JP5515513B2 - 熱転写記録媒体の製造方法及び熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体の製造方法及び熱転写記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写記録媒体の製造方法及び熱転写記録媒体に関し、特に、基材フィルム上に熱転写層形成用のグラビアインキを用いてグラビア印刷法により熱転写層を設ける際に、たとえインキミストが発生したとしても印刷汚れを生じさせること無しに良好な熱転写層が形成できるようにした、熱転写記録媒体の製造方法及び、それによって得られる熱転写記録媒体に関する。
従来から、熱転写記録媒体を製造する方法としては、基材フィルム上にグラビア印刷により熱転写層形成用インキからなる薄膜を設け、さらにその薄膜を乾燥させて熱転写層を設けるようにした方法が広く採用されてきている。より具体的には、基材フィルム上にイエロー色熱転写層、マゼンタ色熱転写層、シアン色熱転写層等の所定の色相を呈する熱転写層を形成する場合には、基材フィルム上に各転写層形成用のインキを用いてイエロー色熱転写層、マゼンタ色熱転写層、シアン色熱転写層等をグラビア印刷により面順次で設けるようにしている。
一般的に、熱転写記録媒体の熱転写層のような薄膜層をグラビア印刷によって基材上に形成するには、グラビア印刷版の版面全面にインキを供給した後、ドクターブレードにより余分なインキを版面から除去し、インキセルのみにインキを充填させ、しかる後にグラビア印刷版とインプレッションロールとの間に挟持されて搬送されてくる基材に対してインプレッションロール側から圧力を掛けながらグラビア印刷版のインキセルに充填されているインキを基材側に転移させる方法が採られている。
グラビア印刷版から基材へのインキの転移率については、印刷条件、版の表面形状等によって異なるが、一般的には35〜65%程度といわれており、セルに充填されたインキの全てが基材上に転移することはほとんどない。従って、セル内のインキが基材に付着した直後、基材上に転移したインキとセル内に残留したインキとが完全に分離しないまま基材が搬送されると、インキが転移部分と残留部分との間で延糸され、これが分離切断される際にミスト状のインキとなって飛散することになる。
熱転写記録媒体の製造過程で、上記のようなことが起きると、ある熱転写層を印刷している際に発生したインキミストが、次の工程で印刷される熱転写層の一部や基材の一部に付着してしまい、必要としない部分にインキが付着してしまうことになり、そのようにして製造されてしまった熱転写記録媒体を用いた熱転写記録においては、熱転写記録の画像品質を低下させてしまう。
このような問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。例えば、特許文献1では、色別にベタ印刷する際、ベタ印刷部の終端の0.5〜5mm巾の部分はインキ転移量がそれ以外のベタ印刷部のインキ転移量と比べて、90〜5%の範囲で減少するように印刷することで、インキミストの発生を軽減させ、印刷汚れを生じさせないないようにした技術を提案している。
特開平7−117369号公報
しかしながら、特許文献1に提案されているような方法で長時間の印刷を行ったところ、ベタ印刷部の終端部分の印刷を行うためのセルの容積は他のベタ印刷の部分の印刷を行うためのセルの容積と比べて小さいため、インキの半乾燥物に起因すると思われるいわゆる版詰まりの現象が起こり、インキミストが発生し、印刷汚れが生じることが確認された。また、版詰まりは、高粘度のインキを用いるとより酷くなる傾向にあり、高粘度インキを塗布する場合は、上記の方法は不向きであることが解った。
本発明は上記のような問題点に鑑みなされたものであり、グラビア印刷に適用可能な低粘度のインキから高粘度のインキを使用して熱転写層の印刷を行った場合、インキミストの発生を低減できるようにすると共に、たとえインキミストの発生があったとしても、インキミストに起因する印刷汚れを生じさせることなく、基材フィルム上に良好な熱転写層を形成することを可能とした、熱転写記録媒体の製造方法及び熱転写記録媒体の提供を目的とする。
以上のような課題を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、連続的に搬送されてくる基材フィルムの一方の面に、イエロー、マゼンタ、シアンの順に繰り返して、グラビア印刷により熱転写層形成用インキからなる薄膜を塗布し、しかる後にその薄膜を乾燥させて熱転写層を少なくとも一層設けるようにした熱転写記録媒体の製造方法であって、基材フィルムの一方の面には、基材フィルムの搬送方向に沿って、同色を領域aと領域bとに所定の間隔で分割させてなる熱転写層を、領域bは、単位面積あたりの熱転写層形成用インキの塗布量が領域aの単位面積あたりの熱転写層形成用インキの塗布量に対して2〜4%となるように、しかもその搬送方向に沿う長さは1〜7mmとなるようにして、セル面積が20〜60%のグラビア印刷版で設けるようにし、且つ同色の領域aと領域bは、それらの間隔が0.5〜2mmとなるようにして設けられたことを特徴とする、熱転写記録媒体の製造方法である。
