JP2008093827A - 3次元加工用化粧シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 基材層と印刷模様層との密着性に優れ、3次元加工性に優れた化粧シートを提供すること。
【解決手段】 (a)ポリエステル系樹脂および着色剤を含む基材層11と;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる印刷模様層12と;(b)ポリエステル系樹脂からなる透明層13と;を有する3次元加工用化粧シート10。(a)ポリエステル系樹脂:(i)テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、(ii)エチレングリコール60.5〜71.5モル%、ジエチレングリコール2.5〜6モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール26〜37モル%からなるジオール成分(前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 (a)ポリエステル系樹脂および着色剤を含む基材層11と;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる印刷模様層12と;(b)ポリエステル系樹脂からなる透明層13と;を有する3次元加工用化粧シート10。(a)ポリエステル系樹脂:(i)テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、(ii)エチレングリコール60.5〜71.5モル%、ジエチレングリコール2.5〜6モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール26〜37モル%からなるジオール成分(前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、3次元加工用化粧シートに関するものであり、詳しくは、基材層と印刷模様層との密着性に優れ、メンブレンプレス成形のような真空成形性に優れた3次元加工用化粧シートに関するものである。
従来より、家具、ドア、ドア枠、腰板、巾木、窓枠などの表面材などに使用される化粧シートには、塩化ビニル系樹脂フィルムが多量に使用されていた。塩化ビニル系樹脂化粧シートは、ダブリング装置の加熱ドラム上で、透明な塩化ビニル系樹脂フィルムと印刷を施した着色塩化ビニル系樹脂フィルムを重ねて熱圧着し、さらにエンボスロールでフィルム表面にエンボスの型押しを行うことにより製造されていた。しかし、塩化ビニル系樹脂は、焼却条件が悪いと問題が生ずる等、最近の環境問題への社会の要求から塩化ビニル系樹脂に代わる化粧シートが求められていた。
そこで、塩化ビニル系樹脂フィルムに代えて、非晶質ポリエステル樹脂フィルムを用いることが検討されている。
そこで、塩化ビニル系樹脂フィルムに代えて、非晶質ポリエステル樹脂フィルムを用いることが検討されている。
例えば特許文献1(特許第3678063号公報)には、着色された非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる基材層と、該基材層の一方の面に形成され、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーを含む着色インキからなる印刷模様層と、透明な非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる透明層とを積層した3次元加工用化粧シートが開示されている。特許文献1には、得られた化粧シートの各層の密着性が良好である旨記載されている。
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の3次元加工用化粧シートをメンブレンプレス成形した場合に、着色された基材層と印刷模様層との密着性が極めて貧弱であり、各層間で剥離が生じる等、多くの不具合が見られた。
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の3次元加工用化粧シートをメンブレンプレス成形した場合に、着色された基材層と印刷模様層との密着性が極めて貧弱であり、各層間で剥離が生じる等、多くの不具合が見られた。
したがって本発明の目的は、基材層と印刷模様層との密着性に優れ、メンブレンプレス成形のような真空成形性に優れた3次元加工用化粧シートを提供することである。
本発明は、以下のとおりである。
(1)
下記(a)ポリエステル系樹脂および着色剤を含む基材層と;前記基材層上に積層されるとともに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる印刷模様層と;前記印刷模様層上に積層されるとともに、下記(b)ポリエステル系樹脂からなる透明層と;を有することを特徴とする3次元加工用化粧シート。
(a)ポリエステル系樹脂
(i)テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、
(ii)エチレングリコール60.5〜71.5モル%、ジエチレングリコール2.5〜6モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール26〜37モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)と
から構成されたポリエステル系樹脂。
(b)ポリエステル系樹脂
テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、
エチレングリコール60〜73モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール27〜40モル%およびジエチレングリコール0〜6モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成されたポリエステル系樹脂。
