JP2916638B2 - 熱転写用受像体およびその製造方法 - Google Patents

熱転写用受像体およびその製造方法

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JP2916638B2 JP1008895A JP889589A JP2916638B2 JP 2916638 B2 JP2916638 B2 JP 2916638B2 JP 1008895 A JP1008895 A JP 1008895A JP 889589 A JP889589 A JP 889589A JP 2916638 B2 JP2916638 B2 JP 2916638B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱転写用受像体に関し、さらに詳しくは、高
画質かつ高濃度の画像を形成し得ると共に、カール等の
変形のない熱転写用受像体を提供せんとするものであ
る。
〔従来の技術〕
近年、パーソナルコンピュータ、テレビジョン、VT
R、ビデオディスク等が普及することにより、これらの
カラー画像を手軽にプリントするカラープリンターの需
要が年々増加している。このカラープリンターの記録方
式としては、電子写真方式、インクジェット方式、熱転
写方式などがあるが、これらの中で、騒音の無いこと、
保守が容易であること、装置が低コストであることなど
の特長から熱転写方式が多く用いられている。
この熱転写方式は、常温で固体あるいは半固体の色材
層を有する熱転写シートと熱転写用受像体を用い、転写
方式の違いにより溶融型と昇華型に分けられる。溶融型
熱転写方式は顔料または染料を熱溶融性のワックスで結
着した色材層を有する熱転写シートを用い、サーマルヘ
ッド等からの熱エネルギーにより溶融したワックスと共
に顔料または染料を熱転写用受像体に転写するもので、
この方式では基本的に2値記録しかできないために中間
調が得にくく、更に転写したワックスのために鮮明な色
調が得られ難いという欠点がある。一方、昇華型熱転写
方式は従来の昇華転写捺染技術を応用したもので、比較
的昇華し易い材料(以下昇華性染料という)をバインダ
ーで結着した色材層を有する熱転写シートを用い、サー
マルヘッド等からの熱エネルギーにより、昇華性染料の
みを熱転写用受像体に昇華、蒸発、拡散等により熱移行
(以下昇華移行という)せしめることによりカラープリ
ントが得られる。この時サーマルヘッド等からの熱エネ
ルギー量に対応して昇華性染料の昇華移行量が変化する
ために、容易に中間調が得られ、且つ随意に階調を制御
することができるという利点があり、フルカラー記録に
最も適した方式と考えられている。
この昇華型熱転写方式で用いられる熱転写シートとし
ては、特開昭59−14994号に記載されているように、昇
華性染料をポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂等の熱可塑性樹脂で結着した色材層を
基材フィルム上に設けたものが知られている。
一方、該記録方式で用いられる熱転写用受像体として
は、特開昭57−107885号に記載されているように、昇華
性染料に染着されやすく、且つ定着性の良い飽和ポリエ
ステル樹脂等の熱可塑性樹脂を含有して成る染着層を基
体上に設けて成る熱転写用受像体が一般に知られてい
る。さらに基体としては、表面に多孔質層を有するポリ
プロピレン系合成紙が一般に用いられているが、これを
用いた熱転写用受像体は転写画像の白ぬけ等がなく高画
質であり、基体としポリエステルフィルムや天然紙を用
いたものよりも高濃度の画像が得られる特徴がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、画像形成の際にサーマルヘッド等の圧
着加熱により、基体の印画面側からのみ加熱を受け、し
かもサーマルヘッドの表面温度が250℃以上にもなるた
め、表面に多孔質層を有するポリプロピレン系合成紙を
基体として用いた熱転写用受像体は印画面が大きく熱収
縮し、カール等の変形が起こる欠点があった。
これに対して、ポリエステルフィルム等の耐熱性が高
く、剛性の大きなフィルムを基体として用いる試みがな
され、印画による変形がほとんどないことが示された
が、濃度、画質の点で上記ポリプロピレン系合成紙を基
体として用いたものには及ばなかった。
本発明の課題は、上記問題を解決することにあり、ポ
リプロピレン系合成紙の利点とポリエステルフィルム等
の基体の利点を兼備して、これ等夫々の欠点のない受像
体、換言すれば高濃度、高画質の画像を形成し得ると共
