JP5867228B2 - 熱転写シート、及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写シート、及び画像形成方法に関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての昇華型染料をプラスチックフィルム等の基材上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材上に染料受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する昇華型熱転写方式が知られている。この方法は昇華性染料を色材としているため中間調の再現性や階調性に優れており、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
熱転写時に染料の移行性を考慮して、昇華型熱転写方式で用いられる熱転写シートを構成する染料層は一般的に平滑に形成されていることから、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートの染料受容層との離型性が低い場合には、染料層が層として転写する異常転写の問題が発生する。また、染料層と染料受容層との間における摩擦力が大きすぎる場合には、染料層にシワが発生し得られる画像の品位が低下する問題がある。この染料層のシワによる画像の品質低下の問題は、染料層と染料受容層との間における摩擦力が大きすぎる場合のみならず、摩擦力が小さすぎる場合にも生じうる。したがって、染料層のシワの発生を防止するためには、染料層と染料受容層との摩擦力を最適化することが必要となる。
昇華型熱転写方式に用いられる熱転写受像シートとしては、溶剤系の染料受容層を備えた溶剤系の熱転写受像シートや、水系の染料受容層を備える水系の熱転写受像シートが知られている。溶剤系の熱転写受像シート上に形成された画像は、水系の熱転写受像シート上に形成された画像に対して光沢度が低く、また廃液等の処理による環境への影響等の問題等から、水系の熱転写受像シートの使用が増加傾向にある。ところで、水系の染料受容層は、溶剤系の染料受容層と比較して、染料層との離型性が低いことから、水系の染料受容層を備える熱転写受像シートと組合せて画像を形成する場合には、熱転写シートの染料層には、特に高い離型性が要求される。
このような状況下、例えば、特許文献1には、熱転写受像シートとの離型性に優れるシリコーンオイルを染料層に含有させた熱転写シートが提案されている。このような熱転写シートによれば、染料層にシリコーンオイルを含有させることで、上記水系の染料受容層を備える熱転写受像シート上に印画を行った場合であっても、異常転写を生じさせることなく画像の形成が可能となると考えられる。しかしながら、シリコーンオイルは少量の添加で染料受容層との摩擦力が非常に小さくなり、画像形成時に染料層にシワが生じ得られる画像の品質が低下してしまう問題がある。
また、特許文献2には、染料層にマイクロパウダータイプのポリエチレンワックスを含有させて離型性を向上させた熱転写シートが提案されている。しかしながら、上記の水系の染料受容層との間で望ましい摩擦力となるように、ポリエチレンワックスの配合量を調整した場合には、今度は離型性が不十分となってしまい、異常転写等の問題が発生することとなる。
つまり、熱転写シートの染料層に高い離型性を付与することと、染料受容層との間の摩擦力を最適化することはトレードオフの関係にあり、離型性を満足させようとした場合には、摩擦力を最適化させることができず、一方、摩擦力を最適化させようとした場合には、離型性が不十分となる。特に、水系の染料受容層を備える熱転写受像シート上に画像を形成する場合には、この双方の要求を同時に満足させることが困難である。
特開平9−257439号公報 特許第3123663号
本発明はこのような状況においてなされたものであり、染料受容層からの離型性が高く、かつ染料受容層との間の摩擦力を最適化することができ、異常転写やシワの発生を防止し得る熱転写シート、及び、異常転写やシワを防止し、印画品質の高い画像を形成することができる画像形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に染料とバインダー樹脂を含む染料層が設けられた熱転写シートであって、前記染料層は、ポリエチレンワックスとリン酸エステルとを更に含有し、前記ポリエチレンワックスは、前記バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.01質量%以上0.25質量%未満の範囲で含有され、前記リン酸エステルは、前記バインダー樹脂の固形分総量に対し、1質量%以上4質量%以下の範囲内で含有されていることを特徴とする。
また、前記熱転写シートが、水系の染料受容層を備える熱転写受像シートに印画を行うときに用いられるものであってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明の方法は、基材の一方の面にバインダー樹脂と染料を含む染料層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方面に染料受容層が設けられた熱転写受像シートを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、前記染料層は、ポリエチレンワックスとリン酸エステルとを更に含有し、前記ポリエチレンワックスは、前記バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.01質量%以上0.25質量%未満の範囲で含有され、前記リン酸エステルは、前記バインダー樹脂の固形分総量に対し、1質量%以上4質量%以下の範囲内で含有され、前記染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする。
本発明の熱転写シートによれば、染料受容層との離型性を向上させつつ、染料受容層との間の摩擦力を最適化することで異常転写やシワの発生を防止することができる。また、本発明の画像形成方法によれば、異常転写やシワの発生を防止することで、印画品質の高い画像を形成することができる。
本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の熱転写シートについて詳細に説明する。図1に示すように本発明の熱転写シート10は、基材1の一方の面にバインダー樹脂と染料とを含有する染料層2が設けられている。そして、本発明では、染料層2が、ポリエチレンワックスとリン酸エステルとを更に含有し、ポリエチレンワックスは、バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.01質量%以上0.25質量%以下の範囲で含有され、リン酸エステルは、バインダー樹脂の固形分総量に対し、1質量%以上4質量%以下の範囲内で含有されている点に特徴を有する。図1は、本発明の熱転写シート10の一例を示す概略断面図である。なお、図1では、基材の他方の面に背面層5が設けられているが、背面層5は本発明の熱転写シート10における任意の構成である。以下、本発明の熱転写シート10の各構成について具体的に説明する。
