JP2002274062A - 昇華型熱転写記録方法、これに用いる記録シート及び受像シート - Google Patents

昇華型熱転写記録方法、これに用いる記録シート及び受像シート

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JP2002274062A
JP2002274062A JP2001080789A JP2001080789A JP2002274062A JP 2002274062 A JP2002274062 A JP 2002274062A JP 2001080789 A JP2001080789 A JP 2001080789A JP 2001080789 A JP2001080789 A JP 2001080789A JP 2002274062 A JP2002274062 A JP 2002274062A
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JP2001080789A
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Hironori Kuboyama
浩紀 久保山
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 n倍モード法によるフルカラー画像形成で尾
引きの発生がなく、保存安定性の良好な画像が得られる
昇華型熱転写記録方法を提供する。 【解決手段】 基体上に、熱昇華性染料を含有してなる
イエロー、マゼンタ、シアンの色材層を有する記録シー
トと、受像シートとを重ね合わせて、n倍モード法によ
り、先ずイエロー、続いてマゼンタ、シアン又はシア
ン、マゼンタの順に該記録シート側からサーマルヘッド
により加熱してフルカラー画像を形成する昇華型熱転写
記録方法であって、再加熱用シートを介して少なくと
も、イエローの次のマゼンタまたはシアン画像形成後に
サーマルヘッドにて該マゼンタまたはシアン画像と同様
の画像情報パターンにて再加熱処理を行なうことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写記録方法及
びこれらに用いられる昇華型熱転写記録シート、受像シ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラープリンターの需要が年
々増加し、このフルカラープリンターの記録方式として
電子写真方式、インクジェット方式、感熱転写方式等が
あるが、この中で保守が容易、騒音がない等の理由によ
り感熱転写方式が注目されている。この感熱転写方式に
は、(1)熱溶融性物質中に着色剤を分散した転写層を
有する転写リボンと受像紙とを重ねて、転写リボンに熱
ヘッドあるいはレーザ光等で画像状に熱印加することに
より、転写層を熱溶融させて受像紙上に転写記録する溶
融型熱転写記録と、(2)熱昇華性染料あるいは熱移行
性染料(本明細書中では単に昇華性染料と呼ぶ。)を含
有する転写層を有する転写リボンと受像紙とを重ねて、
転写リボンに画像状に熱印加することにより、転写層の
染料を受像紙上に昇華または移行させて記録する昇華型
熱転写記録とがある。
【0003】フルカラー画像の記録としては一般的には
色調の忠実性から見て昇華型熱転写記録の方が優れてい
る。この昇華型熱転写記録において、熱転写リボンのラ
ンニングコストを節約するために、1枚の熱転写リボン
から複数回の記録に使用したり、熱転写リボンの搬送速
度をこれと重ねられた受像紙の搬送速度より遅くして
(相対速度1/n,n>1)記録する方法いわゆるn倍
モード記録法が提案されている。
【0004】更に、これらの熱転写リボンの1部位を複
数回の転写記録に供するための転写リボンとして、基体
上に粒状の昇華性染料をバインダー樹脂中に分散させて
なるインク層を設けた熱転写リボン(特開平1−157
891号公報)、あるいは基体上に染料の転移量が多く
比較的厚いインク層(染料供給層)と転移量が少なく比
較的薄いインク層(転写寄与層)とを積層させて設けた
熱転写リボン(特開平2−586号公報)等が提案され
ている。
【0005】この昇華型熱転写記録法では1枚のフルカ
ラー画像を得るのに、イエロー、マゼンタ、シアン、必
要に応じてブラックの熱転写リボンを用いて順次受像層
に重ね印字を行なうが、従来の昇華型熱転写リボンでは
2次色、3次色を形成する場合、先に受像層に転写した
染料が2次色、3次色形成時に受像層から転写リボンに
逆転写してしまう。そこで、n倍モード記録法では連続
して熱転写リボンを使用することから、前色の濃いパタ
ーンのエッジ部が次色画像転写時のリボン部に前色染料
が混じってしまうことより尾引き(ぼけ)として認識さ
れる。
【0006】特開昭61−293891号公報等に開示
されている技術では、各色を別の透明受像層に形成し、
これらを重ねあわせることによってフルカラーを形成す
るため、逆転写は生じないものの、従来と異なり、特別
な受像紙(層)が必要であり、さらに受像層を3枚用い
てフルカラーを形成することから受像層全体が厚く、さ
らにコスト高となる。また、3枚を重ねる場合、微少の
位置ずれにより、画像のぼやけを生じさせ、画像の劣化
の危険性を有している。
【0007】上記のような問題を解決する手段として、
受像層中の染料のリボン表面への逆転写を抑えるために
インク層の最上層に非染着性樹脂層または低染着性樹脂
