JP2005138558A - カラー感熱記録方法及びカラー感熱記録装置 - Google Patents

カラー感熱記録方法及びカラー感熱記録装置 Download PDF

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義晴 佐々木
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Abstract

【課題】 非接触で高速印字が可能であり、印画故障が生じることなく、高画質なカラー感熱記録を行うことができるカラー感熱記録方法、及びカラー感熱記録装置の提供。
【解決手段】 支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有するカラー感熱記録紙に対し、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射する炭酸ガスレーザー照射工程を少なくとも有することを特徴とするカラー感熱記録方法。炭酸ガスレーザー光を集光するための炭酸ガスレーザー集光工程を有する態様、発色直後の各感熱発色層に対し、該感熱発色層に特有な電磁波を照射して定着する定着工程を有する態様、などが好ましい。
【選択図】 図4

Description

本発明は、非接触で高速印字が可能であり、印画故障が生じることなく、高画質なカラー感熱記録を行うことができるカラー感熱記録方法、及びカラー感熱記録装置に関する。
従来より、カラー感熱記録方法には、支持体上に、シアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層、及び保護層が順次設けられたカラー感熱記録紙が広く用いられている。該カラー感熱記録紙における3つの感熱発色層のうちでは最上層となるイエロー感熱発色層の熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーで発色する。また、シアン感熱発色層は、表面からの深さが大きいので熱感度が最も低く、発色させるには大きな熱エネルギーが必要である。
また、前記発色記録(印画)時には、サーマルヘッドに対しカラー感熱記録紙を相対移動させて、この移動中にサーマルヘッドでカラー感熱記録紙を加圧・加熱して最上層の感熱発色層から面順次で発色記録する。
前記サーマルヘッドは、アルミナ基板上にシリンドリカルな形状をしたグレーズ層を有し、このグレーズ層の頂点付近に複数の発熱素子がライン状に形成されている。発色記録時の熱エネルギーが高いと、保護層はかなりの温度に加熱される。この保護層がサーマルヘッドのグレーズ層から離れる時点での温度がガラス転移温度以上であると、保護層内に閉じ込められていた物質(例えば、ブロッキング防止剤等)が保護層の表面に露出するため、表面に不規則な微細な凹凸が発生する。この不規則な凹凸が保護層に発生すると、カラー感熱記録紙の表面の光沢度が低下し、ざらついた画像となってしまう。
従来の感熱接触記録方式においては、シアン感熱発色層では相当に大きな熱エネルギーを付与するため、発熱素子が感熱記録用紙に接触してその保護層が溶融・軟化し、冷却されることによりカラー感熱記録紙の表面に凹凸が形成され、画質の低下が生じるという問題がある。
前記問題点を回避する手段の一つとしては、レーザー非接触記録を用いる方法として、光吸収色素を添加した感熱記録材料をヒートモードレーザーで記録する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、この場合、光吸収色素の吸収によりステインが残って地肌部の色調が悪化してしまうという問題がある。
また、発熱素子を冷却するための冷却期間中に、それぞれの発熱素子を補助駆動パルスで駆動し、感熱記録紙にドットが形成されない大きさの熱エネルギーを各発熱素子で発生させることにより、感熱記録紙を加熱して表面の平滑化処理を施すようにしたサーマルプリント方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献2のようなサーマルヘッドを感熱記録紙に密着させて走査するため、サーマルヘッドが磨耗し場合によっては破壊に到るという問題がある。また、記録中にサーマルヘッド表面に感熱記録紙の成分がカスとなって付着したり、サーマルヘッドと感熱記録紙表面の接着(スティキング)が発生して正しい画像が得られない場合がある。更に、このようなサーマルヘッドを用いる感熱記録方法には、サーマルヘッドの構造上の特質から発熱素子の加熱冷却の高速制御や発熱素子密度を大きくする上で限界があり、高速記録や高密度、高画質記録には限界があるという欠点がある。
特開平06−344582号公報 特開平11−291525号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の課題を解決することを目的とする。即ち、本発明は、非接触で高速印字が可能であり、印画故障が生じることなく、高画質なカラー感熱記録を行うことができるカラー感熱記録方法及びカラー感熱記録装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有するカラー感熱記録紙に対し、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射する炭酸ガスレーザー照射工程を少なくとも有することを特徴とするカラー感熱記録方法である。
<2> 炭酸ガスレーザー光を集光する炭酸ガスレーザー集光工程を有する前記<1>に記載のカラー感熱記録方法である。
<3> 炭酸ガスレーザー集光工程において、短焦点集光レンズユニットを用いる前記<2>に記載のカラー感熱記録方法である。
<4> 第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層のそれぞれに対し集光可能な3個の短焦点集光レンズユニットを有し、該各感熱発色層に対して炭酸ガスレーザー光を選択的かつ同時に照射する前記<2>から<3>のいずれかに記載のカラー感熱記録方法である。
<5> 発色直後の各感熱発色層に対し、該各感熱発色層に特有な波長の電磁波を照射して定着する定着工程を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のカラー感熱記録方法である。
<6> 炭酸ガスレーザー光を第3感熱発色層に照射して該第3感熱発色層を発色させた後、該第3感熱発色層に対し特有な波長の電磁波を照射して定着した後、炭酸ガスレーザー光を第2感熱発色層に照射して該第2感熱発色層を発色させた後、該第2感熱発色層に対し特有な波長の電磁波を照射して定着する前記<5>に記載のカラー感熱記録方法である。
<7> 炭酸ガスレーザー光をカラー感熱記録紙に対しイメージワイズに照射する前記<1>から<6>のいずれかに記載のカラー感熱記録方法である。
<8> 炭酸ガスレーザー光の出力エネルギーが、各感熱発色層の表面において10mJ/mm以上である前記<1>から<7>のいずれかに記載のカラー感熱記録方法である。
<9> カラー感熱記録紙における各感熱発色層が、光吸収色素を含まない前記<1>から<8>のいずれかに記載のカラー感熱記録方法である。
<10> 支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有するカラー感熱記録紙に対し、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射する炭酸ガスレーザー照射手段を少なくとも有するカラー感熱記録装置である。
<11> 炭酸ガスレーザー光を集光するための炭酸ガスレーザー集光手段を有する前記<10>に記載のカラー感熱記録装置である。
<12> 発色直後の各感熱発色層に対し、該各感熱発色層に特有な電磁波を照射して定着する定着手段を有する前記<10>から<11>のいずれかに記載のカラー感熱記録装置である。
