JP6387670B2 - 中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ、及び印画物の形成方法 - Google Patents

中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ、及び印画物の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ、及び印画物の形成方法に関する。
簡便な印刷方法として、種々の熱転写記録方法が広く使用されている。各熱転写記録方法では、基材上に染料層が設けられた熱転写シートが主に使用されている。熱転写記録方法は、加熱によって溶融軟化した染料層を熱転写受像シート上に移行させて熱転写画像を形成する熱溶融型記録方法と、加熱によって染料層中の昇華性染料を熱転写受像シートの受容層上に移行させて熱転写画像を形成する昇華型記録方法とに大別される。中でも、昇華型記録方法は、昇華性染料を色材としているため中間調の再現性や階調性に優れており、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像の形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
熱転写受像シートの用途の多様化に伴い、カード基材等の任意の対象物に熱転写画像が形成された印画物に対する要求が高まっている。通常は、熱転写画像を形成する対象物として、基材上に受容層を設けた専用の熱転写受像シートを用いているが、この場合には、任意の対象物に熱転写画像を形成するとの要求を満たすことができない。このような状況下、特許文献1では、基材上に当該基材から剥離可能な受容層を含む転写層が設けられた中間転写媒体が提案されている。この中間転写媒体によれば、熱転写シートを用いて、中間転写媒体の受容層上に熱転写画像を形成し、その後に、任意の対象物(以下、被転写体と言う)上に受容層を含む転写層を転写することで、被転写体に熱転写画像が設けられた印画物を得ることができる。
中間転写媒体の受容層は、被転写体への再転写性(被転写体との密着性と言う場合もある)を考慮して、再転写性が良好な樹脂を含有していることが好ましいとされている。例えば、特許文献2では、被転写体への再転写性を良好にすべく、軟化点が100℃以上のスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を含有している受容層が提案されている。しかしながら、被転写体への再転写性を主眼とする受容層は、熱転写シートの染料層との離型性が低く、熱転写シートを用いて受容層上に熱転写画像を形成する際、中間転写媒体の受容層と熱転写シートの染料層とが熱融着をおこし、熱転写シートの染料層が破断する不良等が生じやすい。つまり、中間転写媒体の受容層において、熱転写シートの染料層との離型性を満足させることと、被転写体への再転写性を向上させることとはトレードオフの関係にあるといえる。
このような状況下、熱転写シートの染料層との離型性、及び被転写体への再転写性の双方を両立させることができる中間転写媒体の受容層について各種の研究がなされており、近時、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有する受容層が、熱転写シートの染料層との離型性と、被転写体への再転写性のバランスに優れていることが知られている。
特開昭62−238791号公報 特開2004−351656号公報
ところで、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有する受容層は、被転写体への再転写性が良好であるものの、当該良好な再転写性を発揮せしめるためには、受容層の転写時に高い熱エネルギーをかけることが必要とされている。被転写体の中には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有する受容層を転写するときの熱エネルギーによってダメージを受けるものも多く、被転写体が熱ダメージを受けた場合には、当該被転写体にカール等が発生し、得られる印画物の外観が悪くなるといった問題が生ずることとなる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、受容層上に熱転写画像を形成するときの熱転写シートの染料層との離型性が良好であり、且つ、従来よりも低い温度で、被転写体に熱転写画像が形成された受容層を密着性よく転写することができる中間転写媒体と熱転写シートとの組合せや、印画物の形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、第1基材の一方の面に当該第1基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体と、第2基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートとの組合せであって、前記中間転写媒体の転写層は、当該中間転写媒体の最表面に位置する受容層を少なくとも含んでおり、前記受容層は、ポリエステル樹脂、及びアルキルアラルキル変性シリコーンを含有しており、前記受容層の固形分総量に対する、前記ポリエステル樹脂の含有量が50質量%より多く、前記熱転写シートの前記染料層は、アルキルセルロース樹脂を含有しており、前記染料層の総質量に対する、前記アルキルセルロース樹脂の含有量が50質量%以下であることを特徴とする。
また一実施形態の組合せは、第1基材の一方の面に当該第1基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体と、第2基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートとの組合せであって、前記中間転写媒体の転写層は、当該中間転写媒体の最表面に位置する受容層を少なくとも含んでおり、前記受容層は、ポリエステル樹脂を含有しており、前記熱転写シートの前記染料層は、アルキルセルロース樹脂を含有しており、前記染料層の総質量に対する、前記アルキルセルロース樹脂の含有量が、50質量%以下であることを特徴とする。
また、上記の組合せにおいて、前記受容層は、前記ポリエステル樹脂を、当該受容層の固形分総量に対し50質量%を超える範囲で含有していることが好ましい。
また、上記課題を解決するための本発明は、印画物の形成方法であって、第1基材の一方の面に当該第1基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体と、第2基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートとを組合せて用い、前記中間転写媒体の最表面に位置し前記転写層に含まれる受容層上に熱転写画像を形成する工程と、前記受容層上に熱転写画像が形成された中間転写媒体と、被転写体とを組合せて、前記被転写体上に、前記中間転写媒体の前記転写層を熱転写する工程と、を含み、前記中間転写媒体の前記受容層は、ポリエステル樹脂、及びアルキルアラルキル変性シリコーンを含有しており、前記受容層の固形分総量に対する、前記ポリエステル樹脂の含有量が50質量%より多く、前記熱転写シートの前記染料層は、アルキルセルロース樹脂を含有しており、前記染料層の総質量に対する、前記アルキルセルロース樹脂の含有量が50質量%以下であることを特徴とする。
また一実施形態の印画物の形成方法、第1基材の一方の面に当該第1基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体と、第2基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートとを組合せて用い、前記中間転写媒体の最表面に位置し前記転写層に含まれる受容層上に熱転写画像を形成する工程と、前記受容層上に熱転写画像が形成された中間転写媒体と、被転写体とを組合せて、前記被転写体上に、前記中間転写媒体の前記転写層を熱転写する工程とを含み、前記中間転写媒体の前記受容層は、ポリエステル樹脂を含有しており、前記熱転写シートの前記染料層は、アルキルセルロース樹脂を含有しており、前記染料層の総質量に対する、前記アルキルセルロース樹脂の含有量が、50質量%以下であることを特徴とする。
