JPH07137451A - 赤外レーザー用感熱記録材料 - Google Patents

赤外レーザー用感熱記録材料

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JPH07137451A
JPH07137451A JP5288422A JP28842293A JPH07137451A JP H07137451 A JPH07137451 A JP H07137451A JP 5288422 A JP5288422 A JP 5288422A JP 28842293 A JP28842293 A JP 28842293A JP H07137451 A JPH07137451 A JP H07137451A
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JP
Japan
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color
group
recording material
heat
ring
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JP5288422A
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English (en)
Inventor
Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
Akira Takeuchi
公 竹内
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】熱感度が高く、小型で低出力のレーザーにより
熱記録が可能である上、地肌の着色が少なく品位の良い
記録が可能である赤外レーザー用感熱記録材料を提供す
ること。 【構成】支持体上に、少なくとも実質的に無色の発色成
分Aと、該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色
の発色成分B及び赤外線吸収色素とを含有する感熱層を
設けた感熱記録材料であって、前記発色成分の少なくと
も一方がマイクロカプセル化されていると共に、前記赤
外線吸収色素が下記一般式(I) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関し、特
に赤外レーザービームを利用して記録する非接触の感熱
記録材料に関する。
【0002】
【従来技術】支持体上に感熱発色層を設けた感熱記録材
料の表面にサーマルヘッドを密着走査させ、熱エネルギ
ーを感熱記録層に直接若しくは保護層を通して伝えるこ
とによって発色画像を記録する感熱記録方式は広範囲に
知られており、ファクシミリやプリンターなどに適用さ
れている。しかしながら、このような感熱記録方法にお
いては、サーマルヘッドを感熱記録材料に密着させて走
査させるために、サーマルヘッドが摩耗したり、サーマ
ルヘッド表面へ感熱記録材料の成分がカスとなって付着
することにより記録画像が正しく得られない場合が生じ
たり、サーマルヘッドが破壊されるという欠点があっ
た。
【0003】又、このようなサーマルヘッドを用いた感
熱記録方式には、サーマルヘッドの構造上の特質から、
発熱素子の加熱冷却の高速制御や発熱素子密度を大きく
する上で限界があるために、高速記録や高密度、高画質
記録には限度があるという欠点があった。
【0004】サーマルヘッドを用いる感熱記録方式の上
記の如き欠点を解決するために、レーザービームを用
い、感熱記録材料に対して非接触でかつ高速、高密度で
熱記録を行うことが提案されている(例えば、特開昭5
0−23617号、特開昭54−121140号、特開
昭57−11090号、特開昭58−56890号、特
開昭58−94494号、特開昭58−134791
号、特開昭58−145493号、特開昭59−891
92号、特開昭60−205182号、特開昭62−5
6195号公報)。
【0005】しかしながら、このようなレーザービーム
を用いた記録方式においては、感熱発色層は、一般に可
視及び近赤外領域の光を吸収しにくいために、レーザー
の出力を相当大きくしないと発色に必要な熱エネルギー
が得られず、小型で安価な装置をつくることが極めて困
難であるという欠点があった。又、特公昭50−774
号にはインクを封入したマイクロカプセルを原紙に塗布
し、強力な光を照射してカプセル中のインクを噴出させ
て原紙に記録する方法が提案されているが、感度が非常
に低く未だ実現されるに至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、感熱記録層に
効率良くレーザービームを吸収させるための提案も多く
されており、一般的には感熱記録層の中にレーザービー
ムの波長に合った光吸収物質を添加することが行われて
いる。この場合、添加する光吸収物質が白色でないと、
記録材料の地肌が着色して、コントラストが低く品位の
ない記録しか得られない。
【0007】一般に白色の光吸収物質は無機化合物に多
いが、その殆どのものは光吸収効率が低いため、光吸収
効率の良い有機化合物で着色の少ない化合物を開発する
ことが望まれていた。しかしながら、一般的に可視光領
域の光を吸収する有機化合物は着色しており又色の濃い
もの程光吸収効率が高いため、それを光吸収物質として
感熱記録層(以下感熱層という)に添加して感度を増加
させることができる一方、逆に記録紙の白色度を良好な
ものとすることは困難となる。
【0008】一方、可視光領域の波長の光を吸収せず且
つ可視光領域以外の波長のレーザービームを吸収する有
機化合物を使用した場合には、該有機化合物は着色して
いないため感熱層に添加しても記録材料の地肌を白色と
することが可能である。
【0009】又、マイクロカプセルを使用する場合、レ
ーザービームを吸収する光吸収物質は、一般に、マイク
ロカプセルの内部若しくは外部又はマイクロカプセルの
壁内等(マイクロカプセルの内外部等という)に添加さ
れ、画像様に照射されたレーザービームを前記光吸収物
質が吸収してレーザービームのエネルギーを熱エネルギ
ーに変換し、その熱によってマイクロカプセルが加熱さ
れることにより該マイクロカプセル壁が物質透過性にな
り、マイクロカプセル内外の発色成分が互いに接触する
ことによって感熱記録材料上に画像が記録される。
【0010】従って、感熱層に、レーザービームの吸収
効率は高いが可視光領域の波長の光を吸収せず、且つ吸
収したレーザービームのエネルギーを熱エネルギーへ変
換する効率が高い光吸収物質を添加すれば、感熱記録材
