JP4512053B2 - 感熱転写方式を用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
1)支持体上に、(a)ポリエステルおよび/またはポリカーボネート系ポリマー、(b)塩化ビニル系ポリマー、および(c)ポリマーラテックスからなる群より選択される少なくとも1種の重合体を含有する受容層を少なくとも1層有する感熱転写受像シートと、2)支持体上に、下記一般式(2)または(3)で表されるアゾ色素を含有する熱転写層を有する感熱転写シートとを、前記1)の感熱転写受像シートの受容層と前記2)の感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせ、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
(3)前記1)における重合体が、(b)塩化ビニル系ポリマーであることを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(4)前記1)における重合体が、(c)ポリマーラテックスであることを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(5)前記(c)のポリマーラテックスが、塩化ビニル系ポリマーラテックスであることを特徴とする(4)に記載の画像形成方法。
(6)前記1)の感熱転写受像シートが、前記支持体と前記受容層の間に中空粒子を含む中間層を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(アゾ色素)
まず、感熱転写シートに用いる、一般式(2)または(3)で表されるアゾ色素について詳細に説明する。
Hammett則は、ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。Hammett則で求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編「Lange's Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域」増刊122号96〜103頁,1979年(南光堂)に詳しい。なお、本明細書において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもHammett則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことを意味する。また、本発明の一般式中には、ベンゼン誘導体ではないものも含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本明細書においてσp値をこのような意味で使用する。
本発明の画像形成方法に用いる感熱転写シートは、支持体上に、前記一般式(2)または(3)で表されるアゾ色素を含有する熱転写層を有する。該熱転写層は、該色素をバインダーと共に溶剤中に溶解することによって、あるいは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インクを支持体上に塗布して適宜に乾燥することにより形成することができる。用いることができるバインダー樹脂、インク溶媒、支持体、さらには受像シートについては、例えば、特開平7−137466号公報に記載されたものを好ましく用いることができる。
色素層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。また熱転写層の塗布量は、0.1〜1.0g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.60g/m2である。熱転写層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.0μmである。
支持体の厚みとしては、1〜10μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。
感熱転写シートの詳細については、例えば特開平11−105437号公報の段落番号0017〜0078に記載されており、本発明においても適用することができる。
次に、本発明の画像形成方法に用いられる感熱転写受像シート(受像シート)について説明する。
本発明に用いられる感熱転写受像シートは、支持体上に染料受容層(受容層)が形成されている。受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成されていてもよい。また、下地層と支持体との間には断熱層が形成されていることが好ましい。さらに、支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。また、受容層は水を主たる媒体として塗布されて形成されることが好ましい。ここで、「水を主たる媒体とする」とは、水を媒体全体の40質量%以上、好ましくは60〜95質量%含むという意味である。
[熱可塑性樹脂]
本発明において、受容層に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル・ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー・ポリ酢酸ビニル・エチレン酢酸ビニル共重合体・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体・ポリアクリルエステル・ポリスチレン・ポリスチレンアクリル等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール・ポリビニルブチラール・ポリビニルアセタール等のアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン(プラクセルH−5、商品名、ダイセル化学工業(株)製)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、特開平4−296595号公報や特開2002−264543号公報に記載セルロース系樹脂やセルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、CAB321−0.1、いずれも商品名、イーストマンケミカル社製)等のセルロース系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、尿素樹脂・メラミン樹脂・ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、相溶する範囲内で任意にブレンドして用いることもできる。特開昭57−169370号、同57−207250号、同60−25793号の各公報等にも受容層を形成した樹脂が開示されている。
受容層に用いられるポリエステル系ポリマーについて、さらに詳しく説明する。ポリエステルはジカルボン酸成分(その誘導体含む)とジオール成分(その誘導体を含む)との重縮合により得られるものである。ポリエステルポリマーは、芳香環および/または脂環を含有する。脂環式ポリエステルの技術については、特開平5−238167号公報に記載の技術が染料取り込み能と像の安定性の点で有効である。
