JPH06328842A - レーザー感熱記録材料およびその製造方法 - Google Patents

レーザー感熱記録材料およびその製造方法

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JPH06328842A
JPH06328842A JP5124265A JP12426593A JPH06328842A JP H06328842 A JPH06328842 A JP H06328842A JP 5124265 A JP5124265 A JP 5124265A JP 12426593 A JP12426593 A JP 12426593A JP H06328842 A JPH06328842 A JP H06328842A
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water
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JP5124265A
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Akira Takeuchi
公 竹内
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、高密度でコントラストの高い高画質
の画像記録が可能であるレーザー感熱記録材料を提供す
ること。 【構成】 支持体上に発色剤と熱時該発色剤と反応して
発色させる顕色剤およびレーザー光を吸収して熱に変換
させることのできるレーザー光吸収物質を必須成分とし
て含有するレーザー感熱記録層を設けたレーザー感熱記
録材料において、該レーザー光吸収物質として水溶性カ
ルボシアニン化合物を用い、かつレーザー感熱記録層中
に水溶性バインダーと酸化物微粒子を含有することを特
徴とするレーザー感熱記録材料。及び該レーザー感熱記
録材料の製造方法において、水溶性カルボシアニン化合
物、水溶性バインダー及び酸化物微粒子を混合し5分間
〜5時間、50°C〜90°Cの温度に加熱する処理を
行った後40°C以下に冷却してから発色剤と顕色剤を
添加することを特徴とするレーザー感熱記録材料の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料及びその製
造方法に関し、特にレーザー光を利用して記録する非接
触の感熱記録材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上に感熱発色層を設けた感熱記録
材料の表面にサーマルヘッドを密着走査させ、熱エネル
ギーを感熱発色層に直接もしくは保護層を通して伝える
ことにより発色画像を記録する感熱記録方法は広範囲に
知られており、ファクシミリやプリンターなどに応用さ
れている。しかしながらこのような感熱記録方法におい
てはサーマルヘッドを感熱記録材料に密着させて走査す
るために、サーマルヘッドが磨耗し、場合によっては破
壊に到るという問題が有った。また記録中にサーマルヘ
ッド表面に感熱記録材料の成分がカスとなって付着した
り、サーマルヘッドと記録材料表面の接着(スティキン
グ)が発生することにより正しい記録画像が得られない
場合がある。
【0003】更に、このようなサーマルヘッドを用いる
感熱記録方法には、サーマルヘッドの構造上の特質から
発熱素子の加熱冷却の高速制御や発熱素子密度を大きく
する上で限界があるため、高速記録や高密度、高画質記
録には限界があるという欠点があった。
【0004】サーマルヘッドを用いる感熱記録方法の上
記の如き問題点を解決するために熱源としてレーザー光
を用い、感熱記録材料に対し非接触でかつ高速、高密度
で熱記録を行なうことが提案されている。(例えば特開
昭50−23617号、特開昭54−121140号、
特開昭57−11090号、特開昭58−56890
号、特開昭58−94494号、特開昭58−1347
91号、特開昭58−145493号、特開昭59−8
9192号、特開昭60−205182号、特開昭62
−56195号公報)
【0005】近年、半導体レーザーの開発が進み、70
0nm〜1300nmの近赤外領域に発振波長を有する
高出力レーザーが低価格で得られるようになった。この
ようなレーザーを熱源として利用すれば小型で安価な記
録装置を提供することが可能になる。
【0006】そこで、感熱記録材料にレーザー光を効率
良く吸収させるための提案も多くなされており、一般的
には感熱記録層中にレーザーの発振波長にあった吸収波
長を持つ物質を添加することが行なわれている。この場
合、添加する光吸収物質の可視領域の吸収が少ないほど
コントラストが高い記録画像が得られる。一般に可視領
域に吸収を持たない光吸収物質は無機化合物に多いが、
その殆どのものは光吸収効率が低い。有機化合物を光吸
収物質として用いた場合高い吸収効率が得られるが、ほ
とんどの化合物では可視光領域にも吸収があるため着色
してしまう。
【0007】ところで、水溶液状態では可視光領域に吸
収を有しているために着色している光吸収物質(以下染
料という)であっても、乾燥後に吸収極大波長が長波側
へ、即ち近赤外領域へシフトする結果、可視領域の吸収
が大幅に低下する性質を有した染料がある。これは染料
分子が複数集まりJ−会合体と呼ばれる会合状態が形成
されるためである。このような染料をレーザー吸収物質
としてバインダーと共に感熱記録層に添加した場合に
は、調液時には着色していても、塗膜が形成された後に
は、感熱記録材料の地肌を無色または無色に近くするこ
とが可能である。
【0008】しかしながら、上記の方法だけでは会合体
自身の安定性が低いため熱、湿度、光のような外部刺激
で会合が破壊し、地肌も着色し同時に近赤外レーザーに
対する吸収効率が低下してしまうという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、70
0nm〜1300nmの近赤外領域に吸収極大を持つJ
−会合体を用いたレーザー感熱記録材料において、光吸
収物質であるJ−会合体の安定性を向上させることによ
り地肌の着色が少なく、コントラストの高い高品位の記
録画像が得られるレーザー感熱記録材料を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に発色剤と熱時該発色剤と反応して発色させる顕色剤
およびレーザー光を吸収して熱に変換させることのでき
るレーザー光吸収物質を含有するレーザー感熱記録層を
設けたレーザー感熱記録材料において、該レーザー光吸
収物質として水溶性カルボシアニン化合物を用い、かつ
レーザー感熱記録層中に水溶性バインダーと酸化物微粒
子を含有することを特徴とするレーザー感熱記録材料に
より達成された。
【0011】本発明においてレーザー吸収物質として使
