JP5287095B2 - 熱転写性シート - Google Patents

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Description

本発明は熱転写性シート、特に、被転写媒体に記録されている転写画像を覆うように転写させ、転写画像等を保護できるようにするための熱転写性保護層をその一部に具備してなる熱転写性シートに関する。
熱転写性シートは、サーマルリボンとも呼ばれ、例えば、基材シートの一方の面に熱転写性インク層、他方の面にバックコート(耐熱滑性層)を設けた構成のものである。このような熱転写性シートを用い、サーマルプリンタのサーマルヘッドから所定の加熱を行い、熱転写性インク層の一部を溶融させて被転写媒体側に転写させるか、あるいは熱転写性インク層中の昇華性染料を昇華させて被転写媒体側に移行させることにより、所定の熱転写記録が行われる。
現在、熱転写記録方式は、サーマルプリンタの高機能化が進み、各種画像が簡便に記録できることから、身分証明書等のカード類やアミューズメント用出力物等への画像情報の記録に広く利用されている。このような状況のもと、熱転写記録方式により得られる転写画像記録媒体の耐久性を求める声が大きくなり、近年では熱転写性シートを利用して記録された転写画像上に保護層を覆うように設け、転写画像記録媒体の耐久性を向上させることが数多く行われている。
熱転写性シートを用いて熱転写記録方式により得られた転写画像記録媒体を太陽光や照明光等の下に長時間暴露した場合には、転写画像部が紫外線や大気中のオゾンの影響で退色し、記録が不鮮明となり問題となる。そこで記録された転写画像に耐退色性を付与するため、紫外線吸収剤が配合されている熱転写性の保護層を有する熱転写性シートを用いて熱転写記録方式で転写画像上に保護層を設ける方法が従来から採られている。
このとき、高度な耐退色性を得ようとして、熱転写性の保護層中に紫外線吸収剤を高濃度に添加すると、保護層自身の凝集力が低下し、被転写媒体側に保護層を転写する際、保護層の一部が転写されないといった状態、いわゆる異常転写が起きることがある。また、保護層を厚くすることによって耐退色性を向上させることもできるが、保護層を厚くすると熱転写時の熱感度低下に伴う被転写媒体との接着不良に起因する異常転写や発色不良が起き易くなる。
特許文献1や特許文献2では、紫外線吸収剤を用いた層を具備させ、紫外線による退色や褐色化を回避しようとしているが、最表層に紫外線吸収剤を混合させていて、表面耐性(硬度、耐スクラッチ性等)の向上については考慮されておらず、また大気中のオゾンによる退色や褐色化、さらには異常転写への対策も不十分である。
また、特許文献3では、保護層の中間層に紫外線吸収層なるものを存在させるようにしているが、密着性やコストへの対策が不十分で、さらには転写時の箔切れ等に影響を与えたり、紫外線吸収剤が高濃度に添加されていることによるブリード発生等の問題が危惧される。また、紫外線吸収能を上げることはできるものの、保護層に必要な耐摩擦性、耐スクラッチ性等はある程度犠牲にせざるを得ないばかりか、大気中のオゾンによる退色や褐色化への対策も不十分である。
また、保護層中に紫外線吸収剤を存在させる際、紫外線吸収剤を層中で共重合させない場合には、保護層を構成する樹脂との相溶性によっては、混合溶解量に上限が出てくる。
さらに、高濃度で添加できたとしても、ある条件下では、ブリードしやすくなる場合も多くなる。ブリードが発生すると、熱転写性シートのブロッキング、被転写媒体への転写不良、さらには透明性低下が起き易くなると共に、耐退色性にも影響を与えるようになる。また、紫外線吸収剤が保護層中で共重合されたとしても、それが最表層にくると、紫外線吸収剤を含まない樹脂単体の構成材料で保護層が形成されている場合よりも表面硬度が低下することがある。紫外線吸収剤を含む層が最表面に位置しないように中間層中に紫外線吸収剤を含むようにしても、箔切れ等に影響する場合が多い。
一方、特許文献4にあるように、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーに紫外線吸収剤を混合した層を設けるようにしたものもあるが、熱転写時に、感熱転写層を構成する離型層と剥離層の間で的確に剥離して熱転写が行えるようにしたものではなく、熱転写時以外の通常の取り扱い時には、各層間で安定化した密着強度が確保でき、剥がれることがないように考慮したものでもない。
感熱転写性シートにおいては、上述したように耐光性や耐オゾン性等への配慮が必要ではあるが、被転写媒体側に熱転写が行われる時、被転写媒体側に転移する層と、感熱転写性シートの基材シート側に残る層とが如何にきれいに分離でき、適正な転写ができることがより強く要求されている。従って、このような要求を満たすべく、基材シート上の離型層と剥離層の構成材料を選択し、それらを組み合わせることにより、離型層と剥離層との間の剥離強度を適正な範囲にすることが必要となってくる。
