JPH05254263A - 染料熱転写受像シート - Google Patents

染料熱転写受像シート

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JPH05254263A
JPH05254263A JP4051503A JP5150392A JPH05254263A JP H05254263 A JPH05254263 A JP H05254263A JP 4051503 A JP4051503 A JP 4051503A JP 5150392 A JP5150392 A JP 5150392A JP H05254263 A JPH05254263 A JP H05254263A
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JP
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sheet
image
image receiving
stretched film
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JP4051503A
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Toshihiro Minato
敏宏 湊
Masaru Kato
勝 加藤
Kenji Yasuda
憲治 保田
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント時の熱でカールすることなく、高速
で高濃度のフルカラー画像を再現性よくプリントできる
染料熱転写受像シートを提供する。 【構成】 シート状支持体として、熱収縮率の表裏差を
有するものを用い、熱収縮率の小さい側の表面に受像層
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は染料熱転写受像シートに
関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明
は、サーマル(熱による記録)プリンター、特に染料熱
転写プリンターに使用されたとき、プリントの熱でカー
ルすることがなく、自然なフルカラー画像を再現性よ
く、かつ高濃度で受容し得る染料熱転写受像シート(以
下これを受像シートと記す)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、サーマルプリンター、特に鮮明な
フルカラー画像をプリント可能な染料熱転写プリンター
が注目されている。染料熱転写プリンターは、インクシ
ートの昇華染料層上に、受像シートの染料染着性樹脂を
含む受像層を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給
される熱により、昇華染料層の所要箇所の染料を所要濃
度だけ受像層上に転写して画像を形成するものである。
【0003】このようなサーマルプリンターを用いて、
高画質の印画を高速で受像シート上に形成するために
は、受像シートの基材として、ポリオレフィンなどの熱
可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)を有する二軸
延伸フィルムを用いることが知られている。このような
受像シートでは、この基材上に、染料染着性樹脂を主成
分とする受像層が設けられる。上記の基材を用いた受像
シートは、厚さが比較的均一で、柔軟性があり、セルロ
ース繊維からなる紙等に比べ熱伝導度が小さいなどの利
点があり、従って均一で濃度の高い印画が得られるとい
う長所がある。
【0004】しかし、このような二軸延伸フィルムを受
像シートの基材として用いた場合、フィルム製造におけ
る延伸時の残留応力がプリント時の熱で戻り、延伸方向
に熱収縮し、その結果受像シートにカールやシワが発生
し、これが、プリンター中を走行する受像シートの紙詰
まりなどのトラブルの原因となっていた。
【0005】上記カール、又はシワ発生という欠点を改
善するため、比較的熱収縮性の小さい芯材や弾性率の大
きい芯材の両面に延伸フィルムを積層貼着したラミネー
トシートを基材として用いることが試みられている。し
かし、このような基材はコスト高をまねくばかりでな
く、熱などによる収縮率の差が原因で発生するカールは
完全に解消されていなかった。特に染料熱転写方式のプ