(基材)
本発明の熱転写シート10に用いられる基材1としては、ある程度の耐熱性と強度に加え、透明性を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
(染料層)
図1に示すように基材1上には染料層2が設けられている。染料層2は、バインダー樹脂、染料、ポリエチレンワックス、リン酸エステルを含有する。
<バインダー樹脂>
染料層2に含有されるバインダー樹脂について特に限定されることはなく、従来公知のバインダー樹脂を適宜選択して用いることができる。好ましいバインダー樹脂としては、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、染料の移行性等の観点から、ポリビニルアセタール樹脂や、ポリビニルブチラール樹脂を特に好適に使用することができる。
<染料>
染料層2には染料が含有されている。染料としては従来公知のものを適宜選択して用いることができる。染料としては、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
染料は、染料層2のバインダー樹脂の固形分総量に対し、50質量%以上350質量%、好ましくは80質量%以上300質量%であることが好ましい。昇華性染料の含有量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を超えると保存性等が低下することがある。
<ポリエチレンワックス>
染料層2には、上記バインダー樹脂、染料とともに、ポリエチレンワックスが、バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.01質量%以上0.25質量%以下の範囲で含有されている。
本発明では、染料層2にポリエチレンワックスを上記の量で含有させることで、染料層2と染料受容層との間の摩擦力の最適化が図られている。換言すれば、染料層2と染料受容層との摩擦力を最適化することによって、画像形成時に染料層2にシワが生ずることを防止できる。なお、ポリエチレンワックスの含有量が、バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.01質量%未満である場合には、染料層2と染料受容層との間の摩擦力が重くなりすぎてしまい、画像形成時に染料層2にシワが生じ、形成される画像の印画品質が低下する。一方で、ポリエチレンワックスの含有量が、バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.25質量%よりも多い場合には、染料層2と染料受容層との間の摩擦力が軽くなりすぎてしまい、含有量が0.01質量%未満の場合と同様に、画像形成時に染料層2にシワが生じ、形成される画像の印画品質が低下する。
ポリエチレンワックスの粒子径について特に限定はないが、平均粒子径が8μmよりも大きくなるにつれ、染料層2の表面からのポリエチレンワックスの突出量が多くなる。これに伴い染料受容層との間の摩擦力は軽くなり、染料層2にシワ等が発生しやすくなる。このような点を考慮すると、ポリエチレンワックスはその平均粒子径が8μm以下であることが好ましい。好ましい下限値について特に限定はないが2μm程度である。なお、本願明細書におけるポリエチレンワックスの平均粒子径とは、平均一次粒子径のことをいう。
ポリエチレンワックスの形状について特に限定はなく、球状、角状、柱状、針状、板状、不定形状等のあらゆる形態をとることができるが、摩擦力の最適化の点からポリエチレンワックスは球状粒子の形態をとることが好ましい。
ポリエチレンワックスとしては、密度が0.94〜0.97のポリエチレンワックス粒子、例えば、ポリエチレンワックスを粒状に微粉末化したものを好適に使用できる。ポリエチレンワックスとしては、高密度または低密度ポリエチレンワックスがあり、低密度ポリエチレンは構造上、エチレン重合体で分岐が存在しているのが多く含まれ、これに対し、高密度ポリエチレンは比較的、ポリエチレンの直鎖状構造を主体に構成されているものである。
<リン酸エステル>
上記で説明したように、染料層2に、ポリエチレンワックスを上記の量含有せしめることで、染料層2と染料受容層との摩擦力が最適化され、染料受容層が水系の染料受容層である場合でも、印画時に染料層2にシワが生ずることを防止することができる。一方で、染料層2にポリエチレンワックスを上記の範囲内で含有せしめたとしても、このままで、染料層2の離型性を十分に満足させることができない。特に高い離型性が要求させる水系の染料受容層上に画像を形成する場合には、画像形成時に異常転写が発生する問題が生じうる。
このような点を考慮した本発明では、染料層2に、バインダー樹脂の固形分総量に対し1質量%以上4質量%以下の範囲内でリン酸エステルが含有されている。
リン酸エステルは、染料層2と染料受容層との間の摩擦力に殆ど影響を与えることなく、離型性を向上させることができる特徴を有する。したがって、リン酸エステルを上記の範囲内で含有させることで、染料層2の離型性を向上させることができる。換言すれば、染料層2にリン酸エステルを上記所定の範囲内で含有させることで、ポリエチレンワックスを含有せしめることで最適化された摩擦力を維持しつつ、染料層2の離型性を向上させることができる。これにより、相反する関係にある、染料層2に高い離型性を付与することと、染料受容層との間の摩擦力の最適化することの双方が満たされる。なお、リン酸エステルの含有量が、バインダー樹脂の固形分総量に対し、1質量%未満である場合には、染料受容層との離型性を向上させることができず、また、4質量%を超えると、染料層2と染料受容層との間の摩擦力に影響を及ぼす場合があるほか、染料層2の保存性が低下する。
好ましいリン酸エステルとしては、例えば、(1)炭素数6〜20の飽和または不飽和高級アルコールのリン酸モノエステルまたはジエステル、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルのリン酸モノエステルまたはジエステル、(3)上記飽和または不飽和高級アルコールのアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数1〜8)のリン酸モノエステルまたはジエステル、(4)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフェノールまたはアルキルナフトールのリン酸モノエステルまたはジエステル等が挙げられる。
上記(1)および(3)における飽和または不飽和高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。上記(4)におけるアルキルフェノールとしては、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニルフェノール等が挙げられる。
染料層2には、本発明の趣旨を妨げない範囲内で、各種の添加剤、例えば、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等の無機微粒子が含有されていてもよい。
