JP6798201B2 - 画像および保護層形成方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像および保護層形成方法および装置に関する。
従来、染料などの色材を含む色材層を備えた熱転写シートを用いて、該色材を受像シート上に転写して画像形成を行う方法が知られている。このような画像形成方法においては、熱転写シートと、被転写体である受像シートとを重ね合わせ、サーマルヘッドと呼ばれる熱源からの熱エネルギーを熱転写シートへ印加し、熱転写シート中の色材を被転写体である受像シートへ転写することで画層形成が行われる。このような熱転写方式による画像形成では、サーマルヘッドから熱転写シートへ印加するエネルギー量をドット単位で制御することで濃度階調が可能であり、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の画像形成が可能である。
熱転写を行う際の熱エネルギーの一部は、熱転写シートを介して被転写体(受像シート)表面にも印加される。熱転写の熱源であるサーマルヘッドは、一般的には、主走査方向に画素単位で複数の発熱素子が並列配置された構造を有している。サーマルヘッドからの熱エネルギーを熱転写シートに印加する場合、サーマルヘッド全体が均一な熱源となるわけではなく、発熱素子の存在する部分(発熱部)と、発熱素子同士の間(非発熱部)とで、温度差が生じる。そのため、熱転写シートを介して被転写体表面に伝達される熱エネルギーの分布にも、サーマルヘッドの発熱部と非発熱部とに対応して、不均一性が生じる。その結果、被転写体である受像シートの表面に凹凸が生じることになり、画像表面の平滑性および光沢性を低下させてしまっていた。
上記のような問題に対して、特開平6−336043号公報(特許文献1)には、色材を被転写体に熱転写した後に、発熱部が連続して延びるラインヒーターを用いて被転写体表面に、熱転写シートが備える転写性保護層を転写させることにより、保護層を形成させ、画像の平滑性および光沢性を向上させることのできる画像形成方法が開示されている。しかしながら、上記画像形成方法においては、画像形成用のサーマルヘッドと転写性保護層を転写するためのラインヒーターとを備えた熱転写プリンタを用意する必要があるため、プリンタの大型化や製造コストの増大を招くおそれがある。
また、特開2005−125747(特許文献2)には、サーマルヘッド表面の、画像が形成された被転写体の搬送方向下流に加圧面を設け、転写性保護層を転写し、画像上に保護層を形成した後に、保護層表面の凸部をサーマルヘッドの加圧面によって押しつぶし、保護層表面の平滑性および光沢性を向上させることのできる画像形成方法が開示されている。
特開平6−336043号公報 特開2005−125747号公報
本発明者らは今般、サーマルヘッドの発熱部が主走査方向に平行に延在していることから、熱エネルギーを被転写体に印加する際に、サーマルヘッドと被転写体との位置関係をを、主走査方向(発熱部の配列方向)と略平行方向にずらすことで、凹凸の形成を抑制できることに気づいた。
そして、熱転写シートが備える基材上の染料層および転写性保護層を、複数の発熱部を略平行に備えるサーマルヘッドの熱で、被転写体上に転写する熱転写方法において、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらすことにより、被転写体上に形成した画像および保護層表面の平滑性および光沢性を向上させることができるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、画像および保護層表面の平滑性および光沢性を向上させることができる熱転写方法を提供することである。
本発明の被転写体上に熱転写により画像および保護層を形成する方法は、
複数の色材層と、転写性保護層とを面順次に備えた熱転写シートを、サーマルプリンタが備える複数の発熱部が略平行に延在して配列されたサーマルヘッドと、サーマルヘッドと対向して設けられたプラテンローラーと、の間に供給する工程と、
熱転写シートの色材層をサーマルヘッドの熱により転写して、被転写体上に画像を形成する工程と、
熱転写シートの転写性保護層を前記サーマルヘッドの熱により転写して、被転写体上に保護層を形成する工程と、
色材層を少なくとも1回転写した後、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の態様においては、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす工程が、色材層の転写後であって、保護層の転写前に実施されることが好ましい。
本発明の態様においては、サーマルヘッドが備える複数の発熱部のドットピッチをp、サーマルヘッドと被転写体との位置関係をずらす距離をqとしたとき、下記式(1)が成立することが好ましい。
0.4≦q/p≦0.6 (1)
本発明の他の態様による画像および保護層形成装置は、略平行に延在する複数の発熱部を備えるサーマルヘッドと、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらすことにより、被転写体上に形成される画像および保護層表面の平滑性および光沢性を向上させることができる。
図1は、本発明に係る方法において用いられる熱転写シートの一実施形態を表す模式断面図である。 図2は、本発明に係る方法において用いられる被転写体の一実施形態を表す模式断面図である。 図3は、本発明に係る方法において用いられるサーマルヘッドの一実施形態を表す概略図である。 図4は、サーマルヘッドと被転写体との位置関係をずらす方向を表す概略図である。 図5は、本発明にかかる画像および保護層形成装置の概略図である。
本発明による熱転写方法は、複数の色材層と、転写性保護層とを面順次に備えた熱転写シートを、サーマルプリンタが備える複数の発熱部が略平行に延在して配列されたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドと対向して設けられたプラテンローラーと、の間に供給する工程と、熱転写シートの色材層をサーマルヘッドの熱により転写して、被転写体上に画像を形成する工程と、熱転写シートの転写性保護層をサーマルヘッドの熱により転写して、被転写体上に保護層を形成する工程と、色材層を少なくとも1回転写した後、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす工程と、を含む。
<供給工程>
まず、熱転写シートは、サーマルプリンタが備えるサーマルヘッドと、サーマルヘッドと対向して設けられたプラテンローラーと、の間に供給される。サーマルヘッドおよびプラテンローラーは、熱転写シート上の色材層および転写性保護層と、被転写体上の受容層とが重なるように圧接可能に配設されていることが好ましい。
(熱転写シート)
熱転写シートは、供給ロールから送り出すことにより、サーマルヘッドとプラテンローラーとの間に供給することができる。本発明に係る方法に用いられる熱転写シートは、図1に表されるように、少なくとも基材10、色材層11および転写性保護層12を備える。この色材層11および転写性保護層12は、後記するように、被転写体に熱転写されるものである。
熱転写シート100は、基材10の一方の面上に、色材層11および転写性保護層12を面順次備えている。
また、所望により、色材層11と基材10との間に、色材プライマー層13を備えていてもよい。
