容する。シート収容ケース41に収容された記録シート510は、バネ53の付勢力によって紙送りローラ43に向けて押され、最上段の記録シート510と紙送りローラ43との間に摩擦力が生じている。
ステップST21:
制御部551からの制御に基づいてシート送りローラ43が回転し、シート収容ケース41の最上段に収容された記録シート510がサーマルヘッド45に向けて搬送される。
ステップST22:
制御部551からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート510に形成する画像の高温発色成分(シアン)に応じた画素パターンで各発熱素子を高温且つ短時間で発熱させる。これにより、記録シート510の高温発色層517が、画像情報に対応した高温発色成分(シアン)の画素パターンで、図2(B)に示す温度T3の高温で保護層19側から加熱され、高温加熱された位置の高温発色カプセル27内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(高温発色)する。
このとき、高温発色層517と低温発色層509との間には熱バリア層15が介在する。また、高温加熱時間は短時間である。そのため、熱バリア層15による熱伝達時間(遅延時間)により、低温発色層509を発色させずに高温発色層517を発色できる。
ステップST23:
ステップST22に続いて、制御部551からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート510に形成する画像の低温発色成分(マゼンダ)に応じた画素パターンで各発熱素子を低温且つ長時間で発熱させる。これにより、記録シート510の低温発色層509が、画像情報に対応した低温発色成分(マゼンダ)の画素パターンで、図2(B)に示す温度T1の低温で長時間加熱され、低温加熱された位置の低温発色カプセル23の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(低温発色)する。
本実施形態において、ステップST22,ST23の発色処理は、記録シート510上でサーマルヘッド45が接触した領域に対して順に行われる。当該接触領域についてステップST22,ST23の発色処理が終了すると、プラテンローラ47が回転して次の接触領域についてステップST22,ST23の処理が行われる。
ステップST24:
制御部551の制御に基づいてプラテンローラ47が回転し、記録シート510がサーマルヘッド145に向けて搬送される。
ステップST25:
制御部551からの制御に基づいてサーマルヘッド445が、記録シート510に形成する画像の低温発色成分(イエロー)に応じた画素パターンで各発熱素子を低温且つ長時間で発熱させる。これにより、記録シート510の低温発色層508が、画像情報に対応した低温発色成分(イエロー)の画素パターンで、図2(B)に示す温度T1の低温で基材5側から加熱され、低温加熱された位置の低温発色カプセル23内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(低温発色)する。
ステップST26:
制御部551からの制御に基づいてプラテンローラ447が記録シート510を加圧ローラ49a,49bに向けて搬送する。記録シート510は、図2に示すように、加圧ローラ49a,49bによって破壊圧力P1で加圧される。これにより、図14に示す低温発色抑制層506,507内の低温発色抑制カプセル21が破壊され、低温発色抑制カプセル21内の低温発色抑制剤がカプセル外部に流出し、低温発色層508,509における低温発色剤と顕色剤との反応が抑制される。すなわち、低温発色について定着が行われる。これにより、低温色の発色を抑制して耐候性を高めることができる。
ステップST27:
制御部551からの制御に基づいてプラテンローラ447が回転し、記録シート510が図12中右側の搬出口に向けて搬送される。
以上説明したように、記録シート510によっても第4実施形態と同様の効果が得られる。
本実施形態は、例えば、図16に示すように、高温発色層517にイエロー発色を割り当て、低温発色層508にシアン発色を割り当ててもよい。
[プリンタの変形例]
上述した実施形態では、図6等に示すように、加圧ローラ49a,49bをサーマルヘッド45とそれぞれ個別に設ける場合を例示したが、例えば、図17に示す構成により、サーマルヘッド545の加熱面で記録シート10等を加圧してもよい。
図17に示す構成では、継ぎ手520の一端にサーマルヘッド545が固定されている。継ぎ手520は、中心軸520aを中心に回転する。継ぎ手520の他端は、バネ541によって、回転軸520aを中心に継ぎ手520を半時計回りに回転する向きに付勢されている。バネ541よる付勢力は、サーマルヘッド545の加熱面によって記録シート10等を通常圧力で押す力として作用する。
継ぎ手521は、回転軸520aを中心に回転自在に設置され、一端の先端部521aが継ぎ手520の一辺に接触している。
また、継ぎ手521の他端521bは、カム530の外周に接触している。また、継ぎ手521は、バネ540の一端が固定されている。カム530が回転すると、継ぎ手521が回転軸520aを中心として、カム530の外周の段差に応じた所定の回転角度幅で時計方向および逆時計方向に交互に回転する。
このとき、継ぎ手521が時計方向に最も回転した位置において、先端部521aは継ぎ手520を押圧しない。すなわち、バネ540の付勢力は、サーマルヘッド545には作用しない。
一方、継ぎ手521が反時計方向に最も回転した位置において、先端部521aは継ぎ手520を押圧し、バネ540の付勢力はサーマルヘッド545を記録シート10に押し付ける向きに作用する。これにより、サーマルヘッド545の加熱面によって記録シート10等を破壊圧力で押す力が生じる。
図9の構成を用いたプリンタでは、制御部が、カム530の回転を制御することで、サーマルヘッド545の加熱面を介して記録シート10等に加える圧力を制御できる。
当該プリンタでは、複数の加熱温度と加圧の有無を1ヘッドで実現できるため、記録シート10等に1パスで画像を形成できる。すなわち、記録シート10等がヘッドと1回接触して通過するだけで画像形成が可能である。これは、サーマルヘッドが高価であることから製造コストの削減に有用であると共に、小型化の要請にも応えられる。
