JP5169407B2 - 画像形成装置、表面性改質シートおよび画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置、表面性改質シートおよび画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置、表面性改質シートおよび画像形成方法に関する。
現在、ライン型サーマルプリンタとして、主に昇華方式、溶融方式、感熱方式が知られている。
上記プリンタで使用されるサーマルヘッドには、複数の発熱素子(抵抗素子)がライン状に配列されており、これら複数の発熱素子に階調レベルに応じて選択的に通電を行い、その際に発生する熱エネルギーを利用して各種記録用紙に印画を行なうようになっている。
昇華方式の場合、プラテンに搬送されたインクリボンと記録用紙を、サーマルヘッドによって挟持して、サーマルヘッド内の発熱素子を選択的に通電駆動し、インクリボン上のインクを昇華させて記録用紙上に転写することで印画が行われる。前記インクリボンは、一般的に供給リールおよび巻取りリールに巻回されたものとなっており、その搬送方向に沿って異なる複数色のインク層と、保護材層(L)がベースフィルム上に順次繰り返し形成された構成となっている。上記インク層は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インク層を有する。
上記保護材層は、記録用紙上に転写された上記インク層による画像を保護するためのもので、熱転写によって上記画像上に透明フィルム層を形成し、画像の耐薬品・溶剤性、耐油脂性および耐摩擦性等を向上させることが可能である。また、画像の表面光沢性を高め、品質も向上させることが可能となっている。
また、保護材層を転写する段階でサーマルヘッドへの印加エネルギーを制御したり、特定パターンに基づいて転写を行えば、艶消しや絹目調の表現も可能であり、これによってユーザーの好みに応じた表面性状を選択することができる。
しかし、上記保護材層は、熱転写シートのベースフィルム上に形成された平滑性の十分ではない剥離層より剥がれ、その剥離面が印画物の表面となるように転写されるものであることから、その光沢性は銀塩写真と比較すると劣るレベルであった。
この課題に関し、上記表面光沢性の向上を含め、所望の表面性状を印画物に付与できるようにした表面性改質技術が開示されている。
その表面性改質技術の一つ(第1従来技術)としては、原稿の画像情報(輝度、画像の濃度、画像の色調、画像の大きさおよびこれらの組み合わせ)に合わせてシート体の表面に光沢の分布を設け、画像プリントに立体感を付与している。
像様加熱手段と複数の当接部材の面性状を組み合わせることにより、シート体の凹凸形状を制御することができ、その結果シート体表面に所望の光沢度の分布を得ることが可能とされる。当接部材(無端ベルト)の表面を鏡面とすれば、加熱された部分の光沢度が向上し、それ以外の部分は普通の光沢度のままとなり、画像に立体感を付与することが可能になるとされている(例えば、特許文献1参照。)。
また上記技術の一つ(第2従来技術)として、シート体予加熱部で加熱されたシート体に当接部材の面性状を転写するシート体加熱手段と、前記シート体を前記当接部材に当接させた状態で該シート体を冷却させるシート体冷却手段とを有する構成が開示されている。
この技術では、上記当接部材に無端ベルトを採用しており、その表面が所望の面性状(光沢面、マット面及びエンボス面のいずれか)に仕上げられている。これにより、手持ちの記録画像を所望の表面光沢度(高光沢、中光沢、マットなど)を有する画像に容易に変更させることができるとしている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、上記技術の一つ(第3従来技術)として、印画位置で記録用紙と表面性改質シートとインクリボンを順に積み重ねるように挟持して、加圧・加熱処理を行なう構成がある。この技術では、上記表面性改質シートの一部分には開口部が設けられ、インクリボンに対し加圧・加熱する際に用いられるよう工夫されている。
つまり、印画およびラミネート(保護層の形成)処理を行う時は、上記開口部をサーマルヘッドに対向するように位置合わせすることで熱転写シートが記録用紙に直接接触するようになる。また、転写された保護材層の表面状態を改質する時は、上記表面性改質シートの所望の部分を使用してインクリボンを介したまま同一のサーマルヘッドで加圧・加熱処理すればよい。その際に、熱転写シートが保護材層の使用済み部分に位置合わせされるようにすれば、熱転写シートの送り(巻き戻し)に要する時間が最短であり、迅速にセットを完了させることができる。また、上記保護材層は全面的に記録用紙に転写されるため、その使用済み部分は均一に消費された状態であり、好都合でもある。
この技術は、インクリボンに対しての加圧・加熱処理と、表面性改質シートに対しての加圧・加熱処理が同一のサーマルヘッドで行えるため、他の技術と比較して簡単な構成となっており、それに伴って装置の小型化、低コスト化等も期待できるものとなっている。
上記第3従来技術では、表面性改質処理のタイミングでは、懸念される点も残る。このタイミングにおいては、前述したように保護材層(もしくはインク層)の使用済みの部分と表面性改質シートとが重なり合って加圧・加熱処理される。
上記使用済み部分は、保護材層が転写によってベースフィルムから大部分が剥離される。このため、その下の剥離層が広範囲に露出した状態となっている。もともと保護材層の形成範囲は、余裕部分が配慮され、適用される用紙サイズよりも若干大きめの領域となっている。したがって厳密には、図6に示すように、熱転写シート30の保護材層35では、使用済み部分であっても転写範囲の及ばなかった端辺部では、どうしても斜線部で示す抜け残り部分39が生じてしまう。
