JP5724201B2 - 熱転写シート、及び印画物の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写シート、及び印画物の形成方法に関し、特に、耐可塑剤性に優れ、地汚れの発生のない印画物を形成可能な熱転写シート、及び印画物の形成方法に関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像が簡易に形成できるという理由から、昇華転写方式により印画物を形成することが知られている。印画物としては、身分証明書、運転免許証、会員証等多く分野で使用されているIDカードが知られている。
昇華転写方式には、基材シートの一方の面に染料層を設けた熱転写シートが使用される。この熱転写シートは、耐熱性を有する基材シートと、バインダーに昇華性染料を混合したインキを基材シート上に塗布・乾燥して形成した染料層とを備えたものである。そして、被転写体(例えば、カード基材)と染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッドにより、熱転写シートの背面側から熱を印加して3色または4色の多数の色ドットを、被転写体上に移行させることで、被転写体上に画像が形成されてなる印画物が形成される。また、この印画物(例えば、IDカード)は、昇華転写方式で形成された画像を保護するための保護層を設けられたものが一般的である。
ところで、被転写体上に画像を形成する画像形成時において、染料層と、被転写体との摩擦が大きい(滑り性が悪い)場合には、印画ジワが発生する等の問題が生ずることとなる。そこで、近時、摩擦係数をコントロールするための成分が含有された染料層を有する熱転写シートが知られている。例えば、特許文献1には、ポリエチレンワックスが染料層中に含有された熱転写シートが開示されている。
特許第3258775号公報
しかしながら、特許文献1に開示がされているポリエチレンワックスを含有する染料層によれば、画像形成時の染料層と被転写体との摩擦係数のコントロールができるものの、画像形成時に染料とともにポリエチレンワックスも被転写体上に移行する。そして、この移行したポリエチレンワックスを含む画像上に画像を保護するための保護層を形成した場合には、ポリエチレンワックスと保護層との界面において膜浮きが生じ、印画物の耐可塑剤性が著しく低下することとなる。さらには、ポリエチレンワックスが染料で染まり、その色が被転写体上に移行した場合には、印画物に地汚れが発生することとなる。
特に、印画物の一つであるIDカードは、その使用環境から、高い剛性が求められており、IDカードを構成する基材としては、一般的に、剛性の高いポリ塩化ビニル等の各種のプラスチックフィルムが用いられ、画像を保護するための保護層としては、剛性の高いラミネートフィルム等が用いられる。ここで、剛性の高いカード基材と、剛性の高い保護層とを用いてIDカードを形成した場合には、カード基材と保護層とのひずみも大きくなり、画像形成時に染料とともにポリエチレンワックスが移行した場合には、特に膜浮きの問題が顕著に生ずることとなる。
ここで、ポリエチレンワックスにかえて、染料層に他の滑り性を有する成分を含有させることで滑り性を担保することできるが、IDカードの分野において画像と保護層との密着性を過酷な条件下で使用可能な程度まで高めるまでには至っていないのが現状である。このような状況下、本願発明者らは、ポリエチレンワックスが、耐可塑剤性を低下させる要因となる一方で、所定の条件下では、ポリエチレンワックスが画像と保護層との接着性を向上させる副次的な機能を有することを見出した。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、画像と保護層との密着性、及び耐可塑剤性に優れ、地汚れの発生のない印画物を形成可能な熱転写シート、及び耐可塑剤性、画像と保護層との密着性に優れ、地汚れの発生のない印画物の形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材と、前記基材の同一面上に、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層が設けられた昇華型熱転写シートであって、前記イエロー染料層は、少なくとも、バインダー樹脂、イエロー染料、及び平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスを含有し、前記イエロー染料層が含有しているポリエチレンワックスの含有量は、前記イエロー染料層が含有しているバインダー樹脂と前記イエロー染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の範囲内であり、前記マゼンタ染料層は、少なくとも、バインダー樹脂、マゼンタ染料、及び平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスを含有し、前記マゼンタ染料層が含有しているポリエチレンワックスの含有量は、前記マゼンタ染料層が含有しているバインダー樹脂と前記マゼンタ染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の範囲内であり、前記シアン染料層は、少なくとも、バインダー樹脂、シアン染料、及び平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスを含有し、前記シアン染料層が含有しているポリエチレンワックスの含有量は、前記シアン染料層が含有しているバインダー樹脂と前記シアン染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の範囲内であることを特徴とする。
上記の発明において、前記基材の同一面上に、前記イエロー染料層、前記マゼンタ染料層、前記シアン染料層とともに、保護層が設けられていてもよい。
また、一実施形態の発明は、基材と、基材上に設けられ、バインダー樹脂と染料とを含有するイエロー染料層、マゼンダ染料層、及びシアン染料層とを有する熱転写シートであって、前記イエロー染料層、マゼンダ染料層、シアン染料層のうち少なくとも1の染料層には、前記バインダー樹脂及び染料に加え平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスが含有されており、前記ポリエチレンワックスは、前記バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の割合で含有されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、印画物の形成方法であって、カード基材と、上記特徴を有する熱転写シートを重ね合わせ昇華転写方式により前記カード基材上に、前記イエロー染料層によるイエロー画像、前記マゼンタ染料層によるマゼンタ画像、及び前記シアン染料層によるシアン画像を重ね印画した、ブラック画像を形成するブラック画像形成工程と、前記画像形成工程後に、前記ブラック画像上に保護層を形成する保護層形成工程と、を含むことを特徴とする。
