JP2019064108A - 熱転写シート及びこれを用いた印画物の製造方法 - Google Patents

熱転写シート及びこれを用いた印画物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面に凹凸感を有し、高い意匠性を有すると共に、かすれや割れなどのない良好な画像が形成された印画物を製造することのできる熱転写シートを提供する。【解決手段】熱転写シート10は、基材11と、転写層12とを備え、転写層が、受容層13および発泡層14をこの順に備え、発泡層が、発泡温度が140℃以上、200℃以下の発泡粒子を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シート、より具体的には、基材と、転写層とを備え、該転写層が、受容層と、発泡層と、をこの順に備える熱転写シート及びこれを用いた印画物の製造方法に関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像を容易に形成できるという理由から、昇華型熱転写方式により、画像を形成することが広く行われている。
昇華型熱転写方式は、例えば、染料層を備えるシートと、被転写体とを重ね合わせ、染料層を備えるシートに対して熱を印加して染料層に含まれる昇華性染料を被転写体に移行させ、画像を形成し、印画物を得る方法である。
昇華型熱転写方式に使用される被転写体は、染料の染着性を有していることが求められるが、普通紙等は、染着性に乏しいため、高い染着性を有する受容層を備える熱転写シートを用いて、被転写体の表面に受容層を転写することが行われている(特許文献1)。
ところで、近年、印画物には多種多様な意匠性が要求されており、例えば、特許文献2では、蛍光剤を含む層を備える印画物が、特許文献3では、高い金属光沢を有する画像が形成された印画物が提案されている。
特開平9−240155号公報 特開2003−025736号公報 特開2004−291400号公報
今般、本発明者らは、基材、及び転写層として受容層及び発泡層を備える熱転写シートであって、該発泡層が特定の発泡温度の発泡粒子を含む、熱転写シートによれば、受容層表面に凹凸感が付与された意匠性の高い印画物を製造することができるとの知見を得た。
さらに、該熱転写シートによれば、被転写体上への転写層の熱転写時、受容層上への画像形成時の加熱によって、発泡層に含まれる発泡粒子が発泡しないため、受容層への染料の染着性を維持することができると共に、かすれや割れなどの発生を防止することができるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、表面に凹凸感を有し、高い意匠性を有すると共に、かすれや割れなどのない良好な画像が形成された印画物を製造することのできる熱転写シートを提供することである。
本発明による熱転写シートは、基材と、転写層とを備え、該転写層が、受容層および発泡層をこの順に備え、該発泡層が、発泡温度が140℃以上、200℃以下の発泡粒子を含むことを特徴とする。
一実施形態において、上記熱転写シートが備える発泡層に含まれる発泡粒子の体積平均粒子径は、10μm以上、50μm以下である。
一実施形態において、上記熱転写シートが備える発泡層における発泡粒子の含有量は、30質量%以上、80質量%以下である。
一実施形態において、上記熱転写シートが備える受容層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含む。
一実施形態において、上記熱転写シートが備える受容層の厚さは、1μm以上、5μm以下である。
一実施形態において、上記熱転写シートは、発泡層上に、接着層をさらに備える。
一実施形態において、上記熱転写シートが備える発泡層は、水系塗布膜である。
一実施形態において、上記熱転写シートは、転写層と面順次となるように、染料層をさらに備える。
本発明による印画物の製造方法は、上記熱転写シートと、被転写体とを重ね合わせ、熱転写シートの転写層が設けられた面とは反対の面から、熱転写シートを加熱することにより、被転写体上に転写層を転写する工程と、転写層が備える受容層上に、画像を形成する工程と、被転写体を加熱し、発泡層に含まれる発泡粒子を発泡させる工程と、を含むことを特徴とする。
一実施形態において、上記印画物の製造方法の転写工程における加熱温度が、140℃未満である。
一実施形態において、上記印画物の製造方法の発泡工程における加熱温度が、140℃以上、250℃以下である。
本発明の熱転写シートによれば、表面に凹凸感を有し、高い意匠性を有すると共に、かすれや割れなどのない良好な画像が形成された印画物を製造することのできる熱転写シートを提供できる。
本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。
(熱転写シート)
本発明による熱転写シート10は、図1に表すように、基材11と、転写層12とを備え、該転写層12が、受容層13及び発泡層14をこの順に備える。
また、一実施形態において、転写層12は、図2に表すように、発泡層14上に、接着層15を備える。
また、一実施形態において、本発明による熱転写シート10は、図3に表すように、転写層12と面順次となるように、染料層16、17及び18を備える。
また、一実施形態において、本発明による熱転写シート10は、図3に表すように、基材11と、染料層16、17、18との間に、プライマー層19を備える。
また、一実施形態において、本発明による熱転写シート10は、図3に表すように、転写層12
及び/又は染料層16、17、18と面順次となるように、着色層20を備える。