リンターは、受像シートに加えられる熱量が大きいた
め、この問題が著しかった。
【0006】これらの欠点を克服するために、上記の空
隙を有する延伸フィルムを加熱処理して熱収縮率を小さ
くすることが従来から試みられており、延伸フィルムを
連続的に熱ロールに接触させたり、加熱したオーブンの
中を通過させて、残留応力を熱により緩和させ、熱収縮
率を小さくすることが報告されている。しかし、このよ
うな加熱処理は、温度が低いと効果が不十分であり、高
過ぎると、シワや弛みが発生し、さらに流れ方向の残留
応力が増加することがあり、安定した処理方法ではなか
った。
【0007】一方、染料熱転写方式のプリンターは、フ
ルカラープリンター、ビデオプリンターなどに用いられ
るため、このような加熱量の大きいサーマルプリンター
においても、熱変形なしで鮮明なプリントが得られ、か
つ工業的に安定した受像シートの提供が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種のサー
マルプリンターに対して良好な印画適性を持ち、さらに
上記のボイド含有延伸フィルムを用いた場合の欠点を克
服した受像シートを提案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、サーマル
プリンターに好適な受像シートについて鋭意研究を重ね
た結果、受像シートのシート状支持体として、熱可塑性
樹脂と無機顔料とを主成分として含有する空隙構造を有
する延伸フィルムを用い、受像層を形成する側の層の熱
収縮率を受像層を形成する側とは反対側の層の熱収縮率
よりも小さくすることにより、上記課題を解決し得る受
像シートが得られることを見出し、本発明を完成させた
のである。
【0010】すなわち、本発明の染料熱転写受像シート
は、熱可塑性樹脂と無機顔料とを主成分として含有し、
空隙構造を有する延伸フィルムからなるシート状支持体
と、その一方の面上に形成された受像層とを有し、前記
シート状支持体の表面層(受像層が設けられる側の層)
の熱収縮率が、裏面層(受像層が設けられる側とは反対
側の層)の熱収縮率より小さいことを特徴とするもので
ある。
【0011】
【作用】従来から用いられている熱可塑性樹脂を主成分
とし、空隙構造を有する延伸フィルムは、例えばポリプ
ロピレンが主成分の場合、通常100℃,10分間の加
熱で1〜2%前後の収縮率、120℃,10分間の加熱
で3〜10%の収縮率を有している。このような収縮性
は、フィルムに筆記性、印刷適性等の紙の有する機能を
付与して合成紙として使用するために、フィルムを延伸
して空隙構造を形成しており、その延伸の際の応力が残
留した結果である。
【0012】本発明者らは、空隙構造を有するフィルム
の残留応力を完全になくするのは困難であるため、受像
シートの熱によるカールは、シート状支持体の熱収縮率
の表裏差によって発生することに着目し、表面層の熱収
縮率を裏面層の熱収縮率よりも小さくすればカールは改
善されることを見出し、本発明を完成したものである。
【0013】本発明に用いるシート状支持体の表面層お
よび裏面層の熱収縮率は、100℃で10分間加熱した
場合に、表面層が0〜1.0%、裏面層が1.5〜2.
0%の範囲にあることが好ましく、表面層の熱収縮率が
裏面層の熱収縮率の1/2以下であることが好ましい。
本発明に用いる、熱収縮率の表裏差を有するシート状支
持体を得るための具体的な方法としては、シート状支持
体が単層の延伸フィルムからなる場合には、延伸後のフ
ィルムの一方の面のみを加熱処理する方法があり、ま
た、シート状支持体が複数の延伸フィルム層からなる場
合には、空隙率の異なるフィルムを貼合わせるか、ある
いは延伸後の加熱処理温度の異なるフィルムを貼合わせ
る方法がある。
【0014】本発明のシート状支持体に用いる延伸フィ
ルムに空隙(ボイド)構造を形成するには、熱可塑性樹
脂に無機顔料を含有させた溶融混合物を、溶融押出機に
よって単層あるいは多層のフィルムに押出し成形し、こ
れを1軸ないし2軸に延伸すればよい。延伸フィルムの
空隙率は、樹脂および顔料の種類、混合割合、延伸条件
等によって決まるため、これらの条件を調節すること
で、空隙率を適宜にコントロールすることができる。
【0015】延伸フィルム中の空隙の割合を示す空隙
率、あるいはボイドの体積比率は、原材料の真の比重
と、形成された層の見かけの厚さとの関係から求めるこ
