JP3563834B2 - 熱転写受像シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写シートと重ね合せ、サーマルヘッドをデバイスとして色材を熱転写することにより画像を得る熱転写受像シートに関し、更に詳しくは、昇華性染料を色材とした熱転写方式に使用され、フルカラーで高濃度の記録画像を形成する熱転写受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の熱転写記録方式の中で、昇華性染料を色材とし、それを記録信号に応じて発熱するサ−マルヘッドを用いて、熱転写受像シ−トに転写することにより画像を得る感熱昇華型染料転写記録方式が知られている。この記録方式は、染料を色材とし、濃度階調を得ることが可能であることから、画像が極めて高精細であり、且つ、中間調の色再現性、階調再現性に優れることから、銀塩写真に匹敵する画質の画像を形成することが可能である。
上述の優れた性能とともに、マルチメディアに関連したさまざまなハ−ドおよびソフトの発達により、感熱昇華型染料転写記録方式は、コンピュ−タグラフィックス、衛星通信による静止画像、そしてCD−ROMその他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナログ画像のフルカラ−ハ−ドコピ−システムとして、急速にその市場を拡大している。
【0003】
この感熱昇華型染料転写記録方式により印字あるいは画像形成される受像側の具体的な用途も多岐にわたつている。
代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計及びデザイン等の出力、CTスキャン等の各種医療用分析機器、測定機器の出力用途、そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカ−ド、クレジットカ−ド、その他カ−ド類への顔写真の出力、さらに遊園地、博物館、水族館等のアミュ−ズメント施設における合成写真、記念写真としての用途等を挙げることができる。
【0004】
上述の様な多岐にわたる用途に用いられる感熱昇華型染料転写用受像シ−トとしては、一般的に基材上に該受容層を形成したものが用いられている。そして、高い印字感度を得る為に、基材は内部に微細な空隙、いわゆるミクロボイド(以下本明細書においては単にミクロボイドと記載する)を有する層と支持体を積層させたものが一般的に用いられている。
ミクロボイドを有する層を設けない場合には、印字感度が劣り、かつ濃度むら等も発生する。
【0005】
しかし上記記録方式に用いられる熱転写受像シートにおいては、その形態のほとんどが枚葉のシートタイプであった。故に、印字面積の選択が枚葉シートの大きさで制限を受けていた。
しかしながら,上述のような用途の多様化による市場の拡大に伴い、印字面積の自由度の拡大に対する要望が大きくなってきている。
これらの要望に対しては、該受像シートの形態を枚葉からロールタイプにすることにより、ロールの流れ方向に対する印字面積の自由度を増大させることができる。
また、該熱転写受像シートの低価格化に対する要望も大きい。枚葉シートタイプの場合は、その製造工程において,特定のシートに裁断しなければならない。したがって、そのための設備を設ける必要があるので、設備稼働のためにエネルギー等が製造コストを上昇させていた。
この問題からも該熱転写受像シートをロールタイプにすることにより、コストの削減を図ることができる。
【0006】
しかしながら、熱転写受像シートをロールタイプにした場合には、最も重要な課題の一つとして、該熱転写受像シートがロールの外側(巻き外部)と内側(巻き芯部)の性能の不均一性に伴う様々な問題が生じる。
特に、ロール形態であるが故に、巻芯部分になる程、熱転写受像シートの巻癖のために著しい巻癖カールが発生する。そして、従来のロールタイプにした熱転写受像シート於いては、印字によっても巻癖カールが低減または消滅することはなかった。この様な巻癖カールは、カール形状によるハンドリングの不便さおよび形状的見苦しさのため、商品価値の低下をもたらしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決するべき課題は、上述したようなロールタイプにした熱転写受像シートに存在する巻癖カール問題を解決する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者らは、支持体の少なくとも一部分に金属箔を有する層を設けることで、上記課題を解決するに至った。具体的には、色材受容層と基材からなり、且つ基材が色材受容層と接する側から、ミクロボイドを有するプラスチックシートまたは合成紙と支持体及び樹脂をラミネートした層から構成されるロ─ル形状の熱転写受像シートにおいて、支持体の少なくとも一部に金属または合金からなる金属箔を有する層を含み、かつ該金属箔を有する層の熱転写受像シート全体に占める厚さの割合が、4%以上20%以下であることを特徴とするものである。