JPH11208127A - 熱転写受像体および熱転写記録方法 - Google Patents

熱転写受像体および熱転写記録方法

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JPH11208127A
JPH11208127A JP10022615A JP2261598A JPH11208127A JP H11208127 A JPH11208127 A JP H11208127A JP 10022615 A JP10022615 A JP 10022615A JP 2261598 A JP2261598 A JP 2261598A JP H11208127 A JPH11208127 A JP H11208127A
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JP
Japan
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thermal transfer
film
transfer image
resin
thickness
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JP10022615A
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English (en)
Inventor
Yutaka Ariga
ゆたか 有賀
Hiroshi Kitazawa
寛 北沢
Shigeaki Kimura
重昭 木村
Hidehiro Mochizuki
秀洋 望月
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速度差記録法によっても良質の転写画像が得
られる、溶融転写型及び昇華転写型受像体を提供する。
特に昇華転写型受像体として有用である。 【解決手段】 パルプ紙(A)と発泡フィルム(B)と
の積層体からなり、(A+B)積層体の厚さが100〜3
00μmで、かつ、[Bの厚さ/(A+B)の厚さ]×
100≧20である熱転写型受像体。昇華転写型受像体
は発泡フィルム(B)上にさらに染着性樹脂層が設けら
れるのが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写受像体の搬
送に対する熱転写記録体の相対搬送速度を1/n倍(n
>1)とする速度差記録法(n倍モード記録法)にも有
用な熱転写受像体および熱転写記録方法に関し、特に昇
華染料を記録剤として用いた熱転写記録媒体によって、
高品質及び高信頼性の画像が得られる熱転写受像体およ
び熱転写記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱転写記録方式においては、均一
で白抜けの少ない画像を得るために平滑性の良好である
フィルムを熱転写受像体として使用していた。その一方
で、パルプ低が良好な感触あるいは安価であることから
検討されてきたが、平滑性が劣るため均一で白抜けの少
ない熱転写記録画像が得られなかった。そこでフィルム
とパルプ紙を積層した熱転写受像体が特公平6−841
19号、特開昭62−174190号などで提案される
にいたった。この構成の熱転写受像体の使用により、均
一で白抜けの少ない画像が得られるようになったが、熱
転写受像体に対する記録媒体の相対速度を1/n倍(n
>1)とする速度差記録法においては、受像体と記録媒
体との融着あるいはスティッキングが発生するため高画
質画像を得ることができないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱転
写記録を速度差記録法で行なったとき、受像体と記録媒
体との融着あるいはスティッキングが発生しないで高画
質画像が得られる熱転写受像体、及びこの受像体を用い
る熱転写記録方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、熱転写受像体の移動速度に対する熱転写記録媒体の
相対移動速度を1/n倍(n>1)とする速度差記録用
に用いられる熱転写受像体であって、少なくともパルプ
紙と空隙を有するフィルムとの積層からなり、厚さが1
00μm以上300μm以下で、かつ、パルプ紙と空隙
を有するフィルムの総厚に対する該空隙を有するフィル
ムの厚さが下記(1)の条件を充たすことを特徴とする
熱転写受像体が提供される。
【数1】 第二に、空隙を有するフィルム層上に染着性樹脂層を設
けたことを特徴とする上記第一の熱転写受像体が提供さ
れる。
【0005】第三に、パルプ紙の比重が1.0g/m3
以下であることを特徴とする上記第一又は第二の熱転写
受像体が提供される。第四に、パルプ紙の比重が0.9
g/m3以下であることを特徴とする上記第一、第二又
は第三の熱転写受像体が提供される。第五に、空隙を有
するフィルムの厚さが75μm以下であることを特徴と
する上記第一〜第四のいずれかに記載の熱転写受像体が