層を設けることが特開平5−64980号公報に開示さ
れているが、最上層が非染着性または低染着性である場
合、最上層の染料拡散バリヤ性を高める(染料を通過さ
せにくい)ことになる為、リボン側からの染料拡散も極
端に低下し、画像濃度低下を起こしてしまう。
【0008】また、特開平11−1064号公報には別
の加熱処理用シートを介してサーマルヘッドにて加熱処
理する方法が開示されているものの、再加熱処理シート
による加熱処理画像パターンによっては、再加熱処理シ
ートに染料の逆転写が同様に発生していまい尾引きが発
生してしまう。更に、再加熱処理シートに低染着樹脂層
を形成したものを用いれば、逆転写は低減できるものの
n倍モード法に用いられるイエロー、マゼンタ、シアン
(場合によってはブラック)及び再加熱部面を有する一
体型の面順次記録シートにおいては記録シートの使用長
が受像シートの1/nになることから、記録シートの再
加熱部面及びインク層表面に異なる樹脂層を形成するこ
とは難しく、再加熱部面のみに低染着樹脂層を形成する
ことは非常に困難である。
【0009】更に、従来の昇華転写画像は経時保存安定
性、耐光性、耐可塑剤性、耐指紋性及び耐摩擦性等の耐
久性が十分ではなく、特に長時間高温環境下で保存した
り、太陽光などの光に暴露されると画質や画像濃度の低
下を招くことがある。最近、昇華型熱転写記録方式を運
転免許証、身分証明証等の各種IDカードに応用するこ
とが考えられているが、このような場合においては特に
長時間にわたって鮮明に記録された情報を維持しなくて
はならないため、かなりの高耐久性が要求される。
【0010】このような種々の問題点を解決する手段と
して、例えば画像を形成した昇華転写受像シートに紫外
線吸収剤や酸化防止剤等の光劣化抑制剤を含有させた透
明樹脂フィルムを接着剤を介してラミネートすることに
より、光や酸素の作用を抑制、遮蔽するなどの提案がな
されている。しかしながら、この方法では耐光性等の耐
久性はある程度改善されるが、操作が煩雑で、ラミネー
ター等の装置が更に必要となり、コストが上昇するとい
う問題や染料が接着層に移行して画像ににじみ等が生じ
ると言った問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記欠
点を克服し、n倍モード法を用いた染料逆転写によるフ
ルカラー画像形成時の尾引き発生がなく、保存安定性の
良好な画像を得るための記録法、記録シート及び受像シ
ートを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は下記
(1)〜(7)によって達成される。
【0013】(1)基体上に熱昇華性染料を含有してな
るイエロー、マゼンタ、シアンの色材層を有する記録シ
ートと、受像シートとを重ね合わせて、n倍モード法に
より、先ずイエロー、続いてマゼンタ、シアン又はシア
ン、マゼンタの順に該記録シート側からサーマルヘッド
により加熱してフルカラー画像を形成する昇華型熱転写
記録方法であって、再加熱用シートを介して、少なくと
もイエローの次のマゼンタまたはシアン画像形成後にサ
ーマルヘッドにて該マゼンタまたは該シアン画像と同様
の画像情報パターンにて再加熱処理を行なうことを特徴
とする昇華型熱転写記録方法。
【0014】(2)基体上に熱昇華性染料を含有してな
るイエロー、マゼンタ、シアンの色材層を有する記録シ
ートと、受像シートとを重ね合わせて、n倍モード法に
より、イエロー、マゼンタ、シアン又はイエロー、シア
ン、マゼンタの順に記録シート側からサーマルヘッドに
より加熱してフルカラー画像を形成する昇華型熱転写記
録方法において、再加熱用シートを介して、1色ごとに
サーマルヘッドにて前色と同様の画像情報パターンにて
再加熱処理を行なうことを特徴とする昇華型熱転写記録
方法。
【0015】(3)複数の並列したサーマルヘッドを並
べて同時画像転写可能な多重ヘッドプリンターにより記
録を行なうことを特徴とする上記(1)又は(2)記載
の昇華型熱転写記録方法。
【0016】(4)上記(1)又は(3)記載の記録方
法の用いられる記録シートであって、基体上の長尺方向
に昇華染料を含有してなるイエロー、マゼンタ、シアン
の色材層を有し、かつ少なくともマゼンタ、シアン間に
昇華染料を含有しない再加熱部面を有し、これらが面順
次に形成されていることを特徴とする記録シート。
【0017】(5)上記(2)又は(3)記載の記録方
法に用いられる記録シートであって、基体上の長尺方向
に昇華染料を含有してなるイエロー、マゼンタ、シアン
の色材層を有し、かつ各色間に昇華染料を含有しない再
加熱部面を有し、これらが面順次に形成されていること
を特徴とする記録シート。
【0018】(6)基体上の長尺方向に昇華染料を含有
してなるイエロー、マゼンタ、シアンの色材層及び昇華
染料を含有しない再加熱部面の表面が、滑剤を含む同一
の樹脂層で形成されていることを特徴とする上記(4)
又は(5)記載の記録シート。
【0019】(7)上記(1)〜(3)のいずれかに記
載の記録方法に用いられる昇華転写用受像シートであっ
て、基体上に少なくとも染料受容層を設け、さらにその
上に、シリコン樹脂及び滑剤を主成分とするオーバー層
を設けたことを特徴とする昇華転写用受像シート。
【0020】本発明によれば上記従来の問題点が解消さ
れ、画像形成時に受像体から昇華型熱転写体への染料逆
転写を防止でき、尾引きの発生がなく、保存安定性の良