又、該金属箔を有する層が、金属または合金とプラスチックフィルムとの積層体とすることもできる。更に具体的には、該金属箔を有する層を構成する金属または合金が、それぞれアルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のロール型熱転写受像シ−トについて、好ましい実施態様を挙げ説明を行う。本発明の熱転写受像シートは、感熱昇華転写方式や熱溶融転写方式において使用し得るものであり、巻き取りシリンダーに巻き取られて収納されるものである。図1に、本発明の基本的な熱転写受像シートの構成図を示す。本発明の熱転写受像シートは、少なくとも色材受容層2と基材1とから構成され、更に基材1が、色材受容層2と接する側から順に、ミクロボイドを有する層3、支持体層4、樹脂をラミネートした層5及び金属箔を有する層6からなる。
【0010】
(色材受容層)
本発明の熱転写受像シートの色材受容層は、色材を染着し易い樹脂を主成分とするワニスに、必要に応じて離型剤等の各種添加剤を加えて構成する。染着し易い樹脂は、代表的なものとしては、ポリプロピレン等のポリオレオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、及びその共重合体、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマ−との共重合体、アイオノマ−、セルロ−ス誘導体等の単体、又は混合物を用いることができ、これらの中でもポリエステル系樹脂、及びビニル系樹脂が好ましい。
【0011】
色材受容層は、画像形成時に熱転写シ−トとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコ−ンオイル、リン酸エステル系可塑剤フッ素系化合物を用いることができるが、この中でもシリコ−ンオイルが好ましく用いられる。離型剤の添加量は、受容層形成樹脂100重量部に対して0.2〜30重量部が好ましい。
該色材受容層中には、必要に応じて各種の添加剤を添加してもよい。例えば、該受像シートロールに高い白色性を必要とする場合は、蛍光増白剤や白色顔料の該色材受容層中への添加を挙げることができる。
また、熱転写受像シートがプリンター搬送中、その他の場合における帯電を防止する為に、帯電防止剤を該色材受容層中に添加することを一例として挙げることができる。
色材受容層の塗工は、ロ−ルコ−ト法、バーコート法、グラビアコート法、グラビアリバ−スコ−ト法、そしてエクストルージョンコート法等の一般的な方法で行なわれる。そして、その塗工量は、0.5〜10g/m2 (固形分換算、以下本発明の塗工量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である)が好ましい。
【0012】
(基材)
本発明に用いる基材は、上述の如く基本的にミクロボイドを有する層、支持体、及び金属箔を有する層から構成されており、それぞれについて以下に詳細に説明する。
【0013】
(プライマー層)
尚、後述する基材と上述の色材受容層との間に、接着性を向上させる目的で、必要に応じてプライマー層を設けても良い。また、該接着性を向上させる為に、更に基材の色材受容層と接する面に予めコロナ処理、オゾン処理などのプライマー層を設けるための前処理を施しても良い。
プライマー層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、或いは官能基を有する熱可塑性樹脂を、各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アイオノマー、単官能および/又は多官能水酸基含有のプレポリマーをイソシアネート等で硬化させた樹脂等を使用することができる。これらの樹脂には、必要に応じて白色性や隠蔽性等の機能を付与する為に、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムその他公知の無機顔料や有機フィラー、蛍光増白剤等の添加剤を加えることができる。その塗布厚みは0.5〜30μm程度が好ましい。
【0014】
(ミクロボイドを有する層)
熱転写受像シートに用いる基材としては、各種の紙、合成紙、不織布そしてプラスチックフィルム等を用い、上述した色材受容層を直接またはプライマー層を介して形成しても良いが、より高い印字感度を有すると共に、濃度ムラや白抜けのない高画質を得るためには、ミクロボイドを有する層の存在が不可欠である。ミクロボイドを有する層としては、内部にミクロボイドを有するプラスチックフィルムや合成紙を用いることができる。また、後述する各種の支持体の上に、各種の塗工方式でミクロボイドを有する層を形成できる。