そして、上記保護材層35の抜け残り部分39のある状態で、上記表面性改質処理が行われた場合、上記保護材層35の抜け残り部分39が表面性改質シートに転写されてしまい、不具合を引き起こすおそれがある。
より具体的には、加圧・加熱処理によって表面性改質シートと熱転写シートとが保護材層の抜け残り部分で貼り付いてしまい、表面性改質処理後における剥離不良を引き起こす。
また、転写によって表面性改質シート側に付着した保護材層の抜け残り部分が繰り返し処理により堆積し、記録用紙に対して均一な加圧・加熱処理ができなくなる。
これらの不具合により、例えば所望の光沢性が得られない、艶消しの状態にムラがあるなど、表面性改質処理不良となってしまい、長期安定性に懸念がある。
一方、表面性改質シートを他との接着性が低いポリイミドフィルム(例えば、ユーピレックス:宇部興産社製)で形成すれば、表面性改質処理時に保護材層がある程度軟化した状態で密着した状態になっても、転写されにくくすることができる。
ところが、同じ保護材層ではあるが、インクリボン上に残ったラミネート層の抜け残り部分の場合とでは、状況が異なる。
一般的に、画像形成後の記録用紙上への安定したラミネート性を得るために、ラミネート層は2層以上の構成にしたものを用いる。すなわち、ベースフィルムに対し最上部の層(L3層)には、保護層を形成(ラミネートする)する際に記録用紙と接着性に優れた材料を用い、剥離層と接する最下層(L2層)には、剥離層との剥離しやすい材料を用いることで、記録用紙の画像形成面に安定した保護材層を形成し、かつ熱転写シートとの剥離性にすぐれた状態を得ることを可能としている。
印画物の表面性改質処理時にポリイミドフィルムが接する保護材層は、L2層であり、この層とポリイミドは貼り付きにくい状態である。しかし、熱転写シート側に残る保護材層の抜け残り部分がポリイミドフィルムと接する層は、接着性に優れたL3層である。このため、接着性が低いポリイミドを使用した場合でも、周囲環境の変動や繰り返し処理などの影響により表面性改質シート側に転写されてしまうこともあり、万全とはいえない。
特開2005−219388号公報 特開2004−279568号公報
解決しようとする問題点は、熱転写シートに形成された保護材層を被記録媒体に熱転写した後に、熱転写シートに保護材層の抜け残り部分のある状態で、表面性改質処理が行われた場合、上記保護材層の抜け残り部分が表面性改質シートに転写されてしまう。より具体的には、加圧・加熱処理によって表面性改質シートと熱転写シートとが保護材層の抜け残り部分で貼り付いてしまい、表面性改質処理後における剥離不良を引き起こす。
本発明は、表面性改質シートを用いて被記録媒体に形成された保護層表面の表面性改質処理が行われた場合、表面性改質シートと熱転写シートとが保護材層の抜け残り部分で貼り付くのを防止して、表面性改質処理後の表面性改質シートと熱転写シートとの剥離を容易にする。
本発明の画像形成装置は、被記録媒体を所定方向に搬送する搬送手段と、前記被記録媒体の表面に、熱転写して画像を形成するインク層と、熱転写してその画像を保護する保護層を形成する保護材層とを有する熱転写シートと、前記熱転写シートを走行させる熱転写シート走行手段と、前記熱転写シートが前記被記録媒体の表面に直接接触するように設けられた印画用開口と、前記被記録媒体に形成された画像を保護する保護層の表面状態を改質する表面性改質部とを有する表面性改質シートと、前記表面性改質シートを移動させる改質シート移動手段と、前記被記録媒体の表面に前記熱転写シートのインク層または保護層を熱転写させるサーマルヘッドとを備え、前記表面性改質シートの少なくとも前記熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層が形成されている。
本発明の画像形成装置では、表面性改質シートの少なくとも熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層が形成されている。これによって、保護層の表面性改質処理時に、熱転写シートの保護材層(もしくはインク層)の使用済みの部分と表面性改質シートとが重なり合って加圧・加熱処理されても、貼り付きにくくなる。このため、使用済み部分の熱転写シートの抜け残り部分が表面性改質シートの裏側に転写されることが防止される。つまり、表面性改質シートと熱転写シートとの貼り付きによる、表面性改質処理後の剥離不良を防ぐとともに、表面性改質シート側に付着した抜け残り部分を堆積させないようにすることが可能となる。
本発明の表面性改質シートは、被記録媒体の表面に熱転写によって画像およびその画像を保護する保護層を形成する熱転写シートを該被記録媒体の表面に直接接触させるための印画用開口と、前記被記録媒体に形成された画像を保護する保護層の表面を改質する表面性改質部とを有し、少なくとも前記熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層が形成されている。
本発明の表面性改質シートでは、表面性改質シートの少なくとも熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層が形成されている。これによって、保護層の表面性改質処理時に、熱転写シートに形成されている保護材層(もしくはインク層)の使用済みの部分と表面性改質シートとが重なり合って加圧・加熱処理されても、貼り付きにくくなる。このため、使用済み部分の熱転写シートの抜け残り部分が表面性改質シートの裏側に転写されることが防止される。つまり、表面性改質シートと熱転写シートとの貼り付きによる、表面性改質処理後の剥離不良を防ぐとともに、表面性改質シート側に付着した抜け残り部分を堆積させないようにすることが可能となる。
