JP2013169716A - 画像形成方法及びそれに用いる熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】
熱転写方式による画像形成において、高速印画時における転写感度が高く、印画における異常転写を防止するための機能を付与する熱転写シートを提供することを目的とするものである。
【解決手段】
熱転写受容シート上に、複数の着色層が色順次に施された第一の熱転写シートと、少なくともシリコーンオイルを含む離型性付与層と熱転写性保護層が施された第二の熱転写シートとを用いて熱転写する画像形成方法であって、前記第一の熱転写シートの一着色層毎に、熱転写後の面上に前記第二の熱転写シートの離型性付与層を熱転写で積層し、最後の着色層の熱転写後の離型性付与層の面上に、熱転写性保護層を熱転写で積層することを特徴とする画像形成方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のサーマルヘッドを有する感熱転写方式のプリンターを用いた画像形成方法とそれに使用される熱転写シートに関するものである。
一般に、熱転写シートは、サーマルリボンと呼ばれ、感熱転写方式のプリンターに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に感熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けたものである。ここで感熱転写層は、プリンターのサーマルヘッドに発生する熱によって、インク等の転写成分を紙やプラスチックシート等の基材シート上に設けた受容層を備えた熱転写受容シートに転写するものである。
現在、感熱転写方式の中でもインクを昇華させて画像を形成する昇華型熱転写方式は、プリンターの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、高速化、低コスト化、また得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年では基材の同じ側に印画物への耐久性を付与する保護層等を重ならないように設けられた複数の感熱転写層をもつ熱転写シートが普及してきている。
そのような状況の中、用途の多様化と普及拡大に伴い、よりプリンターの印画速度の高速化が進むに従って、従来の熱転写シートでは十分な印画濃度が得られないという課題が生じてきた。そこで転写感度を上げるべく、熱転写シートを薄膜化し、それにより印画における転写感度の向上を試みることが行われてきた。しかし、この手法は、熱転写シートの製造時や印画の際に熱や圧力等によりシワが発生したり、場合によっては熱転写シートの破断が発生するという課題を抱えている。
また、熱転写シートの熱転写性インク層における染料(Dye)/樹脂(Binder)の比率を大きくして、印画濃度や印画における転写感度の向上を試みることが行われている。しかし、この手法は、染料を増やすことでコストアップとなるばかりではなく、製造工程における巻き取り状態時に熱転写シートの耐熱滑性層へ染料の一部が移行(つまり、裏移り)し、その後の巻き返し時に、その移行した染料が他の色の熱転写インク層、あるいは保護層に再転移(つまり、裏裏移り)することがある。このため、この汚染された層を被転写体へ熱転写すると、指定された色と異なる色相になったり、未印画箇所でも染料が移行してしまう、いわゆる地汚れが生じたりする場合がある。
また、熱転写シート側ではなく、プリンター側で画像形成時のエネルギーをアップする試みも行われている。しかし、この手法は、消費電力が増えるばかりではなく、プリンターのサーマルヘッドの寿命を短くする他、熱転写シートと受容シートとが融着し、いわゆる異常転写が生じやすくなる。それに対して異常転写を防止するために、インク層あるいは受容層に離型剤を添加するという試みがなされている。
しかしながら、昇華型熱転写方式では複数のインク層を同一箇所に順次熱転写させ画像を形成するが、昇華性染料の転写によって受容層表面の離型性が低下し、2色目、3色目の転写時には受容層側の離型性が不足し、異常転写が生じるといった問題がある。上記の問題を解決するために、熱転写シートの各インク層に隣接して熱転写可能な受容形成樹脂を同一基材上に設けて、各インク層の熱転写の度に、各インク層の適合に合わせた受容層を受容体となる基材シートに予め転写させることによって、受容体側の離型性の低下を防
ぎ、異常転写を防止する提案がなされている(特許文献1を参照)。
しかしながら、特許文献1で提案されている方法で画像を形成すると、厚みのある受容層形成樹脂を複数回同一箇所に熱転写させた場合、画像形成時の温度あるいは湿度の影響し印画物のカールが発生しやすくなるといった問題がある。
特開平4−142985号公報
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、熱転写方式による画像形成において、高速印画時における転写感度が高く、印画における異常転写を防止するための機能を付与する熱転写シートを提供することを目的とするものである。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、熱転写受容シート上に、複数の着色層が色順次に施された第一の熱転写シートと、少なくともシリコーンオイルを含む離型性付与層と熱転写性保護層が施された第二の熱転写シートとを用いて熱転写する画像形成方法であって、