本発明のカラー感熱記録方法は、炭酸ガスレーザー照射工程を少なくとも有する。前記炭酸ガスレーザー照射工程においては、支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有するカラー感熱記録紙に対し、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射する。本発明のカラー感熱記録方法では、長波長の炭酸ガスレーザー光を使用しているので、カラー感熱記録紙に光吸収色素を添加する必要がなく、その結果、地肌部のステインの発生が少なく、マゼンタ発色、イエロー発色及びシアン発色が高精度に行われ、高品質なフルカラー画像が得られる。
本発明のカラー感熱記録装置は、炭酸ガスレーザー照射手段を少なくとも有する。前記炭酸ガスレーザー照射手段においては、支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有するカラー感熱記録紙に対し、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射する。また、炭酸ガスレーザー集光手段として短焦点レンズを用い、3個の炭酸ガスレーザーを用いて3つの感熱発色層を同時に記録することによって、記録速度が飛躍的に向上し、非接触であり印画故障が生じることなく、高速印字が可能であり、マゼンタ発色、イエロー発色及びシアン発色が高精度に行われ、高品質なフルカラー画像を効率よく記録することができる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、長波長の炭酸ガスレーザー光を照射することにより、カラー感熱記録紙に光吸収色素を添加する必要がなく、地肌部のステインの少ない高画質な記録が提供できる。また、本発明によると、短焦点レンズで集光する方法を採用し、3本の炭酸ガスレーザーを用いて選択的かつ同時に3層の感熱発光層を記録することができるため、記録速度が飛躍的に向上する。
従って、本発明によれば、非接触であり印画故障が生じることなく、高速印字が可能であり、マゼンタ発色、イエロー発色及びシアン発色が高精度に行われ、高品質なフルカラー画像が得られる。
(カラー感熱記録方法及びカラー感熱記録装置)
本発明のカラー感熱記録方法は、炭酸ガスレーザー照射工程を少なくとも有し、炭酸ガスレーザー集光工程、定着工程を有し、更に必要に応じてその他の工程、例えば、制御工程などを有する。
本発明のカラー感熱記録装置は、炭酸ガスレーザー照射手段を少なくとも有し、炭酸ガスレーザー集光手段、定着手段を有し、更に必要に応じてその他の手段、例えば、制御手段などを有する。
本発明のカラー感熱記録方法は、本発明のカラー感熱記録装置により好適に実施することができ、前記炭酸ガスレーザー照射工程は前記炭酸ガスレーザー照射手段により行うことができ、前記炭酸ガスレーザー集光工程は前記炭酸ガスレーザー集光手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−炭酸ガスレーザー照射工程及び炭酸ガスレーザー照射手段−
前記炭酸ガスレーザー照射手段は、支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有するカラー感熱記録紙に対し、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射する工程である。なお、前記カラー感熱記録紙の詳細については、後述する。
前記炭酸ガスレーザーとしては、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射できるものであるならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、米国シンラッド社製のレーザー光出力10W〜240Wのものなどを用いることができる。
この場合、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光をイメージワイズに照射することが好ましい。また、炭酸ガスレーザーの出力エネルギーは各感熱発色層の表面で10mJ/mm以上になるように調節することが好ましく、10〜100mJ/mmがより好ましい。
前記炭酸ガスレーザーの出力エネルギーが10mJ/mm未満であると、十分な発色が起こらないことがある。
前記炭酸ガスレーザー光の走査方法としては、例えば、多角形の回転鏡を用いる方法、共振型のガルバノミラーによる方法、通常のガルバノミラーによる方法、記録媒体が置かれたステージを移動させる方法等が挙げられ、これらの方法の中から、記録媒体に必要な露光エネルギー量(熱量)とレーザー光パワーで設定される、走査速度範囲に適合するものが選択される。
前記炭酸ガスレーザー光の走査方式には、ラスタ走査方式と、ベクタ走査方式とがある。前記ラスタ走査方式では、互いの方向が直交した主走査と副走査とで平面を走査して行う。この場合、主走査及び副走査の方法としては上記した各方法を用いれば良いが、同じ方法である必要はなく、速い走査速度が可能な方法を主走査に、副走査には遅い方法を適宜組み合わせても構わない。
前記ベクタ走査方式による画像形成の場合には、例えば、X方向とY方向の走査の合成から記録用レーザー光照射手段の走査方向が決定され、任意の方向に線分を形成するため、両方向の走査方法は同じ方法であることが好ましい。
なお、前記ラスタ走査方式は、レーザー光等の発光点を二次元に走査する場合、ある開始点からX方向(主走査方向)に直線状に終了点まで走査した後、次の走査開始点をY方向(副走査方向)にずらしてから次の走査を同様にして行う動作を繰り返すものであり、画面を順次走査する方式である。TV等のCRT画像が代表的な例である。また、前記ベクタ走査方式は、レーザー光等の発光点を文字や絵柄などの画像の輪郭に沿うように直線状や曲線状に走査する方式である。両走査方式とも走査中に文字や絵柄などの画像に対応させて光源の照射/未照射を行い記録を行う。前記ラスタ走査方式は、記録される画像はY方向(副走査方向)の走査密度で決まる間隔に置かれる点の集合から形成されている。一方、前記ベクタ走査方式は、走査方向によらず線や曲線の集合により形成されている。
−炭酸ガスレーザー集光工程及び炭酸ガスレーザー集光手段−
前記炭酸ガスレーザー集光工程は、炭酸ガスレーザー光を集光して照射する工程である。
前記集光方法としては、炭酸ガスレーザー光を集光することができ、各感熱発色層にレーザー光を照射できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、凸レンズ、コニカルコンジットレンズ、ロッドレンズ等の各種レンズ、コリメータ用のレンズ群、空間フィルタ等の光学素子によって光ビーム化したもの、短焦点集光レンズユニット、などが挙げられる。これらの中でも、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層のそれぞれに対し効率よく集光させてレーザー光を照射できる点で、短焦点集光レンズユニットが好ましい。
本発明においては、前記炭酸ガスレーザー集光手段として、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層のそれぞれに対し集光可能な3個の短焦点集光レンズユニットを有し、各感熱発色層に対して炭酸ガスレーザー光を選択的かつ同時に照射することが、記録速度を向上させることができる点で好ましい。
−定着工程及び定着手段−
前記定着手段は、発色直後の各感熱発色層に対し、該各感熱発色層に特有な電磁波を照射して定着する工程である。
前記定着は、発色直後の各感熱発色層に対し、該各感熱発色層に特有な電磁波を照射することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、紫外線照射手段、などが挙げられる。
