JP5115118B2 - 熱転写シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写シート及びその製造方法に係わり、特に印刷時に発生するインキミストによる汚れを防止した熱転写シート及びその製造方法に関する。
従来、コンピュターやワードプロセッサーの出力プリント、あるいは種々の画像形成を昇華転写方式により行う場合、基材フイルムの一方の面に染料層を設けた熱転写シートが使用されている。この熱転写シートを用いたフルカラー画像形成は、サーマルヘッドに
より熱転写シートの背面側から熱を印加して3色〜4色の多色のドットを被転写材に転移させて行われる。形成された画像は使用される色材が染料であることから、鮮明で透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像を形成できるものである。
従来の熱転写シートの感熱転写層は、耐熱性を有する基材フィルムの一方の面に、ベヒクルに昇華性染料を溶解、分散したインキを多色グラビア輪転印刷により形成されるものである。そして、印刷される各色は、高品質の画像を形成するために所定の色が、所定の部分に設けられている必要がある。
しかしながら、従来のグラビア版を用いて製造される熱転写シートは、高速輪転印刷で行われ、そして、その染料インキは粘性をもつものである。したがって、版が高速回転するとき、ミスト状で飛散したインキが、正規に画像を形成する以外の部分に付着し、いわゆる印刷汚れを生ずることがある。この印刷汚れが他の色を設ける部分に付着した場合、その汚れのある部分を昇華転写して画像を形成させると、ミストによる汚れも同時に昇華転写されることとなり、昇華転写画像の欠点となり品質を低下させるという問題があった。
そこで例えば下記特許文献1では、このようなインキミストによる印刷汚れを防止し、安定した高品質の画像を高速印刷の条件下で形成できる熱転写シート及びその製造方法を提供している。
ところで基材フィルムの一方の面に、昇華性染料を含む転写層がべた印刷され、かつ、この転写層間に検知マークインキ層がべた印刷された熱転写シートが知られている。
検知マークインキ層は、耐熱性を有する基材フィルムの一方の面にベヒクルにカーボンブラックや染料等を分散したインキを多色グラビア輪転印刷により形成されるものである。そして検知マークインキ層は、プリンター内の印刷柄頭検出用に所定の濃度で所定の部分にむらなく安定して設けられている必要がある。
特許第3336483号公報
検知マークインキ層は、グラビア版を用いて製造されるのが通常である。検知マークインキ層は、インキ転移量が均一で滑らかな平滑面を持つ良好で高品質な印刷面である必要がある。
しかし印刷速度を高速にした場合などには印刷柄の末端部からインキ相たる転写層内へ検知マークインキがミスト状に付着するインキミストが発生し、これによって印画の際に印画欠点となって現れる問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、検知マークインキによるインキミストの発生を防止し印画欠点の発生を防止し、安定した高品質の印画像を高速印刷の条件下で形成できる熱転写シートおよびその製造方法を提供することをその主な目的とする。
本発明は、基材フィルムの一方の面に、昇華性染料を含む転写層がべた印刷され、かつ、前記転写層間の全体に隙間なく検知マークインキ層がべた印刷された熱転写シートにおいて、前記検知マークインキ層の印刷終端部の0.5〜5mm巾のインキ転移量が、正規の部分の量と比べて、90〜5%の範囲で少なくなるように印刷されていることを特徴とする。
前記検知マークインキ層の印刷終端部のインキ転移量が、連続階調的に逓減するように印刷されていると好適である。
前記検知マークインキ層の印刷終端部のインキ転移量が、一律に削減されるように印刷されていると好適である。
また本発明は、基材フィルムの一方の面に、昇華性染料を含む転写層がべた印刷され、かつ、前記転写層間の全体に隙間なく検知マークインキ層がべた印刷された熱転写シートの製造方法において、前記検知マークインキ層該の印刷終端部0.5〜5mmを、正規の転写層の印刷部分の単位面積当たりのセル容積と比べて、90〜5%の範囲で小さくしたセル容積の凹版により形成することを特徴とする。
前記印刷終端部が、単位面積当たりのセル容積を、正規の転写層の印刷部分と比べて、90〜5%になるように連続階調的に逓減した凹版により印刷されると好適である。
前記印刷終端部が、単位面積当たりのセル容積を、正規の転写層の印刷部分と比べて、90〜5%の範囲で一律に削減した凹版により印刷されると好適である。
以上詳述したように、本発明によれば、検知マークインキ層の印刷終端部における0.5〜5mm巾のインキ転移量を、正規の量に対して90〜5%にすることにより、該終端部で発生するインキミストが検知マークインキ層の外に飛散することがなく、印刷時に発生する印刷汚れを防止することができる。