ここで、本発明の一例として、熱転写性シート上の感熱転写層として、基材シート側より離型層、熱転写保護層として、剥離層、接着層を具備した例について記述する。
例えば、剥離層/離型層間の剥離を容易(即ち、軽剥離化)にすべく、層間の密着強度を下げることも一つの方法である。しかし、このようにすると、非転写記録時にちょっとした衝撃が加わっても剥がれ落ちてしまうことになる。
逆に、上述のような異常剥離を心配するあまりに、層間の密着強度を強くしすぎると、離型層と剥離層との間、あるいは、基材シートと離型層との間で全転写あるいは部分転写といった異常剥離、転写不良を発生させてしまうことも少なくない。
特に、基材シートと離型層との間の密着強度が弱いと、熱転写性シートに対してスリット加工等の後加工を施す際に、基材シートから離型層が剥離することが多くなる。
そこで、特開平8−310138号公報、特許第4034856号公報では、昇華性転写シートに熱転写性保護層を設け、さらに、基材シートと保護層との間に剥離層を設けるようにしている。
また、特開平11−105437号公報、特開2002−274064号公報、特開2003−80844号公報、特許第3949930号公報、特開2003−145946号公報、特開2004−74768号公報、特開2004−122756号公報、特許第4074239号明細書、特開2006−306087号公報等では、基材と転写性保護層との間に、非転写性の離型層を設けるようにしている。
そして、特開2005−67071号公報、特開2005−88409号公報、特開2006−123526号公報、特開2006−123533号公報では、基材シートと保護層を設け、さらに離型層も設けており、その離型層の構成材料としてセルロース誘導体樹脂を用いる点が記載されている。
これらの感熱転写性シートにおける種々の改良により、各層間の密着性や熱転写時の剥離性が一応向上するようにはなっているが、最近は、熱転写記録時以外の通常の取り扱い時には、各層間での安定した密着強度がより確実に確保でき、熱転写時には、感熱転写層を構成する離型層と剥離層との間でより的確に剥離して良好な熱転写が行えるようにした感熱転写シートの開発が強く求められている。
特開平10−315641号公報 特許2000−71626号公報 特開平7−276831号公報 特開平7−117367号公報
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、その主とする課題は、基材シートの一方の面に、少なくとも熱転写性インク層と感熱転写層とが基材シートの長手方向に順次設けられている熱転写性シートにおいて、熱転写時には、感熱転写層を構成する離型層と剥離層との間で的確に剥離して熱転写が行えると共に、熱転写時以外の取り扱い時には、各層間で安定した密着強度が確保でき、不用意に剥がれることがないようにした熱転写性シートを提供することにある。
上述の課題を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、基材シートの一方の面に、少なくとも熱転写性インク層と感熱転写層とが基材シートの長手方向に順次設けられている熱転写性シートであって、感熱転写層は少なくとも離型層と熱転写性保護層とを具備する複層構成で、離型層を介して基材シート上に設けられており、感熱転写時には離型層を基材シート側に残したまま離型層と熱転写性保護層中の剥離層との界面で剥離し、熱転写性保護層が被転写媒体側に転写されるようになっていると共に、離型層の構成材料は少なくとも2種以上の樹脂を含み、そのうちの1種が基材シートの構成材料中のメインバインダーと同系の樹脂であり、且つ離型層の構成材料の内、基材シートのメインバインダーと同系の樹脂が重量部で離型層全体の5割を超えず、且つ離型層の構成材料の内、剥離層のメインバインダーと同系の樹脂が重量部で離型層全体の5割を超えないことを特徴とする熱転写性シート。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱転写シートにおいて、前記離型層の構成材料中に含まれる樹脂が少なくともセルロース系とポリエステル系の樹脂であり、前記基材シートがポリエステル系の樹脂からなることを特徴とする。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の熱転写性シートにおいて、前記熱転写性保護層は複層構成で、剥離層を介して離型層上に設けられていると共に、離型層の構成材料中に含まれる樹脂のうち、少なくとも1種はセルロース系の樹脂であることを特徴とする。
本発明の熱転写性シートは、基材シートの一方の面に、少なくとも熱転写性インク層と感熱転写層とが基材シートの長手方向に順次設けられている熱転写性シートであって、感熱転写層は少なくとも離型層と熱転写性保護層とを具備する複層構成で、離型層を介して基材シート上に設けられており、感熱転写時には離型層を基材シート側に残したまま離型層と熱転写性保護層中の剥離層との界面で剥離し、熱転写性保護層が被転写媒体側に転写されるようになっていると共に、離型層の構成材料は少なくとも2種以上の樹脂を含み、そのうちの1種が基材シートの構成材料中のメインバインダーと同系の樹脂であるので、熱転写時には、感熱転写層を構成する離型層と剥離層との間で的確に剥離して良好な熱転写が行えると共に、熱転写時以外の通常の取り扱い時には、各層間で安定した密着強度が確保でき、不用意に剥がれることがない。
