JPH11321126A - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

熱転写受像シート及びその製造方法

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JPH11321126A
JPH11321126A JP10151886A JP15188698A JPH11321126A JP H11321126 A JPH11321126 A JP H11321126A JP 10151886 A JP10151886 A JP 10151886A JP 15188698 A JP15188698 A JP 15188698A JP H11321126 A JPH11321126 A JP H11321126A
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JP
Japan
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film
transfer image
thermal transfer
receiving layer
microvoids
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JP10151886A
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Inventor
Koichi Shirai
孝一 白井
Masayasu Yamazaki
昌保 山崎
Atsushi Tachibana
敦司 舘花
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンターの金属ローラーのスパイク痕が受
像面に及ばず、ゴムローラーの加硫ゴムの残さ等による
熱転写画像部の変色を防止でき、画像品質に優れた熱転
写受像シートを提供することにある。 【解決手段】 基材6として、紙2の両側にミクロボイ
ドを有するフィルム3、4を貼着したものを使用し、該
基材6の一方の面に受容層5を設け、該基材6の裏面側
のミクロボイドを有するフィルム4の厚みが、受容層5
側にあるミクロボイドを有するフィルム3厚よりも大き
く、かつ該受容層5にシリルイソシアネートを含有して
いる。よって、熱転写受像シート1の裏面側と接触する
グリップローラーのスパイクが受像面に及ぶのを防止で
き、受容層5に含有するシリルイソシアネートと、反応
性基を有する熱可塑性樹脂とが反応硬化して、ゴムロー
ラーの加硫ゴムの残さ等による熱転写画像部の変色を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写シートと重
ね合わせ、色材を熱転写することにより画像を形成する
熱転写受像シートに関し、更に詳しくは、プリンターの
金属ローラーのスパイク痕が受像面に及ばず、ゴムロー
ラーの加硫ゴムの残さ等による熱転写画像部の変色を防
止でき、画像品質に優れた熱転写受像シート及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱転写方式を用いて被転写体
に文字や画像を形成することが行われている。熱転写方
式としては、感熱昇華型転写方式と感熱溶融型転写方式
が広く用いられている。このうち、感熱昇華型転写方式
は、昇華性染料を色材とし、それを画像情報に応じて発
熱制御されたサーマルヘッド等の加熱デバイスを用い
て、熱転写シート上の昇華性染料層中の染料と熱転写受
像シート等の被転写体に移行させて画像を形成させる方
式である。この感熱昇華型転写方式は、極めて短時間の
加熱によってドット単位で染料の移行量を制御できる。
このように形成された画像は、使用する色材が染料であ
ることから非常に鮮明であり、且つ透明性に優れている
ため、得られる画像は中間調の再現性や階調性に優れ、
極めて高精細な画像を得ることができる。このため、フ
ルカラー銀塩写真に匹敵する高品質の画像を得ることが
できる。
【0003】マルチメディアに関連した様々なハードお
よびソフトの発達により、この熱転写方式は、コンピュ
ーターグラフィックス、衛星通信による静止画像そして
CDROMその他に代表されるデジタル画像およびビデ
オ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステム
として、その市場を拡大している。この熱転写方式によ
る熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたって
いる。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の
出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの
出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分
析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の
代替として、また身分証明書やIDカード、クレジット
カード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに
遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミュ
ーズメント施設における合成写真、記念写真、絵ハガキ
としての用途などをあげることができる。
【0004】この熱転写方式の画像の形成方法の一つ
に、面順次に各色を重ね合わせる方式がある。この方式
では、画面毎にカラー画像を形成するので、熱転写受像
シートが往復運動して、順次一方向に巻き取られる熱転
写シートから一色ごと画像が転写され、各色が重ね合わ
せされる。この方式の長所は、印画スピードが速く、シ
リアル方式で見られる行間の重なりがないため、位置精
度さえ出れば画像がきれいに仕上がる。しかし、この方
式の難点は、熱転写受像シートが往復運動するため、紙
の位置決め精度に乏しく、いわゆる見当ズレが起こりや
