JPH05124337A - 赤外レーザー用感熱記録材料 - Google Patents

赤外レーザー用感熱記録材料

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JPH05124337A
JPH05124337A JP3311865A JP31186591A JPH05124337A JP H05124337 A JPH05124337 A JP H05124337A JP 3311865 A JP3311865 A JP 3311865A JP 31186591 A JP31186591 A JP 31186591A JP H05124337 A JPH05124337 A JP H05124337A
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JP
Japan
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group
color
chemical
heat
recording material
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Pending
Application number
JP3311865A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Hosoi
憲行 細井
Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 熱感度が高く、小型で低出力のレーザーによ
り熱記録が可能である上、地肌の着色が少なく品位の良
い記録が可能である赤外レーザー用感熱記録材料を提供
する。 【構成】 支持体上に、少なくとも実質的に無色の発色
成分A(光分解性ジアゾ化合物等)と、該発色成分Aと
反応して発色する実質的に無色の発色成分B(カプラ
ー、顕色剤等)及び赤外線吸収色素とを含有する感熱層
を設けた感熱記録材料であって、前記発色成分の少なく
とも一方がマイクロカプセル化されていると共に、前記
赤外線吸収色素が式I及び/又はで式IIで表されること
を特徴とする赤外レーザー用感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関し、特
に赤外レーザービームを利用して記録する非接触の感熱
記録材料に関する。
【0002】
【従来技術】支持体上に感熱発色層を設けた感熱記録材
料の表面にサーマルヘッドを密着走査させ、熱エネルギ
ーを感熱記録層に直接若しくは保護層を通して伝えるこ
とによって発色画像を記録する感熱記録方式は広範囲に
知られており、ファクシミリやプリンターなどに適用さ
れている。しかしながら、このような感熱記録方法にお
いては、サーマルヘッドを感熱記録材料に密着させて走
査させるために、サーマルヘッドが摩耗したり、サーマ
ルヘッド表面へ感熱記録材料の成分がカスとなって付着
することにより記録画像が正しく得られない場合が生じ
たり、サーマルヘッドが破壊されるという欠点があっ
た。
【0003】又、このようなサーマルヘッドを用いた感
熱記録方式には、サーマルヘッドの構造上の特質から、
発熱素子の加熱冷却の高速制御や発熱素子密度を大きく
する上で限界があるために、高速記録や高密度、高画質
記録には限度があるという欠点があった。
【0004】サーマルヘッドを用いる感熱記録方式の上
記の如き欠点を解決するために、レーザービームを用
い、感熱記録材料に対して非接触でかつ高速、高密度で
熱記録を行うことが提案されている(例えば、特開昭5
0−23617号、特開昭54−121140号、特開
昭57−11090号、特開昭58−56890号、特
開昭58−94494号、特開昭58−134791
号、特開昭58−145493号、特開昭59−891
92号、特開昭60−205182号、特開昭62−5
6195号公報)。
【0005】しかしながら、このようなレーザービーム
を用いた記録方式においては、感熱発色層は、一般に可
視及び近赤外領域の光を吸収しにくいために、レーザー
の出力を相当大きくしないと発色に必要な熱エネルギー
が得られず、小型で安価な装置をつくることが極めて困
難であるという欠点があった。又、特公昭50−774
号にはインクを封入したマイクロカプセルを原紙に塗布
し、強力な光を照射してカプセル中のインクを噴出させ
て原紙に記録する方法が提案されているが、感度が非常
に低く未だ実現されるに至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、感熱記録層に
効率良くレーザービームを吸収させるための提案も多く
されており、一般的には感熱記録層の中にレーザービー
ムの波長に合った光吸収物質を添加することが行われて
いる。この場合、添加する光吸収物質が白色でないと、
記録材料の地肌が着色して、コントラストが低く品位の
ない記録しか得られない。
【0007】一般に白色の光吸収物質は無機化合物に多
いが、その殆どのものは光吸収効率が低いため、光吸収
効率の良い有機化合物で着色の少ない化合物を開発する
ことが望まれていた。しかしながら、一般的に可視光領
域の光を吸収する有機化合物は着色しており又色の濃い
もの程光吸収効率が高いため、それを光吸収物質として
感熱記録層(以下感熱層という)に添加して感度を増加
させることができる一方、逆に記録紙の白色度を良好な
ものとすることは困難となる。
【0008】一方、可視光領域の波長の光を吸収せず且
つ可視光領域以外の波長のレーザービームを吸収する有
機化合物を使用した場合には、該有機化合物は着色して
いないため感熱層に添加しても記録材料の地肌を白色と
することが可能である。又、マイクロカプセルを使用す
る場合、レーザービームを吸収する光吸収物質は、一般
に、マイクロカプセルの内部若しくは外部又はマイクロ
カプセルの壁内等(マイクロカプセルの内外部等とい
う)に添加され、画像様に照射されたレーザービームを
前記光吸収物質が吸収してレーザービームのエネルギー
を熱エネルギーに変換し、その熱によってマイクロカプ
セルが加熱されることにより該マイクロカプセル壁が物
質透過性になり、マイクロカプセル内外の発色成分が互
いに接触することによって感熱記録材料上に画像が記録
される。
【0009】従って、感熱層に、レーザービームの吸収
効率は高いが可視光領域の波長の光を吸収せず、且つ吸
収したレーザービームのエネルギーを熱エネルギーへ変
換する効率が高い光吸収物質を添加すれば、感熱記録材
料の熱記録の感度(以下熱感度という)を向上させるこ
とができるので出力の低いレーザーにより熱記録が可能
となるのみならず、記録材料の白色度も向上させること
が可能である。
【0010】そこで、本発明者等は、感熱層中に含有さ
せる2つの発色成分をマイクロカプセルによって隔離す
ると共に、マイクロカプセルの内外部等に特定の赤外線
吸収色素を含有させ、赤外レーザーを用いて記録を行っ
た場合には、極めて良好な結果を得ることができるとい
うことを見出し本発明に到達した。従って本発明の目的