また、上記の印画物の形成方法に用いられる中間転写媒体の受容層は、前記ポリエステル樹脂を、当該受容層の固形分総量に対し50質量%を超える範囲で含有していることが好ましい。
本発明の中間転写媒体と熱転写シートとの組合せや、印画物の形成方法によれば、受容層上に熱転写画像を形成するときの染料層の離型性が良好であり、且つ、従来よりも低い温度で、熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を被転写体上に密着性よく転写することができる。
本発明の組合せ、及び印画物の形成方法で用いられる中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。 本発明の組合せ、及び印画物の形成方法で用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の組合せ、及び印画物の形成方法により形成される印画物の一例を示す概略断面図である。
<<中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ>>
以下に、本発明の中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ(以下、本発明の組合せと言う)に用いられる中間転写媒体、及び熱転写シートについて説明する。図1は、本発明の組合せに用いられる中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。図2は、本発明の組合せに用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
<中間転写媒体>
本発明の組合せに用いられる中間転写媒体10は、図1に示すように、第1基材上に転写層2が設けられている。転写層2は、第1基材から剥離可能に設けられており、少なくとも、中間転写媒体の最表面に位置する受容層5を含んでいる。転写層2は、受容層5のみからなる単層構成を呈していてもよく、任意の層を含む積層構成を呈していてもよい。図1に示す形態では、転写層2は、剥離層3、保護層4、受容層5がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。なお、剥離層3、保護層4は、本発明に用いられる中間転写媒体10における任意の層である。
(第1基材)
第1基材は、本発明の組合せに用いられる中間転写媒体10における必須の構成であり、転写層2を保持するために設けられる。第1基材について特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。第1基材の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は5μm〜30μm程度であり、好ましくは7μm〜20μmである。
(転写層)
図1に示すように第1基材上には転写層2が設けられている。転写層2は、熱転写時に第1基材から剥離され被転写体上に転写される層である。転写層2は、必須の層として受容層5を含んでおり、当該受容層5は、中間転写媒体10の最表面に位置している。なお、以下では、受容層5を含む転写層2の再転写性について説明を行っているが、この転写層2は、受容層5のみからなる形態、受容層5とともに他の任意の層を含む形態のいずれの形態も含む。なお、本願明細書では、熱転写シートの染料層を用いて中間転写媒体の受容層に熱転写画像を形成するときの染料層の転写性と、熱転写画像が形成された中間転写媒体の転写層を被転写体上に転写するときの転写層の転写性とを明確に区別すべく、熱転写画像が形成された転写層を被転写体上に転写するときの転写性のことを、「再転写性」と称している。また、熱転写画像が形成された転写層2とは、熱転写画像が形成された受容層5を含む転写層2を意味し、上記のように、この転写層2は、熱転写画像が形成された受容層5のみからなるものであってもよく、熱転写画像が形成された受容層5と他の任意の層を含むものであってもよい。
(受容層)
本発明に用いられる中間転写媒体10は、後述する熱転写シート50と組合せて用いることで、受容層5上に熱転写画像が形成される。また、受容層5上に熱転写画像を形成した後に、当該受容層5を含む転写層2を、被転写体上に転写することにより、図3に示すように、被転写体100上に、熱転写画像が形成された受容層5を含む転写層2が設けられた印画物200を得る。なお、図3は、本発明の組合せにより形成される印画物の一例を示す概略断面図である。
受容層5は、中間転写媒体10の最表面に位置しており、受容層5を含む転写層2を被転写体上に転写したときに、受容層5と被転写体とは直接的に接することとなる。したがって、受容層5には、被転写体への良好な再転写性が求められることとなる。なお、本願明細書で言う再転写性とは、被転写体上に受容層5を含む転写層2を熱転写したときの被転写体100と受容層5との密着性を意味し、受容層5の再転写性が良好であるとは、被転写体100と受容層5との密着性が良好であることを意味する。
中間転写媒体の受容層5には、被転写体上に熱転写するときの再転写性が良好であることに加え、受容層5上に熱転写画像を形成するときに、熱転写シート50の染料層53との離型性が良好であることが求められている。しかしながら、受容層5において、被転写体への再転写性を向上させることと、染料層との離型性を向上させることはトレードオフの関係にあり、染料層との離型性の向上を主眼とする受容層とした場合には、被転写体上に再転写性よく、受容層を含む転写層を熱転写することが困難となる。換言すれば、被転写体上に、受容層を含む転写層を密着性よく転写することが困難となる。
受容層の再転写性を向上させる方法としては、受容層を含む転写層を熱転写するときの熱エネルギーを高くする方法が知られている。この方法を用いれば、受容層が含有している樹脂として従来公知の樹脂を用いた場合であっても、比較的容易に、受容層を含む転写層の再転写性を向上させることができる。しかしながら、受容層を含む転写層を被転写体上に熱転写するときの熱エネルギーを高くしていった場合には、これに伴い、被転写体へのダメージが大きくなり、被転写体にカールや、変形等が生じ、得られる印画物の外観が悪くなるといった問題が生ずることとなる。
かかる問題に対し、本発明の組合せにおいては、中間転写媒体の受容層5がポリエステル樹脂を含有していることを特徴としている。
ポリエステル樹脂を含有する受容層5によれば、従来よりも低い熱エネルギーで、被転写体上に、当該受容層5を含む転写層2を再転写性よく転写することができ、転写層2を再転写するときの熱エネルギーによって被転写体100がダメージを受けることを抑制することができる。具体的には、ポリエステル樹脂を含有する受容層5とすることで、ヒートロール等の加熱手段(以下、加熱手段と言う)により転写層を転写するときに、被転写体がダメージを受けにくい145℃程度の温度をかけることで、被転写体上に、当該受容層5を含む転写層2を再転写性よく転写することができる。
なお、受容層がポリエステル樹脂を含有していない場合(以下、ポリエステル樹脂を含有していない受容層のことを比較の受容層と言う場合がある。)には、加熱手段により転写層を転写するときに145℃を超える温度をかけなければ、被転写体上に、比較の受容層を含む転写層を再転写性よく転写することができず、被転写体が受けるダメージを抑制することが困難となる。例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等は、受容層の再転写性を良好なものとすることができる樹脂として知られているが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有する受容層とした場合であっても、当該受容層がポリエステル樹脂を含有していない場合には、当該塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の含有量にかかわらず、加熱手段により転写層を転写するときに145℃を超える温度をかけなければ、この受容層(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有する比較の受容層)を含む転写層の再転写性を十分に満足させることができない。