さらにまた、請求項に記載の発明は、基材フィルムの一方の面に、イエロー、マゼンタ、シアンの順に繰り返して、熱転写層形成用塗液の薄膜をグラビア印刷により塗布し、乾燥させてなる熱転写層が少なくとも一層設けられている熱転写記録媒体であって、基材フィルム上の熱転写層は基材フィルムの搬送方向に沿って所定の間隔で位置する領域aと領域bとに分割されたものであると共に、領域bはその基材フィルムの搬送方向に沿う長さが1〜7mmに設定されていて、セル面積が20〜60%からなるグラビア印刷版を使用し、単位面積あたりの塗布量が、領域aの単位面積あたりの塗布量に対して2〜4%となるようにして設けられ、且つ同色の領域aと領域bは、それらの間隔が0.5〜2mmとなるようにして設けられたことを特徴とする、熱転写記録媒体である。
請求項1に記載の発明によれば、低粘度から高粘度の熱転写層形成用インキを用いてグラビア印刷により熱転写層を形成したとしても、インキミストを発生させないか、インキミストの発生を非常に低減させることができる。そして、もしインキミストが発生してしまったとしても、熱転写層は基材フィルムの搬送方向に沿って所定の間隔で位置する領域aと領域bとに分割されていると共に、領域bはその基材フィルムの搬送方向に沿う長さが1〜7mmに設定されていて、セル面積が20〜60%からなるグラビア印刷版を使用
し、単位面積あたりの塗布量が、領域aの単位面積あたりの塗布量に対して2〜4%となるようにして設けるため、インキミストの発生に伴う印刷汚れが基材フィルムや他の熱転写層に悪影響を与えることがなく、得られた熱転写記録媒体を用いた熱転写記録の品質を低下させることがない。
また、請求項に記載の発明によれば、領域aと領域bとの間隔を0.5〜2mmとすることにより、インキミストの発生に伴う印刷汚れをより確実に回避させることが可能となる。
さらにまた、請求項2の発明によれば、インキミストに係る印刷汚れがないため、高品質の熱転写画像を得ることができる。
本発明の熱転写記録媒体の製造方法に係る製造過程の一部を示す説明図である。 本発明の熱転写記録媒体の製造方法によって製造された熱転写記録媒体の一実施形態に係る概略の平面状態を示す説明図である。 本発明の熱転写記録媒体の他の実施形態に係る平面状態を示す説明図である。
以下、本発明を図面を参照してさらに詳細に説明する。図1は、本発明の熱転写記録媒体の製造に係る製造過程の一部を示している。
熱転写記録媒体の製造に当たっては、まず、インキパン(8)に満たされている熱転写層形成用インキ(18)中にグラビア印刷版(7)をドブ漬けにし、しかる後にドクターブレード(17)で版面の余剰インキを掻き取り、セル内に熱転写層形成用インキを保持させる。その後、搬送されてくる基材フィルム(5)をインプレッションロール(6)によりグラビア印刷版(7)側に押し付けながら、セル内に保持されているインキを基材フィルム(5)側に転移させることで、熱転写層(2)に係るベタパターン(領域a(4)と領域b(3))を形成する。
この際、本発明においては、図2にも示すように、基材フィルム(5)の一方の面には、基材フィルム(5)の搬送方向に沿って領域a(4)と領域b(3)とに所定の間隔を隔てて分割されてなる熱転写層(2)を、領域b(3)は、単位面積あたりの熱転写層形成用インキの塗布量が領域a(4)の単位面積あたりの熱転写層形成用インキの塗布量に対して2〜4%となるように、しかもその搬送方向に沿う長さは1〜7mmとなるようにしてグラビア印刷版のセル面積が20〜60%の部分で設けるようにする。
図2には、上述したような熱転写記録媒体の製造方法によって得られた熱転写記録媒体(1)の概略の平面状態が示してある。この熱転写記録媒体(1)は、上述したように、基材フィルム(5)の一方の面に、熱転写層形成用インキの薄膜をグラビア印刷により設け、しかる後にその薄膜を乾燥させてなる熱転写層(2)が少なくとも一層設けられる熱転写記録媒体であって、基材フィルム(5)上の熱転写層(2)は、基材フィルム(5)の搬送方向に沿って所定の間隔で位置する領域a(4)と領域b(3)とに分割されていると共に、領域b(3)は基材フィルム(5)の搬送方向に沿う長さが1〜7mmに設定されていて、セル面積が20〜60%からなるグラビア印刷版を使用し、単位面積あたりの塗布量が、領域a(4)の単位面積あたりの塗布量に対して2〜4%となるようにして設けられたものである。