染料層2の形成方法についても特に限定はなく、バインダー樹脂、染料、上記の範囲内で含有されるポリエチレンワックス、及びリン酸エステル、必要に応じて添加される各種添加剤を、トルエン、エチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、エタノール、シクロヘキサノン、DMFなどの適当な有機溶剤に溶解、あるいは有機溶剤や水に分散した塗工液を調整し、この塗工液をグラビア印刷、ダイコート印刷、バーコート印刷、スクリーン印刷、又はグラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷等の手段により基材1上に塗工・乾燥することで形成できる。染料層2の塗工量は、乾燥固形基準で0.2〜4.0g/m2、好ましくは0.2〜3.0g/m2程度である。
なお、図1に示す形態では、基材1上に単一の染料層2が設けられた構成をとっているが、異なる染料を含む染料層を同一基材の同一面に面順次に繰り返し設けることも可能である。また、同一面上に転写性保護層を設けることとしてもよい。
(下引き層)
本発明においては、基材1と染料層2との間に下引き層6が設けられていることが好ましい。下引き層6を設けることで基材1と染料層2との密着性を向上させ、熱転写時に熱転写受像シートへの染料層2の異常転写を防止することができる。
下引き層6を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、下引き層6をコロイド状無機顔料超微粒子から構成することもできる。これにより熱転写時の熱転写受像シートへ染料層2の異常転写を防止できるだけでなく、印画時の染料層2から下引き層6への染料の移行を防止し、熱転写受像シートの受容層側への染料拡散を有効に行なうことができ、印画濃度を高めることができる。
コロイド状無機顔料超微粒子として、従来公知の化合物が使用できる。例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、平均一次粒子径で100nm以下、好ましくは50nm以下で用いることが好ましい。
下引き層6は、上記で例示した樹脂や、コロイド状無機顔料超微粒子を適当な溶媒に溶解或いは分散した下引き層用塗工液をグラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の形成手段により、塗布・乾燥して形成することができる。下引き層用塗工液の塗工量は、0.02〜1.0g/m2程度であることが好ましい。
(背面層)
図1に示すように、基材1の他方の面に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層3を設けてもよい。なお、背面層3は本発明の熱転写シートにおける任意の構成である。
背面層3は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂に硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層の塗膜強度や耐熱性を向上させる。
また、背面層3には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層3は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1の染料層2の反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層3の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、乾燥後塗工量が3g/m2以下であることが好ましく、0.1〜2g/m2にすることがより好ましい。
(転写性保護層)
また、本発明の熱転写シート10において、基材1上に上記で説明した染料層2と転写性保護層(図示しない)とを面順次に設けることもできる。転写性保護層は、多層構造をとっていてもよいし、単層構造をとっていてもよい。多層構造をとる場合には、画像に各種の耐久性を付与するための主体となる主保護層のほか、転写性保護層と印画物の受像面との接着性を高めるために転写性保護層の最表面に配置される接着層や、補助的な保護層や、保護層本体の機能以外の機能を付加するための層などが含まれていてもよい。主保護層とその他の層の順序は任意であるが、通常は、転写後に主保護層が受像面の最表面層となるように、接着層と主保護層との間に他の層を配置する。
多層構造の転写性保護層を構成する主保護層又は単層構造の転写性保護層は、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例示することができる。
電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
単層構造の転写性保護層又は多層構造の転写性保護層中に設けられた主保護層は、保護層形成用樹脂の種類にもよるが、通常は0.5〜10μm程度の厚さであることが好ましい。
転写性保護層の最表面には接着層が形成されていてもよい。接着層は、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂のような加熱時接着性の良好な樹脂で形成することができる。接着層の厚さは、通常0.1〜5μm程度である。また、転写性保護層と基材との間に離型層を設けてもよい。
以上説明した本発明の熱転写シート10によれば、上記所定の範囲内で含有されるポリエチレンワックスとリン酸エステルによって、染料受容層との間の摩擦力の最適化と、染料受容層からの離型性の向上が図られている。したがって、本発明の熱転写シート10を用いた画像形成時に、染料層2にシワや、異常転写が生ずることがなく、印画品質の高い画像の形成が可能となる。特に、本発明の熱転写シート10は、水系の染料受容層上に画像を形成する場合に特に好適に使用することができる。水系の染料受容層は、特に、染料層2との高い離型性が求められるとともに、染料層2にシワが生じやすい染料受容層であるが、本発明では、上述したように、染料受容層との間の摩擦力の最適化と、染料受容層からの離型性の向上が図られていることから、水系の染料受容層上に画像を形成する場合であっても、シワや異常転写を生じさせることなく、光沢性や印画品質の高い画像を形成することができる。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、基材の一方の面にバインダー樹脂と染料を含む染料層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方面に染料受容層が設けられた熱転写受像シートを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、熱転写シートの染料層が、ポリエチレンワックスとリン酸エステルとを更に含有し、ポリエチレンワックスが、バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.01質量%以上0.25質量%以下の範囲で含有され、リン酸エステルが、バインダー樹脂の固形分総量に対し、1質量%以上4質量%以下の範囲内で含有された熱転写シートであり、染料受容層が、水系の染料受容層である熱転写受像シートである点に特徴を有する。