用するカルボシアニン染料について詳述する。カルボシ
アニン染料としては、下記一般式化(1−a)及び/又
は(1−b)で表される染料が好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】上式中、Z1及びZ2は各々置換または無置
換のベンゾチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、イン
ドール環、ナフトチアゾール環、ナフトセレナゾール環
及びベンズインドール環を形成する非金属原子群であ
る。R1及びR2は各々置換または無置換のアルキル基、
3及びR5は各々水素原子又は連結して5員環を形成す
るのに必要な原子、R4は水素原子または1価の基(但
し、ジ置換アミノ基における環を形成する原子群は除
く)である。X-はアニオン、nは1又は2であり、染
料分子が分子内塩を形成する場合は、nは1である。
【0014】Z1及びZ2で表されるベンゾチアゾール
環、ゼンゾセレナゾール環、インドール環、ナフトチア
ゾール環、ナフトセレナゾール環及びベンズインドール
環を形成する非金属原子群に置換する基としては、スル
ホン酸基、カルボン酸基、水酸基、ハロゲン原子(F、
Cl、Brなど)、シアノ基、置換アミノ基(例えば、
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル−4−ス
ルホブチル基及びジ(3−スルホプロピル)アミノ基)
の他、直接または2価の連結基を介して環に結合してい
る置換もしくは無置換で炭素原子数1〜5のアルキル基
(例えば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プ
ロピル基およびブチル基、置換基としてはスルホン酸
基、カルボン酸基および水酸基、2価の連結基としては
−O−、−NHCO−、−NHSO3−、−NHCOO
−、−COO−、−CO−、−SO2−等がある)が挙
げられる。
【0015】この場合、スルホン酸基とはスルホ基また
はその塩を、カルボン酸基とはカルボキシル基まはたそ
の塩を内包する意味である。塩の例としては、Na、K
等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びトリエチルア
ンモニウム塩、トリブチルアンモニウム塩、ピリジウム
塩等の有機アンモニウム塩等が挙げられる。上記Z1
びZ2で表される非金属原子群の中でも特に1個以上の
スルホン酸基を有するベンズイミダゾール環が好まし
い。
【0016】R1及びR2で表されるアルキル基の好まし
い具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル
基、イソプロピル基、n−ペンチル基等の炭素原子数1
〜5の低級アルキル基またはこれらの基にスルホン酸
基、カルボン酸基または水酸基等の置換基を有する基が
挙げられるが、これらの中でも特に2−スルホエチル
基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基等のス
ルホン酸基を有する炭素原子数2〜5の低級アルキル基
が好ましい。
【0017】R3とR5が連結して形成される5員環とし
ては、インデン環、シクロペンチン環等が挙げられる。
4で表される1価の基の好ましい例としては、メチル
基等の低級アルキル基、置換又は無置換の低級アルコキ
シ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基およびメ
チルフェニルアミノ基等のジ置換アミノ基、アセトキシ
基等のアルキルカルボキシルオキシ基、メチルチオ基等
のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基並びにハロゲン
原子(F、Cl、Brなど)等が挙げられる
【0018】Xで表されるアニオンの具体例としてはC
-、Br-などのハロゲンイオン、p−トルエンスルホ
ン酸イオン及びエチル硫酸イオン等が挙げられる。以上
詳述したカルボシアニン染料の中でも、特にZ1及びZ2
がスルホ置換されたベンズインドール環であって、R1
及びR2がスルホアルキル基であるものが好ましい。
【0019】前記一般式(1−a)及び/又は(1−
b)で表されるカルボシアニン染料の具体例としては下
記化(2)〜(7)で表される化合物の他に、特開平3
−226736号等に記載されている化合物を挙げるこ
とができる。
【0020】
【化2】
【0021】本発明で使用するカルボシアニン染料は、
感熱記録材料の地肌の白色度を高めると共に、赤外レー
ザーの吸収効率を高める観点から、該染料の水溶液の吸
収極大波長より50nm以上長波長であって且つ700
〜1300nmの範囲に吸収極大波長を有する状態で感
熱層に含有される必要がある。
【0022】本発明者らは鋭意検討した結果、カルボシ
アニン染料がゼラチン及び/又はポリビニルアルコール
から選ばれる少なくとも一種の水溶性バインダーと共存
した状態で乾燥することによりJ−会合体の形成が促進
され、吸収極大波長が長波シフトすることを見いだし
た。J−会合体を形成した場合のシフト幅は色素によっ
て異なり約50〜200nmの範囲である。本発明にか
かるレーザー感熱記録材料では700nm以上に記録材
料の吸収極大波長が存在する必要があるので、水溶液状
態での吸収極大波長が500以下〜650nm以下であ
るようなカルボシアニン染料を選択する必要がある。カ
ルボシアニン色素と水溶性バインダーの比率は、カルボ
シアニン色素1重量部に対し、バインダー1〜200重
量部が好ましく、特に5〜100重量部が好ましい。ゼ
ラチンとしては、通常の酸処理ゼラチン、アルカリ処理
ゼラチンいずれも使用することが可能であるが、アミノ
基含有率が1%以上、特に好ましくは3%以上であるこ
とが会合体の安定性の観点から必要である。ポリビニル
アルコールとしては完全鹸化、部分鹸化ポリビニルアル
コールの他に各種変性ポリビニルアルコールを使用する
ことができるが、乾燥後の会合体形成を容易にするため
には、ポリビニルアルコールの鹸化度は90%以上、特
に98%以上であって、重合度は500以上、特に15
00以上があることが好ましい。
【0023】酸化物微粒子としては酸化亜鉛、酸化珪
素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、
酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カドミウムなど
が挙げられるが特に酸化亜鉛、酸化珪素、酸化チタンが
会合体の安定性の観点で好ましい。これらの酸化物は微
粒子カルボシアニン色素と高分子水溶液を混合した後、
発色剤及び/または顕色剤を加えるまえに添加するのが
好ましい。酸化物微粒子はカルボシアニン色素1重量部