好な画像を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。先に指摘したとおり、尾引き画像現象は、イエロ
ー、マゼンタ、シアン又はイエロー、シアン、マゼンタ
の順次転写によるフルカラー画像を形成するにあたり、
次色転写時に前色の画像転写パターンが次色の記録シー
ト表面に染料が逆転写してしまう事で発生し、n倍モー
ド法を用いる記録法を用いた場合には、記録シートの連
続印字(n倍数により使用同一個所が変動)により、受
像シート側へ前色染料を含んで次色記録シートが染料転
写することで前色の濃いパターンのエッジ部に尾引き
(ぼけ)画像が生じてしまう。
【0022】この現象を防止するために、受像シート表
面を加熱処理することで受像シート表面に存在する染料
が受容層内部に拡散移動するため、次色転写時の記録シ
ート側への逆転写を低減することが可能であるものの、
加熱処理として熱ローラー、ホットスタンプ、アイロ
ン、赤外線ランプ、熱風等の加熱部材を用いた場合に
は、画像転写装置とは別の装置を設ける必要があり、画
像転写搬送動作も複雑になることからプリンター自体が
大型化され、フルカラー画像を得るために有する時間も
大幅に長くなってしまう。
【0023】そこで、本発明においては画像形成するの
に用いられるサーマルヘッドにて加熱処理をすることが
好ましく、基体上の長尺方向に昇華染料を含有してなる
イエロー、マゼンタ、シアンの色材層及び昇華染料を含
有しない再加熱部面を有する面順次に形成された記録シ
ートを用いて、再加熱部面にて再加熱処理を行なうこと
で、プリンターの小型化が可能となる。ただし、昇華染
料を含有しない再加熱部面を有する記録シートを介して
再加熱を行なう場合、n倍モード記録においては、再加
熱処理工程において再加熱部面に前色染料が逆転写し、
受像シート側へ再転写してしまうために、尾引き画像を
完全に防止するには前色画像形成パターンと同様パター
ンにて再加熱処理を行なう必要がある。
【0024】フルカラー画像がイエロー、マゼンタ、シ
アンの順で転写記録されている場合には、再加熱処理
は、イエローの逆転写による尾引き画像は色味的に目視
では判断がつかず、シアン画像転写後は印字する必要が
ないためシアン染料の逆転写による尾引き現象は発生し
ないことから、少なくともマゼンタ画像転写後のみにマ
ゼンタと同様画像パターンにより再加熱処理を行なうこ
とで尾引き画像を防止することが可能となる。また、フ
ルカラー画像がイエロー、シアン、マゼンタの順で転写
記録されている場合には、上記と同様な理由から、少な
くともシアン画像転写後のみにシアンと同様画像パター
ンにより再加熱処理を行うことで尾引き画像を防止する
ことが可能となる。
【0025】更に、各色画像転写ごとに前色と同様画像
パターンにて加熱処理することで、尾引き画像防止効果
とともに最終的なフルカラー画像の保存安定性をも良好
にすることが可能となる。
【0026】なお、フルカラー画像を得るための各色画
像転写の順序として、イエロー、マゼンタ、シアンの
順、或いはイエロー、シアン、マゼンタの順をあげた
が、好ましくはイエロー、マゼンタ、シアンの順であ
る。また、各色画像転写ごとに加熱処理する場合は、各
色の転写の順序は規制されなくてよいが、好ましくはイ
エロー、マゼンタ、シアンの順である。さらに、フルカ
ラー画像がブラックを加えた4色で形成される場合に
は、ブラック画像転写の順は最後(イエロー、マゼン
タ、シアンの後)であるのが好ましい。
【0027】本発明で使用される記録シートは、基体上
の長尺方向に昇華染料を含有してなるイエロー、マゼン
タ、シアンの色材層を有し、少なくともマゼンタ、シア
ン間に昇華染料を含有しない再加熱部面を有する面順次
に形成されたものと、各色間に昇華染料を含有しない再
加熱部面を有する面順次に形成されたものとがある。
【0028】記録シートの基体としては、ポリエステル
樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
エチレンナフタレート樹脂等公知の有機樹脂フィルムが
使用される。その厚さは0.5〜20μmが適当であ
り、好ましくは3〜10μmである。これら有機樹脂フ
ィルムの裏面に必要なら公知の耐熱性離型層を設けても
よい。
【0029】前記基体上に形成されるインク層はn倍モ
ード記録法において、染料の供給を長時間安定に継続し
て良好なマルチ性を保つために、少なくとも未溶解粒子
状の昇華性染料を含んでいる染料供給層を設けることが
好ましい。ここで、未溶解粒子とはインク層形成時イン
ク(昇華性染料+バインダー樹脂+溶剤)を乾燥後、バ
インダー樹脂に溶けきれず、粒子状として析出する染料
を意味し、同一のバインダー樹脂および染料でも溶剤に
より未溶解粒子状染料の存在状況が異なる。未溶解粒子
状染料の存在の有無は染料供給層形成後、電子顕微鏡で
容易に識別できる。未溶解粒子状染料の粒径は染料供給
層厚によって異なるが0.01μm〜20μm、好まし
くは1μm〜5μmである。このように染料供給層中の
染料は粒子状であるため、長期保存において染料の結晶
化などの問題も発生しない。
【0030】前記染料供給層の染料濃度は高くするほど
感度は増大し、マルチ能も向上するが、あまり高くしす
ぎるとインク層の膜強度が低下してスティッキング現象
による横スジが発生する。したがって、染料供給層の染