(1)
下記(a)ポリエステル系樹脂および着色剤を含む基材層と;前記基材層上に積層されるとともに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる印刷模様層と;前記印刷模様層上に積層されるとともに、下記(b)ポリエステル系樹脂からなる透明層と;を有することを特徴とする3次元加工用化粧シート。
(a)ポリエステル系樹脂
(i)テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、
(ii)エチレングリコール60.5〜71.5モル%、ジエチレングリコール2.5〜6モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール26〜37モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)と
から構成されたポリエステル系樹脂。
(b)ポリエステル系樹脂
テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、
エチレングリコール60〜73モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール27〜40モル%およびジエチレングリコール0〜6モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成されたポリエステル系樹脂。
(2)前記透明層上に硬質で透明な表面保護層を積層してなることを特徴とする前記(1)に記載の3次元加工用化粧シート。
(3)前記表面保護層が、転写箔にて構成されることを特徴とする前記(2)に記載の3次元加工用化粧シート。
(4)前記表面保護層が、ハードコートフィルムよりなることを特徴とする前記(2)に記載の3次元加工用化粧シート。
(5)前記表面保護層の表面に、マスキングフィルムが展着されていることを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれかに記載の3次元加工用化粧シート。
前記の基材層と印刷模様層との密着性に関する問題点は、基材層に着色剤が含まれていない場合は発生しない。しかし、下記で例示するような代表的な着色剤を使用した場合に、理由は明らかではないが基材層と印刷模様層との密着性が極端に悪化してしまう。
本発明によれば、基材層の主成分がジカルボン酸成分とジオール成分の種類および含有量を特定した(a)ポリエステル系樹脂であるので、基材層に着色剤が含まれていても、基材層と印刷模様層との密着性に優れたものとなり、メンブレンプレス成形等を行っても各層間に剥離等が生じない、成形性に優れた3次元加工用化粧シートを提供することができる。
本発明によれば、基材層の主成分がジカルボン酸成分とジオール成分の種類および含有量を特定した(a)ポリエステル系樹脂であるので、基材層に着色剤が含まれていても、基材層と印刷模様層との密着性に優れたものとなり、メンブレンプレス成形等を行っても各層間に剥離等が生じない、成形性に優れた3次元加工用化粧シートを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
1.基材層
(a)ポリエステル系樹脂
本発明で使用する(a)ポリエステル系樹脂は、(i)テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、(ii)エチレングリコール60.5〜71.5モル%、ジエチレングリコール2.5〜6モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール26〜37モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成される樹脂である。
1.基材層
(a)ポリエステル系樹脂
本発明で使用する(a)ポリエステル系樹脂は、(i)テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、(ii)エチレングリコール60.5〜71.5モル%、ジエチレングリコール2.5〜6モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール26〜37モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成される樹脂である。
上記ジエチレングリコール部分を所定の割合で含有するポリエステルを調製するには、例えば、ジオール成分として所定量のジエチレングリコールが使用される。しかし、ジエチレングリコールではなく、エチレングリコールを使用した場合にも、その縮合反応によりジエチレングリコール部分が形成される。通常、エチレンテレフタレート部分を含むポリエステルは、その製造過程で上記エチレングリコールの縮合反応によりジエチレングリコール部分が形成される。上記ジエチレングリコール部分の含有量は、ポリエステルの製造方法、反応時の条件および用いられる触媒などにより異なる。
本発明における(a)ポリエステル系樹脂は、全体として、一般に1,4−シクロヘキサンジメタノール変性量が31モル%前後のポリエステル系樹脂を製造するときに副生するジエチレングリコール部分の量よりも多量のジエチレングリコール部分を含有する。従って、本発明において、上記所定量のジエチレングリコールを含有させるには、通常結晶性ポリエステルからなる飲料用ボトルやボトル用シュリンクフイルム等の分野ではすでに公知であるがその含有量に応じて、ジオール成分として通常、エチレングリコールの他に、さらに必要量のジエチレングリコールが使用される。あるいは、ポリエステルの製造条件や触媒を最適化することによってもエチレングリコールから副生するジエチレングリコールの量を制御することも可能である。
本発明における(a)ポリエステル系樹脂は、いずれも従来の方法により製造され得る。例えば、ジカルボン酸とジオールとを直接反応させる直接エステル化法;ジカルボン酸ジメチルエステルとジオールと、を反応させるエステル交換法などを用いて(共重合)ポリエステルが調製される。調製は、回分式および連続式のいずれの方法で行われてもよい。
