JP2019171692A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】転写層の転写性を良好なものとできる熱転写シートを提供すること。【解決手段】基材1、離型層2、転写層10がこの順で設けられた熱転写シート100であって、前記離型層2は、転写層10と直接的に接しており、離型層2が、バインダー、及び二硫化モリブデンを含有している。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートに関する。
被転写体上に転写層を転写するための熱転写シートについては各種の形態が知られており、例えば、特許文献1〜3に提案がされているような(i)基材の一方の面上に受容層を含む単層構成、或いは積層構成の転写層が設けられた熱転写シート(中間転写媒体と称される場合もある)、(ii)基材の一方の面上に保護層(剥離層と称される場合もある)を含む単層構成、或いは積層構成の転写層が設けられた熱転写シート(保護層転写シートと称される場合もある)、(iii)基材の一方の面上に溶融層を含む単層構成、或いは積層構成の転写層が設けられた熱転写シート等が知られている。これらの熱転写シートの転写層は、被転写体と熱転写シートとを重ね合わせ、加熱手段により基材の他方の面を加熱することにより被転写体上に転写される。
このような転写層を有する熱転写シートには、転写層を転写するときの良好な転写性(転写層の剥離性や、転写層の離型性と称される場合もある)が求められている。このような状況下、基材と転写層との間に離型層を設け、離型層と転写層との界面を転写界面とした熱転写シート等が提案されている。なお、ここで言う離型層は、転写層を転写したときに基材側に残存する層である。
特開平11−263079号公報 特開2001−246845号公報 特開平9−290576号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、転写層の種類にかかわらず、転写層の転写性を良好なものとできる熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートは、基材、離型層、転写層がこの順で設けられ、前記離型層と、前記転写層が直接的に接しており、前記離型層が、バインダー、及び二硫化モリブデンを含有している。
また、上記の熱転写シートにおいて、離型層の総質量に対する、前記二硫化モリブデンの含有量が50質量%未満であってもよい。
本開示の実施の形態に係る熱転写シートによれば、転写層の種類にかかわらず、転写層の転写性を良好なものとできる。
本開示の熱転写シートの一例を示す断面模式図である。 本開示の熱転写シートの一例を示す断面模式図である。 本開示の熱転写シートの一例を示す断面模式図である。 本開示の熱転写シートの一例を示す断面模式図である。 本開示の熱転写シートを用いて製造された印画物の一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写シートを用いた印画物の製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様での実施が可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
<<熱転写シート>>
図1〜図4に示すように、本開示の実施の形態に係る熱転写シート100(以下、本開示の熱転写シートと言う)は、基材1、離型層2、転写層10がこの順で積層されてなり、離型層2と転写層10とが直接的に接している。転写層10は、離型層2側の面を転写界面として、離型層2側から剥離され、被転写体上に移行する層である。以下、本開示の熱転写シート100の各構成について、一例を挙げて具体的に説明する。
(基材)
基材1は、本開示の熱転写シート100における必須の構成であり、離型層2、転写層10等を保持する。基材1の材料について限定はなく、耐熱性や、機械的特性を有することが望ましい。このような基材1としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルム、又はシートを例示できる。基材1の厚さは、その強度や、耐熱性が適切になるよう、基材1の材料に応じて適宜設定でき、2.5μm以上100μm以下が一般的である。
また、基材1と離型層2との密着性を高めるべく、基材1の離型層2側の面に表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、グラフト化処理等を例示できる。また、基材1と離型層2との間に、プライマー層を設けてもよい。
(離型層)
図1〜図4に示すように、基材1上には、離型層2が設けられている。離型層2は、基材1上に直接的に設けられていてもよく、他の層を介して間接的に設けられていてもよい。また、離型層2上には、転写層10が設けられている。離型層2は、被転写体上に転写層10を転写したときに基材1側に残存する層である。
本開示の熱転写シート100は、離型層2が、二硫化モリブデン、及び二硫化モリブデンを保持するバインダーを含有している。このような離型層2を有する本開示の熱転写シート100によれば、転写層10の種類にかかわらず、転写層10の転写性を良好なものとできる。換言すれば、離型層が、二硫化モリブデンを含有しているか否かの点でのみ相違する熱転写シート同士を比較すると、二硫化モリブデンを含有している離型層2を有する本開示の熱転写シートは、二硫化モリブデンを含有していない離型層2を有する熱転写シートよりも、転写層を転写するときの剥離力を低く(小さく)できる。