本発明の画像形成方法は、被記録媒体と、前記被記録媒体の表面に熱転写して画像を形成するインク層と熱転写してその画像を保護する保護層を形成する保護材層とを有する熱転写シートとの間に、前記熱転写シートが前記被記録媒体の表面に直接接触するように設けられた印画用開口と、前記被記録媒体に形成された画像を保護する保護層の表面状態を改質する表面性改質部とを有する表面性改質シートを挟み、前記被記録媒体と前記表面性改質シートと前記熱転写シートを所定の方向に走行させ、前記印画用開口に前記熱転写シートのインク層と前記被記録媒体の画像形成位置を合わせて前記インク層を前記被記録媒体に熱転写して画像を形成し、前記印画用開口に前記熱転写シートの保護材層と前記被記録媒体に形成された画像の位置を合わせて前記保護材層を被記録媒体に熱転写して保護層を形成し、前記熱転写シート側から前記表面性改質部を前記保護層に押し当てて加熱して前記保護層の表面を改質するとき、前記表面性改質シートの少なくとも前記熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層を形成しておく。
本発明の画像形成方法では、表面性改質シートの少なくとも熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層を形成しておく。この非粘着処理層の形成によって、保護層の表面性改質処理時に、熱転写シートの保護材層(もしくはインク層)の使用済みの部分と表面性改質シートとが重なり合って加圧・加熱処理されても、貼り付きにくくなる。このため、使用済み部分の熱転写シートの抜け残り部分が表面性改質シートの裏側に転写されることが防止される。つまり、表面性改質シートと熱転写シートとの貼り付きによる、表面性改質処理後の剥離不良を防ぐとともに、表面性改質シート側に付着した抜け残り部分を堆積させないようにすることが可能となる。
本発明の画像形成装置によれば、表面性改質シートと熱転写シートとの貼り付きが防止できるため、表面性改質処理後に表面性改質シートと熱転写シートとを容易に剥離できるという利点がある。また表面性改質シート側に付着した抜け残り部分が堆積されることがないので、保護層の表面を所望の表面状態(例えば、光沢性、絹目調もしくはマット調など)に品質よく改質できるという利点がある。また、表面性改質処理を繰り返し行うことができ、耐久性不足が解消されるようになる。
本発明の表面性改質シートによれば、表面性改質シートと熱転写シートとの貼り付きが防止できるため、表面性改質処理後に表面性改質シートを熱転写シートから容易に剥離できるという利点がある。また表面性改質シート側に付着した抜け残り部分が堆積されることがないので、保護層の表面を所望の表面状態(例えば、光沢性、絹目調もしくはマット調)に品質よく改質できるという利点がある。また、表面性改質処理を繰り返し行うことができ、耐久性不足が解消されるようになる。
本発明の画像形成方法によれば、表面性改質シートと熱転写シートとの貼り付きが防止できるため、表面性改質処理後に表面性改質シートを熱転写シートから容易に剥離できるという利点がある。また表面性改質シート側に付着した抜け残り部分が堆積されることがないので、保護層の表面を所望の表面状態(例えば、光沢性、絹目調もしくはマット調)に品質よく改質できるという利点がある。また、表面性改質処理を繰り返し行うことができ、耐久性不足が解消されるようになる。
本発明の実施の形態の一例を、図1の画像形成装置の主要部の概略構成図、図2のインクリボンの平面図および断面図によって説明する。図1では、画像形成装置の一例として昇華式サーマルプリンタ装置を示す。
図1および図2に示すように、画像形成装置1の主要部には、被記録媒体51の表面に熱転写シート30のインク層33または保護材層35を熱転写させるサーマルヘッド11が備えられている。上記熱転写シート30は、一般にインクリボンともいう。以下、インクリボンとして説明する。また、被記録媒体51には、例えば記録用紙を用いる。以下、記録用紙として説明する。
上記サーマルヘッド11は、その内部に設けた発熱素子(図示せず)に通電したときの発熱エネルギーを利用して、インクリボン30に形成されたインク層33を熱転写させ、記録用紙51上に転写させて画像を形成する。またインクリボン30に形成された保護材層35を画像上に熱転写させ、保護層(図示せず)を形成するものである。
また、記録用紙51はロール形状を成して所定の場所にセットされており、必要に応じてそこから引き出して搬送される。引き出された記録用紙51は、用紙搬送路によって導かれ、上記サーマルヘッド11に対向して設けられた印画を行なうプラテンローラ12上を通り、印画終了後、さらに下流側のカッターにて所定の長さにカットされ、排紙口に排紙される。
すなわち、上記記録用紙51は、その搬送手段13となる、例えばピンチローラ14とキャプスタン15によって挟持され、それらの正逆回転駆動によって前後に給送される。
また、本図では、上記被記録媒体(記録用紙)51は、ロール紙であるとして説明したが、ロール紙に限定されず、例えばカット紙などの非ロール状の形態の記録用紙であってもよい。そしてカット紙などの非ロール紙を用いた画像形成装置では、被記録媒体(記録用紙)51のカットが不要となるので、上記カッターを設ける必要はない。
一方、インクリボン30は、熱転写シート走行手段16によって、プラテンローラ12上へ給送される。具体的には、インクリボン30は、供給リール17から引き出されると、各ガイドローラ(図示せず)に導かれて、印画を行なうプラテンローラ12上を通り、巻取りリール18へ順次給送される。これらが熱転写シート走行手段16となっている。