本願明細書で言うポリエステル樹脂には、ポリエステル樹脂と、他の樹脂との共重合体も含まれる。ポリエステル樹脂と共重合体をなす他の樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などを挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂を、各種の硬化剤によって硬化してなるものであってもよい。
また、受容層5は、1種のポリエステル樹脂を単独で含有していてもよく、2種以上のポリエステル樹脂を含有していてもよい。
受容層5が含有しているポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上80℃以下のポリエステル樹脂であることが好ましく、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上70℃以下のポリエステル樹脂であることがさらに好ましい。この受容層5によれば、受容層を含む転写層の再転写性を良好なものとしつつ、ブロッキングの発生を十分に抑制することができる。なお、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)とは、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度を意味する。
また、受容層5が含有しているポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が2000以上25000以下のポリエステル樹脂であることが好ましく、数平均分子量(Mn)が8000以上15000以下のポリエステル樹脂であることがさらに好ましい。なお、ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)とは、GPCにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量を意味する。
特には、受容層5が含有しているポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上80℃以下であって、かつ数平均分子量(Mn)が2000以上25000以下のポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、受容層5は、ポリエステル樹脂とともに他の任意の樹脂を含有していてもよい。他の任意の樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
また、受容層5は、ポリエステル樹脂とともに離型剤を含有していてもよい。ポリエステル樹脂とともに、離型剤を含有している受容層5とすることで、熱転写シートの染料層との離型性をより向上させることができる。なお、本発明の組合せは、熱転写シートの染料層側からのアプローチによって、ポリエステル樹脂を含有する受容層と、熱転写シートの染料層との離型性の向上を図っている点を特徴とするものであり、受容層5が、ポリエステル樹脂とともに各種の離型剤を含有している場合であっても、この受容層を備える中間転写媒体と組合せて用いられる熱転写シートの染料層が、本発明の発明特定事項を充足しない場合には、離型性を十分に満足させることはできない。
離型剤としては、従来公知の離型剤、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等が挙げられ、これらを1種、または2種以上混合して使用することができる。本発明においては、特に変性シリコーンオイルを用いることが好ましく、側鎖型変性シリコーンオイル、両末端型変性シリコーンオイル、片末端型変性シリコーンオイル、側鎖両末端型変性シリコーンオイル、シリコーングラフトアクリル樹脂、メチルフェニルシリコーンオイル等が挙げられる。
上記の変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられる。反応性シリコーンオイルとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性したもの等が挙げられる。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性したもの等が挙げられる。
離型剤の含有量について特に限定はないが、受容層5は、当該受容層5の固形分総量に対し、0.5質量%以上15質量%以下の範囲内で離型剤を含有していることが好ましい。
ポリエステル樹脂の含有量について特に限定はなく、ポリエステル樹脂を含有している分だけ、従来よりも低い温度で、受容層を含む転写層を被転写体上に再転写性よく転写することができる。
好ましい形態の受容層5は、ポリエステル樹脂を、当該受容層5の固形分総量に対し40質量%以上、より好ましくは50質量%を超える範囲で、特に好ましくは75質量%以上含有している。受容層5の固形分総量に対し50質量%を超える範囲でポリエステル樹脂を含有せしめることで、さらに低い温度で、受容層5を含む転写層2を再転写性よく被転写体上に転写することが可能となる。具体的には、加熱手段による加熱温度が140℃程度、さらには、これよりも低い温度で、受容層5を含む転写層2を再転写性よく被転写体上に転写することが可能となる。なお、このことは、本発明に用いられる中間転写媒体の受容層5が含有するポリエステル樹脂の含有量を限定するものではなく、ポリエステル樹脂を含有する受容層とすることで、上記で説明したように、被転写体が受けるダメージを抑制しつつ、受容層5を含む転写層2を被転写体上に再転写性よく転写することができる。
ポリエステル樹脂の含有量の上限値について特に限定はなく、受容層5の固形分総量に対するポリエステル樹脂の含有量の上限値は100質量%である。なお、2種以上のポリエステル樹脂を含有する場合には、上記好ましい含有量は、ポリエステル樹脂の合計質量を基準とする。
受容層5の形成方法について特に限定はなく、ポリエステル樹脂、必要に応じて添加される各種の成分を適当な溶媒に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。受容層5の厚さについても特に限定はないが、通常、乾燥状態で1μm〜10μm 程度である。
(剥離層)
第1基材からの転写層2の剥離性を向上させるために、図1に示すように、第1基材と受容層5との間に剥離層3を設けてもよい。
剥離層3を構成する樹脂材料について特に限定はなく、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、剥離層3は、1種の樹脂を単独で含有していていてもよく、2種以上の樹脂を含有していてもよい。剥離層3は、熱転写時に、受容層とともに被転写体上に移行する層、すなわち転写層2を構成する層としてもよく、第1基材側に残る層であってもよい。なお、図示する形態では、剥離層3は、転写層2を構成する層となっている。剥離層3の厚みについて特に限定はないが、0.5μm〜5μmの範囲内あることが好ましい。
剥離層3の形成方法について特に限定はないが、上記の樹脂を適当な溶媒に溶解または分散させて剥離層用塗工液を調製し、これを第1基材上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
(保護層)
