JP2016159507A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高発色での転写記録が可能でありながら、製造時の巻き替えの際に裏面汚染が発生し難いようにした熱転写シートを提供する。【解決手段】基材シート1の一方の面に、複数の熱転写性インク層3Yと熱転写性保護層4をセットとした組が、基材シートの長手方向に面順次で1組以上設けられている熱転写シートにおいて、熱転写性インク層上またはその周辺部の非印画部に樹脂からなる隔壁部5が設けられており、前記複数の熱転写性インク層の厚さをh1、隔壁部の厚さをh2とすると、h2−h1が0.5μm以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写記録に用いられる熱転写シート、特に高発色での熱転写記録が可能でありながら、製造時の巻き替えの際には裏面汚染が起き難いようにしたことを特徴とする熱転写シートに関する。
熱転写シートは、サーマルリボンとも呼ばれ、熱転写方式のプリンタの所謂インクリボンとして用いられている。このような熱転写シートは、例えば基材シートの一方の面に熱転写性インク層が、他方の面にバックコート(耐熱滑性層)がそれぞれ少なくとも設けられてなるものである。このような構成の熱転写シートを使用し、プリンタのサーマルヘッドから加えられる熱によって熱転写性インク層の一部を溶融(溶融転写方式)させるか、あるいは熱転写性インク層中の一部の昇華性染料を昇華(昇華転写方式)させることにより、被転写体側に熱転写記録を行うことができる。
現在、熱転写方式は、プリンタの高機能化が進み、それと併せて各種画像を簡便に記録できることから、身分証明書等のカード類やアミューズメント用出力物等の様々な印画対象における記録方式として広く利用されるようになっている。
このように多方面において広く利用されるようになってきている熱転写方式に使用されるインクリボンの生産においては、巻き替え工程が含まれる。例えば昇華性のインクリボンにおいては、基材シート上に昇華性染料を含有する熱転写性インク層を印刷法により積層した直後に一次ロールとして巻き付け、しかる後に巻き替えを行って製品ロールを作製している。このような一連の製造工程において、一次ロールの巻き付けに際しては熱転写性インク層がインクリボンの裏面に触れ、裏面の耐熱滑性層が汚染され、巻き替えの時に一次ロールの巻き付け段階で汚染された耐熱滑性層が熱転写性インク層及び透明な熱転写性保護層に触れ、その表面が汚染されることがある。
このような汚染を低減させるために様々な方法が検討されている。例えば基材シート上に2層構成の熱転写性インク層を積層し、表面側のインク層の染料濃度を基材シート側のインク層の染料濃度より低くする方法(特許文献1)が提案されている。
しかし、染料濃度を低下させたインク層を表面側に設けるような場合や、インク層表面に染料を含まない層を設けるような場合には、熱転写記録の色感度が上がらず、高発色の状態で記録を行うことが難しくなり、必要とされる転写濃度を得るためには、熱転写シートの搬送速度を下げたり、高感度でより発色の良い染料を用いなければならず、種々の制約があった。
特許第2633836号公報
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、高発色での転写記録が可能でありながら、製造時の巻き替えの際に裏面汚染が発生し難いようにした熱転写シートを提供することにある。
前記課題を解決する手段として、請求項1記載の発明は、基材シートの一方の面に、複数の熱転写性インク層と熱転写性保護層をセットとした組が、基材シートの長手方向に面順次で1組以上設けられている熱転写シートにおいて、熱転写性インク層上またはその周辺部の非印画部に樹脂からなる隔壁部が設けられており、前記複数の熱転写性インク層の厚さをh1、隔壁部の厚さをh2とすると、h2−h1が0.5μm以上であることを特徴とする熱転写シートである。
また、請求項2記載の発明は、前記熱転写性インク層は、熱昇華性染料とバインダ樹脂とを主体としてなるものであることを特徴とする請求項1記載の熱転写シートである。
また、請求項3記載の発明は、前記熱転写性インク層は、熱昇華性染料がバインダ樹脂100質量部に対して30〜300質量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写シートである。
請求項1記載の発明によれば、基材シートの一方の面に、複数の熱転写性インク層と熱転写性保護層が長手方向に面順次で少なくとも設けられている熱転写シートであって、熱転写性インク層上の非印画部、あるいは熱転写性インク層周辺部の非印画部に樹脂からなる隔壁部を設け、前記複数の熱転写性インク層の厚さをh1、隔壁部の厚さをh2とすると、h2−h1が0.5μm以上となることが特徴の熱転写シートとすることによって、高発色での転写記録が可能でありながら、製造時の巻き替えの際に裏面汚染が発生し難いようにした熱転写シートを提供することが可能になる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記熱転写性インク層は、熱昇華性染料とバインダ樹脂とを主体としてなるものであることを特徴とする請求項1記載の熱転写シートとすることによって、階調性表現をさらに向上させた画像記録が行える熱転写シートを提供することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記熱転写性インク層は、熱昇華性染料がバインダ樹脂100質量部に対して30〜300質量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写シートとすることにより、より高発色で裏面汚染の少ない熱転写シートを提供することが可能となる。