に、カール等の熱による変形のない熱転写用受像体を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、基体として3個の基体シートを積層した
ものを用い、各々の基体シートを1層以上の層から構成
し、基体の中心面に対して対称な位置にある1対の基体
シートを同一の層構成とし、しかも該中心面に対して対
称な層構成となるように配置し、中央の基体シートを自
身の基体シートの中心面に対して対称な層構成とし、染
着層に接する基体シートの染着層に接する面の表面縦弾
性率を14kgf/cm2以下且つ熱伝導率が3.5×10-4cal/cm・
sec・℃以下にあらしめ、中央の基体シートの熱収縮率
が0.3%以下にあらしめることにより解決される。
〔作用〕
本発明受像体(1)は基体的には第1図に示すよう
に、染着層(2)及び基体(3)から成っており、この
基体(3)は中央の基体シート(3b)を中心にして染着
層(2)と接する基体シート(3a)及び、該基体シート
(3a)と対称な位置にあり、且つ中央の基体シート(3
b)の下側にある基体シート(3C)から成っている。そ
して基材フィルム(6)上に昇華性染料を含有して成る
色材層(7)を設け熱転写シート(5)を、熱転写用受
像体(1)と重ね合わせ、サーマルヘッド(4)を加熱
することにより、色材層(7)に含有される昇華性染料
を染着層(2)に昇華移行せしめて画像形成させる。
ここで、本発明に於いて規定する物性値について説明
する。表面縦弾性率とは、常温におけるごく表層部分の
縦弾性率をいうが、さらに加圧される表面積を1mm2
小さくなし、さらに一般的な熱転写プリンタのヘッド圧
と同程度の圧力で5kgf/cm2となるようにしたときのひず
み量より算出される。これはサーマルヘッドを用いて画
像形成する際、一画素の接触面積がかなり微小であるこ
とを反映させたものであると共にさらにごく表面部分の
みの圧縮弾性率を評価したものであって、実際の系によ
り近いものである。なお、この物性はTMA(熱機械分
析)により得ることができる。次に熱伝導率は常温にお
けるものであり一般に行われているレーザーフラッシュ
法により得られるものである。また、熱収縮率は試料を
温度100℃で3分間加熱後、室温下に5分間放置した時
の収縮率をいう。
本発明受像体の基体は上記の通り三層の基体シートか
ら成るものであり、これ等3つの基体シートは夫々次の
様な構成を採っている。即ち (イ)染着層(2)に接する上部の基体シート(3a)の
面の表面縦弾性率が14kgf/cm2以下で且つ熱伝導率が3.5
×10-4cal/cm・sec・℃以下であること、 (ロ)中央の基体シート(3b)の熱収縮率が0.3%以下
であること、 (ハ)基体の水平方向の中心面に対し、基体シート(3
a)及び(3c)はお互いに対称な層構成であると共に同
一の層構成を有すること、 (ニ)基体シート(3b)自体の中心面に対して、該基体
シート(3b)自体が対称な層構成を有すること である。
本発明に於いては、染着層(2)に接する上部の基体
シート(3a)の染着層(2)側の面の表面縦弾性率を上
記特定の値とすることにより、クッション性を賦与する
ため、サーマルヘッドとの密着性が良好となり、また熱
伝導率を上記の如く小さくしたので保温効果が大きくな
り、画像形成の際、染着層(2)が充分加熱されるた
め、転写画像の白ぬけ等のない高画質、高濃度画像が得
られる。しかし乍ら反面熱収縮しやすい傾向がある。こ
のため中央に位置する中央の基体シート(3b)の熱収縮
率を上記の如く小さくし、上記基体シート(3a)の熱収
縮による変形を吸収して有効に防止する。
この効果により、熱転写用受像体(1)は画像形成に
際してカールが起こらない。
また、上部の基体シート(3a)と下部の基体シート
(3c)は同一の層構成となし、しかも基体(3)の中心
面に対して対称な層構成となるように配置すること、及
び中央の基体シート(3b)は自身の基体シートの中心面
に対して対称な層構成となしたことにより、基体(3)
全体としてバランスがとれ、上下に差異がないので、高
温および/または高湿下に保存されてもカール等の変形
は起こらない。
本発明に於いて、基体シート(3a)と基体シート(3
c)とは、同一の層構成を有することが必要である。こ
こで層構成が同一とは、基体シート(3a)及び(3c)を
構成する層自体が同じ構造を成していることと共に層の
数が同一であることを意味し、第1図ではいずれも同じ
構造の層(3a)と(3c)とが夫々一層から成っている。