料/バインダー樹脂の重量比は1.5〜6.0とするこ
とが好ましい。この重量比が1.5未満では感度が低く
なる。
【0031】前記染料供給層のバインダー樹脂として、
例えば、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポ
リエステル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルア
セタール系樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。これ
らの樹脂は1種でも使用できるが、数種を混合するか、
さらにはこれらの共重合体を使用してもよい。これらの
中でもセルロースエステル樹脂およびポリビニルアセタ
ール系樹脂が溶剤に対する溶解性や樹脂溶液の粘度およ
び基体との接着性等の観点から好ましく、特にセルロー
スアセテートブチレート、ポリビニルアセトアセタール
およびポリビニルブチラールが好ましい。
【0032】また、さらに記録シートのインク層構成と
して特開平5−64980号公報に記載されているよう
に、染料供給層の上に染料転写寄与層を設けることが好
ましい。染料供給層および染料転写寄与層は、その各処
方にて同一付着量を基体上にそれぞれ単独層として形成
し、その各々を別々の受像層と重ね合せ、両者に同一の
熱エネルギーを印加したとき、それぞれの受像層への染
料転写量が、”染料供給層>染料転写寄与層”の関係に
ある。
【0033】本発明者らの知見によれば、インク層中に
おける染料の拡散はフィックの法則、すなわち断面積q
を時間dtに通過した染料量dnは、拡散方向における
染料の濃度勾配をdc/dxとし、Dを熱印加されたと
きのインク層中の各部位の平均拡散係数としたとき、 dn=−D×(dc/dx)×q×dt の関係が適用される。
【0034】そこで、染料供給層から転写寄与層に昇華
性染料が拡散供給され易くするための手段としては、下
記(i)(ii)がある。 (i)染料濃度に関して、染料供給層>転写寄与層の関
係にすること、あるいは/かつ (ii)各層中における拡散係数に関して、染料供給層>
転写寄与層の関係にすること。
【0035】染料転写寄与層の染料濃度は通常80%以
下、好ましくは50%以下が望ましく、染料を全く含有
していなくてもよい。また、染料を含有している場合の
染料状態は、実際に転写に寄与する単分子状で分散して
いることが転写濃度ムラ防止や、染料供給層と染料転写
寄与層との間の染料濃度勾配を安定に保つことから望ま
しい。
【0036】ただし、本発明による長尺方向に昇華染料
を含有してなるイエロー、マゼンタ、シアンの色材層と
染料を含有しない再加熱部面を有する再加熱部面を有す
る記録シートを用いる場合には、染料転写寄与層は、染
料供給層面と再加熱部面を同一なものにすることで、塗
布工程が簡便化され、記録シートの生産性を向上するこ
とが可能となる事から、染料転写寄与層には染料を含有
しない構成にする必要がある。
【0037】また、このとき、等速モード法で記録する
場合や印加電圧が比較的小さい場合には問題が少ない
が、n倍モード記録法により印字を行なう場合には、イ
ンク層が剥がれて受像層に転写してしまうか、熱融着し
ない場合においてもインク層と受像層の間の摩擦抵抗が
生じてスティッキング現象による横スジが発生し、画像
品質が低下することになる為、染料転写寄与層には、滑
剤を含有することが好ましく、滑剤としては公知の滑剤
を使用することができる。
【0038】例えば流動パラフィン等石油系潤滑油、ハ
ロゲン化炭化水素、ジエステル油、フッ素シリコン等合
成潤滑油、シリコンオイル、各種変性シリコンオイル
(フッ素変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、フェニ
ル変性、アミノ変性、アルコール変性、ポリエーテル変
性、アルキル変性、ヘルカプト変性)、フルオロアルキ
ル化合物等各種フッ素系界面活性剤、トリフルオロ塩化
エチレン低重合物等のフッ素系潤滑性物質、パラフィン
ワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、高級
脂肪族アルコール、高級脂肪族アミド、高級脂肪酸エス
テル、高級脂肪酸塩、二流化モリブデン等が使用でき
る。これらの滑剤は、1種でもよいが2種以上の混合に
よって使用してもよい。中でもエポキシ変性、アミノ変
性、アルコール変性のシリコンオイルが好ましく、これ
らを1種もしくは2種以上で含有させるか、あるいはジ
メチルシリコンオイルとともに含有したものが特に好ま
しい。
【0039】滑性もしくは離型性を有する物質の含有量
は0.1〜30wt%が好ましく、0.1wt%未満で
は離型性または融着防止効果が不十分であり、一方、3
0wt%を超えると、感度および保存安定性が低下す
る。
【0040】染料転写寄与層使用できる樹脂としては熱
可塑性、または熱硬化性樹脂が用いられ、例えば、塩化
ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル樹
脂、ポリエステル、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアセタール系
樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース樹脂、天然ゴ