に対し、1〜200重量部、特に5〜100重量部加え
るのが好ましい。更に水溶性カルボシアニン化合物、水
溶性バインダーおよび酸化物微粒子を混合した後、50
°C〜90°C、好ましくは70°C〜80°Cの温度
に5分間〜5時間、好ましくは30分〜2時間保持する
ことにより会合体形成を促進すると同時に、形成された
会合体の安定性も向上させることができる。この後、4
0°C以下まで冷却してから発色剤および顕色剤を添加
することにより、発色剤および顕色剤が反応して発色し
カブリを発生することを防ぐことができる。また特に顕
色剤として電子受容性フェノール化合物を用いる場合の
会合体の耐湿性も向上させることができる。
【0024】透過画像を得る目的で透明支持体上に感熱
記録層を設ける場合には、酸化物微粒子の平均粒径を
0.5μm以下、特に0.1μm以下にして用いること
が透明性の観点で好ましい。
【0025】本発明に使用する発色剤と顕色剤は、発色
前は各々実質的に無色であるが、互いに接触することに
より発色反応を起こす成分であり、具体的には電子供与
性無色染料と電子受容性化合物の組み合わせまたは光分
解性ジアゾ化合物とカップリング成分の組み合わせが好
ましい。
【0026】本発明で使用する電子供与性無色染料は実
質的に無色であるものであれば特に限定されるものでは
ないが、エレクトロンを供与して、あるいは酸等のプロ
トンを受容して発色する性質を有するものであって、ラ
クトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステ
ル、アミド等の部分骨格を有し、顕色剤と接触してこれ
らの部分骨格が開環もしくは開裂する化合物が好まし
い。発色剤の例としては、トリフェニルメタンフタリド
系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合
物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系
化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメ
タン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化
合物、フルオレン系化合物など各種の化合物がある。フ
タリド類の具体例は米国再発行特許明細書第23,02
4号、米国特許明細書第3,491,111号、同第
3,491,112号、同第3,491,116号およ
び同第3,509,174号、フルオラン類の具体例は
米国特許明細書第3,624,107号、同第3,62
7,787号、同第3,641,011号、同第3,4
62,828号、同第3,681,390号、同第3,
920,510号、同第3,959,571号、スピロ
ジピラン類の具体例は米国特許明細書第3,971,8
08号、ピリジン系およびピラジン系化合物類は米国特
許明細書第3,775,424号、同第3,853,8
69号、同第4,246,318号、フルオレン系化合
物の具体例は特願昭61−240989号等に記載され
ている。このうち特に黒発色の2−アリールアミノ−3
−H、ハロゲン、アルキル又はアルコキシ−6−置換ア
ミノフルオランが有効である。具体例としてたとえば2
−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−シクロヘキシ
ル−N−メチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニ
リノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−ジオクチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチ
ル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−N−エチル−N−ドデシルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−エ
チル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラ
ン、2−o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノ
フルオラン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−
6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−
3−メチル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−
N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−
エチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−
プロポキシプロピルアミノフルオランなどが挙げられ
る。
【0027】本発明においては、特に発色色相の異なる
感熱記録層を重層して多色感熱記録材料とする場合は、
イエロー色前駆物質、シアン色前駆物質およびマゼンタ
色前駆物質を使用する。これらの物質の具体例について
は特開昭61−24495号に詳細に記載されている。
【0028】これらの電子供与性無色染料と組み合わせ
る電子受容性化合物としては、フェノール化合物、有機
酸もしくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸
性物質が用いられる。電子受容性化合物の例としては、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
(一般名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−
メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−
ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス
(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p
−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェ
ノール類、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル
酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3−
α−α−ジメチルベンジルサリチル酸、4−(β−p−
メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸等のサリチル