以下、本発明の熱転写性シートを図面に基づき詳細に説明する。
図1には本発明に係る熱転写性シートの概略の断面構成が示してある。この熱転写性シートは、基材シート1の一方の面に、熱転写性インク層(イエロー)3、熱転写性インク層(マゼンタ)4、熱転写性インク層(シアン)5と、感熱転写層9とが基材シート1の長手方向に順次設けられていて、感熱転写層9は離型層6と熱転写性保護層10との2層構成で、離型層6を介して基材シート1の一方の面に設けられている。そして、熱転写時には離型層6を基材シート1側に残したまま離型層6と熱転写性保護層10中の剥離層7との界面で剥離し、熱転写性保護層10が被転写媒体側に転写されるようになっていると共に、離型層6の構成材料は少なくとも2種以上の樹脂を含み、そのうちの1種が基材シート1のメインバインダーと同系の樹脂であることを特徴とするものである。
一例である図中では、2は耐熱滑性層を、7は転写性保護層10の一部を構成している剥離層を示している。8は熱転写性保護層10の一部を構成する接着層を示している。
基材シート1は、熱転写記録時における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度に優れたものが用いられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等からなる合成樹脂製フィルム、あるいはコンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。これらの中では、物性面、加工性、コスト面等を考慮するとポリエチレンテレフタレート製フィルムが好ましく用いられる。またその厚さは、操作性や加工性等を考慮し、2〜50μm程度であればよいが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると2〜15μm程度がより好ましい。
必要に応じ基材シートの表面、裏面に易接着処理などを施しても構わない。
耐熱滑性層2は、熱転写記録時にサーマルヘッドを加熱手段として用いる場合、特に必要とされるものであり、サーマルヘッドが融着しないように、また熱転写性シートをロールで巻き取った時に背面に位置する感熱転写層に貼り付かないように、あるいは熱転写性インク層の染料や顔料が移行しないように設ける、離型性を有する層である。
この耐熱滑性層2の構成材料としては、例えば、離型性やすべり性を付与する機能性添加剤、バインダー、硬化剤、溶剤等を配合して調製した塗液を用いればよい。その厚さは、乾燥膜厚で0.1〜5μm程度とすればよい。
耐熱滑性層2の例としては、アクリルオリゴマーの紫外線硬化塗膜や、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド等の合成樹脂、あるいはこれらの合成樹脂に、硬化剤として、イソシアネート化合物、エポキシ硬化剤、フェノール硬化剤、メラミン硬化剤等を添加した組成物からなる硬化塗膜を挙げることができる。さらに、フッ素系、シリコーン系、アルキル系、アクリル系等の離型剤を添加したもの、あるいはシリコーンを共重合したものからなる硬化塗膜を挙げることもできる。また、耐熱滑性層中には必要に応じて、フィラーが添加されていてもよい。添加するフィラーの一例としては、シリコーンあるいはフッ素パウダー、シリカおよびレジンパウダー、タルク、炭酸カルシウム、樹脂フィラー、リロナイトのような天然鉱物、燐片状のフィラー等を挙げることができる。
この耐熱滑性層2を構成する塗液の塗布方法としては、通常の薄膜形成に際して用いられているディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラ
ビア印刷法等の従来公知の薄膜形成方法を用いることが可能である。厚さは、塗液の種類や加工機や加工条件によって最適条件が異なり、特に限定されるものではない。具体的には、乾燥後の厚さが0.1〜3μm程度であればよい。厚さが0.1μm未満の場合は、均一な塗膜が形成され難くなり、十分な耐熱性が得られない場合がある。
一方、熱転写性インク層3、4、5は熱転写可能な染料または顔料を任意のバインダー樹脂で担持させてなる層である。染料または顔料としては、従来公知の熱転写性シートの昇華型あるいは感熱溶融型の熱転写性インク層中に使用されている染料または顔料のいずれもが使用可能であり、特に限定されるものではない。