上記のようにして熱転写層を構成する領域aと領域bを基材フィルム上に形成することで、インキミストを発生させないようにするか、或いは、インキミストが発生したとして
もその発生による影響を最低限に抑えることが可能となる。そして、もしインキミストが発生したとしても、熱転写層の領域aと領域bとが所定の間隔を隔てて設けられているので、インキミスト発生に起因する印刷汚れが生じないようになる。
図2では、基材フィルム(5)の幅方向における領域a(4)と領域b(3)の長さが同一のものを示しているが、必ずしも幅方向における長さが同一である必要はなく、領域aと領域bとが上記したような条件の下で形成されていれば、幅方向における長さが両領域で同一でなくてもよい。
一方、図3には、基材フィルム上に複数の熱転写層(9)、(10)、(11)が面順次で設けられている熱転写記録媒体の例が示してある。この熱転写記録媒体の熱転写層は、イエロー色熱転写層(9)、マゼンタ色熱転写層(10)、シアン色熱転写層(11)の3つであり、各熱転写層は、領域aと領域bとからなっている。すなわち、イエロー色熱転写層(9)は領域a(9a)と領域b(9b)とで、マゼンタ色熱転写層(10)は領域a(10a)と領域b(10b)とで、シアン色熱転写層(11)は領域a(11a)と領域b(11b)とで構成されている。この熱転写記録媒体は、各熱転写層が同じ形状のベタパターンとなっているが、基材フィルム上に設けた熱転写層全てが同じ形状である必要はなく、異なる形状の領域aと領域bとが組み合わされてなるものであってもよい。
また、熱転写層を構成する領域aと領域bとの間には、走行方向に沿って0.5〜2mmの間隔を設けることが好ましい。このような間隔で熱転写層の領域aと領域bとを設けることで、インキミストの発生に伴う印刷汚れを回避することが可能となり、良好な熱転写層が形成できるようになる。
このような熱転写記録媒体において、基材フィルムとしては、従来公知の熱転写記録媒体の基材フィルムとして使用されているものと同等のものを使用することができるが、機械的強度、耐熱性等に優れるものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等からなる合成樹脂フィルムを挙げることができる。特に、物性や加工性に優れるポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。これらの基材フィルムは単独で使用してもよいが、組み合わせて積層体として使用することも可能である。基材フィルムの厚みは、操作性、加工性等を考慮し、2〜50μm程度であればよいが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜10μm程度であればより好ましい。
このような基材フィルムと、後述する耐熱滑性層や熱転写層との間の密着性を向上させるために、基材フィルムの一方または両方の面に易接着層を設けるようにしてもよい。
易接着層の構成材料としては、基材フィルムと耐熱滑性層または熱転写層の両方に対して親和性のあるものが適当であり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。易接着層の厚みはサーマルヘッドから熱転写層に加えられる熱の移動を妨げない程度であればよい。具体的には、0.01〜1μm程度、より好ましくは0.05〜0.5μm程度であればよい。易接着層は基材フィルム上に公知の塗布方法で上記の材料からなる薄膜を塗布することで形成することができる。また、基材フィルムがプラスチックフィルムの場合は、プラスチックフィルムを成膜する過程で同時に形成するようにしてもよい。また、易接着層を設けないで、基材フィルムの一方または両方の面の表面粗さを調整することで密着性を向上させるようにしてもよい。さらに、熱転写層が熱昇華性染料層の場合、基材側への染料の拡散を抑える染料拡散防止層を熱転写層の下に設けるようにしてもよい。
また、サーマルヘッドから加わる熱による基材フィルムの熱収縮や、サーマルヘッドとの摩擦による基材フィルムの破断を防止するために、基材フィルムの熱転写層を設ける面とは反対側の面に、耐熱滑性層を設けるようにしてもよい。耐熱滑性層の形成に用いられる構成材料としては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂等が挙げられる。耐熱滑性層の厚みは0.1〜2.5μm程度であればよいが、0.5〜1.5μm程度であればより好ましい。耐熱滑性層の厚みが0.1μmより小さい場合、サーマルヘッドから加わる熱に対する耐熱性が劣り、印画時に基材フィルムの熱収縮が生じやすくなる。一方、2.5μmより大きい場合、サーマルヘッドからの熱が熱転写層に十分伝わり難くなり、所望濃度の印画物を得ることが難しくなる。なお上記した構成材料(樹脂)のガラス転移点は40℃以上が好ましい。ガラス転移点が40℃以上の場合、印画時の所謂リボン強度がさらに強くなり、耳切れ(リボンの両サイドの非印画部が熱収縮に負けて切れる現象)、ちぎれ、裂け(印画部終点が切れる現象)等に起因する印画不良が起こり難くなる。