また、一実施形態の発明は、印画物の形成方法であって、カード基材と、上記特徴を有する熱転写シートを重ね合わせ、熱転写方式によりカード基材上に画像を形成する画像形成工程と、前記画像形成工程後に、前記画像上に保護層を形成する保護層形成工程とを備えることを特徴とする。
本発明の熱転写シートによれば、耐可塑剤性に優れ、地汚れのない印画物を形成することが可能となる。また、本発明の印画物の形成方法によれば耐可塑剤性に優れ、地汚れのない印画物を形成することができる。
本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 染料層の表面の拡大断面図である。 カード基材の一例を示す概略断面図である。
<熱転写シート>
以下に、本発明の熱転写シートについて図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態を示す熱転写シートの概略断面図である。図1に示すように本発明の熱転写シート10は、基材1と基材上に設けられる単一の染料層2とから構成されている。また、染料層2には、少なくとも、バインダー樹脂と、染料と、平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスが含有されており、ポリエチレンワックスは、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の割合で含有されていることを特徴とする。
以下、熱転写シートを構成する各層について図1を用いてさらに詳細に説明する。
(基材)
基材シート1は本発明の熱転写シート10における必須の構成であり、染料層2を保持するために設けられる。基材の材料については特に限定されないが、熱転写時に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5〜100μm程度が一般的である。
(染料層)
図1に示すように基材1上(図1に示す場合には基材1の上面)には染料層2が設けられている。染料層2は、本発明の熱転写シート10における必須の構成であり、染料と、樹脂バインダーと、平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスとから構成されている。以下、染料層を構成する各成分について具体的に説明する。
<染料>
染料層2に含有される染料は本発明における必須の構成である。染料は、従来の熱転写シートに使用されている染料(例えば、特許4337320号公報に記載の染料)をそのまま使用することができ、特に限定されることはない。例えば、図1に示される染料層2が、イエロー染料層である場合には、従来公知のイエロー染料を、染料層2が、マゼンダ染料層である場合には、従来公知のマゼンダ染料を、染料層2が、シアン染料層である場合には、従来公知のシアン染料を適宜選択して用いることができる。例えば、イエロー染料としては、以下の化学式(1)、(2)に示される染料等を挙げることができ、マゼンダ染料としては、以下の化学式(3)〜(5)に示される染料等を挙げることができ、シアン染料としては、以下の化学式(6)〜(8)に示される染料を挙げることができる。また、色を調整するためにイエロー染料層にマゼンダ染料またはシアン染料を、マゼンダ染料層に、イエロー染料またはシアン染料を、シアン染料層にイエロー染料またはマゼンダ染料を少量添加することとしても良い。
Figure 0005724201
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染料層2に含まれる染料の含有量について特に限定はなく、使用する染料に応じて適宜設定することができ、染料層2の固形分総質量の30〜70質量%程度が一般的である。
(バインダー樹脂)
染料層2に含有されるバインダー樹脂は、本発明における必須の構成である。バインダー樹脂は、従来の熱転写シートに使用されている染料をそのまま使用することができ、特に限定されることはない。好ましいバインダー樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。また、バインダー樹脂は、上記に例示される樹脂等を、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、耐熱性、染料の移行性等の観点からセルロース系、アセタール系、ブチラール系およびポリエステル系等より選択される樹脂を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることが特に好ましい。
染料層2に含有されるバインダー樹脂の含有量について特に限定はなく、染料層2の固形分総質量の70〜30質量%程度が一般的である。
(ポリエチレンワックス)
また、染料層2には、ポリエチレンワックスが含有されている。ポリエチレンワックスは本発明における必須の構成である。本発明においては、染料層2に含有されるポリエチレンワックスが、平均粒子径が3〜5μmの範囲のポリエチレンワックスであり、かつ、該ポリエチレンワックスは、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の割合で含有されている点に特徴を有する。
上記平均粒子径のポリエチレンワックスが、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、上記の範囲で含有されてなる染料層2を有する本発明によれば、摩擦係数をコントロールすることができ、印画ジワの発生や、被転写体と染料層とが粘着することによる搬送不良を防止することができる。また、ポリエチレンワックスが染料によって着色され、その染料が被転写体上に移ることによる「地汚れ」も生じることはない。さらには、熱転写時(画像形成時)に染料とともに被転写体上に移行するポリエチレンワックスの量を、「画像と保護層との接着性」を向上させることができる範囲内で移行させることができる。