この基体シート(3a)及び(3c)は一層構成でも良く、
また2層以上の層構成でも良い。
またこれ等両基体シートは、これを配置するに際して
は基体の中心面に対して対称になるように配置積層する
ことが必要である。
これ等により全体として基体が中心面に対しバランス
良く対称な構成となり、高温下または/および高湿下に
保存されてもカール等の変形は生じない。
これ等基体シート(3a)は染着層と接する面の表面縦
弾性率が14kgf/cm2以下且つ熱伝導率が3.5×10-4cal/cm
・sec・℃以下であることが必要であり、表面縦弾性率
が14kgf/cm2より大きいの場合には充分なクッション性
が得られず、サーマルヘッドの密着が不充分となり、満
足な印画濃度が得られないばかりでなく、転写画像の白
ぬけ等も発生し、充分な画質が得られない。また、熱伝
導率が3.5×10-4cal/cm・sec・℃より高くなると充分な
保温効果が得られず、満足な印画濃度が得られない。尚
本発明に於いては基体シート(3a)と(3c)とは同じ構
造を有するものであるため、必然的に基体シート(3c)
も上記の物性を満足するものが使用されることとなる。
また、基体シート(3a)と基体シート(3c)が異なった
層構成である場合には、高温および/または高湿下の保
存によりカール等の変形が起き易くなる。これ等シート
はたとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニリデン、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、ポリイソブテン、ポリクロロプレン等のフィル
ム、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレ
タン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリメタク
リレート等のうちから選ばれる発泡体または多孔質体の
シート、あるいは以上のうちから選ばれた2つ以上の積
層体等を用いることができるが、これらに限られるもの
ではない。
本発明の中央の基体シート(3b)としては、先に述べ
た通りそれ自身基体シートの中心面に対して対称な層構
成であり、熱収縮率が0.3%以下のシートならば幅広く
用いることができる。このように中心面に対して対称な
層構成となっているために、基体シート(3a)及び(3
c)と相まって基体全体のバランスがとれ、保存下での
カールの防止が有効に達成される。また熱収縮率が0.3
以下であるため、熱収縮が生じ難く安定した印画が可能
となる。例えば、プラスチックフィルムとして、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリイミド等のフィルムが
挙げられ、またセルロース繊維紙として、上質紙、アー
ト紙、コート紙、模造紙、含浸紙等が挙げられる。さら
に、これらは単独で用いても良いが、両面にポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル等をラミネートし
た、ライミネートフィルム、あるいはラミネート繊維紙
として用いても良い。また、高濃度画像の形成のために
著しい加熱がなされる場合に、基体シート(3a)に大き
な熱収縮が起こり、中央の基体シート(3b)の表面の凹
凸に沿って基体シート(3a)が波打ち、結果として印画
面の表面平滑性が損なわれる場合がある。これは基体シ
ート(3a)の熱収縮率が大きく、厚さが小さい場合に起
こり易い。このような場合には、中央の基体シート(3
b)の染料の転写を受ける側の面のベック平滑度を3000
秒以上とすることが好ましい。
本発明の基体シート(3a)と基体シート(3c)は高温
および/または高湿下のカールを低減するためバランス
をとる必要からほぼ同一の厚さとするのが好ましい。ま
た、中央の基体シート(3b)の厚さは基体シート(3a)
または基体シート(3c)の厚さ以上であることが好まし
く、それより小さければ中央の基体シート(3b)が基体
シート(3a)の熱収縮を吸収する効果が小さくなる。さ
らに、基体(3)の全体としての厚さが100μm乃至250
が好ましく、これより小さい場合には剛性が小さすぎる
ため、カールに関して本発明の効果が充分に得られず、
250μmより大きくなると本発明の効果を妨げるもので
はないが、コスト的に不利となる。
本発明の基体(3)中の任意の基体シートに上記各要
件を満足する範囲で白色顔料を練り込むことを妨げな
い。白色顔料としては、白色度を向上させ、隠蔽性を付
