JP3336483B2 - 熱転写シート及びその製造方法 - Google Patents

熱転写シート及びその製造方法

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JP3336483B2
JP3336483B2 JP22745294A JP22745294A JP3336483B2 JP 3336483 B2 JP3336483 B2 JP 3336483B2 JP 22745294 A JP22745294 A JP 22745294A JP 22745294 A JP22745294 A JP 22745294A JP 3336483 B2 JP3336483 B2 JP 3336483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写シート及びその
製造方法に係わり、特に印刷時に発生するインキミスト
による汚れを防止した熱転写シート及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュターやワードプロセッサ
ーの出力プリント、あるいは種々の画像形成を昇華転写
方式により行う場合、基材フイルムの一方の面に染料層
を設けた熱転写シートが使用されている。この熱転写シ
ートを用いたフルカラー画像形成は、サーマルヘッドに
より熱転写シートの背面側から熱を印加して3色〜4色
の多色のドットを被転写材に転移させて行われる。形成
された画像は使用される色材が染料であることから、鮮
明で透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従
来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像を形成でき
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱転写シートの
感熱転写層は、耐熱性を有する基材フィルムの一方の面
に、ベヒクルに昇華性染料を溶解、分散したインキを多
色グラビア輪転印刷により形成されるものである。そし
て、印刷される各色は、高品質の画像を形成するために
所定の色が、所定の部分に設けられている必要がある。
【0004】しかしながら、従来のグラビア版を用いて
製造される熱転写シートは、高速輪転印刷で行われ、そ
して、その染料インキは粘性をもつものである。したが
って、版が高速回転するとき、ミスト状で飛散したイン
キが、正規に画像を形成する以外の部分に付着し、いわ
ゆる印刷汚れを生ずることがある。この印刷汚れが他の
色を設ける部分に付着した場合、その汚れのある部分を
昇華転写して画像を形成させると、ミストによる汚れも
同時に昇華転写されることとなり、昇華転写画像の欠点
となり品質を低下させるという問題があった。本発明
は、このようなインキミストによる印刷汚れを防止し、
安定した高品質の画像を高速印刷の条件下で形成できる
熱転写シート及びその製造方法を提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では以下の熱転写シート及びその製造法を特
徴としている。すなわち、本発明では、基材フィルムの
一方の面に、昇華性染料を含む転写層が色別にパターン
状でべた印刷された熱転写シートにおいて、該パターン
の印刷終端部の0.5〜5mm巾のインキ転移量が、正
規の部分の量と比べて、90〜5%の範囲で少なくなる
ように印刷したものである。請求項2の発明は、前記転
写層パターンの印刷終端部のインキ転移量が、連続階調
的に逓減するように印刷されている熱転写シートであ
る。請求項3の発明は、前記転写層パターンの印刷終端
部のインキ転移量が、一律に削減するように印刷されて
いる熱転写シートである。
【0006】また、本発明の熱転写シートは、前記パタ
ーンの印刷終端部0.5〜5mm巾を、正規の転写層の
印刷部分の単位面積当たりのセル容積と比べて、90〜
5%の範囲で小さく設けたセル容積の凹版により形成す
ることを特徴とするものである。請求項5の発明は、前
記印刷終端部が、単位面積当たりのセル容積を、正規の
転写層の印刷部分と比べて、90〜5%になるように連
続階調的に逓減したセル容積の凹版により印刷するもの
である。また、請求項6の発明は、前記印刷終端部の単
位面積当たりのセル容積が、正規の転写層の印刷部分に
比べて、90〜5%の範囲で一律に削減したセル容積の
凹版により印刷するものである。
【0007】本発明の熱転写シートは、基材フイルムと
該基材フイルムの一方の面に形成された色昇華染料の転
写層を形成する。そして、該転写層を設けるグラビア凹
版は、網グラビア版、ダルジャン・グラビア、コンベン
ショナル・グラビア等その形式を問うものではない。
【0008】本発明の熱転写シートの該転写層は、図1
(b) に示す版5のように、印刷進行方向の終端部0.5
〜5mmの巾に相当する印刷部分に、単位面積当たりの
セル容積が正規の凹版部51より逓減する凹版の最終端
部52として、インキの転移量が図1(a) に示すように