ここで、上記インクリボン30について、図2の平面図および断面図によって詳述する。
図2(1)、(2)に示すように、上記インクリボン30は、ベースフィルム31上に、易接着層32を介して、その搬送方向に沿ってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のインク層33(33Y)、33(33M)、33(33C)が形成され、、さらに剥離層34を介して透明な保護材層35(L)が順次周期的に形成された構成となっている。各インク層33は、例えば昇華性染料からなる。
また上記保護材層35(L)は、上記インク層33(Y)、33(M)、33(C)に続いて配置されている。この保護材料35(L)層は、例えば透明なラミネート樹脂を塗布して形成されている。上記保護材層35(L)は、上記インク層33が記録用紙上に転写され、画像が形成された後に続いて熱転写されることで、その画像の保護層となり、耐薬品・溶剤性、耐油脂性及び耐摩擦性等を向上させることが可能となっている。
この保護層形成処理(ラミネート処理)を施すことによって、画像の表面光沢性を高め、画像品質も向上させることが可能となっている。
また上記ベースフィルム31の裏面側には、印画時や表面性改質処理時のサーマルヘッドとインクリボンとの摩擦を下げ、インクリボンの安定した走行をさせることなどを主目的とした耐熱滑性層37が形成されている。
上記インクリボン30には、保護材層(保護層を形成する層)35(L)のベースフィルム31側に、易接着層32が形成され、この易接着層32上に剥離層34が形成されているため、記録用紙(図1参照)に熱転写する際の転写性が向上される。すなわち、記録用紙への転写時には、上記剥離層34と保護材層35(L)との界面で剥離が起こり、剥離層34はインクリボン30側に残り、保護材層35(L)のみが記録用紙に熱転写され、記録用紙に記録された画像を保護する。
また、画像形成装置1には、前記図1に示すように、前記記録用紙51とインクリボン30との間を介入するようにして表面性改質シート40が備えられている。表面性改質シート40は、保護層が被覆された印画物の表面状態を改質するものである。
例えば、図3(1)の平面図および図3(2)の断面図に示すように、リボン状の基材シート41に、上記インクリボン30(前記図1、図2参照)が記録用紙51(前記図1参照)表面に直接接触するように設けられた印画用開口部42が形成されている。さらに、記録用紙51に形成された画像を保護する保護層の表面状態を改質するための表面性改質部43、44が、基材シート41の長手方向に並んで形成されている。
上記基材シート41は、例えばポリイミドフィルムで形成されている。当然、他の種類の樹脂フィルムで形成されていてもよい。
また、表面性改質シート40の少なくとも上記インクリボン30と接触する側の面には、非粘着処理層45(図示せず)が形成されている。この非粘着処理層45については、後に詳述する。
また、前記図1に示すように、表面性改質シート40は、改質シート移動手段19によりインクリボン30と記録用紙51との間に給送される。この改質シート移動手段19は、例えば、上記インクリボン30と同様に、専用の供給リール20と巻取りリール21とで構成されている。
そして、上記表面性改質シート40は、供給リール20と巻取りリール21との間に張り渡されており、それらの駆動によって前進もしくは後退するとともに、装置に対し着脱することもできる。
上記画像形成装置1では、印画の際は、上記サーマルヘッド11が印画位置に移動して、インクリボン30とともに記録用紙51を挟持して、プラテンローラ12に圧接させた状態となる。
その時、上記表面性改質シート40は、その印画用開口部42がサーマルヘッド11の直上となるように位置合わせさている。
つまり、上記サーマルヘッド11は上記印画用開口部32を介することでインクリボン30に直接接触し、加圧・加熱することが可能になる。
そして印画データが入力されると、記録用紙51の給送を行なうごとにサーマルヘッド11内の発熱素子を選択的に通電駆動し、インクリボン30上のインクを昇華させることで記録用紙51上に転写して画像が形成される。
カラー印画の場合、印画はインク色ごとに実行されるため、インクリボン30が給送されて転写する色を変更するごとにピンチローラ14とキャプスタン15を逆転させて記録用紙51を逆送りさせ、印画開始地点に戻すようになっている。各インク色の転写が終了したら、引き続きインクリボン30を給送し、保護材層35の転写に移行する。
上記画像形成装置1では、印画および保護層の形成処理の次に、上記保護層表面の表面性改質処理を施すことが可能である。
保護層を形成することによって、画像の表面光沢性を高めることができるものの、厳密には保護層がインクリボン30のベースフィルム31上に形成された平滑性の十分ではない剥離層24より剥がれ、その剥離面が印画物(保護層)の表面となるように転写されるものであることから、光沢性がまだ十分とはいえないレベルである。
そこで表面性改質処理を施せば、銀塩写真にひけを取らない光沢性を得ることが可能になる。ここで実施される表面性改質処理は、所望の表面性状を有する表面性改質シート40を上記保護層の形成処理がなされた記録用紙51に押し当てた状態で、加熱処理を行い、上記保護層の表面に、表面性改質シート40の表面性改質部43または表面性改質部444の表面性状を転写するものである。
例えば、図4に示すように、表面が平滑な鏡面に形成された表面性改質シート40を利用して処理した場合は、印画物(保護層)の表面光沢性を高めることができる。
