JP2537401B2 - トランス―1,4―シクロヘキサンジメタノ―ル及びその粉末の製造方法 - Google Patents

トランス―1,4―シクロヘキサンジメタノ―ル及びその粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステル系塗料、繊維、樹脂などの原料
又は化学中間体として有用なトランス−1,4−シクロヘ
キサンジメタノール及びその粉末の製造方法に関する。
[従来の技術] 1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下、1,4−CHDM
と略することがある)の工業的な製造は、通常の蒸留に
よる方法として、例えば、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジメチルエステルを銅クロム触媒の存在下で水素
化した後蒸留して得る方法がある。
このようにして得られた1,4−CHDMは、通常トランス
体が約70%及びシス体が約30%から成り、室温で蝋状又
はマスキット状の物質である。
このシス体とトランス体の性質を比較すると、高純度
のシス体の融点は室温以下であり、通常は液体として存
在するのに対して、高純度のトランス体の融点は60〜64
℃であり、室温では固体として存在する。
また、その誘導体については、トランス体から製造し
たポリエステル樹脂のほうがガラス点や軟化点が高く、
性質が優れていることが判明している。従って、原料と
してはトランス−1,4−CHDMが望まれ、その需要増大が
期待されている。
このようなトランス−1,4−CHDMの従来の製造例とし
ては、例えば、下記のような方法があった。
アクタ・ファーマシューティカ・スウェチカ(Acta
Pharmaceutica Suecica)5(5),449−456頁(196
8)に紹介されているような、1,4−CHDMのシス・トラン
ス混合物をトリメチルシリル化してジグリセロールカラ
ムでクロマト分離する方法、 ジャーナル・オブ・リキッド・クロマトグラフィー
(Journal of Liquid Chromatography)10(6)1077−
1084頁(1987)に紹介されているような1,4−CHDMのシ
ス・トランス混合物をシクロデキストリン結合型シリカ
ゲルカラムを使用してクロマト分離する方法、 ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ(Jo
urnal of Chemical Society)404−407頁(1953年)に
紹介されているような、1,4−CHDMのシス・トランス混
合物をジベンゾエートにして結晶性の差を利用して選択
的に結晶化してから再度加水分解してトランス−1,4−C
HDMを得る方法。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、通常の蒸留を行うことによる工業的生
産により得たものは、トランス体が高純度で留出する量
が極めて少なく、大部分がシス体を約30%程度含有して
いる混合物となる。
このように、シス体を約30%含有している混合物は、
その融点が約40℃前後であり、そのため取扱上多くの課
題を抱えていた。
例えば、商業的に流通するときには、そのものが蝋状
又はマスキット状であるために高価なドラム容器を必要
とすること、そのものを使用する前には予め50〜60℃の
温度で加熱溶解しておく手間が必要であること、その加
熱・溶解の際に分解や着色が生ずるので用途が限定され
てしまうこと、更には加熱・溶解に要する費用がかさ
み、ひいてはこれを原料として製造される品物が高価に
なってしまうことなどの課題があった。
また、上記の〜で示した従来のトランス−1,4−C
HDMの製造方法は、分析学的な方法あるいは実験室的な
方法であって、低収率、高コスト、繁雑な製造操作など
の課題を抱えており、商業生産に耐えるものではなく、
トランス−1,4−CHDMまたはその粉末の製造方法として
満足し得るものではなかった。
このような背景から、商業的に有利なトランス−1,4
−CHDM及びその粉末の製造方法の開発が強く望まれてい
た。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、1,4−シクロヘキサンジメタノールのシス
体及びトランス体混合物をアルカリの存在下で蒸留する
こと、又はアルカリの存在下で加熱した後、蒸留するこ
とにより高純度のトランス−1,4−CHDMを高い収率で得
ることに成功し、更に、これを粉末化することにより極
めて取り扱い易いトランス−1,4−CHDM粉末を得ること
に成功し、本発明を完成するに至った。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
本発明で使用する1,4−CHDMはシス体とトランス体の
混合物であれば良く、製法は問われない。