は、高感度で低出力のレーザーにより熱記録が可能であ
る上地肌の着色が少なく、品位の良い記録が可能である
赤外レーザー用感熱記録材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体上に、少なくとも実質的に無色の発色成分Aと、
該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の発色成
分B及び赤外線吸収色素とを含有する感熱層を設けた感
熱記録材料であって、前記発色成分の少なくとも一方が
マイクロカプセル化されていると共に赤外線吸収色素が
下記化3及び/又は化4
【化3】
【化4】 で表される赤外線吸収色素であることを特徴とする赤外
レーザー用感熱記録材料によって達成された。
【0012】上記化3及び化4式中、Rは水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又
はピリジン環に縮合するベンゼン環であり、R1 及びR
2 は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はアリール
基である。Zは末端に窒素原子、或いは酸素原子をもっ
てピロコリン核の窒素原子との間に共役を完成するのに
必要な原子団である。
【0013】本発明に使用する発色成分とは物質の接触
に基づく発色反応を生ずる成分であり、具体的には光分
解性ジアゾ化合物とカプラーの組み合わせ又は電子供与
性染料前駆体と酸性物質の組み合わせが好ましい。本発
明で使用する光分解性ジアゾ化合物とは、後述するカッ
プリング成分と呼ばれる顕色剤と反応して所望の色相に
発色するものであって、反応前に特定の波長の光を受け
ると分解し、もはやカップリング成分が作用しても発色
能力を持たなくなるジアゾ化合物である。この発色系に
おける色相は、ジアゾ化合物とカップリング成分が反応
して生成したジアゾ色素により主に決定される。従っ
て、良く知られているように、ジアゾ化合物の化学構造
を変えるか、カップリング成分の化学構造を変えれば容
易に発色色相を変えることができ、組み合わせ次第で略
任意の発色色相を得ることができる。
【0014】本発明における光分解性のジアゾ化合物と
は主に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には、芳
香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジア
ゾアミノ化合物等の化合物を指す。ジアゾニウム塩は、
一般式ArN2 + - で示される化合物である(式中、
Arは置換された、或いは無置換の芳香族部分を表し、
2 + はジアゾニウム基を表し、X- は酸アニオンを表
わす。)。
【0015】普通、ジアゾニウム塩の光分解波長はその
吸収極大波長であるといわれている。又ジアゾニウム塩
の吸収極大波長は、その化学構造に応じて200nm位
から700nm位迄変化することが知られている(「感
光性ジアゾニウム塩の光分解と化学構造」角田隆弘、山
岡亜夫著 日本写真学会誌29(4)197〜205頁
(1965))。即ち、ジアゾニウム塩を光分解性化合
物として用いると、その化学構造に応じた特定の波長の
光で分解し、又、ジアゾニウム塩の化学構造を変えれ
ば、同じカップリング成分とカップリング反応した時の
色素の色相も変化する。
【0016】本発明で用いることのできるジアゾスルホ
ネート化合物は多数のものが知られており、各々のジア
ゾニウム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られる。
又、本発明で用いることのできるジアゾアミノ化合物
は、ジアゾ基をジシアンジアミド、サルコシン、メチル
タウリン、N−エチルアントラニックアシッド−5−ス
ルホニックアシッド、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、グアニジン等でカップリングさせた化合物
である。これらのジアゾ化合物の詳細は、例えば特開平
2−136286号に記載されている。
【0017】ジアゾ化合物の光分解用の光源としては、
希望する波長の光を発する種々の光源を用いることがで
き、例えば種々の螢光灯、キセノンランプ、キセノンフ
ラッシュランプ、各種圧力の水銀灯、写真用フラッシ
ュ、ストロボ等種々の光源を用いることができる。又、
光定着ゾーンをコンパクトにするため、光源部と露光部
とを光ファイバーを用いて分離してもよい。
【0018】本発明に用いられるジアゾ化合物とカップ
リングして色素を形成するカップリング成分は、例え
ば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリドの他、レ
ゾルシンを初めとし特開昭62−146678号に記載
されているものを挙げることができる。更にこれらのカ
ップリング成分を2種以上併用することによって任意の
色調の画像を得ることができる。従って、本発明は単色
の感熱記録材料に限定されるものではない。これらのジ
アゾ化合物とカップリング成分とのカップリング反応は
塩基性雰囲気下で起こり易い為、感熱層内に塩基性物質
を添加してもよい。
【0019】塩基性物質としては、水難溶性又は水不溶
性の塩基性物質や、加熱によりアルカリを発生する物質
が用いられる。それらの例としては無機及び有機アンモ
ニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素及びそ
の誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、
ピペラジン類、グアニジン類、、インドール類、イミダ
ゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリ
ン類、ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン類、
ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる。これらの具
体例は、例えば、特開昭61−291183号に記載さ
れている。塩基性物質は2種以上併用してもよい。
【0020】本発明で使用する電子供与性染料前駆体は
特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与し
て、或いは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有
するものであって、通常略無色で、ラクトン、ラクタ
ム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部
分骨格を有し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開
環若しくは開裂する化合物が用いられる。具体的には、
クリスタルバイオレットラクトン、ベンゾイルロイコメ
チレンブルー、マラカイトグリーンラクトン、ローダミ
ンBラクタム、1,3,3−トリメチル−6’−エチル