料の熱記録の感度(以下熱感度という)を向上させるこ
とができるので出力の低いレーザーにより熱記録が可能
となるのみならず、記録材料の白色度も向上させること
が可能である。
【0011】そこで、本発明者等は、感熱層中に含有さ
せる2つの発色成分をマイクロカプセルによって隔離す
ると共に、マイクロカプセルの内外部等に特定の赤外線
吸収色素を含有させ、赤外レーザーを用いて記録を行っ
た場合には、極めて良好な結果を得ることができるとい
うことを見出し本発明に到達した。従って本発明の目的
は、高感度で低出力のレーザーにより熱記録が可能であ
る上地肌の着色が少なく、品位の良い記録が可能である
赤外レーザー用感熱記録材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体上に、少なくとも実質的に無色の発色成分Aと、
該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の発色成
分B及び赤外線吸収色素とを含有する感熱層を設けた感
熱記録材料であって、前記発色成分の少なくとも一方が
マイクロカプセル化されていると共に、前記赤外線吸収
色素が下記一般式(I)で表されることを特徴とする赤
外レーザー用感熱記録材料によって達成された。
【0013】
【化2】
【0014】式中、R1 、R2 、R11、R12は各々アル
キル基、アリール基、または複素環基を表わし、R1
2 、R11とR12は互いに連結して環を形成してもよ
い。T1 、T2 、T3 、T4 、T11、T12、T13、T14
は各々水素原子または置換基を表わし、T1 とT2 、T
3 とT4 、T11とT12、T13とT14、T2 とR1 、T 3
とR2 、T12とR11、T13とR12は互いに連結して環を
形成していてもよい。
【0015】本発明に使用する発色成分とは物質の接触
に基づく発色反応を生ずる成分であり、具体的には光分
解性ジアゾ化合物とカプラーの組み合わせ又は電子供与
性染料前駆体と酸性物質の組み合わせが好ましい。
【0016】本発明で使用する光分解性ジアゾ化合物と
は、後述するカップリング成分と呼ばれる顕色剤と反応
して所望の色相に発色するものであって、反応前に特定
の波長の光を受けると分解し、もはやカップリング成分
が作用しても発色能力を持たなくなるジアゾ化合物であ
る。この発色系における色相は、ジアゾ化合物とカップ
リング成分が反応して生成したジアゾ色素により主に決
定される。従って、良く知られているように、ジアゾ化
合物の化学構造を変えるか、カップリング成分の化学構
造を変えれば容易に発色色相を変えることができ、組み
合わせ次第で略任意の発色色相を得ることができる。
【0017】本発明における光分解性のジアゾ化合物と
は主に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には、芳
香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジア
ゾアミノ化合物等の化合物を指す。ジアゾニウム塩は、
一般式ArN2 + - で示される化合物である(式中、
Arは置換された、或いは無置換の芳香族部分を表し、
2 + はジアゾニウム基を表し、X- は酸アニオンを表
わす。)。
【0018】普通、ジアゾニウム塩の光分解波長はその
吸収極大波長であるといわれている。又ジアゾニウム塩
の吸収極大波長は、その化学構造に応じて200nm位
から700nm位迄変化することが知られている(「感
光性ジアゾニウム塩の光分解と化学構造」角田隆弘、山
岡亜夫著 日本写真学会誌29(4)197〜205頁
(1965))。即ち、ジアゾニウム塩を光分解性化合
物として用いると、その化学構造に応じた特定の波長の
光で分解し、又、ジアゾニウム塩の化学構造を変えれ
ば、同じカップリング成分とカップリング反応した時の
色素の色相も変化する。
【0019】本発明で用いることのできるジアゾスルホ
ネート化合物は多数のものが知られており、各々のジア
ゾニウム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られる。
又、本発明で用いることのできるジアゾアミノ化合物
は、ジアゾ基をジシアンジアミド、サルコシン、メチル
タウリン、N−エチルアントラニックアシッド−5−ス
ルホニックアシッド、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、グアニジン等でカップリングさせた化合物
である。これらのジアゾ化合物の詳細は、例えば特開平
2−136286号に記載されている。
【0020】ジアゾ化合物の光分解用の光源としては、
希望する波長の光を発する種々の光源を用いることがで
き、例えば種々の螢光灯、キセノンランプ、キセノンフ
ラッシュランプ、各種圧力の水銀灯、写真用フラッシ
ュ、ストロボ等種々の光源を用いることができる。又、
光定着ゾーンをコンパクトにするため、光源部と露光部
とを光ファイバーを用いて分離してもよい。
【0021】本発明に用いられるジアゾ化合物とカップ
リングして色素を形成するカップリング成分は、例え
ば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリドの他、レ
ゾルシンを初めとし特開昭62−146678号に記載
されているものを挙げることができる。更にこれらのカ
ップリング成分を2種以上併用することによって任意の
色調の画像を得ることができる。従って、本発明は単色
の感熱記録材料に限定されるものではない。
【0022】これらのジアゾ化合物とカップリング成分
とのカップリング反応は塩基性雰囲気下で起こり易い
為、感熱層内に塩基性物質を添加してもよい。塩基性物
質としては、水難溶性又は水不溶性の塩基性物質や、加
熱によりアルカリを発生する物質が用いられる。それら
の例としては無機及び有機アンモニウム塩、有機アミ
ン、アミド、尿素やチオ尿素及びその誘導体、チアゾー
ル類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グア
ニジン類、、インドール類、イミダゾール類、イミダゾ
リン類、トリアゾール類、モルホリン類、ピペリジン
類、アミジン類、フォルムアジン類、ピリジン類等の含
窒素化合物が挙げられる。これらの具体例は、例えば、
特開昭61−291183号に記載されている。塩基性
物質は2種以上併用してもよい。
【0023】本発明で使用する電子供与性染料前駆体は
特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与し