ミクロボイドを有するプラスチックフィルム又は合成紙としては、ポリオレフィン、特にポリプロピレンを主体として、それに無機顔料及び/又はポリプロピレンと非相溶なポリマ−をブレンドし、これらを発泡開始剤として用い、これらの混合物を延伸、成膜したプラスチックフィルム又は合成紙が好ましい。これらがポリエステル等を主体としたものの場合には、その粘弾性的或いは熱的性質から、クッション性、および断熱性が、ポリプロピレンを主体としたものに比較して劣るため、印字感度に劣り、かつ濃度むら等も生じやすい。
これらの点を考慮すると、プラスチックフィルム及び合成紙の20℃の於ける弾性率は5×108 Pa〜1×1010Paが好ましい。また、これらのプラスチックフィルムや合成紙は、通常、二軸延伸により成膜されたものである。故に、これらは加熱により収縮する。これらを110℃下で60秒放置した場合の収縮率は、0.5%〜2.5%である。
上述のプラスチックフィルムや合成紙は、それ自体が、ミクロボイドを含む層の単層であっても良いし、複数の層構成であつても良い。複数の層構成の場合には、その構成する全ての層にミクロボイドを含有しても良いし、ミクロボイドが存在しない層が存在しても良い。そして、このプラスチックフィルムや合成紙には、必要に応じて隠ぺい剤として、白色顔料を混入させても良い。また、白色性を増すために、蛍光増白剤等の添加剤を加えることができる。さらに、光沢性、平滑性を与えるために、表面にスキン層を設けても良い。ミクロボイド層は、30〜80μmの厚みが好ましい。
【0015】
ミクロボイドを含有する層としては、支持体の上にコ−ティング法によってミクロボイドを含有する層を形成することも可能である。例えば、プラスチック樹脂にマイクロスフェアー等の発泡剤をブレンドし、それを塗工、加熱してミクロボイドを形成することが可能である。使用するプラスチック樹脂としては、ポリエステル、ウレタン樹脂、ポリカ−ボネ−ト、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の公知の樹脂を単独或いは、複数をブレンドして使用することができる。
【0016】
(支持体)
支持体は、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙等各種の紙、合成紙、不織布そしてポリエチレンテレフタレート(以下本明細書においてはPETと記載する)、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム等も用いることができる。
【0017】
(樹脂をラミネートした層)
上記支持体に上述したミクロボイドを有する層を形成し基材とし、ミクロボイドを有する層の側に色材受容層を形成したものをそのまま熱転写受像シ−トとして使用した場合、印字の際のサ−マルヘッドの熱により、印字カ−ルが生じる。これは、支持体の色材受容層の反対側の面に樹脂をラミネートした層を設けることで改良することができる。樹脂をラミネートした層としては、ポリエチレン、ポリプロピレンその他公知の樹脂を用いる。また、ミクロボイドを有する層が上述したようなプラスチックフィルムである場合には、同じフィルムを樹脂をラミネートした層として積層しても良い。その結果、樹脂をラミネートした層の厚みとしては、ミクロボイドを有する層の厚みに対して、50%以上130%以下で効果が認められ、50%未満の場合には、樹脂をラミネートした層としての効果が不十分であり、130%を越える場合には、熱転写受像シート全体が厚くなりすぎてプリンター搬送上の不具合が生じたり、樹脂をラミネートした層自体に起因するカールが生じたりする。積層する方法としては、ドライラミネ−ション法、ウエットラミネ−ション法、エクスルージョンラミネ−ション法、エクスルージョンコート法、そしてヒ−トラミネーション法等公知の方法を使用することができる。
【0018】
(金属箔を有する層)
上述した、色材受容層、ミクロボイドを有する層、支持体、樹脂をラミネートした層とからなる層構成を持つ熱転写受像シートを用いてロール形状としたものは、カール防止効果はあるものの、巻芯部に於いて未だ激しい巻癖カールが発生する。本発明における金属箔を有する層は、この巻き癖カールを防止するために設けるものである。
【0019】
具体的材料としては、金属、金属酸化物、プラスチック、木材、繊維およびこれらの複合体等何でも良いが、加工容易性、コスト、性能の環境安定性等を鑑みると、金属および金属と他の材料の複合体が好ましい。金属の中においては、アルミニウム、銅、金、錫、鉛、亜鉛、鉄、およびこれらの合金が好ましい。更に、材料の環境安定性、経時的安定性、そしてコスト等を考慮すると、アルミニウムおよびアルミニウムの合金がより好ましい。上述した材料の構成としては、金属単体、合金単体、異種金属の積層体、金属と合金の積層体、そして異種合金の積層体、およびこれらとプラスチックフィルム等、その他の材料との複合体を用いることができる。金属箔を有する層に用いる上記材料の形状としては、箔、メッキ膜、気相成長膜が好ましい。
【0020】