また、転写性保護層12は、剥離層14、プライマー層15および接着層16からなる多層構造であってもよい。
また、熱転写シート100は、所望により、色材層11、転写性保護層12が設けられる面とは反対の面に耐熱滑性層17を備えていてもよく、
また、転写性保護層12と基材10との間に、さらに離型層を備えていてもよい(図示せず)。耐熱滑性層17と基材10との間に、さらに、背面プライマー層を備えていてもよい(図示せず)。
熱転写シートを構成する各層について以下に説明する。
基材を構成する材料としては、サーマルヘッドの熱に耐え得る耐熱性を有し、色材層および転写性保護層を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、などが挙げられる。
基材は、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)、または複数層からなる積層体であっても良い。また、基材は、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムを使用することが好ましい。基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。上記した樹脂からなる基材の中でも、PET、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系のフィルムは、耐熱性、機械的強度に優れるため好適に使用され、この中でもPETフィルムがより好ましい。
基材の少なくとも一方の面に表面処理が施されていることが好ましい。このような処理を施すことにより、基材上に設ける任意の層との接着性を向上させることができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理などを挙げることができ、これらを2種以上組み合わせて表面処理を行ってもよい。
基材の厚さは、0.5μm以上、50μm以下であることが好ましく、1μm以上、10μm以下であることがより好ましい。基材の厚さが0.5μm以上、50μm以下であれば、熱エネルギーの伝達性、機械的強度の両方を満足させることができる。
熱転写シートが備える色材層は熱転写性であり、以下の染料層、または熱溶融性インキ層が適用できる。熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、色材層は、昇華性染料を含有する層(染料層)である。また、熱転写シートが熱溶融型熱転写シートの場合には、色材層は、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインキを含有する層(熱溶融性インキ層)である。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材上に面順次に設けてもよい。
以下に、色材層として染料層を例に説明するが、それに限定されず、色材層が熱溶融性インキ層であってもよい。染料層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度などにより変褪色しないものが好ましい。染料層としては、イエロー染料層、マゼンダ染料層、シアン染料層、ブラック染料層などを挙げることができ、熱転写シートはこれら染料層の1種または2種以上を面順次備えることができる。
昇華性染料について特に限定はないが、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度などにより変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンなどのアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンなどのシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾなどのアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料などが挙げられる。より具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株)製)、Macrolex Red Violet R(バイエル・アクツィーエンゲゼルシャフト社製)、CeresRed 7B(バイエル・アクツィーエンゲゼルシャフト社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学(株)製)などの赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化学(株)製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル・アクツィーエンゲゼルシャフト社製)などの黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株)製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド(株)製)、MSブルー100(三井東圧化学(株)製)、C.I.ソルベントブルー22などの青色染料などを挙げることができる。
色材層は、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドンなどのビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミドなどのアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などのバインダー樹脂を含むことが好ましい。上記したバインダー樹脂の中でも、耐熱性、染料の移行性などが優れる観点から、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリエステル系樹脂が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラールおよびポリビニルアセトアセタールが特に好ましい。
色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、染料およびバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤などの添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトンなどの適当な有機溶剤、または水に溶解もしくは分散させることにより色材層用塗工液(溶解液または分散液)を調製する。次いで、これを、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーターなどの形成手段により、基材の一方の面に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。塗工量は、乾燥時で0.2g/m以上、5.0g/m以下であることが好ましい。また、色材層の厚さは、0.2μm以上、5μm以下であることが好ましい。
転写性保護層は、単層構造のものであってもよく、多層構造のものであってもよいが、多層構造のものが好ましく、例えば、剥離層、プライマー層および接着層からなるものが挙げられる。
剥離層は、基材上に設けられる層であり、基材から剥離し、転写され、転写後は、保護層の最外面に位置し、画像などの保護を実質的に担う層である。