−8’−ブトキシインドリノベンゾスピロピラン等があ
る。
【0021】これらの発色剤に対する顕色剤としては、
フェノール化合物、有機酸若しくはその金属塩、オキシ
安息香酸エステル等の酸性物質が用いられ、その具体例
は、例えば特開昭61−291183号に記載されてい
る。
【0022】本発明において使用する発色成分は、感熱
層の透明性向上の観点、常温で発色成分の接触を防止す
るといった生保存性の観点(カブリ防止)、及び希望の
レーザーエネルギーで発色させるような発色感度の制御
の観点等からA及びBの発色成分を各々異なるマイクロ
カプセルに内包せしめて用いるか、A又はBの一方をマ
イクロカプセル化して用いる。
【0023】次に、本発明において使用する前記化3で
表される赤外線吸収色素について詳述する。本発明に使
用する前記一般式化3で表されるプロコリン核を有する
赤外線吸収色素(以下ピロコリン色素という)として
は、下記化5、化6及び化7
【化5】
【化6】
【化7】 で表される化合物が好ましい。
【0024】上記化5、化6及び化7式中のRは化3に
おけるものと同じであるが、特に、水素原子、ハロゲン
原子(例えば、塩素原子及びフッソ原子等)、炭素数1
〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基及び
ブチル基等)、炭素数1〜10のアルコキシ基(例えば
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基及びメトキシエト
キシ等)、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニ
ル基、p−トリル基、m−クロロフェニル基及びp−メ
トキシフェニル基等)及び、ピリジン環に縮合するベン
ゼン環(例えば、5,6−ベンゾ、6,7−ベンゾ、
7,8−ベンゾ等)等が好ましい。
【0025】上記化5、化6及び化7式中のR1 及びR
2 は化3におけるものと同じであるが、特に各々独立
に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、ブチル基及びベンジル基等)、炭素
数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、p−ブロ
モフェニル基、p−アセチルアミノフェニル基、p−メ
トキシフェニル基及びp−トリル基等)が好ましい。
【0026】化5、化6及び化7の各式中、L1 、L2
及びL3 は、置換されていても良いメチン基である。L
1 、L2 及びL3 中の置換基としては、炭素数1〜4の
アルキル基(例えばメチル基及びエチル基等)、フェニ
ル基、ハロゲン原子(例えば塩素原子)等が好ましい。
又、L1 、L2 及びL3 中の置換基によって5〜6員環
を形成しても良い。化5、化6及び化7の各式におけ
る、n、m及びlは、各々、2または3の整数である。
【0027】化5式中のPは、5〜6員のヘテロ環を形
成するのに必要な原子団であり、特に、塩基性のヘテロ
環(例えばオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフト
オキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフト
チアゾール、セレナゾール、ベンゾセレナゾール、イン
ドレニン、ベンゾインドレニン、イミダゾール及びベン
ゾイミダゾール等)を形成するのに必要な原子団が好ま
しい。
【0028】化6式中のQは、5〜6員のヘテロ環を形
成するのに必要な原子団であり、特に、酸性核となるヘ
テロ環(例えば、インダンジオン、イソオキサゾロン、
ピラゾロン、バルビルール酸、チオバルビルール酸、ヒ
ドロキシピリドン及びピロコリン等)を形成するのに必
要な原子団が好ましい。
【0029】化7式中のR3 及びR4 は、水素原子、ア
ルキル基又はアリール基であり、特に、水素原子、炭素
数1〜10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、
ヘキシル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−ク
ロルエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基及び2−メタンスルホニ
ルアミノエチル基等)が好ましい。又R3 とR4 とで5
〜6員環(例えばモルホリン又はピペリジン等)を形成
しても良い。
【0030】化5、化6及び化7の各式中のX- はアニ
オンであり、特に、Cl- 、Br- 、I- 、CH3 CO
- 、CH3 SO4 - 、 CF3 CO2 - 、Cl
4 -、BF 4 - 、PF6 - 、HSO4 - 及び下記化8
【化8】 で表されるアニオン等が好ましい。
【0031】以下に、前記化5〜化7で表されるピロコ
リン色素の具体例として下記化9〜化38の化合物を挙
げるが、本発明は、これらによって限定されるものでは
ない。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【0032】本発明に使用するこれらのピロコリン色素
は、ダブルエル モズビー著「ヘテロサイクリック シ
ステムズ ウィズ ブリッジヘッド ナイトロジェン
アトムズ 第1巻」インターサイエンス出版1961年
(W.L.Mosby 著 "Heterocyclic Systems with BRIDGE-
HEAD NITOROGEN ATOMS Part one" Interscience Publis
hers 1961 )或いは米国特許第2,409,612号、
同2,511,222号、同2,571,775号、同
2,622,082号及び同2,706,193号等に
記載された方法により容易に合成される。
【0033】次に本発明に使用する上記ピロコリン色素
の合成例を挙げる。合成例1(化13で表されるピロコリン色素の合成) 1リットルのフラスコに、2−フェニル−3−メチルピ
ロコリン2.1gと1,3,3−トリメトキシプロペン
1.5mlとを仕込んだ後、エタノール15mlを添加
して混合し、40℃に加熱して溶解させる。得られた混
合物に濃塩酸1.5mlを加えた後10〜15分間加熱
還流して得られた反応混合物を、0℃まで冷却すること
により析出した結晶を捕集する。次いで、得られた結晶
を冷エタノールで洗浄した後乾燥し、2.2gの化13
で表されるピロコリン色素を得る。このようにして得ら
れるピロコリン色素の融点は201〜203℃であり、
メタノールを溶媒とした時の極大吸収波長λは655n
mである。
【0034】 合成例2(化10で表されるピロリコン
色素の合成) 1リットルのフラスコに、2−フェニル−3−メチルピ
ロコリン2.5gとグルタコンジアルデヒドジアニル塩
酸塩1.7gとを仕込んだ後、メタノール30mlを加
えて混合し攪拌する。得られた混合物に無水酢酸3ml
を滴下し、約30分間加熱還流して得られる混合物を0
℃まで冷却し、攪拌しながら過塩素酸水溶液3mlを滴