ム、合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は1種でも
使用できるが、数種を混合するか、さらにはこれらの共
重合体を使用してもよい。
【0041】さらに、染料供給層との接着性の観点から
染料供給層のバインダー樹脂と相溶性が良好である樹脂
を用いるのが好ましく、互いに相溶性がない樹脂を用い
ると、染料供給層と染料転写寄与層の間で剥がれが発生
することがある。特に好ましくは、染料供給層のバイン
ダー樹脂と同種の樹脂を用いるのが望ましい。
【0042】染料転写寄与層中のバインダー樹脂には活
性水素を有するものもあるためイソシアネート化合物と
反応させることができ、熱硬化させることによりさらに
耐熱性が向上し、融着や画像ムラの発生しない画像が得
られる。
【0043】ここで用いられるイソシアネートとして例
を挙げると、芳香族イソシアネートとしてはトリレンジ
イソシアネート、4、4−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのア
ダクト体、トリレンジイソシアネートトリマー等が挙げ
られ、脂肪族または脂環族イソシアネートとしてはヘキ
サメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11
−ウンデカントリイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、リジンエステルトリイソシアネート、1,8−ジ
イソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートビシク
ロヘプタントリイソシアネート、ならびにこれらの変性
体または誘導体等の各種イソシアネートが用いられる。
【0044】市販品では、例えばタケネートD−10
2、タケネートD−103、タケネートD−104、タ
ケネートD−103H、タケネートD−104N、タケ
ネートD−106N、タケネートD−110N、タケネ
ートD−120N、タケネートD−202、タケネート
D−204、タケネートD−215、タケネートD−2
17、タケネートD−212M6、タケネートD−16
5NCX、タケネートD−170N、タケネートD−1
81N,スタフィロイドTDH103、113、703
(以上武田薬品工業社製)などがある。
【0045】この場合、イソシアネートの−NCO基と
バインダー樹脂の水酸基のモル比は0.1〜10である
ことが好ましく、0.3〜0.7であることが特に好ま
しい。
【0046】昇華性染料は、この分野で公知の昇華性染
料が用いられ、例えば、C.I.ディスパースイエロー
の1,3,8,9,16,41,54,60,77,1
16など、C.I.ディスパースレッドの1,4,6,
11,15,17,55,59,60,73,83な
ど、C.I.ディスパースブルーの3,14,19,2
6,56,60,64,72,99,108など、ソル
ベントイエローの77,116など、ソルベントレッド
の23,25,27など、ソルベントブルーの36,8
3,105などが例示され、これらの染料は単独でも組
み合わせ混合してもよい。
【0047】染料転写寄与層の厚さは、0.05〜5μ
m、好ましくは0.1〜2μmである。
【0048】次に、本発明で用いられる受像シートとし
ては、基体上に少なくとも染料受容層を設け、該染料受
容層上に更にオーバー層を設けた2層構成が好ましい。
【0049】染料受容層に用いられる樹脂としては、画
像濃度を高めるために染着性の高い樹脂を使用すればよ
く、従来からの公知の材料でかまわない。例えば、ポリ
エステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂及びポリアミド系樹
脂などが挙げられる。このときの染料受容層の厚みは1
〜20μm程度が好ましく、特に1〜10μmの範囲が
好ましい。
【0050】また、受容層には、必要に応じて充填剤、
界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤な
どの公知の添加剤を5〜60重量%添加することが出来
る。充填剤の例としては、シリカ、酸化チタン、炭酸カ
ルシウムなどの白色無機顔料、フッ素系樹脂などの有機
顔料などが挙げられる。
【0051】更に、本発明で用いられる受像シートのオ
ーバー層としては、染料の染着性の非常に小さいシリコ
ン樹脂を少なくとも設ける事で、画像転写後の受像シー
ト表面の染料濃度を少なくし、再加熱により染料受容層
に染料が入り込みやすくなるため、尾引き現象が起きづ
らくすることが可能となるとともに、各色画像転写後に
再加熱処理を行なうことで、画像保存安定性をも良好に
することが可能となる。
【0052】上記シリコーン樹脂とは、シロキサン結合
を主鎖とする3次元架橋するケイ素ポリマーであり、公
知のものが任意に用いられる。例えば、SR2406,
SR2410、SR2420、SR2416、SR24
05、SR2411(以上、東レシリコーン社製)、K
R220、KR230、KR255、KR280、KR
285、KR211、KR212、KR214、KR2
16(以上、信越化学社製)等があり、必要に応じて有
機カルボン酸金属塩(鉛、鉄、錫など)やアミン等の触
媒を用いて架橋反応を促進させてもよい。
【0053】n倍モード法による画像形成においては、
記録シートと受像シートの融着が発生しやすいために、