昇華型熱転写性インク層の構成材料中に含ませる熱昇華性染料としては、昇華性分散染料が好ましく用いられる。具体的には、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56、16、30、93、33、ディスパーイエロー201、231、33等が挙げられる。また、マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19が挙げられる。さらに、シアン成分としてはC.I.ディスパースブルー354、24、C.I.ソルベントブルー63、36等が挙げられる。
これらの昇華性染料を担持するバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、エチレンセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂が好適に用いられる。
昇華型熱転写性インク層の構成材料中に含ませる染料とバインダーとの割合は、染料/バインダー=10/100(重量部比)から300/100程度が好ましい。染料/バインダーの割合が、10/100を下回ると、染料が少な過ぎて発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られ難くなり、また、300/100を越えると、バインダーに対する染料の溶解性が極端に低下するために、熱転写性インク層の保存安定性が悪くなって染料が析出し易くなってしまう。
一方、感熱溶融型熱転写性インク層の構成材料中に含ませる染料としては、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオロラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等の一般に使用されている感熱転写性染料を挙げることができる。
また、感熱溶融型熱転写性インク層の構成用材料中に含ませる顔料としては、公知の有機顔料または無機顔料、具体的には、カーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キクナリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、イソインドリン系等の顔料を挙げることができる。
またこれらの顔料を担持するバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エ
チルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類を挙げることができる。中でも、ポリエステル、エポキシ樹脂は好適に用いられる。
感熱溶融型熱転写性インク層中に含ませる染料および/または顔料(以下、色材成分とする。)とバインダーとの割合は、色材成分/バインダ=1/100(重量部比)から200/100程度が好ましい。これは、色材成分/バインダーの割合が、1/100を下回ると、色材が少な過ぎて良好な熱転写画像が得られ難くなるからであり、また、200/100を越えると、溶融熱型熱転写性インク層の凝集力が極端に低下するため、熱転写性インク層の保存安定性が悪くなってしまうからである。
一方、前記した熱転写性インク層3、4、5と同様に基材シート1の一方の面に設けられているのが感熱転写層9である。この感熱転写層9は、少なくとも離型層6と熱転写性保護層10との複層構成で(図示の熱転写層は2層構成の例が示してある。7:剥離層、8:接着層)、離型層6を介して基材シート1の上に設けられていて、感熱転写記録時には離型層6を基材シート1側に残したまま離型層6と熱転写性保護層10との界面で剥離して被転写媒体側に熱転写性保護層10が転写されるようになっている。そして、離型層6は少なくとも2種以上の樹脂を含み、そのうちの1種は基材シート1のメインバインダーと同系の樹脂となっている。
離型層6の構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体や、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、オレフィン系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
これらの中から、少なくとも2種以上の樹脂を選択し、そのうちの1種は基材シート1のメインバインダーと同系の樹脂となるようにして離型層6の構成材料を調製すればよい。より具体的には、基材シートがポリエステル系の樹脂製フィルムである場合は、ポリエステル系樹脂と他の樹脂を共用の溶剤中に混合して調製したものを、基材シートがポリスチレン系の樹脂製フィルムである場合は、ポリスチレン系樹脂と他の樹脂を共用の溶剤中に混合して調製したものを用い、薄膜状にして設ければよい。
基材シート1のメインバインダーと同系の樹脂の添加量は、メインバインダーを100重量部とした場合、0.2〜40重量部、好ましくは、0.5〜10重量部程度が好ましく、樹脂の相溶性、溶解溶剤、乾燥条件、さらには、剥離層に使用の樹脂との相性等を考慮し、適宜選択すればよい。