ここで、ポリエチレンワックスの平均粒子径及び含有量と、「地汚れ」、「画像と保護層との接着性」「耐可塑剤性」との関係について説明する。染料層2に含有されるポリエチレンワックスの含有量が、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の割合で含有されていても、ポリエチレンワックスの平均粒子径が3μm未満である場合には、この範囲のポリエチレンワックスを含む染料層用塗工液を基材上に塗工し、その後乾燥した際に、乾燥時の熱によりポリエチレンワックスの山の部分が殆どなくなり、染料層の表面にポリエチレンワックスの山(ポリエチレンワックスによる凹凸)を発現させることができない。そうすると、熱転写時に、被転写体(例えば、カード基材)と染料層とが直接に密着してしまい、シワ等が発生することとなる。さらには、被転写体と染料層とが密着することによる搬送不良や、被転写体と染料層とが密着することで、染料層がこすれ「地汚れ」が生ずることとなる。
なお、ポリエチレンワックスの山とは、図3に示すように、染料層の表面から突出している部分のポリエチレンワックス(斜線部)を意味する。
一方、平均粒子径が5μmより大きい場合には、熱転写時の熱により、ポリエチレンワックスそのものが、被転写体上に、大きな面積をもって転写されることとなる。そうすると、大きな面積をもって転写されたポリエチレンワックスが、被転写体上に存在することで、「画像と保護層との密着性」が悪くなり、画像(特に、染料とともに大面積で転写されたポリエチレンワックス部分)と保護層との界面で膜浮きが発生し、保護層形成後の印画物の「耐可塑剤性」を担保することができない。さらには、平均粒子径が5μmより大きいと、ポリエチレンワックスが染料で染まり、その染料が被転写体上に移ることによる「地汚れ」が発生することとなる。
また、染料層2に含有されるポリエチレンワックスの平均粒子径が、3〜5μmの範囲内であっても、ポリエチレンワックスの含有量が、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25質量%未満である場合には、画像形成時に被転写体上にポリエチレンワックスを殆ど移行させることができず、画像上に保護層を形成したときの「画像と保護層との密着性」が低下し、場合によっては膜浮きが生じ「耐可塑剤性」が低下することとなる。さらに、含有量が0.25質量%未満である場合には、ポリエチレンワックスが染料で染まることによる「地汚れ」の発生は少ないものの、被転写体と染料層との摩擦係数を、「地汚れ」を防止することができる範囲までコントロールすることができず、被転写体と染料層とがこすれることによる「地汚れ」が発生することとなる。一方、ポリエチレンワックスの含有量が0.5質量%より多い場合には、染料層の表面に発現するポリエチレンワックスの山の数が多くなり、熱転写時(染料層転写時)に、被転写体へポリエチレンワックスが大きな面積をもって転写される。これにより、画像上に保護層を形成したときに、「画像と保護層との密着性」が悪くなり、画像(特に、染料とともに大面積で転写されたポリエチレンワックス部分)と保護層との界面で膜浮きが発生し、「耐可塑剤性」を担保することができない。
本発明は、平均粒子径が3〜5μmの範囲のポリエチレンワックスを、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の割合で含有させた染料層を有することから、被転写体上に「地汚れ」を生じさせることなく、また、「保護層との接着性」を向上させ、保護層形成後の印画物に優れた「耐可塑剤性」を付与することが可能となる。
ポリエチレンワックスの融点について特に限定はないが、融点の低いポリエチレンワックスは、一般的に分子量が低いため、ポリエチレンワックスが染料に染まりやすく地汚れが発生しやすい傾向となる。一方、融点が高いポリエチレンワックスは、被転写体への転写量が減少する傾向にあり、被転写体上に転写された場合であっても、保護層形成時の熱では、十分に保護層と接着せず、「画像と保護層との密着性」が低下する傾向となる。本発明においては、このような傾向を十分に考慮して、使用するポリエチレンワックスの融点を決定することができる。特に、本発明においては、融点80℃〜130℃のポリエチレンワックスを好適に使用することができる。当該範囲の融点のポリエチレンワックスを用いることで、「地汚れ」の発生頻度を更に低下させるとともに、「画像と保護層との密着性」を更に向上させることができる。
また、本発明の熱転写シートは、図1に示すように、基材1上に単一の染料層2が設けられる構成をとっていてもよく、色相の異なる染料を含む複数の染料層を基材上に面順次に繰り返し形成したものであってもよい。例えば、図2に示すように本発明の熱転写シートが、基材1と、基材1上に設けられ、バインダー樹脂と染料とを含有するイエロー染料層2Y、マゼンダ染料層2M、及びシアン染料層2Cとを有する構成であってもよい。イエロー染料層2Y、マゼンダ染料層2M、及びシアン染料層2Cの染料、バインダー樹脂は上記で説明した染料、及びバインダー樹脂を用いることができここでの説明は省略する。
本実施形態においては、イエロー染料層2Y、マゼンダ染料層2M、及びシアン染料層2Cのうち少なくとも1の染料層には、平均粒子径が、3〜5μmのポリエチレンワックスが、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%含有される。
被転写体上に形成される画像は、イエロー染料、マゼンダ染料、シアン染料を被転写体上に順次移行させ、染料を重ね合わせることで形成される。したがって、イエロー染料層2Y、マゼンダ染料層2M、及びシアン染料層2Cのうち少なくとも1の染料層に、本発明のポリエチレンワックスを含有させることで、被転写体上に染料が移行することで形成される画像に、「画像と保護層との密着性」を向上させることができる範囲内のポリエチレンワックスを含有させることができる。これにより、形成された画像と保護層との密着性を向上させ、画像と保護層との界面で膜浮きが生ずることによる耐可塑剤性の低下を防止することができる。
なお、ポリエチレンワックスが含有されていない染料層においては、「地汚れ」が発生しやすいことから、全ての染料層に本発明のポリエチレンワックスが含有されている場合と比較して、形成される印画物に若干の「地汚れ」が生ずることとなる。この「地汚れ」は、全ての染料層に本発明のポリエチレンワックスが含有されていない熱転写シートを用いて形成される印画物と比較すると微小であるものの、高品質画像が要求される分野においては、「地汚れ」の発生はできる限り少ないことが好ましい。
このような点を考慮すると、基材1上にイエロー染料層2Y、マゼンダ染料層2M、及びシアン染料層2Cとを有する熱転写シートにおいては、全ての染料層(イエロー染料層2Y、マゼンダ染料層2M、及びシアン染料層2C)に、平均粒子径が3〜5μmの範囲のポリエチレンワックスが、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の割合で含有されていることが好ましい。