受容層に用いられるポリカーボネート系ポリマーについて、さらに詳しく説明する。ポリカーボネートは、炭酸とジオールをユニットとするポリエステルを意味し、ジオールにホスゲンを反応させる方法あるいは炭酸エステルを反応させる方法等により合成できる。
受容層に用いられる塩化ビニル系ポリマー、特に塩化ビニルを用いた共重合体について、さらに詳しく説明する。
塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル成分含有率85〜97質量%で重合度200〜800のものが好ましい。塩化ビニルと共重合するモノマーには特に限定はなく、塩化ビニルと共重合できればよく、酢酸ビニルが特に好ましい。したがって、受容層に用いる塩化ビニル系ポリマーとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が優れているが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は必ずしも塩化ビニル成分と酢酸ビニル成分のみの共重合体である場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニルアルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであってもよい。このような塩化ビニルと酢酸ビニルを主単量体とする共重合体を構成する他の単量体成分としては、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニルなどのビニルアルコール誘導体;アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸およびメタクリル酸誘導体;マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸誘導体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。共重合体中にしめる塩化ビニルおよび酢酸ビニルの成分比は任意の比率でよいが、塩化ビニル成分が共重合体中で50質量%以上であるのが好ましい。また、先に挙げた塩化ビニルや酢酸ビニル以外の成分は10質量%以下であるのが好ましい。
本発明においては、上記以外にもポリマーラテックスを好ましく用いることができる。以下、ポリマーラテックスについて説明する。
本発明で用いる感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な塩化ビニルをモノマー単位として含む疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものが好ましい。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年);杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年);室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年);三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64−538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒子サイズは、好ましくは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度である。
分散粒子の粒子サイズ分布に関しては特に制限は無く、広い粒子サイズ分布を持つものでも単分散の粒子サイズ分布を持つものでもよい。
受容層においては、塩化ビニルをモノマー単位として含む共重合体ラテックスは層中の全固形分に占める比率で50%以上であることが好ましい。
Z−1:ベンジルアルコール
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
Z−4:ジエチレングルコール
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。なお、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用できる。
なお、本発明の受像シートにおけるポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
本発明においては、受容層中に乳化分散物(乳化物)を含有することが好ましい。特にポリマーラテックスを使用する場合に好ましい。
ここで、「乳化」とは、一般的に用いられる定義に従うものである。例えば、化学大辞典(共立出版株式会社)によれば「乳化」とは「ある液体の中にこれと溶け合わない別の液体が細粒として分散し、エマルジョンを生成する現象」としている。また、「乳化分散物」とは「液体の小滴であって、それを溶かさない他の液体中に分散したもの」をいう。本発明において、好ましい「乳化分散物」は「水中に分散した油滴分散物」である。本発明の受像シートにおいて乳化分散物の含有量は、受像シート中に0.03g/m2〜25.0g/m2含まれることが好ましく、1.0g/m2〜20.0g/m2含まれることがより好ましい。
さらに該乳化分散物中に画像堅牢化剤、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。これらの化合物としては、特開2004−361936号公報に記載の一般式(B)、(Ph)、(E−1)〜(E−3)、(TS−I)〜(TS−VII)、(TS−VIIIA)、(UA)〜(UE)のいずれかで表される化合物が好ましい。また水不溶かつ有機溶媒可溶性の単独もしくは共重合体(特開2004−361936号公報の段落番号0208〜0234に記載化合物が好ましい)を含有してもよい。
受容層の感度を良くするため、可塑剤(高沸点有機溶剤)を添加することもできる。このような可塑剤としては、フタル酸エステル、リン酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステルなどのモノメリック型の可塑剤、アジピン酸、セバシン酸などとプロピレングリコールなどが重合したポリエステル型可塑剤など、一般的に塩化ビニル樹脂用の可塑剤として用いることのできるものが挙げられる。先に挙げた可塑剤は一般に低分子量であるが、他に塩化ビニルの高分子可塑剤として使用されるオレフィン系特殊共重合樹脂も使用することができる。このような用途に用いられる樹脂として、エルバロイ741、エルバロイ742、エルバロイHP443、エルバロイHP553、エルバロイEP4015、エルバロイEP4043、エルバロイEP4051(いずれも商品名、三井・デュポンポリケミカル(株)製)などで市販されているものを使用することができる。このような可塑剤は、樹脂に対し100質量%程度添加することもできるが、印画物のにじみ等の点でその使用量は30質量%以下であるのが好ましい。なお、ポリマーラテックスを使用する場合は、前述のように乳化分散物としてこれらの可塑剤を使用することが好ましい。