提供される。第六に、空隙を有するフィルムが下記
(2)の条件を充たす密度Dを有することを特徴とする
上記第一〜第五のいずれかに記載の熱転写受像体が提供
される。
【数2】 (Do−D)/Do>0.30 (2) (式中、Doは空隙を有するフィルムと同一材料の気泡
を含まないプラスチックフィルムの密度を示す。) 第七に、空隙を有するフィルムの熱収縮率が6%以下で
あることを特徴とする上記第一〜第六のいずれかに記載
の熱転写受像体が提供される。第八に、パルプ紙と空隙
を有するフィルムとが接着剤により重合されていること
を特徴とする上記第一〜第七のいずれかに記載の熱転写
受像媒体が提供される。第九に、接着剤が硬化樹脂であ
ることを特徴とする上記第八の熱転写受像媒体が提供さ
れる。第十に、パルプ紙の、空隙を有するフィルムと反
対側の面に、樹脂層が設けてあることを特徴とする上記
第一〜第九のいずれかに記載の熱転写受像媒体が提供さ
れる。第十一に、染着性樹脂層がアセタール樹脂を主成
分とすることを特徴とする上記第二〜第十のいずれかに
記載の熱転写受像体が提供される。第十二に、染着性樹
脂層上にさらに離型層を設けたことを特徴とする上記第
二〜第十一のいずれかに記載の熱転写受像体が提供され
る。
【0006】第十三に、上記第一〜第十二のいずれかに
記載の熱転写受像体に画像を形成後、この受像体を再加
熱することを特徴とする熱転写記録方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の熱転写受像体は、基本的には、空隙を有
するフィルム/パルプ紙の積層構成からなるが、この積
層体に対するパルプ紙の比率が増加すると、印字におけ
るヘッド圧により受像体が部分的に変形し、受像体と記
録媒体の接触面積が増加し、融着あるいはスティッキン
グが発生しやすくなるため、パルプ紙/空隙を有するフ
ィルムの総厚に対する空隙を有するフィルムの厚さは2
0%以上必要となる。パルプ紙/空隙を有するフィルム
の総厚は100〜300μmが適当であり、100μm
以下ではカールにより搬送性不良が発生しやすくなり、
300μm以上ではヘッド圧の上昇によりさらに融着が
発生しやすくなる。
【0008】また、パルプ紙の密度が低下すると、ヘッ
ド圧により紙が圧縮され、印字中のパルプ紙の比率は減
少し、パルプ紙と比較して圧縮されないフィルムは、印
字中の受像体のフィルム比が増大するため、密度は低い
方が印字におけるヘッド圧による受像体の部分的変形が
発生しにくくなる。パルプ紙としては、例えば上質紙、
中質紙、和紙、薄葉紙やコート紙(微塗工紙、アート
紙、キャストコート紙等を含む)などが挙げられる。ま
た、パルプ紙の厚さは40〜240μmが適当である。
【0009】また、空隙を有するフィルムの厚さを厚く
すればスティッキングの発生は極力抑えられるが、手触
りがフィルムのようになるため、紙の感触を得るには、
空隙を有するフィルムは20〜75μmの厚さにするの
が好ましい。空隙を有するフィルムの比重は、高い方が
ヘッドによる受像体の変形が発生しにくく、融着あるい
はスティッキングも発生しにくい。しかし空隙の減少に
より断熱効果が低下するため、画像濃度が低下しそのた
め印可電圧を上げなければならなくなる。したがって、
空隙を有するフィルムの密度(D)は(2)を満足する
ことが好ましい。
【数2】 (Do−D)/Do>0.30 (2) (上式中、Doは空隙を有するフィルムと同一材料の気
泡を含まないプラスチックフィルムの密度を示す。)
【0010】空隙を有するフィルムとしては、ポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン
テレフタレートフィルム等のプラスチックフィルムが挙
げられ、樹脂を発泡剤とともにオリフィスにより押し出
して製膜する方法、樹脂に微粒子を添加して延伸する方
法などにより得られる。延伸されたフィルムの構造は、
基材層、紙状層その他白色度向上の表面層とからなる層
状構造体であっても良い。
【0011】空隙を有するフィルムはその熱収縮率が大
きいと印字による熱変形が発生し、融着あるいはスティ
ッキングが発生しやすくなるため、熱収縮率はJIS
C−2318に準じた加熱収縮率が縦横方向いずれにお
いても6%以下が好ましい。熱収縮率6%以下の空隙を
有するフィルムとしては、上記記載のフィルムまたは熱
収縮率低下処理した、例えば加熱処理を施した空隙を有
するフィルムが挙げられる。加熱処理を施すことによっ
て、フィルムに保持されている延伸時の応力を緩和さ
せ、その熱収縮を小さくすることができる。
【0012】パルプ紙と空隙を有するフィルムの貼り合
わせには硬化性樹脂の接着剤を用いるのが好ましい。弾
性接着剤や弾性粘着剤は、凝集力が低く応力の吸収等に
より、ヘッド圧による受像紙の変形が発生しやすくなる
ため、融着あるいはスティッキングも発生しやすくな
る。接着剤としては、従来公知の接着剤、粘着剤はいず
れも使用でき、具体的にはユリア樹脂、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸
ビニル/アクリル共重合体樹脂、EVA系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル/酢
酸ビニル系共重合体樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリ塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸
エステル系共重合体などの接着剤の他、天然ゴム系、シ
アノアクリレート系、シリコン系等の接着剤、またこれ
らの接着剤に適当な粘着付与剤を添加した粘着剤が使用
でき、さらに必要に応じて、可塑剤、充填剤、老化防止
剤等も添加することができる。
【0013】パルプ紙の発泡フィルムと反対の面に樹脂
層を設けることにより、カールが発生しにくくなり、更
に帯電防止剤等の添加により重送が防止され搬送性の良
好な受像紙が得られる。樹脂層としては、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂等を押出Tダイラミネーシ
ョン、ウエット・ラミネーション、ホットメルトラミネ
ーション、ドライラミネーション等の公知の樹脂積層方
法を使用することができる。帯電防止剤としては、従来
公知のものが使用でき、例えばアニオン性(リン酸エス
テル型、スルホン酸型など)、カチオン性(4級アンモ
ニウム塩型、3級アミン型など)、非イオン系(多価ア
ルコールエステル型、アマイド型、脂肪酸エステル型な
ど)、及び両性の各種帯電防止剤がある。樹脂層の厚み
は1〜50μm程度が好ましく、筆記性を向上するため
樹脂層にマット加工を施しても良い。また各種公知の充
填剤を添加しても良い。
【0014】本発明の受像体は、空隙を有するフィルム
上に染着性樹脂層が形成されるのが好ましい。染着性樹
脂としては、染着性の高い樹脂がよく、例えば酢酸ビニ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタク
リル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニ
ルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹
脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂など公知の熱可塑性樹脂はいずれも使用でき、これら
は架橋剤との反応硬化物として、更には単独または2種
以上を混合して使用しても良い。特にポリビニルアセタ
ール樹脂は高濃度の画像を形成し、画像保存性も良好で
ある。染着性樹脂層の厚みは1〜20μm程度が好まし
く、特に1〜10μmの範囲が好ましい。また、染着性
樹脂層の滑性を上げるために潤滑剤を添加することがで
き、必要に応じて充填剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、蛍光増白剤など公知の添加剤を添加しても
良い。
【0015】染着性樹脂層上に離型層を設けることによ
り、受像体と記録媒体の融着あるいはスティッキングが
発生しにくくなる。離型層は、離型性のある樹脂ならば
従来公知の樹脂でよく、例えばシリコン樹脂が挙げられ
る。また潤滑物質を添加することによりさらに良好とな
り、例えば流動パラフィン等石油系潤滑油、ハロゲン化
炭化水素、ジエステル油、シリコン油、フッ素シリコン
等合成潤滑油、各種変性シリコン油(エポキシ変性、ア
ミノ変性、アルキル変性、ポリエーテル変性等)、ポリ
オキシアルキレングリコール等の有機化合物とシリコン
の共重合体等のシリコン系潤滑性物質またはシリコン共
重合体、フルオロアルキル化合物各種界面活性剤、トリ
フルオロ塩化エチレン低重合物等のフッ素系潤滑性物
質、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等のワ
ックス類、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸アミド、
高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸塩、二硫化モリブデン
等が使用でき、その中でも特に、シリコン共重合体(樹
脂にシリコンをブロックやグラフトにより重合させたも
の)は良好である。これらの潤滑物質は、1種でもよい
が2種以上の混合によって使用してもよい。離型層の厚
さは、0.05μm〜10μm程度が好ましい。離型層
には公知の添加剤として紫外線吸収剤、酸化防止剤、光
安定化剤等を添加してもよい。
【0016】本発明の受像体は、これに画像が形成され
た後、加熱処理を施すことにより、受像体に移行した染
料が内部に拡散され、保存安定性や耐可塑剤性および耐
光性が向上する。これら加熱処理は1度でもよいが2回
以上加熱処理を行うと、保存安定性等はさらに向上す
る。
【0017】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明する。ここでの部は重量基準である。