とができる。
【0016】延伸フィルムに用いる熱可塑性樹脂として
は、結晶性および延伸性がよく、ボイドの形成も容易な
ポリプロピレンなどのポリオレフィン、あるいはポリエ
チレンテレフタレートなどを主成分とし、適宜少量の他
の熱可塑性樹脂を併用したものが用いられる。
【0017】無機顔料としては、平均粒子径が1〜20
μm の顔料が好ましく、炭酸カルシウム、クレー、けい
そう土、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ等を
例示することができる。また、樹脂中に含有する無機顔
料の含有率は、体積で2〜30%が適当である。
【0018】一般に、延伸フィルムを製造する場合に
は、延伸後のフィルムに加熱処理を施して残留応力を減
少し、フィルムに耐熱性や寸法安定性を付与している。
本発明に用いられる延伸フィルムの場合も同様に、加熱
処理によって、フィルムの構造や物性を調整することが
できる。
【0019】本発明のシート状支持体用延伸フィルムの
加熱処理の温度は、100〜200℃が適当である。延
伸フィルムに加熱処理を施すには、延伸フィルムを加熱
したオーブン中を通過させる方法、あるいは加熱したロ
ールに接触させる方法等により行うことができる。
【0020】本発明に用いるシート状支持体が複数の延
伸フィルム層からなる場合、表面層の空隙率は、15〜
50%の範囲にあることが好ましい。その空隙率が15
%未満では、断熱効果が乏しく、記録画像の濃度が低く
なるため、良好な記録画像を得るためには15%以上、
好ましくは25%以上の空隙率が必要である。また、そ
の空隙率が50%を越えると表面層の強度が不足するの
で好ましくない。
【0021】さらに、再現性よくフルカラー画像をプリ
ントするためには、表面層のベック平滑度が高いほどよ
いが、それが1000秒以上であればほぼ充分な効果が
得られる。また、表面層の厚さは10〜100μm が適
当である。
【0022】また、裏面層の空隙率は、15〜50%の
範囲にあることが好ましく、その厚さは10〜100μ
m が適当である。
【0023】本発明に用いられるシート状支持体は、熱
可塑性樹脂と無機顔料とを主成分として含有し、空隙構
造を有する単層あるいは複数層の延伸フィルムによって
形成される。本発明のシート状支持体が、複数層の延伸
フィルムで形成される場合、表面層と裏面層とを積層し
た2層構造のシートであってもよく、基材層となるシー
トの両面に表面層と裏面層を積層した3層構造のシート
であってもよく、さらにその他の層を設けた4層構造の
シートであってもよい。
【0024】このような、無機顔料とポリオレフィンを
主成分とする多層構造の1軸ないし2軸延伸フィルムと
しては、例えば、合成紙ユポ(商標)として知られてい
るものがあり、この合成紙は印刷、筆記、プリンター用
紙等の用途に使用されている。このような延伸フィルム
は、いずれも1軸ないし2軸延伸フィルムを基材層と
し、その両面に紙状層を設けた3層構造のものや、紙状
層と基材層以外の層を設けた4層以上の構造のものが知
られており、これらはいずれも本発明において使用する
ことができる。
【0025】前記表面層上に画像形成層として受像層を
設けることにより、染料熱転写方式のプリンター用受像
シートが形成される。本発明において受像層は、インク
シートから転写される昇華性染料を堅牢に固定し得るポ
リエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル共
重合体、その他の染料可染性の合成樹脂を主成分として
形成される。受像層には、染料受容性樹脂の他に、プリ
ントの際に熱によるインクシートとの融着を防ぐ目的
で、樹脂の架橋剤、滑り剤、剥離剤、および顔料等を必
要に応じ添加することができる。さらに顔料、蛍光染料
や、ブルー、バイオレットなどの染料、紫外線吸収剤、
酸化防止剤などを添加してもよい。これらの添加剤は、
受像層の主成分と混合し塗工されてもよいし、別の被覆
層として受像層の上に塗工されてもよい。受像層の厚さ
は、1〜10μm であることが好ましく、より好ましく
は2〜7μm である。
【0026】本発明において、受像層およびその他の被
覆層は、バーコーター、グラビアコーター、コンマコー
ター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲー
トロールコーター等のコーターを用い、常法に従って塗
