JP2009132089A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐熱性と、高い滑性を有し、高エネルギー印加時にも好適な印画が可能である熱転写シートを提供する。
【解決手段】基材の一方の面に色材層を有し、上記基材の他方の面に耐熱滑性層を有する熱転写シートであって、上記耐熱滑性層は、数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックス、及び、バインダー樹脂を含む熱転写シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写シートに関する。
一般に、熱転写プリンターでは、発熱体を一列に並べたライン状のサーマルヘッドを用い、サーマルヘッドの長さ方向に対して垂直の方向に、熱転写シートと被転写材を重ねた状態で、走査させながら熱を加えることで画像を形成させている。
この熱転写シートにおいては、プラスチックフィルムである基材に直接サーマルヘッドを接触させて印画を行うと、該基材とサーマルヘッド間に生じる摩擦力により、走査時にスティッキング(ビビリ)が発生し、印画不良となってしまうことがある。また、印画時の熱によって基材がサーマルヘッドに融着し、熱転写シートの走行を妨げ、スティッキングを発生させるばかりか、著しい場合はシート破断を引き起こすことがある。これらを防ぐために、熱転写シートにおいて、基材のサーマルヘッドと接する面に、耐熱性の向上や滑性付与による走行安定性を目的として耐熱滑性層を設けることが従来より行われている。
上記耐熱滑性層を形成する方法としては、種々のものが知られている。
例えば、耐熱性の高い熱硬化性樹脂等からなる耐熱層を形成する方法(特許文献1)が提案されているが、この方法により耐熱性は向上するものの、サーマルヘッドの滑性は改善されず、また、架橋剤等の硬化剤の使用が必要であることから、塗工液として2液タイプとなり、ポットライフ等の問題が生じる。更に、基材が高温処理のできないプラスチック薄膜フィルムであることから、充分な硬化被膜を得るために塗工後、低温で長時間の熱処理(エージング)が必要とされる。これは、製造工程が煩雑となるだけでなく、シワ発生やブロッキング等の不具合が発生しやすくなる。このように製造効率の点から、耐熱滑性層を形成する成分として非硬化系の樹脂が望まれていた。
特許文献2では、ポリアミドイミド樹脂とポリアミドイミドシリコーン樹脂を特定量混合したものをバインダーとし、更にアルキルリン酸エステルの多価金属塩、フィラーを混合した樹脂組成物からなり、印画安定性、走行安定性に優れた耐熱滑性層が開示されている。しかし、ここで開示される耐熱滑性層は、上述の硬化系特有の問題は発生しないが、上記硬化系耐熱滑性層と比べて耐熱性に劣る。
特許文献3では、滑性付与による走行安定性と耐熱性を向上させるために、少なくとも2種のワックスと分岐α−オレフィンポリマーと少なくとも1種の他のワックスとを含んでなることを特徴とする耐熱滑性層が開示されているが、ここで開示される耐熱滑性層もまた、上記硬化系耐熱滑性層と比べて耐熱性に劣る。
近年、印画時間の短縮が強く望まれており、高速で印画を行うためには、単位時間あたりの印加エネルギーを増大させる必要がある。この印加エネルギーを増大させても、良好な印画を可能にするには、より高い耐熱性及び滑性が必要となるが、従来公知の熱転写シートでは、これらが未だ不充分であった。このため、更に優れた耐熱性及び滑性を有する熱転写シートの開発が望まれていた。
特開昭61−14983号公報 特開2001−334760号公報 特表2007−516104号公報
本発明は、上記現状を鑑みて、優れた耐熱性と、高い滑性とを有し、高エネルギー印加時にも好適な印画が可能である熱転写シートを提供することを目的とする。
本発明は、基材の一方の面に色材層を有し、上記基材の他方の面に耐熱滑性層を有する熱転写シートであって、上記耐熱滑性層は、数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックス、及び、バインダー樹脂を含むことを特徴とする熱転写シートである。
上記数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックスは、バインダー樹脂100質量部に対して1〜50質量部含まれることが好ましい。
上記耐熱滑性層は、金属石鹸を含むことが好ましい。
上記バインダー樹脂は、ポリアミドイミド樹脂及びポリアミドイミドシリコーン樹脂であることが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層毎に詳述する。
(耐熱滑性層)
本発明は、基材の一方の面に色材層を有し、上記基材の他方の面に耐熱滑性層を有する熱転写シートであって、上記耐熱滑性層は、数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックス、及び、バインダー樹脂を含むものである。
数平均分子量が1000以上であり、かつ直鎖型であるポリエチレンワックスは、融点及び硬度が高く、極性が低いという特徴がある。そのため、バインダー樹脂と相互作用しにくく、高エネルギー印加時でも樹脂の軟化を引き起こしにくい。従って、上記数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックスを含む耐熱滑性層を有する熱転写シートは、耐熱性に優れたものとなる。