感熱転写受像シートの受像面に充分な剥離性能がない場合には、画像形成時にサーマルヘッドによる熱によって感熱転写シートと感熱転写受像シート(受像シート)が融着し、剥離時に大きな剥離音が発生したり、また、染料層が層ごと転写されたり、受容層が基材から剥離するいわゆる異状転写の問題が発生する。上記のような剥離性の問題を解決する方法としては、各種離型剤を受容層中に内添する方法、若しくは、受容層の上に別途離型層を設ける方法が知られている。本発明では、画像印画時の感熱転写シートと受像シートとの離型性をより確実に確保するために、離型剤を受容層に使用することが好ましい。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロン:登録商標)等の固形ワックス類;シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができ、フッ素系界面活性剤等に代表されるフッ素系化合物、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイルおよび/またはその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
なお、単色印画のハイライト部で染料バインダーが受容層に取られる異状転写を起こすことがある。また、従来、付加重合型シリコーンは、触媒の存在下で硬化反応を進行させるのが一般的であり、硬化触媒としては、鉄族、白金族の8族遷移金属錯体のほとんど全てが有効であることが知られているが、一般には白金化合物が最も効率がよく、通常はシリコーンオイルに可溶の白金錯体である白金触媒が好ましく使用される。反応に必要な添加量としては、1〜100ppm程度で充分である。
硬化変性シリコーンオイルは、受容層に添加しなくても、受容層の上に形成される離型層に添加してもよい。この場合は、受容層として、上述した様な熱可塑性樹脂を一種類以上使用して形成してもよく、またシリコーンを添加した受容層を使用してもよい。この離型層は、硬化型変性シリコーンを含有してなるが、使用するシリコーンの種類や使用方法は、受容層に使用する場合と同様である。また、触媒や遅延剤を使用する場合も、受容層中に添加するのと同様である。離型層は、シリコーンのみにより形成してもよいし、バインダー樹脂として、相溶性のよい樹脂と混合して使用してもよい。この離型層の厚みは、0.001〜1g/m2程度である。
受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。これらの層については、例えば特許第3585599号明細書、特許第2925244号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
断熱層(発泡層)は、サーマルヘッドを用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い感熱転写受像シートを得ることができる。
断熱層は樹脂と発泡剤とから形成される。断熱層の樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、変性オレフィン樹脂等公知の樹脂、あるいはそれらをブレンドしたものが使用できる。これらの樹脂を有機溶剤または水に溶解および/または分散させたものを塗工することにより断熱層を形成するが、断熱層塗工液は、発泡剤に影響を与えない水系塗工液であるのが好ましく、例えば、水溶性、水分散性、もしくはSBRラテックス、ウレタン系エマルジョン、ポリエステルエマルジョン、酢酸ビニルおよびその共重合体のエマルジョン、アクリルおよびアクリルスチレン等のアクリルの共重合体のエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン等のエマルジョン、またはこれらのディスパージョン等を用いることができるが、発泡剤として、後述するマイクロスフェアを使用する場合には、上述の樹脂中、酢酸ビニルおよびその共重合体のエマルジョン、アクリルおよびアクリルスチレン等のアクリルの共重合体のエマルジョンを使用するのが好ましい。
ここで、中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれかまたはそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。また、中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
本発明においては、断熱層中に、前記乳化分散物(乳化物)を含有することも好ましい。
支持体には、コート紙やWP紙(両面ラミネート紙)等を用いることができる。
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックスまたは高分子材料を片面または両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学工業(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムまたは高分子シートまたはフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、これらのシートまたはフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシートまたはフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
本発明の画像形成方法では、感熱転写受像シートの受容層と感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する。
具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、5〜12秒がより好ましい。
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。
熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所製、商品名、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。
(感熱転写シートの作製)
支持体として裏面に熱硬化アクリル樹脂(厚み1μm)により耐熱滑性処理が施された厚み6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を使用し、フィルムの表面側に下記組成の熱転写層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥時の塗布量が1g/m2となるように塗布して、支持体上に熱転写層を有する感熱転写シート1を作製した。
上記アゾ色素(5) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
(支持体Aの作製)
アカシアからなるLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)50質量部およびアスペンからなるLBKP50質量部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解し、パルプスラリーを調製した。
次いで、前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製 DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学(株)製サイズパインK)O.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