すいこと、及び印画プリンターの小型軽量化や低価格化
を図りにくいこと等の問題がある。
【0005】上述した方式に用いられるプリンターとし
て、従来から以下の幾つかのものが知られている。例え
ば、熱転写受像シートの一端をチャックで挟んで往復運
動させるプリンターは、独立したチャックにより往復運
動させているので搬送精度に優れている。しかし、比較
的大きなサイズ、例えばA3版以上の熱転写受像シート
に対しては印画し易いが、機構的に複雑で装置が大型化
し、小さいサイズの熱転写受像シートには印画しにく
く、装置価格も高価である。
【0006】熱転写受像シートの一端をプラテンローラ
ー表面に設けられたチャックに固定して巻き付け、プラ
テンローラーの回転により往復運動させるプリンター
は、搬送精度以前の問題として、熱転写受像シートを排
出する際に紙詰まりが起こりやすいという欠点がある。
熱転写受像シートをゴムローラーと金属ローラーとで構
成されるグリップローラーに挟んで、その回転により往
復運動させるプリンターは、構造が単純なので小型化が
可能で装置価格も安価となるため、現在では最も広く用
いられている。
【0007】このプリンターの場合、グリップローラー
は、用紙の滑りを防止するゴムローラーと、その表面に
エッチングで形成された高さ40〜100μm程度の微
細な突起(以下「スパイク」という)を熱転写受像シー
トに食い込ませて精度良く搬送させる金属ローラーとで
構成されている。このグリップローラーは、元来、図面
のジアゾコピーや製図用のプリンター等のように、熱転
写受像シートを往復運動させる必要のない単色印字装置
に主に用いられていたものであるため、このグリップロ
ーラーを用いたプリンターは、搬送精度があまり良くな
く、熱転写受像シートを往復運動させて印画すると見当
ズレが生じ易かった。ゴムローラーと金属ローラーの押
圧力を大きくすると、往復運動時の搬送精度は向上する
が、金属ローラーのスパイクが熱転写受像シートに食い
込み、スパイク痕を残す。特に、厚さが薄い熱転写受像
シートの場合には、そのスパイク痕が大きな問題とな
り、中には熱転写受像シート表面の受像面にまで貫通す
るものもあって、印画物の品質低下をもたらしていた。
【0008】このような問題を解決するため、従来は、
市販のプリンターの特性、例えばそのプリンターの搬送
精度、その搬送精度を向上させるためのグリップローラ
ーの押圧力、グリップローラーの押圧力を大きくするこ
とにより起こるスパイク痕の程度等を考慮し、各種のプ
リンターのタイプに適合させた熱転写受像シートを供給
していた。例えば、搬送精度を良くするため、グリップ
ローラーの押圧力を大きくしてもスパイクの影響が受像
面に及ばないように、熱転写受像シートを厚くするなど
の対処をしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように各種のプリンターに適合させた多くの仕様の熱転
写受像シートを供給することは、開発コストおよび製造
コストを著しく増加させる。また、スパイクの影響を小
さくするために熱転写シートを厚くすることは、通常の
熱転写受像シートの好適とされる厚さや層構成が制限さ
れ、通常有している機能、例えば風合い、コシ、光沢等
の特性が制約される場合があった。また、上記グリップ
ローラーと対になるゴムローラーの材質において、加硫
ゴムの成形加工性を向上させるための加硫性可塑剤が残
さとして残っているためと思われる、感熱昇華型転写の
画像部のゴムローラーとの接触部で変色が生じるという
問題がある。したがって、上記課題を解決するために、
本発明の目的は、プリンターの金属ローラーのスパイク
痕が受像面に及ばず、ゴムローラーの加硫ゴムの残さ等
による熱転写画像部の変色を防止でき、画像品質に優れ
た熱転写受像シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基材として、紙の両側にミクロボイドを
有するフィルムを貼着したものを使用し、該基材の一方
の面に受容層を設ける熱転写受像シートにおいて、該基
材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムの厚みが、
受容層側にあるミクロボイドを有するフィルム厚よりも
大きく、かつ該受容層にシリルイソシアネートを含有し
ていることを特徴とする。また、前記の受容層はバイン
ダー樹脂に活性水素を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体を含有していることが好ましい。また、前記の基
材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムの厚みが、
50〜110μmであることが好ましい。
【0011】さらに、基材として、紙の両側にミクロボ
イドを有するフィルムを貼着したものを使用し、該基材
の一方の面に受容層を設ける熱転写受像シートの製造方
法において、該受容層にシリルイソシアネートを含有
し、該基材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムの
厚みが、受容層側にあるミクロボイドを有するフィルム
厚よりも大きいものを用い、予めミクロボイドを有する
フィルムに受容層を形成し、その後に紙、裏面側のミク
ロボイドを有するフィルムを貼着し、貼着する際に、基
材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムテンション
よりも受容層側にあるミクロボイドを有するフィルムテ
ンションを大きくすることを特徴とする。また、前記の
受容層はバインダー樹脂に活性水素を有する塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体を含有していることが好ましい。
また、前記の基材の裏面側のミクロボイドを有するフィ
ルムの厚みが、50〜110μmであることが好まし
い。
【0012】
【作用】本発明の熱転写受像シートは、基材として、紙
の両側にミクロボイドを有するフィルムを貼着したもの