上記数平均分子量は、2000以上であることが好ましく、5000以下であることが好ましい。なお、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算にて得られた値である。
上記数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックスの市販品としては、例えば、「ポリワックス1000」、「ポリワックス2000」、「ポリワックス3000」(いずれも、商品名、東洋ペトロライト社製)等を挙げることができる。
上記数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックスは、耐熱滑性層において、バインダー樹脂100質量部に対して1〜50質量部含まれることが好ましい。1質量部未満であると、所望の性能が発揮されず、耐熱性不足によるサーマルヘッドと耐熱滑性層との融着を引き起こすおそれがある。50質量部を超えると、耐熱滑性層の膜強度の低下を引き起こすおそれがある。上記直鎖型ポリエチレンワックスは、2〜30質量部含まれることがより好ましい。
上記耐熱滑性層は、金属石鹸を含むことが好ましい。
金属石鹸を添加すると、中間エネルギー〜高エネルギー印加時の摩擦係数を低くすることができるので、金属石鹸を含む耐熱滑性層を有する熱転写シートは、優れた滑性を発現することができる。また、上述した直鎖型ポリエチレンワックスと組み合わせて用いることで、耐熱性に加え、優れた滑性を付与することができる。
上記金属石鹸としては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等が挙げられる。
本発明におけるアルキルリン酸エステルの多価金属塩は、例えば、下記構造式1
Figure 2009132089
又は、下記構造式2
Figure 2009132089
(各式中、Rは、炭素数12以上のアルキル基であり、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はアルミニウムを表し、nは、Mの原子価を表す)で表されるものが好ましい。
上記Rは、炭素数12〜18のアルキル基であることが好ましい。上記Rとしては、例えば、セチル基、ラウリル基、ステアリル基等が挙げられるが、コスト面及びブリードアウト等の汚染性の問題を避ける点で、なかでもステアリル基が好ましい。
上記Mとして表されるアルカリ土類金属としては、例えば、バリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
上記アルキルカルボン酸の金属塩としては、例えば、下記構造式3
Figure 2009132089
(式中、Rは炭素数11以上のアルキル基を表し、Mはアルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム又はリチウムを表し、nはMの原子価を表す。)で表されるものが挙げられる。
上記Rは、炭素数11〜18のアルキル基であることが好ましい。上記Rとしては、例えば、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられるが、入手容易性、コスト面及びブリードアウト等の汚染性の問題を避ける点で、ドデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基が好ましく、ステアリル基がより好ましい。
上記Mで表されるアルカリ土類金属としては、例えばバリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
上記金属石鹸は、中間エネルギー〜高エネルギー印加時において滑性を発現することができ、耐熱性の点で、マグネシウム系、亜鉛系又はアルミニウム系の化合物であることが好ましく、亜鉛系の化合物であることがより好ましい。上記金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛であることが更に好ましい。
上記金属石鹸は、平均粒径が3〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましい。
上記平均粒径が大き過ぎると、印画汚れが生じ易くなり、また小さ過ぎると耐熱滑性層に充分な滑性を得ることができず、印画シワ等の問題が生じることがある。
上記平均粒径は、レーザー回折法により測定した値である。
上記金属石鹸の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、所望の性能が発揮せず、熱印加時におけるサーマルヘッドとの滑性不足、離型性不足により融着を引き起こすおそれがある。50質量部を超えると、耐熱滑性層の膜強度の低下を引き起こすおそれがある。上記含有量は、2〜30質量部であることがより好ましい。
上記耐熱滑性層におけるバインダー樹脂としては、耐熱性の高い樹脂が好ましく、なかでも、耐熱性及び滑性に優れる点で、ポリアミドイミド樹脂とポリアミドイミドシリコーン樹脂との混合物であることが好ましい。
上記ポリアミドイミド樹脂及びポリアミドイミドシリコーン樹脂としては、特開平8−244369号公報、特開平8−113647号公報に記載されているものを挙げることができる。
上記ポリアミドイミド樹脂は、アルコール系溶剤に可溶であるものが好ましい。