すなわち、ライン型サーマルヘッドを1つで実現する場合には、従来のTA方式では、記録シートをサーマルヘッドに2往復半通過させるため、画像形成時間が長い。また、当該TA方式は、紫外線ランプと2種類のフィルタの切り替え手段も必要とし、プリンタが大型化してしまう。本実施形態のプリンタは、このような問題を解決できる。
図17に示す構成を図12に示すプリンタに適用する場合には、例えば、サーマルヘッド445およびプラテンローラ447を上流側に配置し、サーマルヘッド45およびプラテンローラ47を下流側に図17に示す構成で配置する。
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した実施形態では、記録シートを3色に発色させて記録を行う場合を例示したが、記録シートに4色以上に発色させて記録を行ってもよい。例えば、イエロー、シアンおよびマゼンダの3色に、ブラックを加えて4色で記録シートを発色させてもよいし、ライトシアンおよびライトマゼンダを加えて5色で記録シートを発色させてもよい。
また、上述した実施形態では、本発明の感熱記録媒体として記録シートを例示したが、本発明の感熱記録媒体の形状はシート状以外でもよい。
本発明は、感熱記録媒体に記録を行うシステムに適用可能である。
図1は、本発明の第1実施形態の記録シートの構成図である。 図2は、低温発色抑制カプセル、低温発色カプセル、中温発色カプセル、高温発色カプセルの特性を説明ための図である。 図3は、図1に示す記録シート内の高温発色カプセル、低温発色カプセルおよび低温発色抑制カプセルの特性を説明ための図である。 図4は、図1に示す発色カプセルの発色原理を説明ための図である。 図5は、本発明の第1実施形態の記録シートの各層が発色する色の割り当て例を説明ための図である。 図6は、本発明の第1実施形態のプリンタの画像形成動作を説明ための図である。 図7は、本発明の第1実施形態のプリンタの画像形成動作を説明ための図5の続きの図である。 図8は、本発明の第1実施形態のプリンタの画像形成動作を説明ためのフローチャートである。 図9は、本発明の第2実施形態の変形例に係わる記録シートの構成図である。 図10は、本発明の第3実施形態の変形例に係わる記録シートの構成図である。 図11は、本発明の第4実施形態に係わる記録シートの構成図である。 図12は、本発明の第4実施形態のプリンタの構成図である。 図13は、本発明の第4実施形態のプリンタの動作を説明ためのフローチャートである。 図14は、本発明の第5実施形態に係わる記録シートの構成図である。 図15は、本発明の第5実施形態のプリンタの動作を説明ためのフローチャートである。 図16は、本発明の第5実施形態の変形例に係わる記録シートの構成図である。 図17は、本発明の実施形態のプリンタの変形例を説明ための図である。
符号の説明
10,410,510‥記録シート、5‥基材、7‥低温発色抑制層、9‥混色防止層、11‥熱バリア層、13‥中温発色層、15‥熱バリア層、17‥高温発色層、19‥保護層、21‥低温発色抑制カプセル、23‥低温発色カプセル、25‥中温発色カプセル、27‥高温発色カプセル、40,440,540‥プリンタ、41‥シート収容ケース、43‥シート送りローラ、45,445‥サーマルヘッド、47,447‥プラテンローラ、49a,49b‥加圧ローラ、51,451,551‥制御部

Claims (16)

  1. 第1の発色温度で発色する第1の発色要素と、
    第1の中間層と、
    前記第1の温度より低い第2の温度で発色する第2の発色要素と、
    第2の中間層と、
    前記第2の温度より低い第3の温度で発色する第3の発色要素と
    を加熱側から順に配置し、
    予め決められた圧力を受けたことを条件に前記第3の発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素
    を有する感熱記録媒体。
  2. 前記第1の発色要素は、前記第1の発色温度以上の温度で第1の時間以上加熱されたことを条件に発色し、
    前記第2の発色要素は、前記第2の発色温度以上の温度で、前記第1の時間より長い第2の時間以上加熱されたことを条件に発色し、
    前記第3の発色要素は、前記第3の発色温度以上の温度で、前記第2の時間より長い第3の時間以上加熱されたことを条件に発色する
    請求項1に記載の感熱記録媒体。
  3. 第1の発色層内に前記第1の発色要素を配置し、
    第2の発色層内に前記第2の発色要素を配置し、
    第3の発色層内に前記第3の発色要素を配置し、
    発色抑制層内に前記発色抑制要素を配置し、
    基板上に前記発色抑制層、前記第3の発色層、前記第2の中間層、前記第2の発色層、前記第1の中間層および前記第1の発色層を順に積層した
    請求項1に記載の感熱記録媒体。
  4. 第1の発色層内に前記第1の発色要素を配置し、
    第2の発色層内に前記発色抑制要素および前記第2の発色要素を混在させて配置し、
    第3の発色層内に前記第3の発色要素を配置し、
    基板上に前記発色抑制層、前記第3の発色層、前記第2の中間層、前記第2の発色層、前記第1の中間層および前記第1の発色層を順に積層した
    請求項1に記載の感熱記録媒体。
  5. 前記発色要素は、当該発色要素が内包する材料が前記発色要素外に放出し、発色要素外の物質と反応して発色する要素、あるいは
    前記発色要素内に、当該発色要素外の材料が、当該発色要素内に流入して、当該発色要素内の物質と反応して発色する要素
    である
    請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録媒体。
  6. 前記発色抑制要素は、
    前記発色要素の材料である電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色剤、塩基性物質または酸性物質のうち、一つ以上の材料の化学構造を変化させて発色反応を起こさないようにする機能、
    前記発色要素の材料である電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色剤、塩基性物質または酸性物質のうち、一つ以上の材料の化学構造を変化させて、化学反応しても色素が生成できずに発色しないようにする機能、あるいは