本発明の画像形成方法では、上記所定の範囲内で染料層にポリエチレンワックスとリン酸エステルとが含有されている熱転写シートが用いられることから、水系の染料受容層上に印画品質の高い画像を形成することができる。印画品質の高い画像が形成できる理由は、上記本発明の熱転写シート10で説明した通りである。
(熱転写シート)
本発明の画像形成方法で用いられる熱転写シートは、上記本発明の熱転写シートをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(熱転写受像シート)
次に、本発明の画像形成方法に用いられる熱転写受像シートについて説明する。図2に示すように、本発明で用いられる熱転写受像シート30は、他の基材21の一方面に染料受容層22が設けられた構成をとる。そして本発明の画像形成方法では、染料受容層22が、水系の染料受容層である熱転写受像シート30が用いられる点に特徴を有する。なお、図2では、他の基材21上と染料受容層22との間に、断熱層25が設けられているが断熱層25は、本発明に用いられる熱転写受像シート30における任意の構成である。以下、熱転写受像シート30の各構成について具体的に説明する。
(他の基材)
他の基材21は本発明で用いられる熱転写受像シート30における必須の構成であり、染料受容層22、或いは任意の構成である断熱層25やプライマー層を保持するために設けられる。他の基材21について特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリオレフィン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用できる。
これ以外にも、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等も使用することができる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムと合成紙が挙げられる、本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RC紙ペーパー(三菱製紙(株)製、商品名:STF−150)等が好ましい。なお、本願明細書では熱転写シートを構成する基材1と区別するために熱転写受像シート30を構成する基材のことを他の基材21と称しているが、熱転写シート10を構成する基材1と、熱転写受像シート30を構成する他の基材21とは同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
他の基材21の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常50μm〜1000μm、好ましくは60μm〜300μm程度である。
(染料受容層)
他の基材21上には染料受容層22が設けられている。染料受容層22は本発明で用いられる熱転写受像シート30における必須の構成である。
本発明では染料受容層22が水系の染料受容層22であることを特徴とする。水系の染料受容層22を有する熱転写受像シートを用いて画像を形成することにより光沢感の高い画像を形成することができる。なお、水系の染料受容層22は、染料層との離型性が悪く、また、染料層にシワを生じさせやすい性質を有するが、本発明では上記で説明した熱転写シート10と組合せて画像が形成されることから、画像形成時に染料層にシワや、異常転写が生ずることを防止することができ、水系の染料受容層22の利点である光沢性を有し、印画品質の高い画像を形成することができる。
本発明において、水系の染料受容層とは、水系溶媒に溶解或いは分散可能な樹脂、例えば水溶性樹脂、水溶性高分子、若しくは水系樹脂等を、水系溶媒に溶解或いは分散させた水系塗工液を用いて形成された染料受容層のことをいう。水溶性樹脂、水溶性高分子としてはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロエチルセルロース、カルボキシメチルセルロス、フェノール樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびそれらの変性物など挙げられる。水系樹脂とは塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩ビ系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン、塩ビ系樹脂ディスパージョン、アクリル系樹脂ディスパージョン、ウレタン系樹脂ディスパージョンなど溶媒の一部が水で構成されているものを挙げることができる。なお、上記水系樹脂は、例えば、溶剤系樹脂を含む溶液をホモジナイザーなどの方法によって分散し調整することで形成することができる。
水溶性樹脂、水溶性高分子、或いは水系樹脂は、染料受容層22の固形分総量に対し、50質量%以上95質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。水溶性樹脂、水溶性高分子、或いは水系樹脂の含有量を上記範囲内とすることで、形成される画像により高い光沢感を付与することができる。
染料受容層22には、シリコーンオイル(シリコーン樹脂と称されるものも含む);ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類;弗素系、リン酸エステル等の離型剤が含有されていてもよい。
染料受容層22は水溶性樹脂、水溶性高分子、或いは水系樹脂、その他必要に応じて添加する添加剤を水あるいは水溶液に分散または溶解して水系塗工液を他の基材21上にワイヤーバーコート、グラビアコート、スライドコート、ロール塗布法などを用いて塗工・乾燥することにより形成される。水系塗工液を調製する場合は、水溶性樹脂、水溶性高分子、或いは水系樹脂の水に対する溶解性または分散性に応じて、該樹脂を水に溶解または分散させることが望ましい。染料受容層22の厚みについて特に限定はないが、0.5〜10μmの範囲が一般的である。
(目止め層)
染料受容層22は水系塗工液を用いて形成されることから、他の基材21として、例えば、コート紙を用いた場合には、コート紙が水を吸い、その結果、熱転写受像シート30にカールが発生する虞が生じうる。したがって、他の基材21が吸水性の高い基材である場合には、基材1と染料受容層22との間に目止め層(図示しない)を設けることが好ましい。なお、他の基材21と染料受容層22との間に他の任意の層を設け、当該層が水系の塗工液を用いないで形成される場合には目止め層は不要である。一方、他の任意の層、例えば後述する断熱層25を水系の塗工液を用いて他の基材21上に直接的に形成する場合には、上記の同様の理由により目止め層を設けることが好ましい。