また上記ポリアミドイミドシリコーン樹脂は、ポリアミドイミド樹脂が、多官能シリコーン化合物で共重合又は変性されたものであることが好ましい。
上記多官能シリコーン化合物としては、分子量1000から6000のものを用い、共重合又は変性量をポリアミドイミド樹脂1に対し0.01から1にしたものが特に好ましい。上記範囲外の共重合又は変性量では、充分な滑性が得られず、スティッキングを生じたり、耐熱性や膜の強度が低下したりするおそれがある。
上記多官能シリコーン化合物は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、酸無水物基、不飽和基のいずれかを有するシリコーン化合物が好ましい。
上記バインダー樹脂がポリアミドイミド樹脂とポリアミドイミドシリコーン樹脂との混合物である場合、その混合比(ポリアミドイミド樹脂/ポリアミドイミドシリコーン樹脂)は、質量比で1/5〜5/1であることが好ましい。上記混合比が1/5未満であると、耐熱性が不足してヘッドカスが生じやすくなるおそれがある。5/1を超えると、滑性が不足してスティッキングを生じるおそれがある。上記混合比は、質量比で1/3〜3/1であることがより好ましい。
上記耐熱滑性層は、フィラーを含んでいてもよい。
上記フィラーを含むことにより、サーマルヘッドに付着するカスのクリーニング性、滑性やブロッキング防止等を好適に調整することができる。
上記フィラーとしては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、グラファイト、炭酸カルシウム、二硫化モリブデン、シリコーンゴムフィラー、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられ、なかでも、タルク、シリコーンゴムフィラー、炭酸カルシウムが好ましく、タルクがより好ましい。
上記フィラーの含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、クリーニング性等の性能が発現しないおそれがある。30質量部を超えると、耐熱滑性層の可撓性や皮膜強度が低下するおそれがある。上記含有量は、1〜20質量部であることがより好ましい。
上記耐熱滑性層は、ポリエステル樹脂を含んでいてもよい。ポリエステル樹脂を含むことにより、基材との接着性を高めることができる。
上記ポリエステル樹脂の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。0.5質量部未満であると、耐熱滑性層の基材への接着性が不足して剥離が生じるおそれがある。10質量部を超えると、耐熱性が低下するおそれがある。上記含有量は、1〜10質量部であることがより好ましい。
上記耐熱滑性層は、上述した成分の他に、本発明の効果に影響を与えない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、上記直鎖型ポリエチレンワックス以外のワックス、高級脂肪酸アミド、界面活性剤、シリコーンオイル、その他の樹脂等の熱離型剤や滑剤を挙げることができる。これらは公知のものを挙げることができる。
上記耐熱滑性層は、上記数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックス、上記バインダー樹脂、及び、必要に応じて使用する上述したその他の成分とを、溶媒に溶解又は分散させて耐熱滑性層形成用塗工液を調製し、得られた耐熱滑性層形成用塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の塗工方法で塗工し乾燥することで形成される。
上記耐熱滑性層は、一般に乾燥固形基準2.0g/m以下の塗工量であれば、充分な本発明の所望の性能を有することができる。
上記塗工量は、好ましくは乾燥固形基準で0.1〜1.5g/mであり、より好ましくは0.2〜1.0g/mである。
上記耐熱滑性層は、厚みが薄すぎると耐熱滑性層の有する機能が充分に発揮できなくなることがあり、厚すぎると印画時の感度が低下することがある。
(基材)
本発明の熱転写シートは、基材の一方の面に上述した耐熱滑性層を有するものである。
上記基材としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム;コンデンサー紙、パラフィン紙、合成紙等の紙類;不織布;紙や不織布と樹脂との複合体;等が挙げられる。
上記基材は、厚さが一般に約0.5〜50μmであり、好ましくは約1.5〜10μmである。
上記基材は、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理を施してもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。
本発明では上記表面処理の中でも、コストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。また、必要に応じ、その一方の面又は両面に下引き層(プライマー層)を形成するものであってもよい。
(色材層)
本発明の熱転写シートは、基材の一方の面に色材層を有する。すなわち、上記耐熱滑性層を有する基材の面とは異なる他方の面に、色材層を有する。
本発明の熱転写シートは、所望の画像がモノカラーである場合には、色材層として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、色材層として、シアン、マゼンタ及びイエロー(更に、必要に応じてブラック)を選択し形成することができる。