他の正規部分の転写層3の90〜5%の範囲で連続階調
的に終端部に向けて転写層を逓減して最終端部31を構
成するものである。そして、正規の転写層3より、最終
端31にいたる逓減は、直線的、凹曲線的、凸曲線的の
いずれの形状であるかは問うものではない。また、図2
(b) に示す版のように、印刷進行方向の終端部0.5〜
5mmの巾に相当する印刷部分に、単位面積当たりのセ
ル容積が正規の凹版部51より一律に削減した凹版部5
3として、インキの転移量が図2(a) に示す正規部分の
転写層3の90〜5%の範囲で一律に削減した転写層3
2構成するものである。
【0009】セル容積の減少方法は、セル面積を一定に
して版の深さを変化する方法、上記のように版の深さを
一定にしてセルの径を変化する方法、又は、両者を併用
する方法等にいずれの形式によるかを問うものではな
い。また、使用する凹版としては、腐食グラビア版、又
は電子彫刻グラビア版があり、これによりスクリーニン
グの発生がない均一な厚さをもった転写層を形成でき
る。
【0010】熱転写シートの印刷時に版面で発生する、
インキミストによる印刷汚れは、図3に示すように、当
該色の非印刷部に高速印刷時にインキがミストとなり飛
散し、微細なインキ粒が印刷進行方向の終端部に隣接す
る他色の上に、48a(マゼンター印刷部に発生したシ
アンのインキミスト)、48b(シアン印刷部に発生し
たイエローのインキミスト)、48c(イエロー印刷部
に発生したマゼンターのインキミスト)のインキミスト
となって発生するものである。
【0011】版面で発生するインキミストの原因につい
て、発明者が鋭意研究の結果、図4の概念図で示すよう
に、版のセルにドクターでかきとられセルに充填された
インキ40が、基材フイルムと接触を開始する部分40
a、セルから基材フイルムにインキが転移を開始する部
分40bを通過して、セルと基材フイルムとの間でイン
キが延糸を続ける部分40cを経て、インキが切断する
部分40dにおいてミストを発生し、そして転移を終え
たインキが40eの部分のセルに残るものと解せられ
る。
【0012】すなわち、図4の想定図に示すように、イ
ンキが転移を開始41(40bに相当する)するととも
に、転移されたインキ42と版に残るインキ43とが引
き延ばされて、糸状にのびたインキが切断分離して発生
したインキミスト44が版の非画線部にインキミスト4
5、基材フイルム2にインキミスト46が図5に示すよ
うに付着するものである。また、セルよりはみだしたイ
ンキ47は、同様に他の色の面に付着することもある。
延糸されて、印刷の進行に伴いその延糸部が長く延び
て、切断して発生したミストが、正規の画像面に付着す
るときは特に問題を生ずるものではない。しかし、図5
に示すように、版の終端部でミスト44を発生して基材
フイルムの他の色が印刷される部分46に付着したとき
は印刷汚れとなるものである。また、インキミストは、
印刷速度が速ければ速い程、飛散するミスト量が多いこ
とが判明した。そして、この微細なインキミストはフィ
ルム面に付着するものであり、同一色の印刷面に付着す
るときは、実用上の問題は発生しないが、他の色の面に
付着したときは、絵柄の汚れとなって商品価値を損なう
ことになる。そして、インキミストは、基材フィルム〜
セル間に介在するインキ量が多いほど、インキの延糸が
長くなり、発生する粒径が大きいことを見出した。
【0013】上記の原因から、発明者は、高速印刷を行
う時、熱転写シートの印刷面に当該色以外のインキがミ
ストして飛散付着させない手段として、本発明に至った
ものである。すなわち、パターンの印刷終端部の基材フ
ィルム〜セル間に介在するインキ量を階調的に逓減、又
は一律に削減して、インキが長く延糸され、インキの切
断、分離により生じるインキミストの発生頻度を低下さ
せることに成功した。
【0014】転写層の正規の部分におけるインキ量は、
通常、版のセル目が発生しない程度を最低量とし、転写
による画像形成に必要な量に安全率をプラスしたもので
ある。また、版面における印刷部の終端は圧胴のニップ
圧によりセルから押し出されたインキ47が基材フィル
ム〜セル間に介在するため上記のミスト発生の一因とな
っている。本発明は、上記の事実から、その終端部にお
けるインキ転移量を少なくしたり、セルから押しだされ
るインキを減少したりすることにより、ミストの発生を
なくするものである。
【0015】
【作用】上記のように、版の終端部における単位面積当
たりのセル容積を階調的に逓減したり、一律に削減した
りすることにより、パターンの印刷進行方向の終端部の
インキ転移量と、セルから押し出されるインキ量とを正
規のものより階調的に逓減、又は一律に削減することに
よって、インキ転移量の最低必要量を確保できるもので
ある。そして、版の終端部においてインキが長く延糸さ
れることを防止し、延糸されたインキが切断することか
ら発生するミスト状のインキの飛散をなくするように働
く。
【0016】本発明について図面を参照にして説明する
と、図1は、本発明の熱転写シート1の請求項2の構成