また、耐熱滑性層には滑り性を向上させる目的で滑剤を含有させるようにしてもよい。このような滑剤としては、例えば、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステルまたは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤等を挙げることができる。滑剤を含有させることで、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの間の動摩擦係数を小さくすることができるので、サーマルヘッドから加わる圧力による基材フィルムの変形を防止することができる。
また、耐熱性を向上させる目的で架橋剤を添加するようにしてもよい。架橋剤を含有させることで耐熱滑性層の耐熱性が向上し、印画時にサーマルヘッドから加わる熱に起因する基材フィルムの変形を防止できる。架橋剤としては、例えばポリイソシアネートを挙げることができるが、これをアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等と組合せて用いればよい。
さらに、耐熱滑性層は粒子を含有していてもよい。粒子を含有させることで耐熱滑性層の表面に凹凸が形成され、サーマルヘッドとの接触面積が小さくなるので、印画時のサーマルヘッドと熱転写層間における離型性が向上する。粒子は有機系粒子または無機系粒子のどちらでもよいが、サーマルヘッドからの熱により変形しないものが好ましい。具体的には、シリカ粒子、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。粒子は1種又は2種以上を混ぜ合わせて用いればよい。
一方、熱転写層は、熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない側からのサーマルヘッドによる加熱により被熱転写体上に転写され、被熱転写体上に文字や絵柄、あるいは保護層を形成するための熱転写性の層である。
例えば、熱転写層が熱昇華性染料を含む転写層の場合は、サーマルヘッドからの加熱により層中の染料が昇華して被熱転写体上に移行し、そこに文字や絵柄等を記録する。また
、熱転写層が着色顔料を含んだ熱溶融性の転写層の場合は、熱転写層そのものが被熱転写体上に転移され、そこに文字や絵柄等を記録する。また、熱転写層が紫外線吸収剤や酸化防止剤等の機能性添加剤とバインダーからなる溶融性の転写層の場合は、被熱転写体上に形成した文字や絵柄の上に保護層として転写される。
このような熱転写層の中で、熱昇華性染料を含有する熱転写層中の熱昇華性染料としては、従来公知の染料を用いることができる。例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等が挙げられる。より具体的には、イエロー成分としては、C.I.ソルベントイエロー14、16、29、30、33、56、93等、C.I.ディスパースイエロー7、33、60、141、201、231等が、マゼンタ成分としては、C.I.ソルベントレッド18、19、27、143、182、C.I.ディスパースレッド60、73、135、167、C.I.ディスパースバイオレット13、26、31、56等が、シアン成分としては、C.I.ソルベントブルー11、36、63、105、C.I.ディスパースブルー24、72、154、354等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。また、これらの染料は2種以上を混ぜ合わせて使用してもよい。
熱昇華性染料を含む熱転写層を構成するバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等の耐熱性、染料移行性等に優れる樹脂が使用できる。
これらの樹脂のガラス転位点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは90℃以上であればよい。ガラス転位点が低い場合、印画不良を起こす可能性が高くなる。また、染料とバインダーとの重量比(染料/バインダー)は、0.1〜3.0程度が好ましく、0.5〜1.5程度であればより好ましい。0.1より小さい場合は、染料の濃度が低くなるため、発色濃度が不十分となり良好な熱転写画像が得られ難くなる。一方、3.0より大きい場合は、バインダーに対する染料の溶解性が極端に低下するため、熱転写層の保存安定性が低下し染料が析出し易くなる。