また、被転写体上に、転写層2を転写することで得られる印画物の耐久性を向上させるべく、第1基材と受容層5との間(図示する形態では、剥離層3と受容層5との間)に保護層4を設けてもよい。保護層4は、転写層2を構成する任意の層であり、受容層とともに、被転写体上に移行する層である。
保護層4を構成する樹脂材料について特に限定はなく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等が使用可能である。
また、電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層4は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている点で保護層4のバインダーとして好適に用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては特に限定されることはなく、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。紫外線吸収性樹脂を含有する保護層4は、印画物に耐光性を付与することに優れている。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものが挙げられる。
また、必要に応じて、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他の添加剤等を添加してもよい。保護層4の形成方法としては、上記に例示される樹脂材料の1種または2種以上を適当な溶剤により、溶解または分散させて保護層用塗工液を調製し、これを第1基材(必要に応じて第1基材上に設けられた剥離層3)上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥して形成することができる。保護層4の厚さについて特に限定はないが、0.1μm〜50μmの範囲内あることが好ましい。
(プライマー層)
また、第1基材と受容層5との間に、剥離層3や、保護層4を設ける場合には、転写層2を構成する各層間の接着性を向上させるべく、剥離層3と保護層4との間や、保護層4と受容層5との間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ゴム系化合物などを挙げることができる。また、プライマー層にはマイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有していてもよい。
(耐可塑剤性層)
また、転写層2が転写された印画物の耐可塑剤性を向上させるべく、第1基材と受容層5との間に耐可塑剤性層(図示しない)を設けてもよい。また、第1基材と受容層5との間に、保護層4や、剥離層3を設ける場合には、これらの層の間に、例えば、剥離層3と保護層4との間、保護層4と受容層5との間等に耐可塑剤性層(図示しない)を設けてもよい。
耐可塑剤性層を構成する成分としては、可塑剤成分を弾く材料や、可塑剤成分が画像に到達しにくい材料を好ましく使用することができる。可塑剤成分を弾く材料としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等を挙げることができる。可塑剤成分が画像に到達しにくい材料としては、カチオン性のウレタンエマルジョン等のカチオン性樹脂を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いることもできる。
また、可塑剤成分を弾く材料として例示したポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂は、ケン化度が30〜100%のものが好ましく、60〜100%のものが更に好ましい。ケン化度がこの範囲のポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を耐可塑剤性層に含有させることで、転写層2の耐可塑剤性を更に向上させることができる。なお、本願明細書で言うケン化度とは、ポリマー中のビニルアルコール構造のモル数を、ポリマー中の全モノマーのモル数で割った値を意味する。可塑剤成分を弾く材料や、可塑剤成分が画像に到達しにくい材料は、耐可塑剤性層の固形分総量に対し20質量%〜100質量%の範囲内で含有されていることが好ましい。
また、耐可塑剤性層には、必要に応じて、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、蛍光増白剤、その他の添加剤等を添加してもよい。
必要に応じて設けられる耐可塑剤性層は、上記で例示した材料の1種又は2種以上と、必要に応じて添加される各種材料を適当な溶剤により溶解または分散させて耐可塑剤性層用塗工液を調製し、これを第1基材、あるいは必要に応じて設けられる剥離層3上に塗布・乾燥して形成することができる。耐可塑剤性層の厚さについて特に限定はないが、通常は乾燥後の厚みで0.1μm〜50μmであり、好ましくは1μm〜20μm程度である。
<熱転写シート>
本発明の組合せに用いられる熱転写シート50は、図2に示すように、第2基材の一方の上に、染料層53が設けられている。
(第2基材)
第2基材は、本発明の組合せに用いられる熱転写シート50における必須の構成であり、染料層53、及び任意の背面層等を保持するために設けられる。第2基材について特に限定はなく、中間転写媒体の受容層5上に熱転写画像を形成するときにサーマルヘッドにより加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、第2基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2μm〜100μm程度が一般的で、好ましくは1μm〜10μmである。第2基材は、上記第1基材と同じものを用いることもできる。
また、第2基材の一方の面に接着処理が施されていても良い。接着処理を施すことで、第2基材と染料層53、或いは第2基材と染料層53との間に設けられる任意の層との密着性を向上させることができる。
接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を2種以上併用することもできる。また、第2基材に接着処理を施すことにかえて、第2基材と染料層との間に、プライマー層(下引き層という場合もある。)を設けてもよい。また、接着処理が施された第2基材と、染料層53との間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層としては、上記本発明に用いられる中間転写媒体で説明したプライマー層をそのまま用いることができる。
(染料層)
第2基材の一方の面上には染料層53が設けられている。染料層53は、染料とバインダー樹脂を含有している。
上記で説明したように、熱転写シートと組合せて用いられる中間転写媒体10の受容層5は、ポリエステル樹脂を含有しており、これにより、被転写体がダメージを受けることを抑制しつつ、受容層5を含む転写層2を被転写体上に再転写性よく転写することができる。本発明に用いられる中間転写媒体10の受容層5は、ポリエステル樹脂を含有していることを必須の条件とするものであるが、この中間転写媒体10を、従来の熱転写シートと組合せて用いた場合には、ポリエステル樹脂を含有する受容層5と、熱転写シートの染料層との離型性が不足し、受容層上に熱転写画像を形成するときに、中間転写媒体の受容層と、熱転写シートの染料層とが熱融着をおこし、熱融着に起因する各種の問題が生ずることとなる。これは、何らかの作用により、受容層5が含有しているポリエステル樹脂が、熱転写シートの染料層との離型性を阻害させる働きを果たすことによるものと推察される。
かかる問題に対し、本発明の組合せにおいては、熱転写シート50の染料層53が、アルキルセルロース樹脂を含有していることを特徴としている。