具体的には、離型層2が含有している二硫化モリブデンは、転写層10の転写性を向上させる役割を果たす。換言すれば、転写層10を転写するときの剥離力を低くする役割を果たす。したがって、二硫化モリブデンを含有している離型層2にかえて、二硫化モリブデンを含有していない離型層や、二硫化モリブデンにかえて、他の粒子を含有する離型層を採用した場合には、転写層10の転写性を良好なものとできない。換言すれば、転写層を転写するときの剥離力を低くできない(小さくできない)。
また、本開示の熱転写シート100は、有機溶剤を含有する離型層用塗工液、及び有機溶剤を含有する転写層用塗工液を用いて、離型層、及び転写層を形成する場合に好適である。具体的には、有機溶剤を含有する離型層用塗工液を用いて、基材上に離型層を形成し、次いで、離型層上に、有機溶剤を含有する転写層用塗工液を用いて、転写層を形成したときには、転写層用塗工液が含有している有機溶剤によって、離型層が含有しているバインダーが溶解され、離型層と転写層との密着性が高くなる。また、離型層と転写層との密着性が高くなるにつれ、転写層の転写性は低くなる。一方で、本開示の熱転写シート100は、上記の通り、離型層2が、転写層10の剥離力を低くできる二硫化モリブデンを含有していることから、有機溶剤を含有する離型層用塗工液、及び有機溶剤を含有する転写層用塗工液を用いて、離型層、及び転写層を形成する場合であっても、転写層10の転写性を良好なものとできる。
二硫化モリブデンの含有量について限定はなく、その含有量にかかわらず、二硫化モリブデンを離型層2に含有せしめることで、転写層10の転写性の向上が図られる。つまりは、転写層10を転写するときの剥離力を低くできる。含有量については、離型層2が含有しているバインダーの種類や、当該離型層2と接する転写層10の構成に応じて適宜決定すればよい。一例としての離型層2は、離型層2の総質量に対し、二硫化モリブデンを1質量%以上含有している。また、二硫化モリブデンの含有量を3質量%以上とすることで、転写層10の転写性をより良好なものとできる。換言すれば、転写層10の剥離力をより低くできる。また、好ましい形態の離型層2は、離型層2の総質量に対し、二硫化モリブデンを50質量%未満含有しており、より好ましくは、35質量%以下含有している。二硫化モリブデンの含有量を50質量%未満、より好ましくは35質量%以下とすることで、転写層10を剥離するときの剥離力を低くしつつも、転写層10を転写することで製造される印画物に良好な光沢感を付与できる。また、離型層2の強度を良好なものとできる。
二硫化モリブデンの粒子径について限定はなく、離型層2の厚みなどを考慮して適宜決定できる。二硫化モリブデンの平均粒子径は、離型層2の厚みよりも、大きくてもよく、小さくてもよい。二硫化モリブデンの平均粒子径は、フィッシャー法(FSSS)に算出される平均粒子径、又は以下の算出方法により算出される平均粒子径で、0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.1μm以上20μm以下がより好ましく、0.1μm以上6μm以下がさらに好ましい。また、離型層2は、フィッシャー法(FSSS)に算出される、或いは以下の算出方法により算出される平均粒子径が、離型層2の厚みの、0.2倍以上10倍以下の二硫化モリブデンを含有していることが好ましい。
(二硫化モリブデンの平均粒子径の算出方法)
二硫化モリブデンの平均粒子径は、熱転写シートの垂直断面の電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とし、100個の粒子について、同様に粒径を計測し、それらの平均を平均粒子径とする。なお、電子顕微鏡は、透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
二硫化モリブデンの形状について限定はなく、各種の粒子の形状であればよい。
離型層2が含有しているバインダーについて限定はなく、熱転写シートの離型層のバインダーとして従来公知のものを適宜選択して用いることができる。このようなバインダーとしては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの各種シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ共重合体、熱架橋性アルキッド−アミノ共重合体、メラミン樹脂、セルロース樹脂、尿素樹脂、ポリオレフィン、繊維素樹脂、ポリアミド、乳酸樹脂等を例示できる。離型層2は、バインダーとして、1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
バインダーの含有量について限定はなく、二硫化モリブデンの含有量などを考慮して適宜決定すればよい。離型層2の総質量に対する、バインダーの含有量は50質量%より多いことが好ましい。バインダーの含有量を上記好ましい含有量とすることで、離型層2中において、二硫化モリブデンを十分に保持できる。好ましい上限値について限定はなく、二硫化モリブデンの含有量に応じて適宜決定できる。
離型層2の厚みについて限定はなく、二硫化モリブデンの平均粒子径等を考慮して適宜決定すればよい。一例との離型層2の厚みは、0.05μm以上10μm以下であり、好ましくは、0.3μm以上5μm以下である。
