JP2013180455A - 保護層転写シート、熱転写シートと保護層転写シートとの組合せ、印画物、印画物の形成方法 - Google Patents

保護層転写シート、熱転写シートと保護層転写シートとの組合せ、印画物、印画物の形成方法 Download PDF

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祐作 穐山
Sosuke Ieshige
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Abstract

【課題】被転写体の種別にかかわらず、被転写体上に形成された画像に耐光性と光沢性を付与することができる保護層転写シート、この保護層転写シートを用いた組合せ、印画物、及び印画物の形成方法を提供する。
【解決手段】昇華転写に用いられる保護層転写シート10であって、基材1と、該基材から剥離可能に設けられた転写性保護層2とを有し、転写性保護層2は、2種の異なるアクリル系モノマー(ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にセサモールを結合させた基を有するアクリル系モノマー、及び、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にレゾルシノールを結合させた基を有するアクリル系モノマー)の何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、保護層転写シート、熱転写シートと保護層転写シートとの組合せ、印画物、印画物の形成方法に関する。
中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像が簡易に形成できるという理由から、昇華転写方式により印画物を形成することが広く行われている。印画物としては、身分証明書、運転免許証、会員証等多く分野で使用されているIDカードが知られている。
昇華転写方式には、基材の一方の面に染料層を設けた熱転写シートが使用される。この熱転写シートは、耐熱性を有する基材と、バインダーに昇華性染料を混合した塗工液を基材上に塗工・乾燥して形成した染料層とを備えたものである。そして、例えば、熱転写受像シート等の被転写体と、熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッドにより、熱転写シートの背面側から画像情報に応じたエネルギーを印加して染料を被転写体上に移行させることで、被転写体上に画像が形成されてなる印画物が形成される。このような昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によって染料の移行量を制御出来るため濃度階調が可能であることから、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の印画物を形成することができる。
ところで、近年、昇華転写方式に用いられるプリンターには印画速度の高速化が求められている。高速化されたプリンターを用いる場合には、印画濃度が不足してしまうことから、印画濃度のアップを目的としてスペクトル吸光係数が高く、半値幅の広い、耐光性があまりよくない染料等が使用されるようになってきている。つまり、印画速度の高速化を満足させるためには、耐光性の劣る染料であっても使用せざるを得ない状況にあり、得られる画像の耐光性が劣るといった欠点があった。
このような状況下、染料受容層を有する熱転写受像シート上に昇華性染料を熱転写することで得られる印画物上に、保護層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて保護層を転写させ、該印画物上に保護層を形成することで印画物の耐光性を向上させる試みが行われている。例えば、特許文献1には、ベンゾトリアゾールの化合物やベンゾフェノン系の化合物を含有する保護層が提案されている。ところが、特許文献1に提案がされているように、ベンゾトリアゾール系の化合物やベンゾフェノン系の化合物を単に保護層を構成する樹脂中に添加した場合には、この化合物が熱によって、気化・発散、或いは分解してしまい、ベンゾトリアゾール系の化合物やベンゾフェノン系の化合物の効果が経時的に減少するという問題や、耐擦過性や耐可塑剤性が劣るという問題があった。これに対して、例えば、特許文献2には、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンの反応結合させた共重合樹脂を含む保護層転写シートが提案されているが、この保護層転写シートを用いた場合には、耐光性を十分に満足させることができないという問題がある。また、特許文献3には、熱転写受像シートの染料受容層樹脂中に、染料受容性樹脂とベンゾトリアゾール系の化合物やベンゾフェノン系の化合物を反応結合した樹脂を含有させた熱転写受像シートが提案されているが、染料受容層中にこれらの化合物を反応結合させた樹脂を含有させたとしても、これらの樹脂を含む保護層転写シートと同様に耐光性を十分に満足させることはできていない。
特許第2925699号公報 特許第3830985号公報 特開平5−212974号公報
熱転写受像シートの染料受容層としては、溶剤系の染料受容層や、水系の染料受容層が知られており、染料受容層上に転写される保護層には、いずれの染料受容層上に転写される場合であっても耐光性を充分に満足させることができる特性を有していることが求められている。換言すれば、染料受容層の種別にかかわらず、耐光性を満足させることができる特性を有していることが求められている。一方で、保護層は印画物の光沢性を向上させる役割もあり、どのような染料受容層においても高い光沢性を発現できることが求められている。しかしながら、例えば、ベンゾトリアゾール系の化合物や、この化合物を反応結合してなる樹脂を含む保護層を水系の染料受容層を備える熱転写受像シート上に転写した場合には、溶剤系の染料受容層を備える熱転写受像シート上に転写した場合と比較して耐光性が低下する。一方で、溶剤系の染料受容層を備える熱転写受像シート上に転写した場合には、水系の染料受容層を備える熱転写受像シート上に転写した場合と比較して光沢性が低下する。
また、ベンゾフェノン系の化合物や、この化合物を反応結合してなる樹脂を含む保護層では、水系の染料受容層を備える熱転写受像シート、溶剤系の染料受容層を備える熱転写受像シートのいずれの熱転写受像シート上に転写された場合であってもその耐光性は、上記のベンゾトリアゾール系の化合物や、この化合物を反応結合してなる樹脂を含む保護層を用いた場合と比較して劣る。また、より優れた耐光性を付与することができる保護層に対する要求も依然として高く、耐光性の向上についても未だ改善の余地がある。
本発明はこのような状況においてなされたものであり、保護層転写体が転写される被転写体の種別にかかわらず、被転写体上に形成された画像に耐光性と光沢性を付与することができる保護層転写シートを提供すること、及び耐光性や光沢性に優れた印画物を形成することができる熱転写シートと保護層転写シートの組合せ、印画物の形成方法を提供すること、並びに耐光性や光沢性に優れた印画物を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、昇華転写に用いられる保護層転写シートであって、前記保護層転写シートは、基材と、該基材から剥離可能に設けられた転写性保護層とを有し、前記転写性保護層は、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有することを特徴とする。
Figure 2013180455
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基を表す。R3は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。R4は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
また、前記共重合体樹脂が、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーと、アクリル系樹脂を構成するモノマー、オリゴマー、重合体の群から選択される少なくとも一種と、を共重合してなる共重合体であってもよい。
また、前記保護層転写シートは、さらに前記基材上に前記転写性保護層と面順次に設けられた染料層を有しており、前記染料層が、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有していてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、染料層を有する熱転写シートと、基材と該基材から剥離可能に設けられた転写性保護層とを有する保護層転写シートと、の組合せであって、前記染料層は、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有しており、前記転写性保護層は、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有していることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、熱転写受像シートの染料受容層上に形成された画像上に転写性保護層が設けられた印画物であって、前記画像が、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有しており、前記転写性保護層が、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有することを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、染料層を有する熱転写シートと、染料受容層を有する熱転写受像シートと、転写性保護層を有する保護層転写シートと、を組合せて使用して印画物を形成する印画物の形成方法であって、前記熱転写受像シートの前記染料受容層上に、前記熱転写シートの前記染料層の染料を転写して、前記染料受容層上に画像を形成する工程と、前記画像上に、前記保護層転写シートの転写性保護層を転写して印画物を形成する工程と、を備え、前記熱転写シートの前記染料層は、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有しており、前記保護層転写シートの前記転写性保護層は、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有していることを特徴とする
本発明の保護層転写シートによれば、保護層転写体が転写される被転写体の種別にかかわらず、被転写体上に形成された画像に耐光性と光沢性を付与することができる。また、本発明の保護層転写シート熱転写シートと保護層転写シートとの組合せや、印画物の形成方法によれば、耐光性と光沢性に優れた印画物を形成することができる。また、本発明の印画物は、耐光性と光沢性に優れる。
本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の組合せに用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の印画物の一例を示す概略断面図である。
<保護層転写シート>
以下に、本発明の保護層転写シートについて詳細に説明する。図1、図2は、本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。
図1、図2に示すように、本発明の保護層転写シート10は、基材1上に転写性保護層2が基材1から剥離可能に設けられている。なお、図1は、転写性保護層2が単層構造の保護層転写シートであり、図2は、転写性保護層2が積層構造の保護層転写シートである。転写性保護層2は図示する形態以外の構成をとることもでき、3層以上の積層構造をとることもできる。以下、本発明の保護層転写シート10の各構成について具体的に説明する。
(基材)
基材1について特に限定はなく、保護層転写シートの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン若しくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸又は未延伸フィルム等が挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。
基材1の厚みとしては、その強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常、3μm〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
(転写性保護層)