目止め層は、防水性を有するとの機能を奏すれば、その材料等について特に限定はなく、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等からなるものや、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単独重合体系エマルジョン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−スチレン共重合体系エマルジョン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、セメントフィラーエマルジョン等のエマルジョンからなるものを挙げることができる。
目止め層の厚さについても特に限定はないが、0.2g/m2〜10.0g/m2程度が好ましい。
(断熱層)
他の基材21と染料受容層22との間に断熱層25が設けられていてもよい。断熱層25を設けることで、サーマルヘッドから染料受容層22に加えられた熱が他の基材21等へ伝熱することによって損失され印画濃度が低下することを防止することができる。以下、断熱層の一例について説明するが、これ以外にも「断熱層」、「中空(粒子)層」、「断熱層」と称される従来公知のあらゆるものを適宜選択して用いることができる。
断熱層25には一般的に断熱性やクッション性を付与する機能を有する中空粒子が含有されている。中空粒子は発泡粒子であってもよく、あるいは、非発泡粒子であってもよい。また、発泡粒子は、独立発泡粒子であってもよく、あるいは、連続発泡粒子であってもよい。さらに、中空粒子は、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。
中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。中空粒子の平均粒子径は、中空粒子を構成する樹脂の種類等に応じて、断熱層に所望の断熱性およびクッション性を付与できる範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均粒子径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒子径が大きすぎると、平滑な断熱層を形成することが困難になるからである。
本発明において、断熱層25に含まれる中空粒子の量としては、所望の断熱性およびクッション性を有する断熱層を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば30質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも50質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。含有量が少なすぎると、断熱層における空隙が少なくなり、充分な断熱性およびクッション性が得られない場合があり、含有量が多すぎると、接着性が劣るからである。
熱転写受像シート30は、各種の機能層を有していてもよい。各種の機能層としては、例えば、他の基材21と染料受容層22、或いは断熱層25との密着性を向上させるためのプライマー層や、耐溶剤性を付与するためのバリア層等を挙げることができる。また、他の基材21の染料受容層22が設けられている面とは異なる面に、熱転写受像シートの搬送性向上機能や、カール防止機能を有する裏面層を設けることもできる。本発明に用いられる熱転写受像シート30は、上記で説明したように、水系溶媒に分散或いは溶解可能な水性樹脂を含有する染料受容層22を必須の構成として有していればよく、それ以外の各種機能層についていかなる限定もされることはない。
(画像の形成)
本発明では、上記で説明した熱転写シート10の染料層2と、熱転写受像シート30の水系の染料受容層22とを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シート10の背面側から熱を印加して、染料層2に含まれる染料を染料受容層22に転移させることで画像を形成することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りの内限り質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラー 東レ(株)製)を用い、該基材の一方の面上に、下記組成のイエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、グラビアコーティング法により、乾燥塗布量が0.5g/m2となるように塗布し、80℃で2分間乾燥して、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を面順次に形成した。また基材の他方の面に、下記組成の背面層用塗工液を、ワイヤーバーにより、乾燥塗布量が1.0g/m2になるように塗布し、背面層を形成することで実施例1の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液1>
・下式(Y−1)で示される染料 2部
・下式(Y−2)で示される染料 2部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.0075部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
・リン酸エステル 0.105部
(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<マゼンタ染料層用塗工液1>
・下式(M−1)で示される染料 2部
・下式(M−2)で示される染料 2部
・下式(M−3)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.0105部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
・リン酸エステル 0.105部
(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<シアン染料層用塗工液1>
・下式(C−1)で示される染料 3部
・下式(C−2)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.0095部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
・リン酸エステル 0.105部
(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
Figure 0005867228
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製
・リン酸エステル 0.8部
(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株)製)
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