離型層2の形成方法について限定はなく、例えば、二硫化モリブデン、バインダー、必要に応じて用いられる添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した、離型層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層(例えば、プライマー層)上に、塗布・乾燥して形成することができる。塗布方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等を例示できる。また、これ以外の塗布方法を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。
(転写層)
離型層2上には、転写層10が設けられており、転写層10は、離型層2と直接的に接している。転写層10は、エネルギーの印加により、離型層2と転写層10との界面で剥離され、被転写体上に移行する(転写される)層である。なお、各図に示す形態では、転写層10の離型層2側の面は、その全部が離型層2と直接的に接しているが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、転写層10の離型層2側の面は、離型層2と直接的に接していない部分を有してもよい。
転写層10は、単層構造を呈していてもよく、図2〜図4に示すように、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈していてもよい。
また、転写層10を構成する層のうち、離型層2と直接的に接する層は、主成分として、離型層2が含有している主たるバインダーとは、異なる成分を含有していることが好ましい。例えば、離型層2、及び離型層2と直接的に接する層が、樹脂を含有する場合、離型層2と直接的に接する層が含有している主成分の樹脂を構成する主モノマー(メインモノマーと言う場合もある)と、離型層2が含有している主たる樹脂(主たるバインダー)を構成する主モノマーは、異なるモノマーであることが好ましい。例えば、離型層2と直接的に接する層が、主成分として、ポリエステルを含有している場合、離型層2は、主たる樹脂(主たるバインダー)として、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース樹脂等を含有している。
転写層10の構成について限定はなく、転写層10を転写することで製造される印画物に求められる機能や、用途に応じて適宜決定すればよい。例えば、図1に示すように、転写層10を、単層構造としてもよく、図2〜図4に示すように、転写層10を2つ以上の層が積層されてなる積層構造としてもよい。以下、二硫化モリブデンを含有する離型層2上に設けられる転写層10の構成について一例を挙げて説明する。なお、転写層10は、以下で説明する構成に限定されるものではない。
(第1形態の転写層)
図1は、本開示の熱転写シート100の一例を示す概略断面図である。第1形態の転写層10は、図1に示すように、剥離層4(保護層と称される場合もある)のみからなる単層構造を呈している。
剥離層4が含有している成分としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ウレタン樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂や、ウレタン変性アクリル樹脂等のアクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等の各種樹脂を例示できる。剥離層4は、これらの成分として、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
また、剥離層4が含有している主たる成分と、離型層2が含有している主たるバインダーは異なることが好ましい。
また、剥離層4は、樹脂成分とともに、各種の添加材を含有していてもよい。各種の添加材としては、例えば、転写層10の箔切れ性を向上できる有機フィラー、無機フィラー等の各種フィラーを例示できる。フィラーは、粉体であっても、ゾル状のものであってもよい。
一例としての剥離層4の厚みは、0.5μm以上10μm以下であり、好ましくは、1μm以上3μm以下である。
剥離層4の形成方法(第1形態の転写層の形成方法)について限定はなく、例えば、上記で例示した成分や、必要に応じて用いられる添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した、剥離層用塗工液を調製し、この塗工液を、離型層2上に、塗布・乾燥して形成できる。
(第2形態の転写層)
図2は、本開示の熱転写シート100の一例を示す概略断面図である。第2形態の転写層10は、図2に示すように、基材1側から、剥離層4、接着層7(ヒートシール層と称される場合もある)がこの順で積層されてなる積層構造を呈している。第2形態の転写層10によれば、被転写体と、転写層10との密着性を、良好なものとできる。第2形態の転写層10における、剥離層4としては、上記で説明した第1形態の転写層10(剥離層4)の構成を適宜選択して用いることができる。
(接着層)
接着層7の成分としては、ウレタン樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸等のポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シアノアクリレート樹脂等の樹脂成分を例示できる。また、これらの成分を硬化剤によって硬化させたものを用いてもよい。硬化剤としては、イソシアネート化合物、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を例示できる。