本実施形態では、基材フィルムの一方の面に、昇華性染料を含む転写層がべた印刷され、かつ、前記転写層間に検知マークインキ層がべた印刷された熱転写シートにおいて、前記検知マークインキ層の印刷終端部の0.5〜5mm巾のインキ転移量が、正規の部分の量と比べて、90〜5%の範囲で少なくなるように印刷したものを図面を用いて説明する。
本実施形態の熱転写シートは、基材フイルムと該基材フイルムの一方の面に形成された色昇華染料の転写層を形成する。さらにこの転写層間に検知マークインキ層を形成する。そして、該転写層および検知マークインキ層を設けるグラビア凹版は、網グラビア版、ダルジャン・グラビア、コンベンショナル・グラビア等その形式を問うものではない。
図1は、(a)本実施形態に係る熱転写シート1の概略の断面図および(b)本実施形態に係る版5の概略の断面図である。図1(a)に示すように、熱転写シート1は基材フイルム2と、この基材フイルム2の一方の面に背面層7を設け、他の面に設けた検知マークインキ層3のインキ量が、版の終端部でインキの転移量を逓減する凹版部を設け、最終端部52により、検知マークインキ層3を逓減して最終端部31を形成するものである。
版5は図1(b)に示すように形成する。検知マークインキ層3のインキ量は、0.1〜10g/m2であり、転写層の終端部5mmより逓減されるインキ量は正規の印刷部分と比較して90〜5%の割合となるように、版のセル容積を正規の凹版部51に対してインキの転移量を逓減して凹版の最終端部52をもつ版5を形成する。
基材フイルム2は、従来の熱転写シートのものをそのまま使用でき特に限定されることはない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、エチレン・ビニルアルコール共重合体、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド等の延伸あるいは未延伸のプラスチックフイルム、グラシン紙、コンデンサー紙等の厚み精度のある紙、又は、これらの複合フイルムを使用できる。このような基材フイルムの厚さは、要求される熱的、機械的強度、熱伝導性によって適宜決定することができ、3〜100μmのものが使用できる。
図1(a)に示されるように基材フイルムの裏面には背面層7を設けてもよいが、背面層は、バインダー樹脂とリン酸エステル系の界面活性剤等の滑剤、フィラー等との添加剤から形成さてもよい。バインダー樹脂は、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿等のセルロース誘導体、ポリビニールアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル、アクリロニトリルースチレンの共重合体、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。これらのなかでは、若干の官能基、例えば水酸基をもつものにポリイソシアネート等で架橋した樹脂層が好ましい。
検知マークインキ層3は従来の熱転写シートに使用されているインキを適宜選択して決定すればよく特に限られるものではない。例えば検知マークインキ層3は、染料をバインダーに溶解、分散させたもの基材フイルムに設けたものであり、従来の熱転写シートに使用されている染料をそのまま使用でき、特に限定されることはない。好ましい染料の例としては、黒色染料などを挙げることができる。
上記染料を、溶解あるいは分散させるバインダーは、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。これらのなかで好ましいものは、耐熱性、染料移行性の点からセルロース誘導体、ポリビニルアセタール、及びポリエステルである。
また、検知マークインキ層3は上記の染料の他に印刷適性、転写適性をもたせるために従来から使用されているポリエチレンワックス微粒子等、ブロッキング防止剤、滑剤、静電気防止剤等の公知の添加剤を加えることができる。
バインダー樹脂を溶解する溶剤は公知のものでよく、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の炭化水素や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコールや、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類や、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類からなる溶剤群から適宜選択して使用できる。
図1において、熱転写シートの検知マークインキ層は、図1(b)に示す版5のように、印刷進行方向の終端部0.5〜5mmの巾に相当する印刷部分に、単位面積当たりのセル容積が正規の凹版部51より逓減する凹版の最終端部52として、インキの転移量が図1(b)に示すように他の正規部分の検知マークインキ層3の90〜5%の範囲で連続階調