本発明の熱転写シートの構成の一例を示す概略平面図である。 本発明の熱転写シートを図1の切断線A−A´で切断した場合の一例を示す概略断面図。
本発明の熱転写シートは、基材シートの一方の面に、イエロー、マゼンタ、シアンなど、複数の熱転写性インク層とそれらの熱転写性インク層の上に設けられ、それらを保護するための熱転写性保護層をセットとした組が、基材シートの長手方向に、面順次で、1組以上設けられている熱転写シートにおいて、熱転写性インク層上またはその周辺部の非印画部に樹脂からなる隔壁部が設けられており、更にそれらの熱転写性インク層の厚さをh1、隔壁部の厚さをh2とすると、h2−h1が0.5μm以上であることを特徴とする熱転写シートである。
以下、本発明の熱転写シートを図1および図2に基づき詳細に説明する。
図1の熱転写シートは、基材シート1の一方の面に、複数の熱転写性インク層(イエロー)3Y、熱転写性インク層(マゼンタ)3M、熱転写性インク層(シアン)3Cと、熱転写性保護層4とが長手方向に面順次で設けられており、基材端部に隔壁部5が設けられている。
図2は本発明の熱転写シートの熱転写インク層(マゼンタ)3Mの幅方向(長手方向に直交する方向)にA−A´で切断した断面を示したもので、熱転写性インク層(マゼンタ)3Mの厚さh1、隔壁部5の厚さh2、耐熱滑性層2を示したものである。以後、他の色の熱転写性インク層の厚さもh1として表示する。
<基材シート>
基材シート1としては、従来公知の熱転写シートの基材シートとして用いられているものと同等のものを使用することができるが、機械的強度、耐熱性等に優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等からなる合成樹脂フィルムや、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類が挙げられる。これらの中では、物性や加工性に優れるポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
これらは単独で使用してもよいが、複数を積層して使用するようにしてもよい。また、基材シート1の厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μm程度の範囲にすればよいが、転写適性や加工性等のハンドリング性も考慮して、2〜10μm程度とすればより好ましい。
基材シート1と後述する耐熱滑性層2や熱転写性インク層との間の密着性を向上させるために、基材シート1の一方または両方の面に易接着層を設けておいてもよい。易接着層の構成材料としては、基材シート1と耐熱滑性層2や熱転写性インク層のそれぞれに対して親和性が良好なものが適当である。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層2は、サーマルヘッドの熱による基材シート1の熱収縮やサーマルヘッドとの接触による基材シート1の破断を防止するために設けるものであって、基材シート1の後述する熱転写性インク層を設ける面とは反対の面に設けるものである。
<耐熱滑性層>
この耐熱滑性層2の構成材料として用いられるバインダ樹脂としては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層の厚さは0.1〜2.5μm程度が好ましく、さらに0.5〜1.5μm程度であればより好ましい。厚さが0.1μmより小さい場合、サーマルヘッドから加えられる熱に対する耐熱性が劣り、印画時に基材シート1の熱収縮が生じやすくなる。一方、2.5μmより大きい場合、サーマルヘッドからの熱が熱転写インク層に十分伝わり難くなり、所望の濃度の印画物を得ることが難しくなる。
さらに、バインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)は40℃以上であることが好ましい。Tgが40℃以上の場合、印画時のリボン強度がさらに強くなり、耳切れ(リボンの両サイドの非印画部が熱収縮に負けて切れる現象)、ちぎれ、裂け(印画部終点が切れる現象) のような印画不良が起こり難くなる。
また、耐熱滑性層2には滑性を向上させる目的で滑剤を含有させておいてもよい。例えば、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレ
フィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステルまたは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤等である。これらの滑剤を含有させることで、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの間の動摩擦係数を小さくすることができるので、サーマルヘッドから加わる力で基材シートが変形し難くなる。
さらに、耐熱滑性層2には耐熱性を向上させる目的で架橋剤を含有させておいてもよい。架橋剤を含有させることで耐熱滑性層の耐熱性が向上し、サーマルヘッドとの摩擦による基材シートの熱変形を防止できる。架橋剤としてはポリイソシアネートが挙げられるが、これをアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等と組合せて用いればよい。