接着層の厚みは、0.5μm以上10μm以下が好ましく、0.8μm以上2μm以下がより好ましい。接着層7は、上記で例示した成分等を適当な溶媒に分散、或いは、溶解した接着層用塗工液を調製し、この塗工液を、剥離層4上に塗布・乾燥して形成できる。また、剥離層4と接着層7との間に、任意の層を設けてもよい。
(第3形態の転写層)
図3は、本開示の熱転写シート100の一例を示す概略断面図である。第3形態の転写層10は、図3に示すように、基材1側から、剥離層4、溶融層6がこの順で積層されてなる積層構造を呈している。第3形態の転写層10を有する本開示の熱転写シート100によれば、溶融型転写方式を用いて、被転写体上に、第3形態の転写層10を、画像パターンに応じた形状で転写することで、図5に示すように、被転写体50上に、溶融層6により形成された画像30、及び剥離層4がこの順で積層された印画物200を製造できる。溶融型転写方式とは、熱転写シートに、画像情報に応じたエネルギーを印加して、エネルギーの印加により、溶融、或いは軟化した転写層10を、被転写体上に層ごと転写する画像形成方式である。なお、図5は、第3形態の転写層を有する本開示の熱転写シート100を用いて製造された印画物200の一例を示す概略断面図である。
第3形態の転写層10における、剥離層4としては、上記で説明した第1形態の転写層10(剥離層4)の構成を適宜選択して用いることができる。
(溶融層)
一例としての溶融層6は、バインダー、及び着色剤を含有している。バインダーとしては、樹脂成分、或いはワックス成分等を例示でき、樹脂成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース、ポリビニルアセタール等を例示できる。また、ワックス成分としては、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックス等を例示できる。
着色剤としては、従来公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができる。着色剤の色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに限定されるものではない。例えば、着色剤として、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、ホログラム粉末、アルミニウム粉末、メタリック顔料、パール顔料等を用いてもよい。
溶融層6の厚みは、0.5μm以上10μmが好ましい。溶融層6は、バインダー、着色剤、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶剤中に分散、或いは溶解させた溶融層用塗工液を調製し、この塗工液を、剥離層4、或いは剥離層4上に設けられる層上に塗布・乾燥して形成できる。
また、溶融層6上に、接着層7を設けた構成としてもよい(図示しない)。また、剥離層4と、溶融層6との間に、他の層を設けてもよい(図示しない)。
また、転写層10を、溶融層6のみからなる単層構造の転写層10としてもよい。
(第4形態の転写層)
図4は、本開示の熱転写シート100の一例を示す概略断面図である。第4形態の転写層10は、図4に示すように、基材1側から、剥離層4、受容層5がこの順で積層されてなる積層構造を呈している。剥離層4としては、上記で説明した第1形態の転写層10(剥離層4)の構成を適宜選択して用いることができる。
第4形態の転写層10を有する本開示の熱転写シート100によれば、図6(a)に示すように、受容層5上に熱転写画像35を形成し、次いで、図6(b)に示すように、被転写体上に、転写層10を転写し、転写層10を、基材1側から剥離することで、図6(c)に示すように、被転写体50上に、熱転写画像35が形成された受容層5、及び剥離層4がこの順で積層された印画物200を製造できる。第4形態の転写層10を有する本開示の熱転写シート100は、中間転写媒体としての役割を果たす。図6は、第4形態の転写層10を有する本開示の熱転写シート100を用いた印画物の製造方法の一例を示す概略工程図である。
(受容層)
受容層5の成分としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン、プロピレン等のオレフィンモノマーと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマー、セルロースジアスターゼ等のセルロース樹脂、ポリカーボネート等の樹脂成分を例示できる。
受容層5の厚みは、1μm以上10μm以下が好ましい。受容層5は、上記で例示した成分等を適当な溶媒に分散、或いは溶解させた受容層用塗工液を調製し、この塗工液を、剥離層4、或いは剥離層4上に設けられる層上に、塗布・乾燥して形成できる。
剥離層4と、受容層5との間に、他の層を設けてもよい。また、受容層5上に接着層7を設けてもよい。
また、転写層10を、受容層5のみからなる単層構造の転写層10としてもよい。
以上、本開示の熱転写シート100の転写層10として、各種の形態を例に挙げて説明を行ったが、上記で例示した第1形態〜第4形態の転写層10の構成を適宜組み合わせた構成としてもよい。
(背面層)
また、基材1の転写層10が位置する面とは反対側の面に、背面層を設けてもよい(図示しない)。