基材1上には、昇華転写の際に、基材1から剥離可能な転写性保護層2が設けられている。そして、本発明では転写性保護層2が、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有する点に特徴を有する。この共重合体樹脂を含有する本発明によれば、転写性保護層2が転写される被転写体の種別にかかわらず、被転写体上に形成された画像に耐光性と光沢性を付与することができる。以下、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を単に本発明の共重合体という場合がある。
Figure 2013180455
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基を表す。R3は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。R4は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
本発明の保護層転写シート10において、転写性保護層2は、昇華転写の際に被転写体、例えば、熱転写受像シートの染料受容層上に形成された画像上に転写される層である。したがって、転写性保護層2には、基材1から剥離することができ、被転写体に対して接着性を有するとともに、該転写性保護層2が転写された画像に光沢性と耐光性を付与できる機能を備えていることが必要である。
本発明の保護層転写シートにおいて、転写性保護層2は、単層構造(図1参照)を呈していてもよく、積層構造(図2参照)を呈していてもよい。転写性保護層2が積層構造を呈する場合には、該積層構造を構成する少なくとも1つの層が本発明の共重合体を含有する。積層構造の転写性保護層としては、基材1からの剥離性と、被転写体との接着性の機能を分離させた構成、たとえば、剥離層と接着層とから構成される転写性保護層2を挙げることができる。具体的には、図2に示されるように転写性保護層2を構成する層2A、層2Bのうち、基材1に近い層2Aを剥離層とし、基材1から最も遠い層2Bを接着層とし、層2A及び層2Bの何れか一方の層又は双方の層に本発明の共重合体を含有せしめた構成を挙げることができる。また、この構成にかえて、層2A、層2Bに本発明の共重合体を含有せしめずに、層2Aと層2Bとの間に、本発明の共重合体を含有する層を設けることもできる。また、転写性保護層2を構成する全ての層に、本発明の共重合体を含有させることもできる。つまり、本発明において、転写性保護層2の層構成についていかなる限定もされることはなく、転写性保護層2を構成する少なくとも1つの層が、本発明の共重合体を含有していればよい。
<本発明の共重合体>
転写性保護層2に含有される本発明の共重合体は、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂である。本発明の共重合体は、上記一般式(1)で示されるモノマーと上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方を含む共重合体樹脂であってもよく、上記一般式(1)で示されるモノマーと上記一般式(2)で示される双方のモノマーの双方のモノマーを含む共重合体樹脂であってもよい。以下、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを、単に上記一般式(1)、(2)に示されるモノマーという。
上記一般式(1)、(2)に示されるモノマーを含む共重合体樹脂を含有する転写性保護層2によれば、被転写体、例えば、熱転写受像シートの染料受容層に形成された画像上に、光沢性と、耐光性の機能を付与することができる。特に、本発明の共重合体を含有する転写性保護層2によれば、転写性保護層2が転写されるべき被転写体の種別にかかわらず、被転写体に耐光性を付与することができる。具体的には、被転写体が熱転写受像シートである場合において、該熱転写受像シートの染料受容層が、溶剤系の染料受容層、若しくは水系の染料受容層のいずれの場合であっても、該染料受容層上に形成された画像に充分な耐光性を付与することができる。
上記一般式(1)、(2)に示されるモノマーを含む共重合体樹脂を転写性保護層2に含有せしめることで、被転写体の種別にかかわらず上記の優れた効果を奏するメカニズムは、現在のところ明らかではないが、少なくとも、本発明の共重合体が、耐光性や光沢性の向上に寄与していることは、後述する実施例等の結果からも明らかである。
上記一般式(1)で示されるモノマーは、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にセサモールを結合させた化合物からの誘導体であり、ベンゾトリアゾール環のベンゼン部位に重合性2重結合を導入した分子構造を有する。なお、上記一般式(1)で表されるモノマーは式中、R1で表される置換基が水素原子またはメチル基で構成され、R2で表される置換基が炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基で構成されるベンゾトリアゾール類である。
上記一般式(1)で示されるモノマーの具体的な物質としては、たとえば、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルアクリレート、3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロピルメタクリレート、3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロピルアクリレート、4−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]ブチルメタクリレート、4−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]ブチルアクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロパノイルオキシ]エチルメタクリレート、2−[3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロパノイルオキシ]エチルアクリレート、4−[3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロパノイルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロパノイルオキシ]ブチルアクリレート、2−[3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロパノイルオキシ]エチルメタクリレート、2−[3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロパノイルオキシ]エチルアクリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5カルボキシレート、2−(アクリロイルオキシ)エチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、4−(メタクリロイルオキシ)ブチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、4−(アクリロイルオキシ)ブチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート等を挙げることができる。また、これらモノマーは単独で用いてもよく、2種以上を用いることもできる。
上記一般式(2)で示されるモノマーは、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にレゾルシノールを結合させた化合物からの誘導体であり、ベンゾトリアゾール環のベンゼン部位に重合性2重結合を導入した分子構造を有する。なお、上記一般式(2)で表されるモノマーは式中、R1で表される置換基が水素原子またはメチル基、R3で表される置換基が炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基、R4で表される置換基が水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基で構成されるベンゾトリアゾール類である。
上記一般式(2)で示されるモノマーの具体的な物質としては、たとえば、2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアタクリレート、2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタアクリレート、2−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、4−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルアクリレート、4−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルアクリレート、4−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルアクリレート、4−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルアクリレート、4−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルアクリレート等を挙げることができる。また、これらモノマーは単独で用いてもよく、2種以上を用いることもできる。
本発明の共重合体は、上記一般式(1)、(2)に示されるモノマーを含む共重合体樹脂であり、この要件を満たすものであれば転写性保護層2に優れた耐光性を付与することができる。上記一般式(1)、(2)に示されるモノマーと共重合体をなす成分は、樹脂を構成するモノマー、オリゴマー、重合体であればよく特に限定はない。樹脂を構成するモノマーとしては、以下に示すモノマー等を例示することができる。
樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ラウリルトリデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セリルステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレンジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールペンタ(メタ)アクリレート、ホスファゼンヘキサ(メタ)アクリレート等の二官能以上の(メタ)アクリレート等のアクリル系モノマーを挙げることができる。また、これ以外にも、(メタ)アクリルアミド、N,N'−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルロイルモルホリン、ビニルピリジン、ビニルイミダドール、N‐ビニルピロリドン等の含窒素不飽和モノマーや、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有不飽和モノマーを挙げることができる。更にはスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族不飽和モノマーや、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有不飽和モノマー、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルリン酸等のリン酸基含有不飽和モノマーを挙げることができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記に例示したモノマーの中でも、本発明ではアクリル系樹脂を構成するアクリル系モノマーが特に好適である。上記一般式(1)、(2)に示されるモノマーとアクリル系モノマーとが共重合されてなる共重合体樹脂を含有する転写性保護層2とすることで、被転写体上に形成された画像に特に優れた耐光性と光沢性を付与することができる。
上記成分は、上記モノマーに限らずオリゴマーとして使用してもよく、更に、上記モノマーの重合体(反応性重合体)又は、その誘導体からなるポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等の(メタ)アクリル系重合体も使用可能である。これらのモノマー、オリゴマー、(メタ)アクリル系反応性重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、本発明の共重合体は、例えば、下記一般式(3)、(4)に示されるように、上記で例示した樹脂を構成するモノマー、オリゴマー、重合体とともに、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物等の反応性紫外線吸収剤等がさらに共重合されたものであってもよい。これ以外にも、ラジカル捕捉に有効なヒンダードアミン型光安定剤(HALS)や酸化防止剤等がさらに共重合されたものであってもよい。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン型光安定剤(HALS)の再生作用を有するフェノール系の酸化防止剤等が好ましい