【0018】実施例1〜5及び比較例1〜4 表1に示されるパルプ紙の表面に気泡含有ポリプロピレ
ンフィルム(トヨパールSL:東洋紡社製、厚さ50μ
m)をドライレミネート方式で積層粘着した。粘着剤に
はアクリル系粘着剤(ポリシック370−S:三洋化成
工業社製)を使用し、厚さは約3μmとした。続いて、
気泡含有ポリプロピレンフィルム上に染着性樹脂層塗液
1をワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥温度80℃で1
分間乾燥して受像体を作成した。
【0019】 (染着性樹脂層塗液1) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 15部 (ユニオンカーバイド社製、VAGH) キシレンジイソシアネートアダクト 5部 (武田薬品社製、タケネートD−110N) 無変性シリコーン油 0.5部 (トーレシリコーン社製、SH200、動粘度1000cs) アルコール変性シリコーン 0.5部 (トーレシリコーン社製、SF8427) トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0020】一方、厚さ1μmのシリコーン樹脂耐熱層
を裏面に有する6μm厚の芳香族ポリアミドフィルムの
表面に、ワイヤーバーを用いて中間接着層形成層を塗布
し、100℃で90秒間乾燥し、これを60℃で12時
間エージング処理を行い、厚さ1μmの中間接着層を形
成した。次いで厚さ3μmの染料供給層、厚さ1μmの
転写寄与層及び厚さ1μmの低染着性層を順次ワイヤー
バー塗布し、100℃で90秒間乾燥及び60℃で12
時間のエージング処理を行って積層せしめて、記録媒体
を得た。
【0021】 (中間接着層形成液) ポリビニルブチラール樹脂 10部 (積水樹脂社製、BX−1) イソシアネート化合物 5部 (日本ポリウレタン、コロネートL) トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部
【0022】 (染料供給層形成液) ポリビニルブチラール樹脂 10部 (積水樹脂社製、BX−1) イソシアネート化合物 5部 (日本ポリウレタン、コロネートL) 昇華性染料(日本化薬社製、R−3) 5部 エタノール 180部 正ブタノール 10部
【0023】 (転写寄与層形成液) ポリビニルブチラール樹脂 10部 (積水樹脂社製、BX−1) イソシアネート化合物 5部 (日本ポリウレタン社製、コロネートL) 昇華性染料(日本化薬社製、R−3) 5部 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部
【0024】 (低染着層形成液) スチレン−マレイン酸共重合体 10部 (BASF社製、スプラパールAP−30) B液 12部 テトラヒドロフラン 20部 メチルエチルケトン 95部 [B液の調製]ジメチルメトキシシラン15gとメチル
トリメトキシシラン9gとを、トルエン12gとメチル
エチルケトン12gとの混合溶液中に溶解し、3%硫酸
3gを加えて3時間加水分解を行った。
【0025】上記の記録媒体の低染着層と、受像体の受
像層(気泡含有ポリプロピレンフィルム)とを接するよ
うにして重ね合わせ、記録媒体の裏面からサーマルヘッ
ドで加熱エネルギーを変えて、以下の条件で画像記録を
行った。結果を表2に示す。 サーマルヘッド:6ドット/mm 記録出力:0.422w/ドット 受像体と記録体との速度比:n=1〜15
【0026】比較例4 表1に示されるパルプ紙を用い、これの表面に合成紙
(ユポFPG:王子油化製、厚さ150μm)をドライ
レミネート方式で積層粘着した以外は同様にして画像記
録を行った。結果を表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】実施例1では空隙を有するフィルムの比率
が30%であり実施例2は20%であるが、融着の特性
は同程度であった。染着性樹脂、空隙を有するフィルム
が同一であることから、パルプ紙に原因があると考えら
れる。フィルムの比率は20%より小さくなるとヘッド
圧により部分的に受像体が変形することによって接触面
積が増加し融着が発生していると考えているが、20%
以上であるため部分的変形が発生しにくくなりフィルム
がパルプ紙を圧縮するような状態になっていると考えて
いる。したがって圧縮されやすい密度の低いパルプ紙は
印字中にはヘッド圧がかかりパルプ紙が圧縮され、通常
測定したときよりもフィルムの比率が増加しているため
さらに部分的変形が発生しにくくなっていると考えられ
る。とくに実施例1で使用しているパルプ紙はコート紙
であるため表面に顔料と接着剤のコート層が設けられて
いるためパルプ紙自体の圧縮がしにくい状態であると考
えられ圧縮によるフィルム比率の増加が発生しにくいと
考える。実施例4は実施例2と同程度のフィルムの比率
でパルプ紙の密度が若干小さくなっていることから、融