を使用し、該基材の一方の面に受容層を設け、該基材の
裏面側のミクロボイドを有するフィルムの厚みが、受容
層側にあるミクロボイドを有するフィルム厚よりも大き
く、かつ該受容層にシリルイソシアネートを含有してい
る。したがって、熱転写受像シートの基材の裏面側のミ
クロボイドを有するフィルムの厚みを、受容層側にある
ミクロボイドを有するフィルム厚よりも大きくすること
によって、熱転写受像シートの裏面側と接触するグリッ
プローラーのスパイクが受像面に及ぶのを防止すること
ができる。さらに、熱転写受像シートの受容層にシリル
イソシアネートを含有し、該シリルイソシアネートと、
反応性基を有する熱可塑性樹脂とが反応硬化して、離型
剤としてのシリルイソシアネートが受容層表面で固定さ
れ、ゴムローラーの加硫ゴムの残さ等による熱転写画像
部の変色を防止できる。
【0013】また、本発明の熱転写受像シートの製造方
法において、基材として、紙の両側にミクロボイドを有
するフィルムを貼着したものを使用し、該基材の一方の
面に受容層を設け、該受容層にシリルイソシアネートを
含有し、該基材の裏面側のミクロボイドを有するフィル
ムの厚みが、受容層側にあるミクロボイドを有するフィ
ルム厚よりも大きいものを用い、予めミクロボイドを有
するフィルムに受容層を形成し、その後に紙、裏面側の
ミクロボイドを有するフィルムを貼着し、貼着する際
に、基材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムテン
ションよりも受容層側にあるミクロボイドを有するフィ
ルムテンションを大きくしている。したがって、紙を芯
材として、その両側に貼着するミクロボイドを有するフ
ィルムの厚さが裏面側のフィルムの方が厚くても、貼着
する際に、基材の裏面側のミクロボイドを有するフィル
ムテンションよりも受容層側にあるミクロボイドを有す
るフィルムテンションを大きくすることにより、熱転写
受像シートの紙芯材を間にして、両側のフィルムの貼着
によるカールバランスをとって、カールを防止すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。図1は、本発明の
熱転写受像シートの一例を示す断面図である。熱転写受
像シート1は、基材6として、紙2の両側にミクロボイ
ドを有するフィルム3、4を貼着したものを使用し、該
基材6の一方の面に受容層5を設け、該基材6の裏面側
のミクロボイドを有するフィルム4の厚みが、受容層側
にあるミクロボイドを有するフィルム3厚よりも大き
い。また、図2に本発明の熱転写受像シートの他の例を
示す断面図であり、紙2芯材の一方の面に、受容層5の
形成してあるミクロボイドを有するフィルム3を接着剤
層7を介して設け、また紙2芯材の他方の面に、受容層
側のフィルム厚よりも大きいミクロボイドを有するフィ
ルム4を接着剤層8を介して設けたものである。
【0015】以下に、本発明の熱転写受像シートの構成
する各層、その形成方法および熱転写受像シートの製造
方法について説明する。 (基材)熱転写受像シートに用いる基材6としては、紙
2を芯材として、該紙2の両側にミクロボイドを有する
フィルム3、4を貼着したもので、該基材6の裏面側の
ミクロボイドを有するフィルム4の厚みが、受容層側に
あるミクロボイドを有するフィルム3厚よりも大きいも
のである。芯材である紙2は、従来公知のものでよく、
上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラ
シン紙等各種の紙、合成紙等を用いることができる。
【0016】ミクロボイドを有するフィルム3、4は、
フィルム内部に微細空隙を有するプラスチックシートや
合成紙を用いることができる。微細空隙を有するプラス
チックシート又は合成紙としては、ポリオレフィン、特
にポリプロピレンを主体として、それに無機顔科及び/
又はポリプロピレンと非相溶なポリマーをブレンドし、
これらをボイド作製開始剤として用い、これらの混合物
を延伸、成膜したプラスチックシート又は合成紙が好ま
しい。これらがポリエステル等を主体としたものの場合
には、その粘弾性的あるいは熱的性質から、クッション
性、及び断熱性が、ポリプロピレンを主体としたものに
比較して劣るため、印画感度に劣り、かつ濃度むらなど
も生じやすい。
【0017】これらの点を考慮すると、プラスチックシ
ート及び合成紙の20℃に於ける弾性率は5×108
a〜1×1010Paが好ましい。また、これらのプラス
チックシートや合成紙は、通常、2軸延伸により成膜さ
れたものである。故に、これらは加熱により収縮する。
これらを110℃下で60秒放置した場合の収縮率は、
0.5%〜2.5%である。上述のプラスチックシート
や合成紙は、それ自体が、微細空隙を含む層の単層であ
っても良いし、複数の層構成であっても良い。複数の層
構成の場合には、その構成する全ての層に微細空隙を含
有しても良いし、微細空隙が存在しない層が存在しても
良い。そして、このプラスチックシートや合成紙には、
必要に応じて隠蔽剤として、白色顔料を混入させても良
い。また、白色性を増すために、蛍光増白剤等の添加剤
を設けても良い。
【0018】上記のミクロボイドを有するフィルムを紙
芯材と貼り合わせ方法としては、例えば、ドライラミネ
ーション、ノンソルベント(ホットメルト)ラミネーシ
ョン、ECラミネーション方法等の公知の積層方法が使
用できるが、好ましい方法はドライラミネーション及び
ノンソルベントラミネーション方法である。ノンソルベ
ントラミネーション方法に好適な接着剤としては、例え
ば、武田薬品工業株式会社製のタケネートA−720L
が挙げられ、ドライラミネーションに好適な接着剤とし
ては、例えば、武田薬品工業株式会社製のタケラックA
969/タケネートA−5(3/1)等が挙げられる。
これらの接着剤の使用量としては、固形分で約1〜8g
/m2 、好ましくは2〜6g/m2 の範囲である。
【0019】また、ミクロボイドを有するフィルムとし
ては、紙芯材の上に各種のコーティング法によって微細
空隙を有する層を形成することも可能である。使用する
プラスチック樹脂としては、ポリエステル、ウレタン樹
脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル等の公知の樹脂を単独或は、複数を
ブレンドして使用することができる。
【0020】上記のように、ミクロボイドを有するフィ
ルムを紙芯材と接着剤層により貼り合わせても、または
紙芯材の上に微細空隙を有する層をコーティングするに
しても、基材の裏面側のミクロボイドを有するフィルム
の厚みが、受容層側にあるミクロボイドを有するフィル
ム厚よりも大きくする必要がある。また、基材の裏面側
のミクロボイドを有するフィルムの厚みが、50〜11
0μmであることが好ましい。それは、プリンターで、
熱転写受像シートを搬送するグリップローラーが、用紙
の滑りを防止するゴムローラーと、その表面にエッチン
グで形成された高さ40〜100μm程度の微細な突起
(スパイク)を熱転写受像シートに食いつかせて搬送さ
せる金属ローラーとで構成され、該スパイクの高さ分を
変形を吸収できる厚さが必要であるからである。
【0021】また、熱転写受像シート全体の厚さが、プ
リンターの搬送適性等から150〜250μm程度に収
める必要があり、ミクロボイドを有するフィルム/紙/
ミクロボイドを有するフィルムの層構成から、基材の裏
面側のミクロボイドを有するフィルムの厚みは厚すぎて
も良くない。芯材としての紙の剛度をもたせ、受容層側
にあるミクロボイドを有するフィルムは、クッション性
と断熱性等の特性を生かすためにも、基材の裏面側のミ
クロボイドを有するフィルムの厚みが、50〜110μ
mであることが好ましい。
【0022】(受容層)本発明の受容層5は基材の一方
の面に設けるもので、熱転写シートから移行してくる昇
華性染料を受容し、形成された熱転写画像を維持するた
めのものであり、シリルイソシアネートを含有してい
る。受容層のバインダー樹脂として使用される熱可塑性
樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン
などのハロゲン化ポリマー,ポリ酢酸ビニル,エチレン
酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体,ポリアクリルエステル,ポリスチレン,ポリスチレ
ンアクリルなどのビニル系樹脂、ポリビニルホルマー
ル,ポリビニルブチラール,ポリビニルアセタールなど
のアセタール系樹脂、飽和,不飽和の各種ポリエステル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースアセテー
トなどのセルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、尿
素樹脂,メラミン樹脂,ベンゾグアナミン樹脂などのポ
リアミド系樹脂、などがあげられる。これらの樹脂は、
単独で使用したり、相溶する範囲内で任意にブレンドし
て、用いることができる。
【0023】また、上記の熱可塑性樹脂の中でも、活性
水素を有する熱可塑性樹脂で、特に活性水素を有する塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好ましい。活性水素
は、各熱可塑性樹脂の安定性を考慮し、熱可塑性樹脂の
末端に存在することが好ましい。また、ビニル系樹脂を
使用する場合には、ビニルアルコールの含有量は、30
重量%以下が好ましい。熱可塑性樹脂中の活性水素の含
有率が高すぎると、樹脂自体が離型剤であるシリルイソ
シアネートにより、反応硬化しすぎてしまい、染着濃度
を低下させる原因となったり、離型剤が受容層表面にブ
リードアウトせず、受容層の内部で硬化、固着してしま
い、受容層に充分な剥離性能が発揮されないことがあ
る。
【0024】本発明では、受容層にシリルイソシアネー
トを離型剤として一種類以上含有されている。シリルイ
ソシアネートは、Rn −Si −(NCO)4-n 、但し、
nは0、1、2または3の整数を表し、Rはアルキル
基、アリール基、ビニル基のいずれかである。この離型
剤であるシリルイソシアネートを受容層塗工液に添加
し、熱により乾燥硬化させることにより、下記のような
効果が得られる。
【0025】1.モノマーであるため、受容層を構成す
る熱可塑性樹脂との相溶性がよい。 2.モノマーであるため、塗布した際に受容層表面にブ
リードアウトしやすく少量の添加量で熱転写シートとの
高い離型性が得られる。 3.反応速度が速く、比較的低温で反応するため、エー
ジングの必要もなく、生産性が高く、また、受容層樹脂
に活性水素を有するものを用いた場合には、さらに以下
のような効果が得られる。 4.受容層表面でモノマーと活性水素を有する受容層樹
脂との結合ができるため、熱転写受像シートのプリンタ
ーのゴムローラーの加硫ゴムの残さ等による熱転写画像
部の変色を防止でき、また耐擦傷性が向上し、給排紙な
どの搬送時に受容層が削り取られ、異常転写が発生する
というような問題がなくなる。
【0026】また、本発明では受容層塗工液に下記一般
式(1)で表される活性水素を有する変成シリコーンを
一種類以上含有することができる。ここで、活性水素を
有する変成シリコーンとしては、水酸基変性シリコー
ン、カルボキシル変性シリコーン、アミノ変性シリコー
ンで、反応性の面から水酸基変性シリコーンが好ましく
用いられる。
【0027】一般式(1)
【化1】 ここでR1 は、水酸基変性シリコーンの場合は−CH
3 、−(CH2m OH、カルボキシル変性シリコーン
の場合は−CH3 、−(CH2n COOH、アミノ変
性シリコーンの場合は−CH3 、−C36 NH2 を、
任意に使用することができる。また、上記の変性シリコ
ーンのメチル基の部分は、エチル基、フェニル基、3,
3,3−トリフロロプロピル基でもよい。(日刊工業新
聞社発行のシリコーンハンドブックより)
【0028】本発明では、受容層塗工液に離型剤として
シリルイソシアネートと、必要に応じて一般式(1)で
表される活性水素を有する変成シリコーンを添加する
が、また、従来用いられている離型剤を併用してもよ
く、離型剤を複数種類使用してもトータルで、添加量は