溶媒は有ってもよく、例えば水、メタノール、エタノ
ールなどが使用でき、1,4−CHDMの濃度は50〜100重量%
が好適であるが、無溶媒での反応の方が後に余分な操作
を必要としないので好ましい。
本発明で使用可能なアルカリには、例えばナトリウ
ム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属又はアルカリ
土類金属の水酸化物やナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシドなどの各種アルコラート、エタノールアミ
ン等のアミン類などがある。
アルカリの使用量は、1,4−CHDMに対して、0.1〜5重
量%が好ましい。
なぜなら、アルカリの使用量が0.1重量%未満の場合
にはトランス体の生成量が少なく、5重量%を超えて使
用したときはエーテル結合の重合体を生成するなどの不
都合を生じるので好ましくないからである。
アルカリを添加する形態は、アルカリを粉末状にして
添加することもできるが、アルカリの1,4−CHDMに対す
る溶解度が一般に低いので少量の水又は有機溶媒に溶解
して添加するか、又はアルコラートなどの液状の形で添
加することが好ましい。
アルカリを添加する時期は、蒸留する前に予め添加し
ておき蒸留することも、加熱後に蒸留することも、蒸留
中に添加することもできる。
アルカリを蒸留の途中で添加するときは、トランス体
の比率の高い留分が留出した後にアルカリを添加して更
にトランス体を生成させながら蒸留することもできる。
一方、アルカリを蒸留前に添加して加熱する場合、設
定条件は次のようにする。
・加熱温度 150〜250℃更に好ましくは160〜200℃とする。
温度150℃未満のときはトランス体の生成量が最大に
達するまでの反応時間が長いので好ましくなく、250℃
を超えて実施したときはエーテル結合の副生成物量が増
加するなどの不都合があるので好ましくない。
・時間 温度とアルカリの添加量や種類により異なるが、例え
ば160℃でアルカリ添加量が2重量%の場合には1時間
程度で、200℃でアルカリの添加量が0.5%の時には30分
間程度とすることで、トランス体の生成量が頂点に達す
る。
また、蒸留条件としては、温度150℃〜200℃、減圧度
1〜50mmHg程度が好ましい。
なぜなら、この範囲を外れても本発明を実施すること
はできるが、減圧度1mmHg未満の場合は工業的に設備や
動力に高い費用を要することから不利であり、50mmHgを
超えて実施した場合は蒸留温度が高くなり過ぎてしまう
ため、異性化は進むが、分解反応やエーテル化反応が派
生し好ましくないからである。
例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル
エステルを銅クロム触媒の存在下で還元した後、1,4−C
HDMを主成分とする反応物を得た場合、通常トランス体
を70%程度含有するが、これを水酸化ナトリウム0.5重
量%(対上記反応物重量)の存在下で180℃に加熱し約6
0分間保持することにより、シス体をトランス体へと異
性化することでトランス体の含有量を85%程度に上昇さ
せることができる。
しかし、この異性化だけではトランス体の含有量が、
80%程度と低い割合に留まる場合もあるので、次いで蒸
留操作を行うが、これにより、トランス体の含有量が85
%以上のものを、少なくとも90%程度の含有量で得るこ
とができる。
一方、蒸留する際にアルカリを添加した場合には、1,
4−CHDMを主成分とする反応物から純度95%以上のトラ
ンス体を反応物に対して収率95重量%程度で得ることが
できる。
なお、蒸留の方法は回分式でも連続式でも可能である
が、トランス体とシス体との微妙な差を区別してトラン
ス体を多く含有した留分を得るには理論段数が大きい方
が好ましく、少なくとも理論段数10〜20段の蒸留条件が
好ましい。
このようにして得られるトランス体の含有量がおよそ
85%以上であるトランス体高含有1,4−CHDMの融点は、
トランス体の含有量によって変化するが概ね60℃前後で
ある。
従って、トランス体高含有1,4−CHDMは冷却すること
によって比較的硬い固形物を形成するので、冷却しなが
ら混練した後成形する方法や冷却固化した後切削する方
法などを採用することによって容易に、サラサラした粒
状のトランス−1,4−CHDM粉末を得ることができる。
このトランス−1,4−CHDM又はトランス−1,4−CHDM粉
末を用いることにより、ガラス点が高く、性質の優れた
ポリエステル樹脂などの誘導体を製造することが可能に
なり、ひいては1,4−CHDMやそれを用いて製造した誘導
体の用途範囲を拡大することになる。
例えば、トランス体含有量が80%以上の1,4−CHDM、
更に好ましくはトランス体含有量が90%以上の1,4−CHD
Mをグリコール成分として50〜97モル%含有し、他のグ
リコール成分としてエチレングリコールを3〜50モル%