的に終端部に向けて検知マークインキ層を逓減して最終端部31を構成するものである。そして、正規の検知マークインキ層3より、最終端31にいたる逓減は、直線的、凹曲線的、凸曲線的のいずれの形状であるかは問うものではない。
また図2は、本実施形態の熱転写シート1の構成を示す概略の断面図である。熱転写シートは基材フイルム2と、この基材フイルム2の一方の面に背面層7を設け、他の面に設ける検知マークインキ層3のインキ量が、版の終端部で一律に削減する凹版部53により、検知マークインキ層3の削減部32を形成するものである。検知マークインキ層3のインキ量は、0.1〜10g/m2であり、検知マークインキ層の終端部5mmより削減されるインキ量は正規の印刷部分と比較して90〜5%になるように、版のセル容積を正規の凹版部51に対してインキ量を削減する凹版部53をもつ版5を形成するものである。
図2においては、図2(b)に示す版のように、印刷進行方向の終端部0.5〜5mmの巾に相当する印刷部分に、単位面積当たりのセル容積が正規の凹版部51より一律に削減した凹版部53として、インキの転移量が図2(a)に示す正規部分の検知マークインキ層3の90〜5%の範囲で一律に削減した検知マークインキ層32を構成するものである。
例えば上記の検知マークインキ層の正規部分の厚さは、0.1〜10.0μm、好ましくは0.5〜3μmである。インキの転移量を一律に削減する場合についてもインキの転移量を連続的に削減する場合についても、削減箇所が印刷進行方向の終端部0.5mm巾よりも少ないとインキミストの飛散を防止できず、また、削減箇所が印刷進行方向の終端部5mm巾よりも多いとマーク透過濃度が低下するなどの無駄なインキ削減箇所を形成してしまうために好ましくない。
セル容積の減少方法は、セル面積を一定にして版の深さを変化する方法、上記のように版の深さを一定にしてセルの径を変化する方法、又は、両者を併用する方法等にいずれの形式によるかを問うものではない。また、使用する凹版としては、腐食グラビア版、又
は電子彫刻グラビア版があり、これによりスクリーニングの発生がない均一な厚さをもった転写層、検知マークインキ層を形成できる。
図3は、本実施形態の熱転写シートの検知マークインキ層Kと色層たる転写層(C,M、Y)の配列の一例を示す図である。転写層はイエローの染料層Y、マゼンターの染料層M、シアンの染料層Cを繰り返し配列して構成されている。尚、各色の転写層の配列順序は図3に示される順序に限定されるものではない。
熱転写シートの印刷時に版面で発生する、インキミストによる印刷汚れは、図3に示すように、当該検知マークインキ層Kの非印刷部に高速印刷時に検知マークインキがミストとなり飛散し、微細なインキ粒が印刷進行方向の終端部に隣接する当該検知マークインキ層K以外の色層たる転写層(C、M、Y)の上に、48a(マゼンター印刷部に発生したのインキミスト)、48b(シアン印刷部に発生した検知マークインキのインキミスト)、48c(イエロー印刷部に発生した検知マークインキのインキミスト)のインキミストとなって発生するものである。
版面で発生する検知マークインキのインキミストの原因について、発明者が鋭意研究の結果、図4の概念図で示すように、版のセルにドクターでかきとられセルに充填された
検知マークインキ40が、基材フイルムと接触を開始する部分40a、セルから基材フイルムにインキが転移を開始する部分40bを通過して、セルと基材フイルムとの間でインキが延糸を続ける部分40cを経て、インキが切断する部分40dにおいてミストを発生し、そして転移を終えたインキが40eの部分のセルに残るものと解せられる。
すなわち、図4の想定図に示すように、インキが転移を開始41(40bに相当する)するとともに、転移されたインキ42と版に残るインキ43とが引き延ばされて、糸状にのびたインキが切断分離して発生したインキミスト44が版の非画線部にインキミスト4
5、基材フイルム2にインキミスト46が図5に示すように付着するものである。また、セルよりはみだしたインキ47は、検知マークインキ層外の転写層の面に付着することもある。延糸されて、印刷の進行に伴いその延糸部が長く延びて、切断して発生したミストが、正規の面に付着するときは特に問題を生ずるものではない。しかし、図5に示すように、版の終端部でミスト44を発生して基材フイルムの色層たる転写層が印刷される部分46に付着したときは印刷汚れとなるものである。
また、インキミストは、印刷速度が速ければ速い程、飛散するミスト量が多いことが判明した。そして、この微細なインキミストはフィルム面に付着するものであり、検知マークインキの印刷面に付着するときは、実用上の問題は発生しないが、転写層に付着したときは、絵柄の汚れとなって商品価値を損なうことになる。そして、インキミストは、基材フィルム〜セル間に介在するインキ量が多いほど、インキの延糸が長くなり、発生する粒径が大きいことを見出した。