例えば、図4(1)に示すように、記録用紙51上にインクリボンのインク層(前記図2参照)を転写して画像形成層52を形成する。さらに、インクリボンの保護材層(前記図2参照)を転写して保護層53を形成する。
前記図1によって説明したように、表面性改質シート40は、記録用紙51とインクリボン30との間を介入するようにして移動可能に備えられている。
例えば、印画(画像形成)および保護層形成処理を終えた印画物の表面を超光沢面とする場合、まず保護層形成処理された印画面と、表面性改質シート40の表面性改質部43(鏡面)とが、双方のローラの駆動によって位置合わせされる。
このとき、インクリボン30は表面性改質処理に際しては役目がないため、直前に使用された保護材層の使用済み部分に位置合わせされる。こうすれば、インクリボン30の送り(巻き戻し)に要する時間が最短であり、迅速にセットを完了させることができる。また、上記保護材層は全面的に記録用紙51に転写されるため、その使用済み部分は均一に消費された状態であり、この点からも好都合である。
このようにして、記録用紙51、表面性改質シート40、インクリボン30の位置合わせが完了したら、図4(2)に示すように、上記保護層53上に表面性改質シート40を加熱しながら加圧する。
これは、通常の印画時と同様に、サーマルヘッド11とプラテンローラ12とにより加圧し、記録用紙51の保護層53の温度が約70℃〜120℃程度になるように加熱した状態で、それら(記録用紙51および表面性改質シート40およびインクリボン30)を同時に移動させながら表面性改質処理を行う。
すると、図4(3)に示すように、印画物表面の上記保護層53がガラス転移温度近傍の温度となって、やや軟化した状態にて表面性改質部43と密着した状態となるため、上記保護層53の表面状態が表面性改質部43の接触面の表面状態にならった表面性(ここでは超光沢面)に改質される。
その後、被表面性改質処理部がサーマルヘッドの加熱部から離れるに従って、被表面性改質処理部の温度は、上記表面性改質処理温度から下がった状態になり、順次、保護層53から表面性改質シート40を剥離する。その結果、図4(4)に示すように、保護層53表面は銀塩写真の表面と同等な光沢面(以下、超光沢面という。)となる。
また、例えば、図5に示すように、表面が所望のマット調に対応した凹凸形状を有する表面性改質シート40を利用して処理した場合は、印画物(保護層)の表面をマット調に形成することができる。
例えば、図5(1)に示すように、記録用紙51上にインクリボンのインク層(前記図2参照)を転写して画像形成層52を形成する。さらに、インクリボンの保護材層(前記図2参照)を転写して保護層53を形成する。
前記図1によって説明したように、表面性改質シート40は、記録用紙51とインクリボン30との間を介入するようにして移動可能に備えられている。
例えば、印画(画像形成)および保護層形成処理を終えた印画物の表面をマット調表面とする場合、まず保護層形成処理された印画面と、表面性改質シート40の表面性改質部44(マット調表面)とが、双方のローラの駆動によって位置合わせされる。
このとき、インクリボン30は表面性改質処理に際しては役目がないため、直前に使用された保護材層の使用済み部分に位置合わせされる。こうすれば、インクリボン30の送り(巻き戻し)に要する時間が最短であり、迅速にセットを完了させることができる。また、上記保護材層は全面的に記録用紙51に転写されるため、その使用済み部分は均一に消費された状態であり、この点からも好都合である。
このようにして、記録用紙51、表面性改質シート40、インクリボン30の位置合わせが完了したら、図5(2)に示すように、上記保護層53上に表面性改質シート40を加熱しながら加圧する。
これは、通常の印画時と同様に、サーマルヘッド11とプラテンローラ12とにより加圧し、記録用紙51の保護層53の温度が約70℃〜120℃程度になるように加熱した状態で、それら(記録用紙51および表面性改質シート40およびインクリボン30)を同時に移動させながら表面性改質処理を行う。
すると、図5(3)に示すように、印画物表面の上記保護層53がガラス転移温度近傍の温度となって、やや軟化した状態にて表面性改質部44と密着した状態となるため、上記保護層53の表面状態が表面性改質部44の接触面の表面状態にならった表面性(ここではマット調表面)に改質される。
したがって、上記各画像形成方法によれば、上記表面光沢性の向上のみならず、所望の表面性状を印画物(保護層)に付与することが可能となる。上記表面性改質シート40の表面性状を複数種類用意して選択可能にすれば、ユーザの好みに応じた変更が容易となる。例えば、前記図3で説明したように、基材シート41に超光沢面を得る表面性改質部43と、マット調面を得る表面性改質部44とを、基材シート41の長手方向に並んで形成しておけばよい。
なお、上記説明では、便宜的に2つの表面性改質部43,44のみの場合で説明しているが、表面性改質部の種類や配列数は、2つに限らずに3つ以上の所望の数を配列させることが可能である。
また、それら複数配列される表面性改質部の種類についても3種以上の異なる表面性改質部を設けることが可能である。それら複数の表面性改質部内の内訳は特に限定されるものではなく、表面性改質処理を行いたい種類の使用頻度などに応じて、同一種類の表面性改質部を多数重複して配列しても構わない。
上記各表面性改質処理では、表面性改質シート40のインクリボン30側の面に非粘着処理層45が形成されている。この非粘着処理層45を有することから、上記表面性改質処理の段階でインクリボン30とともに表面性改質シート40が加圧・加熱された際、表面性改質シート40とインクリボン30とが密着して剥がれにくくなることはない。