受容層樹脂に対し0.5〜10重量%が好ましい。受容
層にはその他にも、必要に応じて各種の添加剤を加える
ことができる。受容層の白色度を向上させ転写画像の鮮
明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオ
リン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料
や充填剤を添加することができる。また、受容層には可
塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白
剤、帯電防止剤など公知の添加剤を必要に応じて加える
ことができる。
【0029】上記にあげた樹脂と、上記であげた離型剤
と必要に応じて添加剤等を任意に添加し、溶剤、希釈剤
等で、十分に混練して、受容層塗工液を製造し、これ
を、上記にあげた基材の上に、例えば、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロ
ールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥
して、受容層を構成する。後述する中間層、裏面層等の
塗工も、上記の受容層の形成手段と同様の方法で行われ
る。また、帯電防止性を付与させるために、下記に示す
帯電防止剤を受容層塗工液に、練り込むこともできる。
帯電防止剤;脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エ
ステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、
アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加
物など。帯電防止剤の添加量は、樹脂に対し、0.1〜
2.0重量%が好ましい。
【0030】本発明の熱転写受像シートでは、受容層の
塗工量は、乾燥時重量で0.5g/m2 〜4.0g/m
2 であることが好ましい。塗工量が乾燥時重量で0.5
g/m2 未満では、例えば、基材上に直接受容層を設け
た場合には、基材シートの剛性等の要因でサーマルヘッ
ドとの密着が不十分なためハイライト部の画像がざらつ
いてしまうという問題がある。この問題は、クッション
性を付与する中間層を設けることで回避することができ
るが、受容層の傷つきに対して弱くなる。また、高エネ
ルギーを印加したときの表面の荒れかたは、受容層の塗
工量が増加すると相対的に悪くなる傾向があり、塗工量
が、乾燥時重量で4.0g/m2 を上限にすることが好
ましい。以下本発明の塗工量(ないし塗布量)は、特に
断りのない限り、乾燥時重量で、固形分換算の数値であ
る。
【0031】(中間層)受容層と基材の間に必要に応じ
て中間層を設けることができる。中間層としては、その
目的により如何なる材料を用いてもよい。例えば、樹脂
に各種の白色顔料を加えたものを用いることにより、高
い白色度を得ることができる。更に、蛍光増白剤や帯電
防止剤等を必要に応じて添加することができる。また、
基材と受容層との間の接着性を向上させる目的で、必要
に応じて中間層を設けても良い。また、該接着性を向上
させるために、基材の受容層と形成する側の面に予めコ
ロナ放電処理、オゾン処理などの中間層を設けるための
前処理を施しても良い。
【0032】中間層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、或いは官能基を有する熱可塑性樹脂を、各種の硬
化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることが
できる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、
変性ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポ
リカーボネート、アイオノマー、単官能及び/又は多官
能水酸基含有のプレポリマーをイソシアネート等で硬化
させた樹脂等を使用することができる。これらの樹脂に
は、必要に応じて白色性や隠蔽性等の機能を付与するた
めに、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムその
他公知の無機顔料や有機フィラー、蛍光増白剤等の添加
剤を加えることができる。その塗布厚みは乾燥状態で
0.5〜30μm程度が好ましい。
【0033】(裏面層)基材の受容層を設けた面と反対
の面に、熱転写受像シートの搬送性の向上や、カール防
止などのために、裏面層を設けることができる。このよ
うな機能をもつ裏面層として、アクリル系樹脂、セルロ
ース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタ
ール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲ
ン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、アクリル系
フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、
ポリエチレンワックスなどの有機系フィラー、及び二酸
化珪素や金属酸化物などの無機フィラーを加えたものが
使用できる。この裏面層として、上述の樹脂を硬化剤に
より硬化したものを使用することがさらに好ましい。硬
化剤としては、一般的に公知のものが使用できるが、中
でもイソシアネート化合物が好ましい。裏面層樹脂はイ
ソシアネート化合物などと反応しウレタン結合を形成し
て硬化・立体化することにより、耐熱保存性、耐溶剤性
が向上し、さらには、基材シートとの密着も良くなる。
硬化剤の添加量は、樹脂1反応基当量に対して、1乃至
2が好ましい。1未満であると、硬化終了するまでの時
間が長くかかり、また、耐熱性、耐溶剤性が悪くなる。
また、2より大きいと、成膜後に経時変化が起こった
り、裏面層用塗工液の寿命が短いという不具合が生じ
る。
【0034】さらに、上記裏面層中には、添加剤とし
て、有機フィラーまたは無機フィラーを添加しても良