上記の原因から、発明者は、高速印刷を行う時、熱転写シートの印刷面に当該色以外のインキがミストして飛散付着させない手段として、本発明に至ったものである。すなわち、検知マークインキ層の印刷終端部の基材フィルム〜セル間に介在するインキ量を階調的に逓減、又は一律に削減して、インキが長く延糸され、インキの切断、分離により生じるインキミストの発生頻度を低下させることに成功した。
検知マークインキ層転写層の正規の部分におけるインキ量は、通常、版のセル目が発生しない程度を最低量とし、転写による画像形成に必要な量に安全率をプラスしたもので
ある。また、図4に示すような版面における印刷部の終端は圧胴のニップ圧によりセルから押し出されたインキ47が基材フィルム〜セル間に介在するため上記のミスト発生の一因となっている。本実施形態は、上記の事実から、その終端部におけるインキ転移量を少なくしたり、セルから押しだされるインキを減少したりすることにより、ミストの発生をなくするものである。
上記のように、版の終端部における単位面積当たりのセル容積を階調的に逓減したり、一律に削減したりすることにより、検知マークインキ層の印刷進行方向の終端部のインキ転移量と、セルから押し出されるインキ量とを正規のものより階調的に逓減、又は一律に削減することによって、インキ転移量の最低必要量を確保できるものである。そして、版の終端部においてインキが長く延糸されることを防止し、延糸されたインキが切断することから発生するミスト状のインキの飛散をなくするように働く。
なお、色層たる転写層(C,M、Y)は染料をバインダーに溶解、分散させたもの基材フイルムに設けたものであり、従来の熱転写シートに使用されている染料をそのまま使用でき、特に限定されることはない。好ましい染料の例としては、赤色染料ではMS Red G、Macrolex Red Violet R、Ceres RedHBSL、Resolin Red F3BS等があり、黄色染料には、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、また、青色染料はカヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーSR、MSブルー100等が挙げられる。
上記染料を、溶解あるいは分散させるバインダーは、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。これらのなかで好ましいものは、耐熱性、染料移行性の点からセルロース誘導体、ポリビニルアセタール、及びポリエステルである。また、転写層は上記の染料の他に印刷適性、転写適性をもたせるために従来から使用されているポリエチレンワックス微粒子等、ブロッキング防止剤、滑剤、静電気防止
剤等の公知の添加剤を加えることができる。
バインダー樹脂を溶解する溶剤は公知のものでよく、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の炭化水素や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコールや、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類や、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類からなる溶剤群から適宜選択して使用できる。
次に、実施例により本発明を、詳細に説明する。
実施例1では、凹版のスクリーンにおいて、版の最終端部2.5mm巾にわたり一律に単位面積あたりのセル容積が正規部分に対して、50%削減となるようにして、セル容積の巾を変更した版を作成し、用いた。
実施例2では、凹版のスクリーンにおいて、版の最終端部を1.0mm巾、1.5mm巾、2.5mm巾と連続的に単位面積あたりのセル容積が正規部分に対して、それぞれ5%削減、10%削減、50%削減になるようにして、セル容積の巾を変更した版を作成し、用いた。
比較例では、凹版のスクリーンにおいて、版の最終端部について単位面積あたりのセル容積が正規部分のままであってセル容積の巾を変更してない版を作成し、用いた。
上記実施例1、2および比較例共に基材フィルムとしては厚さ6μmのポリエステルフイルム(東レ(株)製ルミラー)を用い、上記それぞれ特徴づけられた版により、検知マーク用墨インキで、300m/min.の速度で印刷して検知マークインキ層を形成した。
上記のようにして検知マークインキ層を形成した熱転写シートのインキミスト及び、検知マーク濃度の発生状況をテストした。そのテスト結果を、表1に示す。
Figure 0005115118
<検知マーク濃度の評価>
◎:非常に高濃度で、検出能力が高い
○:高濃度で、検出能力は普通
×:低濃度で、検出能力が劣る