与するものであれば幅広く用いることができ、例えばチ
タン白、亜鉛華、アルミナ白、シリカ白、炭酸カルシウ
ム等が挙げられる。
また本発明の基体(3)は透明のものを用いても良
く、オーバーヘッドプロジェクト(OHP)用としての用
途として好適である。
本発明の染着層(2)としては、昇華性染料に染着さ
れやすく、定着性の良いものであれば幅広く用いること
ができ、例えば飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ア
クリル樹脂、セルロース樹脂等を挙げることができ、単
独であるいは任意の比率で混合して用いることができる
が、これらに限られるものではない。染着層(2)は上
記樹脂を適当な溶剤に溶解させるか、あるいはエマルジ
ョンとし、上部の基体シート(3a)上にロールコータ、
リバースコータ、ファンテンコータ、グラビアコータ、
バーコータ等の塗工機で塗布、乾燥して設けられる。ま
た熱可塑性のものであれば熱溶融し、アキュメータ等の
押出し塗工により設けても良い。染着層(2)の厚さ
は、乾燥塗布量で0.3g/m2乃至1.5g/m2が好ましく、これ
未満では効果的な染着性が得られず、またこれより多く
なると基体(3)との充分な密着が得られ難い。また、
染着層(2)は画像形成の際に色材層(7)と熱融着す
ることがあるが、これを防止するために染着層(2)を
一部架橋させたり、あるいは染着層(2)上にシリコー
ン等の離型剤あるいは滑剤を含有して成る離型層を設け
ても良い。
本発明の基体(3)は第2図に一例を示すように複数
の基体シートの間に接着剤より成る接着層(8)を設け
て貼り合せることにより簡便に製造することができ、容
易に、しかも低コストで本発明の熱転写用受像体(1)
を提供できる。接着層(8)に用いる接着剤としては、
溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型など任意に選
択すればよく、また感圧性接着剤として用いてもよい。
例えば、酢酸ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、メタ
クリル系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合系接着剤
等が挙げられるが、これに限られるものではない。
さらに、第3図に一例を示すように任意の接着層
(8)と、該接着層に隣接した基体シートのうちで染着
層(2)からより遠い基体シートとの間に剥離層(9)
を設けても良く、この方法により得られた熱転写用受像
体(1)は画像形成後、剥離層とそれと接する接着層の
間で剥離し、任意の場所に貼り付けて使用するシール用
としての用途に用いることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこの実
施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は
重量部を示す。
実施例1 透明のポリプロピレンフィルム(厚さ80μm、表面縦
弾性率(13.1kgf/cm2、熱伝導率は3.2×10-4cal/cm・se
c・℃)の片面にアクリル系接着剤を乾燥塗布量が10g/m
2となるようにアプリケータで塗布、乾燥し、その面に
透明のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μ
m、熱収縮率0.2%)を重ね、ロールを100℃に加熱した
ラミネータにより貼り合わせた。さらに、上記ポリエチ
レンテレフタレートフィルムのポリプロピレンフィルム
を貼り合わせていない面に、上記接着剤を上記と同様に
塗布、乾燥し、その面に別の上記と同じポリプロピレン
フィルムを上記と同様に貼り合わせて基体を得た。次
に、上記基体上に下記組成の染着層組成液をアプリケー
タにより乾燥塗布量が10g/m2となるよう塗布し、乾燥し
て染着層を設けた。
染着層組成液 線状飽和ポリエステル樹脂 20部 (軟化点163℃) トリレンジイソシアネート 3部 トルエン 77部 つづいてこの上に紫外線硬化型シリコーン樹脂の1%
ヘキサン溶液を乾燥塗布量が0.1g/m2となるようにバー
コータにより塗布し、乾燥後、高圧水銀ランプ(800W)
により紫外線を30秒間照射し、離型層を形成して熱転写
用受像体(OHP用)を得た。
実施例2 下記に示す組成の感圧性接着剤配合物132部を窒素雰
囲気下で撹拌しつつ、過酸化ベンゾイル0.1部を加えた
後、60℃〜70℃に加熱して4時間反応させ、更に70〜80
℃で2時間熟成して重量平均分子量40万の共重合物溶液