前記定着において、炭酸ガスレーザー光を第3感熱発色層に照射して該第3感熱発色層を発色させた後、該第3感熱発色層に対し特有な波長の電磁波を照射して定着すると共に、炭酸ガスレーザー光を第2感熱発色層に照射して該第2感熱発色層を発色させた後、該第2感熱発色層に対し特有な波長の電磁波を照射して定着し、最後に第1感熱発色層の画像を記録することが好ましい。
例えば、マゼンタ感熱発色層の記録中に、イエロー感熱発色層内に残っていた未発色成分が発色しないようにするため、イエロー画像のプリント後に420nmの近紫外線を照射してイエロー感熱発色層を定着する。同様に、マゼンタ感熱発色層の記録後に、365nmの紫外線を照射してマゼンタ感熱発色層を定着している。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
<カラー感熱記録紙>
前記カラー感熱記録紙は、支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有し、必要に応じてその他の層を有する。
前記カラー感熱記録紙10は、例えば、図1に示したように、支持体11上に、シアン感熱発色層12、マゼンタ感熱発色層13、イエロー感熱発色層14、保護層15が順次層設されている。
なお、前記各感熱発色層12〜14は、記録される順番に層設されているが、例えばマゼンタ、イエロー、シアンの順番に熱記録する場合には、イエロー感熱発色層14とマゼンタ感熱発色層13とが入れ換えられる。保護層15は、プラスチック樹脂製であり、プリント時に炭酸ガスレーザーが照射され、加熱されることにより軟化する。
−感熱発色層−
前記感熱発色層には、発色剤(電子供与性無色染料、ジアゾ化合物)、顕色剤(電子受容性化合物、カップリング剤)、イエロー色前駆物質、シアン色前駆物質、マゼンタ色前駆物質、及びバインダー樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
本発明においては、波長10.57〜10.63μmの長波長の炭酸ガスレーザーを用いているため、レーザー光を熱エネルギーに変換することができる光吸収色素を含まなくても充分な発色が可能であるが、特に制限はなく、前記感熱発色層には光吸収色素を含有してもよい。該光吸収色素としては、特に制限はなく、公知の光吸収物質の中から適宜選択して用いることができるが、イオン性染料−対イオン化合物(例えば、特開昭62−150242号公報、特開平1−152450号公報など)、陽イオン染料−陰イオン錯体(例えば、特開昭62−143044号公報など)が挙げられる。
前記発色剤と顕色剤としては、発色前は各々実質的に無色であるが、互いに接触することにより発色反応を起こす成分であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、電子供与性無色染料(発色剤)と電子受容性化合物(顕色剤)の組合わせ、又はジアゾ化合物(発色剤)とカップリング成分(顕色剤)の組合わせ、有機金属塩と還元剤の組合わせ、等が挙げられる。
前記電子供与性無色染料は、実質的に無色であるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、エレクトロンを供与して、あるいは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであって、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開環もしくは開裂する化合物が好ましい。
前記発色剤としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物など各種の化合物がある。前記フタリド類としては、米国再発行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号、同第3,509,174号、などが挙げられる。前記フルオラン類としては、米国特許明細書第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3,959,571号、等が挙げられる。前記スピロジピラン類としては、米国特許明細書第3,971,808号などが挙げられる。前記ピリジン系又はピラジン系化合物類としては、米国特許明細書第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号、などが挙げられる。前記フルオレン系化合物としては、特開昭63−94878号公報等に記載されている。これらの中でも、特に黒発色の2−アリールアミノ−3−H、ハロゲン、アルキル又はアルコキシ−6−置換アミノフルオランが有効である。
前記発色剤として、例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジオクチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−ドデシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシプロピルアミノフルオラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、発色色相の異なる感熱発色層を重層して多色感熱記録紙とする場合は、イエロー色前駆物質、シアン色前駆物質及びマゼンタ色前駆物質を使用する。これらの物質の具体例については特開昭61−24495号公報に詳細に記載されている。
これらの電子供与性無色染料に対する顕色剤としては、例えば、フェノール化合物、有機酸又はその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質が用いられる。
前記顕色剤としては、例えば、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般名:ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェノール類;3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3−α−α−ジメチルベンジルサリチル酸、4−(β−p−メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸等のサリチル酸誘導体又はその多価金属塩(特に亜鉛、アルミニウムが好ましい);p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエルテル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキシエチル)エステル等のオキシ安息香酸エステル類;p−フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、クミルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−フェノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノール類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、発色性向上の目的にはビスフェノール類が好ましい。
前記顕色剤の含有量は、発色剤100質量部に対し50〜800質量部が好ましく、100〜500質量部がより好ましい。
前記電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組み合わせを用いる場合は、発色剤と顕色剤の発色反応を促進し、より少ない熱エネルギーでの記録を可能にするため必要に応じて増感剤を併用してもよい。