剥離層は、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂といった熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂などといった熱硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂を含むことができる。
これらの中でも、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂が好ましく、より具体的には、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、およびセルロースアセテートプロピオネートが好ましい。剥離層がこのような樹脂を含むことにより、耐光性や耐久性を維持しつつ、転写後の平滑性および光沢性を向上させることができる。
なお、剥離層は、上記のような熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を1種または2種以上含んでいてもよい。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂と反応・結合(重合)させることにより、得られた樹脂を使用することができる。ここで、「反応性紫外線吸収剤」とは、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものをいう。
剥離層は、転写性、すなわち基材からの剥離性向上のため、各種離型剤を含むことが好ましい。離型剤としては、ワックス類、シリコーンワックス、リン酸エステル、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂などが挙げられる。
剥離層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂、必要に応じて加える紫外線吸収剤や各種添加剤を、適当な有機溶剤、水に溶解または分散させ、剥離層用塗工液(溶解液または分散液)を調製する。次いで、これを、公知のコーティング方法により、基材の一方の面に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。塗工量は、乾燥時で0.2g/m以上、10g/m以下であることが好ましい。剥離層の厚さは、0.2μm以上、10μm以下であることが好ましい。
剥離層と接着層との間に、プライマー層を設けてもよい。プライマー層は、転写性保護層を構成する任意の層である。プライマー層を設けることで、剥離層と接着層との密着性を向上させることができる。
プライマー層は、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールなどのビニル系樹脂、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリ(メタ)アクリルアミドなどのアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などの樹脂を含むことが好ましい。
プライマー層が、上記した樹脂を含むことにより、剥離層と接着層との密着性を向上させることができる。また、プライマー層の耐熱性を向上させることができると共に、塗工時における剥離層と、接着層との混合を抑制することができ、面質を向上させることができる。
また、プライマー層は、微粒子を含有していることが好ましい。プライマー層が、微粒子を含むことにより、虹ムラの発生を防止することができる。また、微粒子の平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。また、微粒子の平均一次粒子径は、8nm以上であることが好ましい。微粒子の平均一次粒径が上記数値範囲内にあれば、形成させた保護層の虹ムラを防止することができるとともに、保護層の透明性も維持することができる。なお、「平均一次粒子径」は、JIS Z 8830(2013年発行)に準拠して、BET(比面積測定)法により測定することができる。
また、微粒子は、保護層の透明度を損なわない無色または白色である限り、無機系微粒子であっても、有機系微粒子であってもよいが、粒子の硬度、耐熱性という観点からは、無機系微粒子が好ましい。特にコロイド状無機顔料超微粒子であることが好ましい。コロイド状無機顔料超微粒子としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナもしくはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物もしくはその水和物、擬ベーマイトなど)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、または酸化チタンなどが挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。
プライマー層は、その他、レベリング剤、消泡剤などの塗工性改善剤や傾向増白剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含んでいてもよい。
プライマー層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、上記微粒子、および必要に応じて加える添加剤を、適当な有機溶剤、水に溶解または分散させ、プライマー層用塗工液(溶解液または分散液)を調製する。次いで、これを、公知のコーティング方法により、剥離層上に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。塗工量は、乾燥時で0.03g/m以上、1.0g/m以下であることが好ましい。
接着層を形成するための材料としては、特に限定はなく、保護層転写シートの接着層として従来公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、接着層はバインダー樹脂として、紫外線吸収剤共重合樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂などを含むことができる。
接着層の形成方法としては、上記で例示したバインダー樹脂と、必要に応じて添加される紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、無機あるいは有機のフィラー成分、界面活性剤、離型剤などを適当な溶媒に分散ないし溶解した接着層用塗工液を調製し、これを、熱転写シートの最外層、すなわち、転写性保護層の最外層となるよう(例えば、プライマー層上)に、グラビアコート、グラビアリバースコートなどの方法で塗工・乾燥して形成することができる。接着層の厚みについて特に限定はないが、0.5μm以上、10μm以下程度が好ましく、0.8μm以上、2μm以下程度がより好ましい。
転写性保護層が単層からなる場合、転写性保護層は、上記したポリ(メタ)アクリルアミド、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂といった熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などといった熱硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂を含むことができる。