金属箔を有する層を設ける場所としては、上述の構成に於いて、ミクロボイドを有する層と支持体の間、支持体と樹脂をラミネートした層の間、そして樹脂をラミネートした層の外側のいずれかが好ましい。色材受容層とミクロボイドを有する層の間に設けた場合には、印字感度の低下をもたらすので好ましくない。金属箔を有する層の厚みとしては、受像シート全体の厚みに対して4%以上20%以下である。4%未満の場合は、巻癖カールに対してほとんど効果がない。また、20%を越える場合には、受像シート自体の剛度等の力学的物性に不具合が生じ、プリント中に搬送エラー等が生じる。
【0021】
次に、金属箔を有する層の形成方法を以下に述べる。金属箔を有する層は、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、エクスルージョンラミネーション法、エクスルージョンコート法等公知の加工方式を使用しすることにより、熱転写受像シートを構成する上述の各層と積層して、ロールタイプの熱転写受像シートを得ることができる。金属同士及び金属と他の材料との複合体を用いる場合、例えば金属の積層体および金属とプラスチックフィルムの積層体を用いる場合は、その形成方法は、多少複雑になる。まず、金属箔を有する層自体の作成は、上述した加工方式を用いても良いが、蒸着法、スパッター法、熱CVD法、プラズマCVD法等の気相成長法および電着法、電解法、及び無電解法のメッキ法を用いることができる。そして、金属箔を有する層を形成後、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、エクスルージョンラミネーション法、エクスルージョンコート法等公知の加工方式を使用しすることにより、熱転写受像シート上述の各層と積層して、熱転写受像シートを得ることができる。このようにして得た熱転写受像シートを巻取りシリンダーに巻き上げて、ロールタイプの熱転写受像シートを形成した。
【0022】
【実施例】
(実施例1)
「基材」図2に示すように、内部にミクロボイドを有するプラスチックフィルムとして、2軸延伸ポリプロピレンフィルム31(トヨパールSS;P4255、東洋紡積(株)製、厚み35μm、20℃における弾性率:5.1×109Pa、110℃下60秒の熱収縮率:0.8%、以下本明細書ではPPフィルムと記載する)を用いた。支持体として、コート紙41(ニュートップ、新王子製紙(株)製、坪量72.3g/m2、平均厚み58μm)を用いた。そして、両者を下記の接着剤を用いてドライラミネーション法により積層した。(接着剤層、図中52)
コート紙41のPPフィルム31面と反対の面に、厚み5μmのアルミニウム箔61をエクスルージョンラミネーション法により積層した。このとき、エクスルージョン層51の材料としては、ポリエチレン、又はポリプロピレン等公知のエクスルージョン用樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレンとしては、住友化学工業(株)製スミカセンL5721等を用いることができる。この時、エクスルージョン層51の厚みは20μmであった。このエクスルージョン層は、樹脂をラミネートした層としての機能を有する。このようにして基材1を得た。色材受容層2として、上述の基材1のPPフィルム31面に以下の受容層塗工液をグラビアリバースコーティング法で乾燥重量にして4.0g/m2塗工して、受像シートとした。以後、組成を示す単位は特に断りのない限り重量部とする。
このようにして作成した受像シートを、110mm幅にスリットし、内径20mm、厚み3mmの巻き取りシリンダーに巻き取ってロール型の熱転写受像シートとした。このとき熱転写受像シート全体厚みは、123μmであり、金属箔を有する層であるアルミニウム箔の厚みの占めるの比率は、4.07%である。
【0023】
(実施例2)
実施例1においてアルミニウム箔61の厚みを7μmとした。このとき受像シート全体厚みは、125μmであり、金属箔を有する層であるアルミニウム箔61の厚みが占める比率は、5.60%である。また、他の内容は実施例1と同様にした。
【0024】
(実施例3)
実施例1においてアルミニウム箔61の厚みを25μmとした。このとき受像シート全体厚みは、143μmであり、金属箔を有する層であるアルミニウム箔61の厚みが占める比率は、17.48%である。また、他の内容は実施例1と同様にした。
【0025】
(実施例4)
図3に示すように、厚みが12μmの透明PETフィルム7(S−10、東レ(株)製)の一方の面に、蒸着により厚さ5μmのアルミニウム層62を形成した。このPETフィルム/アルミニウム積層体のアルミニウム層62の面と実施例1におけるPPフィルム/コート紙積層体のコート紙面41とをドライラミネーションにより貼り合わせ、基材1とした。他は実施例1と同様にした。このとき、受像シート全体の厚みは120μmであり、金属箔を有する層であるPETフィルム/アルミニウム層積層体の占める厚み比率は、14.2%である。