また、一実施形態において、本発明による熱転写シート10は、図3に表すように、基材11と、着色層20との間に、剥離層21を備える。
さらに、一実施形態において、本発明による熱転写シート10は、図1乃至3に表すように、基材11の転写層12を備える面とは反対の面に背面層22を備える。
以下、本発明による熱転写シートが備える各層について説明する。
(基材)
基材は、熱転写時に加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、基材上に設けられる受容層等を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有するものであれば、特に制限なく使用できる。
基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体及びテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、スチレン系樹脂、並びにセロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース系樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。
上記した樹脂の中でも、耐熱性及び機械的強度という観点から、PET及びPEN等のポリエステル系樹脂が好ましく、PETが特に好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含することを意味する。
また、上記した樹脂フィルムの積層体を基材として使用することもできる。
樹脂フィルムの積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
基材が樹脂フィルムである場合、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
また、受容層や背面層等との密着性の向上及び耐ブロッキング性の向上という観点から、基材は、その表面に凹凸を有することが好ましい。
基材表面への凹凸形成手段としては、例えば、マット材練り込み加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング加工及びケミカルエッチング加工等が挙げられる。マット材練り込み加工は、無機物又は有機物を練り込んだ樹脂により、基材を形成する加工法である。マットコーティング加工は、基材表面に、有機物又は無機物を含むコート材をコーティングし、基材表面に凹凸を付与する加工法である。
基材の厚さは、2μm以上、12μm以下であることが好ましく、3μm以上、6μm以下であることがより好ましい。基材の厚さを上記数値範囲内とすることにより、基材の機械的強度と、熱転写時の熱エネルギーの伝達を良好なものにできる。
(転写層)
本発明の熱転写シートが備える転写層は、熱転写シートの加熱により、被転写体上へ転写する層であり、上記したように、少なくとも受容層及び発泡層を備える。また、発泡層上に接着層を備えていてもよい。
(受容層)
受容層を形成するための材料としては、昇華性染料の熱移行性染料を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用でき、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、発泡層に含まれる発泡粒子の発泡を妨げず、より良好な凹凸感を付与できるため、ビニル系樹脂が好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
また、受容層は、剥離層としての機能、すなわち、発泡層と、基材との剥離力を調整する機能を有していることが好ましく、この点から塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用することが好ましい。
なお、受容層は、上記樹脂材料を2種以上含んでいてもよい。
受容層における樹脂材料の含有量は、80質量%以上、98質量%以下であることが好ましく、90質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、受容層は、各種の添加材を含んでいてもよく、例えば、可塑材、紫外線安定化材、着色防止材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電防止材、糸摩擦低減材、スリップ材、離型材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、紫外線吸収材及び顔料や染料等の着色材等が挙げられる。
受容層の厚みは、1μm以上、5μm以下であることが好ましく、1μm以上、3μm以下であることがより好ましい。受容層の厚みが上記数値範囲内であることにより、受容層表面により良好な凹凸感を付与できる。
受容層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、受容層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(発泡層)
発泡層は、発泡粒子を含み、発泡粒子の発泡温度は、140℃以上、200℃以下であることが好ましく、145℃以上、200℃以下であることがより好ましく、150℃以上、200℃以下であることがさらに好ましい。
発泡粒子の発泡温度を上記数値範囲内とすることにより、被転写体上への転写層の熱転写時、受容層上への画像形成時の加熱による発泡粒子の発泡を抑制でき、受容層への染料の染着性を改善でき、かすれや割れが生じていない高品質の画像が形成された印画物を提供できる。