また、インクリボン30上に形成されているインク層33もしくは保護材層35が表面性改質シート40側へ転写されることが防止される。つまり、従来技術で説明した保護材層の抜け残り部分を加圧・加熱処理しても、表面性改質シート40の裏側への付着を防止することができる。
上記非粘着処理層45は離型性樹脂で形成されている。例えば、上記離型性樹脂は、少なくとも、その構造の一部に化学式3または化学式4で表される構造を含むフッ素樹脂もしくはそれらのフッ素樹脂を主成分とする層からなる。
Figure 0005169407
Figure 0005169407
具体的には、上記非粘着処理層45は、一例としては、PTFE(poly tetra fluoro ethylene)(四フッ化エチレン)、PFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)(四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(Fluorinated ethylene propylene copolymer)(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、ETFE (テトラフルオロエチレン─エチレン共重合体)、PECTFE(エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体)、PVdF(ポリビニリデンフルオライド)、の少なくとも1つを含むフッ素樹脂、もしくはこれらのフッ素樹脂の基本構造を含む共重合体からなるフッ素樹脂、もしくはこれらのフッ素樹脂を主成分とする混合物を含むコーティング材料を表面性改質シート上へのコーティングおよび熱処理により非粘着層を形成することが可能である。
これらのフッ素系樹脂をコーティングする際には、これらのフッ素樹脂層と表面性改質シートとの密着性を向上させるために、表面性改質シートとフッ素樹脂層との間に適宜プライマー層を設けてもよい。
以下に非粘着処理層45の形成方法の一例を説明する。
予め、脱脂および洗浄された例えばユーピレックスなどのポリイミドフィルムからなる表面性改質シートの表面側(表面性改質処理時に印画紙の保護層53面と接する側の面)に非粘着処理がされないようにマスキングを施した状態にて、表面性改質シート45の裏面側に対してプライマー層を形成する。このプライマー層の形成は例えば水溶性のプライマーコート材料をエアースプレイ方式で塗布し、その後100℃〜280℃程度の温度で数分〜数十分の乾燥を行ないおよそ5〜15μm程度の厚さのプライマー層を形成する。
その後、プライマー層の上層(トップコート層)として例えばFEP樹脂を分散させた水溶性コート材料をエアースプレイ方式で塗布し、約200℃〜300℃程度の温度で10分〜30分程度の焼成を行い、プライマー層と合わせた総厚約15〜40μm程度の膜厚の非粘着処理層を形成した。
または、上記非粘着処理層45は、少なくとも上記フッ素樹脂と有機バインダー樹脂とを含んだ変性型のフッ素系コーティング材料で形成されている
また、表面性改質シートへの非粘着処理の別の例として、上記のフッ素樹脂とともに、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの各種有機バインダー樹脂を含んだ変性タイプのワンコートコーティング材料を用いることが可能である。例えばデュポン(株)製の「テフロンSシリーズ」(商品名)や(株)ダイキン工業製の「タフコートエナメル」シリーズなど各種の変性タイプのコーティング材料を用いることが可能である。
これらの変性タイプを用いた場合には、焼成により有機バインダー樹脂が基材である表面性改質シートとの強い密着を生み出し、コーティング膜の表面はフッ素樹脂の特性を示すという二層構造を形成する。これらのコーティング材料は、有機バインダー樹脂とフッ素樹脂の複合化により優れた密着性や耐摩耗性を示す。このタイプのコーティング材料を用いる場合にはプライマー層が不要のワンコートにて皮膜形成が可能で、またピンホールの少ない塗膜が得られるため、非粘着処理層を薄くすることが可能である。このため、サーマルヘッドによる加熱を記録用紙表面のラミネート層に効率的に伝える点でも、より好適に用いることが可能である。
この場合には、前記の場合と同様に、予め、脱脂および洗浄された、例えばユーピレックスからなる表面性改質シートの表面側(表面性改質処理時に印画紙の保護層面と接する側の面)に非粘着処理がされないようにマスキングを施す。マスキングを施した状態にて、プライマーのコートをすることなく、これらのコーティング材料を直接エアースプレイ方式などで塗布する。次に約150℃〜300℃程度の温度で10分〜60分程度の焼成を行い、約10〜40μm程度の膜厚からなる非粘着処理層45を形成した。
また、上記非粘着処理層45は、少なくともその構造の一部にポリイミドシロキサンを含む材料もしくはポリイミドシロキサンを主成分とする層からなる。
また、表面性改質シートへの非粘着処理の別な例として、ポリイミドシロキサンを主成分とする材料を用いることも可能である。これらの材料の一例としては、例えば宇部興産社製の耐熱性接着材料「UPA83シリーズ」(商品名)などを用いることができる。一般的な従来公知のコータなどを用いて表面性改質シート40の裏面側に所定の厚さでコーティングし、その後約90℃での予備乾燥および100℃〜180℃程度の温度にて、10分〜60分程度のキュアを行う。このようにして、1μm〜20μm程度の膜厚の非粘着処理層45を形成した。