前記増感剤としては、例えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ナフチル−ベンジルエーテル、ステアリン酸アミド、ステアリル尿素、p−ベンジルビフェニル、ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、ジ(2−メトキシフェノキシ)エタン、β−ナフトール−(p−メチルベンジル)エーテル、α−ナフチル−ベンジルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−イソプロピルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−ターシャリーオクチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(4−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロルフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、ジエチレングリコール−ビス−(4−メトキシフェニル)エーテル、4−エトキシフェニル−p−クロルベンジルエーテル、1(4−メトキシ−フェノキシ)−2−フェノキシ−プロパン、1,3−ビス−(4−メトキシフェノキシ)プロパン、3−メチル−4−クロルフェニル−p−メトキシベンジルエーテル、3,5−ジメチル−4−クロルフェニル−p−メトキシベンジルエーテル、4−クロルフェニル−p−メトキシベンジルエーテル、1−フェノキシ−2(4−メトキシ−フェノキシ)−プロパン、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステル、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記増感剤の含有量は、前記顕色剤100質量部に対して10〜200質量部が好ましく、20〜200質量部がより好ましい。なお、前記増感剤はあらかじめ発色剤乃至は顕色剤と熱共融物を作成した後、使用しても良い。
前記ジアゾ化合物とは、後述するカップリング成分と呼ばれる顕色剤と反応して所望の色相に発色するものを意味する。反応前に特定波長の光を受けると分解し、もはやカップリング成分が作用しても発色能力を持たなくなる光分解性ジアゾ化合物である。この発色系における色相はジアゾ化合物とカップリング成分が反応して生成したジアゾ色素により決定される。従って、良く知られているようにジアゾ化合物の化学構造を変えるか、カップリング成分の化学構造を変えれば容易に発色色相を変えることができ、組み合わせ次第で略任意の発色色相を得ることができる。
前記光分解性ジアゾ化合物とは、主として芳香族ジアゾ化合物を意味し、具体的には、芳香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルフォネート化合物、ジアゾアミノ化合物などが挙げられる。前記ジアゾニウム塩は、一般式:ArN で示される化合物である(ただし、式中、Arは、置換又は無置換の芳香族部分を表す。N は、ジアゾニウム基を表す。Xは、酸アニオンを表す。)。
前記ジアゾスルフォネート化合物としては、多数のものが知られており、各々のジアゾニウム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られる。
前記ジアゾアミノ化合物は、ジアゾ基をジシアンジアミド、サルコシン、メチルタウリン、N−エチルアントラニックアシッド−5−スルフォニックアシッド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、グアニジン等でカップリングさせて得られる。なお、これらのジアゾ化合物の詳細については、例えば、特開平2−136286号公報等に記載されている。
前記ジアゾ化合物とカップリングして反応させるカップリング成分としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリドの他、レゾルシンを初めとして特開昭62−146678号公報に記載されているもの、などを挙げることができる。
前記ジアゾ化合物とカップリング成分の組み合わせを用いる場合、カップリング反応が塩基性雰囲気で起こりやすいため、前記増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、塩基性物質を添加してもよい。
前記塩基性物質としては、水不溶性又は難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生する物質が用いられる。それらの例としては、無機又は有機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素又はその誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォリムアジン類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、特開昭61−291183号公報等に記載されている。
前記有機金属塩としては、例えば、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキン酸銀、ベヘン酸銀のような長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩;ベンゾトリアゾール銀塩、ベンズイミダゾール銀塩、カルバゾール銀塩及びフタラジノン銀塩のようなイミノ基を有する有機化合物の銀塩;s−アルキルチオグリコレートのような硫黄含有化合物の銀塩;安息香酸、フタル酸銀のような芳香族カルボン酸の銀塩;エタンスルホン酸銀のようなスルホン酸の銀塩;o−トルエンスルフィン酸の銀塩;フェニルリン酸銀のようなリン酸の銀塩;バルビツール酸銀、サッカリン酸銀、サリチルアルドキシムの銀塩、又はこれらの任意の混合物が挙げられる。これらの化合物の中でも、長鎖脂肪族カルボン酸銀塩が好ましく、特にベヘン酸銀が好ましい。なお、ベヘン酸をベヘン酸銀と共に使用してもよい。
前記還元剤としては、特開昭53−1020号公報第227頁左下欄第14行目〜第229頁右上欄第11行目の記載に基づいて適宜使用することができ、例えば、モノ、ビス、トリス又はテトラキスフェノール類;モノ又はビスナフトール類;ジ又はポリヒドロキシナフタレン類;ジ又はポリヒドロキシベンゼン類;ヒドロキシモノエーテル類;アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン類、ピラゾロン類、還元性糖類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類、等が挙げられる。これら中でも、ポリフェノール類、スルホンアミドフェノール類、及びナフトール類等の芳香族有機還元剤が特に好ましい。
前記発色剤又は顕色剤としては、感熱発色層中に公知の方法により固体分散して使用することもできるが、感熱発色層の透明性向上の観点、常温で発色剤と顕色剤の接触を防止するといった生保存性の観点(カブリ防止)、及び所望のレーザーエネルギーで発色させるというような発色感度の制御の観点からカプセル化して用いることが好ましい。
前記感熱記録紙にマイクロカプセルを使用する場合は、前記感熱発色層を透明とし、ライトテーブル、シャーカステン、OHPで使用したり、該感熱発色層を重層して多色記録材料とする場合には、マイクロカプセルに含有されなかった顕色剤、固体増感剤等は、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面活性剤を含有した水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相と混合し、乳化分散した分散物の形で使用することが好ましい。
前記マイクロカプセルの製造には、界面重合法、内部重合法、及び外部重合法のいずれの方法も好適に採用することができるが、特に、電子供与性無色染料、ジアゾニウム塩等を含有した芯物質を、水溶性化合物を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成させる界面重合法を採用することが好ましい。