記録シートのみならず受像シートにおいても滑剤を含有
することが好ましい。
【0054】受像シートのオーバー層に用いられる滑剤
としては、記録シートの染料転写寄与層に用いられるも
のと同様に公知の材料でかまわないが、必要に応じてシ
リカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミ、酸化チタン等の
無機フィラー及びシリコーン、アクリル、スチレンアク
リル等の有機フィラーを含有してもかまわない。このと
きの上記オーバー層の厚みは0.05〜5.0μm程度
が好ましい。
【0055】受像シートの基体としては、各種の紙また
はプラスチックフィルム、ゴムフィルムなどが挙げられ
る。紙にはアート紙、上質紙、コート紙、グラビア紙、
バライタ紙、セルロース繊維紙、壁紙、裏打ち紙、エマ
ルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂
内添紙等が挙げられる。また、プラスチックフィルムと
して合成紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリスチレン、メタクリレー
ト、ポリカーボネートなどのフィルムの単体または積層
体が使用される。
【0056】更に、本発明においては、基体上の長尺方
向に昇華染料を含有してなるイエロー、マゼンタ、シア
ンの色材層を有し、昇華染料を含有しない再加熱部面を
有する面順次に形成された記録シートを複数の並列した
サーマルヘッドを並べた多重ヘッドプリンターを用いて
記録することで、n倍モード法において画像転写及び再
加熱処理を同時に行なうことが出来るため、フルカラー
画像形成に必要な時間を大幅に縮小することが可能とな
る。
【0057】
【実施例】以下、本発明を下記の実施例によりさらに具
体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。なお部数はすべて重量部である。
【0058】(実施例1)厚さ1μmのシリコン樹脂耐
熱層を裏面に有する厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィ
ルムの表面に、下記各色染料供給層形成液を用いてスク
リーン印刷にて厚さ5μm、幅15mmの各色染料供給
層を面順次に設けた。但しこのとき、イエローとマゼン
タ間、は隣接して印刷を行ない、マゼンタとシアン間は
15mm幅の再加熱部面を設けるように印刷した。
【0059】 〔染料供給層形成液−イエロー〕 昇華性染料(日本化薬社製 商品名:Y−2) 21部 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製 商品名:BX−1) 6部 N−ヘキサノール 73部
【0060】 〔染料供給層形成液−マゼンタ〕 昇華性染料(日本化薬社製 商品名:R−1) 21部 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製 商品名:BX−1) 6部 N−ヘキサノール 73部
【0061】 〔染料供給層形成液−シアン〕 昇華性染料(三井東圧社製 商品名:HSO−144) 21部 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製 商品名:BX−1) 6部 N−ヘキサノール 73部
【0062】更に、この上に下記組成に調整した染料転
写寄与層形成液をワイヤーバーを用いて塗布、乾燥して
厚さ0.5μmの染料転写寄与層を形成した後に、70
℃24時間のエージング処理を施して再加熱部面を有す
る熱転写記録シートを作成した。 〔染料転写寄与層形成液〕 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製 商品名:BX−1) 1.5部 トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体 (武田薬品社製 商品名:タケネートD103H) 0.5部 アルコール変性シリコンオイル(東レダウコーニングシリコーン社製 商品名:SF8427) 0.2部 エタノール 90部 N−ブタノール 5部
【0063】次に、下記の染料受容層形成液を合成紙基
体(王子油化社製 商品名:ユポFPG#150)上に
塗布し、80℃で乾燥させて厚さ5μmの染料受容層を
形成させ、100℃で乾燥させた後に、これに80℃、
16時間のエージング処理を施して昇華転写受像シート
を作成した。 〔染料受容層形成液〕 塩化ビニル系樹脂(電気化学工業社製 商品名:デンカビニル1000GKT) 9.4部 トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体 (武田薬品社製 商品名:タケネートD103H) 3.2部 エポキシ変性シリコンオイル(東レシリコーン社製 商品名:SF8411) 0.5部 メチルエチルケトン 21.4部 トルエン 64.3部
【0064】上記記録シートと受像シートを用い、再加
熱はマゼンダ画像形成パターンと同様パターンにて再加
熱処理を行なって、下記の印字条件にてキャラクター入
りのフルカラー画像を形成した。 〔記録条件及び再加熱条件〕 サーマルヘッド解像度 12dot/min 印加エネルギー 0.64mJ/dot 印加電力 0.16W/dot 受像シートの走行速度/記録シートの走行速度=15
【0065】(実施例2)実施例1において記録シート