これらのポリイミドシロキサンを主成分とする材料を用いて非粘着処理層45を形成する場合には、表面性改質シート40の材料として先に述べたようなポリイミドフィルムを採用した場合にも良好に接着することが可能である。また、シロキサン変性されたことにより良好な離型性が得られる。
また溶剤可溶性であり、溶液の状態でコーティングが可能であるため、膜厚の制御が容易であり、ピンホールなどの欠陥も少なく、薄膜化が可能であるため、先の実施例のフッ素樹脂系の材料の場合に比べて非粘着処理層45の厚さを薄くすることが可能である。これにより、表面性改質処理時にサーマルヘッド11による加熱を記録用紙51表面の保護層53に効率的に伝える点で好適に用いることが可能である。
さらに樹脂の分子構造の一部にシロキサンユニットが導入されたことにより柔軟性をもつため、表面性改質シートの巻き取りなどを繰り返した場合にもクラックなどが発生しにくく長期安定した非粘着処理層として用いることが可能である。
また、上記非粘着処理層45は、例えば、溶剤可溶性のフッ素系の塗布材料により形成されている。
また、表面性改質シートへの非粘着処理に用いる材料の別な例として、溶剤可溶性の各種フッ素系コーティング材料を用いることが可能である。これらのフッ素系コーティング材料の例としては、例えば「XC98−B2472」(商品名:(東芝シリコーン社製)などの各種のフルオロアルキルシランコーティング材料がある。また、「KP−801M」(商品名:信越化学社製)などのフッ素シリコーン系のコーティング材料がある。さらに、「サイトップ」(商品名:旭硝子社製)などの溶剤可溶性のフッ素系コーティング材料を用いてもよい。
これらのコーティング材料を用いて非粘着処理層を形成する場合の形成方法の一例として、従来公知の方法を用いて、表面性改質シートの裏面側に所定の厚さでコーティングする。そのコーティング方法は、例えばロールコータ、メニスカスコータ、グラビアコータなどの各種塗布装置をはじめとする、その他の一般的な塗布装置や、スプレー方式や、はけ塗りなどの各種の塗布装置を用いることができる。
その後約90℃で数分〜数十分の予備乾燥ののちに、90℃〜180℃程度の温度にて、10分〜30分程度のキュアを行い、0.1μm〜10μm程度の膜厚の非粘着処理層を形成した。
これらのフルオロアルキルシランや「サイトップ」などのフッ素系コーティング材料を用いた場合には、溶剤希釈条件の調整や塗布条件の調整などにより膜厚を極めて薄く形成することが可能である。また可視光領域で透明であるため、その特徴を活かすことで、表面性改質シート40の製造時の検査や、画像形成装置1での印画時や表面性改質処理のための表面性改質部43、44の位置検出時が円滑にできる。よって、機能的にも生産的にも優れた効果が得られる。
また非粘着処理層45を極めて薄く形成することが可能なことにより、表面性改質処理時にサーマルヘッドによる加熱を記録用紙51の表面の保護層53に効率的に伝える点で好適に用いることも可能である。
さらに、上記非粘着処理層45は、フッ素系のガスを用いたプラズマ処理、もしくは非粘着性をもつフッ素樹脂をターゲットとして用いたスパッタリングにより形成されたものである。
例えば少なくともフッ化カーボン系のガスを用い、プラズマ重合によりフッ化カーボン膜を形成する方法などが可能である。
また例えばPTFEなどのフッ素樹脂のターゲットを用い、アルゴンガスを用いたスパッタリングにより非粘着処理層45の薄膜を形成することも可能である。これによって、表面性改質処理時にサーマルヘッドによる加熱を記録用紙51表面の保護層53に効率的に伝える点で好適に用いることも可能である。
またこれらの方法によれば、極めて薄い非粘着処理層45を容易に形成することが可能であり、また、表面性改質シート40の製造工程において、ロール状のフィルム形態での連続成膜を容易に行うことも可能である。
また、上記非粘着処理層45は、多孔質膜としてもよい。例えば、多孔質シリカ膜がある。この多孔質シリカ膜は、例えば、アルコキシシラン類と、フッ素含有アルコキシシラン類との共重合体である。例えば、テトラアルコキシシラン類とフッ素含有トリアルコキシシラン類との共重合体である。
フッ素含有トリアルコキシシラン類は、例えば、一般式(ZO)3SiRで表される。
上記Zは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基もしくはsec−ブチル基を表す。
上記Rはフッ素原子、(CH2a(CF2b(O(CF2cdXを表す。
上記Xは、フッ素原子、OCF3、OCF(CF32、OC(CF33、アルキル基、フェニル基を表す。式中、a=0〜3、b=0〜3、c=1〜3、d=0〜3である。
またはC6HeF(5-e)で表される化合物である。式中、e=0〜4である。
または、多孔質水素化シルセスキオキサン膜(多孔質HSQ膜)、多孔質メチルシルセスキオキサン膜(多孔質MSQ膜)を用いることができる。
上記説明したように、表面性改質シート40の熱転写シート(インクリボン)30と接触する側の面に非粘着処理層45を形成することによって、表面性改質シート40とインクリボン30との貼り付きによる、表面性改質処理後の剥離不良を防ぐことができる。それとともに、表面性改質シート40側に付着した抜け残り部分が堆積しないようにすることが可能となる。したがって、それらに起因する光沢性の不具合や、繰り返し処理における耐久性不足が解消できる。
本発明の実施の形態の一例を示した画像形成装置の主要部の概略構成図である。 本発明の実施の形態の一例を示したインクリボンの平面図および断面図である。 本発明の実施の形態の一例を示した表面性改質シートを示した平面図および断面図である。 表面性改質シートによる超光沢面を形成する処理方法を示した処理工程概念の断面図である。 表面性改質シートによるマット調面を形成する処理方法を示した処理工程概念の断面図である。 従来技術におけるインクリボン上の保護層抜け残り部を示した平面である。