このような熱転写層は粒子を含有していてもよい。粒子を含有させることで熱転写層の表面に凹凸が形成されて受容層との接触面積が小さくなり、保存時の貼り付きが防止でき、印画時の離型性を向上させることができる。粒子は有機系粒子または無機系粒子のどちらでもよいが、サーマルヘッドから加えられる熱により変形しないものが好ましい。具体的には、シリカ粒子、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。また、これらの粒子は2種以上を混ぜ合わせて使用してもよい。
また、熱転写層は滑剤を含有していてもよい。滑剤を含有させることで、印画時の熱転写層と被熱転写媒体の受容層との間の貼り付きが防止できる。滑剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系、といった各種オイルや界面活性剤が挙げられるが、特に、シリコーン系またはフッ素系のオイルや界面活性剤が好ましい。具体的には、シリコーン系としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のストレートシリコーンオイル、アミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性等の反応性変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性、アラルキル変性、フロロアルキル変性、長鎖アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フェニル変性等の非反応性変性シリコーンオイル等が挙げられる。また、フッ素系としては、フルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を含有する界面活性剤を挙げることができる。
さらに、熱転写層には耐熱性を向上させる目的で架橋剤を含有させるようにしてもよい。架橋剤を含有させることで耐熱性が向上し、サーマルヘッドから加えられる熱に起因する熱転写記録媒体の変形を防止できる。架橋剤としてはポリイソシアネートが挙げられるが、これをアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等と組合せて用いればよい。
他方、熱溶融性の熱転写層は、一般的に、着色剤、バインダー、ワックスを含有してなるものである。着色剤としては、公知の有機顔料あるいは無機顔料を用いることができる。より具体的には、有機顔料としては、フタルイミド系イエロー、べンズイミダゾロンオレンジ、スルホアミドイエロー、べンズイミダゾロンイエロー等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ジケトピロロピロール、キノフタロン、イソインドリノン、ジアミノジアントラキノン等を挙げることができる。
また、バインダーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ロジン系誘導体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、酸化ワックス等を挙げることができる。
また、昇華性染料を含有する熱転写等により被熱転写体上の転写画像を保護するための熱溶融性転写層(保護層)は、熱転写により熱転写体から剥離して被熱転写体上に転写されるようになっているが、紫外線等に対する耐性が要求される。このような熱溶融性転写層(保護層)は、耐性のある剥離層一層で構成されたものであっても、被熱転写体表面との密着性を向上させるために剥離層の上に接着層を設けた複数構成のものであってもよい。また、保護層となる剥離層が基材フィルムから容易に転写できるように、剥離層と基材フィルムとの間に離型層を設けた構成のものであってもよい。
上記の離型層は、基材フィルムからの保護層の剥離の程度を所定の範囲内に調整し、基材フィルムからの安定的な剥離性を確保するために設けられるものであり、剥離の程度が適当な範囲にあるのであれば必ずしも設ける必要はない。離型層の構成材料としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂や、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
また、前記した剥離層は、例えば、バインダーと、紫外線吸収剤や離型性や滑り性等を付与する機能性添加剤等によって構成され、0.3〜3μm程度の厚みを有するものが好ましい。剥離層を構成するバインダーとしては、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類を挙げることができる。特に、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体、エポキシ樹脂は好ましく用いられる。