本発明における(a)ポリエステル系樹脂は、全体として、一般に1,4−シクロヘキサンジメタノール変性量が31モル%前後のポリエステル系樹脂を製造するときに副生するジエチレングリコール部分の量よりも多量のジエチレングリコール部分を含有する。従って、本発明において、上記所定量のジエチレングリコールを含有させるには、通常結晶性ポリエステルからなる飲料用ボトルやボトル用シュリンクフイルム等の分野ではすでに公知であるがその含有量に応じて、ジオール成分として通常、エチレングリコールの他に、さらに必要量のジエチレングリコールが使用される。あるいは、ポリエステルの製造条件や触媒を最適化することによってもエチレングリコールから副生するジエチレングリコールの量を制御することも可能である。
本発明における(a)ポリエステル系樹脂は、いずれも従来の方法により製造され得る。例えば、ジカルボン酸とジオールとを直接反応させる直接エステル化法;ジカルボン酸ジメチルエステルとジオールと、を反応させるエステル交換法などを用いて(共重合)ポリエステルが調製される。調製は、回分式および連続式のいずれの方法で行われてもよい。
ジエチレングリコールの含有量は、メンブレンプレス成形時のラミネート強度の点で2.5〜6モル%、好ましくは2.5〜4.0モル%である。
なお、イーストマンケミカル社製Provistaは、第三成分としてジエチレングリコールの代わりにトリメリット酸無水物を含むが本発明の目的には好ましくない。
なお、イーストマンケミカル社製Provistaは、第三成分としてジエチレングリコールの代わりにトリメリット酸無水物を含むが本発明の目的には好ましくない。
(a)ポリエステル系樹脂は、溶融状態からの結晶化半時間が少なくとも5分、好ましくは少なくとも12分のポリエステルである。結晶化半時間は、パーキン・エルマー(Perkin-Elmer)モデルDSC−2示差走査熱量計を使用して測定する。15.0mgのサンプルをアルミニウムパンの中に密封し、約320℃/分の速度で290℃で2分間加熱する。次いで、サンプルを、所定の等温結晶化温度まで約320℃/分(装置として不可能な場合は20℃/分)の速度で、ヘリウムの存在下に、直ちに冷却する。結晶化半時間は、等温結晶化温度に達してからDSC曲線上の結晶化ピークの点までの時間間隔として決定する。
なお、ジエチレングリコールが2.5〜6.0モル%の範囲外であると、メンブレンプレス成形時のラミネート強度が悪化する。
また、エチレングリコールが前記の範囲外であると、ポリエステル樹脂の結晶化がおこり柔軟性が損なわれ、1,4−シクロヘキサンジメタノールが前記の範囲外であると、ポリエステル樹脂の結晶化がおこり柔軟性が損なわれ、好ましくない。
エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの量関係において、前記範囲では、結晶化度が最も低く(結晶化時間が極めて長く)なる。これにより、シートの柔軟性が高まる。またメンブレンプレス成形時のラミネート強度が悪化しない。
また、エチレングリコールが前記の範囲外であると、ポリエステル樹脂の結晶化がおこり柔軟性が損なわれ、1,4−シクロヘキサンジメタノールが前記の範囲外であると、ポリエステル樹脂の結晶化がおこり柔軟性が損なわれ、好ましくない。
エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの量関係において、前記範囲では、結晶化度が最も低く(結晶化時間が極めて長く)なる。これにより、シートの柔軟性が高まる。またメンブレンプレス成形時のラミネート強度が悪化しない。
また本発明では、前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成されることが必要である。トランスが65モル%未満あるいは75モル%超であると、基材層と印刷模様層との密着性が悪化する。
1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造方法は公知であり、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルを銅クロム触媒の存在下で水素化した後蒸留して得ることができる。トランスおよびシス量の調整方法も公知であり、例えば特許第2537401号公報に開示されている。なお、該公報にはトランス量が90%を超える1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造例が記載されているが、このような1,4−シクロヘキサンジメタノールは本発明の目的上、使用することができない。
1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造方法は公知であり、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルを銅クロム触媒の存在下で水素化した後蒸留して得ることができる。トランスおよびシス量の調整方法も公知であり、例えば特許第2537401号公報に開示されている。なお、該公報にはトランス量が90%を超える1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造例が記載されているが、このような1,4−シクロヘキサンジメタノールは本発明の目的上、使用することができない。
本発明で使用するポリエステル系樹脂(a)は(以下の測定条件で行った)GPC測定(RI検出器)による数平均分子量が16000〜24000であることが好ましい。この範囲であれば成形後のシートの収縮が抑制される。
測定装置名:島津製作所製HPLC VP
使用カラム:ShodexK806L(8mmφ×300mm)×2本
溶媒:クロロホルム液クロ用特級
サンプル濃度:0.2%(w/v)
流量:1ml/min
検出器:RI
注入量:100μL
測定温度:35℃
測定装置名:島津製作所製HPLC VP