を得た。
感圧性接着剤用配合物 アクリル酸n−ブチル 50部 アクリル酸2−エチルヘキシル 50部 アクリル酸 2部 トルエン 30部 次に、この溶液の固型分100部に対して、ブトキシメ
チルメラミン樹脂2部、トリレンジイソシアネート1
部、トルエン200部を加え、充分に混合して感圧性接着
剤用配合物を得た。
次に、ポリプロピレンフィルム(厚さ60μm、表面縦
弾性率(13.1kgf/cm2は熱伝導率は3.2×10-4cal/cm・se
c・℃)の片面に、上記感圧性接着剤用配合物を乾燥塗
布量が10g/m2となるようにアプリケータで塗布、乾燥し
た。一方、白色ポリエチレンテレフタレートフィルム
(厚さ75μm、熱収縮率0.2%)の片面に熱硬化型シリ
コーン樹脂の1%ヘキサン溶液を塗布、乾燥し、150℃
で3分間熱処理を行った後、この面と上記ポリプロピレ
ンフィルムの感圧性接着剤塗布面を対向させ、常温でラ
ミネータにより貼り合わせた。さらに、この白色ポリエ
チレンテレフタレートフィルムのポリプロピレンフィル
ムを貼り合わせていない面に上記感圧性接着剤用配合物
を上記と同様に塗布、乾燥し、その面に上記と同じポリ
プロピレンフィルムを上記と同様に貼り合せて基体を得
た。次に、この基体の白色ポリエチレンテレフタレート
フィルムのシリコーン処理を施した側の面に貼り合わせ
たポリプロピレンフィルムの接着剤を設けていない側の
面に接着層を、さらにその上に離型層を実施例1と同様
に設けて熱転写用受像体(シール用)を得た。
実施例3 ポリプロピレン合成紙(厚さ60μm表面縦弾性率11.8
kgf/cm2、熱伝導率は2.9×10-4cal/cm・sec・℃)の片
面に実施例1で用いた接着剤を実施例1と同様に塗布、
乾燥し、その面に模造紙(厚さ60μm、熱収縮率0.1
%、ベック平滑度両面共800秒)を実施例1と同様に貼
り合わせ、さらに上記模造紙のポリプロピレン合成紙を
貼り合わせていない面に実施例1で用いた接着剤を実施
例1と同様に塗布し、乾燥し、その面に上記と同じポリ
プロピレン合成紙を実施例1と同様に貼り合わせて基体
を得た。次に、上記基体上に染着層、さらにその上に離
型層を実施例1と同様に設けて熱転写用受像体を得た。
実施例4 下記に示す組成の多孔質体配合物を充分に攪拌混合
し、この混合物を2軸混練機により充分に混練して得た
組成物を常法により造粒した。
多孔質体配合物 低密度ポリエチレン 100部 (メルトインデックス2.0、密度0.93) エチレン−プロ
ピレンターポリマー 200部 炭酸カルシウム 40部 (平均粒径2μm、脂肪酸処理) ステアリン酸 1.6部 この組成物を溶融して65φのインフレーション押出し
機によりフィルム化した。かくして得られたフィルムを
ロール延伸機により逐次二軸延伸法で二軸延伸(延伸倍
率200部、延伸温度60℃、延伸速度6m/min)を行うこと
により、ポリエチレン多孔質フィルム(厚さ60μm、表
面縦弾性率12.3kgf/cm2、熱伝導率3.3×10-4cal/cm・se
c・℃)を得た。
このようにして得られたポリエチレン多孔質フィルム
の片面に実施例1で用いた接着剤を実施例1と同様に塗
布、乾燥し、その面にコート紙(厚さ70μm、熱収縮率
0.2%、ベック平滑度両面共4000秒)を実施例1と同様
に貼り合わせ、さらに上記コート紙のポリエチレン多孔
質フィルムを貼り合わせていない面に実施例1で用いた
接着剤を実施例1と同様に塗布、乾燥し、その面に上記
と同じポリエチレン多孔質フィルムを実施例1と同様に
貼り合わせて基体を得た。次に、上記基体上に染着層、
さらにその上に離型層を実施例1と同様に設けることに
より熱転写用受像体を得た。
実施例5 実施例3と同じポリプロピレン合成紙の片面に実施例
1で用いた接着剤を実施例1同様に塗布、乾燥し、その
面にラミネート紙(厚さ40μmのコート紙の両面に厚さ
20μmの低密度ポリエチレンをラミネートしたもの。熱
収縮率は0.2%、ベック平滑度は両面共12000秒)を実施
例1と同様に貼り合わせ、さらに上記ラミネート紙のポ
リプロピレン合成紙を貼り合わせていない面に実施例1
で用いた接着剤を実施例1と同様に塗布、乾燥し、その
面に上記と同じポリプロピレン合成紙を実施例1と同様
に貼り合わせて基体を得た。次に、上記基体上に染着
層、さらにその上に離型層を実施例1と同様に設けるこ
とにより熱転写用受像体を得た。
比較例1 ポリプロピレン合成紙(厚さ200μm、表面縦弾性率1
3.1kgf/cm2、熱伝導率3.2×10-4cal/cm・sec・℃、熱収
縮率は1.5%)の片面に染着層、さらにその上に離型層