なお、下記一般式(3)は、メチルメタクリレートと、上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーとの共重合体である。下記一般式(4)は、メチルメタクリレートと、上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーと、ベンゾトリアゾール系化合物との共重合体である。
Figure 2013180455
本発明の共重合体における上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーの共重合比率について特に限定はないが、質量比で10%以上80%以下の範囲内であることが好ましい。共重合比率が10%未満である場合には、本発明の共重合体を含む転写性保護層2を転写した際の耐光性が低下する場合があり、一方で、共重合比率が80%を超えると合成が困難となる。なお、上記一般式(1)で示されるモノマーと、上記一般式(2)で示されるモノマーの双方が共重合されてなる場合には、上記一般式(1)で示されるモノマーの共重合比率と、上記一般式(2)で示されるモノマーの共重合比率との合算値が上記範囲内であることが好ましい。
また、本発明の共重合体の数平均分子量(Mn)について特に限定はないが、5,000以上500,000以下であることが好ましく、15,000以上250,000以下であることが特に好ましい。数平均分子量(Mn)が5,000未満である場合には、本発明の共重合体を含む転写性保護層2の耐久性を充分に得ることができない場合がある。一方、500,000を超えると、転写性保護層2の箔切れ性が悪くなる場合がある。数平均分子量(Mn)とは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
従来公知の紫外線吸収性モノマーとしては、下記一般式(5)で示されるベンゾトリアゾール系のモノマーや、下記一般式(6)で示されるベンゾフェノン系のモノマーが知られているが、上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーを重合させることなく、下記一般式(5)、(6)で示されるモノマーを重合してなる共重合体樹脂を用いた場合には、耐光性を満足させることができず、染料受容層の種別によっては耐光性とともに光沢性も低下する。
Figure 2013180455
本発明の共重合体を得るための重合方法について限定はなく、従来公知の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等を採用することができる。
上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーを重合反応させる際に用いるラジカル重合開始剤についても特に限定はなく、例えば、2,2'−アゾビス−(4−メトキシ−2.4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2'−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2'−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド等のアゾ系ラジカル重合開始剤が挙げられる。更にはハイドロゲンパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジイソブチリルパーオキサイド、ビス(3,5,5−)トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤が挙げられる。更には過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩系ラジカル重合開始剤等が挙げられる。また重合開始剤の使用量も特に限定されるものではない。
乳化重合法等の水系重合法においては、還元剤として亜硫酸ナトリウム、L‐アスコルビン酸、ロンガリット等を用いることによりレドックス系開始剤としてもよい。
共重合反応をさせる際には必要に応じて連鎖移動剤、重合調整剤を用いてもよい。連鎖移動剤、重合調整剤としては、n−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、β-メルカプトプロピオン酸メチル-3-メルカプトプロピオネート、2-エチルヘキシル-3-メルカプトプロピオネート、n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート、メトキシブチル-3-メルカプトプロピオネート、ステアリル-3-メルカプトプロピオネート、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、アルファメチルスチレンダイマー等が挙げられるが特に限定されるものではい。また連鎖移動剤、重合調整剤の使用量も特に限定されるものではない。
溶液重合法において用いることができる溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられるが特に限定されるものではい。また溶媒の使用量も特に限定されるものではない。
乳化重合法において用いることができる界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、スチレン‐アクリル酸ナトリウム共重合体、スチレン‐アクリル酸アンモニウム共重合体、スチレン‐アルファメチルスチレン‐アクリル酸ナトリウム共重合体、スチレン‐アルファメチルスチレン‐アクリル酸アンモニウム共重合体、スチレン‐マレイン酸ナトリウム共重合体、スチレン‐マレイン酸アンモニウム共重合体、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが特に限定されるものではい。また界面活性剤の使用量も特に限定されるものではない。
懸濁重合法において用いることができる分散剤としては、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド等が挙げられるが特に限定されるものではい。また分散剤の使用量も特に限定されるものではない。
重合反応温度は特に限定されるものではないが25℃〜200℃の範囲が好ましく、40℃〜140℃の範囲がより好ましい。反応時間は、特に限定されるものではなく、用いる単量体組成物の組成や重合開始剤の種類等に応じて、重合反応が完結するように適宜に条件設定を行えばよい。
次に、本発明の保護層転写シート10の実施の形態について、本発明の転写性保護層2が積層構造を呈する場合と、単層構造を呈する場合を例に挙げ、さらに具体的に説明する。
(積層構造の転写性保護層)
図2に示すように、転写性保護層2を積層構造とし、積層構造をなす層に、転写性保護層2に要求される各機能を付与することとしてもよい。
例えば、図2に示されるように、転写性保護層2を、層2Aと層2Bがこの順で積層されてなる構成とし、層2Aを剥離層、層2Bを接着層とすることで、該転写性保護層2に、基材1からの剥離性と、被転写体に対する接着性を付与することができる。
また、上記の構成において、本発明の共重合体は、上記剥離層及び接着層の何れか一方の層、または双方の層に含有せしめることとしてもよく、層2A、層2B以外の別途の層を設け、別途の層に本発明の共重合体を含有せしめた構成とすることもできる。以下、剥離層、接着層の一例について説明する。
本発明の共重合体に、剥離性を有する成分や接着性を有する成分が含まれる場合、例えば、上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーと、アクリル系モノマーとの共重合体である場合には、該共重合体は、耐光性、光沢性、剥離性、接着性に優れることから、本発明の共重合体以外の成分を含有させることなく、剥離層や、接着層として本発明の共重合体を単独で用いることができる。本発明の共重合体をなすアクリル系モノマーの中でも、メチルメタクリレートとの共重合体は、耐光性、光沢性、剥離性、接着性に特に優れる点で好ましい。なお、このことは、剥離層や接着層に、本発明の共重合体以外の成分が含有させることを禁止するものではなく、補強的に他の任意の成分を含有させることもできる。
一方、本発明の共重合体を剥離層に含有せしめる場合において、該本発明の共重合体が剥離性を有していない場合には、以下で説明する剥離層の樹脂材料として例示する材料等と、本発明の共重合体の双方を剥離層に含有せしめることで、剥離層に、耐光性、光沢性に加え、剥離性を付与することができる。以下、剥離層について説明する。
<剥離層>
剥離層は、転写性保護層2を構成する任意の層であり、転写性保護層2の基材1からの剥離性を容易にするための層であり、転写性保護層2を構成する層のうち、基材1に最も近い層である。換言すれば、転写性保護層2の転写後に印画物の最表面に位置する層である。剥離層について特に限定はなく、剥離層が本発明の共重合体を含有しない場合や、本発明の共重合体が剥離性を有しない場合には、保護層転写シートの分野で従来公知の樹脂成分を用いることで剥離層に剥離性を付与することができる。このような樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂等の透明性、耐摩耗性、耐薬品性等に優れた樹脂が挙げられる。
本発明の共重合体を含有する剥離層の形成方法としては、本発明の共重合体、必要に応じて上記で説明した適当な樹脂成分を、適当な溶媒に分散もしくは溶解した塗工液を調製し、これを厚みが、0.2μm〜4.0μm程度となるようにグラビア印刷法やスクリーン法等により、基材上または離型層等の他の層を介して塗布、乾燥して形成することができる。なお、剥離性や、箔切れ性を向上させるためにシリカやアルミナ等の充填材を加えてもよい。さらに、耐摩耗性、滑り性および剥離性をさらに向上させるために、ポリエチレンワックス等のワックス類を添加してもよい。
<接着層>
接着層は、転写性保護層2を構成する任意の層であり、転写性保護層2を被転写体上に転写する際に転写性保護層2と被転写体との接着を容易にするための層であり、転写性保護層2を構成する層のうち基材1から最も遠い層である。接着層が本発明の共重合体を含有しない場合や、本発明の共重合体が接着性を有しない場合には、熱を加えた時に良好な接着性を示す樹脂材料を用いることで接着層に接着性を付与することができる。良好な接着性を示す樹脂成分としては、たとえば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。また、上記剥離層と同様に箔切れ性を向上させるために、シリカやアルミナ等の充填材を加えてもよい。
なお、上述したように、本発明の共重合体が接着性を有する場合には、上記で例示した樹脂材料を用いることなく、本発明の共重合体を単独で接着層に含有させた接着層とすることもできる。一方、本発明の共重合体を接着層に含有せしめる場合において、該本発明の共重合体が接着性を有していない場合には、上記で例示した接着層の樹脂材料等と、本発明の共重合体の双方を接着層に含有せしめることで、接着層に、耐光性、光沢性に加え、接着性を付与することができる。
本発明の共重合体を含有する接着層の形成方法としては、本発明の共重合体、必要に応じて上記で説明した適当な樹脂成分を適当な溶媒に分散もしくは溶解した塗工液を調製し、これを厚みが、0.1μm〜3.0μm程度となるようにグラビア印刷法やスクリーン法等により、基材上または剥離層等の他の層を介して塗布、乾燥して形成することができる。
また、上記の構成にかえて、剥離層と接着層との間に、本発明の共重合体を含有する層を設けることとしてもよい。この場合には、剥離層、接着層、本発明の共重合体を含有する層の3つの層に、転写性保護層2に要求される各機能を分離させることができ、各機能を充分に満足させた転写性保護層2とすることができる。
この場合において、本発明の共重合体を含有する層は、本発明の共重合体のみから形成されていてもよく、他の成分が含有されていてもよい。他の成分について特に限定はなく、転写性保護層2に付与を所望する機能に応じて適宜選択することができる。この他の成分は、上記で説明した剥離層や接着剤層に含有することもできる。