剥離層に含有させる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系等のものが挙げられる。より具体的には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を混合して使用してもよい。また、トリアジン系紫外線吸収剤の例としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を混合して使用してもよい。
上記紫外線吸収剤は、バインダー100重量部に対し、1〜20重量部程度の割合で添加することが好ましい。添加量が1重量部未満の場合、十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。一方、20重量部以上添加すると、印画物表面へのブリードアウトが生じ易くなり、得られる被転写体の品質を低下させる可能性が高くなる。
また、剥離層に含有させる機能性添加剤としては、ストレートシリコーン、変性シリコーン等のシリコーンオイル、フルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を持つ界面面活性剤、リン酸エステル系に代表される離型剤、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ライスワックス等のワックス類、有機又は無機フィラーに代表される滑り剤等を挙げることができる。その他必要に応じて、ヒンダードアミン系、Niキレート系等の光安定剤、ヒンダードフェノール系、硫黄系、肥土レジン系等の熱安定剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシシウム等の難燃剤、フェノール系、イオウ系、リン系等の酸化防止剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、透明性を維持する範囲での着色剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
また、前記した接着層を構成する材料としては、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類を挙げることができる。特に、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好ましく用いられる。また、必要に応じて、シリコーンオイル、界面活性剤、離型剤、ワックス類、有機または無機フィラーに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、着色剤、光散乱剤、艶調整剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
まず、本発明の実施例および比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<基材フィルム>
ポリエステルフィルム:厚み4.5μm
<耐熱滑性層形成用インキ>
アクリルポリオール樹脂 15.0部
ステアリン酸亜鉛 1.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 1.5部
タルク 1.0部
2,6−トリレンジイソシアネート 5.0部
トルエン 50.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 6.0部
<イエロー色熱転写層形成用インキ>
C.I.ソルベントイエロー93 3.0部
C.I.ソルベントイエロー16 1.0部
ポリビニルブチラール樹脂 4.2部
シリコーン変性樹脂 0.6部
2,6−トリレンジイソシアネート 0.2部
テトラヒドロフラン 60.0部
メチルエチルケトン 31.0部
<マゼンタ色熱転写層形成用インキ>
C.I.ディスパースレッド60 1.5部
C.I.ディスパースバイオレット26 1.5部
ポリビニルブチラール樹脂 4.0部
シリコーン変性樹脂 0.8部
2,6−トリレンジイソシアネート 0.2部
テトラヒドロフラン 60.0部
メチルエチルケトン 31.0部
<シアン色熱転写層形成用インキ>
C.I.ソルベントブルー63 1.5部
C.I.ソルベントブルー36 1.5部
ポリビニルブチラール樹脂 3.8部
シリコーン変性樹脂 1.0部
2,6−トリレンジイソシアネート 0.2部
テトラヒドロフラン 60.0部
メチルエチルケトン 31.0部
<被熱転写体の基材>
発泡ポリエステルフィルム:厚み188μm
<被熱転写体の受像層形成用塗液>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<熱転写記録媒体の耐熱滑性層付き基材フィルムの作製>
