JP2019147305A - 熱転写シート及び印画物の製造方法 - Google Patents
熱転写シート及び印画物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019147305A JP2019147305A JP2018033445A JP2018033445A JP2019147305A JP 2019147305 A JP2019147305 A JP 2019147305A JP 2018033445 A JP2018033445 A JP 2018033445A JP 2018033445 A JP2018033445 A JP 2018033445A JP 2019147305 A JP2019147305 A JP 2019147305A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermal transfer
- dye
- layer
- transfer sheet
- cyan dye
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Abstract
Description
本発明の熱転写シートは、基材フィルムの一方の面に、シアン染料を含む染料層が形成されてなる熱転写シートにおいて、該シアン染料が、下記一般式(1)で表されるアントラキノン系染料(以下、「本発明のアントラキノン系染料」と称す場合がある。)を含むことを特徴とする。
本発明における基材フィルムとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば何れのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム;コンデンサー紙、パラフィン紙、合成紙等の紙類;不織布;紙や不織布と樹脂との複合体;等が挙げられる。
本発明の熱転写シートは、基材フィルムの一方の面に、本発明のアントラキノン系染料を含むシアン染料層(以下、「本発明のシアン染料層」と称す場合がある。)が形成されたものである。
離型性グラフトコポリマーは、ポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント及び長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントを、上述のバインダー樹脂を構成するポリマー主鎖にグラフト重合させてなるものである。
本発明の熱転写シートは、本発明のシアン染料層と、更に、イエロー染料層、マゼンタ染料層が形成されたものであってもよく、これらの各染料層が面順次に形成されたものであってもよい。
本発明の熱転写シートは、カーボンブラックなどの顔料とワックスからなる溶融転写型インク層(溶融層)を更に有していてもよい。
本発明の熱転写シートは、基材フィルムと上述の染料層との間に、バインダー樹脂と無機粒子とを含むプライマー層を有することが好ましい。
なお、本発明において、「ガラス転移温度(Tg)」とは、JIS K 7121(2012年発行)に準拠して、DSC(示査走査熱量測定)によって求めた値である。
プライマー層は、例えば、無機粒子が水系溶媒にゾル状に分散し、バインダー樹脂が水系溶媒に分散、あるいは溶解した塗工液をグラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の塗工手段により、基材フィルム上に塗工し、熱風乾燥等を行うことで、コロイド状無機粒子をゾル状からゲル状とし、バインダー樹脂により無機粒子を固着せて形成される。即ち、本発明に係るプライマー層は、一般的なゾル−ゲル法による焼成処理を行なうものではない。
さらに、プライマー層は、染料層からの染料が染着しにくい熱可塑性樹脂と無機粒子とから構成されているために、印画時の染料層からプライマー層への染料の移行を防止し、受像シートの受容層側への染料拡散を有効に行なうことにより、印画における転写感度が高く、印画濃度を高めることができる。また、本発明におけるプライマー層は、無機粒子のみで構成する場合と比べ、高温、高湿下で熱転写シートを保存した後に発生する、印画時の受像シートとの離型性の低下といった不具合発生を防止できる。
≪耐熱滑性層≫
本発明の熱転写シートは、更に、上述の染料層を形成する面と反対側の基材フィルム面上に、耐熱滑性層を設けてなるものであってもよい。耐熱滑性層は、スティッキングや印画シワ等、熱転写時にサーマルヘッドの熱が原因で生じる問題を防止するために設けるものである。
耐熱滑性層用塗工液における溶剤としては、上述のシアン染料層用塗工液における溶剤と同様のものを使用できる。
本発明の熱転写シートは、画像形成後に印画面を保護するための保護層を形成できるよう、更に、上述の染料層と面順次に転写性保護層を形成したものであってもよい。
転写性保護層は、特に限定されず、使用する基材フィルム、染料層等の特徴に応じて、従来公知のものから選択して使用できる。基材フィルムが離型性能を有さない場合、基材フィルムと転写性保護層との間に離型層を設けて、転写性保護層の転写性を向上させることが好ましい。
本発明の印画物の製造方法は、本発明の熱転写シートを用いて、熱転写方式によって画像を形成する工程を有する。
<熱転写シートの作製>
基材フィルム(東レ(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム「5AF56」、厚さ4.5μm)の一方の面上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を乾燥後の厚さが0.5μmになるようにグラビアコーティング法にて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。更に、上記基材フィルムの、耐熱滑性層と反対側の面上に、下記組成のプライマー層用塗工液を、乾燥後の厚さが0.50μmになるようにグラビアコーティング法にて塗布し、乾燥してプライマー層を形成した。
・ポリアミドイミド樹脂(HR−15ET、東洋紡(株)製) :50.0部
・ポリアミドイミドシリコーン樹脂(HR−14ET、東洋紡(株)製) :50.0部
・ステアリル燐酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) :10.0部
・ステアリン酸亜鉛(GF−200、日本油脂(株)製) :10.0部
・ポリエステル樹脂(バイロン(登録商標)220、東洋紡(株)製) :3.0部
・無機フィラー(ミクロエース(登録商標)P3、日本タルク(株)製) :10.0部
・アルミナゾル(アルミナゾル200、羽毛状形態、日産化学工業(株)製、固形分10%)(固形分として) :3.5部
・ポリビニルピロリドン(K−90、アイエスピー・ジャパン社製) :1.5部
・水 :47.5部
・イソプロピルアルコール :47.5部