また、上記3つの層とした場合において、本発明の共重合体を含有する別途の層とともに、剥離層や接着層にも本発明の共重合体が含有されていてもよい。
(単層構造の転写性保護層)
図1に示すように、上記積層構造の転写性保護層にかえて、単層構造の転写性保護層としてもよい。単層構造の転写性保護層2とする場合には、該単層構造の転写性保護層自体が、剥離性や接着性を有していることが必要である。したがって、本発明の共重合体は、これらの機能を奏する成分を含む共重合体であることが好ましい。このような共重合体としては、上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーと、アクリル系モノマーとを共重合してなる共重合体であることが好ましく、上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーと、メチルメタクリレートとを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
また、本発明の共重合体自体が、剥離性や接着性を有しない場合には、本発明の共重合体を、上述した剥離層に用いられる樹脂材料や、接着層に用いられる樹脂材料と組合わせて用いることで、単層構造の転写性保護層2に、剥離性や接着性を付与することができる。
また、単層構造の転写性保護層2において、接着性と剥離性の双方の機能を充分に発揮せしめることが困難な場合には、例えば、転写性保護層2に、本発明の共重合体と、接着性を有する成分とを含有せしめ、基材1と転写性保護層2との間に、以下で説明する離型層を設けることで、剥離性と接着性を満足させることもできる。
また、単層構造の転写性保護層2が剥離性を有しない場合には、基材1と転写性保護層2との間に、転写性保護層2の離型性を向上させるための離型層(図示しない)を設けてもよい。離型層は、転写性保護層2を被転写体上に転写する際に基材1側に残る層である。すなわち、転写性保護層2を構成しない層である。離型層を形成する樹脂としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、離型層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層は、離型性樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。離型層の厚みは0.5〜5μm程度が一般的である。離型層の形成方法としては、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、これを基材1上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
単層構造の転写性保護層2が、本発明の共重合体と、他の樹脂成分とを含有する場合、本発明の共重合体によって付与される耐光性や光沢性を低下させることのない範囲内で本発明の共重合体を含有させればよく、その含有量について特に限定はない。
(背面層)
また、図1、図2に示すように、基材1の転写性保護層2が設けられている面とは異なる面上に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層4を設けてもよい。なお、背面層4は本発明の保護層転写シート10における任意の構成である。
背面層4は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリビニルアセタール樹脂や、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。
また、背面層4には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。また、耐熱性を向上させるための硬化剤が含有されていてもよい。
背面層4は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層4の厚みは、2μm以下であることが好ましく、0.1μm〜1μm程度がより好ましい。
(染料層)
また、本発明の保護層転写シート10は、上記で説明した転写性保護層2と図示しない染料層が面順次に設けられた構成をとることもできる。図示しない染料層の材料としては、従来公知の染料を使用することができるが、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
また、染料層は390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有していてもよい。本発明の共重合体に含まれる上記一般式(1)、(2)で示されるモノマーは、300nm〜400nmの波長領域、特には、330nm〜400nmの波長領域において、優れた紫外線吸収性を示す。したがって、この波長領域に近い範囲に最大吸収波長を有する染料を含む画像上に、本発明の共重合体を含む転写性保護層2を転写した場合には、耐光性のさらなる向上効果が期待される。染料の最大吸収波長は、アセトニトリルにて30000倍希釈したものを、(株)島津製作所製のUV3100を用いて測定した時の値である。なお、本願明細書において、画像という場合には、染料受容層上に染料層の染料が転写されたものを意味し、印画物という場合には、画像上に転写性保護層が転写されたものを意味する。
本発明の一実施形態の保護層転写シート10は、上記の特徴を有する染料を含む染料層と、本発明の共重合体を含む転写性保護層2が面順次に設けられていることから、上記の染料を含む画像上に、該転写性保護層2を転写することで、耐光性に優れた印画物を一時に形成することができる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、染料の移行性等の点において好ましい。
染料層には、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤が含有されていてもよい。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。また、染料層には、離型剤が含有されていてもよい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等を挙げることができる。また、染料層には、フッ素系オイル等の添加剤が含有されていてもよい。
染料層の形成方法としては、上記染料及びバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤、フィラー等の添加物を加え、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒に分散或いは溶解させた塗工液を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材1上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
<熱転写シートと保護層転写シートとの組合せ>
次に本発明の熱転写シートと保護層転写シートとの組合せについて説明する。上記では、本発明の保護層転写シートの一実施形態として、基材上に、本発明の共重合体を含有する転写性保護層と、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有する染料層とが面順次に設けられた構成を説明したが、この構成にかえて、基材と、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有する染料層とを有する熱転写シートと、上記で説明した本発明の保護層転写シートを組合せて用いることによっても、耐光性に極めて優れた印画物を得ることができる。そこで、本発明の熱転写シートと保護層転写シートとの組合せは、基材と、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有する染料層とを有する熱転写シートと、上記で説明した本発明の保護層転写シートとの組合せである点を特徴とする。
本発明の組合せに用いられる保護層転写シート10は、上記で説明した本発明の保護層転写シート10をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(熱転写シート)
図3に本発明の組合せに用いられる熱転写シートの概略断面図を示す。図3に示すように本発明の組合せに用いられる熱転写シート20は、基材21と、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有する染料層25とを有する。なお、図3に示す構成では、基材1の染料層25が設けられた面とは反対の面に背面層24が設けられているが、背面層24は熱転写シート20における任意の構成である。
基材21は、上記本発明の保護層転写シート10で説明した基材1をそのまま用いることができここでの詳細な説明は省略する。なお、保護層転写シート10を構成する基材1と、熱転写シートを構成する基材21は、同一であってもよく、異なるものであってもよい。
染料層25は、必須の成分として、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有する。染料層25はこの条件を満たせば、他の条件について特に限定はなく、上記本発明の保護層転写シート10で説明した染料層の構成を適宜選択すればよい。
染料層25の固形分総量に対する上記必須の成分である染料の含有量についても特に限定はなく、熱転写シートを用いて画像を形成する際の画像濃度等を考慮して適宜設定すればよい。なお、上記必須の成分である染料を含む画像上に、本発明の保護層転写シートを構成する転写性保護層を転写してなる印画物は、極めて優れた耐光性を有することは上記のとおりである。
(背面層)
図3に示すように、基材21の他方の面に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層24を設けてもよい。なお、背面層24は本発明の組合せで用いられる熱転写シートにおける任意の構成である。背面層24は、上記本発明の保護層転写シート10で説明した背面層4の構成をそのまま用いることができる。なお、保護層転写シート10を構成する背面層4と、熱転写シートを構成する背面層24は、同一であってもよく、異なるものであってもよい。
<印画物>
次に本発明の印画物について図4を用いて説明する。図4は、本発明の印画物200の概略断面図である。本発明の印画物は、熱転写受像シート30の染料受容層31上に形成された画像50上に転写性保護層2が設けられた印画物であって、画像50が、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有しており、転写性保護層2が、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有している。
本発明の印画物によれば、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含む画像50上に、300nm〜400nmの波長領域、特には、330nm〜400nmの波長領域において、優れた紫外線吸収性を有する上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含む転写性保護層2が設けられていることから、印画物に極めて優れた耐光性を付与することができる。
画像50に含まれる染料は、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料であり、上記本発明の保護層転写シートの染料層、上記本発明の組合せで用いられる熱転写シートの染料層で説明した染料である。
上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含む転写性保護層2は、上記本発明の保護層転写シート10の転写性保護層2をそのまま用いることができ、ここでの説明は省略する。
<印画物の形成方法>
次に、本発明の印画物の形成方法について説明する。本発明の印画物の形成方法は、染料層を有する熱転写シートと、染料受容層を有する熱転写受像シートと、転写性保護層を有する保護層転写シートと、を組合せて使用して印画物を形成する印画物の形成方法であって、熱転写受像シートの染料受容層上に、熱転写シートの染料層の染料を転写して、染料受容層上に画像を形成する工程と、画像上に、保護層転写シートの転写性保護層を転写して印画物を形成する工程と、を備える。ここで、本発明の印画物の形成方法では、熱転写シートの前記染料層が、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有しており、保護層転写シートの転写性保護層が、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有していることを特徴とする。