上記した樹脂の中でも、転写性保護層は、(メタ)アクリル系樹脂および紫外線吸収性樹脂の混合物を含むことが、保護層の耐擦傷性および耐光性という観点から好ましい。
また、所望により、離型剤やレベリング剤、消泡剤などの塗工性改善剤、傾向増白剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含むことができる。
この場合、転写性保護層は、上記樹脂などを、適当な有機溶剤、水に溶解または分散させ、塗工液(溶解液または分散液)を調製し、これを、公知のコーティング方法により、基材の一方の面に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。塗工量は、乾燥時で0.2g/m以上、10g/m以下であることが好ましい。
熱転写シートは所望により、色材層と基材との間に色材プライマー層を備えてなる。熱転写シートが、色材プライマー層を備えていることにより、色材層と基材との密着性を高めることができる。色材プライマー層を構成する材料としては、色材層と基材との両方に良好な接着性を有するものであれば特に限定されない。色材プライマー層の厚さは、0.05μm以上、10μm以下であることが好ましい。
熱転写シートは所望により、色材層、転写性保護層が設けられる面とは反対の面に耐熱滑性層を備えていてもよい。耐熱滑性層は、従来公知の熱可塑性樹脂などを適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルクロリド、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールなどのビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などの熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物などが挙げられる。
これらの中でも、ビニル系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂およびこれらのシリコーン変性物が好ましく、より具体的には、ポリビニルブチラール、ポリアミド、セルロースアセテートブチレートが好ましい。耐熱活性層がこのような樹脂を含むことにより、転写の安定性を向上させることができ、画像形成時および保護層形成時において、熱転写シートや形成された保護層にシワが生じてしまったり、印画カスが発生してしまったりすることを防止することができる。
耐熱滑性層の耐熱性をより高めるため、上記樹脂のなかでも、水酸基含有樹脂を使用し、さらに架橋剤としてポリイソシアネートを併用することが好ましい。
耐熱滑性層には、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイルなどの滑り性付与剤、界面活性剤などの離型剤、フッ素樹脂などの有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの無機粒子などの各種添加材が含有されていることが好ましい。
耐熱滑性層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、上記樹脂、必要に応じて添加されるイソシアネート化合物、滑り性付与剤、界面活性剤などを、適当な有機溶剤、水に溶解または分散させ、耐熱滑性層用塗工液(溶解液または分散液)を調製する。次いで、これを、公知のコーティング方法により、基材上に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。塗工量は、乾燥時で0.1g/m以上、5g/m以下であることが好ましい。耐熱滑性層の厚さは、0.1μm以上、5μm以下であることが好ましい。
熱転写シートは、所望により、耐熱滑性層と基材との間に、さらに、背面プライマー層を備えていてもよい。熱転写シートが、背面プライマー層を備えていることにより、耐熱滑性層と基材との密着性を高めることができる。背面プライマー層を構成する材料としては、耐熱滑性層と基材との両方に良好な接着性を有するものであれば特に限定されない。背面プライマー層の厚さは、0.05μm以上、10μm以下であることが好ましい。
熱転写シートは、所望により、転写性保護層と基材との間に、さらに離型層を備えていてもよい。離型層とは、基材と転写性保護層との剥離力を調整する層であり、転写後も基材側に残留する。
離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、リン酸エステル、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂などを含むことができる。
離型層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、上記した材料等を、適当な有機溶剤、水に溶解または分散させ、剥離層用塗工液(溶解液または分散液)を調製する。次いで、これを、公知のコーティング方法により、基材の一方の面に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。塗工量は、乾燥時で0.2g/m以上、10g/m以下であることが好ましい。離型層の厚さは、0.2μm以上、10μm以下であることが好ましい。
(被転写体)
被転写体もまた、供給ロールから送り出すことにより、サーマルヘッドとプラテンローラーとの間に供給することができる。本発明に係る方法に用いられる被転写体200は、一実施形態において、基材シート21および受容層22を備える(図2参照)。
また、被転写体200は、基材シート21または後述する多孔質層と受容層22との間に、中間層23を備えていてもよい。また、被転写体200は、所望により、基材シート21の受容層22が設けられる面とは反対の面に、背面層24を備えていてもよい。さらに、被転写体200は、所望により、基材シート21と受容層22との間に、多孔質層を備えていてもよく、基材シート21と多孔質層との間に、アンカー層をさらに備えていてもよい(図示せず)。被転写体を構成する各層について以下に説明する。
基材シートは、受容層を保持する機能を有するが、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。このような基材シートの材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系など)、上質紙、アート紙、コート紙(RC原紙)、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙など、セルロース繊維紙、セルロース紙の表裏をポリエチレンでコートした銀塩写真の印画用紙の基材として使用されるレジンコート紙、あるいは、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの各種プラスチックフィルム又はシートが使用できる。
また、合成樹脂に白色顔料や、充填剤を加えて成膜することにより得られる、内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)も使用できる。