前記高分子を形成するリアクタントは、油滴の内部及び油滴の外部の少なくともいずれかに添加される。前記高分子物質としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体、等が挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好ましく、ポリウレタン及びポリウレアが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
前記ポリウレアをカプセル壁材として用いる場合には、例えば、ジイソシアナート、トリイソシアナート、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポリマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上含むプレポリマー、ピペラジンもしくはその誘導体又はポリオール等が挙げられ、水系溶媒中で界面重合法によって反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成させることができる。また、ポリウレアとポリアミドからなる複合壁又はポリウレタンとポリアミドからなる複合壁は、例えば、ポリイソシアナートと酸クロライド又はポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳化媒体のpHを調整した後、加温することにより調整することができる。これらのポリウレアとポリアミドからなる複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−66948号公報に記載されている。
本発明においては、マイクロカプセル壁をより低温で物質透過性にするため、固体増感剤を添加することもできる。前記固体増感剤としては、前記マイクロカプセル壁として用いるポリマーの可塑剤の中から、好ましくは融点が50℃以上であるものを選択して用いることができる。例えば、前記カプセル壁材が、ポリウレア、ポリウレタンからなる場合は、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物、等が好適に用いられる。
前記感熱記録紙の保存性が良好で透明なものとする観点からは、顕色剤を乳化分散物とすることが好ましい。
前記乳化分散に使用される有機溶剤としては、高沸点オイルの中から適宜選択することができる。前記高沸点オイルとしては、例えば、エステル類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン;トリアリルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン);ターフェニル化合物(例えば、ターフェニル);アルキル化合物;アルキル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル);水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル);ジフェニルエーテル、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特にエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安定性の観点から好ましい。
前記エステル類としては、例えば、燐酸エステル類(例えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチル、燐酸オクチル、燐酸クレジルフェニル);フタル酸エステル類(例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジル);テトラヒドロフタル酸ジオクチル;安息香酸エステル類(例えば、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル);アビエチン酸エステル類(例えば、アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、アゼライン酸ジオクチル;シュウ酸エステル類(例えば、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル);マロン酸ジエチル;マレイン酸エステル類(例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル);クエン酸トリブチル;ソルビン酸エステル類(例えば、ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチル);セバシン酸エステル類(例えば、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル);エチレングリコールエステル類(例えば、ギ酸モノエステル又はジエステル、酪酸モノエステル又はジエステル、ラウリン酸モノエステル又はジエステル、パルミチン酸モノエステル又はジエステル、ステアリン酸モノエステル又はジエステル、オレイン酸モノエステル又はジエステル);トリアセチン、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン;ほう酸エステル類(例えば、ほう酸トリブチル、ほう酸トリペンチル)、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に燐酸トリクレジルを単独又は混合して用いた場合には、乳化物の安定性が最も良好であり好ましい。なお、前記オイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
前記有機溶剤には、更に、低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもできる。該補助溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、等が挙げられる。
これらの成分を含有する油相を混合する水相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子、などが挙げられ、特に、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体が好ましい。
また、水相に含有せしめる界面活性剤は、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤のなかから、前記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。前記界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、等を挙げることができる。
前記乳化分散物としては、前記成分を含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する水相を、高速撹拌、超音波分散等の通常の微粒子乳化に用いられる手段を使用して混合、分散せしめ、容易に得ることができる。
また、油相の水相に対する比の値(油相質量/水相質量)は、0.02〜0.6が好ましく、0.1〜0.4がより好ましい。前記比が0.02未満であると、水相が多すぎて希薄となり十分な発色性が得られないことがあり、0.6を超えると、逆に液の値の粘度が高くなり、取扱いの不便さや塗液安定性の低下をもたらすことがある。
前記感熱発色層には、更に必要に応じて、顔料、ワックス、硬膜剤等を添加してもよい。前記感熱発色層は、発色剤、顕色剤の合計質量が0.1〜10g/mになるように塗布されること、及び該層の厚みが0.1〜10μmになるように塗布されることが好ましい。