酸誘導体、またはその多価金属塩(特に亜鉛、アルミニ
ウムが好ましい)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエ
ルテル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル
エステル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキシエチ
ル)エステル等のオキシ安息香酸エステル類、p−フェ
ニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、クミ
ルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ
−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−フェ
ノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノール類が挙げ
られ、単独もしくは2種以上混合して用いられる。この
なかで発色性向上の目的にはビスフェノール類が好まし
い。顕色剤は発色剤の50〜800重量%使用すること
が好ましく、さらに好ましくは100〜500重量%で
ある。
【0029】本発明において電子供与性染料前駆体と電
子受容性化合物の組み合わせを用いる場合は発色剤と顕
色剤の発色反応を促進し、より少ない熱エネルギーでの
記録を可能にするため必要に応じて増感剤を併用しても
よい。増感剤の例を挙げると、p−ベンジルオキシ安息
香酸ベンジル、β−ナフチル−ベンジルエーテル、ステ
アリン酸アミド、ステアリル尿素、p−ベンジルビフェ
ニル、ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、ジ(2−メ
トキシフェノキシ)エタン、β−ナフトール−(p−メ
チルベンジル)エーテル、α−ナフチル−ベンジルエー
テル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオール−p−イソプロピルフ
ェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−ターシ
ャリーオクチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2
−(4−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−
2−(4−クロルフェノキシ)エタン、1,4−ブタン
ジオールフェニルエーテル、ジエチレングリコール−ビ
ス−(4−メトキシフェニル)エーテル、4−エトキシ
フェニル−p−クロルベンジルエーテル、1(4−メト
キシ−フェノキシ)−2−フェノキシ−プロパン、1,
3−ビス−(4−メトキシフェノキシ)プロパン、3−
メチル−4−クロルフェニル−p−メトキシベンジルエ
ーテル、3,5−ジメチル−4−クロルフェニル−p−
メトキシベンジルエーテル、4−クロルフェニル−p−
メトキシベンジルエーテル、1−フェノキシ−2(4−
メトキシ−フェノキシ)−プロパン、シュウ酸ジベンジ
ルエステル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステ
ル等が挙げられる。これらの増感剤は、単独あるいは混
合して用いられる。十分な熱応答性を得るためには、顕
色剤に対し、10〜200重量%使用することが好まし
く、さらに好ましくは20〜200重量%である。増感
剤はあらかじめ発色剤ないし顕色剤と熱共融物を作成し
た後使用しても良い。
【0030】本発明で使用する光分解性ジアゾ化合物と
は後述するカップリング成分と呼ばれる顕色剤と反応し
て所望の色相に発色するものであり、反応前に特定波長
の光を受けると分解し、もはやカップリング成分が作用
しても発色能力を持たなくなる光分解性ジアゾ化合物で
ある。この発色系における色相はジアゾ化合物とカップ
リング成分が反応して生成したジアゾ色素により決定さ
れる。従って、良く知られているようにジアゾ化合物の
化学構造を変えるか、カップリング成分の化学構造を変
えれば容易に発色色相をかえることができ、組み合わせ
次第で略任意の発色色相を得ることができる。
【0031】本発明の記録材料で光分解性ジアゾ化合物
とカップリング成分の組み合わせを用いた場合、レーザ
ーで画像を記録した後、光分解性ジアゾ化合物が分解す
るような特定波長の光を照射すると、非記録部分のジア
ゾ化合物はカップリング成分と反応しても、もはや発色
しなくなるため、画像の定着が可能となる。
【0032】本発明におけるは主に芳香族ジアゾ化合物
を指し、具体的には芳香族ジアゾニウム塩、ジアゾスル
フォネート化合物、ジアゾアミノ化合物を指す。ジアゾ
ニウム塩は一般式ArN2 +-で示される化合物であ
る。(式中、Arは置換されたあるいは無置換の芳香族
部分を表し、N2 +はジアゾニウム基を、X-は酸アニオ
ンを表す。ジアゾスルフォネート化合物は多数のものが
知られており、各々のジアゾニウム塩を亜硫酸塩で処理
することにより得られる。ジアゾアミノ化合物はジアゾ
基をジシアンジアミド、サルコシン、メチルタウリン、
N−エチルアントラニックアシッド−5−スルフォニッ
クアシッド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、グアニジン等でカップリングさせて得られる。これ
らのジアゾ化合物の詳細は例えば特開平2−13628
6号等に記載されている。
【0033】本発明に用いられるジアゾ化合物とカップ
リングして反応させるカップリング成分は、例えば2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリドの他、レゾルシン
を初めとして特開昭62−146678号に記載されて
いるものを挙げることができる。
【0034】本発明においてジアゾ化合物とカップリン
グ成分の組み合わせを用いる場合、カップリング反応が
塩基性雰囲気で起こりやすいため、増感剤として塩基性
物質を添加してもよい。塩基性物質としては水不溶性ま
たは難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生す
る物質が用いられる。それらの例としては無機および有
機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿
素およびその誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリ
ミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール
類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール
類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォ
リムアジン類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられ
る。これらの具体例は例えば特開昭61−291183
号等に記載されている。
【0035】本発明において使用する発色成分は、単に
感熱層中に固体分散して用いてもよいが、感熱層の透明
性向上の観点、常温で発色成分の接触を防止するといっ
た生保存性の観点(カブリ防止)、および希望のレーザ
ーエネルギーで発色させるような感度制御の観点等か
ら、発色剤、顕色剤を各々異なるマイクロカプセルに内
包せしめて用いるか、発色剤または顕色剤の一方をマイ
クロカプセル化して用いることが好ましい。
【0036】本発明で使用するマイクロカプセルの製造
には、界面重合法、内部重合法、外部重合法のいずれの
方法も採用することができるが、特に、電子供与性無色
染料、ジアゾニウム塩等を含有した芯物質を、水溶性化
合物を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲
に高分子物質の壁を形成させる界面重合法を採用するこ
とが好ましい。
【0037】高分子を形成するリアクタントは、油滴の
内部および/又は油滴の外部に添加される。高分子物質
の具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレ
ンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共
重合体等が挙げられる。好ましい高分子物質はポリウレ
タン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカ
ーボネートであり、特に好ましくは、ポリウレタン及び
ポリウレアである。高分子物質は2種以上併用すること
もできる。前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラチ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が
挙げられる。
【0038】例えば、ポリウレアをカプセル壁材として
用いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナー
ト、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポ
リマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上
含むプレポリマー、ピペラジンもしくはその誘導体また
はポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によって
反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成
させることができる。
【0039】また、例えばポリウレアとポリアミドから
なる複合壁もしくはポリウレタンとポリアミドからなる
複合壁は、例えばポリイソシアナートと酸クロライドも
しくはポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳
化媒体のpHを調整した後、加温することにより調整す
ることができる。これらのポリウレアとポリアミドから
なる複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−
66948号公報に記載されている。
【0040】又、本発明で使用するマイクロカプセルの
芯物質には前記水溶性トリカルボシアニン染料以外の油
溶性近赤外吸収色素を含有させることもできる。
【0041】本発明では、マイクロカプセル壁をより低
い温度で物質透過性とするため、固体増感剤を添加する
こともできる。固体増感剤は、マイクロカプセル壁とし
て用いるポリマーの可塑剤といわれるものの中から、好
ましくは融点が50°C以上であるものを選択してもち
いることが出来る。例えば、壁材が、ポリウレア、ポリ
ウレタンからなる場合は、ヒドロキシ化合物、カルバミ
ン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機ス
ルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールア
ミド化合物等が好適に用いられる。具体例としては、p
−tert−オクチルフェノール、p−ベンジルオキシ
フェノール、p−オキシ安息香酸フェニル、カルバニル
酸ベンジル、カルバミン酸フェネチル、ハイドロキノン
ジヒドロキシエチルエーテル、キシリレンジロール、N
−ヒドロキシエチル−メタンスルホン酸アミド、N−フ
ェニル−メタンスルホン酸アミド等の化合物が挙げられ
る。これらは芯物質中に含有させても良いし、(乳化)
分散物としてカプセル外に添加しても良い。
【0042】本発明において発色成分の一方のみをマイ
クロカプセル化する場合には、電子供与性染料前駆体ま
たはジアゾ化合物をマイクロカプセル化することが好ま
しい。この場合、電子受容性化合物またはカップリング
成分および増感剤その他の添加剤は固体分散させて使用
することも、水に難溶性または不溶性の有機溶剤に溶解
せしめた後、これを界面活性剤を含有した水溶性高分子
を保護コロイドとして有する水相と混合し、乳化分散し
た分散物の形で使用することも出きる。後者の場合は感
熱記録層を透明にすることができる。
【0043】乳化分散に使用される有機溶剤としては、
高沸点オイルの中から適宜選択することができる。なか
でも好ましいオイルとしては、エステル類の他、ジメチ
ルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナ
フタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフェ
ニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメ
チルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1−
ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル
−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、トリア
リルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジ
フェニルメタン)、ターフェニル化合物(例えばターフ
ェニル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニルエー
テル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添タ
ーフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジ
フェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも特に
エステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安定性
の観点から好ましい。
【0044】エステル類としては、燐酸エステル類(例
えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチ
ル、燐酸オクチル、燐酸クレジルフェニル)、フタル酸
エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘ
キシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸
ブチルベンジル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、
安息香酸エステル(安息香酸エチル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸
ベンジル)、アビエチン酸エステル(アビエチン酸エチ
ル、アビエチン酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチル、
コハク酸イソデシル、アゼライン酸ジオクチル、シュウ
酸エステル(シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチ
ル)、マロン酸ジエチル、マレイン酸エステル(マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチ
ル)、クエン酸トリブチル、ソルビン酸エステル(ソル
ビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチ
ル)、セバシン酸エステル(セバシン酸ジブチル、セバ
シン酸ジオクチル)、エチレングリコールエステル類
(ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル
及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステ
ル、パルミチン酸モノエステル及びジエステル、ステア
リン酸モノエステル及びジエステル、オレイン酸モノエ
ステル及びジエステル)、トリアセチン、炭酸ジエチ
ル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
ほう酸エステル(ほう酸トリブチル、ほう酸トリペンチ
ル)等が挙げられる。このなかでも特に燐酸トリクレジ
ルを単独または混合してもちいた場合には、乳化物の安
定性が最も良好であり好ましい。上記のオイルどうしま
たは他のオイルとの併用も可能である。
【0045】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤としては、例えば酢酸エチル、
酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、およびメチレンクロラ
イド等を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0046】これらの成分を含有する油相を混合する水
相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子
は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性
高分子、のなかから適宜選択することができるが、特に
ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体が
好ましい。
【0047】また水相に含有せしめる界面活性剤は、ア
ニオン性またはノニオン性の界面活性剤のなかから、上
記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないもの
を適宜選択して使用することができる。好ましい界面活
性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチ
ルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げ
ることができる。
【0048】本発明における乳化分散物は、上記成分を
含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する
水相を、高速撹拌、超音波分散等の通常の微粒子乳化に
用いられる手段を使用して混合、分散せしめ容易に得る
ことができる。
【0049】また、油相の水相に対する比の値(油相重
量/水相重量)は0.02〜0.6が好ましく、特に
0.1〜0.4であることが好ましい。0.02以下で
は、水相が多すぎて希薄となり十分な発色性が得られ
ず、0.6以上では逆に液の値の粘度が高くなり、取扱
いの不便さや塗液安定性の低下をもたらす。
【0050】上記のように調整した感熱記録層液を支持
体上に塗布するに際しては、公知の水系または有機溶剤
系の塗液を用いる塗布手段が用いられる。この場合、感
熱層記録液を安全かつ均一に塗布するとともに、塗膜の
強度を保持するために、本発明においては、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、澱粉類、ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ルアミド、ポリスチレン及びその共重合体、ポリエステ
ル及びその共重合体、ポリエチレン及びその共重合体、
エポキシ樹脂、アクリレート及びメタアクリレート系樹
脂及びその共重合体、ポリウレタン樹脂並びにポリアミ
ド樹脂等をマイクロカプセルとともに併用することがで
きる。このなかでは、ポリビニルアルコール、ゼラチン
が特に好ましい。
【0051】感熱記録層は(発色剤+カルボシアニン染
料)の全量が1〜10g/m2になるように塗布される
こと、及び層の厚みが1〜20μmになるように塗布さ
れることが望ましい。
【0052】本発明で用いる支持体は、透明であって
も、不透明であっても良い。透明な支持体は、透明性が
高く、かつ照射レーザービーム波長に吸収を示さないこ
と、レーザー照射時の発熱に対しても変形せず、寸度安
定性を有することが好ましい。透明支持体の例としては
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等の