を示す概略の断面図である。熱転写シート1は基材フイ
ルム2と、この基材フイルム2の一方の面に背面層7を
設け、他の面に設けた転写層3のインキ量が、版の終端
部でインキの転移量を逓減する凹版部を設け、最終端部
52により、転写層3を逓減して最終端部31を形成す
るものである。転写層3のインキ量は、0.1〜10 g
/m2 であり、転写層の終端部5mmより逓減されるイ
ンキ量は正規の印刷部分と比較して90〜5%の割合と
なるように、版のセル容積を正規の凹版部51に対して
インキの転移量を逓減して凹版の最終端部52をもつ版
5を形成する。
【0017】図2は、本発明の熱転写シート1の請求項
3の構成を示す概略の断面図である。熱転写シートは基
材フイルム2と、この基材フイルム2の一方の面に背面
層7を設け、他の面に設ける転写層3のインキ量が、版
の終端部で一律に削減する凹版部53により、転写層3
の削減部32を形成するものである。転写層3のインキ
量は、0.1〜10 g/m2 であり、転写層の終端部5
mmより削減されるインキ量は正規の印刷部分と比較し
て90〜5%になるように、版のセル容積を正規の凹版
部51に対してインキ量を削減する凹版部53をもつ版
5を形成するものである。
【0018】図3は、本発明の熱転写シートの転写層3
の配列の一例を示す図である。転写層はイエローの染料
層Y、マゼンターの染料層M、シアンの染料層Cを繰り
返し配列して構成されている。尚、各色の転写層の配列
順序は図3に示される順序に限定されるものではない。
【0019】基材フイルム2は、従来の熱転写シートの
ものをそのまま使用でき特に限定されることはない。例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、
セロハン、ポリカーボネート、エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコー
ル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド等の延伸あ
るいは未延伸のプラスチックフイルム、グラシン紙、コ
ンデンサー紙等の厚み精度のある紙、又は、これらの複
合フイルムを使用できる。このような基材フイルムの厚
さは、要求される熱的、機械的強度、熱伝導性によって
適宜決定することができ、3〜100μmのものが使用
できる。
【0020】転写層3は、染料をバインダーに溶解、分
散させたもの基材フイルムに設けたものであり、従来の
熱転写シートに使用されている染料をそのまま使用で
き、特に限定されることはない。好ましい染料の例とし
ては、赤色染料ではMS Red G、Macrole
x Red Violet R、Ceres RedH
BSL、Resolin Red F3BS等があり、
黄色染料には、ホロンブリリアントイエロー6GL、P
TY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げら
れ、また、青色染料はカヤセットブルー714、ワクソ
リンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−
R、MSブルー100等が挙げられる。
【0021】上記染料を、溶解あるいは分散させるバイ
ンダーは、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース
誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポ
リエステル等が挙げられる。これらのなかで好ましいも
のは、耐熱性、染料移行性の点からセルロース誘導体、
ポリビニルアセタール、及びポリエステルである。ま
た、転写層は上記の染料の他に印刷適性、転写適性をも
たせるために従来から使用されているポリエチレンワッ
クス微粒子等、ブロッキング防止剤、滑剤、静電気防止
剤等の公知の添加剤を加えることができる。
【0022】バインダー樹脂を溶解する溶剤は公知のも
のでよく、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘ
プタン等の炭化水素や、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール
や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類や、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノ
メチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセ
テート等のエステル類、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の
エーテル類からなる溶剤群から適宜選択して使用でき
る。
【0023】そして、上記の染料がバインダーに対して
5〜90重量%の割合で含む転写層用のグラビアインキ
を調製して上記の基材フイルムに本願の終端部のセル容
積を逓減した凹版を用いて印刷、乾燥させて転写層を形