背面層の成分としては、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル−スチレン共重合体、ウレタン樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、及びこれらのシリコーン変性物等の樹脂成分を例示できる。中でも、耐熱性等の点から、ポリアミドイミド、又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。
また、スリップ性を向上させる目的で、背面層に、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加材を含有させてもよい。
背面層は、例えば、上記の成分や、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散、或いは溶解させた背面層用塗工液を、基材1上に、塗布・乾燥して形成できる。背面層の厚みは、0.1μm以上5μm以下が好ましく、0.3μm以上2μm以下がより好ましい。
(色材層)
また、基材1上に、上記転写層10と面順次に色材層を設けてもよい(図示しない)。一例としての色材層は、色材としての昇華性染料、バインダーを含有している。色材層を有する本開示の熱転写シート100によれば、被転写体として、受容層を有する熱転写受像シートを用いた場合などに、受容層上への熱転写画像の形成と、当該熱転写画像が形成された受容層上への、転写層10の転写を、1つの熱転写シートで行うことができる。色材層としては、熱転写シートの分野で従来公知の色材層を適宜選択して用いることができる。また、色材層として、溶融型の色材層を用いることもできる。
本開示の熱転写シート100の転写層10が転写される被転写体50としては、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等を例示できる。また、被転写体として所定の画像を有するものを用いることもできる。また、被転写体として、熱転写受像シートを用いることもできる。また、これ以外の被転写体を用いてもよい。
被転写体上への転写層10の転写は、例えば、サーマルヘッド等による加熱デバイスを用いる方法の他、例えば、ホットスタンプ方式や、ヒートロール方式等を用いることができる。また、これ以外の方式を用いることもできる。
なお、本願明細書では、各層を構成する樹脂等について、例示的に記載をしているが、これらの樹脂は、各樹脂を構成するモノマーの単独重合体であってもよく、各樹脂を構成する主成分のモノマーと、1つ或いは複数の他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体であってもよい。例えば、アクリル樹脂と言う場合には、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーや、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーを主成分として含んでいればよい。また、これらの樹脂の変性物であってもよい。また、本願明細書に例示記載されている以外の樹脂を用いてもよい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部、又は%は質量基準である。
(実施例1−1)
基材として、厚さ4.5μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを使用し、この基材の一方の面上に、下記組成の離型層用塗工液1−1を塗布・乾燥して、厚さ0.5μmの離型層を形成した。次いで、離型層上に、下記組成の剥離層用塗工液を塗布・乾燥して、厚さ1μmの剥離層を形成した。また、基材の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を塗布・乾燥して、厚さ1μmの背面層を形成することで、基材の一方の面上に、離型層、剥離層がこの順で設けられ、基材の他方の面上に背面層が設けられた実施例1−1の熱転写シートを得た。なお、剥離層は、本開示の熱転写シート100における転写層10を構成する層である。
<離型層用塗工液1−1>
・アクリル樹脂(バインダー(A)) 90部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・二硫化モリブデン(平均粒径:1.2μm)(粒子(A)として) 10部
(Cパウダー ダイゾー(株))
・トルエン 450部
・メチルエチルケトン 450部
<剥離層用塗工液>
・ポリエステル 100部
(バイロン(登録商標)200 東洋紡(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール 70部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 15部
(タケネート(登録商標)D218 三井化学(株))
・リン酸エステル 15部
(プライサーフ(登録商標)A208S 第一工業製薬(株))
・メチルエチルケトン 300部
・トルエン 300部
(実施例1−2〜1−5、実施例2〜5、比較例1〜9)
離型層用塗工液1−1を、下表1に示す離型層用塗工液1−2〜1−5、離型層用塗工液2〜5、離型層用塗工液A〜Iに変更して離型層を形成した以外は、全て実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜1−5、実施例2〜5、比較例1〜9の熱転写シートを得た。表1中の各塗工液が含有しているバインダー、及び粒子の詳細を表2に示す。なお、全ての離型層用塗工液において、溶剤、及びその配合量は、離型層用塗工液1−1と共通している。