い。これらのフィラーの働きで、プリンター内での熱転
写受像シートの搬送性が向上し、また、ブロッキングを
防ぐなど熱転写受像シートの保存性も向上する。有機フ
ィラーとして、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィ
ラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどが
あげられる。この中では、特にポリアミド系フィラーが
好ましい。また、無機フィラーとして、二酸化珪素や金
属酸化物などがあげられる。ポリアミド系フィラーとし
ては、分子量が10万乃至90万で、球状であり、平均
粒子径が0.01乃至30μmが好ましく、特に分子量
が10万乃至50万で、平均粒子径が0.01乃至10
μmがより好ましい。また、ポリアミド系フィラーの種
類では、ナイロン6やナイロン66と比較して、ナイロ
ン12フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化が
ないためより好ましい。
【0035】ポリアミド系フィラーは、高融点で熱的に
も安定であり、耐油性、耐薬品性なども良く、染料によ
って染着されにくい。また、分子量が10万乃至90万
であると磨耗することもほとんどなく、自己潤滑性があ
り、摩擦係数も低く、擦れる相手を傷つけにくい。ま
た、好ましい平均粒子径は、反射画像用熱転写受像シー
トの場合、0.1乃至30μmである。粒子径が小さす
ぎると、フィラーが裏面層中に隠れてしまい、十分な滑
り性の機能が発現され難くなる傾向がみられ、また、粒
子径が大きすぎると、裏面層からの突出が大きくなり、
結果的に摩擦係数を高めたり、フィラーの欠落を生じる
傾向があるので、好ましくない。裏面層の樹脂に対する
フィラーの配合比率は、0.01重量%乃至200重量
%の範囲が好ましい。反射画像用熱転写受像シートの場
合は、1重量%乃至100重量%がより好ましく、透過
画像用熱転写受像シートの場合は、0.05重量%乃至
2重量%がより好ましい。フィラーの配合比率が0.0
1重量%未満の場合には、滑り性が不十分であり、プリ
ンターの給紙時などで紙詰まりなどの支障をきたす傾向
が生じる。また、200重量%を越える場合には、滑り
すぎて印字画像に色ずれなどが生じやすくなるため、好
ましくない。
【0036】熱転写受像シートの受容層面もしくは裏
面、または両面の最表面に帯電防止層を設けてもよい。
帯電防止層は、帯電防止剤である、脂肪酸エステル、硫
酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級アンモニ
ウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エ
チレンオキサイド付加物等を溶剤に溶解又は分散させた
ものを塗工して、形成することができる。帯電防止層の
塗工量は、乾燥時0.001〜0.1g/m2 が好まし
い。
【0037】(熱転写受像シートの製造方法)次いで、
本発明の熱転写受像シートの製造方法について説明す
る。本発明では基材として、紙の両側にミクロボイドを
有するフィルムを貼着したものを使用し、該基材の一方
の面に受容層を設ける熱転写受像シートの製造方法にお
いて、該受容層にシリルイソシアネートを含有し、該基
材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムの厚みが、
受容層側にあるミクロボイドを有するフィルム厚よりも
大きいものを用い、予めミクロボイドを有するフィルム
に受容層を形成し、その後に紙、裏面側のミクロボイド
を有するフィルムを貼着し、貼着する際に、基材の裏面
側のミクロボイドを有するフィルムテンションよりも受
容層側にあるミクロボイドを有するフィルムテンション
を大きくしている。
【0038】紙を芯材として、その両側に貼着するミク
ロボイドを有するフィルムの厚さが裏面側のフィルムの
方が厚くても、貼着する際に、基材の裏面側のミクロボ
イドを有するフィルムテンションよりも受容層側にある
ミクロボイドを有するフィルムテンションを大きくする
ことにより、熱転写受像シートの紙芯材を間にして、両
側のフィルムの貼着によるカールバランスをとって、カ
ールを防止することができる。上記のミクロボイドを有
するフィルムテンションは、裏面側よりも受容層側のテ
ンションを大きくしているが、テンションを数値で示せ
ば、例えば裏面側のミクロボイドを有するフィルムテン
ションは、7.6×10-3kg/cm幅〜1.0×10
-2kg/cm幅が好ましく、受容層側のミクロボイドを
有するフィルムテンションは、9.0×10-3kg/c
m幅〜1.2×10-2kg/cm幅が好ましい。
【0039】
【実施例1】以下に実施例及び比較例をあげて、本発明
をさらに具体的に説明する。尚、文中部または%とある
のは重量基準である。 (実施例1)39μm厚のミクロボイドを有するポリプ
ロピレンフィルム(東洋紡績(株)製 トヨパールSS
P4255)に、プライマー層を乾燥時で1g/m2
(三井化学(株)製 ユニトール P801)を形成
し、そのプライマー層の上に、下記組成の受容層を塗工
量を乾燥時で3g/m2 で塗布、乾燥した後、受容層を
形成した面とは反対側の面に下記配合の接着剤を塗工量
を乾燥時で4g/m2 で塗布、乾燥し、紙芯材であるコ
ート紙(三菱製紙(株)製 パールコート127.9g
/m2 )と貼着する。そして、上記のコート紙の他方の
面と、60μm厚のミクロボイドを有するフィルム(王
子油化合成紙(株)製 HPU60)を、上記の接着剤
と同様のものを用いて、塗工量を乾燥時で4g/m2
貼り合わせ、実施例1の熱転写受像シートを製造した。
但し、60μm厚のミクロボイドを有するフィルムの接
着剤層側と反対側には、下記組成の裏面層を塗工量を乾
燥時で2.5g/m2 で、予め形成しておく。