グラビアコート法により、基材シートの一方の面に、耐熱滑性層用塗液の薄膜を乾燥膜厚が0.9μmとなるように塗布し、その後40℃で5日間エージングすることで、耐熱滑性層付き基材フィルムを作製した。
<被熱転写体の作製>
グラビアコート法により、被熱転写体の基材の一方の面に、被熱転写体用受像層形成塗液の薄膜を乾燥膜厚が5.0μmとなるように塗布し、熱転写用の被熱転写体を作製した。
<熱転写層形成用グラビア版>
イエロー、マゼンタ、シアンの色相を呈する3種の熱転写層を形成するために、表1に構成を示すA〜Lのグラビア印刷版を彫刻法にて作製した。なお全てのグラビア印刷版において、走行方向に沿って領域bと領域aを、その間隔が5mmとなるようにして設けた。
<実施例1>
耐熱滑性層付き基材フィルムの耐熱滑性層が設けられていない面に、グラビア印刷版Aを用いてグラビア印刷法により、イエロー色熱転写層形成用インキ、マゼンタ色熱転写層形成用インキ、シアン色熱転写層形成用インキの薄膜を乾燥膜厚が1.0μmとなるように100m/minの速度で30000m塗工し、しかる後にその薄膜を乾燥し、3種の熱転写層が面順次で設けられている、実施例1の熱転写記録媒体を製造した。
<実施例2>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Bを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例2の熱転写記録媒体を製造した。
<実施例3>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Cを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例3の熱転写記録媒体を製造した。
<実施例4>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Dを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例4の熱転写記録媒体を製造した。
<実施例5>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Eを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例5の熱転写記録媒体を製造した。
<実施例6>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Fを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例6の熱転写記録媒体を製造した。
<比較例1>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Gを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例1の熱転写記録媒体を製造した。
<参考例1>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Hを用いること以外は実施例1と同様にして、参考例1の熱転写記録媒体を製造した。
<比較例2>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Iを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例2の熱転写記録媒体を製造した。
<比較例3>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Jを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例3の熱転写記録媒体を製造した。
<比較例4>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Kを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例4の熱転写記録媒体を製造した。
<比較例5>
グラビア印刷版Aの代わりにグラビア印刷版Lを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例5の熱転写記録媒体を製造した。
<塗工面評価>