セルロース誘導体フィルム、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポ
リ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリルフィルム、ポ
リカーボネートフィルム等が挙げられ、単独あるいは貼
り合わせて使用される。支持体の厚みとしては10μm
〜250μmのものが用いられる。
【0053】一方、記録材料の不透明な支持体として
は、紙、合成紙、アルミ蒸着ベース、前記透明支持体に
顔料等をコートしたもの等が挙げられる。この場合に
は、感熱層側からレーザービームが照射されて効率良く
感熱層に吸収されるようにするため、記録材料の不透明
な支持体として、レーザービームの反射性が高いものを
使用することが好ましい。
【0054】本発明に使用される支持体は特にポリエス
テルフィルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したものが
好ましい。本発明においては、支持体から感熱記録層が
剥離することを防止するため、感熱記録層を支持体上に
塗布する前に、支持体に下塗り層を設けることが好まし
い。
【0055】下塗り層としてはアクリル酸エステル共重
合体、ポリ塩化ビニリデン、スチレン−ブタジエンラテ
ックス等を用いることができ、膜厚としては0.1〜
0.5μmが好ましい。これらの組成物より成る下塗り
層はブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布
法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディ
ップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布
される。塗布量は0.1〜10g/m2とすることが好
ましく、特に0.2〜2g/m2とすることが好まし
い。
【0056】本発明においては、記録材料の感熱記録層
が前記カルボシアニン染料を含有しているので、前記カ
ルボシアニン染料が照射されたレーザー光を吸収してそ
のエネルギーを熱エネルギーに変換する。これによりカ
ルボシアニン染料周辺のマイクロカプセルが加熱されて
物質透過性となりマイクロカプセル内外の反応物質がマ
イクロカプセル壁を透過接触して発色し記録画像が得ら
れる。
【0057】
【発明の効果】本発明のレーザー感熱記録材料は塗液の
状態では可視光領域に吸収極大波長があるため着色して
いるが、支持体に塗布、乾燥することで水分が除去され
ると該染料がJ−会合状態に変化する。その結果該吸収
極大波長は近赤外領域にシフトし可視領域の吸収が低下
するので、赤外レーザーの吸収効率を高く保ったままで
地肌の着色が少なく品位の良い記録が可能な感熱記録材
料である。またJ−会合体の外部刺激に対する安定性も
改良されている。
【0058】
【実施例】以下、発色剤に電子供与性無色染料、顕色剤
に電子受容性化合物を用いた系で実施例を示し本発明を
具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定される
ものではない。文中で使用する濃度は、全て重量%であ
る。また添加量を示す「部」は全て「重量部」である。
【0059】(実施例−1) マイクロカプセル液の調整 発色剤として、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エ
チル−N−ブチル−アミノフルオラン16g、マイクロ
カプセルの壁形成剤としてタケネートD−110N(武
田薬品工業株式会社製のカプセル壁剤の商品名)10g
を溶剤(酢酸エチル20gとメチレンクロライド5gの
混合溶媒)に添加して溶解した。得られた溶液を8重量
%のポリビニルアルコール水溶液400gと水15g、
および2重量%のスルフォコハク酸ジオクチルのナトリ
ウム塩(界面活性剤)水溶液0.5gを混合した水相に
混合した後、エースホモジナイザー(日本精機株式会社
製)を用いて10000rpmで5分間乳化を行なっ
た。
【0060】得られた乳化液に更に70gの水を添加し
た後、40°Cで3時間カプセル化反応を行なって平均
粒径0.7μmのカプセル液を調整した。なお、平均粒
径は全て株式会社堀場製作所製レーザー回折粒度分布測
定装置を用いて測定した50%体積平均粒径の値を使用
した。
【0061】顕色剤乳化分散液の調整 下記構造式(8)で表されるサリチル酸誘導体のZn塩
8g、(9)で表される化合物4g及び(10)で表さ
れる化合物30gを1−フェニル−1−キシリルエタン
8.0gと酢酸エチル30gの混合液に溶解した。得ら
れた溶液を8重量%のポリビニルアルコール水溶液10
0gと水150gおよびドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ0.5gの水溶液に混合した後、エースホモジナイ
ザー(日本精機株式会社製)を用いて10000rpm
常温で平均粒径が0.5μmになるように乳化を行って
乳化分散液を得た。
【0062】
【化3】
【0063】吸収色素溶液の調整 下記構造式(11)で表されるシアニン色素1gを蒸留
水に溶解し100gとした。濃度10-5Mに希釈して島
津スペクトロフォトメータで測定したところ最大吸収波
長は650nmであった。この1重量%水溶液10gを
10重量%のポリビニルアルコール(鹸化度98%、重
合度1700)50gと混合。これに30重量%の酸化
珪素分散液(日産化学スノーテックス30、平均粒径
0.02μm)を5g加えたのち、70°Cに保ちなが
ら1時間かくはんした。その後35°Cに冷却した。
【0064】
【化4】
【0065】感熱記録材料の作成 前記マイクロカプセル液5.0g、上記顕色剤乳化分散
液10.0g、吸収色素溶液10gをかくはん、混合し
た液を厚さ70μmの透明なポリエチレンテレフタレー
ト(PET)支持体上に固形分で10g/m2になるよ
うに塗布して乾燥し、本発明に係わる透明な感熱記録材
料を作成した。
【0066】(実施例−2)実施例−1のマイクロカプ
セルの調製および顕色剤乳化分散液の調製を水溶性高分
子として8重量%ポリビニルアルコール水溶液のかわり
に8重量%のゼラチン水溶液(ニッピゼラチン工業製M
GP−9066)を用い、40°Cで乳化を行い、吸収
色素溶液の調製を10重量%ポリビニルアルコール水溶
液50gのかわりに10重量%のゼラチン水溶液(新田
ゼラチン工業製#750)を用いた以外は同様の方法に
より行ない本発明に係わる感熱記録材料を作製した。
【0067】(実施例−3)実施例−1で吸収色素溶液
の調製で30重量%の酸化珪素分散液(日産化学製スノ
ーテックス30)5gのかわりに、超微粒子酸化亜鉛
(住友セメント製ZnO−100)の30重量%分散物
