JPH082126A - 昇華熱転写インクリボン - Google Patents

昇華熱転写インクリボン

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JPH082126A
JPH082126A JP6159238A JP15923894A JPH082126A JP H082126 A JPH082126 A JP H082126A JP 6159238 A JP6159238 A JP 6159238A JP 15923894 A JP15923894 A JP 15923894A JP H082126 A JPH082126 A JP H082126A
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resin
silicone
ink ribbon
ink
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JP6159238A
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Satoru Shinohara
悟 篠原
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一基材平面上に別個に形成されたインク層
とラミネート層とを有する昇華熱転写インクリボンを使
用して昇華熱転写記録を行うに際し、離型処理が施され
ていない印画紙あるいは離型処理の程度が小さい印画紙
に対しても、インクリボンとの融着を防止し、しかもイ
ンクリボンからラミネート層を印画紙の染料受容層上に
均一に転着できるようにする。 【構成】 基材1と、その同一平面上に別個に形成され
たインク層2とラミネート層3とを有する昇華熱転写イ
ンクリボンにおいて、インク層2のバインダーとして離
型性樹脂を使用する。離型性樹脂としては、シリコーン
変性ポリビニルアセタール系樹脂を使用することが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク層と、転写画像
の表面保護フィルムとなるラミネート層とを同一基材平
面上に別個に有する昇華熱転写インクリボンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクリボンをサーマルヘッ
ドあるいはレーザ等により画像情報に応じて加熱し、イ
ンクリボンから染料を熱溶融又は熱拡散もしくは昇華に
より印画紙の染料受容層へ移行させ、その染料受容層に
染料画像を形成する熱転写記録方式が広く採用されてい
る。特に近年では、昇華性染料等の熱拡散性染料を使用
し、連続的な階調のフルカラー画像を形成する、いわゆ
る昇華熱転写記録方式が注目されている。例えば、ビデ
オ画像の画像信号に応じて昇華熱転写インクリボンを選
択的に加熱し、ビデオ印画紙に画像を形成することが試
みられている。
【0003】このような昇華熱転写インクリボンとして
は、図3(a)に示すように、ポリエステルなどからな
る基材1上にインク層2を形成したものが一般的であ
り、このインク層2は通常、バインダー樹脂に熱拡散性
染料を分散させて形成されている。また、最近では、図
3(b)に示すように、インク層2とは別に、基材1上
に離型保護層3aと接着層3bとからなるラミネート層
3が形成されたインクリボンも使用されるようになって
いる。このラミネート層3は、図4に示すように、基材
4と染料受容層5とからなる印画紙6の当該染料受容層
5に形成された染料画像を保護するために、画像形成さ
れた染料受容層5の表面に転着されるものである。この
ようなラミネート層3の転着は、インクリボンをその基
材1側からサーマルヘッドなどで加熱することにより行
われる。
【0004】また、昇華熱転写インクリボンのインク層
2に使用するバインダー樹脂としては、熱拡散性染料と
の相溶性、記録濃度あるいは耐熱性などの点から、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルムアセタール樹
脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂などのポリビニル
アセタール系樹脂が広く使用されている。また、ラミネ
ート層3の離型保護層3aとしては、基材1に対して、
あるいは必要に応じてインク層2を基材1に接着させる
ためのプライマー層(図示せず)に対して離型性を有す
る樹脂、例えばアクリル系樹脂やセルロース系樹脂など
が使用されている。接着層3bとしては、印画紙の染料
受容層の構成樹脂に対し相溶性を有する樹脂もしくは接
着性を有する樹脂、例えば、セルロース系樹脂、塩ビ・
酢ビ系樹脂、ポリエステル系樹脂などが使用されてい
る。
【0005】ところで、このような昇華熱転写インクリ
ボンを使用して昇華熱転写記録を行う場合、記録時の加
熱によりインクリボンと印画紙とが熱融着してしまうこ
とを防止する必要がある。
【0006】従来、このような熱融着を防止するため
に、昇華熱転写インクリボンのインク層中にシリコーン
オイルなどの離型剤を添加することも試みられたが、離
型剤や熱拡散性染料のブリード現象や染料の結晶化など
の問題が発生していた。このため、印画紙の染料受容層
中にシリコーンオイルなどの離型剤を添加することや、
シリコーン樹脂を染料受容層上に塗工して離型層を形成
したりすることが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印画紙
の染料受容層に離型処理を施すと、図3(b)に示すよ
うな昇華熱転写インクリボンのラミネート層3が染料受
容層に転着しにくくなるという問題があった。このた
め、ラミネート層3の接着層3bの設計が非常に困難と
なっていた。また、ラミネート層3と離型処理された染
料受容層との接着性を改善するために、転着時の熱エネ
ルギーを高い値に設定することも行われるが、この場合
には、形成された染料画像が染料受容層中で再拡散して
画像のボケが生ずるという問題があった。
【0008】更に、印画紙の染料受容層中の離型剤分布
や染料受容層上に形成される離型層の厚み分布が、離型
処理時のばらつきや印画紙の経時的変化に伴い、一つの
印画紙面内において不均一になったり、あるいは印画紙
毎に不均一となったりすることがあるために、昇華熱転
写インクリボンのラミネート層3の接着層3bの接着性
が不均一となり、染料受容層に転着したラミネート層3
の剥がれが生じたりするという問題もあった。
【0009】従って、印画紙の染料受容層に対する離型
処理を極力省きつつ、昇華熱転写インクリボンと印画紙
との融着を防止できるようにすることが求められてい
た。
【0010】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、同一基材平面上に別個に形
成されたインク層とラミネート層とを有する昇華熱転写
インクリボンを使用して昇華熱転写記録を行うに際し、
離型処理が施されていない印画紙あるいは離型処理の程
度が小さい印画紙に対しても、インクリボンとそれらの
融着を防止し、しかもラミネート層を印画紙の染料受容
層上に均一に転着できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、昇華熱転写
インクリボンのインク層のバインダーとして離型性樹脂
を使用することにより上述の目的を達成できることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】即ち、本発明は、基材と、その同一平面上
に別個に形成されたインク層とラミネート層とを有する
昇華熱転写インクリボンにおいて、インク層がバインダ
ー樹脂として離型性樹脂を含有することを特徴とする昇
華熱転写インクリボンを提供する。
【0013】以下、本発明を図面を参照しながら詳細に
説明する。
【0014】図1は、本発明の昇華熱転写インクリボン
の平面図である。同図(a)は、カラー画像形成用の昇
華熱転写インクリボンの例であり、このリボンは、基材
1上に、インク層2(イエローインク層Y、マゼンタイ
ンク層M及びシアンインク層C)及びラミネート層3が
面順次で形成された構造を有する。この場合、シアンイ
ンク層Cとラミネート層3との間にブラックインク層B
kを設けてもよい(図1(b))。黒単色の昇華熱転写
インクリボンの場合には、図1(c)に示すように、ブ
ラックインク層Bkとラミネート層3とを交互に配列さ
せればよい。
【0015】本発明においてラミネート層3の構造は、
従来のラミネート層と同様の構成とすることができ、例
えば、図2(a)に示すように、基材1側から離型保護
層3a及び接着層3bを順次積層したものとすることが
できる。また、図2(b)に示すように、基材1側か
ら、離型保護層3a、保護フィルム3c及び接着層3b
を順次積層したものとしてもよい。ここで、ラミネート
層3の各層の材料の種類や層厚などは、公知の昇華熱転
写インクリボンの場合と同様の構成とすることができ
る。
【0016】また、基材1の材料の種類や層厚について
も特に制限はない。例えば、厚さ3〜20μm程度のポ
リエステル、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート
などのフィルムを好ましく使用することができる。
【0017】また、インク層又はラミネート層3と反対
側の基材1の面には、インクリボンとサーマルヘッドな
どの加熱手段との融着を防止する目的で、必要に応じて
耐熱滑性層7を設けてもよい(図2(a)及び
(b))。
【0018】一方、インク層2については、そのバイン
ダーとして離型性樹脂を使用することを特徴としてい
る。離型性樹脂を各インク層Y、M及びCのバインダー
として使用することにより、離型処理が施されていない
印画紙の染料受容層とのはりつきを効果的に防止するこ
とができる。このため、印画紙の染料受容層に、従来施
されていた剥離処理を省くことができ、よって、ラミネ
ート層3の均一な接着性を確保することができる。
【0019】ここで、離型性樹脂としては、シリコーン
変性ポリビニルアセタール系樹脂を使用することが特に
好ましい。この樹脂は、熱拡散性染料に対して優れた相
溶性を有し、しかも高い記録濃度を実現できるポリビニ
ルアセタール系樹脂に、優れた離型性を有することが知
られているシリコーン化合物に由来するセグメントが導
入固定されたものであり、両者の優れた特性を併せ持っ
ている。しかも、シリコーン化合物がポリビニルアセタ
ール系樹脂に固定されているために、インク層のブリー
ド現象や染料の結晶化現象を引き起こさない。
【0020】このようなシリコーン変性ポリビニルアセ
タール系樹脂は、ポリビニルアセタール系樹脂にシリコ
ーン化合物を反応させて得ることができる。この場合、
シリコーン化合物のポリビニルアセタール系樹脂に対す
る割合は、少なすぎると離型処理されていない記録紙に
対する離型性が不足し、多すぎるとインクリボンとして
の保存性が低下し、また、熱拡散性染料がインク層中で
結晶化して画像の記録濃度が低下する傾向があるので、
好ましくは0.1〜4.5重量%、より好ましくは0.
5〜3.0重量%とする。
【0021】次に、シリコーン変性ポリビニルアセター
ル系樹脂の原料となるポリビニルアセタール系樹脂とし
ては、例えば、ポリビニルホルムアセタール樹脂、ポリ
ビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチルアセタ
ール樹脂等の単独ポリビニルアセタール樹脂、アセトア
セタール・ブチルアセタール混合ポリビニルアセタール
樹脂、ホルムアセタール・アセトアセタール・ブチルア
セタール混合ポリビニルアセタール樹脂等の混合ポリビ
ニルアセタール樹脂を好ましく使用することができる。
これらは、単独または混合して使用することができる。
中でも、熱拡散性染料との相溶性や記録濃度の点でポリ
ビニルアセトアセタール樹脂を好ましく使用することが
できる。
【0022】なお、ポリビニルアセタール系樹脂は、脂
肪酸ビニルエステルモノマーのホモポリマー又は他の共
重合可能な他のモノマーとのコポリマーをケン化したポ
リビニルアルコール樹脂(以下、PVAと略記する)を
常法によりアセタール化したものである。
【0023】これらのポリビニルアセタール系樹脂のア
セタール化度は、特に限定されるものではないが、一般
には熱拡散性染料との相溶性や画像の記録濃度の点から
60重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ま
しくは85重量%以上の高度のアセタール化度とする。
【0024】なお、ポリビニルアセタール系樹脂のアセ
タール化された部分以外の部分(非アセタール化部分)
は、原料のポリビニルアルコール樹脂(以下、PVAと
略記する)に由来するビニルアルコール単位の部分、脂
肪酸ビニルエステル単位の部分などに該当する。また、
原料のPVAが、脂肪酸ビニルエステル、それと共重合
可能な他の単量体との共重合体のケン化物である場合、
あるいはPVAの後変性物である場合、非アセタール化
部分には上記の2種の単位の部分に加えてこの共重合用
の他の単量体あるいは後変性に基づく単位の部分も含ま
れる。
【0025】ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度
は特に制限はないが、通常200〜4000、特に30
0〜3000の範囲が好ましい。平均重合度が200未
満ではインク層を保形し、該インク層をインクリボンの
基材に固着させる力が弱く、また4000を超えると有
機溶剤に対する溶解性が低下したり、アセタール化反応
時の反応液の粘度が高くなるため反応系の濃度を下げる
などの対応が必要となり、該樹脂の生産性を低下させる
場合がある。
【0026】PVAをアセタール化する方法としては、
アルコール等の有機溶媒中にPVAを分散させた後、
塩酸や硫酸等の酸触媒下にアルデヒドを添加してアセタ
ール化反応を行い、ポリビニルアセタール溶液に、水を
添加して該樹脂を析出させる溶媒法、あるいはPVA
水溶液にアルデヒド、酸触媒を添加してアセタール化反
応を行ない、反応の進行に応じて水性の反応系内に該樹
脂を析出させる水媒法、更にはPVA水溶液にアルデ
ヒド、酸触媒を添加してアセタール化反応を行ない、反
応の進行に応じて有機溶媒を添加して反応系内を均一に
保つ均一法のいずれも可能である。
【0027】ポリビニルアセタール系樹脂を変性するた
めのシリコーン化合物としては、イソシアネート基、エ
ポキシ基及びアミノ基の群より選ばれた少なくとも1種
類の官能基を、側鎖、片末端及び両末端のいずれかに有
するオルガノシロキサンを使用することが好ましい。こ
のようなシリコーン化合物としては、下記一般式(1)
〜(3)で例示されるものを例示することができる。
【0028】側鎖タイプ
【0029】
【化1】 片末端タイプ
【0030】
【化2】 両末端タイプ
【0031】
【化3】 なお、上記式(1)、(2)及び(3)において、Rは
炭素原子数10以下の低級アルキレン基であり、n及び
mは独立的に1〜200の整数であり、X及びX1 は独
立的に以下の式(4)〜(9)から選択される少なくと
も一種である。
【0032】
【化4】 上述のようなシリコーン化合物としては、市販品を使用
することもでき、また、上述の官能基を持たない市販の
シリコーン化合物に対して上述の官能基を導入したもの
も使用することもできる。
【0033】次に、本発明で使用するシリコーン変性ポ
リビニルアセタール系樹脂の製造方法について説明す
る。
【0034】シリコーン変性ポリビニルアセタール系樹
脂は、上述のシリコーン化合物の官能基の部分と、ポリ
ビニルアセタール系樹脂のビニルアルコール単位の部分
及び/またはPVAの後変性等に由来するカルボキシル
基の部分とを反応させることにより得ることができる。
この場合、ポリビニルアセタール系樹脂とシリコーン化
合物との仕込量は、ポリビニルアセタール系樹脂100
重量部に対して、シリコーン化合物0.1〜4.5重量
部とすることが好ましい。
【0035】この反応操作の具体例としては、ポリビニ
ルアセタール系樹脂を有機溶剤中に溶解した後、シリコ
ーン化合物を全量一括又は徐々に反応系内に滴下して所
定時間撹拌混合して反応させた後、濾取するという一連
の操作を例示することができる。この場合、有機溶剤と
しては、低級アルコール類、エステル類、ケトン類、芳
香族類および脂肪族炭化水素類の中の1種、あるいはこ
れらの2種以上の混合溶剤を使用することができる。
【0036】また、ポリビニルアセタール系樹脂とシリ
コーン化合物との反応時に、反応速度を調整するために
必要に応じてジブチル−錫−ラウレート、ジブチル−錫
−マレート、ジオクチル−錫−ラウレート等の有機錫等
の触媒を添加することもできる。
【0037】本発明において、インク層は、上述のよう
なバインダーとしてのシリコーン変性ポリビニルアセタ
ール系樹脂と熱拡散性染料と必要に応じて各種添加剤と
を有機溶剤に溶解分散してインク層形成用組成物を調製
し、これを基材1上に印刷、コーティングなどの公知の
方法で塗布し乾燥することにより形成することができ
る。
【0038】インク層形成用組成物を調製する場合、シ
リコーン変性ポリビニルアセタール系樹脂を反応混合物
から分離することなく、その反応混合物のまま樹脂濃度
を調整し、それに熱拡散性染料や各種添加剤を混合する
ことにより調製してもよく、あるいは、シリコーン変性
ポリビニルアセタール系樹脂を反応混合物から析出さ
せ、それを洗浄及び乾燥して粉末化したものを有機溶剤
中に再溶解し、それに熱拡散性染料や各種添加剤を混合
することにより調製してもよい。なかでも、生産性、コ
スト等の面から反応混合物のまま樹脂濃度を調整してイ
ンク層形成用組成物とすることが好ましい。
【0039】なお、熱拡散性染料としては、公知の染料
を使用することができ、例えばアントラキノン系、アゾ
系、メチン系染料などを例示することができる。また、
必要に応じて使用する各種添加剤としては、各種界面活
性剤などの分散剤、セルロース誘導体などの乾燥促進
剤、各種消泡剤などを例示することができる。
【0040】また、インク層2を構成する各成分の配合
割合については、シリコーン変性ポリビニルアセタール
系樹脂の割合が少なすぎるとインク層の離型性が不十分
となり、多すぎると相対的に熱拡散性染料の量が少なく
なり画像濃度が低下するので、好ましくはシリコーン変
性ポリビニルアセタール系樹脂が、インク層中に3〜8
0重量%、より好ましくは20〜50重量%程度とし、
また、熱拡散性染料に対して好ましくは約3〜200重
量%、より好ましくは50〜150重量%とする。
【0041】インク層Y、C及びMの厚さには特に制限
はないが、通常約0.5〜5μm程度とすることが好ま
しい。
【0042】本発明の昇華熱転写インクリボンは、イン
ク層2を上述のように形成する他は公知の方法により製
造することができる。即ち、インク層2とは別個に、同
じ基材表面上に図2に示すようなラミネート層を公知の
材料と手段とを使用して形成することにより昇華熱転写
インクリボンを得ることができる。
【0043】
【作用】本発明の昇華熱転写インクリボンにおいては、
インク層のバインダーとして離型性樹脂を使用する。従
って、このインクリボンを使用して昇華熱転写記録を行
う場合、印画紙として、離型処理が施されていない染料
受容層又は離型処理の程度の小さい染料受容層を有する
印画紙を使用しても、印画紙とインクリボンとの融着を
防止することが可能となる。しかも、ラミネート層を印
画紙の染料受容層上に、より低いエネルギーで均一に転
着することが可能となる。また、離型処理が施されてい
ない染料受容層又は離型処理の程度の小さい染料受容層
を有する印画紙を使用した場合には、ラミネート層の接
着性が低下したときでも必要な接着性を確保しやすくな
り、接着性のマージンを大きくとることが可能となる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
【0045】まず、以下の実施例及び比較例において使
用したシリコーン変性ポリビニルアセタール系樹脂とシ
リコーン化合物混合ポリビニルアセタール系樹脂の製造
について、以下の参考例1〜11で説明する。
【0046】なお、特に記載のない限り「部」及び
「%」は、各々重量部及び重量%を表わす。
【0047】参考例1 (片末端イソシアネート基(A)変性シリコーン化合物
の製造)攪拌機、還流冷却器及び温度計をつけた反応器
内にトルエン108部、片末端水酸基変性シリコーンオ
イル(信越化学工業社製、X−22−170B、水酸基
当量2200)100部及びジブチル−錫−ラウレート
1部を仕込み、次いで、2,6−トリレンジイソシアネ
ート(TDI)8部を添加し、温度60℃で4時間反応
を行った後、冷却して、表1に示すような片末端イソシ
アネート基(A)変性シリコーン化合物溶液を得た。
【0048】(シリコーン変性ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂の製造)攪拌機、還流冷却器及び温度計をつけ
た反応器内にトルエン450部を仕込み、表2に示すよ
うなポリビニルアセトアセタール樹脂(重合度243
0、アセトアセタール部分90.0%、ビニルアルコー
ル部分8.5%、酢酸ビニル部分1.5%)100部を
攪拌しながら添加し、温度60℃で2時間かけて溶解し
た。次いで、これにジブチル−錫−ラウレート1部、片
末端イソシアネート基(A)変性シリコーン化合物溶液
5部を添加し、温度60℃で4時間反応を行った後、こ
の溶液をメチルエチルケトン450部で稀釈、冷却し
て、シリコーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂溶
液を得た。得られたシリコーン変性ポリビニルアセトア
セタール樹脂のシリコーンセグメント含有量(シリコー
ン変性量)を表3に示す。
【0049】なお、ポリビニルアセトアセタール樹脂の
組成の分析はJIS−K6728に準拠して行なった。
また、得られたシリコーン変性ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂のシリコーンセグメント含有量(シリコーン変
性量)は、試料を白金ルツボ中で灰化した後にフッ酸で
処理し、その減量分をSiOとして定量した。
【0050】参考例2 (両末端イソシアネート基(A)変性シリコーン化合物
の製造)攪拌機、還流冷却器及び温度計をつけた反応器
内にトルエン170部、両末端水酸基変性シリコーンオ
イル(信越化学工業株式会社製、X−22−160A
S、水酸基当量250)100部及びジブチル−錫−ラ
ウレート1部を仕込み、次いで、2,6−トリレンジイ
ソシアネート(TDI)70部を添加し、温度60℃で
4時間反応を行った後、冷却して、両末端イソシアネー
ト基(A)変性シリコーン化合物溶液を得た。
【0051】(シリコーン変性ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂の製造)シリコーン化合物として両末端イソシ
アネート基(A)変性シリコーン化合物溶液を使用し、
ポリビニルアセトアセタール樹脂として表2に示す組成
のものを使用した以外は参考例1と同様にして、シリコ
ーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液を得た。
得られたシリコーン変性ポリビニルアセトアセタール樹
脂のシリコーンセグメント含有量を表3に示す。
【0052】参考例3 (側鎖イソシアネート基(A)変性シリコーン化合物の
製造)攪拌機、還流冷却器及び温度計をつけた反応器内
にトルエン108部、側鎖水酸基変性シリコーンオイル
(信越化学工業株式会社製、X−22−4015、水酸
基当量2100)100部及びジブチル−錫−ラウレー
ト1部を仕込み、次いで、2,6−トリレンジイソシア
ネート(TDI)8部を添加し、温度60℃で4時間反
応を行った後、冷却して、側鎖イソシアネート基(A)
変性シリコーン化合物溶液を得た。
【0053】(シリコーン変性ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂の製造)シリコーン化合物として側鎖イソシア
ネート基(A)変性シリコーン化合物溶液を使用し、ポ
リビニルアセトアセタール樹脂として表2に示す組成の
ものを使用した以外は参考例1と同様にして、シリコー
ン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液を得た。得
られたシリコーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂
のシリコーンセグメント含有量を表3に示す。
【0054】参考例4 (片末端イソシアネート基(B)変性シリコーン化合物
の製造)攪拌機、還流冷却器及び温度計をつけた反応器
内にトルエン108部、側鎖水酸基変性シリコーンオイ
ル(信越化学工業株式会社製、X−22−4015、水
酸基当量2100)100部及びジブチル−錫−ラウレ
ート1部を仕込み、次いで、ヘキサメチレンジイソシア
ネート(HDI)8部を添加し、温度60℃で4時間反
応を行った後、冷却して、片末端イソシアネート基
(B)変性シリコーン化合物溶液を得た。
【0055】(シリコーン変性ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂の製造)シリコーン化合物として片末端イソシ
アネート基(B)変性シリコーン化合物溶液を使用し、
ポリビニルアセトアセタール樹脂として表2に示す組成
のものを使用した以外は参考例1と同様にして、シリコ
ーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液を得た。
得られたシリコーン変性ポリビニルアセトアセタール樹
脂のシリコーンセグメント含有量を表3に示す。
【0056】参考例5 (両末端アミノ基変性シリコーン化合物)両末端アミノ
基変性シリコーン化合物として信越化学工業株式会社
製、X−22−161AS(アミノ基当量450)を使
用した。
【0057】(シリコーン変性ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂の製造)シリコーン化合物として両末端アミノ
基変性シリコーン化合物を使用し、ポリビニルアセトア
セタール樹脂として表2に示す組成のものを使用した以
外は参考例1と同様にして、シリコーン変性ポリビニル
アセトアセタール樹脂を得た。得られたシリコーン変性
ポリビニルアセトアセタール樹脂のシリコーンセグメン
ト含有量を表3に示す。
【0058】参考例6 (片末端エポキシ基(A)変性シリコーン化合物)片末
端エポキシ基(A)変性シリコーン化合物として信越化
学工業株式会社製、X−22−173B(エポキシ基当
量2500)を使用した。
【0059】(シリコーン変性ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂の製造)シリコーン化合物として片末端エポキ
シ基(A)変性シリコーン化合物を使用し、ポリビニル
アセトアセタール樹脂として表2に示す組成のものを使
用した以外は参考例1と同様にして、シリコーン変性ポ
リビニルアセトアセタール樹脂を得た。得られたシリコ
ーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂のシリコーン
セグメント含有量を表3に示す。
【0060】参考例7 (側鎖エポキシ基(B)変性シリコーン化合物)側鎖エ
ポキシ基(B)変性シリコーン化合物として信越化学工
業株式会社製、KF−102(エポキシ基当量400
0)を使用した。
【0061】(シリコーン変性ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂の製造)シリコーン化合物として側鎖エポキシ
基(B)変性シリコーン化合物を使用し、ポリビニルア
セトアセタール樹脂として表2に示す組成のものを使用
した以外は参考例1と同様の操作を繰り返すことにより
シリコーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂を得
た。得られたシリコーン変性ポリビニルアセトアセター
ル樹脂のシリコーンセグメント含有量を表3に示す。
【0062】参考例8、9及び10 シリコーン化合物として実施例1の片末端イソシアネー
ト基(A)変性シリコーン化合物を使用量を変えて使用
し、ポリビニルアセトアセタール樹脂に表2に示す組成
のものを使用した以外は参考例1と同様にして、シリコ
ーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂を得た。得ら
れたシリコーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂の
シリコーンセグメント含有量を表3に示す。
【0063】参考例11 攪拌機、還流冷却器及び温度計をつけた反応器内にトル
エン450部、メチルエチルケトン450部を仕込み、
表2に示すポリビニルアセトアセタール樹脂1000部
を攪拌しながら添加し、温度60℃で2時間かけて溶解
した。次いで、これに官能基を含有しないシリコーン化
合物として、シリコーンオイルKF−96(信越化学工
業株式会社製)を2.5部添加し、温度60℃で4時間
混合を行った後、この溶液を冷却して、シリコーン混合
ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液を得た。
【0064】参考例12 シリコーン変性せず、しかもシリコーン化合物と混合も
しない表2に示すポリビニルアセトアセタール樹脂を用
意した。
【0065】
【表1】 反応に使用したシリコーン化合物 官能基当量 官能基種類 官能基位置 (g/mol) 参考例1 イソシアネート基(A) 片末端 2200 参考例2 イソシアネート基(A) 両末端 250 参考例3 イソシアネート基(A) 側鎖 2100 参考例4 イソシアネート基(B) 片末端 2200 参考例5 アミノ基 両末端 450 参考例6 エポキシ基(A) 片末端 2500 参考例7 エポキシ基(B) 側鎖 4000 参考例8 イソシアネート基(A) 片末端 2200 参考例9 イソシアネート基(A) 片末端 2200 参考例10 イソシアネート基(A) 片末端 2200 参考例11 (官能基を持たないシリコーンオイル添加:2.5%) 参考例12 (使用せず) − − 表1中、イソシアネート基(A)、イソシアネート基
(B)、エポキシ基(A)及びエポキシ基(B)として
は以下に示すものを使用した。また、官能基当量は官能
基1単位当りの分子量を示している。
【0066】
【化5】
【0067】
【表2】 反応に使用したポリビニルアセトアセタール樹脂 ビニルアル 酢酸ビニル アセトアセ アクリル酸 コール部分 部分 タール部分 部分 重合度 (%) (%) (%) (%) 参考例1 8.5 1.5 90.0 − 2430 参考例2 8.8 2.5 88.7 − 2430 参考例3 8.4 1.8 89.7 − 2430 参考例4 9.1 2.0 88.9 − 2430 参考例5 9.9 13.3 75.3 1.5 2470 参考例6 8.6 12.6 77.3 1.4 2470 参考例7 9.2 13.0 76.2 1.6 2470 参考例8 8.7 2.1 89.2 − 2430 参考例9 8.4 1.6 90.0 − 2430 参考例10 8.2 1.6 90.2 − 2430 参考例11 8.8 1.3 89.9 − 2430 参考例12 8.5 1.5 90.0 − 2430
【0068】
【表3】 実施例1〜10及び比較例1〜2 (インクリボンの作製)6μm厚のポリエステルフィル
ム基材の片面に、表4の配合の耐熱滑性層形成用組成物
を乾燥厚で1μmとなるようにワイヤーバーにより塗布
し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。
【0069】
【表4】 耐熱滑性層形成用組成物 成分名 使用量(%) ポリビニルブチラール樹脂 5.6 (BX55Z、積水化学工業株式会社) リン酸エステル 1.1 (プライサーフA208S、第一工業製薬株式会社) 炭酸カルシウム(白艶華DD、白石工業株式会社) 1.1 イソシアネート系架橋剤 2.2 (コロネートL、日本ポリウレタン工業株式会社 ) メチルエチルケトン 45.0 トルエン 45.0 次に、参考例1〜12で得られたシリコーン変性ポリビ
ニルアセトアセタール樹脂を表5に示すバインダーとし
て用いることによりインク層形成用組成物を調製した。
そして、得られたインク層形成用組成物を、ポリエステ
ルフィルム基材の他面に乾燥厚で1μmとなるようにワ
イヤーバーで塗布し、乾燥することによりインク層を形
成した。
【0070】
【表5】 インク層形成用組成物 成分 使用量(%) バインダー(対応実施例又は比較例) 3.0 参考例1(実施例1) 参考例2(実施例2) 参考例3(実施例3) 参考例4(実施例4) 参考例5(実施例5) 参考例6(実施例6) 参考例7(実施例7) 参考例8(実施例8) 参考例9(実施例9) 参考例10(実施例10) 参考例11(比較例1) 参考例12(比較例2) マゼンタ染料 ESCボルドー451(住友化学工業株式会社) 2.5 HSR2031(三菱化成工業株式会社) 2.5 メチルエチルケトン 45.0 トルエン 45.0 次に、ポリエステルフィルム基材のインク層が設けられ
た面に、インク層とは別の場所に、表6の離型保護層形
成用組成物をワイヤーバーにより乾燥厚で3μmとなる
ように塗布し、乾燥することにより離型保護層を形成し
た。
【0071】
【表6】 離型保護層形成用組成物 成分 使用量(%) ポリメチルメタクリレート 20 (パラロイドA−11、ロームアンドハース株式会社) メチルエチルケトン 40 トルエン 40 更に、その離型保護層上に、表7又は表8の接着層形成
用組成物A又はBを乾燥厚で3μmとなるように塗布
し、乾燥することにより接着層を形成し、これにより、
離型保護層と接着層とから構成されるラミネート層を有
する昇華熱転写インクリボンを得た。この場合、実施例
1の昇華熱転写インクリボンとしては、ラミネート層の
形成に接着層形成用組成物Aを用いたもの(実施例1−
A)と接着層形成用組成物Bを用いたもの(実施例1−
B)の2種を作製した。
【0072】
【表7】 接着層形成用組成物A 成分 使用量(%) セルロースアセテートブチレート樹脂 20 (CAB551−0.01、イーストマン・ケミカル社製) メチルエチルケトン 40 トルエン 40
【0073】
【表8】 接着層形成用組成物B 成分 使用量(%) 塩化ビニル系樹脂 18 (デンカビニル#1000D、電気化学工業株式会社) 紫外線吸収剤 2 (シーソーブ702、シプロ化成株式会社) メチルエチルケトン 40 トルエン 40 上述のインクリボンとは別に、以下の表9〜表13に示
した染料受容層形成用組成物a〜eを印画紙基材(60
μm厚合成紙(YUPO、王子油化株式会社)/60μ
m厚軽量コート紙/60μm厚合成紙(YUPO、王子
油化株式会社)に乾燥厚が5μmとなるようにコイルバ
ーにより塗布し、乾燥することにより、染料受容層形成
用組成物a〜eに対応する印画紙a〜eを作製した。
【0074】
【表9】 染料受容層形成用組成物a(離型剤含有) 成分 使用量(%) セルロースアセテートブチレート樹脂 15.2 (CAB551−0.2、イーストマン・ケミカル社製) 蛍光増白剤 0.1 (ユビテックス−OB、チバガイギー社) ジシクロヘキシルフタレート 3.1 ポリイソシアネート 0.8 (タケネートD110N、武田薬品工業株式会社) アルコール変性シリコーンオイル(離型剤) 0.8 (SF8427、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) メチルエチルケトン 40.0 トルエン 40.0
【0075】
【表10】 染料受容層形成用組成物b(離型剤含有) 成分 使用量(%) 塩化ビニル系樹脂 8.0 (デンカビンビニル#1000AKT 、電気化学工業株式会社) ポリエステル樹脂 2.0 (バイロン#600、東洋紡績株式会社) アミノ変性シリコーン(離型剤) 0.5 (KF393、信越化学工業株式会社) エポキシ変性シリコーン(離型剤) 0.5 メチルエチルケトン 44.5 トルエン 44.5
【0076】
【表11】 染料受容層形成用組成物c(離型剤非含有) 成分 使用量(%) セルロースアセテートブチレート樹脂 16.0 (CAB551−0.2、イーストマン・ケミカル社製) 蛍光増白剤 0.1 (ユビテックス−OB、チバガイギー社) ジシクロヘキシルフタレート 3.1 ポリイソシアネート 0.8 (タケネートD110N、武田薬品工業株式会社) メチルエチルケトン 40.0 トルエン 40.0
【0077】
【表12】 染料受容層形成用組成物d(離型剤非含有) 成分 使用量(%) 塩化ビニル系樹脂 9.0 (デンカビンビニル#1000AKT 、電気化学工業株式会社) ポリエステル樹脂 2.0 (バイロン#600、東洋紡績株式会社) メチルエチルケトン 44.5 トルエン 44.5
【0078】
【表13】 染料受容層形成用組成物e(離型剤含有) 成分 使用量(%) セルロースアセテートブチレート樹脂 15.9 (CAB551−0.2、イーストマン・ケミカル社製) 蛍光増白剤 0.1 (ユビテックス−OB、チバガイギー社) ジシクロヘキシルフタレート 3.2 ポリイソシアネート 0.4 (タケネートD110N、武田薬品工業株式会社b) アルコール変性シリコーンオイル(離型剤) 0.4 (SF8427、東レ・ダウコーニング社) メチルエチルケトン 40.0 トルエン 40.0 注:染料受容層形成用組成物dの離型剤含有量は、染料受容層形成用組成物a の離型剤含有量の半分である。 次に、実施例及び比較例の昇華熱転写インクリボンのイ
ンク層の離型性試験及び保存安定性試験、並びにそのラ
ミネート層の接着性試験を以下に示すように行った。
【0079】インクリボン離型性試験 実施例及び比較例の昇華熱転写インクリボンと上述の印
画紙a〜eを用いて、フルカラープリンター(UP−D
7000、ソニー株式会社製)にて、ベタ印画を行い、
その熱転写時にインクリボンのインク層を印画紙の染料
受容層から剥離する際の離型性を、以下の評価基準に従
って評価した。得られた結果を表14に示す。
【0080】 離型性評価基準 ランク 状態 ◎: 融着せず剥離音もない場合 ○: 融着しないが実用上問題のない程度の剥離音がある場合 ×: 融着した場合。
【0081】インクリボン保存性試験 実施例及び比較例の昇華熱転写インクリボンを50℃、
80%RHの環境下で48時間保存し、染料のブリー
ド、結晶化の状態を目視により以下の評価基準により評
価した。その結果を表14に示す。
【0082】 保存性評価基準 ランク 状態 ◎: 保存前後で変化がない場合 ○: インク層の一部表面で実用上問題のない程度に結晶化した染料が観 察された場合 ×: インク層全面で結晶化した染料が観察された場合。
【0083】ラミネート層接着性試験 印画紙a〜eの染料受容層上に、ベタ印画時の80%の
エネルギーで、接着剤形成用組成物Aを使用した実施例
1−Aの昇華熱転写インクリボンのラミネート層を転着
させた。また、接着剤形成用組成物Bを使用した実施例
1−Bの昇華熱転写インクリボンのラミネート層を同様
に転着させた。その転着時の接着性を以下の評価基準に
より評価した。その結果を表15に示す。
【0084】 接着性評価基準 ランク 状態 ◎: 均一且つ強固に接着された場合 ○: 強固にラミネートされているが、実用上問題のない程度にラミネー ト開始ラインがわずかにギサギサとなる場合(直線性が不十分) ×: 指でラミネート層が簡単に剥離できる場合。
【0085】
【表14】
【0086】
【表15】 実施例の昇華熱転写インクリボンは、表14に示される
ように印画紙の剥離処理の有無にかかわりなく離型性に
優れ、しかも保存性にも優れていた。また、実施例の昇
華熱転写インクリボンは、表15に示されるように、剥
離処理されていない印画紙c及びd並びに剥離処理の程
度が小さい印画紙eに対し、ラミネート層を良好に転着
できた。
【0087】従って、本発明の昇華熱転写インクリボン
を用いて、剥離処理されていないかあるいはその程度が
小さい印画紙に昇華熱転写を行うと、昇華熱転写時にイ
ンクリボンと印画紙との融着が生ずることなく、且つ印
画紙に形成した染料画像上へラミネート層を良好に形成
できることがわかる。
【0088】一方、比較例1の昇華熱転写インクリボン
の場合、表14に示されるように、いずれの印画紙に対
しても離型性は良好であるが、保存性が不十分であっ
た。従って、比較例1のインクリボンは実用的なもので
はないことがわかる。
【0089】また、比較例2の昇華熱転写インクリボン
の場合、表14に示されるように、剥離処理がなされた
印画紙a及びbに対しては離型性が良好であるが、離型
処理がなされていない印画紙及びその処理の程度が小さ
い印画紙に対しては剥離性が不十分であった。従って、
このような印画紙に対しては、比較例2のインクリボン
は使用することができないことがわかる。
【0090】
【発明の効果】同一基材平面上に別個に形成されたイン
ク層とラミネート層とを有する本発明の昇華熱転写イン
クリボンによれば、昇華熱転写記録を行うに際し、離型
処理が施されていない印画紙あるいは離型処理の程度が
小さい印画紙に対しても、インクリボンの融着を防止す
ることができる。しかもラミネート層を印画紙の染料受
容層上に均一に転着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印画紙の平面図である。
【図2】本発明の印画紙のラミネート層部分の拡大断面
図である。
【図3】従来の印画紙の断面図である。
【図4】印画紙に形成された染料受容層上にラミネート
層を積層した状態の説明図である。
【符号の説明】
1 基材 2 インク層 Y イエローインク層 M マゼンタインク層 C シアンインク層 3 ラミネート層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、その同一平面上に別個に形成さ
    れたインク層とラミネート層とを有する昇華熱転写イン
    クリボンにおいて、インク層がバインダーとして離型性
    樹脂を含有することを特徴とする昇華熱転写インクリボ
    ン。
  2. 【請求項2】 該離型性樹脂が、シリコーン変性ポリビ
    ニルアセタール系樹脂である請求項1記載の昇華熱転写
    インクリボン。
  3. 【請求項3】 シリコーン変性ポリビニルアセタール系
    樹脂が、イソシアネート基、エポキシ基及びアミノ基か
    らなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を有する
    シリコーン化合物とポリビニルアセタール系樹脂との反
    応物である請求項2記載の昇華熱転写インクリボン。
  4. 【請求項4】 シリコーン化合物のポリビニルアセター
    ル系樹脂に対する割合が0.1wt%〜4.5wt%で
    ある請求項3記載の昇華熱転写インクリボン。
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