(画像を形成する工程)
本工程は、熱転写受像シートの染料受容層上に、熱転写シートの染料層の染料を転写して、染料受容層上に画像を形成する工程である。
本工程で用いられる熱転写シートは、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有する染料層であり、上記本発明の組合せで説明した熱転写シートをそのまま使用することができる。
本工程で用いられる熱転写受像シートについて特に限定はなく、昇華転写方式による転写によって、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を受容することができる染料受容層を有しているものであれば、いかなるものであってもよい。特に、後述する転写性保護層を転写する工程において転写される転写性保護層は、水系の染料受容層、溶剤系の染料受容層のいずれの染料受容層であっても、耐光性を充分に満足させることができる。
本願明細書において、水系の染料受容層とは、水系溶媒に溶解或いは分散可能な樹脂、例えば水溶性樹脂、水溶性高分子、若しくは水系樹脂等を、水系溶媒に溶解或いは分散させた水系塗工液を用いて形成された染料受容層のことをいう。水溶性樹脂、水溶性高分子としてはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびそれらの変性物など挙げられる。水系樹脂とは塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩ビ系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン、塩ビ系樹脂ディスパージョン、アクリル系樹脂ディスパージョン、ウレタン系樹脂ディスパージョンなど溶媒の一部が水で構成されているものを挙げることができる。なお、上記水系樹脂は、例えば、溶剤系樹脂を含む溶液をホモジナイザーによって分散し調製することで形成することができる。一方、溶剤系の染料受容層とは、溶剤に溶解或いは分散可能な樹脂を、溶剤に溶解或いは分散させた塗工液を用いて形成された染料受容層のことをいう。
染料受容層を支持する基材についても特に限定はなく、熱転写受像シートの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。また、熱転写受像シートは、任意の層を有していてもよく、例えば、基材と染料受容層との間に、下引き層、断熱層と称される層等が設けられていてもよい。
熱転写シートの染料、具体的には、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を転写して染料受容層上に画像を形成する方法としては、たとえば、上記で説明した熱転写受像シートと、上記で説明した熱転写シートとを重ね合わせ、該熱転写シートの基材に対して染料層が存在する面と異なる面側、たとえば、背面層側から、サーマルヘッド等を用いて画像に対応する箇所を加熱及び印圧し、染料層のうち画像に相当する箇所の染料を、昇華転写方式によって、熱転写受像シートの染料受容層に転写する方法を挙げることができる。本工程によって、染料受容層上に、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料が含まれる画像が形成される。
(転写性保護層を転写する工程)
本工程においては、上記画像を形成する工程で得られた画像上に、保護層転写シートの転写性保護層を転写して印画物を形成する工程である。
本工程で用いられる保護層転写シートは、上記本発明の保護層転写シートで説明したものをそのまま用いることができる。
転写性保護層の転写方法としては、染料受容層に画像が形成された熱転写受像シートと、上記で説明した熱転写シートとを重ね合わせ、該保護層転写シートの基材に対して転写性保護層が存在する面と異なる面側から、サーマルヘッド等を用いて転写性保護層を転写すべき領域に対応する箇所、具体的には画像を覆う領域に対応する箇所を加熱及び印圧し、昇華転写方式によって、画像上に転写性保護層を転写する方法を挙げることができる。本工程によって、画像上に転写性保護層が転写された印画物が得られる。
本発明の印画物の形成方法によれば、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含む画像上に、330nm〜400nmの波長領域において、優れた紫外線吸収性を有する共重合体樹脂を含む転写性保護層が転写された印画物が形成される。したがって、本発明の形成方法で得られる印画物に極めて優れた耐光性を付与することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りの内限り質量基準である。
(塗工液の準備)
下記組成の保護層用塗工液1〜9を準備した。
(保護層用塗工液1)
・メチルメタクリレート(MMA)と下記一般式(7)のモノマーとの共重合体(下記一般式(7)のモノマーの共重合比率:50%) 20部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
Figure 2013180455
「一般式(7)のモノマーの合成」
以下、一般式(7)のモノマー;セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレートの合成例を記す。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、2−(4−アミノフェニル)エタノール8.3g(0.061モル)を入れて、冷却しながら無水酢酸41.2g(0.404モル)を加え、70〜75℃で1時間撹拌した後に、5℃まで冷却してから70%硝酸6.5g(0.072モル)を5〜10℃で滴下し、同温度で3時間撹拌した。別の容器に氷水70gを入れて、上記で得られた反応物を撹拌しながら加え、5〜15℃で1時間撹拌した後に、析出した結晶をろ過、水洗し、黄色結晶を20.0g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付けて、得られた黄色結晶20.0g、水50ml、36%塩酸23.7g(0.234モル)を入れて、70〜75℃で1時間撹拌した。水酸化ナトリウムでpH4に調整し、静置して分離した下層部を抜き取り、2−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)エタノールを8.0g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、前記2−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)エタノール8.0g(0.044モル)、62.5%硫酸17.2g(0.110モル)、水80mlを入れて混合した後に、36%亜硝酸ナトリウム水溶液8.8g(0.046モル)を3〜7℃で滴下し、同温度で2時間撹拌してジアゾニウム塩水溶液を113g得た。300mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、メタノール50ml、水酸化ナトリウム2.8g(0.070モル)、炭酸ナトリウム6.0g(0.057モル)、セサモール6.1g(0.044モル)を入れて混合した後に、ジアゾニウム塩水溶液を3〜7℃で滴下し、同温度で4時間撹拌した。生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥し、赤色結晶を14.6g得た。この赤色結晶14.6gをイソプロピルアルコール水溶液でリパルプ洗浄し、6−[4−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロフェニルアゾ]ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オールを5.9g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、前記6−[4−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロフェニルアゾ]ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オール5.9g(0.018モル)、イソプロピルアルコール30ml、水20ml、水酸化ナトリウム0.9g(0.023モル)、ハイドロキノン0.1g、60%ヒドラジン水和物1.1g(0.013モル)を入れて、50〜55℃で1時間撹拌させた後に、62.5%硫酸でpH7に調整し、生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥し、6−[5−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オール−N−オキシドを4.7g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、前記6−[5−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オール−N−オキシド4.7g(0.015モル)、メチルイソブチルケトン100ml、水35ml、亜鉛末2.0g(0.031モル)を入れて混合し、62.5%硫酸7.0g(0.045モル)を70〜75℃に保って1時間で滴下し、同温度で1時間撹拌した。静置して下層部の水層を分離して除去し、温水70mlで洗浄し、活性炭0.2gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過し、ろ液からメチルイソブチルケトン100mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール40mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール20mlで洗浄した後、乾燥機にて60℃で乾燥し、6−[5−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オールを2.6g得た。2−(4−アミノフェニル)エタノールからの収率は14%、融点は179℃であった。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、前記6−[5−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オール4.0g(0.013モル)、トルエン40ml、メタクリル酸1.8g(0.021モル)、メタンスルホン酸0.4g(0.004モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水30ml、炭酸ナトリウム0.6g(0.006モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.2gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過した後に、ろ液からトルエン40mlを減圧で回収し、イソプロピルアルコール100mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール40mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、黄色結晶を4.2g得た。この黄色結晶4.2gをイソプロピルアルコールでリパルプ洗浄して、減圧下40℃で乾燥し、一般式(7)のモノマー;2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレートを3.4g得た。
「メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(7)のモノマーとの共重合体の合成」
四つ口フラスコにジムロート冷却器、水銀温度計、窒素ガス吹き込み管、攪拌装置を取り付け、上記一般式(7)のモノマー20部、メチルメタクリレート(MMA)20部、および、溶媒としてのトルエン20部,メチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す。)20部、および、重合開始剤としての1,1'‐アゾビス(シクロヘキサン‐1‐カルボニトリル)(以下、「重合開始剤(1)」と記す。)0.6部を入れて、攪拌しながら窒素ガス流量10ml/minで1時間フラスコ内を窒素置換後に、反応液温度90〜96℃で10時間還流状態にて重合反応を行い実施例1で用いられる共重合体を得た。実施例5で用いられる共重合体も同様である。
(保護層用塗工液2)
・メチルメタクリレート(MMA)と下記一般式(8)のモノマーとの共重合体(下記一般式(8)のモノマーの共重合比率:50%) 20部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