また、染料層2には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記の染料、バインダー樹脂、ポリエチレンワックスに加え、印画時の熱、圧力等により被転写体上に転写されることのない他の化合物を含有させることができる。このような他の化合物としては、離型剤を挙げることができる。染料層2に離型剤を含有させることで、被転写体と染料層との熱融着防止効果を向上させることができる。離型剤は、組み合わせる染料に応じて適宜選択することができ、特に限定はなく、例えば、リン酸エステル、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが使用可能である。また、離型剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記離型剤の中でも、リン酸エステルは、少量の添加で離型性を向上させることができるとともに、染料層2の表面形状に悪影響を与え難いことから、特に好ましく用いることができる。
なお、染料層中に離型剤を多く添加すると、基材と染料層との密着性が低下したり、基材上に染料層を形成する際に、基材が染料層を形成するための染料層用塗工液をはじき、均一な染料層の形成が困難となり、この染料層を有する熱転写シートを用いて画像を形成した場合に、画像に色ムラが生ずる虞がある。したがって、本発明において、染料層中に離型剤を含有させる場合には、このような問題が生じない範囲で、かつ熱融着防止効果が向上する範囲で少量用いることが好ましく、バインダー樹脂の全固形分100質量部に対して、3質量部以下で含有されることが好ましい。このように、染料層2中に離型剤を少量含有させることで、基材と染料層との密着性を向上させることができ、また、均一な染料層の形成ができ、さらには、染料層の色相変化を防止することができる。なお、好ましい離型剤の1つであるリン酸エステルを、染料中に多量に含有させた場合には、染料を消色させる(色相を変化させる)場合があるが、リン酸エステルを上記のように少量含有させた場合には、色相が変化することはない。
(背面滑性層)
また、基材1の染料層2が形成された面とは反対面に、サーマルヘッドの滑り性を向上させ、スティッキングを防止する機能を有する耐熱滑性層を形成することとしてもよい。なお、耐熱滑性層は本発明における任意の構成である。耐熱滑性層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。
耐熱滑性層は、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを好適に使用し形成することができる。耐熱滑性層に使用されるバインダー樹脂は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、数個の反応性基、例えば、水酸基を有しているものを使用し、架橋剤として、ポリイソシアネートなどを併用して、架橋樹脂を使用することが好ましい。耐熱滑性層を形成する手段は、上記のごとき、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加した材料を、適当な溶剤中に溶解又は分散させて、塗工液を調製し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものである。耐熱滑性層の塗工量は、乾燥状態で通常、0.01〜10g/m2程度である。
(保護層)
また、染料層2と面順次に保護層(図示しない)を設けることとしてもよい。保護層は本発明における任意の構成である。保護層を形成する材料は、透明性、光沢性を有する材料であれば特に限定されない。このような材料として、例えば、メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等が挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている点で保護層の材料として好適に用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては特に限定されることはなく、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。紫外線吸収性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することに優れている。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものが挙げられる。
(被転写体)
被転写体は、熱転写シートの分野で従来公知の被転写体をそのまま用いることができ、特に限定されることはない。例えば、基材上に染料受容性を有する受容層を設けた被転写体等を挙げることができる。被転写体おける基材としては、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等を挙げることができ、その基材について特に限定されない。また、上記被転写体における受容層は、コーティング法、サーマルヘッドや熱ロール等による形成法等にて形成することができる。なお、被転写体は、基材自体が染料受容性を有していれば、受容層を設ける必要がない。
また、本発明の熱転写シートを用いて形成された画像は、該画像上に設けられる保護層との密着性が良好であることから、剛性の高い被転写体に画像を形成し、この画像上に剛性の高い保護層を設けた場合であっても、形成される印画物の耐可塑剤性は高い。したがって、本発明の熱転写シートは、使用条件が過酷であるIDカード等を形成する際に特に好適に用いることができる。この場合においては、被転写体としては、IDカードの分野で従来公知のカード基材を用いることができる。カード基材としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の樹脂製シートを挙げることができる。
<<印画物の形成方法>>
次に、本発明の印画物の形成方法について説明する。本発明の印画物の形成方法は、カード基材と、上記で説明した本発明の熱転写シートを重ね合わせ、熱転写方式によりカード基材上に画像を形成する画像形成工程と、画像形成工程後に、画像上に保護層を形成する保護層形成工程とを備えることを特徴とする。以下、各工程について具体的に説明する。
<画像形成工程>