含有したものと、テレフタル酸等のジカルボン酸成分と
を反応させて得られるポリエステル共重合体は、従来
品、即ちトランス体含有量が80%未満の1,4−CHDMを用
いて同様に反応させて製造したものに較べて、著しく耐
熱性が向上したものになるのである。
更に、上記ポリエステル共重合体を製造する際に、所
望により繊維状強化剤や難燃剤、着色防止剤、制電剤、
耐熱剤、耐候剤などの各種改良剤を添加することによっ
て一層各種性質を強化することも可能である。
従って、本発明の方法により得られたトランス−1,4
−CHDM又はトランス−1,4−CHDM粉末を用いることによ
り、また、それに各種改良剤を添加して用いることによ
り、耐熱、耐火、耐候、耐変形、制電等の各種効果に優
れたポリエステル樹脂などの誘導体を製造することも可
能になる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
原料(1,4−CHDM)の調製 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル2
50kgと銅クロム触媒[C−5,堺化学(株)製]25kgを55
0リットル容オートクレーブに入れ、260℃で撹拌し、水
素の吸収が終了した後ろ過して触媒を除去し、得られた
ろ液を蒸留して、原料及び原料を得た。
原料及び原料をガスクロマトグラフ法にて分析し
た結果、原料は、シス体が45%でトランス体が55%で
あり、原料は、シス体が26%でトランス体が74%であ
った。
また、原料はモチ状で粉砕不可能であり、原料は
軟化点が約40℃でベトついた固体状(蝋状)であって、
粉砕は不可能であった。
実施例−1 50gの原料と濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液2g
とを混合し、100mlのナス形フラスコに入れ、撹拌しな
がらオイル浴で180℃、30分間加熱した後室温まで冷却
し、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール高含
有物である物質Aを得た。
該物質Aをガスクロマトグラフ法により分析した結
果、組成は、シス体15.4%、トランス体84.6%であっ
た。
次に、物質Aを、理論段数20段、減圧度10mmHg、留出
温度152〜163℃の条件で蒸留することにより、30gの留
分Aaを得た。
該留分Aaを分析した結果、組成はシス体3.1%,トラ
ンス体96.9%であった。
実施例−2 50gの原料と濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液0.2
gとを混合し、100mlのナス形フラスコに入れ、撹拌しな
がらオイル浴で200℃、3時間加熱した後室温まで冷却
し、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール高含
有物である物質Bを得た。
該物質Bを分析した結果、組成は、シス体17.7%、ト
ランス体82.3%であった。
次に、物質Bを、減圧度40mmHg、留出温度185〜188℃
に変えた以外は実施例−1で示した条件と同条件で蒸留
することにより、30gの留分Baを得た。
該留分Baを分析した結果、組成は、シス体3.9%,ト
ランス体96.1%であった。
実施例−3 50gの原料と濃度20%の水酸化ナトリウム水溶液1.0
gとを混合し、100mlのナス形フラスコに入れ、撹拌しな
がらオイル浴で160℃、2時間加熱した後室温まで冷却
し、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール高含
有物である物質Cを得た。
該物質Cを分析した結果、組成は、シス体16.3%、ト
ランス体83.7%であった。
次に、物質Cを、理論段数10段に変えた以外は実施例
−1で示した条件と同条件で蒸留することにより、30g
の留分Caを得た。
該留分Caを分析した結果、組成は、シス体9.0%,ト
ランス体91.0%であった。
実施例−4 50gの原料と濃度100%のナトリウムメチラート0.5g
とを混合し、100mlのナス形フラスコに入れ、撹拌しな
がらオイル浴で180℃、1時間加熱した後室温まで冷却
し、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール高含
有物である物質Dを得た。
該物質Dを分析した結果、組成は、シス体14.8%、ト
ランス体85.2%であった。
次に、物質Dを、理論段数10段に変えた以外は実施例
−2で示した条件と同条件で蒸留することにより、30g
の留分Daを得た。
該留分Daを分析した結果、組成は、シス体8.6%,ト
ランス体91.4%であった。
実施例−5 3kgの原料を5リットルのフラスコに入れ、理論段
数20段の精留塔(直径30mm,長さ1m、ラシヒリング入
り)で減圧度10mmHg、留出温度152〜163℃で蒸留し、0.