この場合、両者は出来る限り相溶している方が好ましい。しかし、必ずしも相溶しなければならないということではなく、共用の良溶剤で混合し、完全に相溶しなくとも、均一に分散していていれば構わない。その場合、乾燥塗面に分離やはじきが生じて海島状になってしまったり、塗膜の表面、あるいは裏面等へ偏析してしまったり、経時で偏析してくるようなことがないように留意すべきである。
他方、感熱転写層9の一部を構成する熱転写性保護層10は、被転写媒体上に記録され
た転写画像を覆うように転写させ、転写画像等を保護するための層であって、転写画像を紫外線やオゾン等から保護する役割が要求されると同時に、熱転写法というプロセスにより被転写媒体上に転移させるものであるため、被転写媒体に対する接着性を兼ね備えていると共に、熱転写時に基材シート側から容易に剥離する剥離性も備えている必要がある。
このような要求を満たすべく、本発明の熱転写性シートにおいては、この熱転写性保護層は、少なくとも剥離層と接着層とを具備する複層構成にしている(図面は剥離層7と接着層8の2層構成の例が示してある。)そして、この熱転写性保護層10は剥離層7と離型層6とが接するようにして離型層6の上に積層して設けてある。
剥離層7は、被転写媒体上に転写されると最表層に位置するようになるが、透明性、耐摩擦性、耐汚染性、耐スクラッチ性、離型性、硬さ、耐オゾン性等の諸特性が必要とされる。
この剥離層7を構成するバインダーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等を含むアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類である。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体を挙げることができる。
これらの中では、芳香環を持つ樹脂が好ましく用いられる。それは、芳香環の持つ、面環構造とその芳香環の絡み合いによる立体障害、樹脂の緻密性による表面の堅さなど、前述した必要物性を持った上で、耐オゾン性を付与できるからである。
被転写媒体に転写され転写層の最表層を構成する樹脂で耐オゾン性を向上させることができるということは、下層へのダメージを格段に少なくできることであり、下層に位置する接着層8中の樹脂や添加剤の分解や劣化を防ぐこともでき、さらに下層に位置する他の層に対するオゾンのアタックが軽減できるので、耐候剤等の添加剤を層中で有効的に作用させることができ、転写画像記録媒体の耐退色性を著しく向上させることが可能となる。
芳香環を有する樹脂の例としては、スチレン樹脂、キシレン樹脂、フェノール系樹脂、ABS樹脂、フェノキシ樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、アニリン樹脂、イソシアネート樹脂、芳香環ポリイミド樹脂、オキセタン樹脂、フタル酸樹脂、エステル系樹脂、テレフタル酸樹脂、ノボラック樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、レゾール樹脂、アセナフチレン、ナフタレンなどの芳香族樹脂、AS樹脂、ABC樹脂、ASA樹脂、SAS樹脂、ACS樹脂、AMA樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート樹脂、PEEK樹脂、PEKK樹脂、PSU樹脂、PES樹脂、ベンゾフェノン、PBI樹脂、キナゾリン系樹脂、カーボネート樹脂等、さらに、芳香環を持つエンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチックを挙げることができる。
後述する接着層8を構成する樹脂と芳香環を有する樹脂を混合あるいは共重合させることができれば、相溶性の問題を回避でき、さらには、その混合量を自由に変えることができ、また、分子量を大きくすることにより、塗膜化した際の層内樹脂比重や自由移動体積
を密にコントロールできるようになり、耐オゾン性をさらに向上させることが可能となる。さらに、剥離層7は、必要に応じて、硬化剤を用いて硬化塗膜とすることも出来る。
剥離層7には、紫外線吸収剤を添加せず、紫外線吸収能は後述する接着層8にもたせ、各層の耐色性に対する役割を分割することにより、被転写媒体上に転写された熱転写性保護層の上層に位置する剥離層でオゾンによる攻撃を防ぐことにより、下層の接着層8中の紫外線吸収剤の分解を避け、紫外線吸収作用が有効となるようにできるほか、拮抗作用なども避けることができ、さらには、最表面に位置する剥離層に紫外線吸収剤のような物質を存在させないことにより、安全性をより高めることもできる。もちろん最表層にくる剥離層に紫外線吸収剤を添加するようにしても全く構わない。