ポリイソシアネートはNCO/OHの比で0.8以上、特に0.8〜1.3程度の範囲となるように添加することが好ましい。ポリイソシアネートの添加量が0.8未満の場合、架橋密度が低くなり、耐熱性が不十分となる。一方、ポリイソシアネートの添加量が1.3を超える場合、耐熱滑性層2に残った未反応のNCO基と空気中の水分、或いは未反応のNCO基同士が反応し、造膜性の低いバインダ樹脂が形成されてしまうことがある。
この耐熱滑性層2には微粒子を含有させておいてもよい。微粒子を含有させることで耐熱滑性層2の表面に凹凸が形成され、サーマルヘッドとの接触面積が小さくなるので、印画時のサーマルヘッドに対する離型性が向上する。
このような目的で含有させる微粒子は有機系微粒子または無機系微粒子のどちらでもよいが、サーマルヘッドからの熱により変形しないものが好ましい。具体的には、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、クレー、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂等からなる微粒子を挙げることができる。これらの中から1種類または複数の微粒子を適宜選択し、耐熱滑性層2中に含有させればよい。
<熱転写性インク層>
熱転写性インク層3Y、3M、3Cは、熱転写性の色材とバインダ樹脂を主体としてなるものである。
バインダ樹脂としては、従来公知のものが使用でき、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等の耐熱性、染料移行性等に優れた樹脂を具体例として挙げることができる。
バインダ樹脂のガラス転位点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは110℃以上であればよい。ガラス転位点が低い場合、印画不良を起こす可能性が高くなる。
また、染料とバインダ樹脂との重量比はバインダ樹脂100質量部に対し30〜300質量部程度が好ましく、50〜200質量部であればより好ましい。30より小さい場合、染料の濃度が低くなるため、発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られ難くなる。一方、300質量部より大きい場合、バインダ樹脂に対する染料の溶解性が極端に低下するため、インク層の保存安定性が低下して染料が析出し易くなる。
また、各インク層に含有させる熱転写性の色材としては主に昇華性分散染料が好ましく、例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等のものを挙げることができる。
より具体的には、イエロー成分としては、C.I.ソルベントイエロー14、16、29、30、33、56、93等や、C.I.ディスパースイエロー7、33、60、141、201、231等が、マゼンタ成分としては、C.I.ソルベントレッド18、19、27、143、182、C.I.ディスパースレッド60、73、135、167、C.I.ディスパースバイオレット13、26、31、56等が、シアン成分としては、C.I.ソルベントブルー11、36、63、105、C.I.ディスパースブルー24、72、154、354等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。また、これらの染料は単体で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
<熱転写性保護層>
一方、上記した熱転写性インク層と共に面順次で基材1上に設けられているのが熱転写性保護層4である。この熱転写性保護層4は、熱転写性インク層により被転写体上に形成された転写画像の上に熱転写法というプロセスにより熱転写され、紫外線等に対する耐久性を付与する機能を有する必要があるため、紫外線吸収等に対する保護と被転写体に対する接着性を兼ね備える接着層、その下層に位置して基材シートから熱転写時に容易に剥離できるようにするための剥離層等の複層構成とすることが一般的である。
熱転写性保護層4を構成するバインダ樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。これらの中では、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好ましい。
熱転写性保護層4に添加する紫外線吸収剤としては、従来から、コストや紫外線吸収範囲、種類の多さ、用途範囲等を考慮して、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系のものが多く使用されている。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤はそれを分散している熱可塑性樹脂中から昇華して失われる傾向はあるが、トリアジン系の紫外線吸収剤は、ブリードアウトによる紫外線吸収能力の低下を起こしにくい傾向がある。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を例示することができる。これらは単独でまたは複数を混合して使用すればよい。
また、トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を例示することができる。
熱転写性保護層4の厚さ関しては特に制限はなく、必要とされる紫外線吸収能力等を考慮して任意に選択すれば良い。
本発明においては、熱転写性保護層4中に含有させるこれらの紫外線吸収剤は、バインダ樹脂100質量部に対し1〜20質量部の程度に添加しておくことが好ましい。添加量が1質量部未満の場合、熱転写性保護層4中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。