使用カラム:ShodexK806L(8mmφ×300mm)×2本
溶媒:クロロホルム液クロ用特級
サンプル濃度:0.2%(w/v)
流量:1ml/min
検出器:RI
注入量:100μL
測定温度:35℃
なお、前記のように本発明におけるジカルボン酸成分はテレフタル酸のみを使用する。例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートなどのその他のジカルボン酸類を1モル%以上含むような場合は、本発明の目的を達成することができない。
本発明の基材層に含まれる着色剤としては、当業界で着色剤として使用されているものを制限なく用いることができるが、本発明では、特に赤・黄色の比較的彩度の高い有機系顔料等の着色剤を用いた場合に、とくに基材層と印刷模様層との密着性に関する問題点を解決することができる。中でも好ましくはイソインドリノン(黄)、チタンイエロー(黄)、ペリレン(赤)、ポリアゾ(赤)、キナクリドン(赤)、酸化鉄(赤)等が挙げられる。また、酸化チタン系白色着色剤と混合しても使用できる。
着色剤は、(a)ポリエステル系樹脂100質量部に対し、通常、0.1〜50質量部、好ましくは2〜20質量部使用される。
着色剤は、(a)ポリエステル系樹脂100質量部に対し、通常、0.1〜50質量部、好ましくは2〜20質量部使用される。
2.印刷模様層
本発明における印刷模様層は、基材層上に積層されるとともに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる。中でも、前記着色インキが、ビヒクルとして、(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、(B)アクリル樹脂とを含有し、前記ビヒクル中の(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量が、35〜85質量%であり、前記ビヒクル中の(B)アクリル樹脂の含有量が、15〜65質量%であるものに対して、とくに本発明の効果が高い。このような着色インキは、特開2004−231805号公報に開示され公知であるが、簡単に説明する。
本発明における印刷模様層は、基材層上に積層されるとともに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる。中でも、前記着色インキが、ビヒクルとして、(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、(B)アクリル樹脂とを含有し、前記ビヒクル中の(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量が、35〜85質量%であり、前記ビヒクル中の(B)アクリル樹脂の含有量が、15〜65質量%であるものに対して、とくに本発明の効果が高い。このような着色インキは、特開2004−231805号公報に開示され公知であるが、簡単に説明する。
上記着色インキは、ビヒクル(展色材)として、(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と(B)アクリル樹脂とを含有するものであり、必要に応じて、溶剤、着色剤、各種添加剤を含有するものである。ビヒクルは、通常は、顔料を分散させる成分であり、着色インキでは樹脂および油がこれに該当し、具体的に本発明では、後述の(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、(B)アクリル樹脂をはじめ、(A)以外の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、公知の印刷インキ樹脂等の樹脂成分がこれに該当する。
(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の質量平均分子量は、好ましくは28000〜50000である。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、スチレン換算で求められる。
(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の質量平均分子量は、好ましくは28000〜50000である。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、スチレン換算で求められる。
(B)アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独または共重合体が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)アクリル樹脂の質量平均分子量は、好ましくは65000〜155000である。
(B)アクリル樹脂の質量平均分子量は、好ましくは65000〜155000である。
上記着色インキには、ビヒクルとして上記2成分以外に、他の樹脂成分、例えば、(A)以外の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂等の公知の印刷インキ用樹脂を含ませてもよい。また、他の成分としての溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル等のエステル類;エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類などが挙げられる。着色剤としては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料;アニリンブラック、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料、その他染料等が挙げられる。体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等が挙げられる。各種添加剤として、分散剤、可塑剤、安定剤、接着付与剤等が挙げられる。
3.透明層