を実施例1と同様に設けて熱転写用受像体を得た。
比較例2 白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ150
μm、表面縦弾性率21.7kgf/cm2、熱伝導率5.8×10-4ca
l/cm・sec・℃)の片面に染着層、さらにその上に離型
層を実施例1と同様に設けて熱転写用受像体を得た。
比較例3 白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ120
μm、熱伝導率0.2%)の片面に実施例1で用いた接着
剤を実施例1と同様に塗布、乾燥し、その面にポリプロ
ピレン合成紙(厚さ60μm)を実施例1と同様に貼り合
わせて基体を得た。つづいて上記基体のポリプロピレン
合成紙側の面に染着層、さらにその上に離型層を実施例
1と同様に設けて熱転写用受像体を得た。
実験例 下記配合のインク液をボールミルで24時間分散させ、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ6μm)上
にバーコータにより乾燥塗布量が3g/m2となるように塗
布、乾燥して熱転写シートを得た。
インク液 分散染料 カヤセットブルー136 15部 線状飽和ポリエステル樹脂 5部 (軟化点163℃) トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部 このようにして得られた、実施例1乃至実施例5およ
び比較例1乃至比較例3の各々の熱転写用受像体と熱転
写シートを用いて、解像度6ドット/mmのサーマルプリ
ンターにより、記録エネルギー6mJ/ドットで各々の熱転
写用受像体に画像形成を行った。つづいて、この熱転写
用受像体を第4図に示すように平坦な面(基準面)上に
置き、該熱転写用受像体(10)の基準面から最も離れた
位置と基準面との距離即ちカール高さ(h)を測定し、
印画後のカール(mm)とした。また、印画面の光学濃度
(印画濃度)を反射濃度計DM−4000(大日本スクリーン
製造(株))により測定した。さらに印画面を目視によ
り観察し、印画面のざらつきの有無を評価した。一方、
各々の画像形成を行っていない熱転写用受像体を温度60
℃、湿度90%RHの条件の恒温恒湿器に24時間投入し、常
温下1時間放置後、上記と同様にカール高さを測定し、
保存後のカール(mm)とした。
以上の結果を第1表に示す。従来の熱転写用受像体で
ある比較例1は印画後のカールが大きく、また比較例2
は印画濃度が低く転写画像の白ぬけが見られたが、本発
明の実施例1乃至実施例5はいずれも印画後のカールが
ほとんどなく、適正な印画濃度が得られた。しかし、第
1図に示す中央の基体シート(3b)の厚さが基体シート
(3a)または基体シート(3c)の厚さよりも小さい構成
の実施例1の印画後のカールは、他の実施例に比べてわ
ずかに大きかった。また、中央の基体シート(3b)のベ
ック平滑度が800秒である実施例3では、印画面のざら
つきが若干見られた。また、基体の中心面に対して対称
でない基体構成である比較例3では、保存後のカールが
大きくなったが、本発明の実施例では0mmであった。な
お、実施例1及び実施例2の熱転写用受像体はそれぞ
れ、OHP用、シール用として使用し得ることを確認し
た。
〔発明の効果〕 以上、詳細に説明してきた様に、本発明によれば、用
いる基体が3個の基体シートを積層したものであり、少
なくとも染着層と接する面のクッション性が大きく、且
つ熱伝導率が小さくさらに中央の基体シートの熱収縮率
が小さいので、高濃度、高画質の画像を形成し得ると共
にカール等の熱による変形のない熱転写用受像体が得ら
れる。また任意の基体シートを接着剤で貼り合わせると
いう製造方法を用いているので、簡便に、容易に、しか
も低コストで本発明受像体を製造出来るという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の熱転写用受像体の一実施例を示す断面
図である。 第2図は本発明の熱転写用受像体の接着層を設けた場合
の一実施例を示す断面図である。 第3図は本発明の熱転写用受像体をシール用に応用した
場合の一実施例を示す断面図である。 第4図は本発明の熱転写用受像体のカール高さを測定す
る方法を説明する図面である。 (1)……熱転写用受像体 (2)……染着層 (3)……基体 (3a)……上部の基体シート (3b)……中央の基体シート (3c)……下部の基体シート (4)……サーマルヘッド (5)……熱転写シート (6)……基材フィルム (7)……色材層 (8)……接着層 (9)……剥離層