符号の説明
1…画像形成装置、11…サーマルヘッド、13…搬送手段、16…熱転写シート走行手段、19…改質シート移動手段、30…熱転写シート(インクリボン)、33…インク層、35…保護材層、40…表面性改質シート、42…印画用開口、43,44…表面性改質部、45…非粘着処理層

Claims (12)

  1. 被記録媒体を所定方向に搬送する搬送手段と、
    前記被記録媒体の表面に、熱転写して画像を形成するインク層と、熱転写してその画像を保護する保護層を形成する保護材層とを有する熱転写シートと、
    前記熱転写シートを走行させる熱転写シート走行手段と、
    前記熱転写シートが前記被記録媒体の表面に直接接触するように設けられた印画用開口と、前記被記録媒体に形成された画像を保護する保護層の表面状態を改質する表面性改質部とを有する表面性改質シートと、
    前記表面性改質シートを移動させる改質シート移動手段と、
    前記被記録媒体の表面に前記熱転写シートのインク層または保護層を熱転写させるサーマルヘッドとを備え、
    前記表面性改質シートの少なくとも前記熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層が形成されている
    画像形成装置。
  2. 前記非粘着処理層は離型性樹脂で形成されている
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記非粘着処理層は、少なくとも、その構造の一部に化学式1または化学式2で表される構造を含むフッ素樹脂もしくはそれらのフッ素樹脂を主成分とする層からなる
    Figure 0005169407
    Figure 0005169407
    請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記非粘着処理層は、四フッ化エチレン、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン─エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドのうちの少なくとも1つを含むフッ素樹脂、もしくはこれらのフッ素樹脂の基本構造を含む共重合体からなるフッ素樹脂、もしくはこれらのフッ素樹脂を主成分とする材料からなる
    請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記非粘着処理層は、少なくとも前記フッ素樹脂と有機バインダー樹脂とを含んだ変性型のフッ素系コーティング材料で形成されている
    請求項3または請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記非粘着処理層は、少なくともその構造の一部にポリイミドシロキサンを含む材料もしくはポリイミドシロキサンを主成分とする層からなる
    請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記非粘着処理層は、溶剤可溶性のフッ素系の塗布材料により形成されている
    請求項1記載の画像形成装置。
  8. 前記非粘着処理層は、フッ素系のガスを用いたプラズマ処理、もしくは非粘着性をもつフッ素樹脂をターゲットとして用いたスパッタリングにより形成されたものである
    請求項1記載の画像形成装置。
  9. 前記非粘着処理層は、多孔質膜からなる
    請求項1記載の画像形成装置。
  10. 被記録媒体の表面に熱転写によって画像およびその画像を保護する保護層を形成する熱転写シートを該被記録媒体の表面に直接接触させるための印画用開口と、前記被記録媒体に形成された画像を保護する保護層の表面を改質する表面性改質部とを有し、
    少なくとも前記熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層が形成されている
    表面性改質シート。
  11. 被記録媒体と、前記被記録媒体の表面に熱転写して画像を形成するインク層と熱転写してその画像を保護する保護層を形成する保護材層とを有する熱転写シートとの間に、前記熱転写シートが前記被記録媒体の表面に直接接触するように設けられた印画用開口と、前記被記録媒体に形成された画像を保護する保護層の表面状態を改質する表面性改質部とを有する表面性改質シートを挟み、
    前記被記録媒体と前記表面性改質シートと前記熱転写シートを所定の方向に走行させ、
    前記印画用開口に前記熱転写シートのインク層と前記被記録媒体の画像形成位置を合わせて前記インク層を前記被記録媒体に熱転写して画像を形成し、
    前記印画用開口に前記熱転写シートの保護材層と前記被記録媒体に形成された画像の位置を合わせて前記保護材層を被記録媒体に熱転写して保護層を形成し、
    前記熱転写シート側から前記表面性改質部を前記保護層に押し当てて加熱して前記保護層の表面を改質するとき、
    前記表面性改質シートの少なくとも前記熱転写シートと接触する側の面に非粘着処理層を形成しておく
    画像形成方法。
  12. 前記保護層の表面を改質するときの前記熱転写シート上の領域は転写済みの保護材層の領域とする
    請求項11記載の画像形成方法。
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