上記のように調整した感熱発色層液を支持体上に塗布するに際しては、公知の水系又は有機溶剤系の塗液を用いる塗布手段が用いられる。この場合、感熱発色層液を安全かつ均一に塗布するとともに、塗膜の強度を保持するため、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレン又はその共重合体、ポリエステル又はその共重合体、ポリエチレン又はその共重合体、エポキシ樹脂、アクリレート及びメタアクリレート系樹脂又はその共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等をマイクロカプセルとともに併用することができる。
前記支持体は、透明であっても、不透明であってもよく、必要に応じて着色されていてもよいが、透明性が高く、かつ照射レーザービーム波長に吸収を示さないこと、レーザー照射時の発熱に対しても変形せず、寸度安定性を有するものが好ましい。
前記透明支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム;三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、10〜200μmが好ましい。
前記不透明な支持体としては、例えば、紙、合成紙、アルミニウム蒸着ベース、前記透明支持体に顔料等をコートしたもの等が挙げられる。この場合、感熱発色層側からレーザービームが照射されて効率良く感熱発色層に吸収されるようにするため、感熱記録紙の不透明な支持体として、レーザービームの反射性が高いものを使用することが好ましい。
前記支持体としては、ポリエステルフィルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したものが特に好ましい。また、前記支持体から感熱発色層が剥離することを防止するため、前記感熱発色層及びバック層を支持体上に塗布する前に、前記支持体に下塗り層を設けることが好ましい。
前記下塗り層としては、例えば、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、スチレン−ブタジエンラテックス、等を用いることができる。これらの組成物からなる下塗り層は、例えば、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布される。
前記下塗り層の膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、0.1〜0.5μmが好ましい。
前記感熱発色層の表面での光散乱による見かけの透明性が低下すること等を防止するため、前記感熱発色層の上に前記保護層を公知の方法により設けることができる。前記保護層については、例えば、「紙パルプ技術タイムス」(1985年9月号)2〜4頁及び特開昭63−318546号公報等に記載されている。
前記保護層の透明性を良好なものとする上から、特に、シリカ変性ポリビニルアルコールとコロイダルシリカを組み合わせたものが好ましい。また、従来から使用されている前記保護層とともに、又はそれらの保護層に代えてシリコーン樹脂を主成分とする保護層を設けることもできる。これによって、感熱発色層の透明性を損なうことなく、耐水性も良好となる。
なお、前記発色剤としてジアゾ化合物を利用した場合には、レーザー記録後にジアゾ化合物を分解させることのできる波長の光を全面露光することにより画像の定着を行うことができる。
また、前記感熱発色層と反対の面に少なくとも高分子樹脂と50%体積平均粒径1〜20μmの有機粒子及び無機粒子のいずれかを含むバック層を設けることが好ましい。
前記高分子樹脂としては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン類、ゼラチン、変性ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレン又はその共重合体、ポリエステル又はその共重合体、ポリエチレン又はその共重合体、エポキシ樹脂、アクリレート又はそのメタアクリレート系樹脂又はその共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機粒子又は無機粒子としては、例えば、大麦、小麦、コーン、米、豆類より得られるでんぷん等の微粒子の他、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニル又は酢酸ビニルの共重合体樹脂、ポリオレフィン等の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛等の無機の微粒子、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、カラー感熱記録紙の透明性を良好なものとする観点からは、屈折率が1.45〜1.75の微粒子状物質が好ましい。
前記粒子状物質の添加量は、前記高分子樹脂に対し、0.5〜10質量%の範囲が好ましく、1〜5質量%の範囲がより好ましい。
前記バック層としては、例えば、前記高分子樹脂を架橋する架橋剤;ワックス等のスベリ剤;帯電防止剤等を含むことができる。前記バック層は、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布される。
次に、本発明のカラー感熱記録装置により本発明のカラー感熱記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、カラー感熱記録紙10は、支持体11上に、シアン感熱発色層12、マゼンタ感熱発色層13、イエロー感熱発色層14、保護層15が順次設けられている。なお、感熱発色層は、例えば、ブラック発色層等を加えた4層構成又は5層構成等であってもよい。更に、各感熱発色層の位置を変えてもよく、例えば、シアン感熱発色層を最上層としてもよい。
前記支持体11としては、原紙の両面にポリエチレン樹脂層を形成した両面ポリエチレン被覆層支持体が好適に用いられる。シアン感熱発色層12は、深層にあるために熱感度が最も低く、比較的に大きな熱エネルギーを与えたときにシアンに発色する。マゼンタ感熱発色層13は、熱感度が中程度であり、加熱によってマゼンタに発色する。イエロー感熱発色層14は、表面側に存在するために熱感度が最も高く、比較的に小さな熱エネルギーを与えたときにイエローに発色する。
この場合、混色を防止するために、マゼンタ感熱発色層13は、ほぼ365nmの紫外線が照射されると発色能力が消失し、記録された画像が定着される。イエロー感熱発色層14は、ほぼ420nmの近紫外線が照射されたときに発色能力が消失するように構成されていることが好ましい。
保護層15は、ポリビニルアルコール(PVA)を主成分として含む透明な樹脂層であり、各感熱発色層に傷が付いたりするのを防止する。この保護層15には、カラー感熱記録紙のくっつきを防止するためのブロッキング防止剤,滑りを良くするための潤滑剤等が添加されている。なお、保護層は、熱により白濁する場合があるため、保護層は設けないか、又は薄く形成することが好ましい。
また、各感熱発色層の熱感度差を大きくするため、各感熱発色層の間に中間層が形成されていることが好ましい(図4参照)。
図2は、図1における各感熱発色層12〜14の発色特性を示すものである。各感熱発色層12〜14は、深層になるほど発色するために大きな発色熱エネルギーが必要である。このカラー感熱記録紙10では、イエロー感熱発色層14の発色熱エネルギーが最も低く、シアン感熱発色層12の発色熱エネルギーが最も高い。イエローの画素を記録する場合には、イエロー用のバイアス熱エネルギーEbyに階調熱エネルギーEgyを加えた発色熱エネルギーがカラー感熱記録紙10に与えられる。このバイアス熱エネルギーEbyは、イエロー感熱発色層14が発色する直前の熱エネルギーであり、階調熱エネルギーEgyは、記録すべき画素の発色濃度、即ちイエローの階調レベルに応じて決められる。なお、マゼンタ,シアンについても同様であるので、記号Ebm、Egm、Ebc、Egcを付してある。