着も若干良好となっている。実施例3、5ではフィルム
の比率が高くパルプ紙の密度もひくいため密度の効果が
出にくくなっている。
【0030】実施例6 実施例1の気泡含有ポリプロピレンフィルム(トヨパー
ルSL:東洋紡社製、厚さ50μm)の厚さを110μ
mとして用いたこと以外は、実施例1と同様にして受像
体を作成し、かつ画像記録を行なったところ、融着の発
生しない良好な画像が得られた。しかし、気泡含有フィ
ルムの厚さが110μmであるため、50μm厚である
実施例1と比較して、受像体として紙の感触が得られな
かった。
【0031】実施例7〜10 実施例1の気泡含有ポリプロピレンフィルム(トヨパー
ルSL:東洋紡社製、厚さ50μm)を表3に示される
厚さ50μmの気泡含有フィルムを用いた以外は、実施
例1と同様にして受像体を作成し、かつ画像記録を行っ
た。結果を表4に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】フィルムの熱収縮率を6%以下にすること
により、速度差モード記録が良好となり、フィルムの密
度により、高濃度な画像が得られた。
【0035】実施例11 実施例1の粘着剤アクリル系粘着剤(ポリシック370
−S:三洋化成工業社製)をアクリル酸−エステル共重
合体系粘着剤(オリバインBPS5454、BHS85
15:東洋インキ社製)を使用した以外は実施例1と同
様にして受像体を作成し、かつ画像記録を行ったとこ
ろ、融着が発生せず良好な画像が得られた。
【0036】実施例12 実施例1の気泡含有フィルムとパルプ紙とをドライレミ
ネート方式で積層粘着後、パルプ紙側に押出Tダイラミ
ネーション方式により厚さ30μmのポリエチレン層を
設けた以外は実施例1と同様にして受像体を作成し、か
つ画像記録を行ったところ、実施例1と比較してカール
が良好であった。
【0037】実施例13 実施例1の染着性樹脂層塗液1を下記の染着性樹脂層塗
液2とし、離型層塗液を樹脂層上にワイヤーバーを用い
て塗布し(厚さ0.5μm)、乾燥温度80℃で5時間
加熱処理を行った以外は実施例1と同様にして受像体を
作成し、かつ画像記録を行ったところ、融着が発生せず
良好な画像が得られた。 (染着性樹脂層塗液2) ポリビニルアセタール樹脂 4.7部 (積水化学社製:KS−1) トルエン 21.4部 メチルエチルケトン 64.3部 (離型層塗液) シリコン樹脂(東レシリコーン社製:SR2411) 16.65部 アクリルシリコンブロック共重合体 0.37部 (ナトコ社製:LDL500) 2−プロパノール 85.5部
【0038】実施例14 実施例1の染着性樹脂層塗液1を下記の染着性樹脂層塗
液3とした以外は実施例1と同様にして受像体を作成
し、かつ画像記録を行った。 (染着性樹脂層塗液3) ポリビニルアセタール樹脂 4.7部 (積水化学社製:KS−1) 無変性シリコーン油 0.31部 (トーレシリコーン社製、SH200、動粘度1000cs) アルコール変性シリコーン油 0.31部 (トーレシリコーン社製、SF8427) トルエン 21.4部 メチルエチルケトン 64.3部
【0039】実施例15 実施例13と同様の受像体を用いて画像記録を行った。
得られた画像と下記の加熱処理用シートの低染着性樹脂
層とが接するように重ね、下記の条件で加熱処理を行っ
た。 サーマルヘッド:6ドット/mm 記録出力:0.422w/ドット 受像体と記録体との速度比:n=1
【0040】(加熱処理用シートの作成)厚さ1μmの
シリコーン樹脂耐熱層を裏面に有する6μmの芳香族ポ
リアミドフィルムの表面にワイヤーバーを用いて中間接
着層形成層を塗布し、100℃で90秒間乾燥し、これ
を60℃で12時間エージング処理を行い、厚さ1μm
の中間接着層を形成した。次いで厚さ1μmの低染着性
層をワイヤーバー塗布し、100℃で90秒間乾燥し、
および、60℃で12時間エージング処理を行って積層
せしめて、加熱処理用シートを得た。
【0041】 [中間接着層形成液] ポリビニルブチラール樹脂 10部 (積水樹脂社製 同BX−1) イソシアネート化合物 5部 (日本ポリウレタン 同コロネートL) トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部
【0042】 [低染着層形成液] スチレン−マレイン酸共重合体 10部 (BASF社製 同スプラパールAP−30) B液 12部 テトラヒドロフラン 20部 メチルエチルケトン 95部
【0043】実施例1、13、14および15のつい
て、画像濃度が1.0の画像をキセノンランプにより1
5万ルクスで3日間の照射を行い、画像濃度残存率を測
定した結果を表5に示す。 画像濃度残存率(%)=(照射後画像濃度/照射前画像
濃度)×100
【0044】
【表5】 実施例1と13より離型層を設けることによって、融着
が良好となった。実施例1と4より樹脂をアセタール樹
脂にすることにより、融着に変化無く画像保存性が向上
した。実施例14と15により画像形成後加熱すること
により、さらに画像保存性が向上した。
【0045】