【0040】受容層塗工液 活性水素を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 16部 (電気化学工業(株)製 DV−048) 〔塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアクリレート共重合体樹脂 (重合度が850、塩化ビニルが90重量%、酢酸ビニルが3重量%、ヒドロ キシアクリレートが7重量%)〕ですか? メチルシリルトリイソシアネート(Rn −Si −(NCO)4-n の式でn=1 、R1 =CH3 、(株)マツモト交商;オルガチックスSIC−434(有効 成分10%)) 4部 ジオクチルフタレート(DOP) 4部 メチルエチルケトン/トルエン(重量混合比1/1) 80部
【0041】接着剤層塗工液 多官能ポリオール 30部 (タケラックA−969V、武田薬品工業(株)製) イソシアネート 10部 (タケネートA−5、武田薬品工業(株)製) 酢酸エチル 60部
【0042】裏面層塗工液 アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製 BR−85) 10部 テフロンフィラー(ダイキン工業(株)製 ルブロンL−5) 0.1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量混合比1/1) 89.5部
【0043】(実施例2)実施例1の熱転写受像シート
において、受容層を下記組成のものに変更した以外は、
実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを
製造した。受容層塗工液 活性水素を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 16部 (電気化学工業(株)製 DV−048) メチルシリルトリイソシアネート(Rn −Si −(NCO)4-n の式でn=1 、R1 =CH3 、(株)マツモト交商;オルガチックスSIC−434(有効 成分10%)) 4部 水酸基変性シリコーン(化学式1のR1 :両末端が−CH3 、測鎖が、−(C H22 OH、メチル基のフェニル基置換率22mol%、OH当量が約0. 25mol/100g、分子量が約2000) 1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量混合比1/1) 80部
【0044】(比較例1)実施例1の熱転写受像シート
において、受容層を下記組成のものに変更した以外は、
実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを
製造した。受容層塗工液 活性水素を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 16部 (電気化学工業(株)製 DV−048) ビニル系シリコーンオイル 5部 (信越化学工業(株)製 X−62−1212) メチルエチルケトン/トルエン(重量混合比1/1) 80部
【0045】(比較例2)実施例1の熱転写受像シート
において、受容層を下記組成のものに変更した以外は、
実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを
製造した。受容層塗工液 ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製 バイロン200) 16部 メチルシリルトリイソシアネート(Rn −Si −(NCO)4-n の式でn=1 、R1 =CH3 、(株)マツモト交商;オルガチックスSIC−434(有効 成分10%)) 4部 メチルエチルケトン/トルエン(重量混合比1/1) 80部
【0046】(比較例3)実施例1の熱転写受像シート
において、基材の裏面側のミクロボイドを有するフィル
ムで、60μm厚のミクロボイドを有するフィルム(王
子油化合成紙(株)製 HPU60)から39μm厚の
ミクロボイドを有するフィルム(東洋紡績(株)製 ト
ヨパールSS P4255)に変更した以外は、実施例
1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを製造し
た。
【0047】以上の実施例と比較例の熱転写受像シート
において、以下の条件にて熱転写による画像を形成し
た。イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の染料層を面
順次に有する熱転写シート(三菱電機株式会社製CP−
700用)と上記の各熱転写受像シートとを用いて、熱
転写プリンター(三菱電機株式会社製CP−700)に
て、カラー画像を形成した。但し、上記プリンターは、
熱転写受像シートをグリップローラー、すなわちゴムロ
ーラーと、その表面にエッチングで形成された微細な突
起(スパイク)を熱転写受像シートに食い込ませて搬送
させる金属ローラーとで構成されているものである。
【0048】(評価方法)上記の画像形成条件により、
得られた画像形成物において、受像面の上記の金属ロー
ラーのスパイク痕の評価と、上記ゴムローラーと接触す
る部分の熱転写画像部の変色の評価を行った。但し、評
価は二つとも目視にて調べ、評価の判断基準は以下の通
りである。スパイク痕 ○:受像面のスパイク痕が認められない。 △:受像面のスパイク痕が少し認められる。 ×:受像面のスパイク痕が認められ、目立つ。
【0049】画像部の変色 ○:画像部の変色が認められない。 △:画像部の変色が少し認められる。 ×:画像部の変色が認められ、目立つ。
【0050】評価結果を下記表1に示す。
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上の通り、本発明の熱転写受像シート
によれば、基材として、紙の両側にミクロボイドを有す
るフィルムを貼着したものを使用し、該基材の一方の面
に受容層を設け、該基材の裏面側のミクロボイドを有す
るフィルムの厚みが、受容層側にあるミクロボイドを有
するフィルム厚よりも大きく、かつ該受容層にシリルイ
ソシアネートを含有している。したがって、熱転写受像
シートの基材の裏面側のミクロボイドを有するフィルム
の厚みを、受容層側にあるミクロボイドを有するフィル
ム厚よりも大きくすることによって、熱転写受像シート