図3は、本発明の炭酸ガスレーザー照射装置の一例を示し、この炭酸ガスレーザー照射装置は、ドラム表面に載置された感熱記録紙をドラムの回転方向を主走査方向とし、副走査方向に炭酸ガスレーザーを移動させて画像を記録する方式である。炭酸ガスレーザーユニット20には先端部に集光レンズユニット25が取り付けられている。なお、図3中8は、記録後の画像を定着するための定着ランプユニットである。
この炭酸ガスレーザー照射装置は、炭酸ガスレーザー20がホストコンピュータ7と接続されている制御装置5により動作が制御されている。ホストコンピュータ7には、画像データがデジタル画像信号として記憶されており、ホストコンピュータから供給されるデジタル信号は、フレームメモリを介し、ルックアップテーブル(LUT)に送られ、イメージワイズな画像を記録することができる。
また、炭酸ガスレーザー照射装置としては、図4に示すように、集光レンズ25により、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層のそれぞれに対し集光可能な3個の短焦点集光レンズユニット20,20,20を有するものを採用することができる。この炭酸ガスレーザー照射装置によれば、第1感熱発色層12、第2感熱発色層13、及び第3感熱発色層14に対して炭酸ガスレーザー光を選択的かつ同時に照射することができ、記録速度を向上させることができる。
図5に示すカラー感熱記録装置60は、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)を有し、ケーシング26内の一端側(図中、右側)には、複数のカラー感熱記録紙10を収容するストッカー28が配設される。このストッカー28の底部に、カラー感熱記録紙10を取り出すための開口部30が形成され、この開口部30の近傍に前記カラー感熱記録紙10を矢印C方向に搬送するための搬送系32が配設されている。
このレーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62は、カラー感熱記録紙10上に炭酸ガスレーザーを照射し、画像等を記録する。即ち、図3に示すような炭酸ガスレーザー照射装置を主走査方向に照射して、イエロー(Y)層14(低エネルギー)を記録し、該イエロー層14に電磁波を照射し定着する。次に、マゼンタ(M)層13(中エネルギー)を記録し、該マゼンタ層13に電磁波を照射し定着した。次に、シアン(C)層12(高エネルギー)を記録する。
次に、図5に示す感熱記録装置60では、カラー感熱記録紙10にフルカラー画像等の記録が行われる。カラー感熱記録紙10がニップローラ対34を介して矢印C方向に搬送されると、予熱手段40を介してこのカラー感熱記録紙10が所定温度にまで加熱される。そして、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62から導出されるレーザービームの主走査によって前記カラー感熱記録紙10がマゼンタ発色した後、第1光源50aの作用下に定着される。更に、カラー感熱記録紙10は、矢印D方向に搬送されながら、予熱手段40を介して所定温度に加熱され、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62によりイエロー発色された後に第2光源50bの作用下に定着される。その後、カラー感熱記録紙10は、矢印C方向に搬送されながら所定温度に加熱され、レーザービームの照射によりシアン発色されて搬出される。
従って、マゼンタ発色、イエロー発色及びシアン発色にさほど大きな熱エネルギーを必要とせず、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62を介してカラー感熱記録紙10に高階調のフルカラー画像を精度よく形成することができる。しかも、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62は、高出力を要求されないため、カラー感熱記録装置60の全体の構成も簡素化されるという利点が得られる。
搬送系32の下流側には、それぞれニップローラ対34、36が所定の間隔離間して配設され、このニップローラ対34、36の間に、レーザー発生手段62、予熱手段40及び定着手段42が配設される。
予熱手段40は、単一のプラテンローラ46を備えており、カラー感熱記録紙10の三層の感熱発色層の中、最も低温で発色するマゼンタ感熱発色層13の発色温度未満の所定温度に予熱した後、カラー感熱記録紙10にマゼンタ発色、イエロー発色及びシアン発色を行う。
定着手段42は、予熱手段40の両側に配設される第1及び第2定着ユニット48a、48bを備えている。この第1及び第2定着ユニット48a、48b内にそれぞれ異なる周波数で発光する第1光源50a及び第2光源50bが配設される。
ニップローラ対34、36の外方には、カラー感熱記録紙10の端部を検出するための第1センサ52及び第2センサ54が設けられるとともに、このニップローラ対36の下流側には、前記カラー感熱記録紙10を積層して収容する集積部56が配置される。
イエロー(Y)色の画像の記録を行い、イエロー(Y)色の画像の記録が終了するとイエロー(Y)色の未記録部分が発色しないように波長420nmの紫外光を所定時間照射し定着を行う。次に、マゼンタ(M)色の画像の記録が終了すると、マゼンタ(M)色の未記録部分が発色しないように波長365nmの紫外光を所定時間照射し定着を行って、最後にシアン(C)色の画像を記録する。
次に、カラー感熱記録装置60の動作について説明する。
ストッカー28の下端部に形成された開口部30から、カラー感熱記録紙10が搬送系32を介して一枚ずつ取り出される。このカラー感熱記録紙10は、ニップローラ対34に挟持されて矢印C方向に搬送され、ヒータ46aの作用下にプラテンローラ46を介してマゼンタ感熱発色層の発色温度未満の所定温度に予熱される。
そこで、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62によりカラー感熱記録紙10に低熱エネルギーが付与されてマゼンタ感熱発色層13が発色した後、定着手段42を構成する第1光源50aから記録後のカラー感熱記録紙10に定着光が照射される。この第1光源50aは、マゼンタ感熱発色層13に含有するジアゾ化合物の分解波長域の光を導出しており、このジアゾ化合物が分解して前記マゼンタ感熱発色層13の記録画像が定着される。
カラー感熱記録紙10は、ニップローラ対34からニップローラ対36に受け渡されて矢印C方向に搬送され、その先端部が第1センサ52により検出されると、このニップローラ対36が前記とは逆方向に回転されて前記カラー感熱記録紙10が矢印D方向に搬送される。ここで、予熱手段40を構成するプラテンローラ46がレーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62に対向する位置に配置されており、このプラテンローラ46内のヒータ46aによりカラー感熱記録紙10が加熱される。その結果、カラー感熱記録紙10は、イエロー感熱発色層の発色温度未満の所定温度に予熱される。
次いで、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62を介してカラー感熱記録紙10に前記マゼンタ発色に必要な熱エネルギーが付与され、イエロー感熱発色層14が発色する。そして、定着手段42を構成する第2光源50bから記録後のカラー感熱記録紙10にイエロー感熱発色層14に含有するジアゾ化合物の分解波長域の光が照射され、このジアゾ化合物が分解して前記イエロー感熱発色層14の記録画像が定着される。