前記第一の熱転写シートの一着色層毎に、熱転写後の面上に前記第二の熱転写シートの離型性付与層の離型剤を熱転写で移行させ、最後の着色層の熱転写後の離型性付与層の面上に、熱転写性保護層を熱転写で積層することを特徴とする画像形成方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の前記画像形成方法に使用する第二の熱転写シートが、基材シートの一方の面に耐熱滑性層、他方の面に熱移行性の離型性付与層と熱転写性保護層を有し、前記離型性付与層が少なくとも変性シリコーンオイルとバインダ樹脂とを含有することを特徴とする熱転写シートである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記変性シリコーンオイルが、バインダ樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の熱転写シートである。
本発明の請求項1に係る発明によれば、複数の着色層が色順次に施された第一の熱転写シートと、少なくとも熱転写性保護層が施された第二の熱転写シートを用い、前記第一の熱転写シートの一着色層毎に、熱転写後の面上に前記第二の熱転写シートの離型性付与層を熱転写で積層することで、例えば、1色目の着色層の熱転写後に、2色目の着色層を熱転写する際に、その直後に第二の熱転写シートの離型性付与層の離型剤のみが移行するため、2色目の着色層の離型が容易であり、また、最後の着色層の熱転写後の離型性付与層の面上に、熱転写性保護層を熱転写することで、高速印画時における転写感度が高く、印画における異常転写を防止することができる。
また、本発明の請求項2及び3に係る発明によれば、複数の着色層が色順次に施された第一の熱転写シートとは別の、少なくとも離型性付与層と熱転写性保護層が施された第二の熱転写シートを用いることで、裏裏移りによる熱転写性保護層の汚染を防止することが可能となる。
本発明の熱転写シートの一実施形態の断面概略図である。
本発明の熱転写シートは、基材の一方の面に少なくとも離型性付与層と熱転写性保護層を有するものであり、図を基に本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の断面概略図を示している。すなわち本発明は、基材シート1、耐熱滑性層2、離型性付与層3、熱転写性保護層4、離型層5から構成されるものである。
基材シート1としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。これらの中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜9μm程度のものがさらに好ましい。
また、基材シート1においては、耐熱滑性層2を形成する面あるいは反対の面に、接着処理を施すことも可能である。接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することができ、それらの処理を二種以上併用することもできる。本発明の実施形態では、接着処理を施すことにより、基材シート1と離型性付与層3、離型層5との接着性を高めることが有効であり、コスト面からもプライマー処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
次に、耐熱滑性層2は、熱転写時にサーマルヘッドと基材シート1の融着を防止するためのものであり、バインダ樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤などを配合して調製し、塗布、乾燥して形成することができる。特に充填剤の役割は重要で、耐熱滑性層2に凹凸をつけることにより、上記特性、すなわち離型性や滑り性を付与することができる。
この耐熱滑性層2の乾燥後の膜厚は、一概に限定されるものではないが、0.1〜2.0μm程度が適当である。0.1μm未満では、耐熱性が著しく劣り、印画の際の熱や圧力等によりシワが発生する可能性がある。また2.0μm以上では、熱転写シート自体の感度低下に影響し、高速印画時における転写濃度が不足する可能性がある。
耐熱滑性層2を構成する前記バインダ樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。
また、機能性添加剤としては、例えば、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル又は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤等を挙げることができる。
また、充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。
また、硬化剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のイソシアネート類、およびその誘導体を挙げることができるが、前記は全て特に限定されるわけではない。
前記離型性付与層3は、変性シリコーンオイル、バインダ、溶剤などを配合して離型性付与層3形成用の塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。離型性付与層3はサーマルヘッドからの熱エネルギーを受け、受容層上に離型剤を移行させ受容層の離型性を向上させるものである。離型性付与層3の乾燥後の膜厚は、0.5μm程度が適当である。