の裏面側と接触するグリップローラーのスパイクが受像
面に及ぶのを防止することができる。さらに、熱転写受
像シートの受容層にシリルイソシアネートを含有し、該
シリルイソシアネートと、反応性基を有する熱可塑性樹
脂とが反応硬化して、離型剤としてのシリルイソシアネ
ートが受容層表面で固定され、ゴムローラーの加硫ゴム
の残さ等による熱転写画像部の変色を防止できる。
【0052】さらに、本発明の熱転写受像シートの製造
方法において、基材として、紙の両側にミクロボイドを
有するフィルムを貼着したものを使用し、該基材の一方
の面に受容層を設け、該受容層にシリルイソシアネート
を含有し、該基材の裏面側のミクロボイドを有するフィ
ルムの厚みが、受容層側にあるミクロボイドを有するフ
ィルム厚よりも大きいものを用い、予めミクロボイドを
有するフィルムに受容層を形成し、その後に紙、裏面側
のミクロボイドを有するフィルムを貼着し、貼着する際
に、基材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムテン
ションよりも受容層側にあるミクロボイドを有するフィ
ルムテンションを大きくしている。したがって、紙を芯
材として、その両側に貼着するミクロボイドを有するフ
ィルムの厚さが裏面側のフィルムの方が厚くても、貼着
する際に、基材の裏面側のミクロボイドを有するフィル
ムテンションよりも受容層側にあるミクロボイドを有す
るフィルムテンションを大きくすることにより、熱転写
受像シートの紙芯材を間にして、両側のフィルムの貼着
によるカールバランスをとって、カールを防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受像シートの一例を示す断面図
である。
【図2】本発明の熱転写受像シートの他の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 熱転写受像シート 2 紙 3 ミクロボイドを有するフィルム(受容層側) 4 ミクロボイドを有するフィルム(裏面側) 5 受容層 6 基材 7 接着剤層(受容層側) 8 接着剤層(裏面側)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材として、紙の両側にミクロボイドを
    有するフィルムを貼着したものを使用し、該基材の一方
    の面に受容層を設ける熱転写受像シートにおいて、該基
    材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムの厚みが、
    受容層側にあるミクロボイドを有するフィルム厚よりも
    大きく、かつ該受容層にシリルイソシアネートを含有し
    ていることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 前記の受容層はバインダー樹脂に活性水
    素を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有して
    いることを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写
    受像シート。
  3. 【請求項3】 前記の基材の裏面側のミクロボイドを有
    するフィルムの厚みが、50〜110μmであることを
    特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写受像シー
    ト。
  4. 【請求項4】 基材として、紙の両側にミクロボイドを
    有するフィルムを貼着したものを使用し、該基材の一方
    の面に受容層を設ける熱転写受像シートの製造方法にお
    いて、該受容層にシリルイソシアネートを含有し、該基
    材の裏面側のミクロボイドを有するフィルムの厚みが、
    受容層側にあるミクロボイドを有するフィルム厚よりも
    大きいものを用い、予めミクロボイドを有するフィルム
    に受容層を形成し、その後に紙、裏面側のミクロボイド
    を有するフィルムを貼着し、貼着する際に、基材の裏面
    側のミクロボイドを有するフィルムテンションよりも受
    容層側にあるミクロボイドを有するフィルムテンション
    を大きくすることを特徴とする熱転写受像シートの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記の受容層はバインダー樹脂に活性水
    素を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有して
    いることを特徴とする上記の請求項4に記載する熱転写
    受像シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記の基材の裏面側のミクロボイドを有
    するフィルムの厚みが、50〜110μmであることを
    特徴とする上記の請求項4に記載する熱転写受像シート
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006039017A3 (en) * 2004-09-29 2006-09-28 Advanced Optical Tech Inc Optical system using led coupled with phosphor-doped reflective materials
JP2010228289A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 印画物製造方法、印画物製造装置、および製本物
KR101109404B1 (ko) * 2011-10-12 2012-01-31 김필규 변색방지용 합지필름
JP2017056663A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 大日本印刷株式会社 熱転写受像シート

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