また、発泡工程において、過度に高い熱を加える必要がなく、画像形成に使用した昇華性染料の再昇華を防止できる。
発泡前の発泡粒子の体積平均粒子径は、10μm以上、50μm以下であることが好ましく、15μm以上、40μm以下であることがより好ましく、15μm以上、35μm以下であることがさらに好ましく、20μm以上、30μm以下であることが特に好ましい。発泡粒子の体積平均粒子径を上記数値範囲内とすることにより、発泡層形成時における塗工液の塗工性を維持しつつ、発泡後、受容層に良好な凹凸感を付与でき、印画物の意匠性をより向上させることができる。
本発明の熱転写シートが備える発泡層は、体積平均粒子径の異なる発泡粒子を2種以上含んでいてもよい。なお、本発明において、体積平均粒子径は、JIS K 5600−9−3に準拠し、レーザー回折式粒度分布測定装置を使用して決定できる。
なお、発泡後の発泡粒子の体積平均粒子径は、30μm以上、500μm以下であることが好ましく、40μm以上、450μm以下であることがより好ましく、45μm以上、400μm以下であることがさらに好ましい。
発泡層中における発泡粒子の含有量は、30質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、50質量%以上、80質量%以下であることがより好ましい。発泡層中における発泡粒子の含有量を上記数値範囲内とすることにより、発泡層形成時における塗工液の塗工性を維持しつつ、発泡後、受容層に良好な凹凸感を付与でき、印画物の意匠性をより向上させることができる。
一実施形態において、発泡粒子は、マイクロカプセル型発泡粒子である。なお、本発明においてマイクロカプセル型発泡粒子とは、熱可塑性樹脂で構成される微粒子中に発泡剤が封入され、発泡温度以上に加熱することにより、熱可塑性樹脂が軟化し、内部に封入された発泡剤の気化圧力により体積を増加する粒子を指す。
熱可塑性微粒子に封入する発泡剤としては、プロパン、ブタン、イソブタン、イソペンタン等の低沸点の炭化水素や、これら炭化水素と非水溶性石油エーテルとの混合物等を使用できる。
熱可塑性樹脂としては、軟化点が、40℃以上、120℃以下のものであれば、特に限定なく使用できる。
なお、発泡層は、上記した発泡粒子を2種以上含んでいてもよい。
一実施形態において、発泡層はバインダー樹脂を含み、例えば、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、受容層により良好な凹凸感を付与できるため、ポリエステル系樹脂及びビニル系樹脂が好ましい。
発泡層に含まれるバインダー樹脂の含有量は、20質量%以上、70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、50質量%以下であることがより好ましい。発泡層中におけるバインダー樹脂の含有量を上記数値範囲内とすることにより、受容層により良好な凹凸感を付与でき、印画物の意匠性をより向上させることができる。
また、一実施形態において、発泡層は、発泡助剤を含む。発泡助剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸鉛、尿素、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、発泡層は、上記した添加材を含むことができる。
発泡粒子の発泡前の発泡層の厚みは、3μm以上、50μm以下であることが好ましく、5μm以上、50μm以下であることがより好ましい。発泡層の厚みが上記数値範囲内であることにより、受容層により良好な凹凸感を付与でき、印画物の意匠性をより向上させることができる。
発泡層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、発泡層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、受容上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
発泡粒子は、マイクロカプセル型発泡粒子である場合、溶媒によるマイクロカプセルへの影響を考慮し、上記材料を水に分散又は溶解させ、塗布、乾燥することにより形成させた水系塗布膜であることが好ましい。
(接着層)
一実施形態において、転写層は、接着層を備える。接着層を備えることにより、転写層の被転写体に対する接着性を向上させることができる。
接着層は、加熱することにより軟化し、接着性を発揮する熱可塑性樹脂を含んでなり、例えば、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、並びにスチレン系樹脂等が挙げられる。
接着層の厚さは、0.5μm以上、10μm以下であることが好ましく、1μm以上、5μm以下であることがより好ましい。
接着層の厚さを上記数値範囲内とすることにより、転写層の転写性を維持しつつ、被転写体に対する接着性を良好なものにできる。
接着層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、接着層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(染料層)
一実施形態において、本発明による熱転写シートは、染料層を備える。
染料層は、昇華性染料を含有する層であり、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層等を挙げることができ、熱転写シートはこれら染料層の1種又は2種以上を面順次備えることができる。