画像形成工程は、カード基材と、熱転写シートを重ね合わせ、熱転写方式によりカード基材上に画像を形成する工程である。本工程で用いられる熱転写シートは、上記で説明した平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスが、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の割合で含有されている染料層を有する熱転写シートである。
カード基材と、本発明の熱転写シートの染料層とを、対向させた状態でサーマルヘッド等の加熱手段を用いて加熱することにより、カード基材上に染料層の染料が転写され画像が形成される。ここで、本発明においては、染料層中に上記特徴を有するポリエチレンワックスが含まれていることから、染料層とカード基材とが直接接触してこすれることによる「地汚れ」の発生を防止することができる。また、染料層の染料とともに、「画像と保護層との密着性」を向上させることができる範囲の量の、ポリエチレンワックスもカード基材上に転写される。従って、後述する保護層形成工程において、画像上に保護層を高い密着性をもって形成することができ、「耐可塑剤性」に優れた印画物を形成することができる。
(カード基材)
本工程で使用できるカード基材としては、熱転写シートの染料層に含まれる染料の染色性を有するものであれば、特に限定はなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の樹脂製シート、金属製シート等を使用することができる。また、カード基材の厚みは、カードの使用目的等に応じて適宜設定することができる。
中でも本発明においては、図4に示すように、センターコア100の両面にポリ塩化ビニル層110が積層されたカード基材50を好適に使用可能である。センターコア100は、例えば、厚み0.1〜0.8mm程度の白色硬質ポリ塩化ビニル樹脂シートを使用することができる。カード基材をこのような3層構造とすることにより、熱転写方式による画像の記録時等のカール発生を有効に防止することができる。
ポリ塩化ビニル層110には、染料の染着性をもたせるために、ポリ塩化ビニル100重量部当り0.1〜10重量部、好ましくは3〜5重量部の可塑剤を含有させることができる。可塑剤の含有量が0.1重量部未満であると、ポリ塩化ビニル層の染料に対する染着性が不十分であり、熱転写時に熱転写シートの染料層がそのまま転写するという異常転写が発生し、一方、可塑剤の含有量が10重量部を超えると、ポリ塩化ビニル層の剛性が不足し柔らかくなり、また、保存中に染料画像ににじみが生じることがあり好ましくない。
使用する可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバチン酸ジ(2−エチルヘキシル)、リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、ポリエチレングリコールエステル、エポキシ脂肪酸エステル等、従来公知の可塑剤を挙げることができる。
また、上記の可塑剤に加えて、ポリ塩化ビニル100重量部当り0.1〜5重量部の滑剤を含有させることによって、可塑剤を比較的多量に、例えば、5〜10重量部の割合でポリ塩化ビニル層110に含有させても、熱転写方式による画像の記録時にカード基材と熱転写シートとがブロッキングを生じることが防止され、また、ポリ塩化ビニル層110の染料の染着性が更に向上する。滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸アミド、ワックス、パラフィン等の従来公知のいずれの滑剤も使用することができる。さらに、ポリ塩化ビニル層110には、着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等も任意に含有させることができる。
カード基材は、上述の例では3層構造であるが、3層以上の多層構造の基材シート、あるいはポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、紙等の単層構造の基材シートを使用することもできる。
(保護層形成工程)
保護層形成工程は、画像形成工程後に、画像形成工程で形成された画像上に保護層を形成する工程である。保護層形成工程で画像上に設けられる保護層について特に限定はなく、画像を保護するために設けられる従来公知の保護層を適宜選択して、画像上に設けることができる。なお、保護層は、画像全面を覆うように形成してもよく、画像の一部を覆うように形成してもよい。
保護層を形成するための方式については、転写用保護層を設けた保護層転写シートを用いて、画像上に保護層を転写する熱転写方式や、ラミネートフィルム等の透明なフィルムを画像上に貼着して保護層を形成する貼着方式を挙げることができる。
上記で説明したように、本発明の熱転写シートを用いてカード基材上に形成された画像には、染料とともに、「画像と保護層との密着性」を向上させることができる範囲内の量のポリエチレンワックスが転写されていることから、あらゆる保護層との密着性が高く、剛性の高い保護層を設けた場合であっても、画像と保護層との間で膜浮きが生ずることはない。したがって、本発明の印画物の形成方法は、画像上に剛性の高い保護層を設ける場合に好適に用いることができる。
特に、ラミネートフィルム等の剛性の高い保護層と、剛性の高いカード基材とを組合せて印画物を形成する場合には、カード基材と保護層との間でひずみが生じやすく、画像と保護層との界面で膜浮きが発生しやすい。しかしながら、本発明においては、上記で説明したポリエチレンワックスにより画像と保護層とを強固に密着させることができることから、この場合であっても画像と保護層との間で膜浮きが生ずることはない。したがって、本発明は、画像とラミネートフィルムとを重ね、熱圧を加えることにより、該画像上にラミネートフィルムを積層する貼着方式を好適に用いることができる。ラミネートフィルムの貼着は、例えば、卓上ラミネーター等を用いて、画像上に積層させることができる。
ラミネートフィルムとしては、従来公知のフィルムを適宜選択して用いることができ、特に限定はない。例えば、ポリエチレン系フィルム、EVA系フィルム、ポリプロピレン系フィルム等のポリオレフィン系フィルム、PET系フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、その剛性が高いことから、印画物がIDカードである場合に好ましく用いることができる。
熱転写方式により、保護層を形成する場合には、基材上から剥離可能に設けられた保護層を有する保護層転写シートを用いることができる。保護層転写シートを構成する保護層としては、上記で説明した保護層等を適宜選択して用いることができ、ここでの説明は省略する。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
(保護層転写シートの準備)