また、熱転写性保護層4には、添加剤としてトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の他に、ヒンダードアミン系光安定剤を添加しておくことが好ましい。
ヒンダードアミン形の光安定剤としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等を例示でき、これらを単独でまたは複数を混合して使用すればよい。
また、熱転写性保護層4には、紫外線吸収剤、光安定剤の他に、必要に応じて熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することができる。また、透明性を維持する範囲で着色剤を添加することもできる。さらに、酸化防止剤として、フェノール系、イオウ系、リン系の酸化防止剤を添加することもできる。これらの中から任意のものを選択して熱転写性保護層4中に添加すればよいが、多量添加による表面へのブリードアウトや着色、紫外線吸収剤や光安定剤との相乗・拮抗作用には留意する必要がある。
熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系、硫黄系、肥土レジン系等のものが、難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシシウム等を例示することができる。
熱転写性保護層4の下層には離型層を設けておいてもかまわない。離型層は、熱転写性保護層4の基材シート1からの剥離の重さを適当な範囲内に調整し、基材シート1からの
安定的な剥離を確保するために設けられるものであり、上記の条件さえ満たしていれば必ずしも設けなくてもよい。
離型層の構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体や、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコン系等の熱硬化性樹脂等からなる離型剤を挙げることができる。
<隔壁部>
隔壁部5は、印画時にサーマルヘッドによって加熱されない基材シート1端部あるいは、熱転写性インク層の周辺設ける樹脂層であり、熱転写性インク層より、厚さのある樹脂層を設けることによって、巻き取り保管時における耐熱滑性層2と接触圧力を抑制し、熱転写性インク層から耐熱滑性層2への染料の移行を低減させることが可能となる。非印画部であれば熱転写性インク層上に積層してもかまわない。
隔壁部5で使用される樹脂は特に制限はなく、熱転写性インク層で使用されるバインダ樹脂が使用可能である。すなわち、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等を具体例として挙げることができる。
隔壁部5の厚さは、熱転写性インク層より大きくする必要がある。熱転写性インク層の厚さをh1、隔壁部の厚さをh2とすると、h2−h1が0.5μm未満では、十分に巻き取り圧力を抑制とすることが出来ない。一方、2.0μmを越えると、巻き取りの圧力は十分に低減できるが、巻き取り厚さが増加し、リボンカートリッジに所定の印画枚数を巻き取ることができないという不具合が懸念される。望ましくは0.5μm〜2.0μmでより望ましくは1.0μm〜1.5μmの範囲である。
次に、本発明の実施例について説明する。
以下、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<実施例1>
(耐熱滑性層塗工液の作製)
下記組成の材料を、ハイスピードミキサーで混合し、耐熱滑性層の塗工液を作製した。
アクリルポリオール樹脂 25.0部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル 0.5部
トルエン 50.0部
メチルエチルケトン 19.5部
酢酸エチル 5.0部
(耐熱滑性層付き基材シートの作製)
次に、上記の塗工液を使用して耐熱滑性層付き基材シートを作製した。
基材シートとして、厚さ4.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、片方の面に上記で作製した耐熱滑性層塗工液96.0部に対し2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマーを3.6部添加後、5分以上撹拌した塗工液をグラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗布、乾燥した後に、40℃環境下で1週間エージングすることで、耐熱滑性層付き基材シートを得た。
(熱転写性インク層および隔壁部の形成)
耐熱滑性層付き基材シートの耐熱滑性層が設けられた側とは反対の面に、下記組成の熱転写性インク層塗工液1〜3を面順次に、グラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が0.70μmになるように塗布し、熱転写性インク層を形成した後、隔壁部形成用の塗工液を用いて、熱転写性インク層が設けられていない基材シート端部にグラビアコーティング法により、乾燥後の厚さが2.0μmになるように隔壁部を形成した。
(熱転写性インク層塗工液1)
C.I.ソルベントイエロー93 3.0部
C.I.ソルベントイエロー13 4.0部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(熱転写性インク層塗工液2)
C.I.ディスパースレッド60 4.0部
C.I.ディスパースバイオレット26 3.0部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(熱転写性インク層塗工液3)