離型性付与層3に含まれるバインダ樹脂は、従来公知のバインダ樹脂がいずれも使用でき、特に限定されるものではない。例えば、このバインダ樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
離型性付与層3に含まれる変性シリコーンオイルは、サーマルヘッドからの熱エネルギーによって拡散し受容層表面に移行するものであれば制限はない。本発明の実施形態に用いられる変性シリコーンオイルとしては、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとが挙げられる。反応性シリコーンオイルとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性等のシリコーンオイルが挙げられる。また、非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、アラルキル変性、フロロアルキル変性、長鎖アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フェニル変性等のシリコーンオイルが挙げられる。 また、本発明の実施形態で用いられる変性シリコーンオイルの硬化物としては、反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等のシリコーンオイルが挙げられる。また、本発明の実施形態においては、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルが好適に用いられる。
また、離型性付与層3に含まれる変性シリコーンオイルは、バインダ100質量部に対して、0.5質量部から10質量部の範囲内にあることが好ましい。第2のバインダ樹脂100質量部に対して、変性シリコーンオイルが0.5質量部未満の場合には、離型剤の移行が起こりにくく、その結果、異常転写が発生する。また、変性シリコーンオイルが10質量部より大きい場合には、離型剤の移行が過度に起こり、その結果、地汚れが発生する。
前記熱転写性保護層4としては、被転写体上に形成された画像への紫外線等からの耐久性が要求されると同時に、熱転写法というプロセスにより被転写体上に形成される必要が
ある。このため、一般的には紫外線吸収等の保護層としての本来的な性能と同時に被転写体への接着性を兼ね備える接着層、その下層に基材シート1から熱転写時に容易に剥離するための剥離層といった複数の層の積層体から形成されることが一般的である。
熱転写性保護層4のバインダ樹脂としては、熱溶融性以外には、特に限定されるものではない。例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。特に、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好ましい。
熱転写性保護層4に含まれる紫外線吸収剤に関しては、従来、コストや紫外線吸収範囲、種類の多さ、用途範囲の現状から、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の使用が多く、主とされてきていた。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、熱分析(示差熱/熱重量同時測定)から昇華しバインダから失われる傾向はあるが、例えば、トリアジン系の紫外線吸収剤を使用した場合にトリアジン系の紫外線吸収剤のブリードアウトによる吸収能力の低下は起こらない。
また、熱転写性保護層4の厚みに関しては、特に制限はなく、必要とされる紫外線吸収能力などを考慮して任意に選択すれば良い。
本発明の実施形態における熱転写性保護層4に使用するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
また、本発明の実施形態における熱転写性保護層4に使用するトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
また、本発明の実施形態において熱転写性保護層4に使用する紫外線吸収剤は、バインダ樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加されることが好ましい。添加量が1質量部未満の場合、熱転写性樹脂層中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。
また、熱転写性保護層4には、添加剤としてトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤の他に、ヒンダードアミン系光安定剤が添加されることが好ましい。
熱転写性保護層4に用いられるヒンダードアミン系光安定剤としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
また、熱転写性保護層4には、紫外線吸収剤、光安定剤の他にも、必要に応じて熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、透明性を維持する範囲での着色剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系の酸化防止剤が用いられる。組み合わせは任意の組み合わせが可能であるが、多量添加による表面へのブリードアウトや着色、紫外線吸収剤や光安定剤との相乗・拮抗作用には留意する必要がある。
熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系、硫黄系、肥土レジン系等、難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシシウム等、クエンチャーとして、Niキレート系を用いることができる。
離型層5は、熱転写性保護層4を基材シート1からの剥離の重さを適当な範囲内に調整し、基材シート1からの安定的な剥離性を確保するために熱転写性保護層4の下層に設けられるものであり、上記の条件さえ満たしていれば必ずしも必要ではない。
離型層5の材料としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体や、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等からなる離型剤を挙げることができる。
なお、耐熱滑性層2、離型性付与層3、熱転写性保護層4、離型層5は、いずれも従来公知の塗布方法にて、塗布、乾燥することで形成可能である。前記各層の塗布方法の一例を挙げると、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法を挙げることができる。
以上のように、複数の着色層が色順次に施された第一の熱転写シート(インクリボン)による一色目以降の熱転写の前に、本発明の第二の熱転写シートの離型性付与層3の離型剤を付与する熱転写工程を加えることで、熱転写時に離型性付与層3に含まれる離型剤を受容層に移行させることが可能で、受容層側の離型性を向上させることができる。よって
、高速印画時における転写感度が高く、印画における異常転写を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を具体的な実施例1〜5により説明する。
<実施例1>
<耐熱滑性層付基材シートの作製>
基材シートとして、一方の面が易接着処理を施してある厚さ3.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その他方の面に下記組成の材料を混合、溶解して塗工液を調整し、乾燥後の膜厚が0.3μmになるようにダイレクトグラビアコートにより塗工して耐熱滑性層付基材シートを得た。
ポリビニルアセタール樹脂 25質量部
滑剤 1質量部
メチルエチルケトン 37質量部
トルエン 37質量部
<離型性付与層の塗工液の調整>
下記組成の材料を混合、溶解して離型性付与層を形成する塗工液を調整した。
ポリビニルアセタール樹脂 5.0質量部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5質量部
メチルエチルケトン 46質量部
トルエン 46質量部
<離型層の塗工液の調整>
下記組成の材料を混合、溶解して離型層を形成する塗工液を調整した。
ポリビニルアルコール 20質量部
イソプロピルアルコール 20質量部
蒸留水 60質量部
<熱転写性保護層の塗工液の調整>
下記組成の材料を混合、溶解させて熱転写性保護層の塗工液を調整した。
アクリル樹脂 30質量部
トリアジン系紫外線吸収剤 3質量部
ヒンダードアミン系光安定剤 0.1質量部
メチルエチルケトン 50質量部
トルエン 50質量部
<熱転写シートの作製>
次に、前記耐熱滑性層付基材シートの一方の面(易接着処理面側)に、ダイレクトグラビアコート法を用いて、離型性付与層を乾燥膜厚0.5μm、離型層を乾燥膜厚0.5μmで順次形成した後、離型層上に、熱転写性保護層を乾燥膜厚1.5μmで積層して熱転写シートを作製した。
<実施例2>
離型性付与層のアミノ変性シリコーンオイルの添加量を0.25質量部にした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<実施例3>
離型性付与層のアミノ変性シリコーンオイルの添加量を0.05質量部にした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<実施例4>
離型性付与層のアミノ変性シリコーンオイルの替わりにポリエーテル変性シリコーンオイルにした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<実施例5>
離型性付与層のアミノ変性シリコーンオイルの添加量を0.04質量部にした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<比較例1>
離型性付与層にアミノ変性シリコーンオイルを添加しない以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<比較例2>
離型性付与層のアミノ変性シリコーンオイルの替わりにパーフルオロアルキル基含有オリゴマーにした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<インクリボンの作製>
上記のように作製した実施例1〜5、および比較例1、2の熱転写シートの性能評価を行うための第一の熱転写シート(インクリボン)を作製した。
<耐熱滑性層付基材シートの作製>
下記組成の材料を混合、溶解して耐熱滑性層の塗工液を調整し、基材シートとして一方の面が易接着処理を施してある厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面(非易接着面)に、乾燥後の膜厚が1.0μmになるようにダイレクトグラビアコートにより塗工して耐熱滑性層付基材シートを得た。
ポリビニルアセタール樹脂 25質量部