昇華性染料について特に限定はないが、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。より具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株)製)、Macrolex Red Violet R(バイエル・アクツィーエンゲゼルシャフト社製)、CeresRed 7B(バイエル・アクツィーエンゲゼルシャフト社製)、Samaron Red F3BS(三菱ケミカル(株)製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱ケミカル(株)製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル・アクツィーエンゲゼルシャフト社製)等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株)製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド(株)製)、MSブルー100(三井東圧化学(株)製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料等を挙げることができる。
染料層は、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等のバインダー樹脂を含むことが好ましい。
染料層の厚さは、特に限定されず、例えば、0.2μm以上、2μmとすることができる。
染料層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、染料層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材又はプライマー層上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(プライマー層)
一実施形態において、本発明による熱転写シートは、染料層と、基材との間にプライマー層を備える。プライマー層は、基材と染料層等の密着性を向上させ、転写時において染料層全体が取られる、いわゆる異常転写を防止するため設けられる。
プライマー層は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等を含んでなることができる。
プライマー層の厚さは、特に限定されず、例えば、0.05μm以上、0.5μmとすることができる。
プライマー層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、プライマー層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(着色層)
一実施形態において、本発明による熱転写シートは、着色層を備え、該着色層は、転写時に被転写体上に転写する。
着色層は、カーボンブラック、無機顔料、有機顔料等の着色剤を含んでなる。より具体的には、ランプブラック等のカーボンブラック、グラファイトおよびニグロシン染料等が挙げられる。
また、着色層は、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、メラミン系樹脂等のバインダー樹脂を含むことが好ましい。
着色層の厚さは、特に限定されず、例えば、0.2μm以上、2μmとすることができる。
着色層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、着色層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材又は剥離層上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(剥離層)
一実施形態において、本発明による熱転写シートは、着色層と、基材との間に剥離層を備える。
剥離層は、基材上に設けられる層であり、基材から剥離し、転写され、転写後は、保護層の最外面に位置する。
剥離層は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーンワックス、フッ素変性樹脂やワックス等を含んでなる。
ワックスとしては、例えば、蜜蝋、鯨蝋、木蝋、米ぬか蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス及びモンタンワックス等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス及びポリエチレンワックス等の合成ワックス、マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸及びベヘニン酸等の高級飽和脂肪酸、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等の高級飽和一価アルコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エステル、ステアリン酸アミド並びにオレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
また、剥離層は、イソプレンゴム、ブチルゴム及びニトリルゴム等のゴム類を含むことができる。剥離層がゴム類を含むことにより、剥離層の弾力性を向上させることができ、熱転写シートと被転写体との密着性を向上させることができる。