成するものである。正規部分における転写層の厚さは、
0.1〜10.0μm、好ましくは0.5〜3μmであ
る。
【0024】また、基材フイルムの裏面には背面層7を
設けてもよい。背面層は、バインダー樹脂とリン酸エス
テル系の界面活性剤等の滑剤、フィラー等との添加剤か
ら形成される。バインダー樹脂は、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セ
ルロース、硝化綿等のセルロース誘導体、ポリビニール
アルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、
ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリル酸エステル、アクリロニトリルースチレンの共重
合体、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエス
テル等が挙げられる。これらのなかでは、若干の官能
基、例えば水酸基をもつものにポリイソシアネート等で
架橋した樹脂層が好ましい。
【0025】
【実験例】次に、実験例により本発明を、詳細に説明す
る。凹版の100線/25mmスクリーンにおいて、イ
ンキ量を逓減するために、版の最終端部の単位面積あた
りのセル容積が正規部分に対して、5〜100%になる
ようにして、表1及び表2のセル容積の巾を変更した版
を作成した。印刷に用いた版のセルの形状は、図6、図
7に示す六角形で角度が30°に回転したものである。
ここでいう角度30°のものとは、グラビア版の回転方
向Rに対してセルが30°回転した形で設けられている
ものである。
【0026】基材フイルム2として厚さ6μmのポリエ
ステルフイルム(東レ(株)製ルミラー)に、転写層の
印刷方向終端部の特定巾において、正規の凹版部51か
ら最終端部52のセル容積が、No.2〜10の大きさ
となるように、連続階調的に逓減させた版5により、ま
た、転写層3の印刷方向終端部の特定巾において、正規
の印刷部分の凹版部51と比べ、表2のNo.12〜2
7のセル容積になるように一律に削減された凹版53を
もつ版5により、下記組成の青色の転写層用グラビアイ
ンキで、200m/min.の速度で印刷して転写層を
形成した。 〔青色転写層用グラビアインキの組成〕 ホロンブリリアントブルーSR Sandoz社製 4.0重量部 ポリビニルブチラール樹脂 3.5重量部 (積水化学工業(株)製 エスレックBX−1) トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 92.5重量部
【0027】上記のようにして調製した熱転写シートの
インキミスト及び、スクリーニングの発生状況をテスト
した。その結果を、表1及び表2に示す。
【0028】
【表1】印刷終端部のセル容積を連続階調的逓減した凹
版による結果 比較例は現行の標準的セルの形状をもつパターンであ
る。 *1 印刷の終端部に僅かにスクリーニングを発生する
が実用上問題なし。 *2 印刷の終端部にスクリーニングを発生し、実用上
若干の問題がある。 〔インキミスト発生状況の評価〕 ○:インキミストの発生は認められない。 △:インキミストの発生は認められるが、粒形は小さ
く、且つ端部に限定されるため実用上の支障はない。 ×:インキミストの粒径が大きく実用上支障を来す。
【0029】
【表2】印刷終端部のセル容積を一律に削減した凹版に
よる結果 *1、 *2及び評価基準は、表1のものに準ずる。
【0030】従来より使用している正規のセル巾が24
0μmの版は、スクリーニングの発生はなく、印刷面と
しては良好であるが、ミストの発生が高速印刷条件下で
認められるものであった。これに対して、表1に示すよ
うに、本発明の製造方法で得られた、転写層の終端部の
インキ量を5mmの巾で逓減したり、セル巾を240μ
mから180μm、140μm、120μm、連続階調
的に逓減、又は一律に削減したりして、セルの単位容積
比を50%にまで下げた熱転写シートは、インキミスト
の発生もなく、スクリーニングもみられない良質の印刷
面を得ることができた。セル巾を100μmとして、セ
ルの単位容積比を42%以下にしたものは、インキミス
トの発生は防止できたが、終端部に若干のスクリーニン
グを発生したが、製品として満足できるものであった。
【0031】また、インキ転移量を少なくするセル容積
の小さい部分のセル巾を10mm、20mmと拡大して
も、インキミストの発生防止の効果は顕著なものではな
く、むしろスクリーン目の現れる面積が大きくなるとい
う欠点が現れるものである。したがって、インキ転移量
を少なくする転写層の巾は5mm以下に設けることが好
ましい。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
該パターンの印刷終端部の5mmのインキ転移量が、正
規の量に対して90〜5%にすることにより、該終端部
で発生するインキミストがセル面の外に飛散することが