また、上記した材料の任意の組み合わせによる積層体を基材シートとして使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース系繊維紙と合成紙との積層体、或いはセルロース系合成紙とプラスチックフィルムとの積層体が挙げられる。このような積層合成紙は2層体でもよいが、基材の風合いや質感を出すために、セルロース繊維紙(芯材として使用)の両面に合成紙、プラスチックフィルムや多孔質フィルムを貼合した3層体もしくは3層以上の積層体であってもよい。また、コート紙、レジンコート紙、プラスチックフィルムなどの表面上に中空粒子を分散させた樹脂層(中空粒子層)を塗設し、断熱性を付与した積層体であってもよい。
上記の積層体を作製する際における貼合は、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョンなどにより行うことができる。また、上記したような中空粒子層の積層は、グラビアコート、コンマコート、ブレードコート、ダイコート、スライドコート、カーテンコートなどの塗布手段を使用することにより行うことができるが、これらに限定されるものではない。
これらの基材の厚みは、特に限定されるものではなく、通常10μm以上、300μm以下程度の厚みが一般的である。また、上記したような基材は、その表面に形成する層との密着力が乏しい場合には、その表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理などの表面処理を施すのが好ましい。また、中空粒子層を設ける場合、密着性や製造効率の観点からは、スライドコートやカーテンコート法により、受容層またはその他の層と同時に重層塗布することが好ましい。
受容層は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持する為のものである。受容層は、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ビニル系樹脂、塩化ビニル−アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂を含むことができる。
これらの中でも、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂およびポリエステル系樹脂を含むことが好ましい。受容層がこのような樹脂を含むことにより、受容層上に形成される画像の濃度を向上させることができる。
なお、受容層は、これら樹脂材料を2種以上含んでいてもよい。
また、受容層は離型剤を含むことが好ましく、受容層が離型剤を含むことにより、熱転写シートとの離型性を向上させることができる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダーなどの固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応型シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイルなどの各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などが挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型シリコーンオイルとしては反応硬化型、光硬化型、および触媒硬化型などが挙げられるが、反応硬化型および触媒硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。
受容層は、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度をさらに高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、および微粉末シリカなどの顔料や充填剤を含むことができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、およびリン酸エステル化合物などの可塑剤を含んでいてもよい。
受容層の厚みは、所望の画像濃度を発現できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、塗工量は乾燥時で、通常、1g/m以上、20g/m以下であり、好ましくは、1g/m以上、15g/m以下である。受容層の形成方法としては、一般的に行われている塗工手段を用いることができ、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの手段により、塗工し、乾燥することで形成することができる。また、受容層の厚さは、1μm以上、20μm以下であることが好ましく、1μm以上、15μm以下であることがより好ましい。
被転写体は、基材シートと受容層との間に、多孔質層を備えていてもよい。多孔質層は、中空粒子とバインダー樹脂を含む層や、多孔質フィルムにより形成することができるが、クッション性、断熱性などの観点から、多孔質フィルムにより形成することが好ましい。一実施形態において、多孔質フィルムは、ベースとなる樹脂としてポリプロピレン樹脂を含み、内部に微細空隙を有する。
フィルム中に微細空隙を生じさせる方法として、フィルムのベースとなる樹脂に対して非相溶な有機微粒子または無機微粒子(一種類でも複数でもよい)を混練したコンパウンドにより作製する方法などを採用することができる。
多孔質層の厚さは、10μm以上、100μm以下であることが好ましく、20μm以上、50μm以下であることがより好ましい。
被転写体は、所望により、基材シートと多孔質層との間に、アンカー層をさらに備えていてもよい。アンカー層は接着剤からなり、この接着剤としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂などが使用できる。中でもアクリル系樹脂の反応型のものや、変成したものなどが好ましく使用することができる。
また、接着剤は硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、ポリイソシアネートが一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物などを使用することができる。アンカー層の厚さは、塗工量は乾燥時で、0.5g/m以上、10g/m以下であることが好ましい。アンカー層の形成方法としては、一般的に行われている塗工手段を用いることができる。また、アンカー層の厚さは、0.5μm以上、10μm以下であることが好ましく、2μm以上、5μm以下であることがより好ましい。
被転写体は、所望により、受容層と基材シートとの接着性、白色度、クッション性、隠蔽性、帯電防止性、カール防止性などの付与を目的とし、従来公知のあらゆる中間層を設けることができる。
中間層は、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのバインダー樹脂を含むことが好ましく、これらの樹脂のうちの活性水酸基を有するものについてはさらにそれらのイソシアネート硬化物をバインダー樹脂として含んでいてもよい。
また、中間層は、白色性、隠蔽性を付与する為に、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのフィラーを含むことが好ましい。さらに、白色性を高める為にスチルベン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物などの蛍光増白剤を含むことが好ましい。また、画像の耐光性を高める為にヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などの紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤を含むことが好ましい。また、帯電防止性を付与する為にカチオン系アクリル樹脂、ポリアニリン樹脂、各種導電性フィラーなどを含むこともできる。