Figure 2013180455
「一般式(8)のモノマーの合成」
以下、一般式(8)のモノマー;2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成例を記す。
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール176.0g(0.684モル)、メチルイソブチルケトン350ml、1−クロロオクタン142.0g(0.955モル)、炭酸ナトリウム62.0g(0.585モル)、ヨウ化カリウム5.2gを入れて、120〜130℃で12時間還流脱水した。水200mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水200mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン350mlを減圧で回収し、イソプロピルアルコール450mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥して、2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを216.9g得た。
10Lの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、前記の2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール216.9g(0.587モル)、47%臭化水素酸125.8g(0.731モル)、スルホラン1800mlを入れて100〜105℃で48時間撹拌した。トルエン800ml、水3500mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水1300mlで2回洗浄し、トルエン800mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール800ml、水200mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(80% V/V)200mlで洗浄し、乾燥して、2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを126.6g得た。
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、前記の2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール126.6g(0.356モル)、メチルイソブチルケトン450ml、2−クロロエタノール35.8g(0.445モル)、炭酸ナトリウム23.5g(0.222モル)、ヨウ化カリウム17.8gを入れて、113〜118℃で10時間還流脱水した。250mlの水を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水150mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン450mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール500mlを加えて10℃まで冷却し、析出した結晶をろ過した後に、イソプロピルアルコール50mlで洗浄し、乾燥機で乾燥して、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールを95.3g得た。4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールからの収率は35%であった。
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、前記の2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノール95.3g(0.239モル)、トルエン550ml、メタクリル酸50.6g(0.588モル)、メタンスルホン酸29.8g(0.310モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水200ml、炭酸ナトリウム32.8g(0.309モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭1.8gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過し、そのろ液からトルエン550mlを減圧で回収した後に、イソプロピルアルコール750mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール100mlで洗浄し、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を88.1g得た。全量をイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、一般式(8)のモノマー;2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートを77.8g得た。
「メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(8)のモノマーとの共重合体の合成」
上記一般式(7)のモノマー20部を、上記で得られた一般式(8)のモノマー20部とした以外は、実施例1の共重合体と同様の重合反応操作を行い、実施例2で用いられる共重合体を得た。
(保護層用塗工液3)
・メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(7)のモノマーと下記一般式(9)のモノマーとの共重合体(上記一般式(7)のモノマーの共重合比率:25%,下記一般式(9)のモノマーの共重合比率:25%) 20部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
Figure 2013180455
「メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(7)のモノマーと上記一般式(9)のモノマーとの共重合体の合成」
上記で得られた一般式(7)のモノマー10部、上記一般式(9)のモノマー10部、メチルメタクリレート(MMA)20部とした以外はすべて実施例1の共重合体と同様の重合反応操作を行い、実施例3で用いられる共重合体を得た。
(保護層用塗工液4)
・メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(8)のモノマーと上記一般式(9)のモノマーとの共重合体(上記一般式(8)のモノマーの共重合比率:25%,上記一般式(9)のモノマーの共重合比率:25%) 20部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
「メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(8)のモノマーと上記一般式(9)のモノマーとの共重合体の合成」
上記で得られた一般式(8)のモノマー10部、上記一般式(9)のモノマー10部、メチルメタクリレート(MMA)20部とした以外はすべて実施例1の共重合体と同様の重合反応操作を行い、実施例4で用いられる共重合体を得た。
(保護層用塗工液5)
・メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(8)のモノマーとの共重合体(上記一般式(8)のモノマーの共重合比率:50%) 15部
・アクリル樹脂 5部
(ダイヤナールBR−83 三菱レイヨン(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
(保護層用塗工液6)
・メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(9)のモノマーとの共重合体(上記一般式(9)のモノマーの共重合比率:50%) 20部
(バナレジンUVA−5080(固形分41%) 新中村化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 12.7部
「メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(9)のモノマーとの共重合体の合成」
上記一般式(7)のモノマー20部を、上記一般式(9)のモノマー20部とした以外は、実施例1の共重合体と同様の重合反応操作を行い、実施例6で用いられる共重合体を得た。実施例7で用いられる共重合体も同様である。
(保護層用塗工液7)
・メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(9)のモノマーとの共重合体(上記一般式(9)のモノマーの共重合比率:50%) 20部
(バナレジンUVA−5080(固形分41%) 新中村化学工業(株)製)
・アクリル樹脂 2.7部
(ダイヤナールBR−83 三菱レイヨン(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 23.4部
(保護層用塗工液8)
・メチルメタクリレート(MMA)と下記一般式(10)のモノマーとの共重合体(下記一般式(10)のモノマーの共重合比率:50%) 20部
(UVA−635L(固形分40%) BASFジャパン製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 12.7部
Figure 2013180455
「メチルメタクリレート(MMA)と上記一般式(10)のモノマーとの共重合体の合成」
上記一般式(7)のモノマー20部を、上記一般式(10)のモノマー20部とした以外は、実施例1の共重合体と同様の重合反応操作を行い、実施例8で用いられる共重合体を得た。
(保護層用塗工液9)
・アクリル樹脂 20部
(ダイヤナールBR−83 三菱レイヨン(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
(実施例1)
基材として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 易接着処理品)を用い、該基材の一方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるようにグラビアコート法により塗布・乾燥し、その後硬化処理を施すことで背面層を形成した。次いで基材の他方の面上に、上記組成の保護層用塗工液1を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布・乾燥し転写性保護層を構成する剥離層を形成した。次いで、剥離層上に上記組成の保護層用塗工液9を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布・乾燥し転写性保護層を構成する接着層を形成し、実施例1の保護層転写シートを得た。
(背面層用塗工液)
・ポリビニルブチラール樹脂 15部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 35部
(バーノックD450 大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル 10部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製
・タルク 3部
(ミクロエースP−3 日本タルク(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 37部
(実施例2)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液9を用いて剥離層を形成し、保護層用塗工液9にかえて上記組成の保護層用塗工液1を用いて接着層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例2の保護層転写シートを得た。
(実施例3)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液2を用いて剥離層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例3の保護層転写シートを得た。