(実施例2)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスの配合量を0.0075部から0.01875部に変更したイエロー染料層用塗工液2、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスの配合量を0.0105部から0.02625部に変更したマゼンタ染料層用塗工液2、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスの配合量を0.0095部から0.02375部に変更したシアン染料層用塗工液2を使用した以外は実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
(実施例3)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1のリン酸エステルの配合量を0.105部から0.035部に変更したイエロー染料層用塗工液3、マゼンタ染料層用塗工液3、シアン染料層用塗工液3を使用した以外は実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
(実施例4)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1のリン酸エステルの配合量を0.105部から0.14部に変更したイエロー染料層用塗工液4、マゼンタ染料層用塗工液4、シアン染料層用塗工液4を使用した以外は実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
(実施例5)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;5.2μm)(FA−341−7 (株)岐阜セラック製)を0.01875部配合したイエロー染料層用塗工液5、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;5.2μm)(FA−341−7 (株)岐阜セラック製)を0.02625部配合したマゼンタ染料層用塗工液5、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;5.2μm)(FA−341−7 (株)岐阜セラック製)を0.02375部配合したシアン染料層用塗工液5を使用した以外は実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
(実施例6)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;4.5μm)(T−10P−3 (株)岐阜セラック製)を0.01875部配合したイエロー染料層用塗工液6、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;4.5μm)(T−10P−3 (株)岐阜セラック製)を0.02625部配合したマゼンタ染料層用塗工液6、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;4.5μm)(T−10P−3 (株)岐阜セラック製)を0.02375部配合したシアン染料層用塗工液6を使用した以外は実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
(実施例7)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;2.6μm)(T−15P−2 (株)岐阜セラック製)を0.01875部配合したイエロー染料層用塗工液7、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;2.6μm)(T−15P−2 (株)岐阜セラック製)を0.02625部配合したマゼンタ染料層用塗工液7、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;2.6μm)(T−15P−2 (株)岐阜セラック製)を0.02375部配合したシアン染料層用塗工液7を使用した以外は実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
(実施例8)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;10μm)(AF31 BASF(株)製)0.01875部配合したイエロー染料層用塗工液8、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;10μm)(AF31 BASF(株)製)0.02625部配合したマゼンタ染料層用塗工液8、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ポリエチレンワックス(平均粒子径;10μm)(AF31 BASF(株))0.02375部配合したシアン染料層用塗工液8を使用した以外は実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
(比較例1)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、下記組成のイエロー染料層用塗工液A、マゼンタ染料層用塗工液A、シアン染料層用塗工液Aに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液A>
・上式(Y−1)で示される染料 2部
・上式(Y−2)で示される染料 2部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<マゼンタ染料層用塗工液A>
・上式(M−1)で示される染料 2部
・上式(M−2)で示される染料 2部
・上式(M−3)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<シアン染料層用塗工液A>
・上式(C−1)で示される染料 3部
・上式(C−2)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
(比較例2)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、下記組成のイエロー染料層用塗工液B、マゼンタ染料層用塗工液B、シアン染料層用塗工液Bに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液B>
・上式(Y−1)で示される染料 2部
・上式(Y−2)で示される染料 2部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.0075部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<マゼンタ染料層用塗工液B>
・上式(M−1)で示される染料 2部
・上式(M−2)で示される染料 2部
・上式(M−3)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.0105部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<シアン染料層用塗工液B>
・上式(C−1)で示される染料 3部