    前記発色要素の材料を内包したマイクロカプセルの壁の物質透過性を変化させて浸透性を低下させて発色反応を抑制する機能を有する
    請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録媒体。
  7. 感熱記録媒体に対して画像を熱記録するサーマルヘッドと、
    前記感熱記録媒体の低温発色機能を抑制するための圧力を加える加圧手段と、
    高温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記サーマルヘッドを制御する高温発色処理と、中温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記サーマルヘッドを制御する中温発色処理と、低温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記サーマルヘッドを制御する低温発色処理とを行い、前記低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理を行う制御手段と
    を有する画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記高温発色処理を第1の時間で行い、前記中温発色処理を前記第1の時間より長い第2の時間で行い、前記低温発色処理を前記第2の時間より長い第3の時間で行う
    請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記サーマルヘッドは、前記感熱記録媒体の基材と反対側の保護層側から加熱を行う
    請求項7または請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記サーマルヘッドと前記加圧手段とが隣接して位置する
    請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記サーマルヘッドと前記加圧手段とを一体的に構成し、前記感熱記録媒体に接触する前記サーマルヘッドの加熱面によって前記圧力を加える
    請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 高温発色温度で感熱記録媒体に画像を形成する第1の工程と、
    中温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成する第2の工程と、
    低温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を形成する第3の工程と、
    前記第3の工程の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加える第4の工程と
    を有する画像形成方法。
  13. 高温で発色する第1の高温発色要素と、
    第1の中間層と、
    前記高温より低い低温で発色する低温発色要素と、
    第2の中間層と、
    前記低温より高い高温で発色する第2の高温発色要素と
    を基材上に順に配置し、
    予め決められた圧力を受けたことを条件に前記低温発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素
    を有する感熱記録媒体。
  14. 感熱記録媒体の表面側から加熱して画像を熱記録する第1のサーマルヘッドと、
    前記感熱記録媒体の基材側から加熱して画像を熱記録する第2のサーマルヘッドと、
    前記感熱記録媒体の低温発色機能を抑制するための圧力を加える加圧手段と、
    高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第1のサーマルヘッドを制御する第1の高温発色処理と、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第1のサーマルヘッドを制御する低温発色処理と、高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第2のサーマルヘッドを制御する第2の高温発色処理と、前記低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理とを行う制御手段と
    を有する画像形成装置。
  15. 低温で発色する第1の低温発色要素と、
    第1の中間層と、
    低温で発色する第2の低温発色要素と、
    第2の中間層と、
    前記低温より高い高温で発色する高温発色要素と
    を基材上に順に配置し、
    予め決められた圧力を受けたことを条件に前記第1の低温発色要素および前記第2の低温発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素
    を有する感熱記録媒体。
  16. 感熱記録媒体の表面側から加熱して画像を熱記録する第1のサーマルヘッドと、
    前記感熱記録媒体の基材側から加熱して画像を熱記録する第2のサーマルヘッドと、
    前記感熱記録媒体の低温発色機能を抑制するための圧力を加える加圧手段と、
    高温発色温度且つ短時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第1のサーマルヘッドを制御する高温発色処理と、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第1のサーマルヘッドを制御する第1の低温発色処理と、低温発色温度且つ長時間で前記感熱記録媒体に画像を形成するように前記第2のサーマルヘッドを制御する第2の低温発色処理と、前記第1の低温発色処理および前記第2の低温発色処理の後に前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理とを行う制御手段と
    を有する画像形成装置。
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