基材として、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー)の一方の面に、下記組成の保護層用塗工液を、グラビアコーティングにより、乾燥塗布量が2.0g/m2となるように塗工・乾燥して転写性保護層を形成した。また、基材の他方の面に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を、グラビアコーティングにより、乾燥塗布量が1.0g/m2となるように塗工・乾燥して耐熱滑性層を形成してなる保護層転写シートを準備した。
<保護層用塗工液>
・アクリル樹脂 20.0部
(BR87 三菱レイヨン(株)製)
・メチルエチルケトン 40.0部
・トルエン 40.0部
<耐熱滑性層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
・リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
(被転写体の準備)
下記組成からなるセンターコア(厚み0.2mm)を準備し、該センターコアの両面に下記組成からなる透明シート(0.15mm)を熱圧着させることで、3層構造の被転写体(ポリ塩化ビニルカード基材(54cm×36cm))を作成した。
<センターコアの組成>
・塩化ビニルコンパウンド 100部
(重合度800 安定剤等の添加剤含有量約10%)
・白色顔料(酸化チタン) 10部
・可塑剤(ジオクチルフタレート) 0.5部
<透明シートの組成>
・塩化ビニルコンパウンド 100部
・可塑剤(ジオクチルフタレート) 0.5部
(実施例1)
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー)の一方の面に、下記組成のイエロー染料層用塗工液1、マゼンダ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1をそれぞれ、グラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.8g/m2となるように塗工・乾燥して染料層を形成した。また、基材の他方の面に、上記組成の耐熱滑性層用塗工液を、グラビアコーティングにより、乾燥塗布量が1.0g/m2となるように塗工・乾燥して耐熱滑性層を形成して、実施例1の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液1>
・イエロー染料A(上記化学式1) 3.0部
・イエロー染料B(上記化学式2) 2.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・エチルセルロース樹脂 0.5部
(エトセル STD−45 ダウ・ケミカル・カンパニー社製)
・ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.0225部
・メチルエチルケトン 45.5部
・トルエン 45.5部
<マゼンダ染料層用塗工液1>
・マゼンダ染料A(上記化学式3) 2.0部
・マゼンダ染料B(上記化学式4) 2.5部
・マゼンダ染料C(上記化学式5) 1.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・エチルセルロース樹脂 0.5部
(エトセル STD−45 ダウ・ケミカル・カンパニー社製)
・ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.025部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液1>
・シアン染料A(上記化学式6) 2.0部
・シアン染料B(上記化学式7) 2.0部
・シアン染料C(上記化学式8) 1.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・エチルセルロース樹脂 0.5部
(エトセル STD−45 ダウ・ケミカル・カンパニー社製)
・ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.0225部
・メチルエチルケトン 45.5部
・トルエン 45.5部
(イエロー染料層用塗工液2〜15、マゼンダ染料層用塗工液2〜15、シアン染料層用塗工液2〜15の調製)
上記組成のイエロー染料層用塗工液1、マゼンダ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1におけるポリエチレンワックスの配合量、及びその平均粒子径のみを下表1に示すものに変更したイエロー染料層用塗工液2〜15、マゼンダ染料層用塗工液2〜15、シアン染料層用塗工液2〜15を調製した。
Figure 0005724201
(実施例2)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液2に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液2に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液2に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
(実施例3)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液3に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液3に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液3に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
(実施例4)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液4に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液4に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液4に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
参考例1
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液5に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液5に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液5に変更した以外は全て実施例1と同様にして参考例1の熱転写シートを得た。