本発明における透明層は、前記印刷模様層上に積層されるとともに、下記(b)ポリエステル系樹脂からなる層である。
すなわち、(b)ポリエステル系樹脂は、各種成形性の観点から、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、エチレングリコール60〜73モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール27〜40モル%およびジエチレングリコール0〜6モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成されたポリエステル系樹脂である。
本発明における透明層は、前記印刷模様層上に積層されるとともに、下記(b)ポリエステル系樹脂からなる層である。
すなわち、(b)ポリエステル系樹脂は、各種成形性の観点から、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、エチレングリコール60〜73モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール27〜40モル%およびジエチレングリコール0〜6モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成されたポリエステル系樹脂である。
また、(b)ポリエステル系樹脂は、溶融状態からの結晶化半時間が少なくとも5分、好ましくは少なくとも12分である。結晶化半時間については、上記の(a)ポリエステル系樹脂で説明したとおりである。
本発明の前記基材層および透明層には、必要に応じて、本発明の目的を損ねない範囲内で通常の添加剤として使用される抗酸化剤、熱安定剤、耐光性向上剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、離型剤、帯電防止剤、摺動性向上剤などを添加することもできる。
各種添加剤の配合方法としては前記各成分を個別に準備し、通常の混練装置、例えばヘンシェルミキサー、タンブラーなどを用いて混練し、単軸押出機、二軸押出機バンバリーミキサーなど通常の賦形に用いられる装置により賦形して組成物となす方法を採用することができる。
各種添加剤の配合方法としては前記各成分を個別に準備し、通常の混練装置、例えばヘンシェルミキサー、タンブラーなどを用いて混練し、単軸押出機、二軸押出機バンバリーミキサーなど通常の賦形に用いられる装置により賦形して組成物となす方法を採用することができる。
基材層および透明層は、公知の手段に基づき、押出成形によって形成することができる。また印刷模様層は、着色インキを用いて、グラビア印刷などの印刷方法で種々の模様、例えば木目模様や大理石模様などを形成することができる。
基材層の厚さは、例えば30〜750μm、好ましくは30〜500μm、より好ましくは80〜200μmである。
透明層の厚さは、例えば30〜750μm、好ましくは30〜500μm、より好ましくは80〜200μmである。
化粧シート全体の厚さは、例えば30〜1000μm、好ましくは50〜500μmである。
基材層の厚さは、例えば30〜750μm、好ましくは30〜500μm、より好ましくは80〜200μmである。
透明層の厚さは、例えば30〜750μm、好ましくは30〜500μm、より好ましくは80〜200μmである。
化粧シート全体の厚さは、例えば30〜1000μm、好ましくは50〜500μmである。
本発明による化粧シートの一実施の形態を図面を参照しながらさらに説明する。
図1は、本発明による化粧シートの一実施の形態を示す概略断面図である。
本実施の形態の化粧シート10は、基材層11と、印刷模様層12と、透明層13と、表面保護層14とで構成されている。
基材層11は、前述のように(a)ポリエステル系樹脂および着色剤を含み、押出成形にてフィルム状に形成されることで得られる。基材層11上には、例えばグラビア印刷によって、所望の模様を付与する印刷模様層12が設けられ、さらに印刷模様層12上には、前記の(b)ポリエステル系樹脂からなる透明層13が設けられる。透明層13は、印刷模様層12上に(b)ポリエステル系樹脂をフィルム状にカレンダー成形し一度巻き取ったものを用い一対のロール間を通過させラミネート貼着させて形成することができる。
表面保護層14は、一つの形態では、硬質で透明な樹脂素材よりなる表面保護フィルムであり、透明層13上に積層形成される。この表面保護層14となる表面保護フィルムは、硬質アクリル樹脂からなる転写箔やハードコートフィルムなどが挙げられる。
図1は、本発明による化粧シートの一実施の形態を示す概略断面図である。
本実施の形態の化粧シート10は、基材層11と、印刷模様層12と、透明層13と、表面保護層14とで構成されている。
基材層11は、前述のように(a)ポリエステル系樹脂および着色剤を含み、押出成形にてフィルム状に形成されることで得られる。基材層11上には、例えばグラビア印刷によって、所望の模様を付与する印刷模様層12が設けられ、さらに印刷模様層12上には、前記の(b)ポリエステル系樹脂からなる透明層13が設けられる。透明層13は、印刷模様層12上に(b)ポリエステル系樹脂をフィルム状にカレンダー成形し一度巻き取ったものを用い一対のロール間を通過させラミネート貼着させて形成することができる。
表面保護層14は、一つの形態では、硬質で透明な樹脂素材よりなる表面保護フィルムであり、透明層13上に積層形成される。この表面保護層14となる表面保護フィルムは、硬質アクリル樹脂からなる転写箔やハードコートフィルムなどが挙げられる。
図2に示すように、転写箔15は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を基材フィルム151として、この基材フィルム151の一方の面に剥離層152を平滑に積層形成し、剥離層152上にアクリル系樹脂などよりなる透明度が高く光沢性の良好な硬度の高い樹脂、例えば熱可塑性樹脂をロールコーティング法などで塗工することで塗膜を形成させて数μm〜10数μmの厚さの保護層153を形成し、さらに、この保護層153上にホットメルト系接着剤を塗布し接着剤層154を形成させた4層構造のフィルムである。