・上式(C−2)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.0095部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
(比較例3)
イエロー染料層用塗工液Bのポリエチレンワックスを0.0075部から0.01875部に変更したイエロー染料層用塗工液C、マゼンタ染料層用塗工液Bのポリエチレンワックスを0.0105部から0.02625部に変更したマゼンタ染料層用塗工液C、シアン染料層用塗工液Bのポリエチレンワックスを0.0095部から0.02375部に変更したシアン染料層用塗工液Cを使用した以外は比較例2と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
(比較例4)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスを0.0075部から0.0375部に変更したイエロー染料層用塗工液D、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスを0.0105部から0.0525部に変更したマゼンタ染料層用塗工液D、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスを0.0095部から0.0475部に変更したシアン染料層用塗工液Dを使用した以外は実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
(比較例5)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、シリコーン樹脂(平均粒子径;2μm)(トスパール120 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を0.01875部配合したイエロー染料層用塗工液E、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、シリコーン樹脂(平均粒子径;2μm)(トスパール120 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を0.02625部配合したマゼンタ染料層用塗工液E、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、シリコーン樹脂(平均粒子径;2μm)(トスパール120 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を0.02375部配合したシアン染料層用塗工液Eを使用した以外は実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
(比較例6)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、シリコーン樹脂(平均粒子径;4μm)(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を0.01875部配合したイエロー染料層用塗工液F、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、シリコーン樹脂(平均粒子径;4μm)(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を0.02625部配合したマゼンタ染料層用塗工液F、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、シリコーン樹脂(平均粒子径;4μm)(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を0.02375部配合したシアン染料層用塗工液Fを使用した以外は実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
(比較例7)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物(平均粒子径;1〜3μm)(エポスターMS (株)日本触媒製)を0.01875部配合したイエロー染料層用塗工液G、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物(平均粒子径;1〜3μm)(エポスターMS (株)日本触媒製)を0.02625部配合したマゼンタ染料層用塗工液G、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物(平均粒子径;1〜3μm)(エポスターMS (株)日本触媒製)を0.02375部配合したシアン染料層用塗工液Gを使用した以外は実施例1と同様にして比較例7の熱転写シートを得た。
(比較例8)
イエロー染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、架橋ポリメタクリル酸メチル(平均粒子径;2.5μm)(エポスターMA−1002 (株)日本触媒製)を0.01875部配合したイエロー染料層用塗工液H、マゼンタ染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、架橋ポリメタクリル酸メチル(平均粒子径;2.5μm)(エポスターMA−1002 (株)日本触媒製)を0.02625部配合したマゼンタ染料層用塗工液H、シアン染料層用塗工液1のポリエチレンワックスにかえて、架橋ポリメタクリル酸メチル(平均粒子径;2.5μm)(エポスターMA−1002 (株)日本触媒製)を0.02375部配合したシアン染料層用塗工液Hを使用した以外は実施例1と同様にして比較例8の熱転写シートを得た。
(比較例9)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、下記組成のイエロー染料層用塗工液I、マゼンタ染料層用塗工液I、シアン染料層用塗工液Iに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例9の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液I>
・上式(Y−1)で示される染料 2部
・上式(Y−2)で示される染料 2部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・シリコーンオイル 0.035部
(KF101 信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<マゼンタ染料層用塗工液I>
・上式(M−1)で示される染料 2部
・上式(M−2)で示される染料 2部
・上式(M−3)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・シリコーンオイル 0.035部
(KF101 信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<シアン染料層用塗工液I>
・上式(C−1)で示される染料 3部