下して、析出した結晶を捕集する。次いで、得られた結
晶をメタノールで洗浄した後乾燥させて、2.8gの化
10で表されるピロコリン色素を得る。
【0035】このようにして得られるピロコリン色素の
融点は210〜213℃であり、メタノールを溶媒とし
た時の極大吸収波長は748nmである。一方、本発明
で使用する前記化4で表されるピロコリン核を有する赤
外線吸収色素(以下ピロコリン色素という)としては、
下記化39、化40及び化41
【化39】
【化40】
【化41】 で表される化合物が好ましい。
【0036】上記化39、化40及び化41式中のRは
化4におけるものと同じであり、特に、水素原子、ハロ
ゲン原子(例えば、塩素原子及びフッソ原子等)、炭素
数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、ブチル基、ドデシル基、オクタデシル基及びベンジ
ル基等)、炭素数6〜18のアリール基(例えばフェニ
ル基、トリル基、及びp−メトキシフェニル基等)、炭
素数1〜18のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基、ドデシルオキシ基及びベンジルオ
キシ基等)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原
子、臭素原子及びヨウ素原子等)及び、ピリジン環に縮
合するフェニル基(例えば、5,6−ベンゾ縮合環、
6,7−ベンゾ縮合環、及び7,8−ベンゾ縮合環等)
等が好ましい。
【0037】化39、化40及び化41式中のR1 及び
2 は化4におけるものと同じであり、特に各々、水素
原子(但しR1 は水素原子ではない)、炭素数1〜20
のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、ドデシル基及びベンジル基等)、炭素
数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、p−トリ
ル基、p−メトキシフェニル基、p−アセトアミドフェ
ニル基及びp−ミリストイルアミノフェニル基等)が特
に好ましい。
【0038】化41式中のR3 及びR4 は、各々水素原
子、アルキル基又はアリール基であり、特に、水素原
子、炭素数1〜16のアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、ヘキシル基、エトキシカルボニルメチル基、2
−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、2−クロロ
エチル基、、2−ヒドロキシエチル基、2−ミリストイ
ルオキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基
及び4−イソプロピルベンジル基等)、炭素数6〜10
のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基及び4
−トリル基等)が好ましい。
【0039】化39、化40及び化41の各式中の
1 、L2 並びにL3 は、置換されていても良いメチン
基である。L1、L2 及びL3 中の置換基としては、低
級アルキル基(例えばメチル基及びエチル基等)、アリ
ール基(例えば、フェニル基等)、ハロゲン原子(例え
ば塩素原子等)等が好ましい。又、L1 、L2及びL3
中の置換基により5〜6員環を形成しても良い。
【0040】化41式中のlは1又は2である。化39
式中のPは5〜6員のヘテロ環を形成するのに必要な原
子団であり、特に、塩基性の複素環(例えばインドレニ
ン、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イミダゾー
ル、ベンゾイミダゾール、チアゾール、ベンゾチアゾー
ル、セレナゾール、ベンゾセレナゾール、ナフトオキサ
ゾール、ナフトチアゾール、ナフトイミダゾール、ナフ
トインドレニン等)を形成するのに必要な原子団が好ま
しい。
【0041】化40式中のQは5〜6員のヘテロ環を形
成するのに必要な原子団であり、酸性核となる複素環
(例えば、インダンジオン、イソオキサゾロン、ピラゾ
ロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ヒドロキ
シピリドン等)或いは塩基性核となる複素環(例えば、
ピロール、インドール、ピロコリン等)を形成するのに
必要な原子団が好ましい。
【0042】化39、化40及び化41の各式中のX-
はアニオンであり、特に、クロライド、ブロマイド、ア
イオダイド、パークロレート、ナイトレート、アセテー
ト、メチルサルフェート、p−トルエンスルホネート、
BF4 - 及びPF6 - 等が好ましい。
【0043】以下に、前記化39〜化41で表されるピ
ロコリン色素の具体例として下記化42〜化76の化合
物を挙げるが、本発明は、これらによって限定されるも
のではない。
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【化64】
【化65】
【化66】
【化67】
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【化75】
【化76】
【0044】上記ピロコリン色素は、ダブルエル モズ
ビー著「ヘテロサイクリック システズ ウィズ ブリ
ッジヘッド ナイトロジェン アトムズ 第1巻」イン
ターサイエンス出版1961年(W.L.Mosby 著 "Heter
ocyclic Systems with BRIDGE-HEAD NITOROGEN ATOMS P
art one" Interscience Publishers 1961 )或いは米国
特許第3,260,601号等に記載された方法により
容易に合成される。
【0045】次に、上記ピロコリン色素の合成例を挙げ
る。合成例1(化56で表されるピロコリン色素の合成) 1リットルのフラスコにメタノール30mlを仕込み、
次いで1−メチル−2−フェニルピロコリン2.5gと
1,7−ジアザ−1,3,5−ヘプタトリエン1.7g
とを添加し、攪拌しながら50℃に加熱する。次いで、
得られた混合物に無水酢酸1mlを加え、更に50〜6
0℃で2時間加熱して得た反応混合物を室温まで冷却す
る。次に60重量%の過塩素酸水溶液を30ml滴下
し、析出する結晶を濾取する。得られる結晶をエタノー
ルで洗浄し乾燥させて、約2.3gの化56で表される
ピロコリン色素を得ることができる。このようにして得
られるピロコリン色素の融点は231〜232℃であ
り、メタノールを溶媒とした時の吸収極大波長λは81
0nmである。
【0046】合成例2(前記化52で表されるピロコリ
ン色素) 1リットルのフラスコにエタノール50mlを仕込み、
次いで1,2−ジフェニルピロコリン2.7gとβ−メ
トキシアクロレインアセタール1.5mlとを加えた
後、農塩酸1.5mlを添加して40〜50℃で約30
分間加熱する。次いで、得られる混合物を冷却して、析
出する結晶を濾取する。得られる結晶をメタノールで洗