この転写箔15は、透明層13上に転写ロールにて転写され、転写後基材フィルム151を剥離層152の部分で剥離させることで、製品である化粧シート10とされる。
この転写箔15は、透明層13上に転写ロールにて転写され、転写後基材フィルム151を剥離層152の部分で剥離させることで、製品である化粧シート10とされる。
また図3に示すように、ハードコートフィルム16は、晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる平滑な二軸延伸ベースフィルム161の表面に、ロールコーティング法などで硬化性アクリル系樹脂などの樹脂素材を塗工してハードコート層162を形成し、また、ベースフィルム161の裏面にホットメルト系接着剤を塗布して接着剤層163を形成させたものである。
このハードコートフィルム16は、透明層13上にドライラミネートなどで貼着させ、製品である化粧シート10とする。
このハードコートフィルム16は、透明層13上にドライラミネートなどで貼着させ、製品である化粧シート10とする。
なお、表面保護層14の表面には、図示しないが、ポリエチレン樹脂などの粘着フィルムよりなるマスキングフィルムが展着されていてもよく、このマスキングフィルムにより、製品となった化粧シート10の運搬などの際に、表面保護層14に擦り傷などを生じさせないようになっている。
本発明の化粧シート10は、基材層11の主成分としてジカルボン酸成分とジオール成分の種類および含有量を特定した(a)ポリエステル系樹脂を採用したので、基材層11に着色剤が含まれていても、基材層11と印刷模様層12との密着性が優れ、メンブレンプレス成形によってR加工や曲面加工などの3次元加工を行っても各層間に剥離等が生じない。
また、表面保護層14を形成した化粧シート10の形態によれば、その表面に光沢が与えられ、かつ耐溶剤特性や耐擦傷性を向上させることが可能となる。
表面保護層14を転写箔15とした形態では、十分な成形性を得られることから、二次加工が容易に行え、R加工や曲面加工など所望の形状など3次元的な加工を施すことが可能である。表面保護層14をハードコートフィルム16とした形態では、平面的な用途、例えば壁面などに展着するなど2次元的に用いる場合に好適となる。
また、表面保護層14を形成した化粧シート10の形態によれば、その表面に光沢が与えられ、かつ耐溶剤特性や耐擦傷性を向上させることが可能となる。
表面保護層14を転写箔15とした形態では、十分な成形性を得られることから、二次加工が容易に行え、R加工や曲面加工など所望の形状など3次元的な加工を施すことが可能である。表面保護層14をハードコートフィルム16とした形態では、平面的な用途、例えば壁面などに展着するなど2次元的に用いる場合に好適となる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
下記例では、次の各種材料のいずれかを使用した。
基材層
(1)ポリエステル系樹脂(a−1)
グリコール成分:エチレングリコール(EG)66.0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)31.0モル%およびジエチレングリコール(DEG)3.0モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸(TPA)
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21000である。
なお、上記の各成分の構成割合は、13C−NMR(核磁気共鳴装置(NMR)日本電子製GX−400)を用い、試料約40mgを5mm径の試料管中で重水素化クロロホルムで溶解し測定試料として測定し確認したものである(以下も同様)。
基材層
(1)ポリエステル系樹脂(a−1)
グリコール成分:エチレングリコール(EG)66.0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)31.0モル%およびジエチレングリコール(DEG)3.0モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸(TPA)
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21000である。
なお、上記の各成分の構成割合は、13C−NMR(核磁気共鳴装置(NMR)日本電子製GX−400)を用い、試料約40mgを5mm径の試料管中で重水素化クロロホルムで溶解し測定試料として測定し確認したものである(以下も同様)。
(2)ポリエステル系樹脂(a−2)
グリコール成分:エチレングリコール63.0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール6.0モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21000である。
グリコール成分:エチレングリコール63.0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール6.0モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21000である。
(3)ポリエステル系樹脂(a−3)
グリコール成分:エチレングリコール66.5モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール2.5モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は20500である。
グリコール成分:エチレングリコール66.5モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール2.5モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は20500である。