本発明の熱転写シートは、昇華型熱転写シートである場合には、色材層として昇華性の染料を含む層を形成し、熱溶融型の熱転写シートである場合には、色材層として顔料等で着色した熱溶融性インキ層を形成する。
以下、昇華型熱転写シートの場合を説明するが、本発明は昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
昇華型の染料層に用いられる昇華型の染料としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
上記昇華性の染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられ、更に具体的には、特開平7−149062号公報に例示の化合物等が挙げられる。
上記染料層において、昇華性染料は染料層の全固形分に対し5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%の量である。
上記昇華性の染料の使用量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を越えると保存性等が低下することがある。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、一般に、耐熱性を有し、染料と適度の親和性があるものを使用することができる。
上記バインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等が挙げられる。
上記バインダー樹脂としては、なかでも、耐熱性、染料の移行性等の点、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が更に好ましい。
上記染料層は、所望により、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を使用してもよい。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等が挙げられる。
上記無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。
上記有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
上記染料層は、上述の染料とバインダー樹脂とを、必要に応じて添加する添加剤とともに、適当な有機溶剤や水に溶解又は分散して塗工液を調製し、更に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、上述の基材の一方の面に上記塗工液を塗布し、乾燥することにより形成することができる。
上記有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド〔DMF〕等が挙げられる。
上記染料層の塗工量は、乾燥固形基準で0.2〜6.0g/m、好ましくは0.2〜3.0g/m程度である。
(その他)
本発明の熱転写シートは、基材の一方の面に色材層を設け、該基材の他方の面に耐熱滑性層を設けてなるものであれば、転写保護層として接着層、剥離層、離型層、又は、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
上記転写保護層を上述の色材層と面順次に形成した場合、画像形成後に画像面を保護する保護層を転写することができる。
上記転写保護層の構成及び調製は、特に限定されず、使用する基材シート、色材層等の特徴に応じて、従来公知の技術より選択することができる。
上記下引き層は、特に限定されず、基材と色材層との接着性や染料の転写効率を向上させる組成を適宜選択して設けることができる。
(印画)
本発明の熱転写シートは、上述の基材の耐熱滑性層側からサーマルヘッド等を用いて印画部に相当する箇所を加熱・加圧し、色材を被転写材に転写させて印字することができる。
本発明の熱転写シートが熱昇華型の熱転写シートである場合、上記被転写材として熱転写受像シート等を使用することができる。
上記熱転写受像シートとしては、記録面が染料受容性を有するものであれば特に限定されず、例えば、紙、金属、ガラス、合成樹脂等の基材の少なくとも一方の面に染料受容層を形成したものを挙げることができる。なお、上記熱転写受像シートは、基材自体が染料受容性を有していれば、受容層を設ける必要がない。
上記熱転写シートは、熱溶融型の熱転写シートである場合、通常の紙、プラスチックフィルム等を被転写材として使用することもできる。
上記熱転写を行う際に使用するプリンターとしては、特に限定されず、公知の熱転写プリンターを使用することができる。
本発明の熱転写シートは、上述した構成からなるものであるため、耐熱性かつ滑性に優れる。このため、高エネルギーが印加される高速印画時においても、印画シワやスティッキング等の印画不良が生じず良好な印画が可能であるので、本発明の熱転写シートは、高速印画用熱転写シートとして好適に使用することができる。
以下に実施例を用いて更に本発明について詳細に説明する。文中、「部」又は「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1〜4、比較例1〜3
(色材層の形成)