工、乾燥して形成することができる。
【0027】本発明の受像シートの構成が図1〜図4に
示されている。図1において、受像シート1は、表面層
3と裏面層4とからなるシート状支持体2と、表面層3
の上に形成された受像層5から構成されている。この場
合、シート状支持体2は、単層の延伸フィルムの一方の
面のみに加熱処理を施して熱収縮率の表裏差を形成した
ものであってもよく、或いは熱収縮率の異なる2種類の
延伸フィルムの積層体であってもよい。
【0028】図2において、受像シート1のシート状支
持体2は、基材層6と、その表面上に形成された表面層
3と、基材層6の裏面上に形成された裏面層4との積層
構造を有している。
【0029】図3、又は図4において、シート状支持体
2は、芯材層7の両面に図1、又は図2に示すシート状
支持体と同一積層構造を有する表面層8、又は裏面層9
を貼合わせた積層構造を有している。
【0030】本発明において、シート状支持体の芯材層
は、延伸フィルム層の支持体として、その熱収縮率が延
伸フィルムの熱収縮率よりも低く、好ましくは100℃
以上の温度で0.1%以下の熱収縮率を示すシート材料
が用いられる。このようなシートとしては、上質紙、中
質紙、和紙、薄葉紙、コート紙等の紙基体、ポリエステ
ル、ナイロン等の合成樹脂フィルムが使用できる。
【0031】本発明において、シート状支持体の表面層
上に受像層を設けて受像シートが作成されるが、さらに
必要に応じて他の層、例えば受像シートの走行性を改善
するために、シート状支持体の裏面層上に帯電防止層や
滑剤層を設けてもよい。
【0032】
【実施例】本発明を下記実施例により更に説明する。
尚、実施例中「部」は、溶剤に関するものを除き、「固
形分重量部」を示す。
【0033】延伸フィルムの製造例1 メルトインデックス(MI)が0.8のポリプロピレン
65重量%、および低密度ポリエチレン15重量%に、
平均粒子径3μm の炭酸カルシウム20重量%を配合
し、この組成物を270℃の押出機でシート状に溶融押
出し、冷却して、空隙をほとんど含まない未延伸フィル
ムを製造した。この未延伸フィルムを150℃から17
0℃の温度で2軸に延伸して、空隙を含む厚さ150μ
m の延伸フィルムを製造した。このフィルムの空隙率は
30%であり、多数のボイドがフィルムの厚さ方向にほ
ぼ均一に分布していた。このフィルムのベック平滑度
は、一方の面が6000秒であり、反対面が2400秒
であった。また、100℃で10分間加熱した場合の熱
収縮率は、縦方向において1.8%、横方向において
2.0%であった。
【0034】延伸フィルムの製造例2 製造例1で得られたフィルムを巻取り、その平滑度の高
い面を、表面温度130℃の金属ロールに連続的に10
秒間ずつ接触させ、冷却しないでそのまま巻取った。こ
の際、平滑度の低い面の温度を表面温度計で連続的に測
定し、100℃以下であることを確認した。上記加熱は
片面のみに施されたので、フィルムにしわや伸びは、発
生しなかった。このフィルムを24時間放置後、10mm
×10mmの試験片をサンプリングして、鋭利な刃物で、
ほぼ厚さの中間から表面側の層と背面側の層の2層に分
割した。これらの層の100℃で10分間加熱した場合
の熱収縮率は、加熱処理を施した側の表面層が、縦方向
において0.5%、横方向において0.7%であり、加
熱処理を施していない側の裏面層が、縦方向において
1.5%、横方向において1.7%であった。
【0035】延伸フィルムの製造例3 MIが0.8のポリプロピレン80重量%と、平均粒子
径1.5μm の炭酸カルシウム20重量%とを配合し、
270℃の押出機で溶融してシート状に押出し、冷却し
て得たフィルムを145℃の温度で縦方向に5倍延伸し
て基材層を製造した。次に、MIが4.0のポリプロピ
レン50重量%と平均粒子径3μm の炭酸カルシウム5
0重量%との混合物を、押出機で溶融混練し、ダイに供
給し、上記で得られた延伸基材層の両面に押出して積層
して表面層および裏面層を形成した。次に、この3層積
層物を185℃の温度で横方向に5倍に延伸して、多数
のボイドを有する3層構造フィルムを製造した。この3
層構造フィルムの各成分フィルム層の厚さは、25μm/
100μm/25μm であり、その空隙率は、28%/1
2%/28%であり、ボイドはフィルムの厚さ方向にほ
ぼ均一に分布していた。さらに、この3層構造フィルム