Figure 2019171692
Figure 2019171692
(熱転写受像シートの作成)
多孔質層を形成する多孔質フィルムとして、多孔質ポリプロピレンフィルム(厚さ38μm、密度0.7g/cm3)を用意した。また、基材層として、紙基材であるホワイト原紙(非コート紙、厚さ150μm、三菱製紙(株))を用意した。ホワイト原紙の面上に、高密度ポリエチレン(密度0.956g/cm3)と低密度ポリエチレン(密度0.919g/cm3)の混合樹脂(混合比8:2、密度0.949g/cm3)を押し出しラミネート法により押し出して、第2のポリオレフィン樹脂層(厚さ30μm)を形成した。続いて、基材層の第2のポリオレフィン樹脂層と反対側の面上に、上記の低密度ポリエチレンを押し出しながら、上記の多孔質ポリプロピレンフィルムとホワイト原紙とを貼合して、多孔質層と基材層の間に、該低密度ポリエチレンからなる第1のポリオレフィン樹脂層(厚さ15μm)を形成して、熱転写受像シート用支持体を得た。次いで、該多孔質ポリプロピレンフィルムの上に、下記組成のプライマー層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが2μmのプライマー層を形成し、プライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液を、塗布・乾燥して厚みが4μmの受容層を形成し、熱転写受像シートを得た。
<プライマー層用塗工液>
・ポリエステル 13.1部
(WR−905 日本合成化学(株))
・酸化チタン 26.2部
(TCA−888 トーケムプロダクツ(株))
・蛍光増白剤(ベンゾイミダゾール誘導体) 0.39部
(ユビテックス(登録商標)BAC BASFジャパン社)
・水 40部
・イソプロピルアルコール 20部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 2.5部
トルエン 2.5部
(画像形成用熱転写シートの作成)
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この基材の一方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を塗布・乾燥して、厚みが0.8μmの背面層を形成した。次いで、基材の他方の面上に、下記組成のプライマー層用塗工液を塗布・乾燥して、厚みが0.1μmのプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記組成のイエロー色材層用塗工液、マゼンタ色材層用塗工液、シアン色材層用塗工液を塗布・乾燥して、厚みが0.6μmのイエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層を面順次に形成し、画像形成用熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルアセトアセタール 60.6部
(エスレック(登録商標)KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 8.4部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・シリコーン樹脂微粒子 1部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株))
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋ペトロライト(株))
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 東洋アドレ(株))
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
<プライマー層用塗工液>
・ポリビニルピロリドン 3部
(K−90 アイエスピー・ジャパン(株))
・アルミナゾル(固形分10%) 30部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
<イエロー色材層用塗工液>
・分散染料(ディスパースイエロー201) 2.5部
・分散染料(下記化学式で示されるイエロー染料) 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール 4.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
Figure 2019171692
<マゼンタ色材層用塗工液>
・下記化学式に示される染料 2部
・ポリビニルアセトアセタール 4.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・アルキル変性シリコーンオイル 0.1部
(KF−412 信越シリコーン(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
Figure 2019171692
<シアン色材層用塗工液>
・下記化学式に示される染料 2部
・ポリビニルアセトアセタール 4.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・アルキル変性シリコーンオイル 0.1部