アルキルセルロース樹脂を含有している染料層53は、上記ポリエステル樹脂を含有している受容層5との離型性が良好であり、低温での転写層2の再転写性を良好なものとしつつ、熱転写画像の形成時における受容層5と染料層53との離型性を満足させることができる。なお、アルキルセルロース樹脂を含有している染料層53は、上記ポリエステル樹脂を含有している受容層5との離型性を主眼とするものであり、上記比較の受容層との関係においては、離型性を十分に満足することができない場合も多い。つまり、本発明の組合せは、低温での良好な再転写性を主眼として、ポリエステル樹脂を含有している受容層5を採用し、次いで、ポリエステル樹脂を含有している受容層との関係において、十分な離型性を有する染料層として、上記アルキルセルロース樹脂を含有している染料層53を採用とした点を特徴とするものである。
つまり、アルキルセルロース樹脂を含有している染料層53を備える熱転写シートとした場合であっても、この熱転写シートと組合せて用いられる中間転写媒体の受容層が、上記比較の受容層である場合には、受容層が含有している樹脂によっては離型性を十分に満足させることができず、また、低温での転写層2の再転写性を満足させることができない。
染料層53が含有しているアルキルセルロース樹脂について特に限定はなく、例えば、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ブチルセルロース樹脂等を挙げることができる。また、アルキルセルロース樹脂は、各種の置換基を有するアルキルセルロース樹脂であってもよい。各種の置換基を有するアルキルセルロース樹脂としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース等を挙げることができる。染料層53は、これらのアルキルセルロース樹脂の1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
アルキルセルロース樹脂の含有量について特に限定はないが、染料層53の固形分総量に対する含有量が2質量%を下回るにつれ、ポリエステル樹脂を含有している受容層5との離型性が低下していく傾向にある。したがって、この点を考慮すると、染料層53の固形分総量に対するアルキルセルロース樹脂の含有量は2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。上限値について特に限定はなく、染料層53が含有している染料の含有量等に応じて適宜設定することができるが、50質量%を超えるにつれ、染料層を形成するための染料層用塗工液の保存性が低下していく傾向にあり、また、受容層との貼りつきが生じやすくなる。したがって、この点を考慮すると、染料層53の固形分総量に対するアルキルセルロース樹脂の含有量は50質量%以下であることが好ましい。また、印画濃度を考慮すると、30質量%以下であることが好ましい。
染料層53は、上記アルキルセルロース樹脂とともに、他のバインダー樹脂を含有していてもよい。他のバインダー樹脂としては、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
アルキルセルロース樹脂を含むバインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、アルキルセルロース樹脂を含むバインダー樹脂の含有量が多くなる分、染料層53が含有している染料の含有量が少なくなり、受容層上に形成される熱転写画像の濃度が低くなっていく傾向にあることから、バインダー樹脂の含有量の上限値については、この点を考慮して設定することが好ましい。具体的には、アルキルセルロース樹脂を含むバインダー樹脂の含有量は、染料層53の固形分総量に対し30質量%以下であることが好ましい。
また、染料層53は、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等を含有していてもよい。離型剤としては、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、リン酸エステル等が挙げられる。シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイル、および変性シリコーンオイルやその硬化物等が挙げられる。シリコーンオイルは反応性のものでもよいし、非反応性のものでも良い。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。上記有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルに分類できる。反応性シリコーンオイルには、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、ヒドロキシ変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性がある。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、フッ素変性等がある。シリコーンオイルの含有量は、アルキルセルロース樹脂を含むバインダー樹脂の(合計)質量に対し、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、染料層を形成するときの塗工液の塗工適性を考慮すると0.3質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
染料層53が含有している染料について特に限定はなく、本発明に用いられる熱転写シートを昇華型熱転写シートとする場合には、染料層53は、昇華性染料を含有しており、熱溶融型熱転写シートとする場合には、着色剤を含む熱溶融組成物を含有している。また、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域とを連続した1枚の基材上に面順次に設けられた熱転写シートを用いることもできる。この場合、少なくとも1つの層が、アルキルセルロース樹脂を含有している層となっていればよい。以下、熱転写シートが、昇華型熱転写シートである場合を中心に説明するが、本発明の中間転写媒体100は、昇華型熱転写シートと組み合されて用いられることに限定されるものではない。
昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられ、更に具体的には、特開平7−149062号公報に例示の化合物等が挙げられる。上記染料層において、昇華性染料の好ましい含有量は、染料層の固形分総量に対し5質量%以上90質量%以下、好ましくは10質量%以上70質量%以下である。昇華性染料の含有量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなる傾向にあり、上記範囲を越えると保存性等が低下する傾向にある。
染料層53の厚みについて特に限定はないが、0.2μm〜5μm程度であることが好ましい。
染料層53の形成方法について特に限定はなく、アルキルセルロース樹脂、染料、及び必要に応じて任意に添加される各種の成分を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した染料層用塗工液を、第2基材上に、従来公知の塗工方法を用いて、塗工・乾燥することで形成することができる。従来公知の塗工方法としては、ラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等が挙げられる。
(背面層)
また、第2基材の他方の面上に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層(図示しない)を設けてもよい。なお、背面層は本発明で用いられる熱転写シート50における任意の構成である。
背面層は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリビニルアセタール樹脂や、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。