・上式(C−2)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・シリコーンオイル 0.035部
(KF101 信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
(比較例10)
イエロー染料層用塗工液I、マゼンタ染料層用塗工液I、シアン染料層用塗工液Iのシリコーンオイルの配合量を0.035部から0.07部に変更したイエロー染料層用塗工液J、マゼンタ染料層用塗工液J、シアン染料層用塗工液Jを使用した以外は比較例9と同様にして比較例10の熱転写シートを得た。
(比較例11)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、下記組成のイエロー染料層用塗工液K、マゼンタ染料層用塗工液K、シアン染料層用塗工液Kに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例11の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液K>
・上式(Y−1)で示される染料 2部
・上式(Y−2)で示される染料 2部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.01875部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
・シリコーンオイル 0.035部
(KF101 信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<マゼンタ染料層用塗工液K>
・上式(M−1)で示される染料 2部
・上式(M−2)で示される染料 2部
・上式(M−3)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.02625部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
・シリコーンオイル 0.035部
(KF101 信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
<シアン染料層用塗工液K>
・上式(C−1)で示される染料 3部
・上式(C−2)で示される染料 3部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス(平均粒子径;7.6μm) 0.02375部
(ACumist−1204 Honeywell社製)
・シリコーンオイル 0.035部
(KF101 信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1)混合溶剤を加え100部とした。
(比較例12)
イエロー染料層用塗工液K、マゼンタ染料層用塗工液K、シアン染料層用塗工液Kのシリコーンオイルの配合量を0.035部から0.105部に変更したイエロー染料層用塗工液L、マゼンタ染料層用塗工液L、シアン染料層用塗工液Lを使用した以外は比較例11と同様にして比較例12の熱転写シートを得た。
(摩擦力の評価)
昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS(株)製)、型式;CW−01)のメディアセットCW−MS46のY領域,M領域,C領域に、各実施例及び比較例の熱転写シートをそれぞれ貼り付け、上記プリンタと、CW−MS46用熱転写受像シートを低温低湿環境下(5℃、20%)に3時間放置した後に、熱転写受像シートに、(1)黒ベタ画像、(2)右黒画像(左白)、(3)左黒画像(右白)、(4)中黒画像(左右白)を各5枚(計20枚)印画し、下記の評価基準に基づいて摩擦力(印画シワ)の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、黒画像は(255/255階調)、白画像は(0/255階調)で形成した画像である。
「評価基準」
○:全ての画像((1)〜(4))でシワの発生がない。
△:(1)〜(4)のいずれか1〜3種の画像でシワが発生したが、実使用上問題なし。
×:(1)〜(4)の全ての画像でシワが発生。
(剥離力の評価)
昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS(株)製、型式:CW−01)のメディアセットCW−MS46のY領域,M領域,C領域に、実施例及び比較例の熱転写シートをそれぞれ貼り付け、上記プリンタと、CW−MS46用熱転写受像シートを用いて黒ベタ画像(255/255階調)を印画し、印画物を得た。得られた印画物に剥離痕があるかを目視により確認し、下記の評価基準に基づいて剥離力の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
○:印画物に剥離痕がない。
△:印画物にうっすらと剥離痕が見える。
×:印画物に剥離痕がある。
Figure 0005867228
10…熱転写シート
1…基材
2…染料層
3…背面層
30…熱転写受像シート
21…他の基材
22…水系の染料受容層
25…断熱層

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に染料とバインダー樹脂を含む染料層が設けられた熱転写シートであって、
    前記染料層は、ポリエチレンワックスとリン酸エステルとを更に含有し、
    前記ポリエチレンワックスは、前記バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.01質量%以上0.25質量%未満の範囲で含有され、
    前記リン酸エステルは、前記バインダー樹脂の固形分総量に対し、1質量%以上4質量%以下の範囲内で含有されていることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記熱転写シートが、水系の染料受容層を備える熱転写受像シートに印画を行うときに用いられることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 基材の一方の面にバインダー樹脂と染料を含む染料層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方面に染料受容層が設けられた熱転写受像シートを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、
    前記染料層は、ポリエチレンワックスとリン酸エステルとを更に含有し、
    前記ポリエチレンワックスは、前記バインダー樹脂と染料の固形分総量に対し、0.01質量%以上0.25質量%未満の範囲で含有され、
    前記リン酸エステルは、前記バインダー樹脂の固形分総量に対し、1質量%以上4質量%以下の範囲内で含有され、
    前記染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする画像形成方法。
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