(実施例4)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液9を用いて剥離層を形成し、保護層用塗工液9にかえて上記組成の保護層用塗工液2を用いて接着層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例4の保護層転写シートを得た。
(実施例5)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液3を用いて剥離層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例5の保護層転写シートを得た。
(実施例6)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液9を用いて剥離層を形成し、保護層用塗工液9にかえて上記組成の保護層用塗工液3を用いて接着層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例6の保護層転写シートを得た。
(実施例7)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液4を用いて剥離層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例7の保護層転写シートを得た。
(実施例8)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液9を用いて剥離層を形成し、保護層用塗工液9にかえて上記組成の保護層用塗工液4を用いて接着層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例8の保護層転写シートを得た。
(実施例9)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液5を用いて剥離層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例9の保護層転写シートを得た。
(実施例10)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液9を用いて剥離層を形成し、保護層用塗工液9にかえて上記組成の保護層用塗工液5を用いて接着層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例10の保護層転写シートを得た。
(実施例11)
基材として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 易接着処理品)を用い、該基材の一方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるようにグラビアコート法により塗布・乾燥し、その後硬化処理を施すことで背面層を形成した。次いで基材の他方の面上に、上記組成の保護層用塗工液2を乾燥時塗布量が2.0g/m2になるように塗布・乾燥し転写性保護層を構成する剥離層兼接着層を形成し、実施例11の保護層転写シートを得た。
(比較例1)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液6を用いて剥離層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして比較例1の保護層転写シートを得た。
(比較例2)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液9を用いて剥離層を形成し、保護層用塗工液9にかえて上記組成の保護層用塗工液6を用いて接着層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして比較例2の保護層転写シートを得た。
(比較例3)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液7を用いて剥離層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして比較例3の保護層転写シートを得た。
(比較例4)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液9を用いて剥離層を形成し、保護層用塗工液9にかえて上記組成の保護層用塗工液7を用いて接着層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして比較例4の保護層転写シートを得た。
(比較例5)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液8を用いて剥離層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして比較例5の保護層転写シートを得た。
(比較例6)
保護層用塗工液1にかえて上記組成の保護層用塗工液9を用いて剥離層を形成し、保護層用塗工液9にかえて上記組成の保護層用塗工液8を用いて接着層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして比較例6の保護層転写シートを得た。
(熱転写受像シート1(水系受容層)の作製)
基材としてRCペーパー(三菱製紙株式会社製)を用い、下記の組成の断熱層用塗工液および染料受容層用塗工液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ12μm、3μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥することにより、熱転写受像シート1を得た。なお、下記の塗布液は、いずれも、全固形分が15〜30%となるように純水を用いて希釈したものである。
<断熱層用塗工液>
・中空粒子(体積平均粒径:0.5μm) 70部
(MH5055 日本ゼオン(株)製)
・ゼラチン 25部
(RR 新田ゼラチン(株)製)
・水性ポリウレタン樹脂 5部
(AP40 DIC(株)製)
<染料受容層形成用塗工液1>
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5 固形分36%) 411部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98部
・エポキシ架橋剤(固形分:100%) 7.6部
(EX−512 ナガセキムテックス(株)製)
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4部
・増粘材(固形分:30%) 45部
(アデカノールUH−526 (株)ADEKA製)
・純水(増粘材分散用として) 230部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液 固形分:20%) 23部
上記の塩酢ビ系エマルジョンは以下のようにして調製した。2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5重量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5重量%)からなる単量混合体、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2重量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩酢ビ系エマルジョンを得た。
上記の離型剤の水分散体は以下のようにして調製した。酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(X−22−3000T 信越化学工業(株)製)16gとアラルキル変性シリコーン(X−24−510 信越化学工業(株)製)8gを溶解した。次にトリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解した。上記2液を混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
(熱転写受像シート2(水系受容層)の作製)
熱転写受像シート1における染料受容層用塗工液1を下記組成の染料受容層形成用塗工液2に変更した以外は、熱転写受像シート1と同様にして熱転写受像シート2を得た。
<染料受容層形成用塗工液2>
・塩化ビニル系樹脂 80部
(ビニブラン900 日信化学工業(株)製)
・ポリエーテル変性シリコーン 10部
(KF615A 信越化学工業(株)製)
・ゼラチン 20部
(G−0637K 新田ゼラチン(株)製)
・界面活性剤 0.5部
(サーフィノール440 日信化学工業(株)製)
・水 400部
(熱転写受像シート(溶剤系受容層)の作製)
基材として、ユトリロコート186、大王製紙製を用意し、この基材上に、下記組成のアンカー層用塗工液を乾燥状態で1.0g/m2の厚さとなるように塗工しアンカー層を形成した。次いで、アンカー層上に、下記組成の第1中空粒子層用塗工液を乾燥状態で8.0g/m2の厚さとなるように塗工し第1中空粒子層を形成した。次いで、第1中空粒子層上に、下記組成の第2中空粒子層用塗工液を乾燥状態で3.0g/m2の厚さとなるように塗工し第2中空粒子層を形成した。次いで、第2中空粒子層上に、バリア層用塗工液を乾燥状態で1.0g/m2の厚さとなるように塗工しバリア層を形成した。最後に、バリア層上に、下記組成の染料受容層用塗工液を乾燥状態で4.0g/m2の厚さとなるように塗工し染料受容層を形成することで、溶剤系受容層を備える熱転写受像シートを得た。
<アンカー層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン290 東洋紡(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
<第1中空粒子層用塗工液>
・架橋中空粒子(一次粒子径:1.1μm,空隙率:55%) 100部
(SX8782(A) 固形分24% JSR株式会社製)
・アクリル酸エステル共重合体 22部
(SX1706A 固形分48% 日本ゼオン(株)製)
・水 7部
・イソプロピルアルコール 7部
<第2中空粒子層用塗工液>
・架橋中空粒子(一次粒子径:0.5μm,空隙率35%) 100部
(SX868(B) 固形分20% JSR株式会社製)
・アクリル酸エステル共重合体 28部
(SX1706A 固形分48% 日本ゼオン(株)製)
・水 9部
・イソプロピルアルコール 9部
<バリア層用塗工液>
・ポリビニルピロリドン樹脂 100部
(VIVIPRINT540@polymerolymer(ISP INVESTMENTS INC社製、固形分12%))
・イソプロピルアルコール 300部
<染料受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 12部
(ソルバインC 日信化学工業(株)製)
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株)製)
・メチルスチル変性シリコーン 1.6部
(X−24−510T 信越化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 55部
(熱転写シート1の作製)
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、易接着処理された面とは反対側に、下記組成の背面層用塗工液1を乾燥時1.0g/m2になるように塗布し、背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面の一部に、下記組成のイエロー染料層用塗工液(Y−1)、マゼンタ染料層用塗工液(M)、およびシアン染料層用塗工液(C)を、各層の乾燥塗布量が0.6g/m2になるように塗布、乾燥してイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層をこの順に面順次に繰返して形成した熱転写シート1を得た。
<イエロー染料層用塗工液(Y−1)>
・(Y−I)に示される染料(λmax=456nm) 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(KS−5 積水化学(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 47.5部
・トルエン 47.5部
Figure 2013180455
<マゼンタ染料層用塗工液(M)>
・(M−I)に示される染料(λmax=531nm) 2.0部
・(M−II)に示される染料(λmax=516nm) 2.0部
・(M−III)に示される染料(λmax=542nm) 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(KS−5 積水化学(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 40.5部