なく、印刷時に発生する印刷汚れを防止することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の熱転写シートの印刷終端部におけ
る、転写層のインキの転移量の逓減状況を示す断面の概
念図である。 (b) 印刷終端部における、インキの転移量の逓減を具現
する凹版の断面概略図である。
【図2】(a) 本発明の熱転写シートの印刷終端部におけ
る、転写層のインキの転移量を削減状況を示す断面の概
念図である。 (b) 印刷終端部における、インキの転移量の一律削減を
具現する凹版の断面概略図である。
【図3】熱転写シートにおいてインキミストによる汚れ
の発生部を示す図である。
【図4】版のセル部において、インキミストの発生状況
を想定した図である。
【図5】版のセル部において、発生したインキミストが
非画線部に付着状況を示す想定図である。
【図6】本発明の熱転写シートの製造に使用する六角形
のグラビア版の一例を示す斜視図である。
【図7】図6で示されるグラビア版のセルの角度を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 熱転写シート 2 基材フイルム 3 転写層 31 転写層の最終端部 32 転写層の削減部 40 印刷時ドクターでかきとられセルに充填されたイ
ンキ 40a 基材フイルムにインキが接触を開始した部分 40b 基材フイルムにインキが転移を開始した部分 40c セルと基材フイルムとの間でインキが延糸を続
ける部分 40d 延糸され長くなったインキが切断されミストと
なる部分 40e 転移を終えてセルに残るインキ 41 基材フイルムに転移を開始したインキ 42 基材フイルムに印刷されたインキ 43 基材フイルムに転移されセルに残ったインキ 44 インキミスト 45 版の非画線部に付着したインキミスト 46 基材フイルムに付着したインキミスト 47 セルよりはみ出したインキ 48a マゼンター印刷部に発生したシアンのインキミ
スト 48b シアン印刷部に発生したイエローのインキミス
ト 48c イエロー印刷部に発生したマゼンターのインキ
ミスト 5 版 51 正規の凹版部 52 インキ転移量を逓減する凹版の最終端部 53 インキ転移量を削減する凹版部 6 グラビア版 61 セル 61 a セル巾 61 h セルの深さ 7 背面層 R 回転方向 A、B スクリーン角度 M、C、Y マゼンター、シアン、イエロー印刷部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40 B41J 17/00 B41J 31/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に、昇華性染料
    を含む転写層が色別にパターン状でべた印刷された熱転
    写シートにおいて、該パターンの印刷終端部の0.5〜
    5mm巾のインキ転移量が、正規の部分の量と比べて、
    90〜5%の範囲で少なくなるように印刷されているこ
    とを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記転写層パターンの印刷終端部のイン
    キ転移量が、連続階調的に逓減するように印刷されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記転写層パターンの印刷終端部のイン
    キ転移量が、一律に削減されるように印刷されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
  4. 【請求項4】 基材フィルムの一方の面に、昇華性染料
    を含む転写層が色別にパターン状でべた印刷された熱転
    写シートの製造方法において、該パターンの印刷終端部
    0.5〜5mmを、正規の転写層の印刷部分の単位面積
    当たりのセル容積と比べて、90〜5%の範囲で小さく
    したセル容積の凹版により形成することを特徴とする熱
    転写シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記印刷終端部が、単位面積当たりのセ
    ル容積を、正規の転写層の印刷部分と比べて、90〜5
    %になるように連続階調的に逓減した凹版により印刷さ
    れることを特徴とする請求項4記載の熱転写シートの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記印刷終端部が、単位面積当たりのセ
    ル容積を、正規の転写層の印刷部分と比べて、90〜5
    %の範囲で一律に削減した凹版により印刷されることを
    特徴とする請求項4記載の熱転写シートの製造方法。
JP22745294A 1993-09-06 1994-08-30 熱転写シート及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3336483B2 (ja)

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