浄した後乾燥させて、約1.7gの化52で表されるピ
ロコリン色素を得ることができる。
【0047】このようにして得られるピロコリン色素の
の融点は232〜235℃であり、メタノールを溶媒と
した時の吸収極大波長λは708nmである。本発明に
おいては、以上の赤外線吸収色素を単独で用いても、任
意の2種以上を混合して用いても良い。その使用量は、
特に限定されるものではないが、0.04g〜0.5g
/m2 の量を感熱層中に含有させることが好ましい。
又、添加は、マイクロカプセルの内部、外部及び壁内部
の何れか1箇所以上に行う。
【0048】本発明で使用するマイクロカプセルの製造
には界面重合法、内部重合法、外部重合法の何れの方法
をも採用することができるが、特に、発色成分を含有し
た芯物質を水溶性高分子を溶解した水溶液中で乳化した
後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成させる方法
を採用することが好ましい。
【0049】高分子物質を形成するリアクタントは油滴
の内部及び/又は油滴の外部に添加される。高分子物質
の具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレ
ンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共
重合体等が挙げられる。好ましい高分子物質はポリウレ
タン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカ
ーボネートであり、特に好ましくはポリウレタン及びポ
リウレアである。高分子物質は2種以上併用することも
できる。
【0050】前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。例えばポリウレアをカプセル壁材として
用いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナー
ト、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポ
リマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上
含むプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体又は
ポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によって反
応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成さ
せることができる。
【0051】又、例えばポリウレアとポリアミドからな
る複合壁若しくはポリウレタンとポリアミドからなる複
合壁は、例えばポリイソシアナートと酸クロライド若し
くはポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳化
媒体のpHを調整した後加温することにより調製するこ
とができる。これらのポリウレアとポリアミドとからな
る複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58─6
6948号公報に記載されている。
【0052】又、本発明で使用するマイクロカプセルの
芯物質には、前記の如く、前記赤外線吸収色素を含有さ
せることができるが、勿論マイクロカプセル外部に或い
はマイクロカプセル壁中に含有せしめても良い。同時に
2以上の箇所に含有せしめても良い。マイクロカプセル
の外部に添加させる場合には、感熱記録材料の着色を防
止する観点から、可視光領域の光吸収の少ない基を有す
る赤外線吸収色素を適宜選択して使用することが好まし
い。
【0053】又、レーザービーム加熱時にマイクロカプ
セル壁を膨潤させるために固体増感剤を添加して熱感度
を増大させることもできる。固体増感剤は、マイクロカ
プセル壁として用いるポリマーの可塑剤と言われるもの
の中から、融点が50℃以上好ましくは120℃以下
で、常温では固体であるものを選択して用いることがで
きる。例えば、壁材がポリウレア、ポリウレタンから成
る場合には、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル
化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド
化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等
が好適に用いられる。本発明では、発色助剤を用いるこ
とも可能である。
【0054】本発明で用いることのできる発色助剤と
は、レーザー加熱記録時の発色濃度を高くする、若しく
は最低発色温度を低くする物質であり、発色成分や塩基
性物質等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低
下せしめる作用により、発色成分Aと発色成分Bとが反
応し易い状況を作るためのものである。
【0055】発色助剤としては、フェノール化合物、ア
ルコール性化合物、アミド化合物、スルホンアミド化合
物等があり、具体例としては、p−tert−オクチルフェ
ノール、p−ベンジルオキシフェノール、p−オキシ安
息香酸フェニル、カルバニル酸ベンジル、カルバニル酸
フェネチル、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテ
ル、キシリレンジオール、N−ヒドロキシエチル−メタ
ンスルホン酸アミド、N−フェニル−メタンスルホン酸
アミド等の化合物を挙げることができる。これらは、芯
物質中に含有させても良いし、乳化分散物としてマイク
ロカプセル外に添加してもよい。
【0056】本発明においては、発色成分の一方のみを
マイクロカプセル化する場合には、ジアゾ化合物又は電
子供与性染料前駆体をマイクロカプセル化することが好
ましい。この場合、カプラー又は顕色剤或いは前記赤外
線吸収色素は、固体分散させて使用することも、前記カ
プラー又は顕色剤或いは前記赤外線吸収色素を水に難溶
性又は不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面
活性剤を含有した水溶性高分子を保護コロイドとして有
する水相と混合し、乳化分散した分散物の形で使用する
こともできる。後者の場合には、感熱層を透明にするこ
とができる。
【0057】上記乳化分散物を調製する際に使用される
有機溶剤は、高沸点オイルの中から適宜選択することが
できる。中でも好ましいオイルとしては、エステル類の
他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソ
プロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジエチルビ
フェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビ
フェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−1−フ
ェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1
−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニ
ル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、
トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、タ
ーフェニル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル
化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化ジフェニ
ルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、
水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニ
ル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0058】これらの中でも特にエステル類を使用する
ことが乳化分散物の乳化安定性の観点から好ましい。エ
ステル類としては、燐酸エステル類(例えば、燐酸トリ
フェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチル、燐酸オクチ
ル、燐酸クレジルジフェニル)、フタル酸エステル(フ
タル酸ジブチル、フタル酸―2―エチルヘキシル、フタ
ル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジ
ル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、安息香酸エス
テル(安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブ
チル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル)、ア
ビエチン酸エステル(アビエチン酸エチル、アビエチン
酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデ
シル、アゼライン酸ジオクチル、シュウ酸エステル(シ
ュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル)、マロン酸ジエ
チル、マレイン酸エステル(マレイン酸ジメチル、マレ
イン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル)、クエン酸トリ
ブチル、ソルビン酸エステル(ソルビン酸メチル、ソル
ビン酸エチル、ソルビン酸ブチル)、セバシン酸エステ
ル(セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル)、エ
チレングリコールエステル類(ギ酸モノエステル及びジ
エステル、酪酸モノエステル及びジエステル、ラウリン
酸モノエステル及びジエステル、パルミチン酸モノエス
テル及びジエステル、ステアリン酸モノエステル及びジ
エステル、オレイン酸モノエステル及びジエステル)、
トリアセチン、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸エ
チレン、炭酸プロピレン、ホウ酸エステル(ホウ酸トリ
ブチル、ホウ酸トリペンチル)等が挙げられる。これら
の中でも、燐酸トリクレジルを単独又は混合して使用し
た場合には顕色剤の乳化分散安定性が特に良好であり好
ましい。上記のオイル同志、又は他のオイルとの併用も
可能である。
【0059】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等
を特に好ましいものとして挙げることができる。これ等
の成分を含有する油相と混合する水相に、保護コロイド
として含有せしめる水溶性高分子は、公知のアニオン性
高分子、ノニオン性高分子及び両性高分子の中から適宜
選択することができるが、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン、セルロース誘導体等が好ましい。
【0060】又水相に含有せしめる界面活性剤は、アニ
オン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護
コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜
選択して使用することができる。好ましい界面活性剤と
しては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル
硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができ
る。
【0061】本発明における乳化分散物は、上記成分を
含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する
水相を、高速撹拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化に
用いられる手段を使用して混合分散せしめ容易に得るこ
とができる。又、油相の水相に対する比(油相重量/水
相重量)は、0.02〜0.6が好ましく、特に0.1
〜0.4であることが好ましい。0.02以下では水相
が多すぎ、希薄となって十分な発色性が得られず、0.
6以上では逆に液の粘度が高くなり、取り扱いの不便さ
や塗液安定性の低下をもたらす。
【0062】又、感熱層には、必要に応じて、顔料、ワ
ックス、硬膜剤等を添加しても良い上記のようにして調
製した感熱層液を支持体上に塗布するに際しては、ブレ
ード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロー
ルコーティング塗布法、スプレー塗布法、デイップ塗布
法、バー塗布法等の公知の水系又は有機溶剤系の塗液を
用いる塗布手段が用いられる。
【0063】この場合、感熱層液を安全且つ均一に塗布
すると共に塗膜の強度を保持するために、本発明におい
ては、バインダーとして、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デ
ンプン類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキ
シ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポ
リスチレン及びその共重合体、ポリエステル及びその共
重合体、ポリエチレン及びその共重合体、エポキシ樹
脂、アクリレート及びメタアクリレート系樹脂及びその
共重合体、ポリウレタン樹脂並びにポリアミド樹脂等を
マイクロカプセルと共に併用して塗工することもでき
る。感熱層は発色成分及び赤外線吸収色素の全量が0.