中間層の塗工量は、特に限定されるものではないが、乾燥状態で0.5g/m以上、30g/m以下程度が好ましい。
被転写体は、所望により、基材シートの受容層が設けられる面とは反対の面に、背面層を備えていてもよい。背面層は、1層のみから構成されるものであってもよいし、組成などが異なる2層以上の層を積層して構成されるものであってもよい。
背面層は、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ロジン変性フェノール系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、ゼラチン、カゼインなどを含んでいてもよい。また、背面層は、セルロース系樹脂、デンプン、寒天などの多糖類などの水溶性高分子を含んでいても良い。なお、水溶性高分子とは、水性溶媒に完全溶解(粒径0.01μm未満)、コロイダルディスパージョン(粒径0.01μm以上、0.1μm未満)、エマルジョン(粒径0.1μm以上、1μm未満)またはスラリー(粒径1μm以上)の状態になる高分子を意味する。
背面層の厚さは特に限定されるものではないが、塗工量は、乾燥時で0.1g/m以上、3.0g/m以下であることが好ましい。背面層の形成方法としては、一般的に行われている塗工手段を用いることができ、例えば、グラビア印刷法などの手段により、塗工し、乾燥することで形成することができる。また、背面層の厚さは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上、3μm以下であることがより好ましい。
(サーマルプリンタ)
サーマルプリンタは、サーマルヘッドと、サーマルヘッドと対向して設けられたプラテンローラーとを備えており、これらの間に熱転写シートおよび被転写体が挟持される。さらに、本発明に用いられるサーマルプリンタは、後述する、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす手段(以下、場合により、「ずらし手段」と表す。)を備える。熱転写シートおよび被転写体は、回転するプラテンローラーによりサーマルヘッドに押し付けられ、その回転に応じて搬送される。この際、熱転写シートの色材層と、被転写体とが相対している。
図3に表すように、サーマルヘッド52は、複数の発熱部30を備え、これらは略平行に延在する。また、サーマルヘッドが備える発熱部同士の間隔であるドットピッチpは各サーマルヘッド毎に規定されている。サーマルヘッドの解像度も各仕様毎に規定されており、ドットピッチpを基準にサーマルヘッドと被転写体との位置関係をずらす距離qを調整することにより、得られる画像および保護層表面の平滑性および光沢性を向上させることができる。なお、本発明において「ドットピッチp」とは、ある発熱部の中心と、この発熱部と隣り合う発熱部の中心との距離を示す(図3参照)。
<画像形成工程>
画像データに応じて、サーマルヘッドを発熱させ、熱転写シートが備える色材層中の色材を被転写体に転写させることにより、所望により受容層を備える被転写体上に画像を形成させることができる。なお、色材層の転写は、1回または2回以上行うことができる。転写を2回以上行うことにより、高精細なフルカラーの画像を形成することができる。
<保護層形成工程>
サーマルヘッドを発熱させ、熱転写シートが備える転写性保護層を、被転写体に形成された画像上に転写させることにより、画像上に保護層を形成させることができる。
<ずらし工程>
本発明にかかる方法は、色材層を少なくとも1回転写した後、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす(移動させる)工程(以下、場合により「ずらし工程」と表す。)を備える。本発明に係る方法が含むずらし工程により、従来は固定されていた被転写体上における加熱位置を、変更することができる。その結果、被転写体表面に伝達される熱エネルギー分布の均一性を向上させることができ、画像および保護層表面の平滑性および光沢性を向上させることができる。
一実施形態において、サーマルヘッドと被転写体との位置関係は、ずらし手段、例えば、ステッピングモーターを使用し、サーマルヘッドの位置をずらすことにより、変更することができる。また、例えば、画像形成後、サーマルヘッドの位置を、主走査方向と略平行方向に移動させるよう、ずらし手段を設定しておくことにより、本工程を実施することができる。
さらに、ステッピングモーター等を使用して被転写体の位置をずらしてもよく、サーマルヘッドおよび被転写体の位置を共にずらしてもよい。
なお、本発明において、「主走査方向と略平行方向」とは、図4に示すx方向のことを指し、垂直方向などは含まれない。なお、図4におけるyは、熱転写シート100および被転写体200の搬送方向(副走査方向)を表す。
ずらし工程は、色材層を少なくとも1回転写した後であれば、2回目以降の色材層の転写前後、色材層の転写後(画像の形成後)であって、保護層の転写前後のいずれの時点においても行うことができるが、画像欠陥発生防止、操作の容易性という観点から、色材層の転写後であって、転写性保護層の転写前に行うことが好ましい。
また、サーマルヘッドと被転写体との位置関係をずらす距離qは、サーマルヘッドのドットピッチをpとしたとき、下記式(1)で表されることが好ましい。下記式を満たすことにより、画像および保護層表面の平滑性および光沢性をさらに向上させることができる。
0.4≦q/p≦0.6 (1)
次に、図5を用いて、一実施形態における被転写体200上に画像および保護層を形成する方法を説明する。まず、被転写体200は、供給ローラー50から、熱転写シート100は、供給ロール51から送り出される。これらは、熱転写シート100の色材層および転写性保護層と、被転写体200と、が重なるように圧接可能に配設されたサーマルヘッド52とプラテンローラー53との間に搬送される。次いで、画像データに応じてサーマルヘッド52を発熱させて、熱転写シート100中の色材層に含まれる色材を、被転写体200に転写することにより、受容層上に画像が形成される。次いで、サーマルヘッド52を、ステッピングモーター54により、主走査方向(サーマルヘッド52が備える発熱部の配列方向)と略平行方向にずらす。サーマルヘッドの位置をずらした後、熱転写シート100上の転写性保護層を、画像上に移行させることにより、画像上に保護層が形成される。その後、熱転写シート100および被転写体200は、それぞれ巻取ロール56、55に巻き取られる。
<画像および保護層形成装置>
一実施形態において、画像および保護層形成装置は、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす手段と、を備える。また、一実施形態において、画像および保護層形成装置は、サーマルヘッドおよびこのサーマルヘッドと対向して設けられたプラテンローラーを備えてなり、さらにサーマルヘッドは、略平行に延在する(配列された)複数の発熱部を有し、(1)複数の色材層と、転写性保護層とを面順次に備えた熱転写シートを、サーマルヘッドとプラテンローラーとの間に供給する手段と、(2)熱転写シートの色材層をサーマルヘッドの熱により転写して、被転写体上に画像を形成する手段と、(3)熱転写シート上の転写性保護層をサーマルヘッドの熱により転写して、被転写体上に保護層を形成する手段と、(4)色材層を少なくとも1回転写した後、サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす手段とを備える。熱転写シートや被転写体などの好ましい態様については、上記した通りであるのでここでは省略する。