の再加熱部面を各色インク層間に設けた以外は同様にして
記録シートを作成した。また、画像形成においても実施
例1の受像シートを用いて同様にキャラクター入りのフ
ルカラー画像を形成した。このときの、再加熱は、各色
間の再加熱部面を用いて前色画像パターンと同様パター
ンにて再加熱処理行ない、画像を形成した。
【0066】(実施例3)下記の染料受容層形成液を合
成紙基体(王子油化社製 商品名:ユポFPG#15
0)上に塗布し、80℃で乾燥させて厚さ5μmの染料
受容層を形成させ、次いで、この染料受容層上に下記処
方のオーバー層形成液を塗布し、100℃で乾燥させた
後に、これに80℃、16時間のエージング処理を施し
て厚さ0.5μmのオーバー層を形成して昇華転写受像
シートを作成した。
【0067】 〔染料受容層形成液〕 塩化ビニル系樹脂 (電気化学工業社製 商品名:デンカビニル1000GKT)9.4部 トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体 武田薬品社製 商品名:タケネートD103H) 3.2部 メチルエチルケトン 21.4部 トルエン 64.3部
【0068】 〔オーバー層形成液〕 シリコン樹脂(東レシリコーン社製 商品名:SR2411) 20部 シリコーングラフト樹脂(大日精化社製 商品名:SP712) 5部 エポキシ変性シリコンオイル (東レシリコーン社製 商品名:SF8411) 0.37部 イソプロピルアルコール 37.96部 トルエン 37.96部
【0069】また、画像形成においても実施例2の記録
シートを用いて同様にキャラクター入りのフルカラー画
像を形成した。
【0070】(比較例1)実施例1において記録シート
の再加熱部面を設けない以外は同様にして記録シートを
作成した。また、画像形成においても実施例1の受像シ
ートを用いて再加熱処理を行なわない以外は、同様にキ
ャラクター入りのフルカラー画像を形成した。
【0071】(比較例2)マゼンタ画像形成後の再加熱
パターンを全ベタパターンにて行なった以外は、実施例
1と同様記録シート及び受像シートを用いて、キャラク
ター入りのフルカラー画像を形成した。
【0072】上記実施例1〜3及び比較例1、2の評価
を行った。評価方法としては形成された画像を目視に
て、尾引き発生有無を評価し、画像保存性(耐光性、耐
可塑剤性、保存安定性)の評価法を下記の方法にて行な
った。その結果を表1に示す。
【0073】《耐光性評価》形成したフルカラー画像に
おいて画像濃度が1.0付近の画像部を用いて、キセノ
ンフェードメーターにより15万ルクスで72時間照射
を行ない、画像濃度残存率を測定した。 画像濃度残存率(%)=[照射後画像濃度/照射前画像
濃度]×100
【0074】《耐可塑剤性評価》形成したフルカラー画
像において画像濃度が1.0付近の画像部を用いて、信
越ポリマーラップを3枚重ねたものを画像部面上に重ね
合わせ、5Kg重/B5版(=182×257cm2
の荷重をかけて40℃、24時間後の画像濃度残存率を
測定した。 画像濃度残存率(%)=[試験後画像濃度/試験前画像
濃度]×100 ○:90%以上の画像濃度残存率 △:60%以上90%未満の画像濃度残存率 ×:60%未満の画像濃度残存率
【0075】《保存安定性評価》形成したフルカラー画
像において画像濃度が1.0付近の画像部を用いて、6
0℃で暗所に30日間保存し、画像濃度残存率を測定し
た。 画像濃度残存率(%)=[保存後画像濃度/保存前画像
濃度]×100 ○:90%以上の画像濃度残存率 △:60%以上90%未満の画像濃度残存率 ×:60%未満の画像濃度残存率
【0076】
【表1】
【0077】実施例の記載から明らかのように、本発明
の記録方法により、n倍モード法により画像形成した場
合おいて、染料の逆転写現象によって発生する尾引き画
像を防止することが出来る。また、本発明の記録シート
及び受像シートと組み合わせることにより、画像保存安
定性の良好な画像が得られる。
【0078】
【発明の効果】(1)請求項1の発明によれば、基体上
に、熱昇華性染料を含有してなるイエロー、マゼンタ、
シアンの色材層を有する記録シートと受像シートとを重
ね合わせて、n倍モード法により、イエロー、マゼン
タ、シアンの順に記録シート側からサーマルヘッドによ
り加熱してフルカラー画像を形成する熱転写記録法にお
いて、再加熱用シートを介して少なくともマゼンタ画像
形成後にサーマルヘッドにてマゼンタ同様の画像情報パ
ターンにて再加熱処理を行なう(イエロー、シアン、マ
ゼンタの順に画像形成された場合には少なくともシアン
画像形成後にシアン同様の画像情報パターンにて再加熱
処理を行う)記録方法によって、尾引きのない画像が得
られる。
【0079】(2)請求項2の発明によれば、基体上
に、熱昇華性染料を含有してなるイエロー、マゼンタ、
シアンの色材層を有する記録シートと受像シートとを重
ね合わせて、n倍モード法により、イエロー、マゼン
タ、シアン又はイエロー、シアン、マゼンタの順に記録
シート側からサーマルヘッドにより加熱してフルカラー
画像を形成する熱転写記録法において、再加熱用シート
を介して1色毎にサーマルヘッドにて前色と同様の画像
情報パターンにて再加熱処理を行なう記録方法によっ
て、尾引き画像を防止するとともに画像保存安定性の優
れた画像が得られる。
【0080】(3)請求項3の発明によれば、複数の並