C.I.ソルベントブルー63 4.0部
C.I.ソルベントブルー36 3.0部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(隔壁部塗工液)
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(熱転写保護層の形成)
離型層形成用の塗工液を用いて、グラビアコーティング法により、離型層を乾燥後の膜厚が0.3μmで面順次に形成し、さらに、離型層上に熱転写性保護層用の塗工液を用いて、グラビアコーティング法により熱転写性保護層を乾燥後の膜厚が2.0μmで設け実施例1の熱転写シートを得た。
(離型層塗工液)
ポリビニルアルコール 20.0部
イソプロピルアルコール 20.0部
蒸留水 60.0部
(熱転写性保護層塗布液)
アクリル樹脂 30.0部
トリアジン系紫外線吸収剤 5.0部
ヒンダードアミン系光安定剤 0.1部
メチルエチルケトン 35.0部
トルエン 30.0部
<実施例2>
実施例1において、熱転写性インク層塗液1のC.I.ソルベントイエロー93を1.0部、C.I.ソルベントイエロー13を2.0部、熱転写性インク層塗液2のC.I.ディスパースレッド60を2.0部、C.I.ディスパースバイオレット26を1.0部、熱転写性インク層塗液3のC.I.ソルベントブルー63を2.0部、C.I.ソルベントブルー36を1.0部としたこと以外は実施例1と同様の方法で実施例2の熱転写シートを作製した。
<実施例3>
実施例1において、熱転写性インク層塗液1のC.I.ソルベントイエロー93を5.0部、C.I.ソルベントイエロー13を7.0部、熱転写性インク層塗液2のC.I.ディスパースレッド60を7.0部、C.I.ディスパースバイオレット26を5.0部、熱転写性インク層塗液3のC.I.ソルベントブルー63を7.0部、C.I.ソルベントブルー36を5.0部としたこと以外は実施例1と同様の方法で実施例3の熱転写シートを作製した。
<実施例4>
実施例1において、隔壁部の乾燥後の厚さを、1.5μmにしたこと以外は実施例1と同様の方法で実施例4の熱転写シートを作製した。
<実施例5>
実施例1において、熱転写性インク層の乾燥後の厚さが0.4μm、隔壁部の乾燥後の厚さが、1.5μmにしたこと以外は実施例1と同様の方法で実施例5の熱転写シートを作製した。
<比較例1>
実施例1において、隔壁部を設けないこと以外は実施例1と同様の方法で比較例1の熱転写シートを作製した。
<比較例2>
実施例1において、隔壁部の乾燥後の厚さを、1.1μmにしたこと以外は実施例1と同様の方法で比較例2の熱転写シートを作製した。
(性能評価)
実施例及び比較例に係る熱転写シートを作製した後にそれぞれを一次ロールとして巻き付けた状態で、25℃50%RHで24時間エージングしてから、製品ロールへの巻き換えを行い、性能評価用のロールを作製し、しかる後に40℃50%RHの環境下で48時間エージングした。
次に、エージングの終わった性能評価用ロールを熱転写プリンタにセットし、熱転写性保護層のみ転写した白ベタ印画、及び黒ベタ印画を行い、白ベタの印画物については外観評価を行い、黒ベタ印画については反射濃度の測定を行った。
(評価結果)
白ベタ印画物については、目視にて外観評価を行い、染料による汚染がないものを○、染料による汚染が確認できるが実用上問題ないものを△、染料による汚染が確認できるものを×として評価を行った。また、黒ベタ印画物の濃度測定は、X−right(エス・
ディ・ジー株式会社製)を用いてビジュアルフィルターにて反射濃度測定を行い、反射濃度が1.95以上のものを○、1.85〜1.94のものを△、1.85未満のものを×として評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。
表1に示した結果のように本発明の実施例1〜5は性能上問題ないことがわかる。一方、隔壁部を設けていない比較例1、あるいは熱転写性インク層の厚さに対し隔壁部の厚さが十分なでない比較例2は、巻き取り保管時に熱転写性インク層と耐熱滑性層の接触圧力を低減できないため裏々移りによる熱転写性保護層の汚染による概観不良が確認された。
1・・・基材シート
2・・・耐熱滑性層
3Y・・・熱転写性インク層(イエロー)
3M・・・熱転写性インク層(マゼンタ)
3C・・・熱転写性インク層(シアン)
4・・・熱転写性保護層
5・・・隔壁部
h1・・・熱転写性インク層の厚さ
h2・・・隔壁部の厚さ

Claims (3)

  1. 基材シートの一方の面に、複数の熱転写性インク層と熱転写性保護層をセットとした組が、基材シートの長手方向に面順次で1組以上設けられている熱転写シートにおいて、熱転写性インク層上またはその周辺部の非印画部に樹脂からなる隔壁部が設けられており、前記複数の熱転写性インク層の厚さをh1、隔壁部の厚さをh2とすると、h2−h1が0.5μm以上であることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記熱転写性インク層は、熱昇華性染料とバインダ樹脂とを主体としてなるものであることを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
  3. 前記熱転写性インク層は、熱昇華性染料がバインダ樹脂100質量部に対して30〜300質量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写シート。
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