1〜10g/m2 になるように塗布されること、及び該
層の厚みが1〜10μmとなるように塗布されることが
望ましい。
【0064】本発明で用いる支持体は透明であっても不
透明であっても良い。透明な支持体としては、照射する
レーザービームを吸収せず、レーザー照射時の発熱に対
して変形しない寸度安定性を有する支持体を使用するこ
とが好ましい。透明支持体を使用する場合には、該透明
支持体を通してレーザービームを照射し、記録すること
もできる。支持体の厚みとしては、10μm〜200μ
mのものが用いられる。
【0065】透明な支持体としては例えば、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセ
ルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオ
レフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリ
ルフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、
これらを単独或いは貼り合わせて用いることができる。
【0066】一方、記録材料の不透明な支持体としては
紙、合成紙、アルミ蒸着ベース、前記透明な支持体に顔
料等をコートしたもの等が挙げられる。この場合には、
感熱層側からレーザービームが照射されて効率良く感熱
層に吸収されるようにする為に、記録材料の不透明な支
持体として、レーザービームの反射性が高いものを使用
することが好ましい。本発明に用いる支持体としては、
特にポリエステルフィルムに耐熱処理、帯電防止処理を
施したものが好ましい。
【0067】本発明においては、支持体から感熱層全体
が剥がれることを防ぐ目的で、マイクロカプセルなどを
含有する感熱層液を塗布する前に、支持体上に下塗り層
を設けることが望ましい。下塗り層としては、アクリル
酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水
性ポリエステル等を用いることができ、膜厚としては、
0.1〜0.5μmが望ましい。これらの組成物からな
る下塗層は、前記感熱層液の塗布手段と同様の塗布方法
により塗布される。塗布量は1〜20g/m2 とするこ
とが好ましく、特に3〜10g/m2 とすることが好ま
しい。
【0068】本発明で用いられるレーザービームは、赤
外領域にその波長をもつものが使用される。その具体例
としては、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンレーザ
ー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザ
ー等が挙げられる。
【0069】本発明の記録材料の感熱層は赤外線吸収色
素をマイクロカプセルの内部、外部及び壁内部の何れか
1箇所以上に含有しているため、赤外線吸収色素が照射
されたレーザービームを吸収してそのエネルギーを熱エ
ネルギーに変換する。これにより、前記マイクロカプセ
ルが加熱されて物質透過性となると共に内部の圧力が高
まる結果、マイクロカプセル内外の反応物質がマイクロ
カプセル壁を透過接触して発色する。
【0070】
【発明の効果】本発明の赤外レーザー用感熱記録材料
は、可視光の吸収が少ないにもかゝわらず、赤外線レー
ザーの吸収効率及びレーザービームのエネルギーを熱エ
ネルギーに転換する効率が高い赤外線吸収色素を感熱層
に含有しているので、熱感度に優れ、小型で低出力のレ
ーザーにより熱記録が可能である上、地肌の着色が少な
く品位の良い記録が可能である。
【0071】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳述するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。尚、添
加量を示す「部」は「重量部」を示す。
【0072】実施例1.カプセル液の調整 クリスタルバイオレットラクトン(ロイコ染料)14
g、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロ
パン(3:1)付加物の75重量%酢酸エチル溶液(タ
ケネートD−110N:武田薬品工業株式会社製のカプ
セル壁材の商品名)60g及び紫外線吸収剤(スミソー
プ200:住友化学株式会社製の商品名)2gを、1−
フェニル−1−キシリルエタン55gとメチレンクロラ
イド55gの混合溶媒に添加して溶解した。
【0073】得られた溶液を8重量%のポリビニールア
ルコール水溶液100gと水40g及び2重量%のスル
ホコハク酸ジオクチルのナトリウム塩(分散剤)1.4
gの水溶液に混合した後、エースホモジナイザー(日本
精機株式会社製)を用いて10,000rpmで5分間
乳化を行った。得られた乳化液に更に水150gを加え
た後、40℃で3時間カプセル化反応を行って平均粒径
0.7μmのカプセル液を調整した。
【0074】顕色剤乳化分散液の調整 下記化77で表される顕色剤8g、下記化78で表され
る顕色剤4g、下記化79で表される顕色剤30g、及
び下記化80で表される赤外線吸収色素4gを、1−フ
ェニル−1−キシリルエタン8.0gと酢酸エチル30
gの混合液に溶解した。得られた溶液を8重量%のポリ
ビニルアルコール水溶液100gと水150g及びドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5gの水溶液に混合
した後、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製)
を用いて、10,000rpm常温で平均粒径が0.5
μmになるように、5分間乳化を行って乳化分散液を得
た。
【化77】
【化78】
【化79】
【化80】
【0075】感熱記録材料の作製 前記カプセル液5.0g、上記顕色剤乳化分散液10.
0g及び水5.0gを攪拌・混合した液を、厚さ70μ
mの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)支持
体上に、固形分で15g/m2 になるように塗布して乾
燥した。上記のようにして形成された感熱層の上に、下
記表1で表される組成の保護層液を、乾燥後の厚さが2
μmとなるように塗布・乾燥して本発明に係る透明な感
熱記録材料を作製した。
【0076】
【表1】 ──────────────────────────────────── 保護層液の組成 10重量%ポリビニルアルコール 20g 水 30g 2重量%スルホコハクサンジオクチルのナトリウム塩 0.3g ポリビニルアルコール3g、水100g及びカオリン35gをボールミルで分散 したカオリン分散物 3g ハイドリンZ−7(中京油脂株式会社製) 0.5g ────────────────────────────────────
【0077】上記の様にして作製した感熱記録材料の感
熱層側から、波長780nmの半導体レーザービーム
(GaAs接合レーザー)を画像様に照射して青色の記
録画像を得た。レーザーの出力は、感熱層の表面で、1
ミリ秒間で40mJ/mm2 のエネルギーとなるように
調整した。得られた画像の発色部分の反射濃度をマクベ
ス濃度計を用いて測定したところ1.45であった。
【0078】実施例2.実施例1で使用したクリスタル
バイオレットラクトン及び化80で表される赤外線吸収
色素の代わりに、各々2−アニリノ−3−メチル−6−
N−エチル−N−ブチルアミノフルオラン及び下記化8