(KF−412 信越シリコーン(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
Figure 2019171692
(画像の形成)
上記で製造した熱転写受像シートと、上記で製造した画像形成用熱転写シートと、昇華型熱転写プリンタ(MEGAPIXELIII ALTECH ADS(株))とを用いて、40℃、90%RHの環境条件下で黒ベタパターン(0/255画像階調)を印画して、熱転写受像シートの受容層上に黒ベタ画像が形成された画像形成物を得た。
(印画物の製造)
上記で製造した画像形成物と、各実施例、及び比較例の熱転写シートをそれぞれ組み合わせ、下記テストプリンタにより、以下の条件で、画像形成物上に、各実施例、及び比較例の熱転写シートの転写層を転写して、画像形成物上に、各実施例、及び比較例の熱転写シートの転写層が転写されてなる、各実施例及び比較例の印画物を得た。
(剥離力の算出)
上記で作成した各実施例、及び比較例の熱転写シートと、画像形成物とを組合せ、下記熱時剥離タイプのテストプリンタを用いて、画像形成物上に、熱転写シートの転写層を転写しながら、剥離角度50°で、当該転写された転写層を基材から剥離することで、画像形成物上に転写層が設けられた各実施例、及び比較例の印画物を得た。この印画物を得るにあたり、画像形成物上に転写された転写層を、50°の剥離角度で基材から剥離するタイミングにおける熱転写シートの応力を、プリンタ内において、熱転写シートの巻取ロールと、加熱手段(サーマルヘッド)との間に設けられたテンションメータ(ASK−1000 大倉インダストリー(株))により測定した。次いで、テンションメータにて測定された応力を、熱転写シートの加熱幅(エネルギーの印加幅)で除することで剥離力の値を算出した。算出した剥離力の値を、表3〜表5に示す。
(テストプリンタ)
・発熱体平均抵抗値:5241(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・印画電圧:20(V)
・ライン周期:1(msec./line)
・パルスDuty:85(%)
・印画開始温度:29.0(℃)〜36.0(℃)
・発熱ポイントから剥離板までの距離:4.5(mm)
・搬送速度:84.6(mm/sec.)
・印圧:3.5〜4.0(kgf)(34.3〜39.2(N))
・画像パターン:黒ベタ画像(0/255画像階調)
(光沢度の測定)
上記印画物の製造によって得られた各実施例、及び比較例の印画物の表面を、光沢度計(Gloss meter VG7000(日本電色(株))を用いて測定した(測定角度45°、60°)。測定結果を表3〜表5に示す。
Figure 2019171692
表3は、離型層が含有している二硫化モリブデンの含有量を異ならせた実施例1−1〜実施例1−5の熱転写シートと、二硫化モリブデンを含有していない比較例1の熱転写シートとの比較である。なお、何れも、離型層が含有しているバインダーは、共通している(バインダー(A))。表3の結果から明らかなように、実施例1−1〜実施例1−5の熱転写シートにおける転写層の剥離力は、その含有量にかかわらず、基準とする比較例1の熱転写シートにおける転写層の剥離力よりも低くなっている。
Figure 2019171692
表4は、二硫化モリブデン(粒子(A))にかえて、粒子(B)〜(E)を含有する離型層を有する比較例2−1〜5−2の熱転写シートと、二硫化モリブデンを含有していない比較例1の熱転写シートとの比較である。なお、何れも、離型層が含有しているバインダーは、共通している(バインダー(A))。表4の結果から明らかなように、二硫化モリブデン(粒子(A))にかえて、他の粒子(粒子(B)〜(E))を含有する離型層とした場合には、基準とする比較例1の熱転写シートにおける転写層の剥離力よりも、転写層の剥離力を低くできない。
Figure 2019171692
表5は、バインダー(A)にかえて、バインダー(B)〜(E)を含有させた離型層を有する実施例2〜5の熱転写シートと、この実施例2〜5の熱転写シートの離型層から、二硫化モリブデンを抜いた、比較例6〜9の熱転写シートとの比較である。比較例6(基準)と、実施例2、比較例7(基準)と実施例3、比較例8(基準)と実施例4、比較例9(基準)と実施例5の熱転写シートは、それぞれ、離型層が含有しているバインダーを共通にしている。表5の結果から明らかなように、離型層が含有しているバインダーの種類によらず、離型層に二硫化モリブデンを含有せしめることで、同じバインダーを含有している離型層を有する比較例の熱転写シートよりも剥離力は低くなっている。
1・・・基材
2・・・離型層
4・・・剥離層
5・・・受容層
6・・・溶融層
7・・・接着層
10・・・転写層
100・・・熱転写シート
30、35・・・画像
50・・・被転写体
200・・・・・・印画物

Claims (2)

  1. 基材、離型層、転写層がこの順で設けられた熱転写シートであって、
    前記離型層と、前記転写層が直接的に接しており、
    前記離型層が、バインダー、及び二硫化モリブデンを含有している、
    熱転写シート。
  2. 前記離型層の総質量に対する、前記二硫化モリブデンの含有量が50質量%未満である、
    請求項1に記載の熱転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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