フロントページの続き (72)発明者 大原 周一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 天羽 悟 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 平2−38089(JP,A) 特開 平2−106391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体および染着層から成る熱転写用受像体
    に於いて、該基体が3個の基体シートから成るものであ
    り、これら3個の基体シートは夫々、 (イ)染着層に接する上部の基体シートの面の表面縦弾
    性率が14kgf/cm2以下で且つ熱伝導率が3.5×10-4cal/cm
    ・sec・℃以下であり、 (ロ)中央の基体シートの熱収縮率が0.3%以下であ
    り、 (ハ)基体の水平方向の中心面に対し、上部及び下部の
    基体シートはおたがいに対称な層構成であると共に同一
    の層構成を有するものであり、且つ、 (ニ)中央の基体シート自体の中心面に対して、該基体
    シート自体が対称な層構成を有するもの であることを特徴とする熱転写用受像体。
  2. 【請求項2】上記熱転写用受像体において、基体の中心
    面に対して対称な位置にある上部と下部の夫々の基体シ
    ートの厚さがほぼ同一であると共に、中央の基体シート
    の厚さ以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱
    転写用受像体。
  3. 【請求項3】上記熱転写用受像体において、基体全体の
    厚さが100μm〜250μmであることを特徴とする請求項
    1または2に記載の熱転写用受像体。
  4. 【請求項4】上記熱転写用受像体において、中央の基体
    シートの該染料の転写を受ける側の面のベック平滑度が
    3000秒以上であることを特徴とする請求項1乃至3項の
    いずれかに記載の熱転写用受像体。
  5. 【請求項5】上記熱転写用受像体において、中央の基体
    シートがセルロース繊維紙を含むことを特徴とする請求
    項1乃至4項のいずれかに記載の熱転写用受像体。
  6. 【請求項6】上記熱転写受像体において、中央の基体シ
    ートがポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドの
    うちから選ばれるプラスチックのフィルムを含むことを
    特徴とする請求項1乃至4項のいずれかに記載の熱転写
    用受像体。
  7. 【請求項7】上記熱転写用受像体において、中央の基体
    シートがセルロース繊維紙の両面にポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリエステルのうちから選ばれたプラスチ
    ックのフィルムを積層して成ることを特徴とする請求項
    5に記載の熱転写用受像体。
  8. 【請求項8】上記熱転写用受像体において、染着層と接
    する基体シートがポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
    塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリイ
    ソプレン、ポリイソブテン、ポリクロロプレンのうち少
    なくとも一つ、あるいはポリエチレン、ポリプロピレ
    ン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレー
    ト、ポリメタクリレートのうちから選ばれる発泡体また
    は多孔質体、あるいは以上のうちから選ばれた2つ以上
    の積層体であることを特徴とする請求項1乃至7項のい
    ずれかに記載の熱転写用受像体。
  9. 【請求項9】上記熱転写受像体において、上記基体シー
    トを接着層を介して形成した請求項1乃至8項のいずれ
    かに記載の熱転写用受像体。
  10. 【請求項10】上記熱転写用受像体において、任意の接
    着層と、該接着層に隣接した基体シートのうちで染着層
    からより遠い基体シートとの間に剥離層を設けたことを
    特徴とする請求項9項に記載の熱転写用受像体。
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