また、背面層は、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤を含有していることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。また、耐熱性を向上させるための硬化剤を含有していてもよい。
背面層は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、第2基材上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層の厚みは、2μm以下であることが好ましく、0.1μm〜1μm程度がより好ましい。
以上、本発明の組合せで用いられる熱転写シート50について具体的に説明を行ったが、本発明の趣旨を妨げない範囲で各種の変形態様をとることができる。例えば、図2に示す構成において、第2基材の同一面上に色相の異なる染料層が面順次に設けられていてもよい。例えば、第2基材上に、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層が面順次に設けられていてもよい。この場合、面順次に設けられた染料層のうちの少なくとも1つが、上記アルキルセルロース樹脂を含有している染料層となっていればよいが、全ての染料層が、上記アルキルセルロース樹脂を含有している染料層であることが好ましい。
<<印画物の形成方法>>
次に、本発明の印画物の形成方法について説明する。本発明の印画物の形成方法は、第1基材の一方の面に当該第1基材から剥離可能に転写層が設けられた中間転写媒体と、第2基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートとを組合せて用い、中間転写媒体の最表面に位置し転写層に含まれる受容層上に熱転写画像を形成する工程と、受容層上に熱転写画像が形成された中間転写媒体と、被転写体とを組合せて、被転写体上に、中間転写媒体の転写層を熱転写する工程と、を含み、中間転写媒体の受容層は、ポリエステル樹脂を含有しており、熱転写シートの染料層は、アルキルセルロース樹脂を含有していることを特徴としている。
好ましい印画物の形成方法は、印画物の形成方法で用いられる中間転写媒体の受容層が、ポリエステル樹脂を、当該受容層の固形分総量に対し50質量%を超える範囲で含有している。また、好ましい印画物の形成方法は、熱転写シートの染料層は、アルキルセルロース樹脂を、当該染料層の固形分総量に対し2質量%以上含有している。
<熱転写画像を形成する工程>
本工程は、熱転写シートと、中間転写媒体とを組合せて、中間転写媒体の受容層上に熱転写画像を形成する工程である。
本工程では、上記で説明した、本発明の組合せで用いられる中間転写媒体10と、熱転写シート50とが用いられる。本工程で用いられる中間転写媒体、及び熱転写シートは、上記で説明したものをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。なお、本発明の印画物の形成方法では、上記アルキルセルロース樹脂を含有している染料層を用いて、上記ポリエステル樹脂を含有している受容層上に熱転写画像が形成されることから、熱転写画像の形成時における中間転写媒体の受容層と、熱転写シートの染料層との離型性を良好なものとすることができる。
熱転写画像の形成方法について特に限定はなく、サーマルヘッド等の加熱手段を用いた従来公知の熱転写方法を適宜選択して用いることができる。
<転写層を熱転写する工程>
本工程は、上記の工程で熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を、被転写体上に熱転写する工程である。これにより、被転写体上に、熱転写画像が形成された受容層を含む転写層が設けられた印画物を得る。
被転写体について特に限定はなく、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。特に、本発明で用いられる中間転写媒体の受容層は、ポリエステル樹脂を含有していることから、従来よりも低い温度、具体的には145℃程度の温度で、被転写体上に、転写層を再転写性よく転写することができ、被転写体が受ける熱ダメージを抑制することができる。また、従来よりも低い温度で、被転写体上への転写層の転写が可能となることから、被転写体の材料選択の幅を広げることもできる。
被転写体上に、熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を熱転写する方法についても特に限定はなく、従来公知の熱転写プリンタを構成するサーマルヘッドのほか、熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒーター、アイロンなどを挙げることができる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。また、Mnは数平均分子量を、Tgはガラス転移温度を示す。
(中間転写媒体1の作成)
基材として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、該基材の一方の面へ、グラビアコート法で、下記組成の剥離層用塗工液を、乾燥後1.0μmになるように塗布し乾燥して剥離層を形成した。次いで、剥離層上に、グラビアコート法で、下記のプライマー層用塗工液を、乾燥後1.0μmになるように塗布し乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、グラビアコート法で、下記の保護層用塗工液を、乾燥後2.0μmになるように塗布し乾燥して保護層を形成した。次いで、この保護層上に、グラビアコート法で、下記の受容層用塗工液1を、乾燥後2.5μmになるように塗布し乾燥して受容層を形成し中間転写媒体1を作成した。なお、剥離層/プライマー層/保護層/受容層は、中間転写媒体1の転写層を構成し、当該転写層は、被転写体上に再転写される層である。以下の中間転写媒体2〜5における剥離層/プライマー層/保護層/受容層についても同様である。
<剥離層用塗工液>
・アクリル樹脂 95部
(BR−87 三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200 東洋紡(株)製)
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
<プライマー層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 33部
(バイロン200 東洋紡(株)製)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 27部
(CNL 日信化学工業(株)製)
・イソシアネート硬化剤 15部
(XEL硬化剤 (株)ザ・インクテック製)
・トルエン 50部
・メチルエチルケトン 200部
<保護層用塗工液>
・スチレン−アクリル系樹脂 150部
(ミューティクルPP320P 三井化学(株)製)
・ポリビニルアルコール 100部
(C−318 (株)DNPファインケミカル製)
・水/エタノール(質量比1/2) 70部
<受容層用塗工液1>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Mn:12000) 25部
(CNL 日信化学工業(株))
・ポリエステル樹脂(Mn:10000) 70部
(GK250 東洋紡(株))
・エポキシ変性シリコーン 5部
(KP−1800U 信越化学工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(中間転写媒体2の作成)
受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液2に変更した以外は、全て中間転写媒体1と同様にして、中間転写媒体2を作成した。
<受容層用塗工液2>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Mn:12000) 15部
(CNL 日信化学工業(株))