て、或いは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有
するものであって、通常略無色で、ラクトン、ラクタ
ム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部
分骨格を有し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開
環若しくは開裂する化合物が用いられる。具体的には、
クリスタルバイオレットラクトン、ベンゾイルロイコメ
チレンブルー、マラカイトグリーンラクトン、ローダミ
ンBラクタム、1,3,3−トリメチル−6’−エチル
−8’−ブトキシインドリノベンゾスピロピラン等があ
る。
【0024】これらの発色剤に対する顕色剤としては、
フェノール化合物、有機酸若しくはその金属塩、オキシ
安息香酸エステル等の酸性物質が用いられ、その具体例
は、例えば特開昭61−291183号に記載されてい
る。
【0025】本発明において使用する発色成分は、感熱
層の透明性向上の観点、常温で発色成分の接触を防止す
るといった生保存性の観点(カブリ防止)、及び希望の
レーザーエネルギーで発色させるような発色感度の制御
の観点等からA及びBの発色成分を各々異なるマイクロ
カプセルに内包せしめて用いるか、A又はBの一方をマ
イクロカプセル化して用いる。
【0026】次に、本発明において使用する一般式
(I)で表される赤外線吸収色素について詳述する。一
般式(I)においてR1 、R2 、R11、R12で表わされ
る基にはさらに他の置換基が結合していてもよい。この
ような置換基としては、アルキル基、アリール基、複素
環残基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルカリカルボ
ニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボ
ニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニ
ルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルア
ミド基、アリールアミド基、アルキルカルバモイル基、
アリールカルバモイル基、アルキルアミノ基、アリール
アミノ基、カルボン酸基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、アルキルスルホンアミド基、アリー
ルスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリ
ールスルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、スルホン
酸基、ビニル基、ヒドロキシ基などの種々の置換基であ
ってもよい。
【0027】そして、これらの置換基の数は、通常、0
または1〜4程度とされる。なお、置換基の数が複数で
あるとき、これらの置換基は互いに異なるものであって
もよい。
【0028】これらの置換基のうち好ましいものとして
はハロゲン原子(F、Clなど、ヒドロキシ基、シアノ
基、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコ
キシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ドデシルオキシ、
メトキシエトキシなど)、炭素原子数6〜20の置換も
しくは非置換のフェノキシ基(例えばフェノキシ、3,
5−ジクロロフェノキシ、2,4−ジ−t−ペンチルフ
ェノキシなど)、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜
20のアルキル基(例えばメチル、エチル、イソブチ
ル、t−ペンチル、オクタデシル、シクロヘキシル、ト
リフルオロメチルなど)、炭素原子数6〜20の置換も
しくは非置換のフェニル基(例えばフェニル、4−メチ
ルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3,5
−ジクロロフェニルなど)が挙げられる。
【0029】R1 、R2 、R11、R12で表わされるアル
キル基は好ましくは炭素原子数1ないし22の直鎖状、
分岐状、もしくは環状である。特に好ましくは炭素原子
数2ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基で
ある。
【0030】R1 、R2 、R11、R12で表わされるアリ
ール基は好ましくは炭素原子数6ないし22の置換され
ていてもよいフェニル基または炭素原子数10ないし2
2の置換されていてもよいナフチル基を表わし、特に好
ましくは、炭素原子数6ないし18の置換されていても
よいフェニル基である。
【0031】R1 、R2 、R11、R12で表わされる複素
環基は不飽和結合を含んでいてもよく、複素芳香族環で
あってもよい。これらの複素環として好ましいものは複
素原子として酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含有する
5もしくは6員環であり、例えばテトラヒドロフラン
環、ジオキソラン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、
イミダゾリン環、テトラヒドロピラン環、ジオキサン
環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モル
ホリン環、ピロール環、インドール環、ピリジン環、キ
ノリン環、フラン環、ベンゾフラン環、オキサゾール
環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ベ
ンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチ
アゾール環、およびこれらの置換体が挙げられる。
【0032】R1 とR2 、R11、とR12が連結して形成
する含窒素複素環として好ましいものは、ヘテロ原子と
して酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含有する5もしく
は6員環であり、不飽和結合を環内に有さないものが特
に好ましい。この環の例としては、ピロリジン環、ピペ
リジン環、モルホリン環、ピペラジン環などが挙げられ
る。
【0033】T1 、T2 、T3 、T4 、T11、T12、T
13、T14で表わされる基は、水素原子の他、アルキル
基、アリール基、複素環残基、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルカリカルボニル基、アリールカルボニル基、ア
ルキルオキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル
基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニル
オキシ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、アル
キルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキ
ルアミノ基、アリールアミノ基、カルボン酸基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスル
ホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルス
ルファモイル基、アリールスルファモイル基、シアノ
基、ニトロ基、スルホン酸基、ビニル基、ヒドロキシ基
などの種々の置換基であってもよい。
【0034】これらの置換基のうち好ましいものは、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルキルアミド基、アリールア
ミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホン
アミド基、ヒドロキシ基であり、特にT1 とT4 のうち
少なくとも一方とT11とT14のうち少なくとも一方がヒ
ドロキシ基であることが好ましい。
【0035】T1 とT2 、T3 とT4 、T11とT12、T
13とT14が互いに連結して形成する環として好ましいも
のは、5員もしくは6員の炭素環もしくはヘテロ原子と
して酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含む複素環であ
る。この炭素環の例としては、シクロペンテン環、シク
ロヘキセン環、ベンゼン環、ビシクロ〔2,2,1〕ヘ
プテン環、などが挙げられる。この複素環の例としては
ジヒドロフラン環、ジヒドロピラン環、ジオキソラン
環、ジオキサン環、ジヒドロピロール環、テトラヒドロ
ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、オキサゾリン
環、チアゾリン環、オキサジン環、などが挙げられる。
【0036】T2 とR1 、T3 とR2 、T12とR11、T
13とR12とが連結して形成する環として好ましいもの
は、5員もしくは6員の含窒素複素環であり、窒素以外
に酸素原子もしくは硫黄原子を含有していてもよい。こ
の複素環の例としては、ジヒドロピロール環、テトラヒ
ドロピリジン環ジヒドロオキサジン環、ジヒドロチアジ
ン環、テトラヒドロピラジン環などが挙げられる。これ
らの環は、さらに置換基を有していてもよい。
【0037】以下に本発明の一般式(I)で表わされる
化合物の具体例を示すが、本発明はこれらのみにて限定
されるものではない。
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
【化7】
【0043】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は下記一般式(A)で表わされるアニリン誘導体と式
(B)で表わされるクロコン酸とを有機溶媒中で混合
し、加熱することによって合成することができる。有機
溶媒としては種々のものを用いることができ、2種以上
の溶媒を混合して用いてもよく、水を含む溶媒を用いて
もよいが、好ましくはブタノール、ヘキサノールなどの
アルコール類が用いられる。
【0044】
【化8】
【0045】次に本発明の一般式(I)で表わされる化
合物の合成法について、具体例を挙げて説明する。 合成例1. 化合物2の合成 3−ジメチルアミノフェノール1.2g、クロコン酸
0.58g、および1−ブタノール58mlを混合し11
0℃の油浴上15分間加熱攪拌した。室温まで冷却した
後、生じた沈殿を濾取し、メタノールで洗浄後、乾燥し
0.8gの化合物2を得た。融点300℃以上。 合成例2. 化合物4の合成 1−ブタノール58mlとクロコン酸0.58gを混合し
110℃で10分間加熱攪拌した。3−ジブチルアミノ
フェノール1.82gを10mlのブタノールに溶かして
加え110℃で40分間加熱攪拌した。室温まで放冷
後、生じた沈殿を濾取し、1−ブタノール、次いでヘキ
サンで洗浄後攪拌した。この結晶をエタノール200ml
から再結晶し、0.5gの化合物4を得た。黄銅色結
晶、融点169.5〜171℃。
【0046】本発明で使用するマイクロカプセルの製造
には界面重合法、内部重合法、外部重合法の何れの方法
をも採用することができるが、特に、発色成分を含有し
た芯物質を水溶性高分子を溶解した水溶液中で乳化した
後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成させる方法
を採用することが好ましい。
【0047】高分子物質を形成するリアクタントは油滴
の内部及び/又は油滴の外部に添加される。高分子物質
の具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレ
ンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共
重合体等が挙げられる。好ましい高分子物質はポリウレ
タン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカ
ーボネートであり、特に好ましくはポリウレタン及びポ
リウレアである。高分子物質は2種以上併用することも
できる。
【0048】前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。例えばポリウレアをカプセル壁材として
用いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナー
ト、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポ
リマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上
含むプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体又は
ポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によって反
応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成さ