列したサーマルヘッドを並べて同時画像転写可能な多重
ヘッドプリンターにより記録を行なうことで画像形成に
有する時間を大幅に短縮することが出来る。
【0081】(4)請求項4の発明によれば尾引きのな
い画像を形成するために、基体上の長尺方向に昇華染料
を含有してなるイエロー、マゼンタ、シアンの色材層を
有し、少なくともマゼンタ、シアン間に昇華染料を含有
しない再加熱部面を有する面順次に形成された記録シー
トを用いることができる。
【0082】(5)請求項5の発明によれば、尾引きの
ない画像保存安定性の優れた画像を形成するために、基
体上の長尺方向に昇華染料を含有してなるイエロー、マ
ゼンタ、シアンの色材層を有し、各色間に昇華染料を含
有しない再加熱部面を有する面順次に形成された記録シ
ートを用いることができる。
【0083】(6)請求項6の発明によれば、基体上の
長尺方向に昇華染料を含有してなるイエロー、マゼン
タ、シアンの色材層及び昇華染料を含有しない再加熱部
面の表面が滑剤を含む同一の樹脂層で形成された記録シ
ートを用いることで、n倍モード法における融着を防止
することが出来る。
【0084】(7)請求項7の発明によれば、基体上に
少なくとも染料受容層を設け、該染料受容層上に更にオ
ーバー層を設けた昇華転写用受像シートにおいて、前記
オーバー層が少なくともシリコン樹脂と滑剤とからなる
昇華転写用受像シートを用いることで、更に保存安定性
の優れた画像を得ることが出来る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に熱昇華性染料を含有してなるイ
    エロー、マゼンタ、シアンの色材層を有する記録シート
    と、受像シートとを重ね合わせて、n倍モード法によ
    り、先ずイエロー、続いてマゼンタ、シアン又はシア
    ン、マゼンタの順に該記録シート側からサーマルヘッド
    により加熱してフルカラー画像を形成する昇華型熱転写
    記録方法であって、再加熱用シートを介して、少なくと
    もイエローの次のマゼンタまたはシアン画像形成後にサ
    ーマルヘッドにて該マゼンタまたは該シアン画像と同様
    の画像情報パターンにて再加熱処理を行なうことを特徴
    とする昇華型熱転写記録方法。
  2. 【請求項2】 基体上に熱昇華性染料を含有してなるイ
    エロー、マゼンタ、シアンの色材層を有する記録シート
    と、受像シートとを重ね合わせて、n倍モード法によ
    り、イエロー、マゼンタ、シアン又はイエロー、シア
    ン、マゼンタの順に記録シート側からサーマルヘッドに
    より加熱してフルカラー画像を形成する昇華型熱転写記
    録方法において、再加熱用シートを介して、1色ごとに
    サーマルヘッドにて前色と同様の画像情報パターンにて
    再加熱処理を行なうことを特徴とする昇華型熱転写記録
    方法。
  3. 【請求項3】 複数の並列したサーマルヘッドを並べて
    同時画像転写可能な多重ヘッドプリンターにより記録を
    行なうことを特徴とする請求項1又は2記載の昇華型熱
    転写記録方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は3記載の記録方法の用いら
    れる記録シートであって、基体上の長尺方向に昇華染料
    を含有してなるイエロー、マゼンタ、シアンの色材層を
    有し、かつ少なくともマゼンタ、シアン間に昇華染料を
    含有しない再加熱部面を有し、これらが面順次に形成さ
    れていることを特徴とする記録シート。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載の記録方法に用いら
    れる記録シートであって、基体上の長尺方向に昇華染料
    を含有してなるイエロー、マゼンタ、シアンの色材層を
    有し、かつ各色間に昇華染料を含有しない再加熱部面を
    有し、これらが面順次に形成されていることを特徴とす
    る記録シート。
  6. 【請求項6】 基体上の長尺方向に昇華染料を含有して
    なるイエロー、マゼンタ、シアンの色材層及び昇華染料
    を含有しない再加熱部面の表面が、滑剤を含む同一の樹
    脂層で形成されていることを特徴とする請求項4又は5
    記載の記録シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかに記載の記録方
    法に用いられる昇華転写用受像シートであって、基体上
    に少なくとも染料受容層を設け、さらにその上に、シリ
    コン樹脂及び滑剤を主成分とするオーバー層を設けたこ
    とを特徴とする昇華転写用受像シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281510A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Dainippon Printing Co Ltd 高速印画に適した昇華転写型熱記録方法
JP2015016642A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 大日本印刷株式会社 シアン染料層用塗工液、及び熱転写シート

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