剥離層の厚みは、特に限定されず、例えば、0.1μm以上、5μm以下とすることができる。
剥離層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、剥離層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(背面層)
一実施形態において、本発明の熱転写シートは、基材の転写層が設けられた面とは反対の面に、背面層を備える。熱転写シートが背面層を備えることにより、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワ等の発生を防止できる。
一実施形態において、背面層は、バインダー樹脂を含む。バインダー樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン変性ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素変性ウレタン系樹脂及び(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、シリコーン樹脂、具体的には、アクリル変性シリコーン樹脂がサーマルヘッドと背面層の焼き付き、カスの発生防止の観点から好ましい。
また、一実施形態において、背面層は、イソシアネート化合物等との併用により硬化する2液硬化型の樹脂をバインダー樹脂として含む。このような樹脂としては、ポリビニルアセタール系樹脂やポリビニルブチラール系樹脂等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、特に制限なく従来公知のイソシアネート化合物を使用できるが、その中でも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートが挙げられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
一実施形態において、背面層は、無機又は有機の微粒子を含む。背面層が、このような微粒子を含むことにより、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワ等の発生をより防止できる。
無機微粒子としては、例えば、タルク及びカオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、並びに窒化ホウ素等の無機微粒子が挙げられる。
有機微粒子としては、(メタ)アクリル系樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン系樹脂、ラウロイル系樹脂、フェノール系樹脂、アセタール系樹脂、スチレン系樹脂及びポリアミド系樹脂等からなる有機樹脂微粒子、又はこれらを架橋材と反応させた架橋樹脂微粒子等が挙げられる。
背面層の厚みは、0.01μm以上、5μm以下であることが好ましく、0.03μm以上、2μm以下であることがより好ましい。
背面層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、背面層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(印画物の製造方法)
本発明による印画物の製造方法は、上記した熱転写シートと、被転写体とを重ね合わせ、熱転写シートの転写層が設けられた面とは反対の面から、加熱することにより、転写層を被転写体上に、転写する工程(以下、単に転写工程という。)と、
転写層が備える受容層上に、画像を形成する工程(以下、単に画像形成工程という。)と、
被転写体を加熱し、発泡層に含まれる発泡粒子を発泡させる工程(以下、単に発泡工程という。)と、を含むことを特徴とする。
以下、各工程について説明する。
(転写工程)
本発明による方法が含む転写工程により、被転写体上に、熱転写シートが備える転写層が転写される。
該転写工程において、熱転写シートは、転写層が設けられた面とは反対の面からサーマルヘッド等により加熱される。この時の加熱温度は、140℃未満であることがより好ましく、これにより、発泡層に含まれる発泡粒子の発泡を抑えることができ、転写後、受容層上に高品質の画像を形成できる。
被転写体は特に限定されることなく、樹脂フィルム製、天然繊維紙、コート紙等の紙製、ガラス製、金属製、木材製等を使用できる。また、これらの積層体を被転写体として、使用してもよい。
(画像形成工程)
本発明による方法は、被転写体上に転写させた受容層上に画像を形成する工程を含む。この時の加熱温度は、140℃未満であることがより好ましい。加熱温度を上記数値範囲内とすることにより、発泡層に含まれる発泡粒子の発泡を抑えることができ、受容層上に高品質の画像を形成できる。
画像の形成には、本発明による熱転写シートが染料層、着色層を備える場合は、該熱転写シートを使用してもよく、その他の熱転写シートを使用してもよい。
また、発泡工程の前に画像形成を行うことにより、受容層への染料の染着性を改善することがきでき、かすれや割れ等のない高品質の画像を形成できる。
(発泡工程)
本発明による方法は、画像形成後に、被転写体を加熱し、発泡層に含まれる発泡粒子を発泡させる工程を含む。この時の加熱温度は、140℃以上、250℃以下であることが好ましい。加熱温度を上記数値範囲内とすることにより、受容層上に形成された画像からの昇華性染料の再昇華を防止しつつ、発泡層に含まれる発泡粒子を良好に発泡でき、受容層に良好な凹凸感を付与できる。
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。以下、固形分の記載があるものについては、固形分に換算する前の配合を示している。