参考例2
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液6に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液6に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液6に変更した以外は全て実施例1と同様にして参考例2の熱転写シートを得た。
参考例3
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液6に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液6に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液6に変更した以外は全て実施例1と同様にして参考例3の熱転写シートを得た。
(比較例1)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液8に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液8に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液8に変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
(比較例2)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液9に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液9に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液9に変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
(比較例3)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液10に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液10に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液10に変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
(比較例4)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液11に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液11に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液11に変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
(比較例5)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液12に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液12に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液12に変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
(比較例6)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液13に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液13に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液13に変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
(比較例7)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液14に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液14に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液14に変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例7の熱転写シートを得た。
(比較例8)
イエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液15に、マゼンダ染料層用塗工液1をマゼンダ染料層用塗工液15に、シアン染料層用塗工液1をシアン染料層用塗工液15に変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例8の熱転写シートを得た。
上記で準備した被転写体と、実施例1〜4、参考例1〜3、比較例1〜8の熱転写シートの染料層とをそれぞれ重ね合わせ、線密度300dpiのサーマルヘッドを搭載した256階調制御が可能な熱転写プリンタを使用して、印画スピード:2ms/Line、印画エネルギー:0.20mj/dotの条件で、イエロー、マゼンダ、シアンの順に印画を行い、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのベタ印刷がされた印画領域を形成した。更に、印画領域を覆うように上記で準備した保護層転写シートの保護層のベタ印刷を行い、実施例1〜4、参考例1〜3、比較例1〜8の印画物を形成した。
(耐可塑剤性の評価)
実施例1〜4、参考例1〜3、比較例1〜8の印画物の耐可塑剤性試験を行い、耐可塑剤性の評価を行った。耐可塑剤性試験は、ANSI INCITS 322−2002 5.14 Plasticizer Induced Migration に基づく試験であり、実施例、参考例及び比較例の印画物を、長軸、短軸方向の裏、表にてそれぞれ300回折り曲げ試験を行い、保護層の接着性を弱め、DOPを印画物表面に滴下し、バーコーターで全面に塗布した後に、表面をPETフィルムで覆い、40℃環境にて4時間保存を行い、DOPが印画物に与える影響を確認した。評価は、印画物表面の顕微鏡観察により行い、以下の評価基準により評価を行った。評価結果を表2に示す。