<熱転写シートの作成>
基材として厚さ4.5μmポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を乾燥時の塗工量が、0.8g/mになるように塗工し、耐熱滑性層を形成させた。
(耐熱滑性層用塗工液)
・ポリビニルブチラール(水酸基価16質量%) 2.0質量部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレック(登録商標)BX−1)
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 4.4質量部
(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:バーノック(登録商標)D750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3質量部
(第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフ(登録商標)A208N)
・フィラー 0.3質量部
(日本タルク工業(株)製、商品名:ミクロエース(登録商標)P−3)
・メチルエチルケトン 43.6質量部
・トルエン 43.6質量部
上記基材の耐熱滑性層を設けた側とは反対の面の一部に、下記組成の色材プライマー層用塗工液をグラビアコート法により、乾燥時の塗工量が0.10g/mになるように塗工、乾燥して色材プライマー層を形成させた。
(色材プライマー層用塗工液)
・アルミナゾル(平均一次粒子径10nm×100nm、固形分10%) 30質量部
(日産化学工業(株)製、商品名:アルミナゾル200)
・ポリビニルピロリドン 3質量部
(ISP社製、商品名:K−90)
・水 50質量部
・イソプロピルアルコール 17質量部
続いて、その色材プライマー層上に、下記組成のイエロー色材層用塗工液(Y)、マゼンタ色材層用塗工液(M)、およびシアン色材層用塗工液(C)を、グラビア印刷機により、各層の乾燥時塗工量が0.6g/mになるように塗工、乾燥して、この順に面順次に繰返して色材層を形成させた。
(イエロー色材層用塗工液(Y))
・Disperse Yellow 201 4.0質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5質量部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレック(登録商標)KS−5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
(マゼンタ色材層用塗工液(M))
・Disperse Red 60 1.5質量部
・Disperse Violet 26 2.0質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5質量部
(積水化学工業(株)、商品名:エスレック(登録商標)KS−5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
(シアン色材層用塗工液(C))
・Solvent Blue 63 2.0質量部
・Disperse Blue 354 2.0質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5質量部
(積水化学工業(株)、商品名:エスレック(登録商標)KS−5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
基材の上記の各色材層を形成した残りの部分に、下記組成の剥離層用塗工液を、乾燥時塗布量が1.0g/mになるよう塗布し、乾燥して剥離層を形成させた。
(剥離層用塗工液)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 100質量部
(三菱レイヨン(株)製、商品名:BR−87)
・メチルエチルケトン 306質量部
下記組成のプライマー層塗工液を剥離層上に、乾燥塗布量が0.2g/mになるよう塗布し、乾燥してプライマー層を形成させた。
(プライマー層用塗工液)
・アルミナゾル(平均一次粒子径10nm×100nm、固形分10%) 30質量部
(日産化学工業(株)製、商品名:アルミナゾル200)
・ポリビニルピロリドン 3質量部
(ISP社製、商品名:K−90)
・水 50質量部
・イソプロピルアルコール 17質量部
プライマー層上に、下記組成の接着層塗工液を乾燥時塗布量が1.0g/mとなるように塗布し、乾燥して接着層を形成させた。
(接着層用塗工液)
・ポリエステル系樹脂 23.5質量部
(東洋紡績(株)製、商品名:バイロン(登録商標)700)
・UVA化合物 6質量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン900)
・シリカ 0.5質量部
(富士シリシア化学(株)製、商品名:サイシリア310P)
・トルエン 35質量部
・メチルエチルケトン 35質量部
<被転写体の作成>
多孔質ポリエチレンフィルム(厚さ35μm、東洋紡績(株)製、商品名:トヨパール(登録商標)−SS P4255)からなる多孔質層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗工、乾燥して、中間層、受容層を形成させた。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成のアンカー層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗工、乾燥して、アンカー層を形成させ、RC原紙(155g/m、厚さ151μm、三菱製紙(株)製)と貼り合わせて被転写体を得た。上記の各々の乾燥塗工量は、中間層は1.5g/m、受容層は5.0g/m、アンカー層は5g/mであった。
(中間層用塗工液)
・ポリエステル系樹脂 50質量部
(日本合成化学工業(株)製、商品名:ポリエスター(登録商標)WR−905)
・酸化チタン 20質量部
(トーケムプロダクツ(株)製、商品名:TCA888)
・蛍光増白剤 1.2質量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:ユビテックスBAC)
・水 14.4質量部
・イソプロピルアルコール 14.4質量部
(受容層用塗工液組成)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60質量部
(日信化学工業(株)製、商品名:ソルバイン(登録商標)C)
・エポキシ変性シリコーン 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T)
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部質量
(信越化学工業(株)製、商品名:X−24−510)
・メチルエチルケトン 2.5質量部