【発明の効果】請求項1、2の発明によれば、速度差モ
ード法において融着が発生せず高画質な画像が得られ
た。請求項3、4の発明によれば、さらに融着が発生し
にくくなり受像体と記録体の速度差を大きくすることが
でき、少ない記録体で高画質な画像が得られた。請求項
5の発明によれば、紙の感触に近い受像体が得られた。
請求項6の発明によれば、画像濃度が高い画像が得られ
た。請求項7、8、9の発明によれば、さらに融着が発
生しにくくなり受像体と記録体の速度差を大きくするこ
とができ、少ない記録体で高画質な画像が得られた。請
求項10の発明によれば、受像体のカールが発生しにく
くなり、取り扱いやすくなった。請求項11の発明によ
れば、画像保存性が良好な画像が得られた。請求項12
の発明によれば、さらに融着が発生しにくくなり受像体
と記録体の速度差を大きくすることができ、少ない記録
体で高画質な画像が得られた。請求項13の発明によれ
ば、画像保存性が良好な画像が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 秀洋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱転写受像体の移動速度に対する熱転写
    記録媒体の相対移動速度を1/n倍(n>1)とする速
    度差記録用に用いられる熱転写受像体であって、少なく
    ともパルプ紙と空隙を有するフィルムとの積層からな
    り、厚さが100μm以上300μm以下で、かつ、パ
    ルプ紙と空隙を有するフィルムの総厚に対する該空隙を
    有するフィルムの厚さが下記(1)の条件を充たすこと
    を特徴とする熱転写受像体。 【数1】
  2. 【請求項2】 空隙を有するフィルム層上に染着性樹脂
    層を設けたことを特徴とする請求項1記載の熱転写受像
    体。
  3. 【請求項3】 パルプ紙の比重が1.0g/m3以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の熱転写受像
    体。
  4. 【請求項4】 パルプ紙の比重が0.9g/m3以下で
    あることを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱転写
    受像体。
  5. 【請求項5】 空隙を有するフィルムの厚さが75μm
    以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の熱転写受像体。
  6. 【請求項6】 空隙を有するフィルムが下記(2)の条
    件を充たす密度Dを有することを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の熱転写受像体。 【数2】 (Do−D)/Do>0.30 (2) (式中、Doは空隙を有するフィルムと同一材料の気泡
    を含まないプラスチックフィルムの密度を示す。)
  7. 【請求項7】 空隙を有するフィルムの熱収縮率が6%
    以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の熱転写受像体。
  8. 【請求項8】 パルプ紙と空隙を有するフィルムとが接
    着剤により重合されていることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の熱転写受像媒体。
  9. 【請求項9】 接着剤が硬化樹脂であることを特徴とす
    る請求項8記載の熱転写受像媒体。
  10. 【請求項10】 パルプ紙の、空隙を有するフィルムと
    反対側の面に、樹脂層が設けてあることを特徴とする請
    求項1〜9のいずれかに記載の熱転写受像媒体。
  11. 【請求項11】 染着性樹脂層がアセタール樹脂を主成
    分とすることを特徴とする請求項2〜10のいずれかに
    記載の熱転写受像体。
  12. 【請求項12】 染着性樹脂層上にさらに離型層を設け
    たことを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の
    熱転写受像体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の熱
    転写受像体に画像を形成後、この受像体を再加熱するこ
    とを特徴とする熱転写記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006115176A1 (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 熱転写受像シート、および、熱転写受像シートの製造方法
JP2020055192A (ja) * 2018-10-01 2020-04-09 凸版印刷株式会社 熱転写受像シート及びその製造方法

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