のベック平滑度は、表面層が600秒であり、裏面層が
530秒であった。また、各層の100℃で10分間加
熱した場合の熱収縮率は、基材層において縦方向1.5
%、横方向1.8%であり、表面層および裏面層におい
ては、それぞれ縦方向1.8%、横方向2.0%であっ
た。
【0036】延伸フィルムの製造例4 MIが0.8のポリプロピレン80重量%と、平均粒子
径1.5μm の炭酸カルシウム20重量%とを配合し、
270℃の押出機で溶融してシート状に押出し、冷却し
て得たフィルムを145℃の温度で縦方向に3倍に延伸
して基材層を製造した。次に、MIが4.0のポリプロ
ピレン50重量%と平均粒子径3μm の炭酸カルシウム
50重量%との混合物を、押出機で溶融混練し、ダイに
供給して、上記で得られた基材層の一方の面上に押出し
て、表面層を形成した。次に、この2層積層物を145
℃の温度で縦方向に2倍に延伸した。次に、MIが4.
0のポリプロピレン50重量%と平均粒子径3μm の炭
酸カルシウム50重量%との混合物を押出機で溶融混練
し、ダイに供給して、上記で得られた2層積層物の基材
層の他方の面上に押出して、裏面層を形成した。次い
で、この3層積層物を185℃の温度で横方向に5倍に
延伸して、ボイドを有する3層構造のフィルムを製造し
た。この3層構造フィルムの各フィルム層の厚さは、2
5μm/100μm/25μm であり、そのベック平滑度
は、表面層において600秒、裏面層において530秒
であった。また、その空隙率は、表面層において32
%、基材層において15%、裏面層において23%であ
った。さらに、100℃で10分間加熱した場合の各層
の熱収縮率は、表面層において縦方向0.7%、横方向
0.5%、基材層において縦方向1.5%、横方向1.
8%、かつ裏面層において縦方向1.8%、横方向2.
0%であった。
【0037】延伸フィルムの製造例5 製造例1の場合と同様にして、厚さ80μm の延伸フィ
ルムを作製した。得られたフィルムの空隙率、平滑度、
熱収縮率は、製造例1で得られたフィルムと同一であっ
た。
【0038】延伸フィルムの製造例6 製造例5で得られたフィルムを用いて、製造例2の場合
と同様にして、フィルムの片面に加熱処理を施した。1
00℃で10分間加熱した場合の熱収縮率は、加熱処理
を施した面側の層において、縦方向0.4%、横方向
0.6%であり、加熱処理をしなかった面側の層におい
て、縦方向1.3%、横方向1.5%であった。
【0039】延伸フィルムの製造例7 製造例4の場合と同様にして、各層の厚さが14μm/5
2μm/14μm の3層構造のフィルムを作製した。得ら
れたフィルムの空隙率、平滑度、熱収縮率は、製造例4
で得られたフィルムと同一であった。
【0040】実施例1 上記製造例2で得られた延伸フィルムの加熱処理を施し
た面に、下記組成の塗料1を固形分重量で5g/m2塗布
し、乾燥して受像層を形成し、受像シートを作製した。 塗料1 成 分 重 量(部) ポリエステル樹脂 (商標: バイロン200 、東洋紡製) 100 アミノ変性シリコーン (商標: KF-393、信越化学製) 2 エポキシ変性シリコーン(商標: X-22-343、信越化学製) 2 カチオン性アクリル樹脂(商標: ST−2000、三菱油化製) 0.5 トルエン 200 メチルエチルケトン 200
【0041】実施例2 製造例4で得られた延伸フィルムの表面層上に、実施例
1と同様にして受像層を形成し、受像シートを作製し
た。
【0042】実施例3 厚さ38μm のポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムの一方の面に、製造例6で得られた延伸フィル
ムの加熱処理面を、ポリエステル系接着剤を用いてドラ
イラミネート法で貼合わせ、また、PETフィルムのも
う一方の面に、製造例6で得られた延伸フィルムの非加
熱処理面を、同様にして貼合わせ、シート状支持体とし
た。次に、シート状支持体の加熱処理面上に、実施例1
と同様にして受像層を形成し、受像シートを作製した。
【0043】実施例4 製造例7で得られた延伸フィルムを用いて、実施例3と
同様にしてシート状支持体を作製した。次に、シート状
支持体の表面層上に、実施例1と同様にして受像層を形
成し、受像シートを作製した。
【0044】比較例1 製造例1で得られた延伸フィルムの高平滑面上に、実施
例1と同様にして受像層を形成し、受像シートを作製し
た。