72kgの留分Eaと2.00kgの留分Ebとに分けた。
留分Eaの組成は、シス体が3.4%でトランス体が96.6
%であった。
一方、留分Ebの組成は、シス体が33.2%でトランス体
が66.8%であった。
次に、2kgの留分Ebと50%水酸化ナトリウム水溶液80g
を撹拌機付きの3リットルのフラスコに入れ、徐々に温
度を上げて180℃で30分間加熱した後室温まで冷却し、
アルカリと同当量の塩酸で中和し、物質Fを得た。
その後、物質Fを分析した結果、シス体15.8%、トラ
ンス体84.2%の組成であった。
さらに、この物質Fを5リットルのフラスコに入れ、
上記と同様に蒸留し、0.64kgの留分Gaと1.10kgの留分Gb
とを得た。
留分Gaの組成は、シス体2.2%でトランス体97.8%で
あった。
一方、留分Gbの組成は、シス体22.2%でトランス体7
7.8%であった。
実施例−6 3kgの原料と濃度50%水酸化ナトリウム水溶液60gを
5リットルのフラスコに入れ、理論段数20段の蒸留塔
(直径30mm,長さ1m、ラシヒリング入り)で減圧度10mmH
g、留出温度153〜162℃で蒸留し、0.6kgの留分Ha,0.8kg
の留分Hb,1.2kgの留分Hcを得た。
留分Haの組成は、シス体3.6%,トランス体96.4%
で、留分Hbの組成は、シス体2.4%,トランス体97.6%
で、留分Hcの組成は、シス体2.2%,トランス体97.8%
であった。
実施例−7 800gの原料にナトリウムメチラート16gを加え、理
論段数20段(直径30mm、長さ1m、ラシヒリング入り)減
圧度40mmHg、留出温度185〜188℃で蒸留し、500gの留分
Jを得た。
該留分Jを、ガスクロマトグラフ法で分析した結果、
組成は、トランス体が96.4%であり、シス体が3.6%で
あった。
更に、留分Jを70℃でステンレス製バットに流し込
み、一夜放置後、フローズンカッター[FZ型、湘南産業
(株)製]でカッティングを行い、取扱の容易な、白色
のトランス−1,4−CHDM粉末を得た。
このものの融点は62℃であった。
実施例−8 800gの原料と水酸化ナトリウム8gとを1リットルの
ステンレス製オートクレーブに入れ、180℃で2時間加
熱した。
冷却後、実施例−7と同様に蒸留し、留分Kを得た。
該留分Kを型に流し込んで、冷却固化し、粉砕した。
このものの分析結果は、トランス体96.8%、シス体3.
2%、融点62℃で取扱の容易な白色粉末であった。
実施例−9 800gの原料とナトリウムアルコラート6gとを理論段
数10段(直径30mm,長さ0.5m、ラシヒリング入り)の蒸
留塔に入れ、減圧度40mmHg、留出温度185〜188℃で蒸留
し、500gの留分Lを得た。
該留分Lをジャケット付ニーダー[卓上型ニーダー、
PNV−1型、入江照会(株)製]で10分間混練りした
後、一夜放置してフローズンカッターで粉砕し、白色の
取扱の容易なトランス−1,4−CHDM粉末を得た。
このものの分析結果は、トランス体90.3%、シス体9.
7%の組成を有し、融点は58℃であった。
実施例−10 800gの原料とナトリウムアルコラート5gとを理論段
数10段(直径30mm、長さ0.5m、ラシヒリング入り)の蒸
留塔に入れ、減圧度40mmHg、留出温度185〜188℃で蒸留
し、500gの留分Mを得た。
該留分Mをジャケット付ニーダーで10分間混練した
後、1時間放置してペレッター[EXD−100型、不二パウ
ダル(株)製]で直径3mm,長さ10〜50mmに成形し、白色
のトランス−1,4−CHDMペレットを得た。このものの分
析結果は、トランス体96.8%、シス体3.2%の組成を有
し、融点は62℃であった。
[発明の効果] 上記したように、本発明により、トランス−1,4−CHD
Mを効率良く、かつ経済的に製造することが可能にな
る。
また、本発明により、室温で固形状であり、取扱が容
易で、特別な収納容器を必要とせず、安価な容器に収納
可能な粉状のトランス−1,4−CHDMを、商業的に有利に
製造できる。
また、本発明により得られたトランス−1,4−CHDM又
はその粉末を用いることにより、また、それに各種改良
剤を添加して用いることにより、耐熱、耐火、耐候、耐
変形、制電等の各種効果に優れたポリエステル樹脂など
の誘導体を製造することが可能になり、ひいては、1,4
−CHDMの用途を拡大することもできる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,4−シクロヘキサンジメタノールのシス
    体及びトランス体混合物を、アルカリの存在下で蒸留す
    ることを特徴とする、トランス−1,4−シクロヘキサン
    ジメタノールの製造方法。
  2. 【請求項2】1,4−シクロヘキサンジメタノールのシス
    体及びトランス体混合物を、アルカリの存在下で加熱し
    てトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール高含有
    物を調製した後、蒸留することを特徴とする、トランス
    −1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造方法。
  3. 【請求項3】1,4−シクロヘキサンジメタノールのシス
    体及びトランス体混合物を、アルカリの存在下で蒸留
    し、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール高含
    有物を調製した後、粉末化することを特徴とする、トラ
    ンス−1,4−シクロヘキサンジメタノール粉末の製造方
    法。
  4. 【請求項4】1,4−シクロヘキサンジメタノールのシス
    体及びトランス体混合物を、アルカリの存在下で加熱し
    てトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール高含有
    物を調製した後、蒸留し、更に粉末化することを特徴と
    する、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール粉
    末の製造方法。
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