イソシアネート硬化剤 1.1質量部
滑剤 1質量部
メチルエチルケトン 36質量部
トルエン 36質量部
<熱転写性インク層の塗工液の調整>
下記組成の材料を混合、溶解してイエローの熱転写性インク層の塗工液を調整した。
C.I.ソルベントイエロー93 3.0質量部
C.I.ソルベントイエロー16 1.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0質量部
アミノ変性シリコーンオイル 0.2質量部
メチルエチルケトン 45質量部
トルエン 45質量部
同様に、下記組成の材料を混合、溶解してマゼンタの熱転写性インク層の塗工液を調整した。
C.I.ディスパースレッド60 1.5質量部
C.I.ディスパースバイオレット26 1.5質量部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0質量部
アミノ変性シリコーンオイル 0.2質量部
メチルエチルケトン 46質量部
トルエン 46質量部
同様に、下記組成の材料を混合、溶解してシアンの熱転写性インク層の塗工液を調整した。
C.I.ソルベントブルー63 1.5質量部
C.I.ソルベントブルー36 1.5質量部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0質量部
アミノ変性シリコーンオイル 0.2質量部
メチルエチルケトン 46質量部
トルエン 46質量部
上記のように調整されたイエロー、マゼンタ、シアンの熱転写性インク層の塗工液を、前記耐熱滑性層付基材シートの一方の面(易接着処理面側)に、ダイレクトグラビア法を用いて乾燥後の膜厚がそれぞれ1.0μmになるように順次形成して、性能評価用のインクリボンを作製した。
<性能評価>
異常転写評価のために画像形成テストを行った。二つのサーマルヘッドを有する昇華型熱転写プリンターを用い、受容層を備えた感熱転写受容シートと、インクリボン、上記実施例1〜5の熱転写シート及び比較例1、2の熱転写シートを用いて行った。画像形成は順に、イエロー、離型性付与層、マゼンタ、離型性付与層、シアン、熱転写保護層といったようにインクリボンに設けたインク層と本発明の熱転写シートに設けた離型性付与層および、熱転写保護層が受容シート上で交互に熱エネルギーがかかるようなプログラムで行った。
画像としては、黒ベタ形成する最高出力を100%として、インク層については各色とも100%(黒ベタ)、50%(グレー)、20%(明るいグレー)の出力で形成される3画像について印画を行った。離型性付与層については、30%の出力で離型剤の移行を行った。こうして、印画された印画物について異常転写の評価を行った。その結果を表1に示す。
<評価基準>
異常転写の評価は、以下の基準にて行った。なお、許容値は、△以上である。
○:被転写体への異常転写は、認められない
△:被転写体への異常転写は、ごく僅かに認められる
×:被転写体への異常転写は、認められる
<比較結果>
表1に示す結果から、異常転写について、変性シリコーンオイルとバインダとを含む離型性付与層を設けた実施例1〜5の熱転写シートにおいては、実用上問題はなかった。アミン変性シリコーンオイルの添加量については、0.5〜10%で良好であった。0.4%であると高エネルギーでは僅かに異常転写が確認されたが、実用上問題ないレベルであった。ポリエーテル変性シリコーンオイルについても、0.5%の添加で実用上問題ないレベルであった。
一方、離型剤を添加していない比較例1は、離型性の不足により異常転写が発生したものだと思われる。また、フッ素系離型剤を使用した比較例2では、比較例1と比べると若干の良化は確認できるが、明らかな異常転写が発生した。変性シリコーンオイルと同じプロセスで印画を行っているにもかかわらず、変性シリコーンオイルと比較して熱エネルギーによる離型剤の移行が起こりにくい。結果として、受容層側の離型性の不足により異常
転写が発生したものと考えられる。
上記のように、実施例1〜5で得られた本発明品はいずれも良好な熱転写による画像品質が得られた。一方、比較例1及び2で得られた比較例品いずれも異常転写を生じ、実用レベルに達しない画像品質であった。
1・・・基材シート
2・・・耐熱滑性層
3・・・離型性付与層
4・・・熱転写性保護層
5・・・離型層

Claims (3)

  1. 熱転写受容シート上に、複数の着色層が色順次に施された第一の熱転写シートと、少なくともシリコーンオイルを含む離型性付与層と熱転写性保護層が施された第二の熱転写シートとを用いて熱転写する画像形成方法であって、
    前記第一の熱転写シートの一着色層毎に、熱転写後の面上に前記第二の熱転写シートの離型性付与層の離型剤を熱転写で移行させ、最後の着色層の熱転写後の離型性付与層の面上に、熱転写性保護層を熱転写で積層することを特徴とする画像形成方法。
  2. 請求項1に記載の前記画像形成方法に使用する第二の熱転写シートであって、基材シートの一方の面に耐熱滑性層、他方の面に熱移行性の離型性付与層と熱転写性保護層を有し、前記離型性付与層が少なくとも変性シリコーンオイルとバインダ樹脂とを含有することを特徴とする熱転写シート。
  3. 前記変性シリコーンオイルが、バインダ樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の熱転写シート。
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