【化81】 で表される赤外線吸収色素を使用した他は、実施例1と
全く同様にして感熱記録材料を作製し、画像を記録して
透明な黒色画像を得た。得られた画像の発色部分の透過
濃度をマクベス濃度計を用いて測定したところ1.63
であった。
【0079】実施例3.カプセル液の調製 下記化82
【化82】 で表される化合物50部に、メチレンクロライド150
部、トリクレジルホスフェート50部、トリメチロール
プロパントリメタクリレート150部及びm−キシリレ
ンジイソシアナートのトリメチロールプロパン3:1付
加物の75重量%酢酸エチル溶液(タケネートD110
N:武田薬品工業株式会社製のカプセル壁材の商品名)
200部を均一に混合して油相溶液とした。
【0080】一方、7重量%のポリビニルアルコール
(PVA217E:ケン化度88〜89%、重合度1,
700:クラレ株式会社製の商品名)600部を調製し
て水溶性高分子水溶液とした。次いで、温浴の付いた5
リットルのステンレス製ポットにデイ ゾルバーを取りつ
け、前記高分子水溶液を添加した後デイゾルバーを攪拌
しながら前記油相溶液を添加した。顕微鏡観察を行いな
がら乳化物の平均粒径が約1.5μmになるように乳化
分散を行った。乳化分散終了後、攪拌を緩めて温浴に4
2℃の温水を通し、前記ポット内の温度を40℃に保っ
て3時間でカプセル化反応を終了させた。得られた液に
イオン交換樹脂(MB−3:オルガノ株式会社製の商品
名)25mlを添加して攪拌した後、濾過してカプセル
液を得た。
【0081】分散液Aの調製 下記表1に示した物質を混合し、デイ ゾルバーで予め分
散した後ダイノミル(ウイリー・エー・バッコフェン・
エー・ジー(WILLY A.BACHOFEN A.G)社製)で平均粒径
2μmになるように乳化分散して分散液Aを得た。
【0082】
【表1】 ──────────────────────────────────── 15重量%ポリビニルアルコール水溶液 30部 (PVA−205 クラレ株式会社製の商品名) 化83のカプラー 4.3部
【化83】 化84のカプラー 0.6部
【化84】 化85の有機塩基性化合物 5.0部
【化85】 化86の発色性向上剤 3.0部
【化86】 化87の赤外線吸収色素 0.5部
【化87】 ────────────────────────────────────
【0083】分散液Bの調製 下記表2の物質を混合し、攪拌して分散液Bを得た。
【表2】 ──────────────────────────────────── ユニバー70(白石工業株式会社製の商品名) 20部 カオブライト(シーレカオリン株式会社(Thiele Kaolin Company )の商品名) の40重量%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液 0.5部 水 30部 ────────────────────────────────────
【0084】感熱記録材料の作製 前記カプセル液20部、分散液A20部、分散液B7部
及び界面活性剤(?)(ニッサンラピゾール13─9
0:日本油脂株式会社製の商品名)2重量%水溶液1.
5部を攪拌・混合し、厚さ70μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)の支持体上に固形分が15g/m
2 となるように塗布し乾燥して感熱層を設けた。更に、
該感熱層の上に、下記表3に示す組成の混合物を、乾燥
後の厚さが2μmになるように塗布して保護層を設け、
本発明の感熱記録材料(以下記録材料という)を作製し
た。
【0085】
【表3】 保護層の組成 ─────────────────────────────────── 10重量%ポリビニルアルコール 20g 水 30g 2重量%スルホコハク酸ジオクチルのナトリウム塩 0.3g ポリビニルアルコール3g、水100g及びカオリン35gをボールミルで分散 したカオリン分散物 3g ハイドリンZ−7(中京油脂株式会社製の商品名) 0.5g ────────────────────────────────────
【0086】得られた記録材料に、波長780nmの半
導体赤外レーザービーム(GaAs接合レーザー)を感
熱層側から画像様に照射して青色の画像を得た。レーザ
ービームの出力は、記録材料の感熱層の表面において1
ミリ秒で40mJ/mm2 のエネルギーとなるように調
節した。次いで、リコピースーパードライ100(リコ
ー株式会社製)を使用して上記記録材料を全面露光して
光定着した。得られた青色の記録画像の反射濃度をマク
ベス反射濃度計によって測定したところ1.12であっ
た。
【0087】比較例1.実施例1で使用した赤外線吸収
色素を用いない他は実施例1と全く同様にして記録材料
を作製し画像を記録したところ、全く画像を記録するこ
とができなかった。
【0088】比較例2.実施例1で使用した赤外線吸収
色素の代わりに下記化88
【化88】 で表される化合物を用いた他は実施例1と全く同様にし
て記録材料を作製し画像を記録したところ、得られた画
像の反射濃度は0.24であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも実質的に無色の
    発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色する実質的
    に無色の発色成分B及び赤外線吸収色素とを含有する感
    熱層を設けた感熱記録材料であって、前記発色成分の少
    なくとも一方がマイクロカプセル化されていると共に、
    前記赤外線吸収色素が下記化1及び/又は化2 【化1】 【化2】 (化1及び化2式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ア
    ルキル基、アルコキシ基、アリール基又はピリジン環に
    縮合するベンゼン環であり、R1 及びR2 は、各々独立
    に、水素原子、アルキル基又はアリール基である。Zは
    末端に窒素原子、或いは酸素原子をもってピロコリン核
    の窒素原子との間に共役を完成するのに必要な原子団で
    ある)で表されることを特徴とする赤外レーザー用感熱
    記録材料。
  2. 【請求項2】 発色成分Aが光分解性ジアゾ化合物、発
    色成分Bがカプラーである請求項1に記載の感熱記録材
    料。
  3. 【請求項3】 発色成分Aが電子供与性染料前駆体、発
    色成分Bが顕色剤である請求項1に記載の感熱記録材
    料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5723617A (en) * 1995-12-21 1998-03-03 Minnesota Mining And Manufacturing Company Pyrrolo 2,1-a!isoquinoline dyes
JP2012168258A (ja) * 2011-02-10 2012-09-06 Fujifilm Corp 着色硬化性組成物およびカラーフィルタ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5723617A (en) * 1995-12-21 1998-03-03 Minnesota Mining And Manufacturing Company Pyrrolo 2,1-a!isoquinoline dyes
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