・ポリエステル樹脂(Mn:10000) 80部
(GK250 東洋紡(株))
・エポキシ変性シリコーン 3.75部
(KP−1800U 信越化学工業(株))
・アルキルアラルキル変性シリコーン 1.25部
(KF410 信越化学工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(中間転写媒体3の作成)
受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液3に変更した以外は、全て中間転写媒体1と同様にして、中間転写媒体3を作成した。
<受容層用塗工液3>
・ポリエステル樹脂(Mn:10000) 98部
(GK250 東洋紡(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.5部
(KP−1800U 信越化学工業(株))
・アルキルアラルキル変性シリコーン 0.5部
(KF410 信越化学工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(中間転写媒体4の作成)
受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液4に変更した以外は、全て中間転写媒体1と同様にして、中間転写媒体4を作成した。
<受容層用塗工液4>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Mn:12000) 58部
(CNL 日信化学工業(株))
・ポリエステル樹脂(Mn:10000) 40部
(GK250 東洋紡(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.5部
(KP−1800U 信越化学工業(株))
・アルキルアラルキル変性シリコーン 0.5部
(KF410 信越化学工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(中間転写媒体5の作成)
受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液5に変更した以外は、全て中間転写媒体1と同様にして、中間転写媒体5を作成した。
<受容層用塗工液5>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Mn:12000) 95部
(CNL 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 5部
(KP−1800U 信越化学工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(熱転写シート1の作成)
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時0.8g/m2になるように塗工し、背面層を形成した。次いで、基材の他方の面に、下記組成のイエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように面順次に塗工して、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を形成し、熱転写シート1を作成した。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 2.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 9.2部
(バーノック D750 大日本インキ化学工業(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフA208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.3部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 43.6部
・メチルエチルケトン 43.6部
<イエロー染料層用塗工液1>
・下記一般式(1)で表されるイエロー染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 1.8部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリビニルブチラール樹脂(Mn:約66000、Tg:64℃) 0.9部
(エスレックBH−S 積水化学工業(株))
・エチルセルロース樹脂(エトキシル基含有率:45%) 0.3部
(エトセルSTD45 日進化成(株))
・シリコーン 0.06部
(X−22−3939 信越化学(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
Figure 0006387670
<マゼンタ染料層用塗工液1>
・下記一般式(2)で表されるマゼンタ染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 1.8部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリビニルブチラール樹脂(Mn:約66000、Tg:64℃) 0.9部
(エスレックBH−S 積水化学工業(株))
・エチルセルロース樹脂(エトキシル基含有率:45%) 0.3部
(エトセルSTD45 日進化成(株))
・シリコーン 0.12部
(X−22−3939 信越化学(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
Figure 0006387670
<シアン染料層用塗工液1>
・下記一般式(3)で表されるシアン染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 1.8部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリビニルブチラール樹脂(Mn:約66000、Tg:64℃) 0.9部
(エスレックBH−S 積水化学工業(株))
・エチルセルロース樹脂(エトキシル基含有率:45%) 0.3部
(エトセルSTD45 日進化成(株))
・シリコーン 0.06部
(X−22−3939 信越化学(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
Figure 0006387670
(熱転写シート2の作成)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、それぞれ、下記組成のイエロー染料層用塗工液2、マゼンタ染料層用塗工液2、シアン染料層用塗工液2に変更した以外は、全て熱転写シート1の作成と同様にして、熱転写シート2を作成した。
<イエロー染料層用塗工液2>
・上記一般式(1)で表されるイエロー染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 1.8部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリビニルブチラール樹脂(Mn:約66000、Tg:64℃) 0.9部
(エスレックBH−S 積水化学工業(株))
・エチルセルロース樹脂(エトキシル基含有率:45%) 0.3部
(エトセルSTD45 日進化成(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
<マゼンタ染料層用塗工液2>
・上記一般式(2)で表されるマゼンタ染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 1.8部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリビニルブチラール樹脂(Mn:約66000、Tg:64℃) 0.9部
(エスレックBH−S 積水化学工業(株))
・エチルセルロース樹脂(エトキシル基含有率:45%) 0.3部