せることができる。
【0049】又、例えばポリウレアとポリアミドからな
る複合壁若しくはポリウレタンとポリアミドからなる複
合壁は、例えばポリイソシアナートと酸クロライド若し
くはポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳化
媒体のpHを調整した後加温することにより調製するこ
とができる。これらのポリウレアとポリアミドとからな
る複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58─6
6948号公報に記載されている。
【0050】又、本発明で使用するマイクロカプセルの
芯物質には、前記赤外線吸収色素を含有させることがで
きるが、勿論マイクロカプセル外部に或いはマイクロカ
プセル壁中に含有せしめても良い。同時に2以上の箇所
に含有せしめても良い。マイクロカプセル外部に添加さ
せる場合には、感熱記録材料の着色を防止する観点か
ら、可視光領域の光吸収の少ない基を有する赤外線吸収
色素を適宜選択して使用することが好ましい。マイクロ
カプセル壁内に添加する場合は、マイクロカプセル形成
時に該マイクロカプセル壁材と反応する活性基を有して
いる赤外線吸収色素を用いることが好ましい。上記活性
基の具体例としては、イソシアネート基、ヒドロキシ
基、メルカプト基、アミノ基等を挙げることができる
が、特にイソシアネート基及びヒドロキシ基が好まし
い。
【0051】更に、レーザービーム加熱時にマイクロカ
プセル壁を膨潤させるために固体増感剤を添加して熱感
度を増大させることもできる。固体増感剤は、マイクロ
カプセル壁として用いるポリマーの可塑剤と言われるも
のの中から、融点が50℃以上好ましくは120℃以下
で、常温では固体であるものを選択して用いることがで
きる。例えば、壁材がポリウレア、ポリウレタンから成
る場合には、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル
化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド
化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等
が好適に用いられる。
【0052】本発明では、発色助剤を用いることも可能
である。本発明で用いることのできる発色助剤とは、レ
ーザー加熱記録時の発色濃度を高くする、若しくは最低
発色温度を低くする物質であり、発色成分や塩基性物質
等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せし
める作用により、発色成分Aと発色成分Bとが反応し易
い状況を作るためのものである。
【0053】発色助剤としては、フェノール化合物、ア
ルコール性化合物、アミド化合物、スルホンアミド化合
物等があり、具体例としては、p−tert−オクチルフェ
ノール、p−ベンジルオキシフェノール、p−オキシ安
息香酸フェニル、カルバニル酸ベンジル、カルバニル酸
フェネチル、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテ
ル、キシリレンジオール、N−ヒドロキシエチル−メタ
ンスルホン酸アミド、N−フェニル−メタンスルホン酸
アミド等の化合物を挙げることができる。これらは、芯
物質中に含有させても良いし、乳化分散物としてマイク
ロカプセル外に添加してもよい。
【0054】本発明においては、発色成分の一方のみを
マイクロカプセル化する場合には、ジアゾ化合物又は電
子供与性染料前駆体をマイクロカプセル化することが好
ましい。この場合、カプラー又は顕色剤或いは前記赤外
線吸収色素は、固体分散させて使用することも、前記カ
プラー又は顕色剤或いは前記赤外線吸収色素を水に難溶
性又は不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面
活性剤を含有した水溶性高分子を保護コロイドとして有
する水相と混合し、乳化分散した分散物の形で使用する
こともできる。後者の場合には、感熱層を透明にするこ
とができる。
【0055】上記乳化分散物を調製する際に使用される
有機溶剤は、高沸点オイルの中から適宜選択することが
できる。中でも好ましいオイルとしては、エステル類の
他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソ
プロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジエチルビ
フェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビ
フェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−1−フ
ェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1
−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニ
ル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、
トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、タ
ーフェニル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル
化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化ジフェニ
ルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、
水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニ
ル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0056】これらの中でも特にエステル類を使用する
ことが乳化分散物の乳化安定性の観点から好ましい。エ
ステル類としては、燐酸エステル類(例えば、燐酸トリ
フェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチル、燐酸オクチ
ル、燐酸クレジルジフェニル)、フタル酸エステル(フ
タル酸ジブチル、フタル酸―2―エチルヘキシル、フタ
ル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジ
ル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、安息香酸エス
テル(安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブ
チル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル)、ア
ビエチン酸エステル(アビエチン酸エチル、アビエチン
酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデ
シル、アゼライン酸ジオクチル、シュウ酸エステル(シ
ュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル)、マロン酸ジエ
チル、マレイン酸エステル(マレイン酸ジメチル、マレ
イン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル)、クエン酸トリ
ブチル、ソルビン酸エステル(ソルビン酸メチル、ソル
ビン酸エチル、ソルビン酸ブチル)、セバシン酸エステ
ル(セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル)、エ
チレングリコールエステル類(ギ酸モノエステル及びジ
エステル、酪酸モノエステル及びジエステル、ラウリン
酸モノエステル及びジエステル、パルミチン酸モノエス
テル及びジエステル、ステアリン酸モノエステル及びジ
エステル、オレイン酸モノエステル及びジエステル)、
トリアセチン、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸エ
チレン、炭酸プロピレン、ホウ酸エステル(ホウ酸トリ
ブチル、ホウ酸トリペンチル)等が挙げられる。これら
の中でも、燐酸トリクレジルを単独又は混合して使用し
た場合には顕色剤の乳化分散安定性が特に良好であり好
ましい。上記のオイル同志、又は他のオイルとの併用も
可能である。
【0057】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等
を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0058】これ等の成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子
は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子及び両
性高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビ
ニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好ま
しい。
【0059】又水相に含有せしめる界面活性剤は、アニ
オン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護
コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜
選択して使用することができる。好ましい界面活性剤と
しては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル
硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができ
る。
【0060】本発明における乳化分散物は、上記成分を
含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する
水相を、高速攪拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化に
用いられる手段を使用して混合分散せしめ容易に得るこ
とができる。又、油相の水相に対する比(油相重量/水
相重量)は、0.02〜0.6が好ましく、特に0.1
〜0.4であることが好ましい。0.02以下では水相
が多すぎて希薄となって十分な発色性が得られず、0.
6以上では逆に液の粘度が高くなり、取り扱いの不便さ
や塗液安定性の低下をもたらす。
【0061】又、感熱層には、必要に応じて、顔料、ワ
ックス、硬膜剤等を添加しても良い上記のようにして調
製した感熱層液を支持体上に塗布するに際しては、ブレ
ード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロー
ルコーティング塗布法、スプレー塗布法、デイップ塗布
法、バー塗布法等の公知の水系又は有機溶剤系の塗液を
用いる塗布手段が用いられる。
【0062】この場合、感熱層液を安全且つ均一に塗布
すると共に塗膜の強度を保持するために、本発明におい
ては、バインダーとして、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デ
ンプン類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキ
シ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポ
リスチレン及びその共重合体、ポリエステル及びその共
重合体、ポリエチレン及びその共重合体、エポキシ樹
脂、アクリレート及びメタアクリレート系樹脂及びその
共重合体、ポリウレタン樹脂並びにポリアミド樹脂等を
マイクロカプセルと共に併用して塗工することもでき
る。感熱層は発色成分及び赤外線吸収色素の全量が1〜
20g/m2 になるように塗布されること、及び該層の
厚みが1〜20μmとなるように塗布されることが望ま
しい。更に、感熱層との接着により物理的に染料が転写
するのを防ぐために、ワックス等のすべり剤を塗工する
事もできる。
【0063】本発明で用いる支持体は透明であっても不
透明であっても良い。透明な支持体としては、照射する
レーザービームを吸収せず、レーザー照射時の発熱に対
して変形しない寸度安定性を有する支持体を使用するこ
とが好ましい。この場合には、該透明支持体を通してレ
ーザービームを照射し、記録することもできる。支持体
の厚みとしては、10μm〜200μmのものが用いら
れる。
【0064】このような透明な支持体としては例えば、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィ
ルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム
等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、
ポリアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム等が
挙げられ、これらを単独或いは貼り合わせて用いること
ができる。
【0065】一方、記録材料の不透明な支持体としては
紙、合成紙、アルミ蒸着ベース、前記透明な支持体に顔
料等をコートしたもの等が挙げられる。この場合には、
感熱層側からレーザービームが照射されて効率良く感熱
層に吸収されるようにする為に、記録材料の不透明な支
持体として、レーザービームの反射性が高いものを使用
することが好ましい。本発明に用いる支持体としては、
特にポリエステルフィルムに耐熱処理、帯電防止処理を
施したものが好ましい。
【0066】本発明においては、支持体から感熱層全体
が剥がれることを防ぐ目的で、マイクロカプセルなどを
含有する感熱層液を塗布する前に、支持体上に下塗り層
を設けることが望ましい。下塗り層としては、アクリル
酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水
性ポリエステル等を用いることができ、膜厚としては、
0.1〜0.5μmが望ましい。これらの組成物からな
る下塗層は、前記感熱層液の塗布手段と同様の塗布方法
により塗布される。塗布量は0.1〜10g/m2 とす
ることが好ましく、特に0.2〜2g/m2 とすること
が好ましい。
【0067】本発明で用いられるレーザービームは、赤
外領域にその波長をもつものが使用される。その具体例
としては、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンレーザ
ー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザ
ー等が挙げられる。本発明の記録材料の感熱層は赤外線
吸収色素をマイクロカプセルの内部、外部及び壁内部の
何れか1箇所以上に含有しているため、赤外線吸収色素
が照射されたレーザービームを吸収してそのエネルギー
を熱エネルギーに変換する。これにより、前記マイクロ
カプセルが加熱されて物質透過性となると共に内部の圧
力が高まる結果、マイクロカプセル内外の反応物質がマ
イクロカプセル壁を透過接触して発色する。
【0068】
【発明の効果】本発明の赤外レーザー用感熱記録材料
は、可視光の吸収が少ないにもかゝわらず、赤外線レー
ザーの吸収効率及びレーザービームのエネルギーを熱エ
ネルギーに転換する効率が高い赤外線吸収色素を感熱層
に含有しているので、熱感度に優れ、小型で低出力のレ
ーザーにより熱記録が可能である上、地肌の着色が少な
く品位の良い記録が可能である。
【0069】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳述するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。尚、添
加量を示す「部」は「重量部」を示す。
【0070】実施例1 カプセル液の調整:クリスタルバイオレットラクトン
(ロイコ染料)14g、キシリレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパン(3:1)付加物の75重量%
酢酸エチル溶液(タケネートD−110N:武田薬品工
業株式会社製のカプセル壁材の商品名)60g及び紫外
線吸収剤(スミソープ200:住友化学株式会社製の商
品名)2gを、1−フェニル−1−キシリルエタン55
gとメチレンクロライド55gの混合溶媒に添加して溶
解した。
【0071】得られた溶液を8重量%のポリビニールア
ルコール水溶液100gと水40g及び2重量%のスル
ホコハク酸ジオクチルのナトリウム塩(分散剤)1.4
gの水溶液に混合した後、エースホモジナイザー(日本
精機株式会社製)を用いて10,000rpmで5分間
乳化を行った。得られた乳化液に更に水150gを加え
た後、40℃で3時間カプセル化反応を行って平均粒径
0.7μmのカプセル液を調整した。
【0072】顕色剤乳化分散液の調整:下記の顕色剤A
8g、下記の顕色剤B4g、下記の顕色剤C30g、及
び化合物4で表される赤外線吸収色素4gを、1−フェ
ニル−1−キシリルエタン8.0gと酢酸エチル30g
の混合液に溶解した。得られた溶液を8重量%のポリビ
ニルアルコール水溶液100gと水150g及びドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5gの水溶液に混合し
た後、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製)を
用いて、10,000rpm常温で平均粒径が0.5μ
mになるように、5分間乳化を行って乳化分散液を得
た。
【0073】
【化9】
【0074】
【化10】
【0075】
【化11】
【0076】感熱記録材料の作製:前記カプセル液5.
0g、上記顕色剤乳化分散液10.0g及び水5.0g
を攪拌・混合した液を、厚さ70μmの透明なポリエチ
レンテレフタレート(PET)支持体上に、固形分で1
5g/m2 になるように塗布して乾燥した。上記のよう
にして形成された感熱層の上に、下記の組成の保護層液
を、乾燥後の厚さが2μmとなるように塗布・乾燥して
本発明に係る透明な感熱記録材料を作製した。
【0077】 保護層液の組成: 10重量%ポリビニルアルコール 20g 水 30g 2重量%スルホコハクサンジオクチルのナトリウム塩 0.3g ポリビニルアルコール3g、水100g及びカオリン35gをボールミルで分散 したカオリン分散物 3g ハイドリンZ−7(中京油脂株式会社製) 0.5g
【0078】上記の様にして作製した感熱記録材料の感
熱層側から、波長820nmの半導体レーザービーム
(GaAs接合レーザー)を画像様に照射して青色の記
録画像を得た。レーザーの出力は、感熱層の表面で、1
ミリ秒間で40mJ/mm2 のエネルギーとなるように
調整した。得られた画像の発色部分の反射濃度をマクベ
ス濃度計を用いて測定したところ1.50であった。
【0079】実施例2 実施例1で使用したクリスタルバイオレットラクトン及
び化合物4で表される赤外線吸収色素の代わりに、各々
2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−ブチ
ルアミノフルオラン及び化合物6で表される赤外線吸収
色素を使用した他は、実施例1と全く同様にして感熱記
録材料を作製し、画像を記録して透明な黒色画像を得
た。得られた画像の発色部分の透過濃度をマクベス濃度
計を用いて測定したところ1.60であった。
【0080】実施例3 カプセル液の調製:下記の化合物a50部と、メチレン