矢印D方向に搬送されているカラー感熱記録紙10の端部が第2センサ54により検出されると、ニップローラ対34が逆方向に回転されてこのカラー感熱記録紙10が矢印C方向に搬送される。その際、プラテンローラ46がレーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62に対向して配置されており、このプラテンローラ46内のヒータ46aの作用下にカラー感熱記録紙10がシアン感熱発色層12の発色温度未満の所定温度に予熱される。
その後、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)62を介してカラー感熱記録紙10に前記イエロー発色に必要な熱エネルギが付与され、シアン感熱発色層12が発色する。このシアン感熱発色層12がジアゾ発色系を採用している際には、その分解波長域の光を照射することにより該シアン感熱発色層12の記録画像の定着を行うことが好ましい。
このように、マゼンタ、イエロー及びシアンをそれぞれ個別に発色させることにより、所望のフルカラー画像が記録されたカラー感熱記録紙10は、集積部56に積層状態で収容される。なお、定着手段42として、第1光源50a及び第2光源50bを採用したが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、第2光源50bのみを使用してこの第2光源50bとフィルタ(不図示)とを併用することにより、異なる波長の光をカラー感熱記録紙10に照射するように構成してもよい。
本発明のカラー感熱記録装置及びカラー感熱記録方法では、非接触であり印画故障が生じることなく、高速印字が可能であり、マゼンタ発色、イエロー発色及びシアン発色が高精度に行われ、高画質なカラー感熱記録を効率よく行うことができる。
以下、本発明の一実施例について図面を用いて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すようなカラー感熱記録紙(サーモオートクロームペーパーA−20、富士写真フイルム株式会社製)を用い、図3に示すような炭酸ガスレーザー照射装置を使用し、順次記録方式により下記条件に従って画像記録を行った。
<測定条件>
主走査方向の移動速度は、1m/秒、副走査方向90μmピッチで行った。
炭酸ガスレーザー(米国シンラッド社製 10WCOレーザー 型番48−1−28)を用いた。この炭酸ガスレーザーは波長が10.58μmである。また、炭酸ガスレーザー用直角集光レンズユニット(米国シンラッド社製 RAL1.5)を用いて、約100μmにビーム系を絞り記録した。
前記炭酸ガスレーザー照射装置を用い、レーザー出力1.2〜1.5Wでイエロー(Y)層14(低エネルギー)を記録し、該イエロー層14に波長420nmの電磁波を照射し定着した。次に、レーザー出力1.6〜2.0Wでマゼンタ(M)層13(中エネルギー)を記録し、該マゼンタ層13に波長365nmの電磁波を照射し定着した。次に、レーザー出力2.1〜3.0Wでシアン(C)層12(高エネルギー)を記録した。
なお、図4に示すように、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層のそれぞれに対し集光可能な3個の短焦点集光レンズユニット20を配置し、各感熱発色層に対して炭酸ガスレーザー光を選択的かつ同時に照射することによっても同様に記録することができた。
この実施例では、マゼンタ発色層、イエロー発色層、及びシアン発色層の三層構成のカラー感熱記録紙を用いてフルカラー記録を行う例について説明したが、黒色発色層を設けた四層としてもよい。また、黒色発色層と赤色発色層の二層構成のカラー感熱記録紙を用いて二色記録を行うこともできる。
本発明のカラー感熱記録方法は、長波長の炭酸ガスレーザー光を照射することにより、カラー感熱記録紙に光吸収色素を添加する必要がなく、地肌部のステインの少ない高画質な記録が提供でき、カラー感熱記録装置に好適に用いられる。また、本発明のカラー感熱記録方法は、短焦点レンズで集光する方法を採用し、3本の炭酸ガスレーザーを用いて選択的かつ同時に3層の感熱発光層を記録することができるため、記録速度が飛躍的に向上し、カラー感熱記録装置に好適に用いられる。
図1は、本発明のカラー感熱記録紙の一例を示す概略図である。 図2は、サーマルヘッドを使用して熱印画を行った際の熱エネルギーと発色濃度との関係を示すグラフである。 図3は、レーザー発生手段(炭酸ガスレーザー)の一例を示す概略図である。 図4は、レーザー記録の状態を示す説明図である。 図5は、本発明のカラー感熱記録装置の一例を示す図である。
符号の説明
5 制御手段
7 ホストコンピュータ
8 定着ランプユニット
10 カラー感熱記録紙
11 支持体
12 シアン感熱発色層
13 マゼンタ感熱発色層
14 イエロー感熱発色層
15 保護層
17 中間層
20 炭酸ガスレーザー
25 集光レンズユニット
26 ケーシング
28 ストッカー
30 開口部
32 搬送系
34 ニップローラ対
36 ニップローラ対
40 余熱手段
42 定着手段
46 プラテンローラ
46a ヒータ
50a 第1光源
50b 第2光源
52 第一センサ
54 第二センサ
60 カラー感熱記録装置
62 レーザー発生手段

Claims (12)

  1. 支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有するカラー感熱記録紙に対し、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射する炭酸ガスレーザー照射工程を少なくとも有することを特徴とするカラー感熱記録方法。
  2. 炭酸ガスレーザー光を集光する炭酸ガスレーザー集光工程を有する請求項1に記載のカラー感熱記録方法。
  3. 炭酸ガスレーザー集光工程において、短焦点集光レンズユニットを用いる請求項2に記載のカラー感熱記録方法。
  4. 第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層のそれぞれに対し集光可能な3個の短焦点集光レンズユニットを有し、該各感熱発色層に対して炭酸ガスレーザー光を選択的かつ同時に照射する請求項2から3のいずれかに記載のカラー感熱記録方法。
  5. 発色直後の各感熱発色層に対し、該各感熱発色層に特有な波長の電磁波を照射して定着する定着工程を有する請求項1から4のいずれかに記載のカラー感熱記録方法。
  6. 炭酸ガスレーザー光を第3感熱発色層に照射して該第3感熱発色層を発色させた後、該第3感熱発色層に対し特有な波長の電磁波を照射して定着した後、炭酸ガスレーザー光を第2感熱発色層に照射して該第2感熱発色層を発色させた後、該第2感熱発色層に対し特有な波長の電磁波を照射して定着する請求項5に記載のカラー感熱記録方法。
  7. 炭酸ガスレーザー光をカラー感熱記録紙に対しイメージワイズに照射する請求項1から6のいずれかに記載のカラー感熱記録方法。
  8. 炭酸ガスレーザー光の出力エネルギーが、各感熱発色層の表面において10mJ/mm以上である請求項1から7のいずれかに記載のカラー感熱記録方法。
  9. カラー感熱記録紙における各感熱発色層が、光吸収色素を含まない請求項1から8のいずれかに記載のカラー感熱記録方法。
  10. 支持体上に、熱感度及び発色する色の少なくともいずれかが異なる第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層をこの順に少なくとも有するカラー感熱記録紙に対し、波長10.57〜10.63μmの炭酸ガスレーザー光を照射する炭酸ガスレーザー照射手段を少なくとも有するカラー感熱記録装置。
  11. 炭酸ガスレーザー光を集光するための炭酸ガスレーザー集光手段を有する請求項10に記載のカラー感熱記録装置。
  12. 発色直後の各感熱発色層に対し、該各感熱発色層に特有な電磁波を照射して定着する定着手段を有する請求項10から11のいずれかに記載のカラー感熱記録装置。
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