実施例1〜6、参考例1、比較例1〜5に係る熱転写記録媒体の製造方法によって得られた熱転写記録媒体の、熱転写層形成用インキの塗工開始から5000m、10000m、30000m塗工時点におけるインキミストの発生状況を目視により観察した。結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1〜6の熱転写記録媒体は、各熱転写層の塗工面およびそれを使用した印画物の画像品質のいずれもが問題なく、極めて実用性の高いものであった。なお実施例1〜3、および6の熱転写記録媒体の製造の際にはインキミストが発生していたが、次に位置させる熱転写層の形成部分においては印刷汚れを発生させることがなかった。また、実施例4、5の熱転写記録媒体の製造の際には全くインキミストが確認されず、領域aと領域bとの間に、走行方向に0.5〜2mmの間隔を設けたことで、インキミストによる印刷汚れの問題が解決されたことが解った。
これに対して、比較例1の熱転写記録媒体は、実施例1の熱転写記録媒体と比較して、領域bの長さを変えただけにもかかわらず、表2に示すとおり塗工直後からインキミストが発生し、印刷汚れが生じていた。
また、参考例1の熱転写記録媒体は、実施例1の熱転写記録媒体と比較して、領域bの長さをより長くしたにもかかわらず、表2に示すとおり実施例1のものと同等の性能しか
示さなかった。
また、比較例2の熱転写記録媒体は、実施例1の熱転写記録媒体と比較して、領域bの面積に対するグラビア印刷版のセル面積を変えただけにもかかわらず、表2に示すとおり塗工直後からインキミストが発生し、経時で問題レベルまで悪化していた。
また、比較例3の熱転写記録媒体は、実施例1の熱転写記録媒体と比較して、比較例2のものと同じく、領域bの面積に対するグラビア印刷版のセル面積を変えただけにもかかわらず、表2に示すとおり塗工直後からインキミストが問題レベルまで発生していた。
また、比較例4の熱転写記録媒体は、実施例1の熱転写記録媒体と比較して、領域bの単位面積あたりの塗布量が、領域aの単位面積あたりの塗布量を変えただけにもかかわらず、表2に示すとおり塗工直後からインキミストが問題レベルまで発生していた。
また、比較例5の熱転写記録媒体は、実施例1の熱転写記録媒体と比較して、比較例4と同じく、領域bの単位面積あたりの塗布量が、領域aの単位面積あたりの塗布量を変えただけにもかかわらず、表2に示すとおり塗工直後からインキミストが発生し、経時で問題レベルまで悪化していた。
本発明の熱転写記録媒体の製造方法により得られる熱転写記録媒体は、良好な熱転写層を有するものであるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等への熱転写記録に広く用いることができる。
1:熱転写記録媒体
2:熱転写層
3:領域b
4:領域a
5:基材フィルム
6:インプレッションロール
7:グラビア印刷版
8:インキパン
9:イエロー色熱転写層
9a:イエロー色熱転写層の領域a
9b:イエロー色熱転写層の領域b
10:マゼンタ色熱転写層
10a:マゼンタ色熱転写層の領域a
10b:マゼンタ色熱転写層の領域b
11:シアン色熱転写層
11a:シアン色熱転写層の領域a
11b:シアン色熱転写層の領域b
17:ドクターブレード
18:インキ

Claims (2)

  1. 連続的に搬送されてくる基材フィルムの一方の面に、イエロー、マゼンタ、シアンの順に繰り返して、グラビア印刷により熱転写層形成用インキからなる薄膜を塗布し、しかる後にその薄膜を乾燥させて熱転写層を少なくとも一層設けるようにした熱転写記録媒体の製造方法であって、
    基材フィルムの一方の面には、基材フィルムの搬送方向に沿って、同色を領域aと領域bとに所定の間隔で分割させてなる熱転写層を、領域bは、単位面積あたりの熱転写層形成用インキの塗布量が領域aの単位面積あたりの熱転写層形成用インキの塗布量に対して2〜4%となるように、しかもその搬送方向に沿う長さは1〜7mmとなるようにして、セル面積が20〜60%のグラビア印刷版で設けるようにし、且つ同色の領域aと領域bは、それらの間隔が0.5〜2mmとなるようにして設けられたことを特徴とする、熱転写記録媒体の製造方法。
  2. 基材フィルムの一方の面に、イエロー、マゼンタ、シアンの順に繰り返して、熱転写層形成用塗液の薄膜をグラビア印刷により塗布し、乾燥させてなる熱転写層が少なくとも一層設けられている熱転写記録媒体であって、
    基材フィルム上の熱転写層は基材フィルムの搬送方向に沿って所定の間隔で位置する領域aと領域bとに分割されたものであると共に、領域bはその基材フィルムの搬送方向に沿う長さが1〜7mmに設定されていて、セル面積が20〜60%からなるグラビア印刷版を使用し、単位面積あたりの塗布量が、領域aの単位面積あたりの塗布量に対して2〜4%となるようにして設けられ、且つ同色の領域aと領域bは、それらの間隔が0.5〜2mmとなるようにして設けられたことを特徴とする、熱転写記録媒体。

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