(平均粒径0.02μm)5gに変えた以外は同様の方
法により行ない本発明に係わる感熱記録材料を作製し
た。
【0068】(実施例−4)実施例−1で吸収色素溶液
の調製で30重量%の酸化珪素分散液(日産化学製スノ
ーテックス30)5gのかわりに、酸化チタン(出光製
チタニアIT−S)の5重量%分散物(平均粒径0.4
μm)30gに変えた以外は同様の方法により行ない本
発明に係わる感熱記録材料を作製した。
【0069】(実施例−5)発色剤として、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−ジブチル−アミノフルオラ
ン、顕色剤としてビスフェノールA、増感剤としてβ−
ナフチル−ベンジルエーテル、各々30gを150gの
5%ポリビニルアルコール水溶液に加え、粒径0.8m
mのガラスビーズ230ccと共に株式会社シンマルエ
ンタープライゼス製ダイノミルKDLタイプで発色剤、
顕色剤、増感剤の平均粒径がいずれも0.40μmにな
るまで分散を行なった。下記構造式(12)で表される
シアニン色素の1重量%水溶液10gを10重量%のポ
リビニルアルコール(鹸化度98%、重合度1700)
50gと混合。これに30重量%の酸化珪素分散液(日
産化学製スノーテックス30、平均粒径0.02μm)
を5g加えたのち、70°Cに保ちながら1時間かくは
んした。その後35°Cに冷却した。以上のようにして
作成した各分散液を発色剤分散液5g、顕色剤分散液1
0g、増感剤分散液10g、染料水溶液5gの割合で混
合し、坪量50g/m2の上質紙に乾燥塗布量が6g/
2になるように塗布、乾燥し記録材料を作成した。
【0070】
【化5】
【0071】(比較例−1)実施例1での収色素溶液の
調製で、酸化珪素分散液を使用しなかった以外は同様の
方法により行なった。
【0072】(比較例−2)実施例5での収色素溶液の
調製で、酸化珪素分散液を使用しなかった以外は同様の
方法により行なった。
【0073】(比較例−3)実施例1での収色素溶液の
調製で、30重量%の酸化珪素分散液(日産化学スノー
テックス30)5gのかわりに、酸化珪素(水沢化学ミ
ズカシルP832)30gを水70gおよび40重量%
のヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液1.5gの水溶液
に混合した後、エースホモジナイザー(日本精機株式会
社製)を用いて平均粒径1.0μmに分散したもの5g
を使用した以外は同様の方法により行なった。
【0074】(比較例−4)実施例1での収色素溶液の
調製で、シアニン色素水溶液、ポリビニルアルコール水
溶液および酸化珪素分散液(日産化学スノーテックス3
0、平均粒径0.02μm)混合後、70°C1時間の
加熱を行わなかった以外は同様の方法により行なった。
【0075】(比較例−5)実施例1での収色素溶液の
調製で、シアニン色素水溶液、ポリビニルアルコール水
溶液および酸化珪素分散液(日産化学スノーテックス3
0、平均粒径0.02μm)混合後、70°C1時間の
加熱を行った後、液を冷却させないで感熱発色層塗液を
作製した以外は同様の方法で行った。
【0076】日立スペクトロフォトメーターで実施例−
1〜4、比較例−1,3,4,5の感熱記録材料の透過
スペクトルを測定した。実施例−5及び比較例−2の感
熱記録材料は反射スペクトルを測定した。次に感熱記録
層側から、波長810nmの半導体レーザーをエネルギ
ーが記録層表面で20mJ/mm2になるように調節し
て画像様に照射して黒色の記録画像を得た。画像部分と
地肌部分の濃度を実施例−1〜4、比較例−1,3,
4,5では透過マクベス濃度計(TD−904)、実施
例−5及び比較例−2では反射マクベス濃度計(RD−
918)でビジュアルフィルターを使用して測定した。
画像の透明性は目視で評価した。
【0077】感熱記録材料を40°C,90%に調製し
た恒温恒湿室に24時間放置した後、日立スペクトロフ
ォトメーターでスペクトルを測定した。次に感熱記録層
側から、波長810nmの半導体レーザーをエネルギー
が記録層表面で20mJ/mm2になるように調節して
画像様に照射して黒色の記録画像を得た。画像部分と地
肌部分の濃度をマクベス濃度計(でビジュアルフィルタ
ーを使用して測定した。
【0078】結果を表1に示す。恒温恒湿室(40°C
90%に調製)に24時間放置した場合、実施例1〜5
の記録材料は吸収特性が変化せず、記録画像濃度も変化
しなかったが、比較例−1,2,4の記録材料は吸収が
変化し記録画像濃度が低下した。また地肌の着色が高く
なりコントラストが低くなった。比較例−3の記録材料
は吸収特性の変化や記録画像濃度の低下は発生しなかっ
たが、透明ベースに塗布したにもかかわらず不透明な画
像しかえられなかった。比較例−5の記録材料は、最大
吸収波長は変化しなかったが、吸収強度が低下し、記録
画像濃度が低下するとともに地肌にカブリが生じコント
ラストが低くなった。
【0079】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に発色剤と熱時該発色剤と反応
    して発色させる顕色剤およびレーザー光を吸収して熱に
    変換させることのできるレーザー光吸収物質を必須成分
    として含有するレーザー感熱記録層を設けたレーザー感
    熱記録材料において、該レーザー光吸収物質として水溶
    性カルボシアニン化合物を用い、かつレーザー感熱記録
    層中に水溶性バインダーと酸化物微粒子を含有すること
    を特徴とするレーザー感熱記録材料
  2. 【請求項2】 酸化物微粒子が酸化亜鉛、酸化珪素、酸
    化チタンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴
    とする請求項1に記載のレーザー感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 酸化物微粒子の平均粒径が0.5μm以
    下であることを特徴とする請求項1、2に記載のレーザ
    ー感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のレーザー感熱記録材料の
    製造方法において、水溶性カルボシアニン化合物、水溶
    性バインダー及び酸化物微粒子を混合し5分間〜5時
    間、50°C〜90°Cの温度に加熱する処理を行った
    後40°C以下に冷却してから発色剤と顕色剤を添加す
    ることを特徴とするレーザー感熱記録材料の製造方法。
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Cited By (3)

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