実施例1
厚さ5μmのPETフィルムの一方の面に、下記組成の背面層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ1μmの背面層を形成させた。
<背面層形成用塗工液>
・ポリビニルアセタール 36質量部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレック(登録商標)KS−1)
・イソシアネート化合物 25質量部
(DIC(株)製、商品名:バーノック(登録商標)D750)
・シリコーン樹脂微粒子 1質量部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社、商品名:トスパール(登録商標)240)
・ステアリルリン酸亜鉛 10質量部
(堺化学工業(株)製、商品名:LBT1830精製)
・ステアリン酸亜鉛 10質量部
(堺化学工業(株)製、商品名:SZ−PF)
・ポリエチレンワックス 3質量部
(東洋アドレ(株)製、ポリワックス3000)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7質量部
(東洋アドレ(株)製、ユニトックス750)
・メチルエチルケトン(MEK) 200質量部
・トルエン 100質量部
PETフィルムの他方の面に、下記組成の受容層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ2μmの受容層を形成させた。
<受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 17質量部
(日信化学工業(株)製、商品名:ソルバイン(登録商標)CNL、Tg:76℃、Mn:12,000)
・エポキシ変性シリコーンオイル 3質量部
(信越化学工業(株)製、商品名:KP−1800U)
・MEK 40質量部
・トルエン 40質量部
上記のようにして形成した受容層上に、下記組成の発泡層形成用塗工液を、乾燥後の塗工量が、10μmとなるように塗布し、乾燥させることにより、発泡層を形成させた。
<発泡層形成用塗工液>
・発泡粒子A 15質量部
(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN−100MD、発泡温度170℃、平均粒子径:20μm)
・ポリエステル系樹脂 40質量部
(東洋紡(株)製、商品名:バイロナール(登録商標)1245、固形分:30%)
・水 20質量部
上記のようにして形成した発泡層上に、下記組成の接着層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ2μmの接着層を形成させた。
<接着層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20質量部
(日信化学工業(株)製、商品名:ソルバイン(登録商標)CNL)
・MEK 40質量部
・トルエン 40質量部
上記のようにして形成した受容層と面順次となるように、下記組成のプライマー層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ0.1μmのプライマー層を形成させた。
<プライマー層形成用塗工液>
・PVP 1.5質量部
(アイエスピー・ジャパン(株)製、商品名:K−90)
・アルミナゾル(固形分:10%) 35質量部
・水 30質量部
・イソプロピルアルコール(IPA) 33.5質量部
上記のようにして形成したプライマー層上に、下記組成のイエロー染料層形成用塗工液、マゼンタ染料層形成用塗工液及びシアン染料層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ0.35μmのイエロー染料層、マゼンタ染料層及びシアン染料層を形成させた。
<イエロー染料層形成用塗工液>
・ソルベントイエロー93 6質量部
・ポリビニルアセタール 5質量部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレック(登録商標)KS−5)
・MEK 50質量部
・トルエン 50質量部
<マゼンタ染料層形成用塗工液>
・ディスパースレッド60 3質量部
・ディスパースバイオレット26 4質量部
・ポリビニルアセタール 5質量部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレック(登録商標)KS−5)
・MEK 50質量部
・トルエン 50質量部
<シアン染料層形成用塗工液>
・ソルベントブルー63 4質量部
・ディスパースブルー354 4質量部
・ポリビニルアセタール 5質量部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレック(登録商標)KS−5)
・MEK 50質量部
・トルエン 50質量部
実施例2
発泡層形成用塗工液に含まれる発泡粒子Aを、発泡粒子B(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアーFN−180、発泡温度175℃、平均粒子径:35μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
実施例3
受容層形成用塗工液に含まれる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、(メタ)アクリル系樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名:ダイヤナール(登録商標)BR−83)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