(評価方法)
5:折り曲げ試験を行った箇所で、保護層の浮き上がり、剥がれともに発生無し
4:折り曲げ試験を行った箇所で、わずかに保護層の浮き上がり、または剥がれが認められる
3:折り曲げ試験を行った箇所の半分程度、保護層の浮き上がり、剥がれが認められる
2:折り曲げ試験を行った箇所の全域に、保護層の浮き上がり、剥がれが認められる
1:ほぼ全領域にて保護層の浮き上がり、剥がれが認められる
(地汚れの評価)
以下の条件にて、印画を行い、地汚れを評価した。実施例1〜4、参考例1〜3、比較例1〜8と同様の熱転写シート、保護層転写シート、カードを用い、同一プリンタを用いイエロー、マゼンダ、シアンの順に白ベタ(階調値0/255;印加熱なし)印画を行い、印画後、印画領域を覆うように保護層転写シートの保護層のベタ印画を行った。各実施例、参考例及び比較例で作製した熱転写シートは、予め温度40℃、湿度90%RHの環境下で2週間保存したものを使用した。ここにおける地汚れの評価は、染料層から耐熱滑性層へ染料が転移し、さらに耐熱滑性層に付着した染料が染料層に再転移(キックバック)したものでなく、熱転写シートを上記の温度40℃、湿度90%RHの環境下で保存して、基材上に形成した染料層における染料が再結晶化して析出し、染料層を汚染させているかを調べたものである。
(評価方法)
◎:保護層のみ印画したカードと、白ベタ印画部の色差ΔE*abが0.5未満であり、地汚れの影響は無く良好である。
○:保護層のみ印画したカードと、白ベタ印画部の色差ΔE*abが0.5以上1.0未満であり、地汚れの影響はほとんど無い(品質に問題なし)。
×:保護層のみ印画したカードと、白ベタ印画部の色差ΔE*abが1.0以上であり、地汚れの影響が大きい。
色相は、グレタグマクベス社製GRETAG Spectrolino(D65光源、視野角2°)にて測定し、値は下記式(1)にしたがって、算出した。
ΔE*ab=((印画前の受像シートと白ベタ印画部のL値の差)2
+(印画前の受像シートと白ベタ印画部のa値の差)2
+(印画前の受像シートと白ベタ印画部のb値の差)21/2・・・(式1)
(搬送性の評価)
以下の条件にて、印画を行い、搬送性の評価を行った。実施例1〜4、参考例1〜3、比較例1〜8と同様の熱転写シートを幅60mm長さ100mmに切断しイエロー、マゼンダ、シアンの順に長さ方向にそれぞれ50画面ずつ面順時に切り貼りをして熱転写シートを用意した。各実施例、参考例、及び比較例と同様のカード、プリンタを用い、イエロー、マゼンダ、シアンの順に黒ベタ(印画幅50mm、長さ80mm、階調値255/255)50枚連続印画を行い目視にてシワの発生を確認した(イエロー、マゼンダ、シアンどれか1つでも発生すればシワ発生とみなす)。
(評価方法)
◎:シワ発生なし
○:シワ発生率1%〜5%未満
×:シワ発生率5%以上
Figure 0005724201
表2からも明らかなように、平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスが、バインダー樹脂と染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の範囲内で含有されている染料層を有する実施例1〜4、参考例1〜3の熱転写シートを用いて形成された印画物は、「耐可塑剤性」、「地汚れ」、「搬送性」の全てにおいて良好な結果を得ることができた。特に、イエロー染料層、マゼンダ染料層、シアン染料層の全てに、本発明の特徴を有するポリエチレンワックスが含有された実施例1〜4の熱転写シートを用いて形成された印画物は、「地汚れ」の評価で優れた結果を得ることができた。
一方、染料層にポリエチレンワックスが含有されていない比較例1においては、「地汚れ」、「搬送性」に劣る結果となった。また、ポリエチレンワックスの平均粒子径、及びポリエチレンワックスの含有量の何れか一方、又は双方が本発明の範囲外である比較例2〜8については、「耐可塑剤性」の評価が低いものとなった。
1・・・基材
2・・・染料層
10・・・熱転写シート
50・・・カード基材
100・・・センターコア
110・・・ポリ塩化ビニル層

Claims (3)

  1. 基材と、前記基材の同一面上に、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層が設けられた昇華型熱転写シートであって、
    前記イエロー染料層は、少なくとも、バインダー樹脂、イエロー染料、及び平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスを含有し、前記イエロー染料層が含有しているポリエチレンワックスの含有量は、前記イエロー染料層が含有しているバインダー樹脂と前記イエロー染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の範囲内であり、
    前記マゼンタ染料層は、少なくとも、バインダー樹脂、マゼンタ染料、及び平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスを含有し、前記マゼンタ染料層が含有しているポリエチレンワックスの含有量は、前記マゼンタ染料層が含有しているバインダー樹脂と前記マゼンタ染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の範囲内であり、
    前記シアン染料層は、少なくとも、バインダー樹脂、シアン染料、及び平均粒子径が3〜5μmのポリエチレンワックスを含有し、前記シアン染料層が含有しているポリエチレンワックスの含有量は、前記シアン染料層が含有しているバインダー樹脂と前記シアン染料の固形分総質量に対し、0.25〜0.5質量%の範囲内であることを特徴とする昇華型熱転写シート。
  2. 前記基材の同一面上に、前記イエロー染料層、前記マゼンタ染料層、前記シアン染料層とともに、保護層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の昇華型熱転写シート。
  3. 印画物の形成方法であって、
    カード基材と、請求項1又は2に記載の昇華型熱転写シートとを重ね合わせ、昇華転写方式により前記カード基材上に、前記イエロー染料層によるイエロー画像、前記マゼンタ染料層によるマゼンタ画像、及び前記シアン染料層によるシアン画像を重ね印画した、ブラック画像を形成するブラック画像形成工程と、
    前記画像形成工程後に、前記ブラック画像上に保護層を形成する保護層形成工程と、
    を含むことを特徴とする印画物の形成方法。
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