(4)ポリエステル系樹脂(a−4)
グリコール成分:エチレングリコール65.0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール4.0モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21500である。
グリコール成分:エチレングリコール65.0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール4.0モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21500である。
(5)比較用ポリエステル系樹脂(a’−1)
グリコール成分:エチレングリコール67.0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール2.0モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は20500である。
グリコール成分:エチレングリコール67.0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール2.0モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は20500である。
(6)比較用ポリエステル系樹脂(a’−2)
グリコール成分:エチレングリコール66.2モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール2.8モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス60モル%およびシス40モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は20500である。
グリコール成分:エチレングリコール66.2モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール2.8モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス60モル%およびシス40モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は20500である。
(7)比較用ポリエステル系樹脂(a’−3)
グリコール成分:エチレングリコール66.2モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール2.8モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス80モル%およびシス20モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21000である。
グリコール成分:エチレングリコール66.2モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール2.8モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス80モル%およびシス20モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21000である。
(8)比較用ポリエステル系樹脂(a’−4)
グリコール成分:エチレングリコール62.8モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール6.2モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21000である。
グリコール成分:エチレングリコール62.8モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.0モル%およびジエチレングリコール6.2モル%(1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス70モル%およびシス30モル%から構成される)
ジカルボン酸成分:テレフタル酸
から構成されるポリエステル。
該ポリエステルのGPC測定(RI検出器)による数平均分子量は21000である。
(9)着色剤
大日本インキ工業株式会社製、商品名TG011(ペリレンを主成分とする)
大日本インキ工業株式会社製、商品名TG011(ペリレンを主成分とする)
(10)着色剤
大日本インキ工業株式会社製、商品名TG035(イソインドリノンを主成分とする)
大日本インキ工業株式会社製、商品名TG035(イソインドリノンを主成分とする)
印刷模様層
(11)ザ・インクテック社製、商品名VTP−NTBO赤及びVTP−NT40黄。この着色インキは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をバインダーとし、ビヒクルとして、(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、(B)アクリル樹脂とを含有し、前記ビヒクル中の(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量が、50質量%であり、前記ビヒクル中の(B)アクリル樹脂の含有量が、50質量%である。(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体において、塩化ビニルの割合は85質量%である。顔料含有割合はビヒクル100質量部に対してそれぞれ52および47質量部である。