<ミスト数の評価>
◎:ミストは非常に少なく、品質が高い
○:ミストは少なく、品質は良い
×:ミストが多く発生し、品質が非常に悪い
従来から使用している正規のセル巾であって、その巾も一様である比較例の版によって印刷された熱転写シートは、検知マークインキ層は検知マーク濃度は良好であるが、転写層におけるミストの発生が本実施例の印刷条件下で多く認められ、品質に劣るものであった。
これに対して、実施例1、2の検知マークインキ層の終端部のインキ量を正規分よりもそれぞれ一段階あるいは複数段階について連続階調的に逓減させる版を用いて印刷された熱転写シートは、転写層におけるインキミストの発生を比較例と比べて少なくすることができた。また検知マーク濃度においても満足できる良質の印刷面を得ることができた。特に複数段階について連続階調的に逓減させた実施例2の版を用いて印刷された熱転写シートについてはインキミストの発生も非常に少なかった。
(a)本実施形態の熱転写シートの印刷終端部における検知マークインキ層のインキの転移量の逓減状況を示す断面の概念図である。
(b)印刷終端部における、インキの転移量の逓減を具現
する凹版の断面概略図である。
(a)本実施形態の熱転写シートの印刷終端部における、検知マークインキ層のインキの転移量を削減状況を示す断面の概念図である。
(b)印刷終端部における、インキの転移量の一律削減を具現する凹版の断面概略図である。
熱転写シートにおいてインキミストによる汚れの発生部を示す図である。 版のセル部において、インキミストの発生状況を想定した図である。 版のセル部において、発生したインキミストが非画線部に付着状況を示す想定図である。
符号の説明
1 熱転写シート
2 基材フイルム
3 検知マークインキ層
31検知マークインキ層の最終端部
32検知マークインキ層の削減部
40 印刷時ドクターでかきとられセルに充填されたイ
ンキ
40a 基材フイルムにインキが接触を開始した部分
40b 基材フイルムにインキが転移を開始した部分
40c セルと基材フイルムとの間でインキが延糸を続
ける部分
40d 延糸され長くなったインキが切断されミストと
なる部分
40e 転移を終えてセルに残るインキ
41 基材フイルムに転移を開始したインキ
42 基材フイルムに印刷されたインキ
43 基材フイルムに転移されセルに残ったインキ
44 インキミスト
45 版の非画線部に付着したインキミスト
46 基材フイルムに付着したインキミスト
47 セルよりはみ出したインキ
48a マゼンター印刷部に発生したインキミスト
48b シアン印刷部に発生したインキミスト
48c イエロー印刷部に発生したインキミスト
5 版
51 正規の凹版部
52 インキ転移量を逓減する凹版の最終端部
53 インキ転移量を削減する凹版部
7 背面層
M、C、Y マゼンター、シアン、イエロー印刷部
K 検知マークインキ印刷部

Claims (6)

  1. 基材フィルムの一方の面に、昇華性染料を含む転写層がべた印刷され、かつ、前記転写層間の全体に隙間なく検知マークインキ層がべた印刷された熱転写シートにおいて、前記検知マークインキ層の印刷終端部の0.5〜5mm巾のインキ転移量が、正規の部分の量と比べて、90〜5%の範囲で少なくなるように印刷されていることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記検知マークインキ層の印刷終端部のインキ転移量が、連続階調的に逓減するように印刷されていることを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
  3. 前記検知マークインキ層の印刷終端部のインキ転移量が、一律に削減されるように印刷されていることを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
  4. 基材フィルムの一方の面に、昇華性染料を含む転写層がべた印刷され、かつ、前記転写層間の全体に隙間なく検知マークインキ層がべた印刷された熱転写シートの製造方法において、前記検知マークインキ層該の印刷終端部0.5〜5mmを、正規の転写層の印刷部分の単位面積当たりのセル容積と比べて、90〜5%の範囲で小さくしたセル容積の凹版により形成することを特徴とする熱転写シートの製造方法。
  5. 前記印刷終端部が、単位面積当たりのセル容積を、正規の転写層の印刷部分と比べて、90〜5%になるように連続階調的に逓減した凹版により印刷されることを特徴とする請求項2またはえ記載の熱転写シートの製造方法。
  6. 前記印刷終端部が、単位面積当たりのセル容積を、正規の転写層の印刷部分と比べて、90〜5%の範囲で一律に削減した凹版により印刷されることを特徴とする請求項2または3記載の熱転写シートの製造方法。
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