・トルエン 40.5部
Figure 2013180455
<シアン染料層用塗工液(C)>
・(C−I)に示される染料(λmax=639nm) 2.0部
・(C−II)に示される染料(λmax=671nm) 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(KS−5 積水化学(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
Figure 2013180455
(熱転写シート2の作製)
イエロー染料層用塗工液(Y−1)にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液(Y−2)を用いた以外は、全て上記熱転写シート1と同様にして、熱転写シート2を得た。
<イエロー染料層用塗工液(Y−2)>
・(Y−II)に示される染料(λmax=444nm) 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(KS−5 積水化学(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 47.5部
・トルエン 47.5部
Figure 2013180455
(熱転写シート3の作製)
上記組成のイエロー染料層用塗工液(Y−1)にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液(Y−3)を用いた以外は、全て上記熱転写シート1と同様にして、熱転写シート3を得た。
<イエロー染料層用塗工液(Y−3)>
・(Y−III)に示される染料(λmax=397nm) 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(KS−5 積水化学(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 47.0部
・トルエン 47.0部
Figure 2013180455
(熱転写シート4の作製)
上記組成のイエロー染料層用塗工液(Y−1)にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液(Y−4)を用いた以外は、全て上記熱転写シート1と同様にして、熱転写シート4を得た。
<イエロー染料層用塗工液(Y−4)>
・上記(Y−I)に示される染料(λmax=456nm) 2.0部
・上記(Y−III)に示される染料(λmax=397nm) 2.5部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(KS−5 積水化学(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 46.0部
・トルエン 46.0部
昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製)、型式;CW−01)のメディアセットCW−MS46のY領域、M領域、C領域に上記で得られた熱転写シート1の各染料層を切り貼りし、また、OP領域に各実施例及び比較例の保護層転写シートを切り貼りしたものと、上記で得られた各各熱転写受像シートと、を重ね合わせ、上記プリンターを用いて、各熱転写受像シート上に、黒(Bk)画像、イエロー(Ye)画像、マゼンタ(Mg)画像、レッド(R)画像、グリーン(G)画像、ブルー(B)画像の印画を行い、次いで、各実施例及び比較例の保護層転写シートの保護層を転写することで、各実施例及び比較例の印画物を得た。なお、レッド(R)画像は、イエロー(Ye)画像、マゼンタ(Mg)画像を重ね合わせることによって、グリーン(G)画像は、イエロー(Ye)とシアン(Cy)画像を重ね合わせることによって、また、ブルー(B)画像は、マゼンタ(Mg)画像とシアン(Cy)画像を重ね合わせることで形成した。同様に、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製)、型式;CW−01)のメディアセットCW−MS46のY領域、M領域、C領域に上記で得られた熱転写シート2〜4の各染料層を切り貼りしたものを用いて各熱転写受像シート上に各色の画像を形成し、該各色の画像上に、実施例3、及び比較例1の保護層転写シートの保護層を転写することで、異なる熱転写シートを用いて形成された画像上に、実施例3、及び比較例1の保護層転写シートの保護層を転写した印画物を得た。表1、2に、各実施例、及び比較例の保護層を形成するに際して用いた塗工液と、印画物を形成するに際して用いた熱転写シートとの関係を示す。
(耐光性評価)
上記転写性保護層の転写によって得られた、各実施例及び比較例の印画物において、下記条件のキセノンフェードメーターにより耐光性試験を行った。
照射試験機:キセノンフェードメーター(Ci4000)
光源:キセノンランプ
ブラックパネル温度:45℃
インナーフィルター:CIRA
アウターフィルター:ソーダライム
放射照度:1.2(W/m2)・・・420nmでの測定値
照射エネルギー:400(KJ/m2)・・・420nmでの積算値
次いで、光学濃度計(グレタグ社製 GRETAGSpectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて、各画像の光学濃度が1.0付近における光学濃度の変化を測定し、下記色素計算式によりΔE*を算出した。
(色素計算式)
ΔE*={(照射前後のL*値の差)2+(照射前後のL*値の差)2+(照射前後のL*値の差)21/2
なお、ΔE*の数値が低いほど、耐光性が優れていることを意味する。
各実施例、及び比較例の水系受容層を用いた印画物における各画像のΔE*に基づいて下記の評価基準により耐光性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
5:ΔE*が比較例1よりも10%以上良い。
4:ΔE*が比較例1よりも5%以上10%未満の範囲で良い。
3:ΔE*が比較例1よりも5%未満の範囲で良い。
2:ΔE*が比較例1と同等。
1:ΔE*が比較例1よりも悪い。
(光沢性評価)
上記で得られた水系受容層を備える熱転写受像シート、及び溶剤系受容層を備える熱転写受像シート上に黒ベタ画像を形成し、次いで、各実施例、及び比較例の保護層転写シートを用いて該黒ベタ画像上に、上記と同様の条件で転写性保護層を転写し、各実施例及び比較例の印画物を得た。この印画物の光沢性を、Gloss Meter VG2000(日本電色社製)を用いて、測定角度45°で測定し、以下の評価基準に基づいて光沢性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
◎:光沢性の測定結果が80以上である。
○:光沢性の評価結果が60を超え80未満である。
△:光沢性の測定結果が60以下である。
Figure 2013180455
Figure 2013180455
表1からも明らかなように、本発明の要件を具備する実施例1〜11の保護層転写シートによれば、被転写体が、水系染料受容層を備える熱転写受像シートのみならず、溶剤系染料受容層を備える熱転写受像シートであっても、該熱転写受像シート上に形成された画像に光沢性と、耐光性を付与することができた。一方、比較例1〜6に示される従来の保護層転写シートでは、光沢度と耐光性の双方を充分に満足させることができておらず、また、全ての熱転写受像シートにおいて実施例よりも耐光性が劣っている。このことからも、本発明の共重合体を含有する転写性保護層を備える保護層転写シートの優位性は明らかである。
10…保護層転写シート
20…熱転写シート
30…熱転写受像シート
1、21…基材
2…転写性保護層
4、24…背面層
25…染料層
31…染料受容層
50…画像
200…印画物

Claims (6)

  1. 昇華転写に用いられる保護層転写シートであって、
    前記保護層転写シートは、基材と、該基材から剥離可能に設けられた転写性保護層とを有し、
    前記転写性保護層は、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有することを特徴とする保護層転写シート。
    Figure 2013180455
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基を表す。R3は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。R4は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
  2. 前記共重合体樹脂が、前記一般式(1)及び前記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーと、アクリル系樹脂を構成するモノマー、オリゴマー、重合体の群から選択される少なくとも一種とを共重合してなる共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。
  3. 前記保護層転写シートは、さらに前記基材上に前記転写性保護層と面順次に設けられた染料層を有し、
    前記染料層が、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の保護層転写シート。
  4. 染料層を有する熱転写シートと、基材と該基材から剥離可能に設けられた転写性保護層とを有する保護層転写シートと、の組合せであって、
    前記染料層は、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有しており、
    前記転写性保護層は、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有していることを特徴とする熱転写シートと保護層転写シートとの組合せ。
    Figure 2013180455
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基を表す。R3は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。R4は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
  5. 熱転写受像シートの染料受容層上に形成された画像上に転写性保護層が設けられた印画物であって、
    前記画像が、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有しており、
    前記転写性保護層が、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有することを特徴とする印画物。
    Figure 2013180455
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基を表す。R3は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。R4は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
  6. 染料層を有する熱転写シートと、染料受容層を有する熱転写受像シートと、転写性保護層を有する保護層転写シートと、を組合せて使用して印画物を形成する印画物の形成方法であって、
    前記熱転写受像シートの前記染料受容層上に、前記熱転写シートの前記染料層の染料を転写して、前記染料受容層上に画像を形成する工程と、
    前記画像上に、前記保護層転写シートの転写性保護層を転写して印画物を形成する工程と、を備え、
    前記熱転写シートの前記染料層は、390nm〜480nmの波長領域に最大吸収波長を有する染料を含有しており、
    前記保護層転写シートの前記転写性保護層は、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるモノマーの何れか一方又は双方のモノマーを含む共重合体樹脂を含有していることを特徴とする印画物の形成方法。
    Figure 2013180455
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基を表す。R3は炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。R4は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
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