比較例1
発泡層形成用塗工液に含まれる発泡粒子Aを、発泡粒子C(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN−80GS、発泡温度130℃、平均粒子径:6μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
比較例2
発泡層形成用塗工液に含まれる発泡粒子Aを、発泡粒子D(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)F−36、発泡温度115℃、平均粒子径:10μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
比較例3
発泡層形成用塗工液に含まれる発泡粒子Aを、発泡粒子Cに変更した以外は、実施例3と同様にして、熱転写シートを作製した。
<<印画適性評価試験>>
上記実施例1において得られた熱転写シート及び被転写体としてPVCカードを用いて、被転写体上に、接着層、発泡層及び受容層を熱転写すると共に、該熱転写シートが備える染料層に含まれる昇華性染料を、被転写体に形成した受容層上に昇華させることで画像を形成し、印画物を得た。
なお、接着層、発泡層及び受容層の熱転写及び画像形成には、熱転写プリンタを下記条件にて使用した。
(熱転写条件)
・プリンタ:カードプリンタ
・印圧:2.2kg/inch
・印画速度:3msec./line
・サーマルヘッド解像度:300dpi
・印画エネルギー:0.26mJ/dot
次いで、印画物をオーブンの中に入れ、200℃で5分間加熱した。発泡層に含まれる発泡粒子を完全に発泡させた。
上記のようにして形成させた画像を目視により観察し、下記評価基準に従いその印画適性を評価した。評価結果を表1にまとめた。
その他の実施例及び比較例において得られた熱転写シートについても同様の評価を行い、結果を表1にまとめた。
<<印画適正>>
(評価基準)
A:発泡層を転写後、画像の形成時に発泡層が全く発泡せず、画像の形成を良好に行うことができた。
B:発泡層を転写後、画像の形成時に発泡層が発泡してしまい、形成した画像が割れてしまったが、実使用上問題ない程度であった。
NG:発泡層を転写後、画像形成時に発泡層が完全に発泡してしまい、画像を形成できなかった。
<<凹凸感評価試験>>
上記印画適性試験により得られた印画物の受容層側表面を目視により観察し、付与された凹凸感の程度を下記評価基準に従い評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:受容層表面に良好な凹凸感が付与されており、意匠性の極めて高い印画物が得られた。
B:受容層表面に凹凸感が付与されており、意匠性の高い印画物が得られた。
C:受容層表面の凹凸感が多少付与されていた。
NG:受容層表面に凹凸感を観察できなかった。
10:熱転写シート
11:基材
12:転写層
13:受容層
14:発泡層
15:接着層
16、17、18:染料層
19:プライマー層
20:着色層
21:剥離層
22:背面層

Claims (11)

  1. 基材と、転写層とを備える熱転写シートであって、
    前記転写層が、受容層および発泡層をこの順に備え、
    前記発泡層が、発泡温度が140℃以上、200℃以下の発泡粒子を含むことを特徴とする、熱転写シート。
  2. 前記発泡粒子の体積平均粒子径が、10μm以上、50μm以下である、請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記発泡層における前記発泡粒子の含有量が、30質量%以上、80質量%以下である、請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記受容層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  5. 前記受容層の厚さが、1μm以上、5μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  6. 前記発泡層上に、接着層をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  7. 前記発泡層が、水系塗布膜である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  8. 前記転写層と面順次となるように、染料層をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱転写シートと、被転写体とを重ね合わせ、前記熱転写シートの前記転写層が設けられた面とは反対の面から、前記熱転写シートを加熱することにより、前記被転写体上に前記転写層を転写する工程と、
    前記転写層が備える前記受容層上に、画像を形成する工程と、
    前記被転写体を加熱し、前記発泡層に含まれる前記発泡粒子を発泡させる工程と、を含むことを特徴とする、印画物の製造方法。
  10. 前記転写工程における加熱温度が、140℃未満である、請求項9に記載の印画物の製造方法。
  11. 前記発泡工程における加熱温度が、140℃以上、250℃以下である、請求項9又は10に記載の印画物の製造方法。
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