【0045】比較例2 製造例3で得られた延伸フィルムの表面層上に、実施例
1と同様にして受像層を形成し、受像シートを作製し
た。
【0046】比較例3 実施例3記載のものと同様のシート状支持体を用いて、
その非加熱処理面上に、実施例1と同様にして受像層を
形成し、受像シートを作製した。
【0047】比較例4 実施例4記載のものと同様のシート状支持体を用いて、
その裏面層上に実施例1と同様にして受像層を形成し、
受像シートを作製した。
【0048】テスト 上記実施例1〜4および比較例1〜4の各々で得られた
各受像シートに、昇華ビデオプリンター(商標:VY−
P1、日立製作所製)を用いてプリントを施し、得られ
たプリント画像の画像濃度と、プリント後のシートにお
けるカールの発生について評価した。
【0049】なお、画像濃度およびプリント後のカール
の評価は、次のようにして行った。 1.画像濃度: プリント画像の最高濃度をマクベス濃度
計(商標:RD−914、Kollmorgen Corp.製) で測定
した。
【0050】2.プリント後カール度: 14cm×10cm
の大きさの受像シートを用いて黒ベタの印画を行い、印
画後のシートの印画面を上向きにして平面上に置き、シ
ートの4隅の平面からの高さを測定し、高さが最大のも
のについて評価し、シートの平らなものを「良好」、最
大高さが10mm以下のものを「やや不良」、最大高さが
10mmを越えるものを「不良」とし、3段階に評価表示
した。テスト結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の染料熱転写受像シートは、プリ
ント時の熱でカールすることがなく、フルカラー画像を
再現性よく、高濃度でプリントできるものであり、染料
熱転写方式をはじめとする各種の高画質のプリンターに
使用することが可能なものであり、産業界に寄与すると
ころが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】2層構造のシート状支持体を有する本発明の染
料熱転写受像シートの一例の断面説明図である。
【図2】3層構造のシート状支持体を有する本発明の染
料熱転写受像シートの一例の断面説明図である。
【図3】多層構造のシート状支持体を有する本発明の染
料熱転写受像シートの一例の構成を示す断面説明図であ
る。
【図4】多層構造のシート状支持体を有する本発明の染
料熱転写受像シートの他の例の構成を示す断面説明図で
ある。
【符号の説明】
1…染料熱転写受像シート 2…シート状支持体 3,8…表面層 4,9…裏面層 5…受像層 6…基材層 7…芯材層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と無機顔料とを主成分とし
    て含有し、空隙構造を有する延伸フィルムからなるシー
    ト状支持体と、その一方の面上に形成された受像層とを
    有し、前記シート状支持体の表面層(受像層が設けられ
    る側の層)の熱収縮率が、裏面層(受像層が設けられる
    側とは反対側の層)の熱収縮率より小さいことを特徴と
    する染料熱転写受像シート。
JP4051503A 1992-03-10 1992-03-10 染料熱転写受像シート Pending JPH05254263A (ja)

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JP4051503A JPH05254263A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 染料熱転写受像シート

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JP4051503A JPH05254263A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 染料熱転写受像シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006075734A1 (ja) * 2005-01-14 2006-07-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 熱転写受像シート及びその製造方法
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