また、剥離層は被転写媒体上の最表面に位置するので、耐オゾン性だけでなく、透明性、耐摩擦性、耐汚染性、耐スクラッチ性、離型性、硬さなどが必要となるため、耐オゾン性を損なわない程度に、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリコーンパウダー、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の無機フィラー、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン系プラスチックピグメント、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機フィラー、PEやカルナバ、パラフィン等のワックス、シリコーン、フッ素等の離型剤を適宜添加しておいてもよい。これらは、液状であっても固形であってもよく、またその形状も特に限定されるものではなく、燐片状、真球状等の種々の形状のものの中から適宜のものを選択して用いればよい。
但し、特に熱転写時の容易な剥離転写性を求めるがあまり、剥離層に離型性のある添加剤を多く添加しすぎてしまうと、経時でのブリード等により、熱転写時以外のときにも、接着層あるいは離型層との間で剥離が生じてしまうことがあるため注意すべきである。
剥離層7の厚さは、0.2〜5μm程度(乾燥厚)、より好ましくは、0.3〜2.0μm程度であればよい。
熱転写性保護層10はこのような剥離層7を具備し、前述した構成の離型層6の上に設けられている訳であるが、熱転写時には、感熱転写層を構成する離型層と剥離層の間で的確に剥離して熱転写が行えると共に、熱転写時以外の通常の取り扱い時には、各層間で安定化した密着強度が確保できて剥がれることがないように、剥離層と離型層を構成するバインダーを適宜の組み合わせ、経時安定性をコントロールする必要がある。
感熱転写層を構成する各層の樹脂は、非熱転写時には、Tgが室温以上ではあるが、熱転写時に、Tgを超えてしまうと、熱転写性保護層が剥離転写せず、逆に融着して転写不良を起こす場合もある。
また、剥離層の構成材料としてTgが高く熱転写時に剥離性が向上するような樹脂を選択すると、熱転写時に接着層との間での剥離を誘発したり、塗膜が硬くなり、密着不良となることが危惧される。
そこで、本発明の熱転写性シートにおいては、その一部を構成する離型層6と剥離層7との間における非熱転写時の安定密着性と熱転写時の易剥離転写性を共に可能とすべく、前述したように、離型層6の構成材料は少なくとも2種以上の樹脂を含み、そのうちの1種が基材シートの構成材料中のメインバインダーと同系の樹脂とする。
より具体的には、基材シートをポリエステルテレフタレート、離型層のメインバインダーをセルロース系樹脂、剥離層のメインバインダーをアクリル系樹脂とした場合、離型層にエステル系樹脂を混合することにより、基材シートとの密着性を向上させ、安定した離型層を具備した熱転写シートとすることができる。
但し、混合量については、剥離層との熱転写時の剥離転写に異常を生じさせないことが大前提であるため、基材シートのメインバインダーより多く混合しない。即ち、混合量としては、メインバインダー100重量部中に0.1〜50重量部、好ましくは、0.1〜20重量部程度とすべきである。
次に、熱転写性保護層10の一部を構成する接着層8について説明する。
この接着層8に要求される基本的な物性は、熱転写により被転写媒体側に移って保護層を形成すること、膜切れがよく剥がれること、被転写媒体に対する熱接着性がよいこと、透明性がよく、転写画像記録媒体の転写画像の鮮明さを損なわないこと、さらに必要によっては、紫外線吸収能を保持すること、そして、耐オゾン性を有すること、等である。
このような接着層8の構成材料としては、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類である。中でも、アクリル系樹脂、ポリエステル、エポキシ、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
もちろん、熱転写接着性を持たせることができれば、熱可塑性樹脂に限定することはなく、熱硬化性樹脂や上記熱可塑性樹脂に硬化剤を混合したものでも構わない。
さらに接着層8の構成材料中に混入させる機能性添加剤として、前述した紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系に代表される光安定剤のほかに、ヒンダードフェノール系に代表される熱酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、難燃剤、等を挙げることができる。これらの添加剤は、必要とされる諸物性に影響のない程度に前述した剥離層7に混合することもできる。
接着層8は、前述したような機能性添加剤、バインダ、溶剤などを配合して塗液を調製し、薄膜状にして設ければよい。剥離層の厚さは、0.2〜5μm程度(乾燥厚)が適当である。