クロライド150g、トリクレジルホスフェート50
部、トリメチロールプロパントリメタクリレート150
部及びm−キシリレンジイソシアナートのトリメチロー
ルプロパン3:1付加物の75重量%酢酸エチル溶液
(タケネートD110N:武田薬品工業株式会社製のカ
プセル壁材の商品名)200部を均一に混合して油相溶
液とした。
【0081】
【化12】
【0082】一方、7重量%のポリビニルアルコール
(PVA217E:ケン化度88〜89%、重合度1,
700:クラレ株式会社製の商品名)600部を調製し
て水溶性高分子水溶液とした。
【0083】次いで、温浴の付いた5リットルのステン
レス製ポットにデイ ゾルバーを取りつけ、前記高分子水
溶液を添加した後デイゾルバーを攪拌しながら前記油相
溶液を添加した。顕微鏡観察を行いながら乳化物の平均
粒径が約1.5μmになるように乳化分散を行った。乳
化分散終了後、攪拌を緩めて温浴に42℃の温水を通
し、前記ポット内の温度を40℃に保って3時間でカプ
セル化反応を終了させた。得られた液にイオン交換樹脂
(MB−3:オルガノ株式会社製の商品名)25mlを
添加して攪拌した後、濾過してカプセル液を得た。
【0084】分散液Aの調製:下記表1に示した物質を
混合し、デイ ゾルバーで予め分散した後ダイノミル(ウ
イリー・エー・バッコフェン・エー・ジー(WILLY A.BA
CHOFEN A.G)社製)で平均粒径2μmになるように乳化
分散して分散液Aを得た。
【0085】
【表1】
【0086】分散液Bの調製:下表の物質を混合し、攪
拌して分散液Bを得た。 ユニバー70(白石工業株式会社製の商品名) 20部 カオブライト(シーレカオリン株式会社(Thiele Kaolin Company )の商品名) の40重量%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液 0.5部 水 30部
【0087】感熱記録材料の作製:前記カプセル液20
部、分散液A20部、分散液B7部及び界面活性剤(ニ
ッサンラピゾール13─90:日本油脂株式会社製の商
品名)2重量%水溶液1.5部を攪拌・混合し、厚さ7
0μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の支持
体上に固形分が15g/m2 となるように塗布し乾燥し
て感熱層を設けた。更に、該感熱層の上に、下表に示す
保護層の組成の混合物を、乾燥後の厚さが2μmになる
ように塗布して保護層を設け、本発明の感熱記録材料
(以下記録材料という)を作製した。
【0088】 保護層の組成 10重量%ポリビニルアルコール 20g 水 30g 2重量%スルホコハク酸ジオクチルのナトリウム塩 0.3g ポリビニルアルコール3g、水100g及びカオリン35gをボールミルで分散 したカオリン分散物 3g ハイドリンZ−7(中京油脂株式会社製の商品名) 0.5g
【0089】得られた記録材料に、波長820nmの半
導体赤外レーザービーム(GaAs接合レーザー)を感
熱層側から画像様に照射して青色の画像を得た。レーザ
ービームの出力は、記録材料の感熱層の表面において1
ミリ秒で40mJ/mm2 のエネルギーとなるように調
節した。次いで、リコピースーパードライ100(リコ
ー株式会社製)を使用して上記記録材料を全面露光して
光定着した。得られた青色の記録画像の反射濃度をマク
ベス反射濃度計によって測定したところ1.15であっ
た。
【0090】比較例1 実施例1で使用した赤外線吸収色素を用いない他は実施
例1と全く同様にして記録材料を作製し画像を記録した
ところ、全く画像を記録することができなかった。
【0091】比較例2 実施例1で使用した赤外線吸収色素の代わりに下記で表
される化合物bを用いた他は実施例1と全く同様にして
記録材料を作製し画像を記録したところ、得られた画像
の反射濃度は0.24であった。
【0092】
【化13】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも実質的に無色の
    発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色する実質的
    に無色の発色成分B及び赤外線吸収色素とを含有する感
    熱層を設けた感熱記録材料であって、前記発色成分の少
    なくとも一方がマイクロカプセル化されていると共に、
    前記赤外線吸収色素が下記一般式(I)で表される化合
    物であることを特徴とする赤外レーザー用感熱記録材
    料。 【化1】 式中、R1 、R2 、R11、R12は各々アルキル基、アリ
    ール基、または複素環基を表わし、R1 とR2 、R11
    12は互いに連結して環を形成してもよい。T1
    2 、T3 、T4 、T11、T12、T13、T14は各々水素
    原子または置換基を表わし、T1 とT2 、T3 とT4
    11とT12、T13とT14、T2 とR1 、T 3 とR2 、T
    12とR11、T13とR12は互いに連結して環を形成してい
    てもよい。
  2. 【請求項2】 発色成分Aが光分解性ジアゾ化合物、発
    色成分Bがカプラーである請求項1に記載の感熱記録材
    料。
  3. 【請求項3】 発色成分Aが電子供与性染料前駆体、発
    色成分Bが顕色剤である請求項1に記載の感熱記録材
    料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007031644A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Fujifilm Corp クロコニウム色素
JP2008075016A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Fujifilm Corp 近赤外線吸収材料及び近赤外線吸収フィルター
JP2008075002A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Fujifilm Corp 近赤外線吸収材料及び近赤外線吸収フィルター

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JP2008075016A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Fujifilm Corp 近赤外線吸収材料及び近赤外線吸収フィルター
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