・シアン染料(前記構造式(1−1)で表される化合物) :2.5部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部
・トルエン :47.0部
・メチルエチルケトン :47.0部
実施例2〜4及び比較例1〜5は、シアン染料層用塗工液をそれぞれ下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
・シアン染料(前記構造式(1−2)で表される化合物) :2.5部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部
・トルエン :47.0部
・メチルエチルケトン :47.0部
・シアン染料(前記構造式(1−1)で表される化合物) :2.0部
・シアン染料(前記構造式(1−2)で表される化合物) :2.0部
・シアン染料(下記構造式(2−1)で表される化合物) :2.0部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部
・トルエン :45.25部
・メチルエチルケトン :45.25部
・シアン染料(前記構造式(1−2)で表される化合物) :3.5部
・シアン染料(Solvent Blue63(構造式は下記の通り)) :3.5部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部
・トルエン :44.75部
・メチルエチルケトン :44.75部
・シアン染料(Solvent Blue63) :2.5部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部
・トルエン :47.0部
・メチルエチルケトン :47.0部
・シアン染料(前記構造式(2−1)で表される化合物) :2.5部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部
・トルエン :47.0部
・メチルエチルケトン :47.0部
・シアン染料(Disperse Blue354(構造式は下記の通り)):2.5部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部・トルエン :47.0部
・メチルエチルケトン :47.0部
・シアン染料(前記構造式(2−1)で表される化合物) :2.0部
・シアン染料(Solvent Blue63) :4.0部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部
・トルエン :45.25部
・メチルエチルケトン :45.25部
・シアン染料(前記構造式(2−1)で表される化合物) :1.5部
・シアン染料:(Solvent Blue63) :2.5部
・シアン染料:(Disperse Blue354) :0.5部
・ポリビニルアセタール(エスレック(登録商標)KS−5、積水化学工業(株)製)
:3.5部
・トルエン :46.0部
・メチルエチルケトン :46.0部
各実施例・比較例の熱転写シートを使用し、ライン周期中に、1ライン周期を256等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255まで可変できるマルチパルス方式の下記評価プリンタにて、大日本印刷(株)のDS620(ただし、実施例3,4および比較例4,5では、大日本印刷(株)のDS40)用ポストカードサイズメディアの受像シートへ、印画エネルギーが等間隔となるシアンの階調画像を印画した。
≪評価プリンタ≫
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子(株)製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・印字電力:0.21(W/dot)
・ライン周期:2(msec./line)
・パルスDuty:85%
各実施例・比較例の熱転写シートを使用して得られた階調画像印画物について、光学濃度(OD)を測定し、最も高いエネルギーを与えて印画した箇所の濃度をMAX濃度とした。結果を表1に示す。なお、側色条件は以下の通りとした。
≪測色条件≫
・測色器:分光測定器i1Pro2(X−Rite社製)
・光源:D65
・視野角:2°
・濃度測定用フィルター:ANSI Status A
各実施例・比較例の熱転写シートを使用して得られた階調画像印画物のうち、OD=1.0±15%の箇所について、色相L*、a*およびb*を測定した(L*、a*およびb*は、CIE1976L*a*b*表色系(JIS Z 8729(1980年発行))に基づくものであり、L*は明度を、a*及びb*は、知覚色度指数を表す)。次いで、キセノンウェザーメーター(Ci4000、アトラス社製)にて、下記照射条件で96時間照射を行い、再び同一領域の光学濃度と色相を測定する事で、濃度残存率(照射後濃度/照射前濃度×100)、および色相変化(ΔE*ab=((照射後L*−照射前L*)2+(照射後a*−照射前a*)2+(照射後b*−照射前b*)2)1/2)を算出した。結果を表1に示す。
・ブラックパネル温度:45℃
・フィルター:(Inner)石英、(Outer)SodaLime+CIRA
・試験機内環境:温度30℃、湿度30%
・照射制御:波長420nmの紫外線を1.2W/m2(一定)にて照射
また、実施例3,4および比較例3〜5の結果から、本発明のアントラキノン系染料を他のシアン染料と併用することにより、従来の染料と同レベルの濃度において、耐光性をより高めることができることが分かる。
Claims (5)
- 前記基材フィルムと前記染料層との間にプライマー層が設けられている請求項1又は2に記載の熱転写シート。
- 前記プライマー層が、バインダー樹脂と無機粒子とを含む請求項3に記載の熱転写シート。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シートを用いて、熱転写方式によって画像を形成する工程を有する印画物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018033445A JP7081206B2 (ja) | 2018-02-27 | 2018-02-27 | 熱転写シート及び印画物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018033445A JP7081206B2 (ja) | 2018-02-27 | 2018-02-27 | 熱転写シート及び印画物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019147305A true JP2019147305A (ja) | 2019-09-05 |