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材シートに用い、その一方の面に、下記の組成より成る色材層塗工液を、グラビアコーティングにより乾燥塗布量が0.7g/mになるように塗布、乾燥して色材層を形成した。
<色材層塗工液>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 45.5部
トルエン 45.5部
(耐熱滑性層の形成)
次に、表1の配合に従って各材料を混合し、混合して得られたものをエタノール/トルエン=1/1で固形分20%になるように調整、攪拌した後に、ペイントシェーカーで1時間分散処理を行い、耐熱滑性層形成用塗工液を得た。得られた耐熱滑性層形成用塗工液を、上記色材層塗工済フィルムの、色材層が形成されている面とは反対側の面に、グラビアコーティングにより乾燥塗布量が0.4g/mになるように塗布、乾燥して耐熱滑性層を形成し、熱転写シートを作製した。
なお、各成分について、使用したものを下記に示す。
ポリアミドイミド樹脂(HR−15ET、東洋紡績(株)製)
ポリアミドイミドシリコーン樹脂(HR−14ET、東洋紡績(株)製)
ポリエステル樹脂(バイロン220、東洋紡績(株)製)
フィラー(ミクロエースP−3、タルク、日本タルク(株)製)
金属石鹸(SZ−PF、ジンクステアレート、堺化学工業(株)製)
直鎖型ポリエチレンワックス:数平均分子量3000(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
直鎖型ポリエチレンワックス:数平均分子量2000(ポリワックス2000、東洋ペトロライト(株)製)
直鎖型ポリエチレンワックス:数平均分子量1000(ポリワックス1000、東洋ペトロライト(株)製)
直鎖型ポリエチレンワックス:数平均分子量850(ポリワックス850、東洋ペトロライト(株)製)
分岐ポリエチレンワックス:数平均分子量1100(ペトロライトEP−1100、東洋ペトロライト(株)製)
Figure 2009132089
上記の各熱転写シートを、三菱電機(株)製昇華型プリンターCP9000D用熱転写受像シートと組み合わせ、以下の条件で印画を行いながら動摩擦係数を測定し、下記の評価を行った。なお、印画及び動摩擦係数の測定には、特開2003−300388号公報で記載されている摩擦力測定機能付熱転写プリンターを使用した。
サーマルヘッド:東芝ホクト電子(株)製サーマルヘッド、ヘッド抵抗値6549Ω
ライン速度:1ms/Line
パルスデューティ:90%
印加電圧:29.00V
印圧:40N
<最高印画階調値>
上記の条件で、階調値を5刻みに変更してベタパターンを印画し、シワやスティッキング、耐熱滑性層のかき取られ等の不具合が発生するよりも1つ弱いエネルギーを最高印画階調値とし、各熱転写シートの印画性能を評価した。
なお、印画データの階調値は、255階調が100%ベタに相当するものとし、印画時の階調値を255で割った割合が最大印加エネルギーに対するそのパターンの印加エネルギーである(例えば、印画時の階調値が210階調であれば、210/255=0.823、即ち、82%ベタということとなる)。従って、最高印画階調値が高いほど、高い印加エネルギーに耐えられるといえる。結果を表2に示す。
<動摩擦係数>
また、上記の最高印画階調値のベタバターンと、128/255階調(グレー)のベタパターン印画を行い、動摩擦係数が0.4を下回ったものを◎、0.4以上0.5未満のものを○、0.5以上のものを×とした。
なお、表2中の「高濃度部」は最高印画階調値のベタパターンで印画したものを表し、「中間濃度部」は128/255階調のベタパターンで印画したものを表す。
結果を表2に示す。
Figure 2009132089
表2より、本発明の熱転写シートは、耐熱性及び滑性に優れ、高エネルギー印加時においても、良好な印画が可能であった。一方、比較例の熱転写シートは、最高印画階調値が低く、耐熱性に劣るものであった。
本発明の熱転写シートは、高速印画用熱転写シートとして好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 基材の一方の面に色材層を有し、前記基材の他方の面に耐熱滑性層を有する熱転写シートであって、
    前記耐熱滑性層は、数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックス、及び、バインダー樹脂を含むことを特徴とする熱転写シート。
  2. 数平均分子量1000以上の直鎖型ポリエチレンワックスは、バインダー樹脂100質量部に対して1〜50質量部含まれる請求項1記載の熱転写シート。
  3. 耐熱滑性層は、金属石鹸を含む請求項1又は2記載の熱転写シート。
  4. バインダー樹脂は、ポリアミドイミド樹脂及びポリアミドイミドシリコーン樹脂である請求項1、2又は3記載の熱転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012017564A1 (ja) 2010-08-06 2012-02-09 大日本印刷株式会社 熱転写シート
JP2012152968A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Dainippon Printing Co Ltd 耐熱滑性層形成用組成物、およびそれを用いた熱転写シートの製造方法

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