(11)ザ・インクテック社製、商品名VTP−NTBO赤及びVTP−NT40黄。この着色インキは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をバインダーとし、ビヒクルとして、(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、(B)アクリル樹脂とを含有し、前記ビヒクル中の(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量が、50質量%であり、前記ビヒクル中の(B)アクリル樹脂の含有量が、50質量%である。(A)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体において、塩化ビニルの割合は85質量%である。顔料含有割合はビヒクル100質量部に対してそれぞれ52および47質量部である。
透明層
(12)ポリエステル系樹脂(b−1)
前記基材層におけるポリエステル系樹脂(a−1)を使用した。
(12)ポリエステル系樹脂(b−1)
前記基材層におけるポリエステル系樹脂(a−1)を使用した。
(実施例1〜14および比較例1〜8)
表1に示す配合処方を有する各種(a)ポリエステル系樹脂を押出成形し、厚さ100μmの基材層を得た。押出成形機としては、単軸、径90mm、L/D=28を用いた。押出温度条件は、230℃とした(以下同様)。
次に基材層上にグラビア印刷法にて印刷模様層を形成し、木目模様を得た。印刷模様層で使用した着色インキは、表1において黒丸で示した。
続いて、印刷模様層上にポリエステル系樹脂(b−1)を押出成形し、厚さ200μmの透明層を得た。
さらに、透明層上に、図2で示した転写箔を転写し、その後転写箔の基材フィルムを剥離して、本発明の化粧シートを得た。
表1に示す配合処方を有する各種(a)ポリエステル系樹脂を押出成形し、厚さ100μmの基材層を得た。押出成形機としては、単軸、径90mm、L/D=28を用いた。押出温度条件は、230℃とした(以下同様)。
次に基材層上にグラビア印刷法にて印刷模様層を形成し、木目模様を得た。印刷模様層で使用した着色インキは、表1において黒丸で示した。
続いて、印刷模様層上にポリエステル系樹脂(b−1)を押出成形し、厚さ200μmの透明層を得た。
さらに、透明層上に、図2で示した転写箔を転写し、その後転写箔の基材フィルムを剥離して、本発明の化粧シートを得た。
得られた化粧シートのメンブレンプレス時のラミネート強度について調べた。具体的には、厚さ18mmのMDFボードにメンブレンプレス成形し、MDFの端部のシートが、はみ出した部分をカッターナイフでトリミングした際に、印刷模様層でシート間の剥離が生じやすさを比較することにより、
◎:切っ掛けを作っても剥離しない、○:切っ掛けを作っても剥離し難い、
△:切っ掛けを作ると容易に剥離した、×:トリミングと同時に剥離した、として評価した。
結果を表1に示す。
◎:切っ掛けを作っても剥離しない、○:切っ掛けを作っても剥離し難い、
△:切っ掛けを作ると容易に剥離した、×:トリミングと同時に剥離した、として評価した。
結果を表1に示す。
表1の結果から、ジカルボン酸成分とジオール成分の種類および含有量の条件を満たした基材層を採用した各実施例では、比較例に比べて、基材層と印刷模様層との密着性に優れ、メンブレンプレス成形性に優れていることが分かる。
本発明によれば、基材層に着色剤が含まれていても、基材層と印刷模様層との密着性に優れ、メンブレンプレス成形等を行っても各層間に剥離等が生じない、成形性に優れた3次元加工用化粧シートを提供することができる。
10 化粧シート
11 基材層
12 印刷模様層
13 透明層
14 表面保護層
15 転写箔
16 ハードコートフィルム
11 基材層
12 印刷模様層
13 透明層
14 表面保護層
15 転写箔
16 ハードコートフィルム
Claims (5)
- 下記(a)ポリエステル系樹脂および着色剤を含む基材層と;前記基材層上に積層されるとともに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる印刷模様層と;前記印刷模様層上に積層されるとともに、下記(b)ポリエステル系樹脂からなる透明層と;を有することを特徴とする3次元加工用化粧シート。
(a)ポリエステル系樹脂
(i)テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、
(ii)エチレングリコール60.5〜71.5モル%、ジエチレングリコール2.5〜6モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール26〜37モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)と
から構成されたポリエステル系樹脂。
(b)ポリエステル系樹脂
テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、
エチレングリコール60〜73モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール27〜40モル%およびジエチレングリコール0〜6モル%からなるジオール成分(但し、前記エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計は100モル%であり、かつ前記1,4−シクロヘキサンジメタノールはトランス65〜75モル%およびシス25〜35モル%から構成される)とから構成されたポリエステル系樹脂。 - 前記透明層上に硬質で透明な表面保護層を積層してなることを特徴とする請求項1に記載の3次元加工用化粧シート。
- 前記表面保護層が、転写箔にて構成されることを特徴とする請求項2に記載の3次元加工用化粧シート。
- 前記表面保護層が、ハードコートフィルムよりなることを特徴とする請求項2に記載の3次元加工用化粧シート。
- 前記表面保護層の表面に、マスキングフィルムが展着されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の3次元加工用化粧シート。
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