・トルエン 2.5質量部
(アンカー層用塗工液)
・ポリウレタン系樹脂 30質量部
(三井化学(株)製、商品名:タケラック(登録商標)A−969V)
・ポリイソシアネート 10質量部
(三井化学(株)製、商品名:タケネート(登録商標)A−5)
・酢酸エチル 100質量部
<画像および保護層の形成>
(実施例1)
図5に表すサーマルプリンタ500(階調制御方式;1ライン周期を256になど分割したパルス長をもつ分割パルス数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式)において、上記得られた熱転写シート100を供給ロール51から、被転写体200を供給ローラー50から送り出し、両者を、熱転写シート100の色材層(図示せず)および転写性保護層(剥離層、プライマー層および接着層)と、被転写体200の受容層と、が重なるように圧接可能に配設されたサーマルヘッド52とプラテンローラー53との間に供給した。用いたサーマルヘッド(京セラ(株)製、商品名:KEE−57−12GAN2−STA)は、略平行に延在する複数の発熱部を備えたものであり、ドットピッチpは84μmであった。
次いで、画像データに応じてサーマルヘッド52を発熱させ、熱転写シート100中の色材層に含まれる色材を、被転写体200の受容層に移行させ、受容層上に画像を形成させた。なお、サーマルプリンタの条件は下記の通りとした。

発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi )
印画電圧:22.5(V)
1ライン周期:3.0(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスデューティー:85%
サーマルヘッド52の位置を、主走査方向と略平行方向に34μm(ドットピッチpの約0.4倍)移動させるよう設定したステッピングモーター54により、画像形成後、サーマルヘッド52の位置を移動させた。
次いで、熱転写シート100上の転写性保護層を、画像上に移行させ、画像上に保護層を形成させた。なお、サーマルプリンタの条件は下記の通りとした。

発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印画電圧:18(V)
1ライン周期:3.0(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスデューティー:85%
サーマルヘッド52とプラテンローラー53の間を通過した被転写体200を巻取ロール55により、熱転写シート100を巻取ロール56により巻き取った。
(実施例2)
サーマルヘッド52の位置を、主走査方向と略平行方向に50μm(ドットピッチpの約0.6倍)移動させるよう、ステッピングモーター54を設定した以外は、実施例1と同様にして、画像上に保護層を形成させた。
(実施例3)
サーマルヘッド52の位置を、主走査方向と略平行方向に25μm(ドットピッチpの約0.3倍)移動させるよう、ステッピングモーター54を設定した以外は、実施例1と同様にして、画像上に保護層を形成させた。
(実施例4)
サーマルヘッド52の位置を、主走査方向と略平行方向に60μm(ドットピッチpの約0.7倍)移動させるよう、ステッピングモーター54を設定した以外は、実施例1と同様にして、画像上に保護層を形成させた。
(比較例1)
ステッピングモーター54を備えないサーマルプリンタを使用した以外は、実施例1と同様にして被転写体が備える受容層上に画像および保護層を形成させた。
<<光沢度試験>>
実施例および比較例1で形成させた画像上の保護層の光沢度を、日本電色工業(株)製のGloss Meter VG2000により測定した。なお、測定角は20度とした。測定方法は2種類設定し、被転写体の搬送方向を副走査方向、その90°回転方向を主走査方向とした。表1にJIS Z 8741(1997年発行)で定義される測定角20°における鏡面光沢度を表す。
<<平滑度試験>>
実施例および比較例1で形成させた画像上の保護層のヘイズ値を、JIS K 7136(2000年発行)に準拠し、BYK−Gardner(GmbH)社製のマイクロ−ヘイズ プラスを用いて測定した。この測定では測定物表面に照射された光の正反射外の拡散光を検出している。測定値が低くなれば、拡散光の少ない平滑な表面であることを示す。今回は印画物表面の平滑性を判定する値として用いている。なお、ヘイズ値の測定角は2度とした。測定方向は2種類設定し、被転写体の搬送方向を副走査方向、その90°回転方向を主走査方向とした。表1に測定角2°におけるヘイズ値を表す。
Figure 0006798201
10:基材
11:色材層
12:転写性保護層
13:色材プライマー層
14:剥離層
15:プライマー層
16:接着層
17:耐熱滑性層
21:基材シート
22:受容層
23:中間層
24:背面層
30:発熱部
50、51:供給ローラー
52:サーマルヘッド
53:プラテンローラー
54:ステッピングモーター
55、56:巻取ロール
100:熱転写シート
200:被転写体
p:ドットピッチ
x:主走査方向(発熱部の配列方向)と略平行方向
y:熱転写シートおよび被転写体の搬送方向(副走査方向)

Claims (3)

  1. 被転写体上に熱転写により画像および保護層を形成する方法であって、
    複数の色材層と、転写性保護層とを面順次に備えた熱転写シートを、サーマルプリンタが備える複数の発熱部が略平行に延在して配列されたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドと対向して設けられたプラテンローラーと、の間に供給する工程と、
    前記熱転写シートの色材層を前記サーマルヘッドの熱により転写して、前記被転写体上に画像を形成する工程と、
    前記熱転写シートの転写性保護層を前記サーマルヘッドの熱により転写して、前記被転写体上に保護層を形成する工程と、
    前記色材層を少なくとも1回転写した後、前記サーマルヘッドと前記被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす工程と、を含み、
    前記サーマルヘッドと前記被転写体との位置関係を、主走査方向と略平行方向にずらす工程が、前記色材層の転写後であって、前記転写性保護層の転写前に実施され、
    画像形成時における前記サーマルヘッドの前記被転写体加熱位置と、保護層形成時における前記サーマルヘッドの前記被転写体加熱位置とが、一致しないことを特徴とする、画像および保護層形成方法。
  2. 前記サーマルヘッドが備える複数の発熱部のドットピッチをp、
    前記サーマルヘッドと前記被転写体との位置関係をずらす距離をqとしたとき、下記式(1)が成立する、請求項1に記載の画像および保護層形成方法。
    0.4≦q/p≦0.6 (1)
  3. 略平行に延在する複数の発熱部を備えるサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドと被転写体との位置関係を、画像形成時における前記サーマルヘッドの前記被転写体加熱位置と、保護層形成時における前記サーマルヘッドの前記被転写体加熱位置とが、一致しないように、主走査方向と略平行方向にずらす手段と、を備えることを特徴とする、画像および保護層形成装置。
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