また、熱転写性保護層10を構成するいずれかの層には、紫外線吸収剤を混入させておいてもよい。具体的には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリチレート系のものや、これらを含む、特開昭59−196292号公報、特開昭59−158287号公報、特開昭63−74686号公報、特開昭59−196292号公報、特開昭62−229495号公報、特開昭63−122596号公報、特開昭61−283595号公報、特開平1−204788号公報等に記載の化合物、および写真その他画像記録材料における画像耐久性を改善する公知の化合物を挙げることができる。
その一つのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を例示でき、これらを単独でまたは複数を混合して使用できる。
また、トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
紫外線吸収剤の量としては、その紫外線吸収剤の紫外線吸収能や樹脂との相溶性にもよるが、樹脂100重量部に対し、3〜100重量部程度で添加させることが好ましい。添加量が3重量部未満の場合、熱転写性保護層中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。また、100重量部を超えると、層中の凝集力にも影響を及ぼし、樹脂層の靭性が低下したり、ブリードが多くなり、透明性に欠けたり、ブロッキングしたりする場合もある。好ましくは、10重量部〜80重量部程度である。
また、紫外線吸収剤によっては、耐オゾン性の付与に寄与する場合もあり、接着層自身の保護および下層保護の観点からも、その添加量を適宜決定するとよい。
また、これら紫外線吸収剤の他に、ヒンダードアミン系光安定剤を添加することもできる。ヒンダードアミン系の光安定剤としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等が例示できる。
なお、熱転写性インキ層、離型層、剥離層および接着層の形成方法としては、いずれも、グラビアコート法、スロットコート法といった公知の塗り分け可能な薄膜形成方法が採用できる。各層は各層形成用の塗液で薄膜を塗布し、乾燥させて形成することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
まず、基材シートとして易接着処理を施した厚さが4.5μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム製)を用意した。次に、ポリエステルポリオール樹脂100重量部、イソシアネート硬化剤10重量部(三井化学ポリウレタン製)、滑剤1重量部(第一工業製薬製)のそれぞれを、メチルエチルケトン36重量部とトルエンを36重量部からなる混合溶剤に溶解させ耐熱滑性層用の塗液を調製した。そして、調製した塗液の薄膜を前記基材シートの非易接着処理の面上にグラビアコート法により乾燥膜厚で1.0μmとなるように形成し、耐熱滑性層を得た。
次に、メチルエチルケトン45重量部とトルエン45重量部からなる混合溶剤に、C.I.ソルベントイエロー93を3.0重量部、C.I.ソルベントイエロー16を1.0重量部、ポリビニルアセタール樹脂を5.0重量部(電気化学工業製)それぞれ溶解させて転写性インク層(イエロー)用の塗液を調製した。
また、メチルエチルケトン46重量部とトルエン46重量部からなる混合溶剤に、C.I.ディスパースレッド60を1.5重量部、C.I.ディスパースバイオレット26を1.5重量部、ポリビニルアセタール樹脂を5.0重量部(電気化学工業製)それぞれ溶解させて転写性インク層(マゼンタ)用の塗液を調製した。
さらに、メチルエチルケトン46重量部とトルエン46重量部からなる混合溶剤に、C.I.ソルベントブルー63を1.5重量部、C.I.ソルベントブルー36を1.5重量部、ポリビニルアセタール樹脂を5.0重量部(電気化学工業性)それぞれ溶解させて転写性インク層(シアン)用の塗液を調製した。
一方、酢酸セルロース樹脂(ダイセル化学製)5重量部とポリエステル樹脂(東洋紡製)0.5重量部を、メチルエチルケトン89.7重量部とシクロヘキサノン5重量部からなる混合液に溶解させて、離型層用の塗液を調製した。
また、アクリル系樹脂100重量部(三菱レイヨン製)を、メチルエチルケトン50重量部とトルエン50重量部からなる混合溶剤に溶解させて、剥離層用の塗液を調製した。
そして、アクリル系樹脂(三菱レイヨン製)とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤20重量部(チバ・ジャパン製)とヒンダードアミン系光安定剤1重量部(チバ・ジャパン製)と熱酸化防止剤1重量部を、メチルエチルケトン50重量部とトルエン50重量部からなる混合溶剤に溶解させて接着層用の塗液を調製した。
上記のようにして調製した各塗液をグラビアコート法により前記基材シートの易接着処理面に、熱転写性インク層(イエロー)、熱転写性インク層(マゼンタ)、熱転写性インク層(シアン)を乾燥膜厚が1.0μmとなるように面順次に形成した後、離型層形成用の塗液を用いて、離型層を乾燥膜厚0.5μmで面順次に形成し、しかる後、その離型層上に、剥離層用の塗液を用いて、乾燥膜厚が0.5μmとなるようにして剥離層を形成し、さらに引き続いて、剥離層上に接着層用の塗液を用いて、乾燥膜厚が2.0μmとなるようにして接着層を形成し、本発明の熱転写性シートを作製した。