JP7081206B2 JP7081206B2 (ja) | 2022-06-07 |
Family
ID=67849969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018033445A Active JP7081206B2 (ja) | 2018-02-27 | 2018-02-27 | 熱転写シート及び印画物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7081206B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62199655A (ja) * | 1986-02-27 | 1987-09-03 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 感熱昇華転写記録用青色色素 |
JP2008511480A (ja) * | 2004-09-01 | 2008-04-17 | センシン・キャピタル,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 画像化組成物、画像化方法および画像化部材 |
JP2015016642A (ja) * | 2013-07-11 | 2015-01-29 | 大日本印刷株式会社 | シアン染料層用塗工液、及び熱転写シート |
JP2015120245A (ja) * | 2013-12-20 | 2015-07-02 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
-
2018
- 2018-02-27 JP JP2018033445A patent/JP7081206B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62199655A (ja) * | 1986-02-27 | 1987-09-03 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 感熱昇華転写記録用青色色素 |
JP2008511480A (ja) * | 2004-09-01 | 2008-04-17 | センシン・キャピタル,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 画像化組成物、画像化方法および画像化部材 |
JP2015016642A (ja) * | 2013-07-11 | 2015-01-29 | 大日本印刷株式会社 | シアン染料層用塗工液、及び熱転写シート |
JP2015120245A (ja) * | 2013-12-20 | 2015-07-02 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7081206B2 (ja) | 2022-06-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4816518B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP4562640B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP4319964B2 (ja) | 熱転写シート | |
US20130142969A1 (en) | Thermal transfer sheet | |
WO2014157680A1 (ja) | 熱転写シート、色材層用塗工液、熱転写シートの製造方法、及び画像形成方法 | |
US8283289B2 (en) | Thermal transfer sheet | |
JP5655350B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP5704447B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP7081206B2 (ja) | 熱転写シート及び印画物の製造方法 | |
JP5721000B2 (ja) | チアゾールメチン化合物およびチアゾールメチン化合物を用いた感熱転写記録用色素 | |
JP6303703B2 (ja) | 熱転写シート、色材層形成用塗工液、熱転写シートの製造方法、及び画像形成方法 | |
JP7427984B2 (ja) | 熱転写シート及び印画物の製造方法 | |
JP6721038B2 (ja) | 昇華型熱転写シート、昇華型熱転写シートと被転写体との組合せ | |
JP2019147306A (ja) | 熱転写シート及び印画物の製造方法 | |
JP7427983B2 (ja) | 熱転写シート及び印画物の製造方法 | |
JP2016193546A (ja) | 昇華型熱転写シート | |
JP4648174B2 (ja) | 熱転写シート | |
WO2021187186A1 (ja) | 熱転写シート及び印画物の製造方法 | |
JP2010234733A (ja) | 熱転写シート | |
KR20180124118A (ko) | 승화형 열전사 시트, 승화형 열전사 시트와 피전사체의 조합 | |
JP5812409B2 (ja) | チオフェンメチン化合物およびチオフェンメチン化合物からなる色素ならびに熱転写シート | |
JP3869834B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP5229624B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP2015044292A (ja) | 印画物の製造方法 | |
JP2007261222A (ja) | 熱転写シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201221 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211207 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220329 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220411 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220426 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220509 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7081206 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |