JP4583867B2 - 表面に紫外線硬化樹脂塗膜を有する立体成型品の製造方法 - Google Patents

表面に紫外線硬化樹脂塗膜を有する立体成型品の製造方法 Download PDF

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本発明は、表面に紫外線硬化樹脂塗膜を有する立体成型品の製造方法に関し、詳しくは、成形中及び成形後の塗膜を保護するために適当なマスキングフィルムを用い、成形後に塗膜を硬化させるポストキュア手法により表面硬度の高い塗膜を形成した立体成型品の製造方法に関するものである。
建具、家具、什器、家電製品、電子機器、自動車内装資材などの分野において、合成樹脂化粧シートを、立体的な基材に真空成形、メンブレンプレス成形等により貼着した製品が用いられ、また、成型品の表面には表面硬度を増すために硬化樹脂塗膜などが形成される。
表面に硬化樹脂塗膜を形成した合成樹脂化粧シートを真空成形などの二次加工により立体的に成形すると、塗膜が硬いため二次成形性が悪いので、塗膜が未硬化又は半硬化の状態で成形した後に紫外線などを照射して塗膜を硬化させるポストキュア手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、成形中及び成形後の塗膜を保護するため、マスキングフィルムを用いることも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3033189号公報(第5欄第47行〜第6欄第2行) 特許第2874774号公報(第4欄第15〜24行)
特許文献1には、成型品に耐磨耗性と耐擦傷性を付与するために半硬化又は未硬化の硬化性樹脂層を形成した化粧シートを成形品と一体化し、その後に放射線を照射して樹脂層を硬化させる手法が開示され、特許文献2には、シート基材上に硬化性樹脂を塗布した後、その塗膜上に離型性フィルムを積層し、次いで放射線を照射して塗膜を硬化させる化粧シートの製造方法が開示され、離型性フィルムの材質として、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン及びポリテトラフルオロエチレンが挙げられている。
しかしながら、合成樹脂化粧シートを用いてポストキュア手法により表面に硬化塗膜を形成した立体的な成型品を製造する際、成形中及び成形後の塗膜を保護するためにマスキングフィルムを用いる場合、その選定基準として、
a)基材シートの塑性変形に追随して伸びること
b)塗膜を硬化させるために照射する紫外線を透過すること
c)塗膜の硬化後に容易に剥離できる離型性があること
を考慮しなければならないが、かかる基準をクリアーするためにどのような材質のマスキングフィルムを選択すればよいかについては、特許文献1及び2には開示がない。また、成形加工時に成型品表面に設けられているマスキングフィルムが部分的に剥がれて浮きが発生するスプリングバック(SB)と呼ばれる現象が起き、その後の紫外線照射により硬化した塗膜の表面状態が不均一となるが、このようなSB現象が生じないようにするため、マスキングフィルムにおいていかなる対策を講ずるべきかについても、従来全く知られていなかった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、本発明の目的は、表面に硬化塗膜を形成した立体的な成型品をポストキュア手法により製造するにあたり、適当なマスキングフィルムを用いることにより、硬化塗膜の表面平滑性に優れ、良好な外観を有する成型品を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、マスキングフィルムの材料樹脂として結晶性のポリエステル系樹脂を用いると、成型時における基材シートへの追随性と成型後に基材シートから剥離し易い離型性に優れるものの、SB現象を防ぐことはできないが、非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂からなる外層と結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる内層を積層した複層フィルムをマスキングフィルムとして用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、合成樹脂化粧シートの表面に紫外線硬化性樹脂塗料を塗布した後、その塗膜上に離型性フィルムを積層し、次いで立体的な基材に真空成形、圧空成形、メンブレンプレス成形のいずれかの方法により貼着した後、紫外線を照射して該塗膜を硬化せしめ、最後に離型性フィルムを剥離することにより、表面に紫外線硬化樹脂塗膜を有する立体成型品の製造方法において、前記離型性フィルムは、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、20〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜80モル%のエチレングリコールからなるジオール成分とから構成された共重合ポリエステル非結晶性ポリエステル系樹脂からなる外層と結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる厚さ3〜15μmの内層を積層してなる総厚さ20〜100μmの複層フィルムであることを特徴とする表面に紫外線硬化樹脂塗膜を有する立体成型品の製造方法にある。
前記複層フィルムにおいて、外層と内層の各厚さの比は95〜50:5〜50の範囲内にあることが望ましい。
さらに、紫外線硬化性樹脂塗料はアクリル系オリゴマーとアクリル系モノマーを含む塗料組成物であり、アクリル系オリゴマーとしてウレタンアクリレートオリゴマーを含むウレタンアクリレート系樹脂塗料であることが望ましい。
本発明によれば、ポストキュア手法を採用したことにより、二次加工時における化粧シートの熱変形が硬化塗膜によって阻害されることがなく、また、離型性マスキングフィルムの使用により、成形中及び成形後の塗膜を保護することができるばかりでなく、マスキングフィルムとして、非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂からなる外層と結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる内層を積層した複層フィルムを用いたので、マスキングフィルムが化粧シートの塑性変形に追随してよく伸びるとともに、SB現象を有効に防止することができ、塗膜の硬化後に剥離する際の離型性もよい。その結果、良好な外観を有し、耐磨耗性や耐擦傷性に優れた保護皮膜を有する立体成型品が得られるものである。
本発明において用いられる合成樹脂化粧シートは、通常、着色された化粧シートや着色シートの表面に柄模様が印刷された化粧シートであり、塩化ビニル樹脂、非結晶性ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂など、好ましくは、硬質若しくは半硬質塩化ビニル樹脂又は非結晶性若しくは低結晶性ポリエステルを用い、顔料、その他添加剤を混合した樹脂組成物をカレンダー成形法や押出成形法によってシート状に成形する。この化粧シートの厚さは、通常0.075〜0.4mm、好ましくは0.1〜0.3mm程度である。
本発明において化粧シートの表面に塗布する紫外線硬化性樹脂塗料は、アクリル系樹脂塗料、ポリエステル系樹脂塗料などが使用でき、使用樹脂材料が特に限定されるものではないが、アクリル系オリゴマーとアクリル系モノマーを含む無溶剤又は含溶剤の塗料組成物であり、アクリル系オリゴマーとしてウレタンアクリレートオリゴマーを用いたウレタンアクリレート系樹脂塗料を望ましい具体例として挙げることができる。
上記アクリル系オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどが挙げられるが、ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましい。
ウレタンアクリレートオリゴマーとは、高分子量のイソシアネートとヒドロキシル基を有するアクリレートとが化学結合したものであって、その重量平均分子量は通常2000〜12000程度である。
高分子量のイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートなどの脂肪族・脂環属イソシアネートが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するアクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレートなどか挙げられる。
また、アクリル樹脂アクリレートとは、ポリメチルメタクリレートを主成分とするアクリル共重合樹脂中に、予め、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基などの官能基を持つ(メタ)アクリレートモノマーを共重合せしめ、それぞれの官能基に対応して付加反応する官能基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーと付加反応させて二重結合を導入したものである。
上記アクリル系モノマーとしては、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
上記塗料組成物からなる塗膜に紫外線を照射して架橋硬化させるために光開始剤を添加する必要があり、この場合、照射された紫外線によって光開始剤がラジカルを発生し、このラジカルによってアクリレートが重合して硬化する。
本発明においては、成形中及び成形後の塗膜を保護するため、化粧シートの表面に紫外線硬化性樹脂塗料を塗布した後、その塗膜上に離型性フィルムを積層する。このようなマスキングフィルムとして用いる離型性フィルムは、非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂からなる外層と結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる内層を積層してなる複層フィルムである。
上記外層を構成する非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂は、実質的に結晶性を有しないポリエステルないし結晶化度が50%以下の結晶性の低いポリエステルであって、具体的には、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール及び、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの少なくとも1種のジオール成分とからなる共重合ポリエステルであり、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸以外に、アジピン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体、ジオール成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール以外の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、脂環式ジオールなどの成分を少量、通常5重量%以下の割合で含むこともできる。
非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂の好適な具体例として、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、20〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜80モル%のエチレングリコールからなるジオール成分とから構成された共重合ポリエステルを挙げることができる。
本発明においては、上記の非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PETI、PBTIなどの結晶化度が50%を超える結晶性ポリエステル系樹脂を配合することができる。これらのポリエステルの混合物に占める非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂の配合比率は、通常60〜100重量%、好ましくは80〜100重量%の範囲である。
上記内層、すなわち、離型性フィルムの積層する硬化塗膜側の層を構成する結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂から構成される。
結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂は、ポリブチレンテレフタレートのみならず、イソフタル酸、アジピン酸などのテレフタル酸以外のジカルボン酸成分や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコールなどのブチレングリコール以外のジオール成分を少量共重合したものでもよい。また、二種以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂を混合してもよい。さらに、ポリブチレンテレフタレート系樹脂以外の樹脂を少量配合することができる。
上記外層及び内層を構成する非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂及び結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂には、それぞれ、各種の添加剤、例えば、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などを配合することができる。
上記外層及び内層からなる複層フィルムの成形方法については、外層を構成する非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂と内層を構成する結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂をそれぞれ別の押出機に供給し、共押出成形により積層一体化して製膜する方法が望ましい。内層の厚さが極めて薄いため、他の成形法では均一な厚さの積層フィルムを成形するのが困難である。
この複層フィルムは、内層の厚さが3〜15μmであり、総厚さが20〜100μmである。内層の厚さが3μm未満では均一な厚さの膜を形成するのが困難であり、15μmを超えるとSB現象による塗膜との密着性の低下が避けられず、複層フィルムの総厚さが20μm未満では塗膜との密着性が不十分となり、100μmを超えてもコスト高になるだけでメリットはない。
また、外層と内層の各厚さの比は、95〜50:5〜50の範囲内にあることが望ましい。
本発明においては、先ず、化粧シートの表面に紫外線硬化性樹脂塗料を塗布する。塗布方法については特に制限がなく、例えば、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法などを使用することができる。
化粧シートの表面に紫外線硬化性樹脂塗料を塗布した後、その塗膜上に離型性フィルムとして上記複層フィルムをその内層が塗膜に密着するようにして積層し、次いで立体的な基材に真空成形、圧空成形、メンブレンプレス成形等により貼着加工する。この二次成形加工に使用される立体的な基材としては、立体加工された中密度繊維板(MDF)、金属や射出成形された樹脂成型品等を挙げることができる。
二次成形加工後、立体成型品の表面の離型性フィルムを通して紫外線を照射し、未硬化の塗膜を硬化させる。
硬化前後の塗膜表面を保護してきた離型性フィルムは、塗膜の硬化後、必要な時点で最終的に剥離して取り除く。露出した塗膜表面及び塗膜を通して透けて見える成形品の外観は、ポストキュア手法とそれに加えて適当なマスキングフィルムを用いたことにより、良好なものものとなる。
以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明はかかる実施例によって何ら限定されるものではない。また、本発明においては、成型加工性及び離型性は、以下に示す試験方法により評価した。
(1)成型加工性
化粧シートの表面に形成した未硬化塗膜上にマスキングフィルムを積層した積層化粧シートを加熱して軟化させ、真空成形により立体的な基材の表面に積層化粧シートを貼着し、マスキングフィルムの形状追随性(フィルムにおける亀裂や皺の発生の有無)及び未硬化塗膜との密着性(フィルムと塗膜間における浮きの発生の有無)を目視により確認し、以下の基準で評価した。
(1−1)形状追随性
○ マスキングフィルムにおける亀裂や皺の発生が全く認められない。
△ マスキングフィルムにおける亀裂や皺の発生が少し認められる。
× マスキングフィルムにおける亀裂や皺の発生が多く認められる。
(1−2)密着性(SB現象の有無)
○ マスキングフィルムと塗膜間における浮きの発生が全く認められない。
△ マスキングフィルムと塗膜間における浮きの発生が少し認められる。
× マスキングフィルムと塗膜間における浮きの発生が多く認められる。
− 形状追随性が不良のため評価不能。
(2)離型性
真空成形後、マスキングフィルムを通して未硬化塗膜に紫外線を照射して硬化させた塗膜からマスキングフィルムを剥離し、離型性を以下の基準で評価した。
○ ほとんど抵抗なく容易に剥離する
△ かなり抵抗があるが剥離できる
× 抵抗が大きく剥離できない
実施例1
化粧シートとして厚さ200μmの着色した半硬質塩化ビニル樹脂製シートを用い、その表面に紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂塗料(根上工業社製、HDP−M20)100重量部に対して光開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、IC−184)3重量部を添加して調製した塗料をバーコーターで塗布した後に乾燥し、均一な厚さ5μmの塗膜を形成した。
一方、非結晶性ポリエステル系樹脂(イーストマンケミカル社製の共重合ポリエステル、商品名「PETG GN071」)100重量部に滑剤(モンタン酸ワックス、クラリアントジャパン社製、商品名「G431L」)1重量部を添加した樹脂材料と、結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂(ポリプラスチック社製、商品名「700FP」)100重量部に上記と同じ滑剤1重量部を添加した樹脂材料とをそれぞれ別の押出機に供給して共押出成形し、非結晶性ポリエステル系樹脂からなる厚さ45μmの外層と結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる厚さ5μmの内層が積層一体化された総厚さ50μmの透明な複層フィルムを成形した。
次いで、4本ロールラミネーターを用い、化粧シートの未硬化塗膜上にマスキングフィルムとして上記複層フィルムをその内層が塗膜に密着するようにして積層し、80℃のロール温度でラミネートして積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートを用いて立体的な基材に貼着被覆するにあたり、基材として10cm×5cm、厚さ15mmのMDFを用い、積層化粧シートを90℃の温度に加熱して軟化させ、真空成形により基材の上面と側面を積層化粧シートで貼着被覆した。
高圧水銀灯(強度120W/cm)を搭載した紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、「アイグランデージ」ECS−401GX)を用い、水銀灯の点灯下において、通過速度10m/分、通過回数2回の条件で上記成型品を通過させることにより、マスキングフィルムを通して紫外線を照射して未硬化の塗膜を硬化させた。塗膜の硬化後、マスキングフィルムを剥離して取り除き、表面に硬化塗膜を有する成型品を得た。
紫外線照射による塗膜の硬化前後における各評価試験を行い、評価結果を表1に示す。
実施例2
紫外線硬化型樹脂塗料としてポリエステル系樹脂塗料(互応化学工業社製、GX−165)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、塗膜の形成、成型加工及び塗膜の硬化を行った。
実施例1と同じ各評価試験を行い、評価結果を表1に示す。
比較例1
マスキングフィルムとして非結晶性ポリエステル系樹脂からなる厚さ20μmの外層と結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる厚さ30μmの内層が積層一体化された総厚さ50μmの透明な複層フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、塗膜の形成、成型加工及び塗膜の硬化を行った。
実施例1と同じ各評価試験を行い、評価結果を表1に示す。
比較例2
マスキングフィルムとして表1に示す各種フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、塗膜の形成、成型加工及び塗膜の硬化を行った。
実施例1と同じ各評価試験を行い、評価結果を表1に示す。
Figure 0004583867
表1に記載された各マスキングフィルムの詳細は以下のとおりである。
PETG/PBT:PETGからなる外層とPBTからなる内層の複層ポリエステルフィルム
PBT:ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチック社製、700FP)の製膜品
PETG:ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノールを30%含有する非結晶性変性ポリエチレンテレフタレート(イーストマンケミカル社製、GN071)の製膜品
延伸PET:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、A4100)
易成形PET:ポリエチレンテレフタレート製フィルム(東洋紡績社製、ソフトシャイン)
OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製、OPU−1)
TPX:ポリトリメチルペンテン製フィルム(三井化学社製、オピュラン)
PF:フッ素樹脂製フィルム(電気化学工業社製、デンカDXフィルム)
PE1:低密度ポリエチレン製の粘着性マスキングフィルム(サンエー化研社製、サニテクトPAC3−60T)
PE2:低密度ポリエチレン製の粘着性マスキングフィルム(ノバセル社製、4100)
表1に示すとおり、比較例における各種フィルムをマスキングに使用した場合には、マスキングフィルムの形状追随性、密着性及び離型性の全てを満足する結果が得られなかったが、これに対し、各実施例においては、これらの各特性のいずれにおいても良好な結果が得られた。

Claims (3)

  1. 合成樹脂化粧シートの表面に紫外線硬化性樹脂塗料を塗布した後、その塗膜上に離型性フィルムを積層し、次いで立体的な基材に真空成形、圧空成形、メンブレンプレス成形のいずれかの方法により貼着した後、紫外線を照射して該塗膜を硬化せしめ、最後に離型性フィルムを剥離することにより、表面に紫外線硬化樹脂塗膜を有する立体成型品の製造方法において、前記離型性フィルムは、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、20〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜80モル%のエチレングリコールからなるジオール成分とから構成された共重合ポリエステルからなる非結晶性ポリエステル系樹脂からなる外層と結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる厚さ3〜15μmの内層を積層してなる総厚さ20〜100μmの複層フィルムであることを特徴とする表面に紫外線硬化樹脂塗膜を有する立体成型品の製造方法。
  2. 外層と内層の各厚さの比が95〜50:5〜50の範囲内にある請求項1に記載の立体成型品の製造方法。
  3. 紫外線硬化性樹脂塗料がアクリル系オリゴマーとアクリル系モノマーを含む塗料組成物であり、アクリル系オリゴマーとしてウレタンアクリレートオリゴマーを含むウレタンアクリレート系樹脂塗料である請求項1に記載の立体成型品の製造方法。
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