高沸点溶媒(下記のSOLV−5)を13.5g、下記のEB−9を19g、下記のB−47を9g、および酢酸エチルを20ml混合して、得られた溶液を1gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む20質量%ゼラチン水溶液250g中に高速攪拌乳化機 (ディゾルバー) で乳化分散し、水を加えて380gの乳化物Aを調製した。
上記のようにして作製した支持体A上に下層から順に、下記組成の中間層塗工液および下記組成の受容層塗工液を、それぞれの乾燥時の層厚みが中間層15μm1、受容層4μmとなるように塗布した。中間層に用いるポリマー、および塗布方法については、下記表2に記載した。
中空ポリマーラテックス 150質量部
(日本ゼオン (株) 製 MH5055)
(外径0.5μmの中空構造ポリマーの水分散体)
10%ゼラチン水溶液 50質量部
上記乳化物A 60質量部
NaOH pH8とするのに必要な量
ポリカーボネート樹脂 30質量部
(LEXAN−141、商品名、General Electric社製)
ポリエステル樹脂 70質量部
(バイロン200、商品名、東洋紡(株)製)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−300E)
塩化メチレン 400質量部
支持体Bとして合成紙(ユポFPG200、厚さ200μm、商品名、(株)ユポ・コーポレーション製)を用いた。この一方の面に下記組成の白色中間層塗工液をバーコーターにより塗布した後、白色中間層上へ上記受容層塗工液1を塗布した。塗布は、それぞれの乾燥時の塗布量が白色中間層が1.0g/m2、受容層が4.0g/m2となるように行い、各層の乾燥は110℃で30秒間行った。
<白色中間層塗工液>
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡(株)製) 10質量部
蛍光増白剤 1質量部
(Uvitex OB、商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
受容層塗工液を下記組成のものへ変更して、それ以外は感熱転写受像シート12と同様にして作製した。
<受容層塗工液>
フッ素系界面活性剤 1質量部
(Fluorad FC-170C、商品名、3M Corporation製)
ポリビニルアルコール 150質量部
(PVA−105、商品名、クラレ(株)製)
蒸留水 1000質量部
製造例1で作製した感熱転写シート1〜3、13〜16と製造例2で作製した感熱転写受像シート11〜13とを、感熱転写シートの熱転写層と感熱転写受像シートの受容層とが接するように重ね合わせた。感熱転写シートの背面側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス幅0.15〜15m秒、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を行い、感熱転写受像シートの受容層に色素を染着させた。次に、上記のようにして得られた記録済みの感熱転写受像シートを14日間、Xeライト(17000ルクス)で照射し、光堅牢性試験を行った。光堅牢性の評価は、ステータスA反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率(百分率)で行った。表2中には色素の残存率を示した。
(乳化分散物Bの調製)
高沸点溶媒(上記のSOLV−5)を11.0g、KF−96(信越化学(株)製))を9g、上記のEB−9を15.5g、上記のB−47を7.5gおよび酢酸エチルを20ml混合し、得られた溶液を1gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む20質量%ゼラチン水溶液250g中に高速攪拌乳化機 (ディゾルバー)で乳化分散し、水を加えて380gの乳化物Bの調製した。
受容層塗工液1の代わりに、下記の受容層塗工液2を用いた以外は、感熱転写受像シート11と同様に作製した。
塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂 100質量部
(ソルバインA、商品名、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−300E)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400質量部
受容層塗工液1の代わりに、前記受容層塗工液2を用いた以外は、感熱転写受像シート12と同様に作製した。
受容層塗工液1の代わりに、下記の受容層塗工液3を用いた以外は、感熱転写受像シート11と同様に作製した。
<受容層塗工液3>
塩化ビニル系ポリマーラテックス 50質量部
(日信化学工業 (株) 製、ビニブラン900)
塩化ビニル系ポリマーラテックス 10質量部
(日信化学工業 (株) 製、ビニブラン276改1)
上記乳化分散物B 3.5質量部
マイクロクリスタリンワックス
(日本精鑞(株)製、EMUSTAR042X) 5質量部
水 8質量部
NaOH pH8とするのに必要な量
製造例1で作製した感熱転写シート1〜3、13〜16と製造例3で作製した感熱転写受像シート21〜23とを、感熱転写シートの熱転写層と感熱転写受像シートの受容層とが接するように重ね合わせて、試験例1と同じ試験を行って画像の光堅牢性を評価した。表3中には色素の残存率を示した。
Claims (6)
- 1)支持体上に、(a)ポリエステルおよび/またはポリカーボネート系ポリマー、(b)塩化ビニル系ポリマー、および(c)ポリマーラテックスからなる群より選択される少なくとも1種の重合体を含有する受容層を少なくとも1層有する感熱転写受像シートと、2)支持体上に、下記一般式(2)または(3)で表されるアゾ色素を含有する熱転写層を有する感熱転写シートとを、前記1)の感熱転写受像シートの受容層と前記2)の感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせ、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
- 前記1)における重合体が、(a)ポリエステルおよび/またはポリカーボネート系ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記1)における重合体が、(b)塩化ビニル系ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記1)における重合体が、(c)ポリマーラテックスであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記(c)のポリマーラテックスが、塩化ビニル系ポリマーラテックスであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
- 前記1)の感熱転写受像シートが、前記支持体と前記受容層の間に中空粒子を含む中間層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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