(エトセルSTD45 日進化成(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
<シアン染料層用塗工液2>
・上記一般式(3)で表されるシアン染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 1.8部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリビニルブチラール樹脂(Mn:約66000、Tg:64℃) 0.9部
(エスレックBH−S 積水化学工業(株))
・エチルセルロース樹脂(エトキシル基含有率:45%) 0.3部
(エトセルSTD45 日進化成(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
(熱転写シート3の作成)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、それぞれ、下記組成のイエロー染料層用塗工液3、マゼンタ染料層用塗工液3、シアン染料層用塗工液3に変更した以外は、全て熱転写シート1の作成と同様にして、熱転写シート3を作成した。
<イエロー染料層用塗工液3>
・上記一般式(1)で表されるイエロー染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.25部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 0.75部
(KS−1 積水化学工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
<マゼンタ染料層用塗工液3>
・上記一般式(2)で表されるマゼンタ染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部
(KS−5 積水化学工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
<シアン染料層用塗工液3>
・上記一般式(3)で表されるシアン染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部
(KS−5 積水化学工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
(中間転写媒体と熱転写シートの組合せ)
上記で作成した中間転写媒体と熱転写シートとを、下表1で示される組合せとし、これを各実施例、各比較例の組合せとした。なお、中間転写媒体1〜4、熱転写シート1、2は、本発明の組合せの発明特定事項を充足する中間転写媒体、及び熱転写シートであり、中間転写媒体5、熱転写シート3は、本発明の組合せの発明特定事項を充足しない中間転写媒体、及び熱転写シートである。
Figure 0006387670
(離型性評価)
上記の各実施例及び比較例で作製した熱転写シートと中間転写媒体を組み合わせて、下記のテストプリンターを用いて、中間転写媒体の受容層上に、イエローベタ画像(255/255階調)、マゼンタベタ画像(255/255階調)、シアンベタ画像(255/255階調)、及びこれらのベタ画像を重ねた黒ベタ画像を印画してなる画像形成物を得た。そして、黒ベタ画像の印画時におけるシアン染料層の離型性を、以下の評価基準に基づいて行った。評価結果を表2に示す。なお、離型性の評価として、黒ベタ画像の印画時のシアン染料層を基準とする評価としているのは、二次色、三次色の重ね画像を形成するときに、三次色の画像を形成するときの染料層(ここで言うシアン染料層)が、最も高い離型性を有していることが要求され、三次色の画像を形成するときの染料層の離型性を満足させることができるものであれば、二次色、或いは一次色の画像を形成するときの各染料層の離型性は良好なものとなる。
(テストプリンター)
サーマルヘッド;KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;3303(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印画電圧;18(V)
1ライン周期;3.0(msec.)
印字開始温度;35(℃)
パルスDuty比;85%
<評価基準>
○:問題なく剥離した。
△:貼りつきが発生したが、印画品質に問題ないレベルであった。
×:貼りつきが発生し、印画品質に問題があるレベルであった。
(再転写性評価)
上記離型性の評価で得られた各画像形成物(画像が形成された各中間転写媒体)を用い、以下の再転写条件にて、各画像形成物の転写層を、下記組成の白色塩ビカード上に再転写し、以下の評価基準に基づいて、転写層の再転写評価を行った。評価結果を表1に示す。
(再転写条件)
ラミネーター:ラミパッカーLPD3212(フジプラ社製)
温度:145℃、140℃、135℃
速度:0.8(設定値)
(カード基材の材料組成)
・ポリ塩化ビニルコンパウンド(重合度800) 100部
(安定化剤等の添加剤を約10%含有)
・白色顔料(酸化チタン) 10部
・可塑剤(DOP) 0.5部
<評価基準>
◎:密着不足による転写欠けがない。
○:熱転写画像の面積の0%よりも大きく10%以下の領域で、密着不足による転写欠けが発生した。
△:熱転写画像の面積の10%よりも大きく30%以下の領域で、密着不足による転写欠けが発生した。
×:熱転写画像の面積の30%以上の領域で、密着不足による転写欠けが発生した。
××:熱融着が発生し、熱転写シートが破断した。
Figure 0006387670
10…中間転写媒体
2…転写層
3…剥離層
4…保護層
5…受容層
50…熱転写シート
53…染料層
100…被転写体
200…印画物

Claims (2)

  1. 第1基材の一方の面に当該第1基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体と、第2基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートとの組合せであって、
    前記中間転写媒体の転写層は、当該中間転写媒体の最表面に位置する受容層を少なくとも含んでおり、
    前記受容層は、ポリエステル樹脂、及びアルキルアラルキル変性シリコーンを含有しており、
    前記受容層の固形分総量に対する、前記ポリエステル樹脂の含有量が50質量%より多く、
    前記熱転写シートの前記染料層は、アルキルセルロース樹脂を含有しており、
    前記染料層の総質量に対する、前記アルキルセルロース樹脂の含有量が50質量%以下であることを特徴とする中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ。
  2. 印画物の形成方法であって、
    第1基材の一方の面に当該第1基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体と、第2基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートとを組合せて用い、前記中間転写媒体の最表面に位置し前記転写層に含まれる受容層上に熱転写画像を形成する工程と、
    前記受容層上に熱転写画像が形成された中間転写媒体と、被転写体とを組合せて、前記被転写体上に、前記中間転写媒体の前記転写層を熱転写する工程と、
    を含み、
    前記中間転写媒体の前記受容層は、ポリエステル樹脂、及びアルキルアラルキル変性シリコーンを含有しており、
    前記受容層の固形分総量に対する、前記ポリエステル樹脂の含有量が50質量%より多く、
    前記熱転写シートの前記染料層は、アルキルセルロース樹脂を含有しており、
    前記染料層の総質量に対する、前記アルキルセルロース樹脂の含有量が50質量%以下であることを特徴とする印画物の形成方法。
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