【0026】
(実施例5)
図4に示すように、実施例1におけるPPフィルム31と厚み7μmのアルミニウム箔61をエクスルージョンラミネーションした。接着層51の厚みは10μmである。一方、実施例1におけるコート紙41の一方の面に厚みが18μmになるように、住友化学工業(株)製ポリエチレン(図中8)スミカセンL5721をエクスルージョンコートして、コート紙/ポリエチレン複合体を作成した。PPフィルム/アルミニウム箔積層体のアルミニウム箔面61と、コート紙/ポリエチレン複合体のコート紙面41をドライラミネーションにより貼り合わせて基材1を得た。他は実施例1と同様にした。このとき、受像シート全体の厚みは130μmであり、金属箔を有する層であるアルミニウム箔の厚みが受像シート全体に占める比率は、5.4%である。
【0027】
(比較例1)
実施例1においてエクスルージョン層の厚みを35μmとした。このとき受像シート全体厚みは、138μmであり、金属箔を有する層であるアルミニウム箔の厚みの占める比率は、3.62%である。また、他の内容は実施例1と同様にした。
【0028】
(比較例2)
実施例1においてエクスルージョン層の厚みを10μmとし、アルミニウム箔の厚みを30μmとした。このとき受像シート全体厚みは144μmであり、金属箔を有する層であるアルミニウム箔の厚みの占める比率は20.82%である。他は、実施例1と同様にした。
【0029】
(比較例3)
実施例1において、アルミニウム箔を積層しなかった。
【0030】
以下に性能評価および評価結果を示す。上記の各実施例および比較例を巻取りシリンダーに巻き付け、ロール型の熱転写受像シートとした。熱転写受像シートのロールの巻芯部(本評価に於いては、受像シートの巻取りシリンダーの固定位置から3mmの部分)を、三菱電機(株)製CP700プリンターで黒べた及びクロスハッチパターンをLサイズにて印画した際のカールおよび搬送適性を調べた。
結果を以下の表1に示す。表1における評価の基準は、印画後の受像シートを色材受容層を上面にして水平平板上に置いた際のカールの値で行った。この際、+は受容層面凸であり、マイナスは受容層面凹とする。
○:−25mm以上+25mm以下。
△:−35mm以上−25mm未満または+25mm以上+35mm以下。
×:−35mm未満または+35mm以上。
(以下余白)
【0031】
【表1】ロール型熱転写受像シートの評価結果
【0032】
【発明の効果】
本発明のように、色材受容層と基材からなり,かつ基材が色材受容層と接する側から微細な空隙を有するプラスチックシート又は合成紙と、支持体及び樹脂をラミネートした層から形成されるロール形状の熱転写受像シートにおいて、支持体の少なくとも一部分に金属箔を有する層が含まれ、かつ該金属箔を有する層の熱転写受像シート全体に占める厚さの割合が、4%以上20%以下とすることにより、ロール型の熱転写受像シートの巻癖カールによる不具合を防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱転写受像シートの基本的な層構成を示す断面概略図である。
【図2】実施例の熱転写受像シートの層構成を示す断面概略図である。
【図3】他の形態の実施例の熱転写受像シートの層構成を示す断面概略図である。
【図4】別態様の実施例の熱転写受像シートの層構成を示す断面概略図である。
【符号の説明】
1 基材
2 色材受像層
3 ミクロボイドを有する層
31 PP層
4 支持体層
41 コート紙
5 樹脂をラミネートした層
51 エクスルージョン層
52 接着剤層
6 金属箔を有する層
61 アルミニウム箔
62 蒸着アルミニウム層
7 PETフィルム層
8 ポリエチレン層
Claims (4)
- 色材受容層と基材からなり,かつ基材が色材受容層と接する側から微細な空隙を有するプラスチックシート又は合成紙と、支持体及び樹脂をラミネートした層から形成されるロール形状の熱転写受像シートにおいて、支持体の少なくとも一部分に金属箔を有する層が含まれ、かつ該金属箔を有する層の熱転写受像シート全体に占める厚さの割合が、4%以上20%以下であることを特徴とする熱転写受像シート。
- 金属箔を有する層が合金を使用したことを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 金属箔を有する層が金属又は合金とプラスチックフィルムとの積層体であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 金属箔を有する層を構成する金属又は合金が、それぞれアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1〜3に記載の熱転写受像シート。
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