<比較例1>
離型層用の塗液として、酢酸セルロース樹脂(ダイセル化学製)5重量部のみをメチルエチルケトン90重量部とシクロヘキサノン5重量部の混合液に溶解させて調製したものを用いた以外は、実施例と同様にして、比較例1の熱転写性シートを作製した。
<比較例2>
剥離層用の塗液として、酢酸セルロース(ダイセル化学製)30重量部に対して、ポリエステル樹脂(東洋紡製)を70重量部混合して調製したものを用いた以外は、比較例1
と同様にして、比較例2の熱転写性シートを作製した。
<性能比較>
以上のようにして作製した実施例1、および比較例1、2の熱転写性シート、および熱転写プリンターを用いて黒ベタを印画した。そして、これらについて下記の条件で評価した。
(1)室温時層間密着評価
実施例1、および比較例2、3に係る熱転写性シートに対して、室温(23℃、50%)中で、オーバーコート層部分(基材シート+離型層+剥離層+接着層)をカッターで10cm角に切り、その端面における層の脱落(剥離)の有無を判定し、評価を行った。
<評価判定>
○:全く剥離せず。
×:部分的剥離が生じた
(基材シート//離型層間あるいは離型層//剥離層間)
(2)熱印画時の転写剥離性
実施例1、および比較例2、3に係る熱転写性シートを用い、室温(23℃、50%)に十分おかれたプリンターで、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、オーバーコート(OC)層(3層:離型層、剥離層、接着層)により順全画面印画し、黒ベタを印画した。そして、その際のOC層の熱転写剥離状態を観察し、評価判定した。
<評価判定>
○ :印画時に容易に全面設定界面(離型層=剥離層間)で転写した。
×(リ):印画時に多少の異音を発し、一部離型層も印画シートに転写した。
×(ハ):印画時に多少の異音を発し、一部剥離層も印画シートに転写した。
(3)印画後の光沢
実施例1、および比較例2、3に係る熱転写性シートを用い、室温(23℃、50%)に十分におかれたプリンターで、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、オーバーコート(OC)層(3層:離型層、剥離層、接着層)で順全画面印画し、黒ベタを印画した。そして、その際の光沢値(60°反射)を10点測定し、その最低値を代表値とし、評価判定した。
<評価判定>
○:光沢値80°以上
×:光沢値80°未満
評価結果を表1に示す。
本発明によれば、室温時での密着性が安定していて、且つ、熱転写時では、離型層と剥離層の界面で容易に転写剥離することのできる熱転写性シートを提供することができる。またそれにより、より光沢の高い(コントロール可能な)印画物を提供することができる。
本発明の熱転写シートの一実施例の断面の構造を示す説明図である。
符号の説明
1・・・基材シート
2・・・耐熱滑性層
3・・・熱転写性インク層(イエロー)
4・・・熱転写性インク層(マゼンタ)
5・・・熱転写性インク層(シアン)
6・・・離型層
7・・・剥離層
8・・・接着層
9・・・感熱転写層
10・・・熱転写性保護層

Claims (3)

  1. 基材シートの一方の面に、少なくとも熱転写性インク層と感熱転写層とが基材シートの長手方向に順次設けられている熱転写性シートであって、感熱転写層は少なくとも離型層と熱転写性保護層とを具備する複層構成で、離型層を介して基材シート上に設けられており、感熱転写時には離型層を基材シート側に残したまま離型層と熱転写性保護層中の剥離層との界面で剥離し、熱転写性保護層が被転写媒体側に転写されるようになっていると共に、離型層の構成材料は少なくとも2種以上の樹脂を含み、そのうちの1種が基材シートの構成材料中のメインバインダーと同系の樹脂であり、且つ離型層の構成材料の内、基材シートのメインバインダーと同系の樹脂が重量部で離型層全体の5割を超えず、且つ離型層の構成材料の内、剥離層のメインバインダーと同系の樹脂が重量部で離型層全体の5割を超えないことを特徴とする熱転写性シート。
  2. 前記離型層の構成材料中に含まれる樹脂が少なくともセルロース系とポリエステル系の
    樹脂であり、前記基材シートがポリエステル系の樹脂からなることを特徴とする請求項1
    に記載の熱転写性シート。
  3. 前記熱転写性保護層は複層構成で、剥離層を介して離型層上に設けられていると共に、
    離型層の構成材料中に含まれる樹脂のうち、少なくとも1種はセルロース系の樹脂である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写性シート。
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